第8回小児がん拠点病院の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

平成31年2月7日(木) 13:00~15:30

場所

厚生労働省 17階 専用第21会議室

議題

(1)病院からのヒアリング(非公開)
(2)小児がん拠点病院の選定について(公開)
(3)その他(公開)

議事

 

○丸山がん対策推進官 それでは、ただいまより「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
まず、がん・疾病対策課長の佐々木より御挨拶申し上げます。
○佐々木がん疾病・対策課長 先生方、皆様、本日はお忙しい中、お集まりくださいまして、心からお礼を申し上げます。
小児がんにつきましては、現在、進めております第3期がん対策推進基本計画の中でも、また6年前に策定した第2期がん対策推進基本計画の中でも、重要な柱として位置づけているところでございます。
一方で、この小児がん拠点病院につきましては、今からちょうど6年前のこの時期に最初の指定をしていただき、同じく平成25年の4月から6年間、全国の子供たちのために診療、また教育・研修、そして研究を行ってきていただいたところです。
一方で、この6年の間の政策には、先ほど申し上げましたがん対策推進基本計画の策定が二度ありましたし、同じく平成25年で申しますと、夏には社会保障と税の一体改革に向けた報告書の中で、病院完結型医療から地域完結型、また地域循環型の医療を目指すということが明記され、この間、厚生労働省としても、医療提供体制につきましては、病院完結型から、いかに地域で診療していただくか、また加療をしていただくかという政策を続けてきたところでございます。
となりますと、当然、この小児がんに関する政策につきましても、一方では、診療の質の維持のためには、拠点集約化を進める部分と、退院後、さらには全ての拠点病院が全ての領域でパーフェクトというわけではないことを鑑みますと、ある領域については、小児がん拠点病院でなくても、この病院がより治療をするのによいだろうということもあります。そういったことも含めて、昨年の夏にまとめていただきました小児がん拠点病院の報告書の中では、この小児がん拠点病院に加え、連携病院を小児がん拠点病院とともに政策として新年度から講じることとしております。
今回、この後の御議論をいただく中で、小児がん拠点病院の4月からの候補を先生方、皆様にお選びいただきたいと思います。そして、それが決まりましたら、私どもといたしましては、早急に指定の手続を進め、その上で、各小児がん拠点病院には連携病院を組んでいただき、そして全国7つの厚生局単位を想定しておりますけれども、それぞれのブロック、地域においての都道府県を越えた診療のネットワークを構築していただく。こうしたことを政策として考えております。
今、申し上げたさまざまな医療政策、そして小児がん政策がございますし、もちろん、小児がんの子供たちを守るためには教育との連携も必要になります。さらには、子供を守る親御さんの、子供の治療と仕事の両立を図るといった政策も必要になります。トータルの政策を私ども厚生労働省としては講じていきたいと思っておりますので、きょうはまず、小児がん拠点病院の御議論をいただき、もしその後、お時間が許せば、関連する政策についても御指摘いただきたいと思っています。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
○丸山がん対策推進官 そういたしますと、本来であれば構成員の皆様を御紹介させていただくところですが、時間の都合もあり、お手元の座席表にて御紹介にかえさせていただきます。
また、木庭構成員、原構成員からは、欠席との連絡をいただいておりますことを申し添えさせていただきます。
引き続き、議事につきましては、中釜座長、よろしくお願いいたします。
○中釜座長 本検討会の座長を務めております国立がん研究センターの中釜です。
この検討会の趣旨に関しては、今、佐々木課長から説明がありましたが、小児がんに対する対策は非常に重要なテーマの一つであり、既に2013年に作られた小児がん拠点病院の制度が、小児がん医療の充実あるいは小児がん患者さんの支援において重要な働きを果たしてきたわけです。さらに、これまでの6年間の実績を踏まえ、これからの拠点と課長からお話がありました、連携病院を踏まえた地域ブロックごとのさらなる集約化を介したネットワークを介する均てんは、その役割・重要性が増してくると思います。
その点を踏まえた上でのこの検討会であり、拠点病院の指定ですので、本会議の重要性は論をまたないわけですが、これからその会議に入らせていただきます。
皆さん、よろしくお願いいたします。
それでは、ここで事務局より資料の説明です。議題1「病院からのヒアリング」に関しては非公開で終了しておりますが、議題2として「小児がん拠点病院の選定について」、始めたいと思います。
まず、事務局から資料の確認と説明をお願いいたします。
○丸山がん対策推進官 それでは、冒頭の撮影でございますが、こちらで終了させていただきたいと思います。
(カメラ撮影終了)
○丸山がん対策推進官 それでは、資料の確認させていただきます。議事次第の後に、資料1、2、3で、先ほどお手元には資料4を追加で配付させていただいております。また、報告書と整備指針について参考資料1と2という形で御用意させていただいております。
資料の不足等ございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
それでは、資料2「小児がん拠点病院のこれまでの経緯について」、簡潔に説明申し上げます。
スライドの2番目、先ほど座長の御発言、当課の佐々木からの発言でもありましたとおり、25年2月に拠点病院15施設を選定させていただきまして、今般、新たな整備指針ということで、30年7月に制定させていただいたものに基づく見直しでございます。
スライドの3枚目に、現行の15の小児がん拠点病院について、地図に表示させていただいております。15の拠点病院が指定されました後、2つの中央機関というものを国立成育医療研究センターと国立がん研究センターに担っていただいておりますが、そちらと小児がん拠点病院の関係性について、4枚目のスライドで御用意している次第です。
30年7月の見直しのポイントとしては、5枚目のスライドにありますとおり、小児がん診療・支援のさらなるネットワーク化、AYA世代への対応の強化や医療安全の推進というのが3大重点ということで打ち出されておりまして、個別の細かい内容については、スライドの右側、また6ページに譲らせていただきます。
資料2につきましては、簡単でございますが、以上となりまして、続きまして、資料3について御説明させていただきます。
本日に至るまでの選定の方針についてでございます。上から、これまでの経緯としてございますが、7月に整備指針が出されまして、整備指針に基づき、10月から公募を開始させていただきました。
11月の締め切りまでに25医療機関より申請があったところでございますが、必須とされる要件を全て満たす21の医療機関について、書面評価を実施させていただいております。※印にありますとおり、要件を満たしていない4医療機関については、皆様、御了解いただいた上、書面評価を行わないことにさせていただきました。
そして、書面評価の後、本日、この前に非公開でヒアリングをさせていただきましたが、そちらの対象医療機関については、四角囲いの3つの丸の方針について事前に構成員に御相談させていただきまして、御了解いただいて進めさせていただいております。
具体的に読みますと、書面評価において9番目までの医療機関については、小児がん拠点病院として指定。
10から17番目までの医療機関についてヒアリングをし、ヒアリングはやっていただきました書面評価の妥当性を確認するという位置づけでやらせていただきました。
最終的に、この後御議論いただきますが、整備指針にもございますとおり、地域バランスについては御考慮いただいた上で選出をお願いしたいと思っております。なお、整備指針においての記載でございますが、地域バランスも考慮し、当面の間、拠点病院を全国に10カ所程度整備するものとするということと、小児がん拠点病院が現行15あるということも御議論の際には御参考にしていただければと存じます。
最後でございますが、今後については、本日、指定すべきと方針をいただいた医療機関につきまして、選定結果を各医療機関にこの年度内に発出したいと考えております。
事務局からは以上でございます。
○中釜座長 ありがとうございます。
それでは、資料についてはもう配付済みですか。では、拠点病院の評価結果として資料4は既に配付済みということですので、それを見ながら進めたいと思います。
先ほど事務局から説明いただきましたが、評価結果において、この資料4にあります9番目の施設までに関して言うと、検討会では小児がん拠点病院として指定すべき要件を満たしている医療機関とさせていただきたいと思いますが、何かこの点について、よろしいですか。点数的にも、9番目までは高い点数をとっているということで、今回は10番目以降の機関についてヒアリングを行いました。
それから、先ほど冒頭の説明にありましたが、評価の結果、点数の低かった4機関については、要件を十分に満たしていないということで、今回、ヒアリングはしなかったということであります。
この10番目以降の機関について、今回の整備指針の見直しで小児がん拠点病院の機能に加えて、地域ブロックの協議会の運営を行い、新たに指定する連携病院を取りまとめるということで、これまで以上にその役割・重要性が増してくるわけです。業務負担が増えることから、現状の15機関前後というのが目標としてはよろしいかと思うのですが、その点につきまして何か御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
現状15機関でも、今後連携病院ができて、そのカバー率が増していくと思いますけれども、今後さらに業務量が増えることが想定されるため、15前後というのは妥当な線かと思いますが、もしそれで特に御意見がなければ、その線で進めさせていただきたいと思います。
それでは、この点について、構成員のほうから特に御質問、御意見等はよろしいですか。お願いします。
○天野構成員 ありがとうございます。
今、座長より御提案いただいた15施設は、現状の施設数を考えても妥当と考えるので、その方針でよろしいかと思います。ただ、今回、この15施設が指定されるに当たって、私から3点、意見を申し述べたいと思います。
まず、1点目でございますが、小児がん診療は、もとより拠点病院のみで行われているものではなく、連携病院等を含む多くの施設で行われている状況にありますが、本当に小児がんの患者に適切な医療が提供されるためには、拠点病院のみならず、連携病院の質や体制も重要になってくるところでございますが、現状では、小児がん拠点病院以外の連携病院の指定等については、ブロックごとの単位等において指定が検討されているものと承知しております。
そうなってくると、ブロックによって連携病院の質や体制等にばらつきが生じる可能性が懸念されますので、この連携病院の指定に関しては、現状はブロック会議に委ねられていると理解はしておりますが、一方で、例えば日本小児血液・がん学会等で施設の指定等が行われているところでございますので、そういった観点も考慮しながら、ブロック間でばらつきがないように連携病院を指定していただきたいというのが1点目でございます。
2点目でございますが、今回、資料4にあります15施設が指定された場合、地域性ということも重要になってくるかと思いますが、例えば識別番号で言いますと、10番目のKの施設や15番目のLの施設などについては、地域性も踏まえつつ、また点数からも選ばれていると承知しておりますが、例えばKの施設については、離島の医療圏等も多数あるという中で、どういった小児がんの連携体制、診療体制を構築していくのかというのが求められていると考えますので、Kの施設をもし指定するのであれば、離島の医療圏等を含む地域との連携体制をさらに充実していただくことを条件として指定していただきたいと考えます。
また、Lの施設については、広大な地域をカバーしている状況にあります。もちろん、均てん化ということも重要ですが、均てん化とは、患者さんにとって、居住する地域にかかわらず、小児がん医療が適切に受けられることが重要となります。連携病院の質の維持・向上も重要となってきますので、特にLの施設については、今後、ブロック等で連携病院を指定する際に、一定の質の確保を図りながら連携病院を指定していただくことを条件として指定していただきたいと考えます。
3点目でございますが、現在、マスキングされていますが、この15施設が指定された場合、現在も空白の医療地域、医療ブロックとなっています北陸地方であるとか四国地方については、引き続き小児がん拠点病院がない状況になると考えます。よって、今後、北陸や四国地方については、今回新たに指定される小児がん拠点病院においても、その地域との連携に特段の配慮をお願いしたいと考えております。
私からは以上でございます。
○中釜座長 ありがとうございました。
今、天野構成員から重要な3点についての御指摘を受けました。いずれも非常に重要な視点かと思いますけれども、この段階で事務局から何かコメントがあればお願いします。
○佐々木がん疾病・対策課長 小俣構成員に御指摘いただいてから。
○中釜座長 お願いします。
○小俣構成員 ありがとうございます。
1点は、天野構成員と同じように地域性を考慮してほしいということ。
もう一点は、連携病院の役割というのが今後、大変大きくなるかと思います。それについての業務がふえるわけですけれども、そちらをしっかりやっていただきたいということ。
3点めとしてこの選定に関しては、そもそも評価する際に、先ほどのヒアリングでお話を聞くと、実は違うカウントをしていたということがありました。ですので、そもそもの項目をどのようにカウントするのかということも、次回検証していただきたいなと思います。
それから、そもそも小児がん拠点病院が6年たっておりますので、それでどうだったのかという効果測定ではないですけれども、実地評価が必要と考えます。よい面も悪い面もあったかと思いますが、もしかしたら、そこから新しい整備指針のアイデアや課題が出てくるかもしれないということがありますので、新たな指定をする前に、そういったことも今後はしていただけたらいいという意見です。
以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。
大きく4点の御指摘があったかと思いますが、事務局のほうからお願いいたします。
○丸山がん対策推進官 事務局です。失礼いたします。
まず、天野構成員、御指摘の連携病院のばらつきの点でございますが、我がほう、厚生労働省から示している連携病院という体系は、この30年7月の整備指針の見直しで出させていただいたものになります。まさに、構成員の問題意識も共有させていただいているところでございまして、これから3類型、具体的には参考資料1の11ページに「小児がん連携病院(仮称)について(新設)」とさせていただいておりますが、3つの類型について一定の目安を示させていただきたいと思っております。各ブロックにおいては、地域の実情もございますので、多少の変更はあろうかと思いますが、基本的にはこの目安に照らした上で、合致する施設について、小児がん連携病院としていただきたいと考えております。
また、地域性についての特段の配慮ということでございますが、資料2の3枚目のスライドに現行の地域がございまして、構成員、御指摘のとおり、いわゆる北陸4県と言っている地域であるとか、四国には現行、指定施設がございません。今般、北陸4県から現に申請はございましたが、書面評価の結果が18番以降となってしまいましたこと、また、四国からは申請がなかったということを、この場において報告をさせていただきたく存じます。
○中釜座長 最後、これまでの成果を踏まえて。
○佐々木がん疾病・対策課長 小俣構成員から御指摘いただいた点、あと天野構成員から御指摘いただいた点をあわせてになりますけれども、確かにこの間の評価は、第3期がん対策推進基本計画の中間評価の中でも今、議論しているところですし、また、先ほどの天野構成員の指摘に対して、オフィシャルには新たにという言い方になるかもしれませんが、連携病院ができることによって、患者さんの動線という言い方が適切かはわかりませんが、どこの地域の方がどこの小児がん拠点病院にかかり、そしてフォローアップしていけるのかといった新しい状況も今後把握が可能になりますので、次回の指定に際しては。あと、報告すべき提言の明確化も含めて改善していきたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
○中釜座長 ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。お願いします。
○羽鳥構成員 天野先生の御指摘、本当に重要だと思うのですけれども、例えば北陸あるいは四国などで、ほかのがんですと、がん連携拠点病院だと地域がん拠点病院という県が独自で指定できる仕組みもあります。準指定のような空白地域を無くす工夫は必要ではないでしょうか。
○中釜座長 この点について。
○佐々木がん疾病・対策課長 現在は、まず連携病院という形でそれを把握して、その上で、もし連携病院と中核機関、小児がん拠点病院との間に、さらに類型化すべきということになれば、それは当然ながら次回以降、検討したいと思います。
一方で、診療の質の向上、またその診療に伴う教育・研修や研究の向上という意味で、もしかしたら、逆にもっと集約化した上で連携病院のほうの底上げを図るということも、あり得る選択肢だと思います。いずれにせよ、今回の指定、さらには連携病院とのネットワークを踏まえた上で、次回、必ずその点についても議論していきたいと思います。
○中釜座長 ありがとうございます。
天野構成員。
○天野構成員 ありがとうございます。
先ほど、連携病院について事務局から御説明いただき、ありがとうございます。
もう一点、それに関連してお願いでございますが、現状、年間2000人から2500人の小児がんの患者さんを、現在、ブロック会議で発表されている施設数を単純に積み上げると、おおむね150施設程度で診ているということになります。数字だけではかれるものではないということは重々承知しておりますし、また患者さんや家族が住みなれた地域で小児がんの治療を受けられるというのは、非常に重要なことではありますが、一方で、単純に数だけを考えると、この数でいいのかという問題意識も持っていただきたいと考えておりますので、質の向上も含めた今後のビジョンをぜひ検討いただきたいと考えております。
以上でございます。
○中釜座長 ありがとうございます。
今後、この拠点と本当に充実した連携体制を、質を担保・管理しながら、さらによいものにしていくための非常に重要な視点かと思います。
それから、小児がん拠点あるいは連携だけではなくて、成人のがん診療連携拠点との連携、長期フォローアップを含めて、さらに充実した体制がとれるかなと思います。そのあたりもぜひ念頭に置いて進めていただければと思います。
そのほか、よろしいでしょうか。
ないようですので、それでは15施設あたりをめどに御議論いただきたいと思います。資料4を見ますと、10番目以降、ヒアリングしたわけですが、実際に14までは110点以上、15番目が106点、16、17、103点台と、14と15の間、あるいは15と16の間で点数的なギャップが少しあります。その前の13、14もありますが、14あるいは15あたりで切る。これが冒頭に言った15という数にちょうどなるのですが、このあたりの上に関しては、点数的にもある程度妥当な線かなと思うのですが、その点について何か御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
15あたりが現状を踏まえた上での妥当な数ということで点数を見直してみると、そこに割と妥当な線があると見えるのですが、よろしいですか。何か特段の御意見ございますでしょうか。ちなみに、この場合に地域性の考慮というところが問題になるわけですが、地域的なバランスということを踏まえて、そのあたりのことに関して、これはどういうふうに考えるとよろしいですか。現状で。
○丸山がん対策推進官 事務局でございます。
地域性という観点では、15位までで全ての地域、ブロックはカバーされるということでございます。
○中釜座長 わかりました。その次に続く16、17、点数的には若干開きがあるのですけれども、このあたりのところも先ほどの地域性、上位のものでカバーできるという理解でよろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○中釜座長 ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいですか。点数という意味からは、そんなに大きな議論がないかなという一覧表でありますが、それでは、次の準備に移らせていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
○丸山がん対策推進官 では、公表の準備に移らせていただきます。
○佐々木がん疾病・対策課長 病院名を入れた資料をおおよそ5分程度で準備できるかと思います。
○中釜座長 5分程度お待ちいただければと思います。
○佐々木がん疾病・対策課長 もしお願いできれば、先ほど申し上げました小児がん政策に関して、拠点病院以外の部分も含めて御意見いただけるようであれば、せっかくの機会ですので、ぜひお願いします。
○中釜座長 お願いします。
○小川構成員 ヒアリング、また選定のための資料を拝見していて、資料づくりの中で、今後もう少し充実させていただきたいという分野が幾つかありました。
その中の一つは、今回の資料の中に多少入っていますが、臨床研究を推進していくこと、オールジャパン体制での臨床研究に対してしっかり貢献していく施設を拠点病院にするべきであると考えるので、具体的なデータがとれるようなアンケートというか、こういう資料をつくる際に、状況がもう少し具体的にわかる資料をつくっていただきたいと考えます。
また、治験に関しましても、治験を実施しているというところで、どのように実際実施しているかが少しわかりにくい。数だけではわからないものがある。また、拠点病院同士が必要な試験がある場合に、患者さんをほかの拠点病院に送ることがあってもいいはずですが、それが実際、各ブロック内でどの程度行われているのかという情報が必要かと考えます。具体的には、関東圏内は比較的よく患者さんが動いているように見えますが、他地域も同じように動いているのか。
また、大きな地域に1つというところでは、もちろんそこに集約することはあるかと思いますけれども、狭い地域にたくさんあるときに、ほかから受け入れている数。また、受け入れている患者さんをお返ししている数等を少し具体的にとっていただければと考えます。その連携がきちんとできることが、患者さんたちが望む医療をきちんと提供することにつながるのではないかと考えます。
○中釜座長 重要な御指摘で、これは冒頭の天野構成員の御意見にも、あったように拠点と連携との医療の質の担保、連携の強化に加えて、拠点間の連携による開発研究の加速は非常に重要なポイントと思います。ぜひそのあたりを踏まえた質の向上、担保のための体制を考慮いただければと思います。
ほかに。天野構成員。
○天野構成員 重ねて、申しわけございません。
先ほど各施設のプレゼンテーションを拝聴させていただいて、1点、解決されていない課題があると感じました。それは、長期フォローアップ体制だと思います。小児がん経験者の方は、10年、20年、30年と治療から経過されて、晩期障害や2次がん等の問題などを抱えている中で、誰がハブとなって、その小児がん経験者の方を診療し、支えていくのかという問題は、施設間で考え方にかなり差がある現状があります。全ての施設でその方法が統一されるべきとも思いませんが、現状、そういったフォローアップの体制がいまだ脆弱な中で、多くの小児がん経験者の方がとてもしんどい思いをされていますので、その部分については、今後の小児がん医療提供体制での課題だと感じました。
以上です。
○中釜座長 そこも拠点に指定された病院の責務として、あるいはがん診療連携拠点の成人がんとの連携の強化等で、ぜひ責任を持って進めていただくような体制をとっていただければと思います。
ほかに。はい。
○西川構成員 恐れ入ります。
当然ですが、個人的な意見でございますが、北陸と四国にないというのは、そのまま放置してはいけない問題ではないかと考えております。ですから、北陸からは応募が1つあったそうでございますが、四国からはないという事情があるのは重々承知してございますが、今回の評価が余りに実績によりかかり過ぎているのではないか。教育という言葉は適切ではございませんけれども、地域性、その地域にいる人に、拠点病院を置くためにはどうすればいいかという政策というのでしょうか、施策というのでしょうか、その辺を同時に考えていただく必要が今後あるのではないかと考えました。
以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。重要な視点かと思います。
お願いします。
○小俣構成員 ありがとうございます。
先ほど小川構成員がおっしゃったような治験ということもあるのですが、今回、長期フォローアップや学校のことに関して、項目が少し少なかったように思うのです。ですので、患者家族の生活ということを考えた場合には、この項目も次回入れていただきたいということが1点です。
それから、小児がん連携病院ですけれども、整備指針では「指定すること」までしかありません。これは、ブロックの拠点病院に任されるわけですけれども、これをどのように公開するのか。患者家族がわかるような情報公開をしていただきたいと思いますし、決め方等は地域によって違うのかもしれませんが、そのあたりを事務局のほうでしっかりとサポートしていただきたいと思います。
それから、今後の課題として教育に関して今回、整備指針で、また文科省の通知でも高校教育が入ったわけですけれども、とにかく入院中から子供たちが学校でつまずくというのは、その先の生活、人生につまずくこととイコールなのです。このため学校教育の体制を入院中からしっかり創らなければならないし、この体制をどのようにするかは、各拠点病院によってもやり方が違うとはいえ、ある程度の指針や体制の仕組みというものを考えていくようなことが今後必要になるのではないかと思っております。
それから、今回のヒアリングでも多少ありましたけれども、家族への支援が少ないし、さらにはきょうだいの支援がほとんどありません提出されたデータに入れていらっしゃる医療機関もありましたけれども、そこにも力を入れて、どのようにしていくのか、整備指針に入れるのかということも含めて今後検討していただきたいと思います。
以上です。
○中釜座長 今のお二人の御指摘も重要だと思います。小児がん医療及び支援体制の向上という意味でも、ある具体的な指標を設け、それを公表する、あるいは表示することによって、ぜひ拠点病院の質を一層高めていただきたいと思います。
ほかに御意見。お願いいたします。
○舛本構成員 今回、ピアサポート、患者家族との共同というのが評価項目に入っておりましたが、私自身の経験としまして、小児で発症したがん患者さんのピアサポート、またAYA世代で発症したがん患者さんのピアサポートというのは、少し異なる部分があるかと思います。今回、基準として入っておりましたので、今後、その違いというのは、少し包括的・長期的・総合的にサポートする上で重要となると思いますので、ぜひひとつ考慮していただきたいなと思います。
以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。小川構成員。
○小川構成員 もう一点、今回のヒアリングとか選定用の資料を拝見していて考えたことといたしましては、小児病院のあり方、小児病院から見たAYA世代へのサポートの仕方、小児病院でないところでのサポートの仕方が、回答の質そのものも全く違っているということです。
小児病院では、AYAというところで指しているのは、20代前半ぐらいまでのことを言っていて、AYA世代に対して我々がやっていることはこのようなことですというのは、ほとんどが10代を対象としたことです。大学病院では、小児科内でやっているAYAに対することというよりは、病院を挙げてやっていることを全部書いてきていて、それが異なるのは当然のことだと思いますが、それを一緒に語ることには無理があると思いますので、2つに分けて語るのか、それとも一緒にするのであれば、両側からの体制をとるのかということをある程度方針を厚労省側から打ち出していただかないと、小児病院でやれないわけではないですけれども、やれるところは限界がある。
小児病院が考えるAYA世代へのサポートというのは、小児がんで発症した人がAYA世代になっていくことのサポートであり、大学病院等、成人も診ている病院でやっているのは、AYA世代で発症した、もしくは20歳を過ぎて発症しているがんの診療をどうするかということであり、考える中身が全く異なるということを、少しポイントを絞って検討いただけたらと思います。
○中釜座長 ありがとうございます。これも、恐らくは医療の質や支援の質を向上するために、より具体的な指標を設けて経過を見ていく、あるいはその向上に努めていく体制が必要かなと思います。よろしくお願いいたします。
ほかには御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。構成員の方々からいろいろな意見が出ましたので、本日の議論を踏まえて、また今後の運営に努めていただきたいと思います。拠点病院に指定された方々あるいは連携病院の方々にも、この議論は非常に重要なコメントが幾つかありましたので、そのあたりを含めて一層の小児がん医療の充実に努めていただければと思います。
準備が整いましたでしょうか。それでは、以上の議論は本検討会の提言としたいと思います。公表の準備ができたようですので、事務局より結果の公表をお願いいたします。
(資料配付)
○丸山がん対策推進官 事務局でございます。お手元に資料が配付されたかと思いますので、御確認をお願いできればと思います。
本日の検討会におきまして指定すべきとされた医療機関は、以下の15医療機関となります。順に読み上げさせていただきます。
北海道大学病院、東北大学病院、埼玉県立小児医療センター、国立成育医療研究センター、東京都立小児総合医療センター、神奈川県立こども医療センター、静岡県立こども病院、名古屋大学医学部附属病院、三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院、大阪市立総合医療センター、兵庫県立こども病院、広島大学病院、九州大学病院。順位ではなく、これは北から順に並べさせていただいております。
○中釜座長 では、今、公表いただきました15医療機関を、検討会としては小児がん拠点病院として指定すべき医療機関としたいと思います。何か御意見がある先生方、いらっしゃいますでしょうか。今回の選定においては、構成員の先生方も相当頭を悩ませたと思いますが、改めて何か御意見ございますか。よろしいですか。はい。
(「異議なし」と声あり)
○中釜座長 それでは、事務局より連絡事項等ございましたら、お願いいたします。
○丸山がん対策推進官 本日の結果を踏まえまして、厚生労働大臣による指定を行いました後、小児がん拠点病院の選定結果を各医療機関等に発出させていただきたいと思います。
この指定でございますが、平成31年4月1日より有効となるものであります。なお、小児がん拠点病院が担う小児がん連携病院の指定や地域ブロック協議会に係る指定、先ほど御議論いただいたと思いますが、こちらは年度内をめどに各拠点病院等に送付させていただきたいと考えております。
中釜座長、構成員の先生方、本日はお忙しい中、まことにありがとうございました。
○中釜座長 それでは、検討会の議事は以上になりますが、全体を通して何か御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、これをもちまして本日の検討会を終了いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
 

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