第72回がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

平成31年1月31日(木)16:00~18:00

場所

厚生労働省 12階 専用第15会議室

議題

(1)中間評価に用いる調査について
・患者体験調査(小児版)について
(2)中間評価指標について
・②-2がん医療分野の指標について
・③がんとの共生分野指標について
(3) その他

議事

 

○健康局がん対策推進官 定刻前ではございますが、委員の皆様おそろいでございますので、ただいまより第72回「がん対策推進協議会」を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、本日もまことにありがとうございます。
 委員の皆様の出欠状況ですが、御案内のとおり、全ての委員に本日は御出席をいただいております。
 また、本日は参考人といたしまして、国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科長の小川千登世参考人、同じく国立がん研究センター中央病院がん対策情報センターがん臨床情報部がん登録センターの東尚弘参考人、同じく国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科がん専門修練医の石丸紗恵参考人に御出席をいただいております。
 事務局及び関係省庁からの出席者については、座席表をもってかえさせていただきます。
 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。今回、恐縮ながらペーパーレスの推進のところでございますが、タブレットの状況がございまして、今回は一旦、ペーパーありの会議とさせていただく次第でございます。
 順次、確認をさせていただきます。
 座席表及び議事次第。
 続きまして、資料1~4。
 そして、参考資料1~3。
 参考資料3の後ろに京都府のパンフレットが1点添付されているかと存じます。
 また、委員の皆様におかれましては、机上資料1ということで、前回の協議会の御意見を総括させていただいたものをお手元に御用意しております。
 資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いいたします。
 それでは、以上をもちましてカメラをおさめていただきますよう、御協力のほどお願いいたします。
 机上資料1についてでございますが、今し方御案内したとおり、前回の御意見をまとめているものではございますが、引き続き前回の御意見の御指摘への考え方など、事務局のほうで整理させていただいている最中でございます。したがいまして、最終的に提示させていただくのは取りまとめの議論の際を予定しておりまして、本日は内容について御確認をいただきますよう、お願いいたします。何かございましたら、事務局まで御連絡いただければ幸いです。
 事務局からは以上でございます。
 では、山口先生、お願いいたします。
○山口会長 年明けて最初の協議会です。おめでとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今、最後に御説明があった意見の取りまとめですけれども、前回、時間のセーブを少し考えまして、委員全員で議論したほうがいいテーマ、あるいはある分野に特化していても他の委員にもしっかり聞いておいていただきたいテーマ。それはぜひ、ここで意見開陳をしていただきたいと思います。一方、ここのところがよくわからないとか、ここは気をつけておいてくださいという事務局、厚労省への指導・指示、あるいは意見であって、必ずしもこの場で議論しなくても協議会の議論に大きな影響を与えないと思われた内容については、直接、事務局に御連絡していただくことをお願いしたところです。
 ただし、3番目のグループについては委員の皆様にも共有していただかなければいけないので、意見の取りまとめの中に記載可能なものは、その回答を加え、記載していただき、先ほど御説明にあった今回は机上資料とされているものを本来の資料として公認していただきます。そこで、この机上資料の内容は、この委員会の中の議論で、結論が出ていないものはそういう意見があったと書いていただきますし、簡単に回答できるものがあれば、それについては簡単に回答を書いておいていただく。そういうことで前回お願いいたしましたので、今回もそのような形で進めさせていただこうと思います。
 なお、前回の中間評価の内容についての専門家として、放射線関係の茂松委員と、薬物療法の南委員が御欠席だったので、事務局からこれで異論はないかということを尋ねさせていただきました。私がいただいている回答では、お二人ともこれで結構だということと承っておりますけれども、それでよろしゅうございますか。
○南委員 がん拠点病院での薬物療法専門医についてですが、いるか、いないかだけではなくて、今後は数の把握もすべきということは一言申し上げさせていただければと思います。
○山口会長 事務局、それはよろしいですか。
○事務局 承知しました。ありがとうございます。
○山口会長 それでは、きょうの議事次第に沿って進めさせていただこうと思います。
 まず最初に、患者体験調査のうち、特に小児に関して、新たな試みになりますけれども、この議題を先に議論させていただこうと思います。
 それから、その後、中間評価の指標についての議論に関して、前回済んだところの後、がん医療分野の後半、それから、がんとの共生分野で議論を進めていきたいと考えております。
 参考人として、国立がん研究センター、成育医療センター、それぞれを代表して、あるいは研究班を代表して、小川先生、石丸先生、それから、東先生にも御出席いただいておりますので、適時、御意見を承りたいと思っております。
 では、まず議題1で「患者体験調査(小児版)について」を、資料2及び3を用いて、小川参考人より御説明をいただこうと思います。
 事務局からは、事前に委員の先生方にも御意見をお伺いし、その内容は反映されているということなのですけれども、きょうの御説明を聞き、さらによりよいものにするための御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、小川先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○小川参考人 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、小児を対象とした患者体験調査について報告させていただきます。
 スライド2枚目をごらんください。患者体験調査は、がん対策推進基本計画の評価指標を測定するための重要な測定データであり、第2期のがん対策推進基本計画から成人を対象として行われております。今回は小児がん・AYA世代のがんについて実態を把握するために患者体験調査の小児版を作成し、準備をしております。
 3枚目をごらんください。患者体験調査は、成人、小児ともに、がん患者自身の医療や社会生活の実態把握を目的としており、調査結果を国全体の施策につなげていくことが求められています。そのため、患者全体の実態が反映される調査方法の工夫が必要ですし、調査対象者や協力施設の負担に対する工夫も必要です。
 一方で、特に小児がん患者での調査では、目的に沿った適切な回答者を選ぶこと、また、患者家族が大きな役割を果たしていることから、家族に対する十分な心理的配慮は課題となります。ほかにも長期フォローアップの必要性など、小児がんの特性を踏まえた調査とするための工夫も必要です。
 4枚目をごらんください。そこで質問項目や調査方法を考えるのに、まず患者家族会の代表との意見交換会を昨年7月3日に行いました。参加者は9名、うち3名は御遺族の方々でした。この会では、2015年に実施された成人版のアンケート用紙と、それをもとにした小児版のたたき台と対比表を準備、提示して御意見を伺いました。
 その結果、指摘された大きな課題が2点ありました。
 1つは、本人の病状理解の実態が不明であることでした。本人回答の項目があるほうがよいかどうかの設問と、病状説明の設問を設けることを検討いたしました。
 もう一つは、長期フォローアップを含めた小児がん経験者(サバイバー)の実態が不明であることでしたが、これにつきましては、小児における院内がん登録は2013年以降のデータベースとなること、晩期障害は出現の時期や病状のばらつきが大きいことから、今回の対象とするには適切ではないのではないかと考えました。
 本調査においては、長期フォローアップを知っているかどうかを確認するにとどめ、サバイバーを対象とした別調査を計画すること等が必要であると検討いたしております。
 5枚目をごらんください。調査方法としては、まず回答者を本人ではなく代諾者とすることと提案されました。小児がん患者の実態を把握するためには、本来、本人からの回答を得ることが適切ではありますが、現状、国内での本人への病名告知や病状認識の実態把握ができておりません。そのため、今回は初回であるということもあり、代諾者の視点による患者実態を調査することといたしました。
 次に、サバイバーの実態把握に関しましては、治療中の患者だけでなく、復学や社会復帰した患者を含めるために、最新の2016年だけでなく2014年に診断され、院内がん登録された小児がん患者全例に行うことといたしました。
 患者さんが亡くなっている場合に、御遺族にアンケートを送付してよいかという議論もなされましたが、ここは心理的な負担になることは想定されるものの、そのような患者さんの体験を含めて実態把握することは非常に重要であると考えられるため、調査の意義や目的等を十分に説明した文書を添付して、回答しない権利が保障されていることを明確にした上で、アンケートを送付することにいたしました。一方で、施設から送付に御協力をいただく際に、特に強い心理的負担になることが想定されるような場合には対象から除外して、送付しないでおいていただくようお願いしたいと考えております。
 6枚目をごらんください。具体的な対象ですが、2014年または2016年に院内がん登録を実施していたがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院、また、その他の院内がん登録実施施設において、診断時の年齢が0~18歳の患者さんで、年間症例数3例以下の施設で治療開始された方々を除く全例と考えております。院内がん登録全国集計を使って試算いたしますと、年間約2,000例が対象となると予想されます。
 7枚目をごらんください。質問項目ですが、成人版との共通項目では、希少がんやAYA世代を対象としたものとシームレスに検討できるように可能な限り問いを統一いたしました。
 また、小児がんの事情に鑑み、治療前の告知に関する十分な相談・告知の有無、病名の伝え方・伝えた人、経済的負担、同胞ケア、教育・就労、長期フォローアップ、本人回答への予備調査などを追加するとともに、逆に代諾者評価が難しい項目については除外いたしました。
 8枚目をごらんください。倫理的配慮をこのスライド1枚にまとめております。
 まず、本研究への参加は自由かつ匿名回答のアンケート調査として、プライバシー及び被験者の福利や心理的な負担に十分配慮することが第一と考えております。
 さらに、さまざまな点で倫理的配慮をするようにしております。例えば、協力の得られた患者関係者に一人一人、パイロット調査を行って、問題のある表現や誤解される表現について、何度もチェックを受け、調節を行いました。また、対象となる患者は全症例で院内がん登録を使って抽出いたしますが、病院から調査票を送付いただく際に、告知の有無や心身の状態から、やむを得ない場合は各施設において調査対象から除外していただくよう依頼します。
 さらに、調査票はがん患者だけではなく、ほかの疾患の患者にも送付して、調査票の送付がそのままがんの診断を意味するのではないことにいたします。加えて、できるだけ事前に周知をいただくために、参加施設では院内掲示をお願いするなどの工夫を考えました。
 9枚目をごらんください。これまでと今後の予定ですが、今後はこれから質問用紙を確定し、国立がん研究センターの倫理審査委員会に申請いたします。その後、施設へ協力をお願いし、必要に応じて施設の倫理審査がなされた後に、来年度、発送を行う予定としております。
 最後ですが、これまでに御協力をいただきました方々に、この場をかりて御礼申し上げます。
 以上です。
○山口会長 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明とともに、資料3は特に今の説明で尽きておられますか。
○小川参考人 はい。いろいろな御意見をもとに修正を繰り返しまして、資料3にあるものが現時点での最終版となっておりますけれども、これについての御意見等で御討議いただけたらと考えております。
○山口会長 それでは、今、資料2を中心に御説明いただき、資料3も御一緒に添付されておりますので、この2つについて委員の方々から御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○檜山委員 ありがとうございます。
 少し見せていただいたのですが、小川先生とも少し御相談した件もあるのですが、AYAでいっても、この体験調査は恐らく18歳までなので、アドレセントという形でがん臨床連携拠点病院から症例を抽出されるということだと思います。
 それと、3例以下の施設は本当に除外していいのかというところは、やはりもう少し皆さんの御意見がいただけたらと思っていまして、そういう施設こそすべきではないかという意見も多分あるのではないかと思っています。
 ハイボリュームセンターですと、かなりそういういろんなケアもされている状況なのですけれども、そうでもない施設は恐らくあるのではないかということも予想されるので、全部やれとは私は言いませんが、その辺、少し配慮していただければと思っています。
 もう一点、私はアンケート調査も少し見せていただいたのですが、ちょっと申し落としたことがあって、病名の告知のことなのですが、伝えたかということは書かれているのですが、小児の場合は年齢に応じた説明をきちんとしたかということをやはり問いの中に入れていただいたほうがいいのかなと思っています。
 ですから、診断時に小学校低学年であった子供さんの病名告知をされた後に、きちんと中学生ぐらいに、もう少し大きくなってからの、それをされているかということを少し聞いていただくといいのかなと思います。これは初診の患者さんなので難しいかなと思うのですが、そういう体制があるかなということも少し確認していただくといいのかなという気がします。
○山口会長 お答えいただけますか。
○小川参考人 まず1点目ですけれども、AYAにつきましては初発時が18歳以下ということで、まだそこから14年の患者さんでも5年しかたっておりませんので、檜山先生がおっしゃられたとおりの低年齢の、AYAの中でも若年という形になります。
 また、3例以下の施設を除外するということですが、私たちの中でも全例調査をするべきであるという意見がありまして、また、患者会の方からも同じような意見をいただいておりますが、3例以下を外した理由といたしましては、個人情報の観点から、3例以下ですと個人情報に接続できてしまう可能性があるということで、最近は施設の情報を開示する際にも何かの症例数が1というときは1と書いてはいけなくて、1~3とか、そういう形で書くようにという指示が来ていることもありまして、もし3例以下でも出してよろしいとなれば、私たち自身もむしろ小さい施設から情報をとったほうがいいのではないかと考えておりますので、御議論いただけたらと思います。
 また、病名告知についてですけれども、今回は14年の患者さんでもまだ5年しかたっていないということで、小学校低学年等から中学生になっている患者さんは余りいらっしゃらないかとは思いますが、年齢に応じた告知を通常していますかということ等をとれる方向で何か考えたいと思いますので、また検討させていただければと思います。
○山口会長 よろしゅうございますか。
○檜山委員 はい。
○山口会長 そのほかの御意見は。
 南先生、どうぞ。
○南委員 今回はがん登録が始まってからの患者さんが対象ということですので、実際にはがん治療直後の方までになるのは理解します。ただ、治療の進歩とともに今後は小児がんのサバイバーがどんどん増えていって小児科の先生だけでは対応しきれなくなります。兵庫県でも小児がんサバイバーが成人になった後のフォローアップ体制の話し合いを今、始めたところですが、その中で患者会の方から言われたことは、就職してからがんになった場合はまだいいかも知れない、就職する前にがんになった場合の就職に大きな困難を感じている、ということです。その実態が把握できていないので、次の調査でいいと思いますので、サバイバーに対する就労問題もぜひ情報収集していただければと思います。
 その際に問題になるのは、やはり病名告知だと思うのですが、今回のアンケートでがんの治療が始まる前にというアンケートがあるのですが、例えば克服して、ほぼ治療が終わった後でも病名は伝わっていないのか、伝わっているのかという情報も押さえておきますと、次のアンケートがしやすくなるのではないかと思います。もし可能でしたらその情報も収集することを御検討いただければと思います。
○小川参考人 ありがとうございます。ぜひ検討させていただきたいと思います。
 治療が始まる前の病名告知と別途、現時点でお話をしていますかという設問が設定できると私も大変いいかなと思います。ありがとうございます。
○山口会長 どうぞ。
○木澤委員 木澤でございます。
 遺族調査及び患者体験調査をすると、やはり代理人から調査すると患者さん御自身の体験がわからないというのが常だと先生方ももちろん理解されていると思います。この調査では難しいかもしれませんが、例えば親御さんや御家族の方が同意される例のみでも構わないので患者さん自身に調査票を送って実際に調査してみることで、今後の調査の一つの材料になる可能性はないのかということ。
 あと、実際に御家族の回答と御本人の回答の一致が見られるので、それをしておくと今回行う調査がどれぐらい信用できるのか、御本人の意向を反映しているかということがわかると思うので、ぜひ、この機会にやられたらと思うのですけれども、御検討されましたでしょうか。
○小川参考人 何とか本人にアプローチする方法はないかということも患者会の方々からもたくさんの御意見をいただきましたし、我々の中でも検討いたしましたが、オーケーですとおっしゃってくださった方だけにアプローチして、それを全体の結果として出すということに関しましては、バイアスがかかる可能性があるのかなということが考えられまして、現時点でやるかどうかは、実際、どのくらいお話をされているかということをまず1回は把握してからという結論になっております。
○山口会長 どうぞ。
○鈴木委員 小児がんの調査をするときには、いわゆる配慮というものがすごくキーワードになります。ぜひ、配慮のあり方について、一意見としてお話をさせていただきたいと思います。
 私自身、子供を小児がんで亡くしました。約30年間、今、小児がんの支援活動をしています。いろんな御家族、御遺族、子供たちとお会いしました。小児がんの当事者には、御家族と子供たち本人がいます。子供たちの置かれている状況は物すごく劇的に変わっています。例えば病名告知という点ですと、先ほど檜山先生がおっしゃられたように、10年ほど前は病名告知するなどとんでもないという時代でした。
 ところが、今は拠点病院ではほぼ10歳以上は全員告知されて、臨床試験をするときにも御家族とともに子供たちにもアセント文書でサインをもらう。それから、中学生ぐらいになると、復学するときには、私は小児がんという病気ですということを話して学校へ戻る子供たちもたくさんいます。また、中学生ぐらいになると、予後が厳しくなったときは、施設はまだ限られていますけれども、御家族の了解を得て、子供に予後も話して、あとはどう過ごしたいかということも話すようなケアも今はされています。
 では、子供たちが今、何を望んでいるかです。小児がんの子供たちという一くくりで言いますけれども、年齢の幅があります。中学生、高校生と成長して自分の意識が芽生えてきたときに望むことは、自分は当事者なのだ。小児がんという病気を自分が背負っていく以上、病気についてきちんと教えてほしい。自分の気持ちをきちんと聞いてくださいというのが一番大きな気持ちです。
 したがって、私は配慮の原点は、子供たちに一人の人間としてきちんと向き合って、その気持ちに添っていくことだと思うのです。何か触れないようにするとか、ファジーにするということではないと思うのです。
 今回の調査が、先ほど委員の方がおっしゃられたように、当事者に直接聞くというのはちょっとワンステップ置いた形になっています。一つのステップとして、こういう形も私も必要かなとは理解しますけれども、ぜひ当事者の気持ちを聞くことが最大の配慮の一つなのだということをきちんと原点に置いて、これからの調査、それをどうやって吸い上げるかということを具体的に御検討いただければありがたいかなと思っています。
○小川参考人 ありがとうございます。
 私どもも日常の診療の中では、小学校1年生であっても病気については病名を挙げて説明をしておりますし、また、予後についてもお話をしておりますが、当院に転院されてくるお子さんの中には御家族が転院されてきたときに病名を告げないでほしいとおっしゃる方もやはり今でもいらっしゃいます。
 そういうことで、どちらもお立場もあるということが一応よく理解できている状況でして、言わないでほしいという方々のところに届いたときの点に関しまして、今回はより配慮したという形になっております。ぜひ当事者の気持ちを聞くということはやったほうがいいことだなというふうには非常に強く考えてはおります。
○山口会長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 ありがとうございます。ソーシャルワーカーの立場からお願いいたします。
 教育のところで意見を事前に述べさせていただいたのですが、年長児の就学もしくは進学に向けた段階、すなわち小学校1年生になるというところはとても人生の中でも大きな節目となります。今回、小学校入学以降が問われているところですが、今後幼稚園・保育園から小学校に入っていく支援が重要と考えます。私たちは幼稚園の先生と小学校入学後の、まだ担任も決まっていないところへの情報の橋渡し、もしくは先ほどの配慮ということを日々やっているので、そこのところはどのように御検討なさったか、伺いたいと思います。
○小川参考人 今回に関しましては、就学というところで、学校に入っている方だけが現状では対象になっております。ただ、幼稚園・保育園についても質問をするべきかというのは患者会の方々からも御意見としていただいておりまして、それも一度検討しておりますが、幼稚園と保育園がまた就学前の教育という意味での幼稚園と、子供のケアをするという意味での保育園と、それを同じに扱って一遍にとることが果たして適切なのかどうかということ等々、幾つかの議論がありまして、今回に関しましては、まだ入れることができないでおります。
 いずれ、1年生に上がる前に病気を発症して、闘病の間に入学するという状況に関しては、やはり十分情報を得るべきだとは思っていますので、今後の検討とさせていただければと思います。
○山口会長 どうぞ。
○轟委員 2点、事前にもお伝えしてあることなのですけれども、このアンケート調査を送られていくときの宛名が多分、患者さんの名前で行くと思うのです。私は成人版のほうで対象に入っているのですが、私は遺族です。それで、やはり亡くなった者の名前で郵便物が届くということは、もし、このアンケート調査のことを事前に知る機会がなかったら、やはりその時点で封をあけること自体をためらってしまうような心理的なものがあるのです。
 先日、国立がん研究センターで、このアンケート調査に関して報道の方への説明会というものがありましたけれども、ただ、私、そこに出席させていただきましたが、まだそれが十分に国民全体に周知されているようには感じておりません。院内掲示というものはその病院に通っている方しかいませんので、これはやはり推進基本計画の中での小児がんへの取り組み、成人版はがん対策の取り組みですけれども、やるということは国民全体が知るべきだと思っておりますので、この部分の周知に関しては、もっと力を入れて、広く知られることのほうがよろしいのではないかと思います。
 もう一点は、アンケート調査の17ページで、教育のところで(3)のb1で学校側の協力が得られないという言葉があります。私、前職は学校の教育現場にいたのですけれども、私自身が協力ではなくて、理解を得られないために離職をしたという経験があります。やはり小児がんの方の教育というものに対して、今、大きな問題があると思っているのですけれども、その理解ということがこの協力ということに含まれているという考え方よりも、やはり理解が得られない。治療が優先だから、とにかく学校に来るより治療しなさいみたいな言われ方をしてしまうという現状があると思いますので、その部分の表現はもう少しストレートに書いてもいいのではないかと思いました。
 以上です。
○山口会長 羽鳥委員、どうぞ。
○羽鳥委員 日本医師会の羽鳥です。
 私は難病対策と小児慢性疾患のほうの委員会にも出ているのですけれども、小慢のほうとも一部重なるような方もいらっしゃるのかなと。きょうは成育医療センターの方も来ておられるので情報提供されると思うのですけれども、小慢のほうはなかなか登録そのものがうまくいかない。がんのほうは全症例登録できていると思うのですが、それすらもうまくいっていないようなところもあるので、担当課が違うのでなかなか情報提供は行政のほうでしてくれないのかもしれませんけれども、ここで決まった冊子とかこういうことをぜひ難病対策、それから、小慢のほうにもお伝えしていただいて、こちらでこれだけのことができているのに、なぜ進まないのかということもぜひ情報提供していただきたいと思います。
 もう一つ、小慢のときに話題になっているのは、やはりレジストリをつくるに当たって、同意書をどうやってとるかという、例えば15歳とか、ある一定の年齢だったら本人の同意も必要でしょうけれども、3歳、4歳とか、そういう方から本人からの同意はもちろんとれないわけですが、それをどうやって担保していくか。例えば5年、10年していって、ある一定の年齢になったら、やはり本人からの同意も必要になるだろうとか、そういう同意のとり方については少しきめ細かくされたほうがいいかもしれない。
 それから、先ほど症例で3例以下の場合ですと非常に難しい。本人が決められてしまうので難しいということもあるでしょうけれども、小児がんもやはり数は極めて少ないので、できるだけ多くの方が登録されていて、そして治療に結びつくことがとても大事だと思うのですが、その辺の個人情報保護の配慮は必要だと思うので、十分、その辺は検討していただいて、なおかつできるだけ全例登録できるといいなと思います。
 以上です。
○山口会長 では、まず茂松先生、どうぞ。
○茂松委員 大変瑣末なことなのですけれども、放射線科の者ですが、このアンケート用紙の案の3ページ目なのです。治療の内容が放射線に関して、問6は「放射線療法(陽子線治療、粒子線治療などを含む)」、問7は「放射線治療(陽子線治療、粒子線治療を含む)」と統一されていないですね。そこはちょっと気になって、あと、陽子線治療は粒子線治療の中にも含まれるので、ただ、小児は陽子線が保険に入っているので、陽子線を抜き出すのはいいかなという気はするので、ただ、用語の統一はしていただいたほうがいいかなという気はします。
○山口会長 ありがとうございました。
 坂下先生、どうぞ。
○坂下委員 先ほどから御議論にもありましたように、当事者の考えというものはすごく大事だと思います。小児がんのサバイバーの方々のお話を聞いても、やはり自分たちの思いというものがあって、家族の思いとはまたちょっと違うところにあるというのは皆さんも御存じのとおりだと思いますので、いずれ当事者のアンケート調査ができるのが一番よろしいかなと思っています。
 先ほど来、出ている、年齢に応じた患者さんへの説明というものがどれぐらい行われているかということについては、私はチャイルドライフスペシャリストという、心理社会的なことで患者さんに寄り添っている職種があると思うのですけれども、そういったものがもっと日本の中に浸透していくとよりそういった小児のがん医療はよくなるのではないかと常日ごろ思っているわけですが、そういった方々の、どれぐらいそういったものが普及しているのかということ、あるいはどれぐらいの効果が得られているかといったところが何らか調査の中で反映されればいいとは思っています。
 例えば問23の中に、誰に相談しましたかというところに「医師、看護師以外の医療スタッフ」となってしまうのですけれども、こういったところにそういった職種がもし書き込めるようであれば、そういったものを出していく、あるいはチャイルドライフスペシャリストは御存じですかみたいな質問がどこかに入ってくるということも御検討いただけたらいいかなと思います。
 もう一点なのですけれども、学校に戻ったときに、友達がどういうふうに接してくれたかというところを、やはり友達とうまくいかなかったという話を聞いたりもしますので、そこら辺の受入体制がどうかということもあわせて、もし聞ければいいのかなと思っています。先ほどの学校のほうの協力体制がというのは、理解が得られたかというところに加えて、友人、友達の理解が得られたかということの項目も御検討いただけたらと思います。
 以上です。
○山口会長 ほかに。
 どうぞ。
○西口委員 意外に、私も小児がんの経験者の方とお会いすることがたくさんあるのですけれども、聞いていないのだけれども、知っていたという方もたくさんいらっしゃるのですよ。なので、ここで出ている病状告知を、これは多分、医療者、家族が理解している告知だと思うのですが、していないのだけれども知っていましたという方は多分たくさんいらっしゃると思うのですよ。
 ここで問題になるのが、院内で周知をしたときに、知らない人からすると、そんなことをやっているのだと。それでもし、例えば病院からアンケートが届いていた。ひょっとして、私はがんなのではないかみたいなふうに思う人がいる可能性があるということと、逆に自分はがんだと知っているから、自分がアンケートに答えたいという人がいる可能性があるので、この辺は非常に難しい問題だと思っていますので、まずどういう形式で、誰から誰に送るのかみたいなところと、周知をどこまでするのかというところはちょっと慎重に考えたほうがいいのではないかと感じました。
○山口会長 ほかはよろしいですか。
 一応、今の議論の中でどうしても決めなければいけないのが多分、3例以上にするか、1例、2例も含めであるかというところですけれども、これはがん診療連携拠点病院の要件定義のときにも出てきた議論で、患者会の代表の方からは、その医療機関の経験症例数が1例であっても、ネット上に1例と開示し、そういう治療をやった経験がありますということを開示すべきと言う御意見がありました。しかし、1例ともなると、病院の職員が、あの患者のことであると知ってしまいますので、やはり1名から3名とか、3名から5名とか、少し幅を持たせた症例数にすべきという議論がありました。今回、提案をされた3例以上というところで第1回目は行って、次回にその辺を何とかクリアするようなことを考えて、全例調査に持っていくというのも一つの案だと思うのですけれども、きょうこういう形で提案されていますので、私としては提案どおり、そういう問題もありますので、提案どおりがよろしいのではないかと思いますけれども、委員の皆様、いかがでしょうか。
 どうしても、1例、2例、少数のところをやるべきだという強い御意見の方はいらっしゃいますか。
 では一応、原案どおりで、その点は進めていただくということにさせていただこうと思うのですけれども、私として2点ほど気になる点を指摘させていただこうと思うのです。
 8枚目のスライドでの倫理的配慮、その方法論のところなのですが、先般行われ、今、各病院に送られている成人向けの患者体験調査は私どものIRBでは承認が困難なのです。理由は、匿名化を条件に、患者さんにお願いし、がん登録を実施している。ところが、その匿名化の個人情報を全部提出し、それを業者に渡して、業者が直接患者さんのところにアンケート用紙を送付する。それでは匿名化の意味もほとんどないし、個人情報保護の観点からも大変大きな問題であるという点が指摘されています。これに対して、今回は各施設から調査票を送付するというところで改善されているので、大分、IRB承認の可能性が出てくると思うのですけれども、もう一つ、各施設から調査票を送付するときに、私は特に今回は問題がシリアスなので、インフォームドコンセントをやはり患者さんから得るべきではないかと思うのです。
 ですから、私どもで議論する場合には、各施設にいただいたリストについて、患者さん一人一人についてインフォームドコンセントを行って、了解をとる。ノーと言われれば、そこでおしまいにする。それで、お答えいただけるのであればお答えいただく。それをやれれば、もう一つの生命倫理的な課題が防げるのです。先ほどから何人かの方が意見をおっしゃっていますけれども、調査票が郵送された場合、本人が見ることがありますね。本人の名前ですから、あれは何が来たのかという会話から、子どもさん本人が状況を把握する。その状況はどうしても避けられなくなってしまうと思われます。従って、数はどうしても減ってしまいますけれども、やはり対面依頼が一番いい方法なのではないかと思うのです。
 これは法律家にも相談をしているのですが、明確な法律違反とはならないけれども、患者さんのほうに危害がもし及んで訴えられた場合に、民事で難しいとも言われておりますので、慎重に配慮していただければと思います。そこで、倫理的配慮のところで各施設、IRBはもちろんのことなのですが、やり方についてもそういうところを記載していただくことが望ましいかなと思います。
 私からはそれだけです。
○小川参考人 先生、1点お伺いしたいのですけれども、もしインフォームドコンセントをとるといった場合に、小児ですので、代諾者である御家族にということでよろしいでしょうか。
○山口会長 はい。それがゲノムのところのガイドラインのときにも代諾者の問題が非常に議論になったのです。3分の1ぐらいが、その代諾者をどうするかという議論であって、年齢とか何かの決まりが明確になっていないですね。でも、このスタディーは代諾者にならざるを得ないですね。retinoblastomaなど、乳幼児の疾患が入ってきますから。
○小川参考人 そういたしますと、代諾者が御両親であった場合に、2人いらっしゃるときがあります。その場合に、御意見をどちらに伺ったかということでまた若干もめ事が起きること等がありまして、先ほどの誰の名前で郵送するのかということで、お子さんの名前というものを回避するための方策をいろいろ検討させていただいたのですが、御両親、お父様のお名前にするのか、お母様のお名前にするのか。そのときに離婚されていて、どちらかがいらっしゃらない場合に、その方の名前でついた場合はどうするのか。むしろ再婚されて、その方でないお父様だったらどうするのかとか、そういうことがさまざま出てまいりまして、同意の問題と郵送先の問題がかなり大きな問題として、できればどのようにしたらいいかの御意見を本日いただきたいと考えておりました。
○山口会長 これは個人の経験を元にした意見なので、皆さんの意見も伺わねばなりませんが、従って、やはり対面でそこを明確にすることでかなり問題はクリアするのではないか。やはり子どもさんの名前で送付するということはかなり厳しい話だと思うのです。今、言った問題以前の問題がいろいろ起きますね。代諾者がどちらかという話よりももっと複雑な重い問題になってしまうと思います。
 今、そういう意見があったという、ワン・オブ・ゼムで結構ですから、皆さんの意見も踏まえて、今回、厚労省が責任を持って行う調査ですので、厚労省が様々な側面からと御検討いただければと思います。
○小川参考人 患者会の方々からの御意見を伺った際には、もし亡くなったお子さんのところで御家族からの御意見をいただく場合には、とっていいでしょうかという連絡を直接いただくこと自体が負担であることもあって、紙でいただければ、無視したいときにはさっと見て、ぱっと捨てられるので、むしろそのほうがうれしいというお声も少しいただいております。
 ですので、直接御連絡して、面談できていただくところ自体がかえって御負担かということも一応検討させていただきます。
○山口会長 私の意見は患者さんがまだ御存命の場合の意見を申し上げているのであって、そこは分けて検討すべき問題だと思います。
 どうぞ。
○坂下委員 よく学校から来る書類等で、何々さんの御家族の方、あるいは保護者の方という書き方をされていたりするので、そういう苦肉の策ですけれども、何々さんの保護者の方みたいなのはいかがでしょうか。
○小川参考人 生存されている方と亡くなられた方の対応を分けようということも考えたのですが、亡くなられた時点の情報入手がタイムリーでぴったりというわけにはいきませんし、必ず郵送誤認ということもありまして、逆に亡くなられた直後の方のところに電話をかけるということが起きた場合に、逆にかえって問題かと考えまして、一律対応が望ましいかと一応、私のほうでは検討させていただきました。
○山口会長 先ほどの法的なところは、事務局で何か、前から伺っているのですが、大丈夫ですか。
○事務局 がん登録法の問題ですとか、あと、個人情報の問題はそれぞれのプロセスの中で適用される法律が異なりますので、いずれきちんと整理させていただきたいと考えております。
○山口会長 では、よろしくお願いします。
 ほかに御意見は。
 それでは、この問題はここまでにさせていただきます。
 引き続き、議題2の中間評価指標について、がん医療分野、それから、がん共生分野の指標のうち、資料4について説明をいただきたいと思います。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。資料4を用いまして、本日は中間評価指標のうち、前回の後、がん対策の3本柱のうちの2本目の「がん医療の充実」の後半及び3本目の「がんとの共生」の部分について、中間評価指標について御議論いただきたいと思います。資料4が一連の御提案する中間指標と、それにまつわる関連資料のセットとなっております。
 今、会長が御指摘のとおり、2~5枚目は前回同様、施策の概要及びロードマップでございますので、早速6枚目のスライドから失礼をさせていただきます。2本柱の6個目、希少がんについてでございますが、これは2期の基本計画からスタートしておりまして、資料としては四角囲いが前回同様、基本計画の中の取り組むべき施策の部分を抜粋しております。下のほうの緑の囲われている表の部分に中間評価指標として御提案させていただくものを書かせていただく。こういった形でやらせていただきます。
 取り組むべき施策の中の5行目に「患者が必要とする情報を収集し公表する」と書いておりますので、1個目の項目「希少がん情報公開専門施設における公開がん種数」を一つ指標としてはどうか。
 また、地域の拠点病院等や小児がん拠点病院との連携を推進し、地方の患者を適切な医療につなげるといったことが取り組むべき施策の6行目にございます。したがいまして、残りの2つの指標です。希少がん患者が診断に至るまで、また、治療開始に至るまでの時間がどうであったか。また、実際に専門的な医療を受けられたと感じているかというものを調査してはどうかと考えた次第です。
 7枚目のスライドは希少がんの施策全体でございますので、後ほどの御議論のときに参考にしていただければと存じます。
 8枚目のスライドでございます。次の難治性がんにつきましては、難治性がんは取り組むべき施策、四角囲いの5行目に当たりまして「治療技術等の開発を推進する」と書かれております。現に先日、がん研究の10カ年戦略の中間評価・中間見直しの議論を開始しておりますが、現にここで難治性がんの研究を推進していただいておりまして、平成29年度の厚生労働科学研究では、ジャパンキャンサーリサーチプロジェクト、難治性がんを含め、この全体がおおむね良好とされております。引き続き、こちらの研究を推進していくという方向で議論をさせていただいておりますので、こちらのほうで評価をしていただいてはどうかと考えております。
 続きまして、10枚目が今度、7本目の「小児がん、AYA世代のがん及び高齢者のがん対策」に係るものでございます。
 小児がん、AYA世代のがん、いずれもがん対策、最終的に生存率の向上を目指して進めている次第でございますので、いずれも小児がん患者の3年生存率、AYA世代のがん患者の3年生存率というものを中間指標で提案させていただく次第です。
 これはなぜかと申しますと、現在、確度をなるべく高い指標という意味で、一般的には5年生存率がアウトカムとして使われるかと存じますが、現在、アベイラブルなデータとして小児がん拠点における院内がん登録を想定いたしますと、2014年以降のデータが最も古く、使えるデータということですので、中間指標をしていただく際に可能な指標として今回は3年ということで御提案をさせていただく次第です。
 追加しまして、AYA世代については、生殖機能への影響というものが大事でございますので、一番下、治療開始前にその説明を受けた患者さん・家族の割合というものを指標として提案させていただきます。
 おめくりいただきまして、11枚目のスライドが「(5)ライフステージに応じたがん対策」。今般、医療分野と共生分野をあわせて御議論いただきますので、似通ったものについては、このように場所を結合して御提案をさせていただきます。
 共生の分野といたしましては、就学・復学支援など、療養生活中の生徒等に対する特別支援教育などを一層充実ということが4行目の取り組むべき施策の中で書かれておりますので、中間評価指標のうちの1個目です。「院内学級体制・宿泊施設を整備している施設の割合」。こういったものを指標としてはどうかと考えております。
 また、取り組むべき施策の6行目、切れ目のない相談等の支援体制の整備の推進ということを掲げておりますので、残り下3つの中間評価指標。教育支援等について、実際、医療従事者から説明を受けたか。治療と教育の両立に関する支援を受けられているか。また、家族の悩みや負担を相談できる支援が十分であるか。こういったものを実際に患者さんが体験されているかということを指標としてはどうかというのが今回の御提案になっております。
 11枚目から15枚目までは、その施策に関する背景情報となっております。後ほど15枚目のスライド、生殖医療ネットワークの全国展開に関して、京都府の松村委員より参考資料3として添付されていることをこの時点で申し添えさせていただきます。
 16枚目のスライドは高齢者のがんに関することでございますが、取り組むべき施策の中で高齢者のがん診療に関する診療ガイドラインを策定するということが定められております。現にごらんのとおり、現在、研究課題を設定して進めさせていただいておりますので、この結果を待ってはどうかと考えております。
 同じく17枚目のスライドも、高齢者のライフステージについては、この意思決定を支援するための方策について検討を行うということが取り組むべき施策として掲げられていますので、現在、研究を推進させていただいているということを御報告いたします。
 続きまして、19枚目でございまして、病理診断につきましては、病理診断医の育成等の支援を実施するとともに、適正配置について検討していくことが定められておりますので、前回、第2期のときの中間評価もさせていただいておりますが「常勤の病理専門医が1名以上配置されている拠点病院の割合」というものを今回も中間評価指標としてはどうかと考えております。
 続きまして、22枚目のスライド、がん登録に関するものですが、今般、がん登録法に基づいた初めてのデータ公開をさせていただいておりますが、そもそもがん登録の制度指標、下の※に書いてあるとおり、完全性に係る指標と正確性に関する指標がございますので、それぞれ代表的なものを1つずつ挙げさせていただきまして、こちらの中間評価の対象としてはどうかと考えております。
 細かく指標の内容については、23枚目及び24枚目のスライドを後ほど御参照いただければと存じます。
 25枚目でございまして、医薬品・医療機器開発に関しましては、取り組むべき施策の1行目で「がん患者に対し、治験や臨床試験に関する情報を提供する体制を整備する」と書かれておりますので、中間評価指標の上2つでございます。1つは、そういった窓口がある拠点病院はどれぐらいあるのか。また、実際に抗がん剤に係る知見がどの程度得られているかというものを指標としてはどうかと考えております。
 また、同じく取り組むべき施策の5行目でございます。「画期的な医薬品、医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品について『先駆け審査指定制度』等の仕組みを活用することによって、早期の承認を推進する」ということで、最後の3つ目です。アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発がどの程度行われているかというものを指標としてはどうかと考えております。
 26枚目以降が共生に係るものが主となって御提案をさせていただく次第でして、指標は29枚目のスライドからになります。
 全体目標に沿いまして、就労支援等を行う仕組みの構築、また、尊厳を持って自分らしく生きることのできる地域共生社会の実現というものが掲げられておりますので、中間評価指標として、自分らしい日常生活が送ることができているということ。がんと診断の後、病気や療養生活について相談できていると感じていること。こういったことを指標としてはどうかと考えております。
 30枚目のスライドは、緩和ケアに係ることでございます。取り組むべき施策の1行目の最後です。「苦痛を定期的に確認し、迅速に対処することとする」。苦痛に対して、どう対応していくかということでございますので、指標についてはいずれも、身体的な苦痛、精神心理的な苦痛。これをどれだけ抱えていらっしゃるか。これにより、日常生活がどれだけ支障を来しているかといったことを指標としてはどうかと考えております。
 おめくりいただきまして、31枚目はその緩和ケアの提供についてでございますが、取り組むべき施策の3行目、実地調査や遺族調査等を定期的かつ継続的に実施し、評価結果に基づいて、施策の立案に努めるということでございますので、こういった療養生活の最終段階における身体的苦痛、精神心理的な苦痛を抱える方の割合を指標としたいという提案でございます。
 32枚目については、緩和ケア研修会に係ることでございます。今般、緩和ケア研修会については、医師のみならず、医師以外の医療従事者についても研修を解禁し、推進していくこととされましたので、この修了者数を指標としてはどうかと考える次第です。
 33枚目は普及啓発についてでございますが、緩和ケアの普及啓発については、きちんとした正しい知識の普及啓発及び医療用麻薬に関する適切な啓発ということが取り組むべき施策に書かれておりますので、それらの認識について問うことを指標としてはどうかというのが33枚目のスライドの内容でございます。
 34枚目から38枚目に関しては、その背景情報となりますので、割愛させていただきます。
 続きまして、39枚目からが相談支援及び情報提供に係る中間指標となっております。
 取り組むべき施策の1~2行目で「がん相談支援センターの目的と利用方法を院内に周知すること」とさせていただいておりますので、そういった相談ができているという患者さんの割合を1個目の中間評価指標。また、家族の悩みや負担を相談できる支援が十分であるかということを2個目の中間評価指標として御提案させていただいております。
 また、3つ目に1点誤字がございますが「がん相談支援センター/相談線センター」ではなく「がん相談支援センター/相談支援センター」の間違いでございます。相談支援センターについて、実際に知られているかということを3つ目の中間評価指標としてはどうかと思います。
 また、取り組むべき施策の最後の2行で、ピア・サポートが普及しない原因分析及び、その普及を図っていくということでございますので、ピアサポーターについて1個指標を最後に立てさせていただいております。
 続きまして、42枚目のスライドで、情報提供についてということでございます。取り組むべき施策の2行目に「科学的根拠に基づく情報を国民に提供する」。最後の5行目に「音声資料や点字資料等を作成し、普及に努める」と書かれておりますので、実際、がん情報サービスにアクセスして、きちんとした情報にたどり着けた方の割合であるとか、展示資料、音声資料数の更新数について指標としてはどうかという提案でございます。
 引き続き、45枚目のスライドに移りまして、こちらは社会連携に基づくがん対策・がん患者支援に係るものでございます。
 拠点病院等と地域との連携につきまして、取り組むべき施策の下2行で「緩和ケアについて定期的に検討する場を設け」と書かれておりまして、中間評価指標の1個目で、1拠点病院当たり、その地域連携推進のための多施設合同会議をどれだけやっているか。
 また、同じく取り組むべき施策の最後の2行で「地域における患者支援の充実を図る」と書かれております。ここの中にはございませんが、実際の現状認識の中でセカンドオピニオンに関して言及しているくだりがございますので、このセカンドオピニオンについて、実際提示をされているかということを中間評価指標としてはどうかというのが2個目の提案となっております。
 続きまして、47枚目のスライドが在宅緩和ケアに関するものでございます。そもそも、在宅緩和ケアに関して、その満足度であるとか、実際、望んだ場所で過ごせたがん患者の割合を指標としてはどうかというのが事務局提案でございます。
 49枚目のスライドに移らせていただきます。ここからががん患者等の就労を含めた社会的な問題に係るものでございます。
 取り組むべき施策の1行目です。より充実した就労相談支援を受けられるようにするということが掲げられておりますので、中間評価指標の1個目として、治療開始前にそういった相談を受けられたがん患者さんの割合。
 取り組むべき施策の7行目です。3段落目の最後でございますが「がん患者に対する治療と職業生活の両立支援について、周知を図る」と書かれておりますので、中間評価指標の2個目と3つ目です。がんと診断後も仕事を継続できていたか。退職したがん患者のうち、どれだけがん治療の開始前まで退職されたか。こういったことの患者さんの割合について指標としてはどうかと考えております。
 また、取り組むべき施策の最後2行に「拠点病院等と安定所との連携を推進する事業について、各地域の実情を踏まえながら事業の拡充を図る」と書かれておりますので、ハローワークと連携した就職支援を行っている病院がどれだけあるかというのが最後の中間評価指標の提案となっております。
 続きまして、53枚目のスライドが職場や地域における就労支援ということでございますが、取り組むべき施策の6行目で「企業は、社員研修等により、がんを知り、がん患者への理解を深め、がん患者が働きやすい社内風土づくりを行うよう努める」とされておりますが、実際、その結果、患者さんが社内制度を利用できているか。また、勤務上の配慮がなされているか。こういったことを中間評価指標としてはどうかと考えております。
 また最後、おめくりいただきまして、57枚目のスライドでございます。就労以外の社会的な問題についてということで、取り組むべき施策の4行目にアピアランス支援であるとか生殖機能の温存等について掲げられておりますので、中間評価指標の1個目と2つ目、外見の変化に関する相談ができているか。これは再掲でございますが、生殖機能への影響。その影響に関する説明を受けているということを挙げてはどうかと考えております。
 また、取り組むべき施策の7行目あたりでございますが、がん患者の自殺を防止するために、専門的・精神心理的なケアにつなぐための体制の構築やその周知というふうに書かれておりますので、がん患者の自殺者数について、最後、中間評価指標の3つ目としてはどうかというのが事務局からの提案でございます。
 事務局からは以上でございます。
○山口会長 ありがとうございました。
 2つに大きく分けて、まず第1に、資料4のスライドで、6から15まで最初、皆様の御意見を伺いたいと思います。
 その伺う前に、この分野に関係ある参考資料が松村委員から提示されておりますので、まずは御説明をお願いいたします。
○松村委員 ありがとうございます。
 京都府のほうでがん患者の生殖機能温存療法の助成事業並びに両大学との連携の部分がございますので、せっかくの機会ですので、その実績も含めて御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、きっかけは小児がん拠点病院であります京都大学と府立医科大学の小児科医の先生方から温存療法ができないかという話がございました。28年度、いろいろ議論している中で、学会でガイドラインの作成が検討されていると聞きましたので、そのガイドラインができ上がるのを待って進めていきたいと準備をしてまいりました。
 大きく分けて2つあります。1つは医療機関を中心としたものになります。
 スライドの1ページのほうをごらんいただきたいと思います。「京都・がんと生殖医療ネットワーク KOF-Net」でございます。いわゆるがん治療施設で、温存療法の希望の確認でありますとか、がん治療の実施をしていただく、その施設から希望される方を温存療法ができる施設に相談あるいは迅速な紹介をしていただく。そのためのネットワークを構築し、サポートを京都大学の産婦人科のほうにおき、副代表で府立医科大学のほうで行わせていただいてます。小児からスタートしたのですけれども、AYAも対象にした医療ネットワークの構築というものを29年6月に取り組んできたところでございます。
 もう一点、私どもは行政のほうの取り組みといたしまして、3ページのところを見ていただいたらと思います。京都府で温存療法をするための助成事業を立ち上げさせていただきました。
 4ページのほうにありますように、対象者としては、がんと診断された日から生殖機能温存療法実施日までの間において京都府内に住所を有する方。また、ガイドラインがベースにございますので、ガイドラインに基づき、がん治療により生殖機能が低下する、または失うおそれがあると医師に診断された方。生殖機能温存療法実施日における年齢が40歳未満の方。京都府が別表に定める医療機関において生殖機能温存療法を受けた方。これはいわゆる特定不妊治療等々、国や学会等が認めている医療機関がこの医療機関に当たります。
 助成の上限額としては、男性が3万円、女性が20万円で、いわゆる温存療法として採取される費用と、ほぼ1年ぐらいの期間の凍結保存の料金がこれで賄えるかなと思っております。
 先ほど御説明させていただきましたように、もともとは小児がスタートしたのですけれども「助成状況」のところを見ていただいたらわかりますように、この30年、昨年末までの1年10カ月の実績でございます。0~9歳の方はやはりゼロで、10歳以上の方のところで実績として出てきているというのが今の状態でございます。
 合計で31件の助成の申請がございまして、既に補助させていただいているところでございます。男性が14名、女性が17名で、受精卵として将来に向けて温存されている方もいらっしゃるところです。
 システム、医療ネットワークだけではなくて、都道府県のこういう助成事業があることによって、より進むことができると思っておりますので、私どもの取り組みとして御紹介をさせていただきました。
 以上です。
○山口会長 ありがとうございました。
 ある意味、国策とも合っている部分がありまして、全国、都道府県、一斉にとまでは言いませんけれども、京都府を見ながら走り出している分野ではあると思いますけれども、今の松村委員のプレゼンについて御質問があればどうぞ。
 どうぞ。
○檜山委員 ありがとうございます。大変すばらしい御説明だったと思います。
 私個人の意見として、これは先ほど座長が申された国策だということです。今、これは都道府県に全て事業が恐らく投げられているという状況で、多分、5つぐらいの都道府県が助成事業を始めているのではないかと私は認識しているのですが、都道府県によっては、これは国がやるべき仕事だからやらないという都道府県も幾つかあるので、この辺をうまく、どういう形で指標の中に盛り込んでいくのが本当はいいのかというのも私はよくわからなくて、その辺のやり方がどうなのかお教えいただければと思います。本当に都道府県に全部投げられているので、京都とか滋賀とか岐阜とか頑張っておられるところもあるのですが、そういうところもあるのですけれども、全くまだ手がついていない都道府県も幾つかあるように思うので、そういうことを本当に指標にしていいのかというところは私も疑問があるので、少しその辺の関係の先生に教えていただければと思うのです。
○山口会長 今の檜山委員のご意見も含めて、委員の皆様あるいは事務局側から何かコメントがあったら、いかがでしょうか。
 佐々木課長、いかがですか。
○健康局がん・疾病対策課長 御指摘ありがとうございます。
 各都道府県がどのような助成を行うのか。確かに、例えば国家政策であっても地方による判断というものは当然ながらさまざまな施策であるところですので、今回の評価指標上は、今、御提案申し上げているところが全てではございますが、一方で今、私ども厚生労働省の行政で求められているところで言いますと、それぞれよい取り組みなり、頑張っている取り組みがあれば、それを横展開していこうという一方での政策の進め方というものがあります。
 ですので、きょうは松村委員から京都府の取り組みを御紹介いただいたところですけれども、同様に今、檜山委員からも幾つかの都道府県の取り組みがありました。こういう取り組みを広く紹介し、展開すべきという御指摘に対しては、ぜひそういうことを、例えば都道府県の集まる場などで紹介することによって施策が進んでいく。そういう方法をとりたいと思っています。
 以上です。
○山口会長 よろしいですか。
 それでは、スライドの6枚目から15枚目全般について、委員の皆様の御意見を頂戴したいと思います。
 どうぞ。
○羽鳥委員 AYA世代の中間評価、10枚目でありますけれども、これは「3年生存率」となっておりますが、13枚目のスライドを見ますと「5年生存率」で「AYA世代は臨床試験への参加者が少ない」という、これは3年と5年になっています。
 もちろん、始めたばかりですので3年しかとれないからということはわかるのですけれども、将来のことを考えたら、3年かつ5年の生存率とか、何か工夫しておいたほうがいいのではないのかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○山口会長 事務局、お願いします。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
 我々も当初、5年でできないかというのは考えた次第なのですけれども、今、可能なデータで5年をとろうとすると、小児がん拠点病院を全て網羅できないであるとか、やはりデータで評価をすることがどうなのかというのを悩んだ末に、きちんとデータがそろっている院内がん登録でと考えると、今回の中間評価にスケジュールとして間に合うのはこの3年生存率であると考えている次第です。
 今後の評価において、そういったものを取り入れていくのは引き続き検討させていただきたいと思っております。
○羽鳥委員 つまり、ずっと3年でやるわけではないということですね。
○健康局がん対策推進官 おっしゃるとおりです。
○山口会長 どうぞ。
○檜山委員 ありがとうございます。
 3年生存率がどれぐらい意味があるかということの議論になってしまいますので、今、かなり医療のレベルも上がっていて、患者さんは胆がんでも3年ぐらいは生きてしまうという状況も確かにあり得るので、がん種によっては3年で見てもいいがん種もあるのですけれども、やはり5年以上きちんと調べないといけないがん種もあるかなと思っているのです。
 その辺は、今は3年なのですけれども、5年後にはもう少しきちんとした生存率を評価すべきだということを少し入れていただいて評価していただくと、将来的に評価するときに、特に神経芽腫あたりは非常に治療成績が上がっているのですけれども、かなり遅い時期に再発している患者さんが今、非常に問題になってきているので、そういうあたりも含めて、少しそういう細かいところの指標のあり方を検討していただくとありがたいと思っています。
○山口会長 それでは、事務局、先ほどの回答に沿って、よろしくお願いします。
 そのほかは。
 坂下先生、それから、轟委員の順番で。
○坂下委員 私自身も希少がんであったこともありまして、希少がんについての評価項目として、ここにあります患者体験調査の内容も非常に重要だと思っています。
 ただ、それに加えて、実は中核的な機関を整備することが非常に重要であると言われている一方で、そこに遠方に、居住区から通っていく困難さであるとか、そこをどういう形でサポートするシステムが今、世の中にあるのかといったところまで少し調査する手法があればいいなというふうに一つ考えています。
 それから、中央できちんと集約するということとともに、ある程度落ちついたところで地域に戻っていけるような、地域でその後、ちゃんと見てもらえるようなシステムが整ってきているかというところも評価できる項目があるといいなと思っています。
 もう一つ、私自身は手術をしたり、重粒子線を当てたり、抗がん剤の治療をしたり、それぞれ別な病院で治療を受けました。そういったかなり複雑な治療を行う場合に、やはり1つの病院の中で完結しないことが出た場合の横の連携、多施設にわたっての連携みたいなものの評価がここでできるのかなということをちょっと疑問に思いまして、そういったことの評価の仕方といいますか、そういったことも御検討いただけたらと思います。
 以上です。
○山口会長 今回出ている中間評価はこれでいいけれども、さらに加えたほうがいいという御意見ですか。そうであれば、例えば案を言っていただけると助かります。
○坂下委員 現状がどのようになっているかということを一例一例見ていくことが希少がんの場合は重要かなと思っているのですけれども、どれぐらいの時間とか、満足したかどうかということだけではちょっと評価できない、いろんなことがあると思っているので、例えば希少がんのセンターの評価だけではなくて、地域の先生とのつながりとか、その辺が拠点病院で希少がんを扱った場合に、その人がその後、どうなったかとか、そういった何らかの手法があれば、これは厚労省の方にむしろお聞きしたいのですけれども、何か方法があればそういうことも御検討いただきたいと思います。
○山口会長 どうぞ。
○事務局 地域連携のところにも幾つか出てくるのですけれども、特に連携に関しては2期のときから非常に評価するのは難しいというところでありますので、できれば私どもとしても委員の先生方から、より適切な項目があるのであればお示しいただきたいとは考えております。
 もしよろしければ、東先生から。
○山口会長 では、坂下先生、宿題が出たようなので、いい案を考えて提案してあげていただけますか。
○東参考人 1点だけよろしいでしょうか。東です。
 直接的なところではないのですが、連携に関して、成人の患者体験調査の中で入れさせていただいたのが、患者さんに聞いた回答ではありますが、「紹介をされた場合に、その紹介先の医療機関を支障なく受診できたかどうか」ということと、あとは「希望どおりの医療機関に転院することができたか」です。この2点は一応、その連携をあらわすものとして入れさせていただいております。
 ただ、ちょっと不完全な指標とは思いますので、もしよろしければ何かいい指標を、アイデアをいただけると大変助かります。
○山口会長 それでは、轟委員、お願いします。
○轟委員 今回の基本計画の中に、やはり小児と希少と難治というものへの対策が入ったことはとても大きな柱であると思っているのです。それで、やはり施策を進めていくために、今回のような患者体験調査とか、いろいろな調査でポイントを絞っていくことも大事ですけれども、やはり届けることが大きな目標であれば、それをきちんと可視化する。感じられるような対策をとっていることもこの評価の中に入っていったらいいのではないかというふうに私は希望しています。
 やはり標準治療がないとか、早期発見が難しいとか、そういう小児、希少、難治に共通した思いがわらをもすがる思いになってしまって、そして科学的根拠がないような治療のところに飛び込んでしまうようなことを生んでいると思いますので、まず可視化することが希望につながったり、そして、もう一つは理解にもつながると思うのです。理解につながったときに、そのような根拠のない治療を受けてしまうことを防ぐことにもなると思っています。
 そして、その可視化するということですけれども、例えば先ほどの松村委員のこのような取り組みを知ることもとても大きいことです。そして、そのいい事例を横並びで国策としてやっていこうという思いを持っていることを知ることもとても大きいです。でも、なかなか一般の国民が知る機会がないこともありますので、基本計画の中にもありますが、やはりいろいろな意味での患者の参画ということで、治験もそうですし、いろいろな取り組みを考えていく中に患者の参画というものがあれば、やはり情報も提供しやすいと思うのです。
 ですから、この患者参画に対して、どのような取り組みをしているかということも一つ挙げてもいいのではないかと思いますし、また、研究が進められているということも、例えば研究費の確保とか、そのような形で戦略的に行われているかどうかということも可視化できるといいのではないかと思っています。
 あと、共通したものとしては、小児、希少、難治としては、地域連携とかかりつけ医というものがその病気に対応できないという問題もありますので、例えば相談窓口のような何か窓口のようなものをつくっていくことも大きいと思うのです。それで、支援センターを知っていたかとかということではなくて、もちろん、それもとても大事なのですけれども、一番最初にそこにつなげるような取り組みをこういう拠点病院とか、そういうところがしているかということを知ることも周知につながると思っています。
 そのような形での、患者の感じていることだけではなくて、病院が取り組んでいることも可視化していただきたいと思いますし、ちょっとつけ加えて言いますと、希少フラクションというものもあると思いますので、コモンの側の中にもそういう希少なものがあるということも含めて、この対策の中に織り込んでいただければと思っております。
 以上です。
○山口会長 ちょっと具体的に、可視化対象で、轟委員が具体的にこういうことを見えるようにしてもらいたいというのを1つか2つ挙げていただけますか。今のままですと対応できないかもしれませんので。
○轟委員 例えば相談支援室を知らせるとかということではなくて、最初からそこにつながるような取り組みを、システムを病院側が考えたという、そういう病院がこれぐらいふえてきていますとか、そのような形だと私は思っているのですけれども、ちょっとわかりにくいでしょうか。
○山口会長 かなりわかりにくいです。
 例えば、希少がんであれば拠点病院が400ありますね。そうすると、この病院では例えばホームページ上に、このがんを何例診療した云々という、そういうものを提示したほうがいいというのは患者団体の方が提供体制のところでよく言われているのですけれども、具体的にそういうことでしょうか。拠点病院が見た患者数ではなくて、連携のことをおっしゃっているので、それはなかなか評価指標にするのは難しいのかなと思って、あえて聞いているのです。
○轟委員 評価指標にするのは難しいかもしれませんけれども、そういう告知をしたかではなくて、そういうシステムをつくるという改革をしているかということはそういう取り組みをしているということですね。努力しているとか、それはこういう指標の中に盛り込むことはできないでしょうか。
○山口会長 東参考人、今の体験調査の中で思い当たるような項目はございますか。
○東参考人 私の理解が不十分かもしれませんが、体験調査の中では、結果としてその情報が得られたのかとか、専門的な医療が受けられたのかといったことは聞いておりますけれども、轟委員のおっしゃっていることはどちらかというと、定性的な努力をしているかということだと思いますので、そこは今のところは指標化はされてはいないと思います。
○山口会長 多分、いろいろ議論を聞いていますと、次期の基本計画の重要なテーマは情報の均てんではないかと思います。この前も、情報均てんのお話が出ましたので、そういう中で少しずつ考えていくというほうが現実的かもしれません。委員がおっしゃったことを、今すぐ見える化するのはなかなか難しいかと思うのですけれども、もし、いい案があったら事務局に知らせてください。
 どうぞ。
○村本委員 難治性がんについてなのですが、難治性がんは研究の発展が非常に重要である一方、ほかのがん患者の人に関して身体的あるいは精神的なつらさを抱えているのではと推察します。
 患者体験調査で身体的な痛み、精神的なつらさについては、後で緩和ケアのところの指標でも出てきますが、この難治性がんのところでも指標に入ってもいいのではと思いました。
 調査の設計上、基本計画で提示されている難治性がんのうち、スキルス胃がんについては、これは胃がんとの切り分けが難しいとは思いますが、膵臓がんは独立した選択肢に入っているので、膵臓がんの人のデータを切り出すことは可能だと思っています。
 患者本位のがん医療というからには、こうした身体的なつらさ、精神的なつらさといった項目が、この3つの柱の2番目の中にも入ってきていいのではと思いました。
○山口会長 ありがとうございました。
 今の御意見について、大きく胃がんとか肺がん、あるいは全部をひっくるめた中から難治がんの代表的なものを取り出して、その悩みを前出しすべきであるという御意見ですね。
○村本委員 はい。いろいろながんの中から罹患したがんを選択する項目で膵臓がんという項目が独立してありますので、難治性がんの代表例として膵臓がんの方が患者体験調査の中で身体的な痛み、精神的なつらさをどのように感じたか。これを切り出して、ここに持ってきてはどうかという意見です。
○山口会長 事務局のほうで御意見は。そういう切り出した形にできるかどうか、あるいはそれを切り出すことに問題があるかどうか。
 まず、東参考人から御意見をいただきましょうか。
○東参考人 患者体験調査成人版におきましては、「どのがん種でしたか」という質問項目がありますので、膵臓がんでしたら、それは一つの独立した選択肢になっておりますので、取り出して集計することは可能です。ほかのものはまざってしまっているので、難しい面はあります。
○山口会長 どうぞ。
○中釜委員 私も難治がんに関連して、確かに代表的な難治がんである膵臓がんの状態を数字としてあらわすのは非常によいと思うのですけれども、ただ、診療現場での難治がんというものは、非常に多くの概念を含んでいて難しさもあります。例えばもともとのがんの性質として治療困難な、治療薬の開発が難しいようながんは難治がんですし、早期発見が難しいがんで、どうしても進行がんで見つかるがんも難治がんでしょうし、膵臓がんなどはそういう類いかもしれません。それから、転移をしているがん等さまざまな病態を含んでいるので、実際に研究の課題、診療のテーマとしても非常に複雑になってきて、なかなかトピックスとして把握しづらいところがあります。
 例えば、実際にどういう取り組みをしているかということに加えて、例えばがんの進行したステージ、例えば限局、領域、広範と分けたときの広範のがんの治療成績であるとか、あるいはステージIVの治療成績の5年生存率、あるいは早期診断が難しいような膵臓がんに関して言いますと、例えばステージIで見つかる症例の割合であるとか、そういう何か具体的な指標があると、医療現場や研究現場において、目標として非常に意識をしやすいのではないかと思います。
 難治がんという言葉だけでなかなか共通な焦点が絞りにくい現状かと思いますので、そういう形の試みも必要ではないかと感じています。膵臓がんというふうに限定してしまうと、何となくそこだけに目が行く懸念もありましたので、もう少し広く指標を設定するといいのかなと思いました。
○山口会長 今のお二方の御意見を合わせますと、私自身が2回大きな調査をやっているのです。その調査報告書の中にがん種別の悩み・負担を10種類ぐらい、ずっと並べて、あと、層別化をやっていますので、今回、この患者体験調査の報告書の中に、今、おっしゃられたがん種別の悩み・負担を区別して書いていただく。そういう形でいかがでしょうか。
 では、東先生、よろしくお願いします。
 どうぞ。
○西口委員 さっきから話に出ている難治性がんのところなのですけれども、希少がんは例えばおおむね人口10万人当たり6例未満という指標といいますか、定義があると思うのですが、難治性がんの定義とは何ですかみたいなところが非常に難しいと思うのです。多分、自分が難治性がんであると思っている人からしますと、言っているのに全然進んでいないのではないかみたいなふうに、多分、この書き方だと思う人がいるのではないか。
 何かしら、例えば定義を決めるのであれば、定義を決めますとか、当然、その中で決めると漏れる人は出てくるかもしれないのですけれども、それは希少がんも同じで、だからこそ、多分、研究が進むとか、連携が進むということがあると思うのですけれども、何かそういう難治性がんの定義を決めるとか、そこの研究をより進めるための施策といいますか、そういうものを何か盛り込めたらすごくいいのではないかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
○山口会長 これはどなたか。
 では、どうぞ。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。
 今、まさに中釜委員に御指摘いただいたとおり、また、この協議会でも難治性がんの定義について御議論いただいたと理解していますが、そもそも難治性と書かれているとおり、性状をあらわす言葉ですので、その中には治療薬の発見がなされていないがんであるとか、早期発見が難しいであるとか、多彩な要素が含まれていることをきちんとブレークダウンをする必要があろうかというのが1点。
 もう一つは、難治性がんという、この一言で言ってもいろんな方がいろんながんを想起されているのではないかと思いますので、そこを定義してしまうことのメリット、デメリットをきちんと議論しない限りにおいては、やはりなかなか難しいのだろうと事務局としては考えております。
○山口会長 では、それも含めて検討していただくということにさせていただきます。
 ちょっと時間が押してきたので、この分野はここまでにさせていただいて、次にスライド16枚目から25枚目まで、がんとの共生の前までで御意見を賜りたいと思います。
 どうぞ。
○羽鳥委員 スライド20で、拠点病院の指定というところで、人的要件。この「病理診断」のところなのですけれども、私は専門医機構で病理医を目指す専攻医の推移をみていますが、なかなか集まっていない。
 そうしますと、病理の先生が必須であるというのはもちろん、とてもよくわかりますし、迅速診断のときに必要なこともわかるのですけれども、一方で保健医療分野のAI会議とか、そういうもので聞いていますと、画像診断を含めた6部門の、眼科・皮膚科、超音波内視鏡、病理放射線診断は遠隔診療を含めたAI診断も含めて、4K、8Kの画像で送れば相当のことがわかるということもあると思うのです。
 特に国立大学病院ではSINETという物すごく高速なネットワークを持っていますので、その辺の挑戦みたいなものも提案したらよいのか。病理の先生が少なくて困っているということがあったら、そういう提案もあってもいいのかなと思いました。
○山口会長 この件は、今はもう新たな拠点病院の更新に基づいて、少なくとも、この定義では今、今年度は動いているのです。
 先生の御提案は、以後、そういうAI等も用いたものを要件の中に組み入れていくことを検討してみたらどうか。そういう御意見でよろしいですか。
○羽鳥委員 はい。
○山口会長 事務局、いかがでしょうか。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。
 今、会長がおっしゃったとおりかと存じます。
○山口会長 では、ほかの御意見はいかがでしょうか。
 どうぞ。
○坂下委員 私も今の件については同じなのですけれども、遠隔の病理診断システムがどれぐらい普及しているかということを調査することは非常に重要だと思いますので、ぜひお願いします。
○山口会長 そのほか、この課題についていかがでしょうか。
 どうぞ。
○檜山委員 がん登録の精度のことなのですが、これは精度指標なのかというものがよくわからなくて御質問したいのですけれども、悉皆性といいますか、登録率の指標を見ておられるように思うのですが、全国がん登録が始まって、せっかく多くのがんが登録されてきているので、その精度という意味ではきちんとした内容が登録されているのかということを見る指標はないのかと思って、ちょっとお尋ねしているのです。
 これは今、恐らくがん登録をされているのは各病院の実務者の方ではないかと思っています。医師が恐らく登録されてはいないのではないかと思っていますので、そのクオリティーをどれぐらいチェックできるのかというのは思っているので、どこかの臓器別登録と照合するとか、個人情報の問題があるので非常に難しいところもあると思うのですが、その辺の指標を少し入れていただくといいのかなと思っています。
 といいますのも、実は臓器別にそれぞれのがんの取り扱い規約は違うので、TNM分類をきちんと使われている臓器もあれば、日本特有の分類を使われているところもあって、非常に実務者が混乱している状況ではないかと私は予想しています。各二十数個ある取り扱い規約を見ながら、恐らく病理分類とかをされているのではないかと私は思っているのです。
 今、日本癌治療学会、きょうは北川理事長がおられますが、その下で今、領域横断的に言葉を統一して、クオリティーのいい登録をやろうではないかというところもやっていただいているので、そういうところもあって、そういう指標を入れていただくと、我々もそういう、学会として領域横断的に、一つは国際的にも通用できる登録データということも必要ではないかと思っていますので、その辺を入れていただければいいかなと思って御質問させていただきました。
○山口会長 事務局、いかがですか。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。
 がん登録の技術的なところは若干、国立がんセンターにも補足をいただければ幸いでございますが、そもそも23枚目、24枚目のスライドにありますとおり、今般御提案をしていますのはがん登録されたものが実際、どのような登録経路で来ていて、それがきちんと国際的にも見て、要はきちんと、もとの診断のときに報告されている数がきちんと多いかであるかとか、死亡診断書が来て、ようやく初めてわかったような症例ではないような状態になっているか、5年生存率と一致するような値が出てきているかという観点ですので、今、檜山委員御指摘の内容はそもそも、そこに入力されている情報の話かと存じますので、今の指標は、そこは基本的に正しい情報が登録されているという前提での精度指標というふうに理解しております。
○山口会長 どうぞ。
○健康局がん・疾病対策課長 檜山委員、場合によっては北川委員に伺いたいのですけれども、御案内のとおり、がん登録は腫瘍のInternational Classificationに基づいてお願いしているのですが、そこで2つ質問になるのですが、1つはそもそも、腫瘍のInternational Classificationそのものが、先生方が通常、日常使っていらっしゃるものと違うということなのか。2点目は、今、丸山が申し上げた、それは合っているのですけれども、入力の正確性で先生方が臨床の感覚として、どうも違うのではないかという趣旨なのか。この2点のいずれかなのかを教えていただければと思います。
○山口会長 北川先生、それから、檜山先生の順番で。
○北川委員 UICCのTNM分類が世界標準であり本邦においてもこれを基準にしています。一方、臨床の現場では、癌取り扱い規約というものが各臓器別に各種専門学会で策定され、日本における臨床実態に即しているため並行して使用されています。UICCと対比すると使用する用語や基準などの整合性がとれていないところがあって、これを横断的に読み替えて集計できるような新しい基準の作成を檜山委員に担当していただいている現状です。
○山口会長 どうぞ。
○檜山委員 ありがとうございます。
 追加させていただきますと、今、佐々木課長が言われたように、原則、TNM分類を使うというふうにはなっているのですが、日本は日本としての歴史があって、臓器別の取り扱い規約は全くTNM分類を無視した臓器別の取り扱い規約を使われている臓器も確かにあります。それを見ながら、恐らく実務者が登録されると非常に混乱する。
 特に臓器が異なって、同じ用語を変えながら、全く定義が違うという言葉もあるので、そこを日本癌治療学会、領域横断的な学会としては統一してあげる。それを、日本の分類をインターナショナルなものに翻訳してあげるような形の横断的な規約を今、つくろうとしています。それはある程度、26学会の先生方には御協力いただいてやっているのですが、そうした意味もあって、我々はこのがん登録の中の精度をクオリティーという、それこそクオリティーだと思うのですが、それを上げたいと思っているので、それを見ていただけるような指標が組み込まれると将来的には非常に皆さんの、将来的に、このがん登録を使って何かしようとしたときに、そもそもが間違っているということになると、それはかなり大変なことになりますので、そこのクオリティーを上げさせていただきたいということと、日本のデータと国際的なデータを比べるときに、そこは十分注意していただかないといけないので、国際データに、トランスレートではないですけれども、翻訳できるような形の取り扱い規約というものを見せてあげないといけないのかなと思っているので、そのあたりを我々は取り組んでいるので、ぜひがん登録の中でもそのシステムを組み込んでいただければいいかなと思っています。
○山口会長 多分、檜山委員がおっしゃっているものが2つに分かれて、指標という観点から言いますと、各学会、二十幾つかの学会でUICCなりインターナショナルなものに基づいている登録をやっているところと、日本固有のものでやっているところをちゃんと明記するようにと。それが多分、学会側から出てくる情報の評価だと思うのです。
 もう一方で、これはやはり学会の進捗を待たざるを得ない、厚労省としてはいたし方ないと思うのですけれども、もう一つおっしゃった、登録者のレベルといいますか、それを評価することが果たして可能か。非常に、ある意味、混乱した状態で事務方がやっているところを、精度のレベルを評価することができるかどうか。そのあたりを、またアイデアを教えていただければ。
○檜山委員 ぜひ後者のほうを、中身の精度をもしかしたら評価していけば、かなりそういう面でインターナショナルデータとして日本のデータも通用してくるのではないかと思っています。完全に肺がんのようにAJCCを使っていただいている学会も確かにあります。それはそれでありがたいことだと思うのですが、そのあたりの統一をしていただいて、入力者も非常にいいデータを簡単に登録できるシステムができるのではないかと思っています。
○山口会長 それでは、事務局、まだ少し明確ではないと思うので、檜山委員と御相談いただいて、可能かどうかを御検討いただきたいと思います。
 それでは、ここの議論はここまでに。
 最後にどうぞ。
○松村委員 申しわけありません。
 25枚目のがん医療分野の部分の評価の考え方を少し教えていただけたらと思うのですけれども、例えば1つ目の「臨床試験・治験に関する窓口がある拠点病院の割合」ということ、拠点病院の数が限られていますので、高くなれば高くなるほど、がん医療分野として取り組みが進んでいくことがわかるのですが、この「抗がん剤に関する治験の数」といいますと、5がいいのか、10がいいのか、15がいいのか、あるいは治験する機関からすると治験が終わったらカウントとして減っていくという状態でいくと、この数字の評価はどう考えたらいいのかよくわからないのですけれども、教えていただきたいのです。
○山口会長 多分、これは400病院の治験の数をずらっと並べると、非常に多くの治験をやっているところと非常に少ないところとはっきりしてくるのです。今、おっしゃった中で、この数字はよくて、この数字は悪いというのは今のところありませんので、その全体像を見ながら、できるだけ多くの治験を均てん化させて、全地域の方が受けられるようにしていきたい。そういう評価だとは思いますけれども、事務局、いかがですか。
○事務局 ありがとうございます。
 もともと、これは2期計画のときにはI相試験、III相試験という形で項目を見ていたのですけれども、現在、特に臨床試験におきましては、I相、III相だけではなくて、I相からII相が融合したものですとか、あるいはII相試験までだけのものもありますので、今回はそういったものと状況を整理させていただいて、抗がん剤に関する治験の数として整理させていただいているのです。
○山口会長 多分、そういう回答になると思いますので、もしあれでしたら、また松村委員にお伝えしてください。
○松村委員 できましたら、教えていただけたらと思います。
○山口会長 引き続き、がんとの共生の分野に入って、スライドでいえば29~44枚目まで御意見を賜りたいと思います。
 どうぞ。
○村本委員 42枚目の情報提供のところです。がん情報サービスは非常に重要だと思うのですが、2つの指標ともがん情報サービスが分母になっています。例えば、これから行われる世論調査の中で、国民のがん情報に対する信頼性、世間のがん情報をどの程度信頼できると思うかなどの質問を盛り込むということはできないのでしょうか。
○山口会長 事務局、お願いします。
○健康局がん対策推進官 こちらは内閣府とともに世論調査については、今、設計を検討させていただいている段階ですので、御指摘も含め、検討させていただきます。
○山口会長 よろしくお願いします。
 そのほかに。
 では、太田委員、どうぞ。
○太田委員 29枚目のスライドのところです。この全体目標の中でがん患者さんのことはいろいろと問われているのですが、やはり社会で捉えたときに、患者さんのそばにある一番小さな社会といいますと御家族だと思っています。そうしたときに、やはりここで御家族が本当に毎日安寧な日々を過ごしておられるのかどうか。単なる介護負担があるのか、ないのかということではなくて、体験調査の中の問32、問35の1~4ということで、家族に対しての問われ方をなさっています。やはりこの2つの指標プラス家族ということに視点を置いて評価していくことはいかがかと思っています。
  また、平成28年の世論調査の中でも、「がんであることが話せますか」という問いに88%の方が「はい」ということをお答えになっておられるのですが、またそれも引き続き世論調査の中で確認をしていくことが中間評価に至るのではないかと思っております。よろしくお願いします。
○山口会長 東参考人、今の家族の問題は、この患者体験調査に大人のほうは入っていますでしょうか。
○東参考人 はい。今、太田委員がおっしゃったとおり、一番主なものは問30の2であります「患者の家族の悩みや負担を相談できる支援サービスが十分にあるか。」これが一番大きなものだと思いますし、ほかにも御指摘のところで家族の状況を聞くという問いはあります。
○山口会長 では、太田委員、今の回答部分を中間評価指標に上げるだけでよろしいですか。
○太田委員 いいと思います。よろしくお願いします。
○山口会長 それから、もう一点のほうは今後御検討いただくということにさせていただきます。
 ほかに。
 坂下先生、どうぞ。
○坂下委員 スライドの39枚目のところの「相談支援について」というところで、ピア・サポートについての文言も入っていますので、ピア・サポートについて、現状、どれぐらい広がっているかということを調査することも必要かなと思っています。
 今は各都道府県で、例えばがんサロンであるとか、そういったものの開催を把握している都道府県も多いと思いますし、あと、日本対がん協会のがんサバイバークラブというページ等でもサロンであるとか患者会の情報というものを出していますので、そういったピア・サポートの現状を把握するような調査をここに入れていただけるといいのかなと思います。
○山口会長 具体的には、相談支援センターでピアサポーターが活動している施設の数とか、そういうイメージですか。
○坂下委員 はい。拠点病院の中でサロンの設置数であるとか、あと、都道府県でそういったサロンの設置がどれぐらいあるかとか、そういった数値というものはいかがでしょうか。
○山口会長 患者体験調査の中にその数値は出てきますか。
○東参考人 はい。患者体験調査の中では、「ピア・サポートが何かを知っていますか」というものが問32にありまして、「知っている」と答えたら、「利用したことがあるか。」「利用したことがある」というふうに言われた方は、「どの程度お役に立ちましたか」という問いがあります。患者さんからの評価という意味では、この点が指標になると思います。
○山口会長 あと、層別でもこれらの数値は、今、おっしゃるような形では出てこないですね。
 事務局、御意見はいかがですか。
 どうぞ。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。
 患者体験調査は、御案内のとおり、患者さんに対するもので、今、坂下委員御指摘のものは病院に対するものですので、拠点病院に対する現況報告等ではどのような形でとれるか、検討させていただきたいと思います。
○山口会長 では、よろしくお願いします。
 田中委員、お願いします。
○田中委員 情報提供について、42枚目のスライドなのですけれども、この指標として「がん情報サービスにアクセスし」云々とあります。今、情報提供で一番充実しているのは、やはりがん情報サービスだと思うので、これを使うのはいいと思うのですが、そもそも一般の人たち、あるいはがん患者がこのがん情報サービスをどのぐらい評価しているのかということが前提になると思うのですけれども、つまり、このがん情報サービスに満足している人たちはどのぐらいあるかとか、そういう調査はあるのでしょうか。
○山口会長 東参考人、お答えできますか。
○東参考人 がん情報サービスに対する満足度というものは、すみません、私は直接は存じ上げないのですが、がん情報サービスにいらっしゃった方、サイトをごらんになった方の感想はどうであったのかというのは適宜、伺うということはしてあると思います。サンプルの母集団とか、それはサイトに来た方の中で自発的な回答になっていますので、きちんとした母集団ではないですけれども、一定の満足度についてはデータがあるはずです。その数字については、すみません、私は今は持ち合わせておりません。
○田中委員 これを指標とするには、これが日本で最も信頼できるサービスであって、患者さんから信頼されているという前提が必要だと思うので、そこは一体どのぐらい情報サービスに皆さんが満足しているかというのはぜひ調べていただきたいと思っています。
○山口会長 訪れた方にこれで満足でしたかという設問はつくっていないのでしたか。
○東参考人 すみません。それは作ってあります。それがどのタイミングで出てくるのかということは、私自身はわからないです。
○山口会長 アクセス数が月500万から550万ですね。静岡がんセンターのアクセス数はその7分の1ぐらいなのです。ですから、がん情報サービスへのアクセス数は、圧倒的に多いことは間違いないのですけれども、そこにその仕掛けは入っていますので、それを一度、参考人に御検討いただこうと思います。
 どうぞ。
○中釜委員 関連したところの質問で、東参考人に確認なのですが、情報にたどり着く割合なのですけれども、探している情報の種類は幾つかあろうかと思うのです。そのあたりは少し細分化してデータをとられているのでしょうか。例えば病気について、あるいは治療についてでかなり違ってくると思うのですけれども、そのあたりはこの内容を細分化する予定はあるのですか。
○東参考人 御指摘ありがとうございます。
 全くおっしゃるとおりだと思いますので、このテーマに関する調査を行うということになれば、そこを細分化してきちんとしたデータを出したいと考えます。ありがとうございます。
○山口会長 この辺でどなたかいらっしゃいましたか。
 では、どうぞ。
○木澤委員 がんとの共生で、31枚目なのですけれども「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」で「緩和ケアの提供について」の指標が「療養生活の最終段階において、身体的な苦痛を抱えるがん患者の割合」となっているのですけれども、最終段階だけを見て、緩和ケア全体を評価できるかというのは甚だ疑問ではないかと思っています。
 では、かわりにどうしたらいいかということなのですが、一つの方法は、イギリスやオーストラリア等でPCOCとかOACCという専門緩和ケアにコンサルテーションされた事例を経時的に評価して、専門緩和ケアの質を測定しようとするプロジェクトが走っています。今回、急には無理かもしれないですけれども、今後はこのような専門緩和ケアの質の評価方法についても検討する必要があると思います。
○山口会長 事務局にお尋ねしますが、この用いる調査で書かれているものの中には、今、委員から御質問にあったような情報は得られるようなものなのでしょうか。
 委員のおっしゃることは、診断当初からの緩和ケアと言っている以上、これではまずいのではないかという、多分、その1点に尽きるのだろうと思います。
○事務局 今回のスライドの30枚目のところに恐らく診断の初期から、あるいはその後の長い経過を通しての全体的な苦痛について記載しておりまして、特に診断されたときに関しても重要とは思いますが、苦痛の重症度ですとか割合が特に高くなる終末期、人生の最終段階のところも一つの目安になるのではないかということで、案として提示しています。
○木澤委員 おっしゃるとおりで、診断時と最終段階の指標はあるのですけれども、中抜けしている、その中間を図る指標がないということを指摘したいのです。加えて、「緩和ケアの提供について」の中身には、専門家のケアの質を高めるということが書いてあるのですけれども、そこを評価されていないので、今のストラクチャー重視、人員の整備だけが厳しく定められても、その人たちが何をやって、それがどれだけの質を担保しているかが全く評価されていない状態なので、それはやはり問題なのではないかというふうに思います。
○山口会長 では、委員の御意見はすぐにということではないので、今後の課題として事務局を中心にお考えいただく。そういう形にさせていただきます。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
○西口委員 相談支援センターとかがん情報サービスというものがあるのですけれども、どちらかというと受動的といいますか、患者さんが調べようとか行ってみようとかと言って初めてアクセスできるところだと思うのですが、迷っている人とか、どうしたらいいかわからない人に対しては多分、情報が提供されない現状だと思うので、何かもう少し患者さんの悩みに寄り添えるような体制といいますか、何かそういうネットとか場所とかにかかわらないような、人の介入した支援といいますか、何かそういうものが一つ指標といいますか、今後、絶対に必要だと思っていますので、効率的ではないのですけれども、何かそういうものも一つ取り組みとして用いられればすごくいいのではないかとは感じているので、指標に入れるのかどうかは別にして、そういうことも取り組んでいったほうがいいのではないかとは常々感じてはいるところです。
○山口会長 具体的には、どういう仕組みなり指標なり、御意見はありますか。
○西口委員 例えば主治医とか看護師が告知のときになかなかサポートできない、もしくは相談支援センターに行ってねとかということで終わってしまっているみたいなところに関して、例えばもう一人、別室で話をする人をつけたりとか、もしくは何か冊子みたいなものをちゃんとつくって、必ず告知のときにそれを渡すとか、何かそういう、必ず聞く、見るみたいな体制をどうつくるのかということのほうが、ウエブサイトを充実させても多分、インチキみたいな話はどんどん上がってくるので、それも対策をしながら並行して、人の目にちゃんと入る、耳に聞こえるということを考えていくのは同時に進めていかないといけないのではないかとは思っています。
○山口会長 協議会の今後の中で議論しなければいけないテーマかなと思いますので、この中間評価とは少し離れて、議論のテーマにいずれ情報のことをやるときに上げなければいけませんが、よろしくお願いします。
 どうぞ。
○轟委員 済みません。今の西口委員がおっしゃったことと、先ほど私が言いたかったことは似ているのではないかと思うのですけれども、このがん対策の基本計画を受けて、それぞれの病院がどのような、それに対しての取り組みをしているかという調査はできないのでしょうか。これはあくまでも患者体験とか、そういうところからももちろんフォーカスされてくると思うのですけれども、それを受けてからということが、先ほど西口委員もおっしゃっているように、やはり受け身といいますか、そうではなくて、それを発信する側の、病院がどのような取り組みをしたかということが現況の調査になるのかもしれませんが、そのようなものも並行してできたらどうかということを、私、先ほどちょっとわかりにくいと言われたのですけれども、そのようなことを望んでいるという発言を私もしたのです。
○山口会長 患者体験調査の中にそれに類することは入っていましたね。患者さんが最後にアプローチできたかどうかという、完全ではないですが。
○東参考人 患者さんがそういった相談支援センターを知っているかとか、情報を得ることができたか、支援が受けることができたかということは聞いておりますので、一番目標とするところの結果のところは患者体験調査で押さえているというふうに考えられますけれども、では、それが不十分であった場合に、今、何をしているのかということを追加的に調査するのは一つの考え方であるとは思います。
○山口会長 ですので、その結果を見た上でまた議論を進めていくという形にさせていただきます。
 最後に、太田委員。
○太田委員 ありがとうございます。
 そこのところはずっと考えておりまして、どうやったら、それがデータがとれるかと思ったときに、一つの案なのですけれども、例えば拠点病院の現況調査等に、主治医から相談支援センターにつなげていただくということを指標にしてはどうでしょうか。就労の問題であったり、いろいろな抱える課題が出てきます。現況調査の中に医師からがん相談支援センターへの紹介率といいましょうか、そういったものを相談支援センターで算定して、医師からの紹介率が上がったという形で可視化する。そして、それがまた誘導になればいいなと考えています。
○山口会長 参考にさせていただきます。
 それでは、申しわけないのですけれども、最後の部分に移らせていただいて、45枚目から59枚目、地域連携とか在宅ケアとか就労支援。
 どうぞ。
○村本委員 私から3点ございます。
 1点目は、49枚目の医療機関などにおける就労支援です。両立支援コーディネーターによるトライアングル型サポートというものが、この項目の大きな目玉だと私は認識しています。この項目に関する中間指標は何かなくてよいものでしょうか。例えば両立支援コーディネーターによる相談支援件数などが指標に入らないかと思っています。あえて働くがん患者側から申し上げると、両立支援自体は医療機関がやっていただいても、それ以外の、例えば後で出てくる地域や職場における支援の産業保健支援センターの両立支援相談員による両立支援であってもありがたいわけで、本当は今後は働くがん患者側から見て、トータルのいろんな機関で両立支援がどれだけ行われたかといった指標が今後は重要だと思っています。
 2点目です。53枚目で、職場や地域における就労支援です。これまでの内閣府の世論調査で、2週間に1回治療を受けながら働き続けられる環境と思うかという設問がありまして、3年前の調査では「そう思う」という人は3割に満たない状況でした。ぜひ、この設問を入れていただきたいと思います。
 3点目ですが、就労以外の社会的な問題、57枚目です。基本計画の中でがんに対する偏見、がんの罹患そのものが日常生活の大きな障壁となるなどが挙げられていました。これも過去の世論調査になりますが、がんを怖いと思うかといった項目がありましたし、あるいはがんに関する知識の認識を問う項目もありました。がんを怖いと思うかを指標に入れたり、あるいはがんになっても必ずしも長い入院が必要でないことを知っている人の割合といったものを調査に入れ込んで指標にするなど、正しい知識を持っている人がどのぐらいいるかなども今後、世論調査に盛り込んでいただければと思います。
 以上3点、よろしくお願いします。
○山口会長 1点目は多分、相談支援センターの現況報告は毎年1回ぐらいやっていますので、その中で就労支援を行った件数と、その後、いろんなところにつないだ件数。そういった形で情報がとれるのではないかと思いますけれども、太田委員、それでよろしいですか。
○太田委員 それもとても大事なことですし、実際にそういったトライアルの事業を使ったりして、いかに復職できた、もしくは再就職できたという数がとても大事なのではないかと思って伺っていました。
○山口会長 2番目の御意見は、これは今後入れていけますでしょうか。あるいは3番目の世論調査の話です。
 事務局から。
○健康局がん対策推進官 事務局です。
 世論調査は先ほど申し上げましたとおり、今、まさに設計させていただいている最中ですので、御意見を含めて検討させていただきます。
○山口会長 非常に怖いとか、そういうことも世論調査に入れられるものなのですか。
○健康局がん対策推進官 はい。委員御指摘のとおり、現に昔の調査でそのような表現で調査をさせていただいています。
○山口会長 わかりました。
 それでは、ほかの方の御意見を承りたいと思います。
 どうぞ。
○松村委員 53枚目の就労支援のところなのですけれども、これは患者が、利用あるいは配慮されている患者の割合となってはいるのですが、両立支援というものを考えると、中小企業を含めて企業側がどれだけ広がっているかという視点が必要かなと、私自身、いろんな両立支援をする中で感じているところです。
 そういう意味では、がんの患者体験調査とは異なった調査になると思うのですけれども、例えば企業全体の中でそういう取り組みをしている企業の割合であるとか、あるいは中小企業等を対象とした健康経営優良法人を認定されているとか、それを広めていくような取り組みや、指標とかというものはできないものでしょうか。
○山口会長 村本委員、そういう形で企業に問うということはどう思われますか。
○村本委員 何らかのアンケート等でそれを問うということは大いにありだと思います。
○山口会長 事務局、御意見はいかがですか。
 東参考人、どうぞ。
○東参考人 事業所調査に関しましては、実は第2期の中間評価のときにも意見に上がりまして、我々のほうで一応、研究班という枠組みではあるのですが、信用調査の会社から協力をいただきまして、そこに登録されている企業に対しては、中小企業に対してのみでしたけれども、どういった両立支援の取り組みがあるかというものを調査しております。
 今、結果について、まだまとめている最中です。またお見せできるときがくるとは思うのですけれども、ちょっと古くなっていますので、再度調査を行うことは一応、技術的には可能です。
○山口会長 松村委員、それでよろしゅうございますか。
○松村委員 はい。
○山口会長 どうぞ。
○羽鳥委員 この就労支援のことについては、診療報酬上も加点が認められておりますので、そこの調査は入れるべきではないでしょうか。
 もう一つ、日本医師会がやっている産業医の制度があります。50人以上の企業については産業医を選任して、産業医もこの就労支援について衛生委員会で意見を述べなければいけない。そして、実際にどういうふうに実現できたかを調べるというのがあるので、それも調査していただければと思います。
○山口会長 では、事務局のほう、御検討ください。
 それでは、ここで意見が尽きたかと。
 では、最後にどうぞ。
○松田委員 今の就労支援にもかかわることなのですけれども、治療と仕事を両立するための配慮がなされているかと書いてあります。逆にがんと診断され、がんの治療をしている際に、表立ってはないかもしれませんが、暗に退職を求められたことがあるかどうかを聞くことが必要と思います。
 もう一つ、ちょっと前に戻ってしまうのですが、がんの情報に関する質問です。医療費に関する情報は極めて重要で、私は経済的な格差が今後、私は非常に大きくなるのではないかと危惧しています。このがんの治療に、例えばこの程度に進行したがんの治療には、一体、いくら費用がかかって、費用負担が大きすぎて治療を続けられないと不安に感じる場合にはどこに相談したらいいのかという質問です。がん相談支援センターが一番かもしれませんが、先ほどの国立がん研究センターの「がん情報サービス」からも医療費に関する情報を得ることができるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○山口会長 東先生、いいですか。
○東参考人 がん情報サービスにも使える制度に関しての情報はありますし、相談支援センターでもそういった情報はそろえているというふうに認識しております。
○山口会長 私どもも医療費に関するパンフレットは2つぐらい作成していまして、この前、がん情報サービスからリンクを求められ、了解したところです。ただ、おっしゃるように情報は、パンフレットがあるだけでは全く伝わりませんので、医療費は、特にこの社会性のところは大きな問題だと思います。検討していきたいと思います。
 では、最後の最後で、太田委員。
○太田委員 お金のことは、サイトを見てたどり着けるというのはやはり難しくて、年齢や保険の種類や収入などによって形になるものです。わかりにくい点もありますので、やはり専門家につなぐというところが現実かなと思います。
 それと、57ページのところなのですが、障害のある方というよりも、むしろハンディキャップのある方ががんに罹患されたときの支援ということがなかなか指標として挙がってはいないのですが、やはり障害専門相談員であったり、障害をおもちの方々が今、どういうふうにがんと向き合っておられるかという実態を何らかの形で挙げていかなければいけないと思っています。指標が何になるのかがわからなくて、済みません。
○山口会長 今、最後におっしゃったのは、推進基本計画をつくるときに患者団体の方からかなり強い主張があって、がんによって障害が起きてしまった方と、もともと障害を持っていた方を区別して議論すべきだということがありましたので、事務局で御検討いただきたいと思います。
 それでは、事務局にお返しして、きょうはデューティーを一応全部果たしたことになりますので、よろしくお願いします。
○健康局がん対策推進官 本当にお忙しい中、御議論いただきまして、まことにありがとうございました。
 次回の協議会の日程につきましては、追って御連絡をさせていただきたいと思います。日程調整のほう、お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 机上資料とファイルについては、事務局で回収をさせていただきますので、その場に置いておいていただけますと幸いです。
 本日はどうもありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表03-5253-1111(内線3826)