第23回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録

日時

平成30年11月14日(水) 10:00~12:00

場所

中央合同庁舎第5号館専用第21会議室

出席者

委員(五十音順)

議題

(1)平成30年度技能検定職種の統廃合について
(2)報告事項
  ア 平成29年度技能検定実施状況について
  イ 平成30年度技能検定作業の統廃合等の検討の予定について
(3)その他
 

配布資料

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議事

第23回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」
○事務局 では、定刻となりましたので、始めさせていただきます。
 本日はお忙しい中、第23回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」に御参集いただき、誠にありがとうございます。
 今回、参事官の毛利が所用で欠席のため、代わりに2023年技能五輪国際大会準備室長併主任職業能力検定官の釜石より御挨拶申し上げます。
○釜石主任職業能力検定官 皆様、おはようございます。ただいま御紹介がありました、厚生労働省能力評価担当参事官室で2023年技能五輪国際大会準備室長併主任職業能力検定官を拝命しております釜石と申します。
 お忙しい中、本日はこの検討会にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。また、日ごろから技能検定制度を含む能力開発行政の推進に多大なる御尽力をいただいておりますこと、誠にありがとうございます。毛利参事官に代わりまして、一言御挨拶申し上げます。
 最初に、技能検定を取り巻く状況でございますけれども、技能検定制度につきましては、昭和34年に制度が開始されまして、これまで延べ665万人が技能検定に合格して、技能士となっているということでございます。また、近年では、ものづくり分野の代表的な評価制度として制度の充実が求められています。また、ものづくり分野を支える必要な人材の確保・育成を支援するという観点から、技能検定制度の普及・拡充、そしてまた若者を重点とした積極的な活用促進も求められていると認識しております。
 このような中、本検討会におきましては、技能検定制度に関する国民の期待に応えていくため、経済社会情勢の変化に対応した職種の統廃合の要否について検討いただくこととしております。
 具体的には、平成17年の閣議決定などの政府方針に基づいて社会情勢の変化などから社会的ニーズが減少して、受検者数が著しく減少している技能検定職種については、社会的便益などの観点から統廃合の是非等の検討を行っていただくというものでございます。
 本日は、技能検定職種の統廃合に係る具体的な検討を進めるために、先日取りまとめました昨年度までの職種別の受検者数の推移のデータなどを事務局で精査しまして、御報告させていただきたいと思っています。皆様方におかれましては、活発な御意見、御議論いただければありがたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○事務局 ありがとうございました。
 参集者の先生方につきましては、今回は改選後初開催ではありませんので、前回開催から変更ありませんが、改めて御紹介させていただきます。立教大学教授の松井委員。職業能力開発総合大学校名誉教授の松留委員。本日、座長をお願いしております武蔵大学客員教授の北浦委員。ものづくり大学教授の松本委員。日刊工業新聞論説委員の八木澤委員。職業能力開発総合大学校教授の和田委員。
○和田委員 和田でございます。どうぞよろしくお願いします。4月から退職しておりまして肩書はもう名誉教授ということで、よろしくお願いいたします。
○事務局 大変失礼いたしました。
 なお、黒澤委員と大野委員につきましては、御都合が合わず御欠席です。
 また、2023年技能五輪国際大会準備室長併主任職業能力検定官の釜石の他にも、事務局に人事異動がございましたので、改めて紹介いたします。当室上席職業能力検定官の福井。そして、私が係員の新田です。よろしくお願いいたします。
 資料の不足、機材の不調等はございますでしょうか。ございましたら、事務局で対応いたしますので、適宜お呼び立ていただければと思います。
 本日は、技能検定職種の統廃合について、現状や今後の進め方について確認を行う予定としております。
 それでは、これからの進行は北浦座長にお願いしたいと思います。北浦座長、よろしくお願いいたします。
○北浦座長 それでは、進行役ということで務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日の議題の確認ですが、お手元にありますように、統廃合についてということと、あとは報告事項ですが、統廃合についての具体的な審議案件はないというお話でございます。従いまして、主として現状等の御報告をいただきながら、少し前広に議論をいただければと思います。
 それでは、早速議題に入ってまいりたいと思います。議題1「平成30年度技能検定職種の統廃合について」ということで、資料の御説明をお願いいたします。
○福井上席職業能力検定官 それでは、私の方から資料の説明をさせていただきます。資料1を御覧ください。
 まず、本検討会は、本年度1回目でございますので、職種統廃合の検討に係るこれまでの経緯についても簡単に御説明をさせていただければと思います。2ページ目でございますが、これまでの経緯をまとめたものでございます。技能検定につきましては、現在、指定試験機関が行うものと、労働保険特別会計から一定割合の補助金が拠出される都道府県方式がございます。そのような中で、平成17年に民間の指定試験機関へ移行促進するとともに、経済社会情勢の変化に対応した統廃合を行っていくということが閣議決定されたところでございます。
さらに、平成19年の規制改革会議において、検定職種の統廃合・新設、民間参入を促進するため、統廃合に係る定量的な基準を設定するということを答申としていただいたところでございます。
 これらの政府方針を受けまして、下の四角でございますが、平成20年度に技能検定の職種等の見直しに関する専門調査員会を開催し、平成21年1月に報告書を取りまとめました。この報告書において、2番のところでございますが、第1次判断として、前年度までの受検者数実績を基準に統廃合の検討対象職種を選定するとされたところです。また、3番のところで、具体的な判断基準として、過去6年間の平均受検者数が100人以下、ただし直近2年間の受検者数がいずれも100人超のものを除くとされるとともに、2年や3年に1回実施するものについては、それぞれ30人以上や50人以上等の場合は各実施年における受検者数が100人に達するということから、検討対象から外すことが適当とされたところでございます。
 これらの基準に基づきまして、平成21年度から毎年職種の統廃合の検討を行ってきており、本日の検討会におきましては、昨年度までの受検者数の実績を踏まえ、本年度の統廃合の検討対象職種について説明をさせていただくこととしております。
 なお、これらの政府方針や検討会の報告書につきましては、参考資料として資料配付をさせていただいておりますとともに、手元の紙の資料でも閲覧できるようにしておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 続きまして、平成21年度の初年度から昨年度までの職種統廃合の検討結果について、2枚のスライドにまとめてさせていただいております。初年度は非常にたくさんの職種を対象としておりますが、以降は基準に該当するものを順次検討しており、例えば23年度のように基準に該当するものがないという年もありながら、順次検討を進めていたところでございます。
 また、右端の欄に検討会の結論を受けての対応を記載しているところでございます。廃止等したものもあれば、一定の条件のもと存続を認めたものがある中で、4ページ目のスライドでございますが、平成29年度のところに「要フォロー」と書いている職種が2つあります。こちらの2つにつきましては、検討会の結論として定められた条件が今後、満たされるのかどうかということについて、確認をしていく必要があるということでございます。
 これらの2職種について、検討会の検討結果と現状、今後の予定を5ページにまとめさせていただきました。職種1つ目の機械木工職種につきましては、昨年度この検討会で御議論をいただきまして、31年度が次回の技能検定試験になる予定ですが、その検定試験において、少なくとも年間平均30人以上となることを条件に、存続を認めることが適当とされたところでございます。
 31年度定期試験は、例年後期に実施をされておりますので、後期実施が予定されているところでございますので、32年度の本検討会において再度その状況を報告させていただき、必要に応じ、ニーズを満たさない、あまり状況がよろしくないときは、再度御検討いただくことになろうかと思います。
 もう一つの陶磁器製造職種につきましては、これも昨年度検討していただきましたが、2行目の真ん中にありますとおり、原則としては職種廃止すべきであると結論いただいたところでございます。ただし、既に受検準備を行っている希望者がいるということで、30年度は試験を実施するとともに、30年度の試験において受検申請者数が少なくとも90人以上となった場合は、直ちに職種廃止とはせず、改めて本検討会に諮るという結論をいただいたところでございます。
 本年度の受検申請者数は、前期に実施をしておりますが、矢印の下の3行目に書いてありますとおり、77名でありました。ただ、後期の期間におきましても、定期試験は実施していなくても、実技試験や定期試験を免除された方、全部免除の方などが申請をして技能士になるということが可能でございますので、そうした方が一定数おりますと、またこの人数が変わるというところでございますので、最終的な受検申請者数はまだ確定していない状況でございます。従いまして、30年度末まで最終的に何人になったのかを確認した上で、31年度、また必要に応じて諮らせていただきたいと考えているところでございます。
 続きまして、本年度の職種統廃合の対象職種について御説明をさせていただきます。一番上の文章の部分は、21年1月に取りまとめられた専門調査員会の報告書の第1次判断基準を書かせていただいているところでございます。改めて説明させていただきますが、「過去6年間の年間平均受検者数が100人以下(直近2年間の受検者数がいずれも100人を超えているものを除く)とすることが適当である」というところでございますので、まず、過去6年間の平均が100人以下のものを全てこの表の中にリストアップさせていただいたところでございます。
報告書のなお書きにおきまして、この第1次判断基準を満たさない職種のうち、例えば2年又は3年に1回、技能検定を実施するものについては、それぞれ50人以上又は30人以上の場合は各実施年における受検者数が100人に達することから検討対象から外すことが適当であるとされておりますので、この検討対象から外す条件に該当しているかどうかについて全て備考の方に書かせていただいたところでございます。一つ一つの職種について説明をさせていただきます。
 まず、金属溶解でございますが、金属溶解は3作業について行っているところでございます。26年度に一番上の鋳鉄溶解作業というのが統合されておりまして、24年度と25年度は別の作業で実施されていたところでございます。従いまして、各作業別に見ますと、それぞれ3年に1回ずつ実施しいるというような状況が見てとれるかと思います。職種全体としては、作業を順番に3年ごとに繰り返し実施しているということでございますので、金属溶解については3年に1回実施しているというふうに整理されるところでございます。そのような中、平均申請者数は右から3番目の欄でございますが、47人でございましたので、3年に1回実施で平均30人を超えているということでございますので、こちらは検討対象から外すということになると判定させていただきました。
 続きまして、その下の縫製機械整備でございます。こちらは1職種1作業でございますが、スライドのとおり、2年に1回公示をして実施しているものでございます。平均の受検申請者数は53人ということでございますので、こちらも2年に1回実施で平均が50人以上ということですので、対象から外れるというところでございます。
 その下のグレーのセルの職種、機械木工と陶磁器製造につきましては、先ほど御説明をさせていただきました。こちらについては既に検討をしており、状況を見て検討の要否について判断するとされておりますので、改めてこの場で検討をする必要はないとさせていただいているところでございます。
 続きまして、酒造でございます。酒造につきましては、6年間のうち5回公示されております。状況を簡単に御説明いたしますと、平成29年度、従来であれば後期実施の予定を前期に実施するということで、後期実施から前期に実施するという変更をしたことによりまして、29年度は実施せず、30年度の前期に実施することになりまして、6年間のうちで5回開催となっているところでございます。6年間平均申請者数は87でございますが、これは全体を6で割ったものでございまして、6年間に5回実施でございますので5で割りますと100を超えるということで、各実施年での平均が100人以上になるということでございますので、こちらも対象外になると判断させていただいたところでございます。
 続きまして、枠組壁建築でございます。こちらにつきましても同様に、25年を実施しておらず、6年間に5回実施でございます。年間平均申請者数は92でございますが、5で割りますと100人を超えるということでございますので、こちらも各実施年での平均が100人以上ということで、対象外と判定させていただきました。
 続きまして、エーエルシーパネル施工でございます。こちらも昨年度検討していただきまして、2年に1回実施のところ、検討会の結論として、3年に1回の開催とすることで存続を認めるとされたところでございます。今後は3年に1回実施されるというところでございますので、その状況を見て、また申請者数が多くないようでありましたら、こちらで御議論いただくことになろうかと思いますが、現時点では検討済みということで、対象から外させていただくところでございます。
 続きまして、ウェルポイント施工でございます。ウェルポイント施工は6年間の申請者数を全て書かせていただいたのですが、このうち平成27年の4人と平成29年の16人というのは日本人向けの定期試験を公示していないものでございまして、外国人向けの随時試験のみが開催されて、受検いただいた人数でございます。従いまして、ウェルポイント施工の平均受検者数を考えるに当たっては、随時試験のみが実施された年は除外し、24年、26年、28年の公示された年のみを対象として計算すべきであろうと判断いたしまして、ここに書かせていただいているところでございます。この平均申請者数の51というのも、24年と26年と28年の3年を足した上で6年平均を出させていただいたものでございます。2年に1回実施ということで、その上で平均申請者数が50人以上だということでございますので、こちらも対象外になると判定させていただきました。
最後に、印章彫刻でございます。こちらにつきましては、3年に1回実施でございまして、平均申請者数が36ということで、平均30人を超えているということで、同様に対象外と判定させていただいたところでございます。
 以上のように、今回、過去6年間の年間平均受検者数が100人以下の職種につきましては、いずれも検討済みか対象外になるというところでございますので、本年度は職種の統廃合に係る検討が必要な職種はないと判断をさせていただければと思います。
 次の7枚目のスライドでございます。今、御説明しましたことをここにまとめさせていただきました。1つ目の○から読み上げさせていただきます。
過去6年間の職種ごとの年間平均受検者数を確認したところ、統廃合の判断基準(第1次判断基準)に該当するものはありませんでした。
基準に該当するものがなかった平成23年度と同様に、本年度の職種の統廃合に係る検討は本検討会をもって終了とし、報告書の作成も行わないことといたしたいと思います。
 今後の予定でございますが、毎年6月末をめどに、前年度の集計を行い、最新の6年平均を算出した上で、その結果を踏まえ検討会で御議論いただくこととしているところでございます。次回は、平成30年度の受検申請者数が取りまとまった後に、改めて本検討会を開催させていただければと思います。
 最後に、8枚目のスライドについて御説明いたします。技能検定職種数が平成18年度以降どのように追加され、又は統廃合されたかというものでございます。新設されたものは、いずれも指定試験機関方式のものでございまして、統廃合の対象や指定機関方式への移行の部分については、都道府県方式からの移動ということになっているところでございます。
 一番右端の欄でございますが、数字のところが全体の職種数、括弧の中が都道府県方式での職種数の内数となっているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○北浦座長 どうもありがとうございました。
 今、御説明がありましたように、このような事情をもって、本年、事務局の方から統廃合の判断に御議論いただく必要な職種はないという御説明であったわけであります。ただ、それにつきましていろいろ資料等が出ておりますので、これらにつきましての御意見なり御質問がありましたら、皆さん方から自由にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○和田委員 酒造が29年度は実施していなくて、30年度前期ということで実施されているかと思うのですけれども、その数は実際にどれだけでしょうか。
○福井上席職業能力検定官 すみません。すぐには出てこないのですが、ただ、酒造はもともと後期だと業務の都合の関係で受けるのが難しいという中で、前期に変えたという経緯があります。
○和田委員 29年度にやらなかったから、30年度は既に前期が終わっているのかなと思ったものですから、数をお聞きしたかったということです。
○福井上席職業能力検定官 数がすぐ出なくて申し訳ありませんが、減ったとは聞いておりません。
○北浦座長 酒造についてはここでも大分議論いただき、また、要望も各関係団体の方に出した経緯があったと思うのですが、地域的な偏りについてはかなり是正されてきたと見てよろしいですか。そのような数が増えない理由は幾つかあったと思うのですけれども、そういう点をクリアして、努力されているということですね。
○福井上席職業能力検定官 はい。
○北浦座長 では、数字はまた後ほど確認いただいたところで御報告ください。和田委員はよろしいですか。では、他の点で御質問、御意見いただければと思います。
 一番の問題となります機械木工と陶磁器につきましては、それぞれまだ仕掛かりの状況なので、その結果を見てということですから、これは対象としないというよりは、今年はまだその数字が上がっていない段階で、議論ができないということですね。
○福井上席職業能力検定官 機械木工の方は来年度実施ですので、まだ団体に取り組んでいただいている状況でございますが、陶磁器の方は今年度前期に実施をしておりまして、人数が77で90を下回ったという情報については、とりあえずいただいているところでございます。
 先ほど御説明いたしましたが、免除者の申請があって、それが算入されますと、場合によっては人数がさらに増えてということもあるのですが、なかなか90になるのは難しい状況ではないかなというのが正直な感想ではあります。そのときに90人未満となった場合は、検討会の結論としては職種廃止ということになるのですが、手続としては、もう一度この検討会で情報を報告させていただいた上で、改めて、場合によっては廃止という結論をいただくという手続を踏ませていただければと思っております。
○北浦座長 そのようにお願いします。
○松本委員 それに関連して、例えば陶磁器職種が58から77に増えたということで、何か業界団体の方での取組とか、そういうところで情報はありますか。
○福井上席職業能力検定官 業界の方からは、受検をしっかりするよう呼びかけているというお話は聞いております。また、77名で未達だったということについてはお話しした上で、ただ、免除者が申請をすればその人数も加算しますということはお話をしておりまして、引き続きそういった呼びかけはしていきたいと聞いております。
○松本委員 承知しました。
○北浦座長 他にありますでしょうか。
 先ほど1個、随時をやった場合に年を変えて実施しているというのがありましたが、他の職種においては、ここに書かれている該当職種について随時を実施しているところはあるのですか。
○福井上席職業能力検定官 参考資料6に各作業における等級区分を書かせていただいているところでございます。ここの真ん中の等級区分の右端に丸がついているものが外国人向けの検討を実施しているというところでございます。詳細につきましては確認させてください。
○北浦座長 随時の場合は、計算の対象にしていないという原則となっているのでしょうか。
○福井上席職業能力検定官 いえ、今までそういった議論はされておらず、全て受検をした人数をそのままここに書かせていただいて、随時も含めて実施しておりました。
 今回も、ウェルポイント施工以外は単純に、受検申請者数が取りまとまっておりますので、その数字をそのまま持ってきたのですが、それで計算してしまいますと、ウェルポイント施工がこの人数を5で割らなければいけなくなってしまいまして、非常に少なくなってしまって、逆に適当ではないと考えまして、それで、こういった随時級しか公示していなくて、かつその部分の人数が非常に少ないものについては算入せずに計算することが適当だと思いまして、そういった検討結果を示させていただいたところでございます。
○北浦座長 技能実習対象職種が増えていくとして、そうするとそういうところの技能実習生が、今度から3級は取らないといけなくなりますので、そうするとその受検が増える。それによってこの数字が変わるということもあり得る。
○福井上席職業能力検定官 あり得ます。そういう職種も結構ありまして、後ほど説明しようと思っていたのですが、参考資料5に各作業別の6年間の受検者数の推移を書かせていただいているのですが、このうち黄色のセルの部分は定期試験の公示がないものでございます。陶磁器の時に説明させていただいたとおり、全部免除の方で入っている部分もありますので、黄色のセルで若干数字が載っているところもあるのですが、一方で、黄色のセルで非常に、200人とか数があるところもあります。そういったものは基本、随時級による受検者数ということでございまして、例えば参考資料5の3ページの一番下の染色でございますが、糸浸染作業や織物・ニット浸染作業などは、定期試験は22年からずっと休止をしておりまして、随時級のみで実施をしている。随時級のみで年間でそれなりの人数がいるということでございまして、職種の統廃合の検討には乗らないような状況になっているところでございます。
 こちらについては、今のところはまだ検討の俎上に載せるつもりはないのですが、今後こういった、日本人向けではなく外国人向けだけで実施しているようなものについては、取扱いをどうしていこうかというのは我々の課題だと考えておりまして、しかるべきタイミングでこの検討会でも御議論をお願いすることになろうかと考えております。
○北浦座長 わかりました。ありがとうございました。
 他に、こういったような御質問で結構でございますので、御意見なりありますでしょうか。八木澤委員、どうぞ。
○八木澤委員 今、外国人労働者の受け入れ拡大を国会でやっているのですけれども、もし報道されている数字の規模を受け入れた場合、外国人向けの技能検定のあり方というのも変わってくるのでしょうか。
○福井上席職業能力検定官 技能検定制度自体が今のところ変更するようなお話は聞いていないので、位置付けとしては変わらないと思います。また、新しい在留資格について今、国会でも御議論いただいておりますが、その中で技能検定制度の活用的なものは特に言われてはいないところでございますので、そういう意味では今のところ変更はないと思っています。
 一方で、外国人の方が入ってこられて、その方が技能検定を受けたいという場合も当然あり得るのではないかと思いますので、そういう方は技能実習生ではないので、基本的には定期試験で受けていただくべきとは考えておりますが、そういったことで受検生が増加することはあり得るのではないかと思っています。
○北浦座長 松井委員、どうぞ。
○松井委員 まず、平成30年度の統廃合の検討については、もうこれで私はよろしいと思います。今八木澤委員が言われたのは、いわゆる技能検定という職種は本当に幅広くて、今のテーマとある職種にしてみたら、まさにこういうのをもっと実施してもらって、現場で活躍していただきたいというのがあるとすると、もっともっと、今試験を実施している関連の当局の方がそれをもし認識したならば、例えば技能の実務の試験の場合とペーパーテストなどがある場合、ペーパーテストが今までのように改革、見直しするのではなくて、もし海外の方が、例えばペーパーテストを日本人なら普通に読めるけれども、向こうの人には難しい漢字があるではないですか。専門用語は別ですが、そういうところはルビを振るとか、かなり具体的な話になってしまっているけれども、例えばそのような気持ちが必要かなと。
 今回もうこれだから1年間何もしないのではなくて、おそらくちゃんと関連当局には試験を実施し、社会に貢献してくださりありがとうございますと、それから受検生のニーズとか社会のニーズの変化に合わせて不断の見直しの重要性もありますから、そういうことを勘案して今後ともよろしくお願いしますというような連絡はしますよね。
○福井上席職業能力検定官 もちろん、ここで対象外になったものも危険水域であることは間違いないので、これらに関係する団体については、引き続き受検者数の増をやっていただかないといけない。
○松井委員 私が言いたかったのは、やはりこうやって社会がもし大きく変わってきたら、ある程度、お互いに考えていきましょうというような、こちらもそういうことで何かいろいろあったら一緒に考えましょうというような、そうした考えは必要なのかなと。向こうに全部任せっ放しではなくて、外国人労働者とかをもっと本当に社会に浸透させていくために、受検者がいるからいいやというのでほっぽり放しというよりも、もうちょっとうまくやるというのを先ほどから考えていて、どうやって表現したらいいかなと思っていたのです。
○福井上席職業能力検定官 技能実習生向けは、技能実習生は1年ごとに在留資格を更新する必要があり、色々な時期に入ってきている関係から、いわゆる定期試験で受検して能力を判定することが時間的に難しいということになります。なので、随時試験という形で随時実施しているのですが、技能実習生は人数が非常に多い部分がございまして、随時試験の実施で現場がかなり業務負担になっている部分があるところでございます。そういった中で、新しい在留資格についても、例えば人がたくさん入ってきたとして、技能検定を受けたい、技能実習生と同じように随時試験で受けたいと言われてしまうと、ちょっと対応するのは困難かなと思うのです。
 ただ、一方で、新しい在留資格の方は、期間がある程度、定期的に更新するのでしょうが、技能検定を受けないと更新できないとかではなくて、ある程度のスパンであると思うので、そのいずれかのタイミングで定期試験を受けたいということであれば断る理由はありません。ただ、定期試験だと漢字が難しいとか、おっしゃる部分がありましたら、それはもちろん改善していきたいと思いますし、技能実習生向けの随時試験の問題文は日本人と全く同じではなくて簡単な日本語にするとか、読み仮名をふるとか、そういったことをしておりますので、そういったノウハウを転用すれば定期試験での対応は可能だと思っていますので、その部分についてはぜひ、社会情勢も見ながらリバイスをしていきたいと思います。
○北浦座長 ありがとうございました。
 松井委員の御指摘にありましたように、もともとここは規制改革で、100を切ったら廃止するのかどうかというむしろマイナス的な議論から入ってきたのですが、その後の経緯を見てみますと、やはり社会情勢が変化し、むしろ技能検定の意味をもう一度問い直す。まして外国人という目で見たときは、国内ではないけれども、外国人から見たら有用性が高い。そういうものもあれば、かなり環境変化してきていますから、統廃合という議論ではあるのだけれども、そもそも技能検定のあり方みたいなものと絡めてもう一度議論し直す必要も出てくるのかもしれない。そういった意味での御指摘だと思うのです。今日の議論からは離れてしまいますが、大事な御指摘だと思いますので、そういうものも今後の課題ということで、御提起があったということで御理解いただきたいと思います。
 それでは、松留委員、いかがですか。
○松留委員 結構です。
○北浦座長 よろしいですか。
○松留委員 この議論に関しては了解です。問題ないと思います。
○北浦座長 それでは、とりあえず議題1につきまして、集約をしたいと思います。はい。
○福井上席職業能力検定官 すみません。今、ちょっと確認をさせていただいて、今回の職種の中で随時級が他にあるかですけれども、他の職種に随時級はなく、日本人の定期試験のみでございました。
○北浦座長 わかりました。ありがとうございました。
 それでは、議題1について集約をしたいと思います。皆さん方、御意見をいただきまして、ありがとうございました。それを踏まえまして、本年の検討対象職種はなしということで、これは御了解いただくことでよろしいですね。
 そういうことになりますと、報告書の作成も行わないということでありますが、この結論につきましても、よろしいですね。
 では、その点について、確認をさせていただきました。
 若干、数字がわかった場合に検討しなければならないという2職種(機械木工及び陶磁器製造)の状況はありましたが、特別それについての報告を今回まとめる必要はないということで、以上のような取扱いにしたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、議題1が終わりましたので、議題2であります。「平成29年度技能検定実施状況について」、以下、報告事項ということですが、よろしくお願いいたします。
○福井上席職業能力検定官 まず、資料2-1について御説明をさせていただきます。
 こちらは平成30年7月27日に厚生労働省から記者発表をした資料でございますが、29年度までの技能検定の実施状況でございます。昨年度は、柱書きの2行目にありますが、32万8778人が合格をしておりまして、次のパラグラフの一番下でございますが、昭和34年度の制度開始からこれまで約665万人が合格しているという状況でございます。
 技能士の増加につきましては、厚生労働省人材開発統括官の組織としての目標でもございますので、引き続き受検者数の増加を図るよう、技能検定制度の周知、勧奨等を進めていきたいと思っております。
 資料の3ページ目を御覧いただけますでしょうか。先ほど職種の統廃合の関連でお話をしましたが、他の職種における6年間の受検者数の推移というものが載っているところでございます。本年度2職種追加しておりますので、昨年度時点においては128職種でございます。このうち右から2番目の欄に平均受検申請者数を書いておりますが、指定試験機関方式ではないものであって、2桁以下のもの、100人未満のものにつきましては先ほど全て御報告したところでございますが、一方で、ここにあるもので100人を超えてはいますが、もうちょっと少なくなると職種統廃合の検討対象になるであろうというものを、取り急ぎこちらの方で確認していただければと思います。
 気になっているものを一つ一つ申し上げますと、1つ目は19番の粉末冶金でございまして、こちらにつきましては、今、104名でございます。26年度が非常に少なく、その後増えてきておりますので、このまま増えていけば問題ないとは思いますが、何かの拍子で下がってしまうと100人を切ってしまうので、こちらの検討会で御議論をいただくことになるかもしれないというところでございます。
 また、22番の金型製作につきましても116人ということで、少な目な状況になっているところでございます。こちらは特に24年や26年が多いのですが、それ以外が少ないので、来年度、24年度受検者数の159人が抜けますと、かなり危ないのではないかと思っています。
29番の溶射につきましては、こちらも113人ということで、これは年ごとに人数が上下しておりますので、作業とかの兼ね合いもあるのかもしれませんが、こちらも注視をしていきたいと思います。
 次のページ、あともう一つでございますが、117番の塗料調色につきましても、6年平均117人ということで、少な目だというところでございます。
これらの職種につきましても、引き続き、試験問題作成等は行いますので、その中で業界団体に対する注意喚起等は行っていきたいと思っています。
 御参考ですが、78番にみそ製造というのがありまして、106人ではございますが、これは隔年実施で1年間の平均で200人以上受検しているところでございますので、こちらについては特に問題はないだろうと思います。
 29年度までの技能検定の受検者数と技能検定の実施状況については、以上でございます。
 続きまして、資料2-2でございます。職種の統廃合については毎年検討いただいているところでございますが、一方で、厚生労働省におきましては作業の統廃合についても別途基準を定めて、基準に該当するものについて業界団体等の専門家を集めた専門調査員会を招集し、作業の統廃合の要否等について検討しているところでございます。ここでいう作業というのは、技能検定試験における実技試験の選択科目のことでございます。選択科目で、いずれかの作業をどれか選択し受検すると試験細目に書いているときの作業名を列挙しているところでございます。
 まず、2ページ目で基準等について御説明をいたします。この作業統廃合に係る検討対象の選定基準につきましては、26年度のこの場の検討会で議論いただいたものでございます。基準といたしましては、(1)の表にありますとおり、職種の中における選択科目の数、すなわち作業の数と実施頻度が毎年か隔年か3年ごとかによって、それぞれ数字を定めているところでございます。
もう一つの条件として、(2)にございますが、直近10年間にわたって実施公示のない作業についても廃止の検討対象とするとされているところでございます。
 これらの基準に該当したものにつきまして、資料下欄でございますが、どのような検討をするかということが書かれているところでございます。検討対象となった作業については、職種ごとに職業能力開発専門調査員会を設置し、技能検定の活性化を図る施策について検討を行うと。検討の内容としては、試験内容の妥当性について、関係業界の取組について、社会的便益の状況について、試験実施間隔の見直しについて等の観点から検討いたします。
 これらにつきまして、必要な取組を促しまして、3年程度は改善状況について情報収集をするというところでございます。そして、改善が見込めなければ、再度、当該作業の統廃合等について必要に応じ、専門調査員会を招集し、検討するというところでございます。
 そういう意味では、職種と違って作業についてはもう少し細かい話ですので、ある程度状況を見ながら検討するというところでございます。
 また、補足でございますが、例えば2作業で毎年実施しているものがあったとして、片方が80人の受検者があり、片方が30人の受検者があるということでございますと、毎年2作業実施している職種における作業の統廃合検討基準が50人以下という基準になっておりますので、30人の方は対象になる。80人の方は対象にならないというところでございますが、仮にその30人の方を廃止してしまうと、今度、80人の作業は1作業だけになってしまいますので、それが毎年1作業実施している職種における作業の統廃合検討基準に該当してしまう可能性があるところでございますので、作業の統廃合を機械的にやってしまうと、ドミノ倒し的に廃止することになってしまうので、慎重に検討したいというところがありますのと、この場で御報告させていただくものは後ほど幾つか検討の対象となる作業があるのですが、それらの作業は廃止することで職種の統廃合には特段影響は及ぼさないということも併せて御説明します。
 続きまして、次のページでございます。今の選定基準1、2それぞれに該当するものを列挙させていただいたところでございます。上の四角は先ほどの基準が書かれているところでございまして、真ん中の四角は選定基準の1、上の表の人数に該当するものを列挙したものでございます。全部で9作業ありまして、右から2番目の欄に優先順位を書かせていただいているところでございます。優先順位が1のものが6作業、2のものが3作業というところでございます。
 また、下の四角で10年以上休止している作業につきましても、あわせて書かせていただきました。こちらにつきましては14作業あるというところでございます。
 平成30年度におきましては、これらについて優先順位を定め、順次作業の存続なり修正の是非について議論をしていきたいと思っておりますが、これを全て対象とすることは非常に難しいところでございますので、さらに優先順位をつけて絞り込んだものが、次の4ページ目のスライドでございます。
 まず、選定基準1につきましては、9作業のうち優先順位1とされた6作業をまず列挙させていただきまして、それぞれについてどういう状況かというものを備考に書かせていただいたところでございます。一番上から1つずつ説明をさせていただきます。
 まず、金属溶解職種の鋳鋼溶解作業でございますが、こちらについては3年に1回実施をしており、職種内で3作業ある中、平均受検者数が5.7であるというところでございます。1職種3作業3年ごと実施で8人以下という基準に該当いたしますので、こちらの選定基準に列記されているところでございますが、一方で、作業の定期試験の実施予定が26、29年度と3年ごとの実施ですので、次は32年度を予定しているところでございます。従いまして、今の段階でもちろん受検者数の増加について取り組んでいただくことは必要だと思っておりますが、具体的な検討につきましては、32年度の受検が行われるその前年に議論をさせていただき、来年度の受検者数はどのぐらいの人数でなければいけないといった具体的な基準というか条件等について議論をいただきたいと考えておりまして、こちらは次年度の検討としたいと考えているところでございます。
 続きまして、機械加工のジグ中ぐり作業でございます。こちらにつきましては、3年に1回の公示で平均が5.3だったところでございますが、機械加工につきましては、休止作業も前のスライドの左下の表で5作業記載しているところでございます。また、全体の作業数が23と非常に多いところでございます。機械加工自体はたくさんの業界団体にまたがるものでございまして、またいろいろな作業が絡んでいるところでございますので、これを1つだけ取り出して議論することはなかなか難しいと思っておりますので、職種内の作業全体で包括的に検討したいというところでございます。具体的に、今年度いきなりこれをやるというのは難しいと思いますので、状況等を見ながら順次検討していくという形にさせていただければと思っています。
 次の切削工具研削の超硬刃物研磨作業でございますが、こちらについては3年に1回の実施でございまして、平均が8.8でございます。こちらにつきましては昨年度、専門調査員会で検討させていただきまして、本年度の受検者数が45人を達成すればいいという条件を決めていただいたところでございます。本年度の受検者数が45を超えているところでございますので、こちらについては検討済みでありますし、その条件も満たしたということでございますので、本年度、検討はしないというふうにしたいと思っております。
 その下の機械木工職種の機械木工作業でございますが、機械木工につきましては、先ほどお話ししましたとおり職種全体で統廃合の是非について議論をしておりますので、ここで作業だけ取り出して議論することは適当ではないと思っておりますので、職種全体での取組を見るということで、作業自体の個別の検討はしないというふうにしたいと思っています。
 残り2つにつきましては、今年度検討したいと思っているところでございまして、1つは広告美術仕上げの広告面ペイント仕上げ作業でございます。こちらにつきましては3年に1回実施の予定で、このままいきますと来年度実施する予定でございますので、来年度実施の是非も含めて、今年度、業界団体等と調整をしながら進めていきたいと思っております。
 もう一つは、産業洗浄の化学洗浄作業でございまして、こちらは3年前の27年に検討して、29年度の受検者数に応じて再度検討するとなっていたところでございます。29年度の受検者数が45人以上であれば良いというふうにされていたところでございますが、結果的には37人だったということで条件を達成していないということでございますので、改めてそのような状況を受けて、業界としては今後どうしていくつもりなのかというのを確認していきたいと考えているところでございます。
 また、10年以上休止のものが14作業あるのですが、これらの作業につきまして、下の四角のところに書いておりますが、いずれも過去に業界団体に若干統廃合について意見を伺っているところでございまして、そういった業界団体等のアプローチの中で、存続のニーズが少ないと思われるものをリストアップして、今年は対応していきたいと思っています。
具体的には、下に書いてある4作業でございまして、染色職種における型紙なせん作業とスクリーンなせん作業、布はく縫製職種における衛生白衣製造作業、広告美術仕上げ職種における広告面プラスチック仕上げ作業について業界団体にアプローチをしつつ、検討していきたいと考えております。
 印章彫刻のゴム印彫刻作業につきましては、15年から休止をしておりますが、昨年時点で作業廃止について同意をいただいたところでございます。31年度後期に最終試験を実施して、その後、廃止するということで同意を得ておりますので、こちらについては粛々と進めていきたいと思います。
 選定基準1に該当するもので、今回候補としたい2作業につきまして、職種全体の等級別の作業の受検者数について、次のスライドにまとめておりますので、御覧いただければと思います。
 まず、広告美術仕上げ職種でございますが、こちらの職種には3作業ございまして、人数の少ない広告面ペイント仕上げ作業と、平成9年度から休止している広告面プラスチック仕上げ作業と、今、毎年実施している広告面粘着シート仕上げ作業があるところでございます。このうち広告面粘着シート仕上げ作業につきましては、6年間の合計が600人を超えている。1年間の平均が100人を超えているところでございますので、これ単独で既に職種統廃合の対象にはならないだけの人数がしっかりと確保されているところでございますので、残り2つについて、業界の意向等を確認していきたいと思います。
 ただ、広告面ペイント仕上げ作業について若干補足をさせていただきますが、3年に1回実施で3作業でございますので、単純に考えれば1年間、1回の試験で30人以上の受検者数が必要と考えられるところでございますが、過去6年間の合計が30人を下回っているところでございますので、単純に受検者数増加に向けて取り組みますというだけではなかなか、はい、わかりましたというわけにはいかないと思っておりますので、もう少し細かい部分での増加の取組についての団体の意向等も聴取をしながら、31年実施の是非も含めて、場合によっては32年に延期するということもあり得べしと考えながら進めていきたいと思っております。
 もう一つが産業洗浄作業の化学洗浄作業でございます。こちらは1職種2作業でございまして、もう一つの高圧洗浄作業において、同様に1年平均600人を超えておりますので、職種統廃合の対象にはならない状況でございますので、化学洗浄作業について粛々と検討したいと思っております。
 25年、28年の3年に1回の予定だったのですが、1年遅らせて29年に受検者数増加のための取組をしつつ、実施していくということだったのですが、結果としては条件を達成できていないというところでございます。そういった状況も含めて、今後どうしていくかを聞いていきたいと思っているところでございます。
 ただ、条件を達成していないからもうだめだよというような対応をするつもりはなく、実際に受検者数は22人から37人に若干増加していますので、次の3年後には45人をちゃんと超えるような取組をしていただけるのであれば、存続ということは当然あり得るものだと思っていますので、そういった状況も見ながら、また団体の意見も鑑みながら、進めていきたいと思っているところでございます。
 一番下の四角は参考でございまして、先ほど申し上げました超硬刃物研磨作業ですが、昨年検討したときの状況と、その時点での受検者数はどうだったのかということ。どのような人数を条件として、結果的に30年はどうだったのかというのも書かせていただいているところでございます。
昨年度検討した結果におきましては、本年度の受検申請者数が45人以上であれば、その次の33年度、3年に1回であれば33年を予定しておりますが、そのときの受検申請者数を踏まえてさらに再検討しますよという結論をいただいたところでございまして、結果として本年度の受検者数は前期に実施しましたところ、1級32名、2級29名の計61名でありましたので、条件を十分クリアする数字だったというところでございます。
 また、61名というのは非常に多い、かなり増やしていただいたところでございますので、団体としても随分と頑張っていただいたと思っておりますので、気を緩めることのないよう、引き続き受検者数の増加について取り組んでいただく必要があると思いますが、団体とも引き続き連携しながら進めていければと思っています。
 最後に、次のスライドでございますが、職種や作業については統廃合のお話ばかりで、減らす方のお話をずっとしてきたところでございますが、一方で、冒頭の釜石からの挨拶でもありましたとおり、技能検定制度につきましては社会状況の変化に応じてアップデートが必要だろうと考えているところでございます。そういった背景を受けまして、現在、厚生労働省では技能検定集中強化プロジェクトというものを実施しております。これらの技能検定集中強化プロジェクトの中で上の四角の3番目の○ですが、産業活動の変化、高度化や労働市場上のニーズ、技能実習制度の見直し等に即応するために技能検定のアップデート、活用促進を図るということを進めているところでございます。このプロジェクトの中で検定職種や作業の新設についても検討しているところでございまして、一番下の四角の中に書いておりますが、現在、前年度以前からの継続案件も含めて8作業について作業追加の可否等について検討を進めているところでございます。また、3級新設といった若年者の受検促進に向けての取組についても併せて検討をしているところでございますので、作業については減らすという部分もありつつ、増やすという部分についても並行して検討して、技能検定というものを社会の流れに合わせて、しっかりとニーズを受けたものにできるよう、アップデートしていきたいと考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。
○北浦座長 ありがとうございました。
 それでは、ただ今の御説明につきまして、御質問なり御意見がありましたら、どうぞ御自由にお願いいたします。
○松留委員 今の最後の御説明の技能検定集中強化プロジェクトについて、この進め方とか体制とか、そういうのを教えていただければ。
○福井上席職業能力検定官 こちらは基本的には中央職業能力開発協会の方で進めていただいているところでございます。具体的にこの作業の追加につきましては、業界団体からの要望を受けて検討するということが非常に端緒にはなっているところでございます。そういった中で、業界団体からの要望を受けましたら、それについて、技能としてどういったものがあるのかというものをしっかりと詰めさせていただきながら、技能検定が可能かどうかを議論して、最終的に技能検定が可能そうであると中央協会から厚生労働省に報告があった場合は、実際に具体的な試験問題を作成し、実施をしてみて、できるかどうかというのを最終判断し、可能であれば作業を追加するといった流れを組むことになります。
○松留委員 ありがとうございます。わかりました。
○北浦座長 よろしいでしょうか。和田委員、どうぞ。
○和田委員 資料2-1のところであったかと思うのですけれども、非常に多い、今年度100%を超えるようなところが何職種かあったかと思うのですけれども、あれはやはり今回のオリンピックに関わるもので単年度的なものなのか、又は継続的なものなのか、お聞きしたいなと思ったのです。等級別実施状況のもう一つ上になりますかね。これは随時3級ですから、いわゆる外国人向けの技術研修だと思うのですけれども、極端な言い方をすると1000%、非常に増えているのですが、それは多分、五輪関係の仕事が増えているからかなと思ったのです。
○福井上席職業能力検定官 建設業につきましては、そういった側面が十分あり得ると思います。ただ一方で、昨年度、技能実習法というのが施行されまして、技能実習生については、それ以前からも若干増加傾向にあったところでございますが、技能実習法が制定されたことに基づきまして、今まで3年間だったものがさらに追加の2年間、技能実習の第3号というものが新設されたところでございます。そういったものも受けまして、3号もありますし、あと2号の技能実習生が随時3級を受検することが義務化された部分もございます。そういった流れもあって、受検生が増えているという側面があると思います。実習生の増加と制度化による受検の義務化という観点からも、これだけの増加があったのだと思います。
○和田委員 わかりましたけれども、今後そういう傾向があるのかどうか。特異的な現象なのか。
○福井上席職業能力検定官 技能実習生については、近年どんどん増加をしているところでございますので、随時級についてはまだしばらく増加が続くと思っています。最終的にどのくらいで頭打ちになるかというのは未知数な部分はございますが、少なくとも短期的には増加傾向が続くだろうと思います。
○和田委員 この検定の対象となるようなのは、いわゆる随時等級は対象外ですね。
○福井上席職業能力検定官 基本的には、はい。
○和田委員 そこら辺のことを今後、検討しなくてはいけないというのが、先ほどちょっとあったような気がしましたけれども。
○福井上席職業能力検定官 そうです。現時点では定期試験、日本人の需要が少ないのであれば、それは存在意義としてどうであろうかということを、いずれは御議論いただきたいというのが基本的なスタンスでございます。
○北浦座長 よろしいですか。今の点で、多分、今ごろ発表されているのだと思うけれども、新しい在留資格についての見込み数を業種別に出すという話になって、建設も出てくるのだと思うのです。そうすると、その数はかなりの数になってくると思うので、もし新在留資格ができると、技能実習の2号、3年間、終了した段階において、新在留資格の1号に移行するというルートができ上がってしまうのですね。そのルートはすごく、でき上がったとしたら業界としてはかなり魅力的なところがあるので、そうするとそこに入るためには技能実習の3級程度の技能がないと入れない理屈になる。最初は入口の試験から入ったって構わないのだけれども、技能実習から入っていって順番にやった方が業界としては安心感もありますよね。少しずつ技能を高めていくという職種であればなおのことだと思うのです。
 そうすると、随時級は非常に増える可能性もあるのかなという気がするし、そういう要素もあるのではないかと思うのです。ですから、外国人の技能実習をどう取り扱うかというのは大きい問題だと思いますから、今日この場ではないのですが、皆さん方からも御意見いただいて、少し御検討いただいたらよろしいかと思います。
 少なくとも、統廃合についてはカウントするかしないかということで議論にはなると思いますので、直接的な議論対象ではあると思います。
私が勝手に申し上げましたが、他の方、どうぞ御自由に。
○松本委員 関連して、昨年度の後期から検定料とかいろいろ見直しがあって、受けやすい環境になったと思うのですけれども、30年度もおそらく間もなく全体の数値が上がってくるころかと思うのですが、例えば昨年度で前年度比というのでいくと、28年度から比べるとプラス8.4%ですか。そこはもともと見込みとすると、まあまあいいところなのか、思ったほど安くして受けやすくなった割には少ないのか、どういう印象ですか。
○福井上席職業能力検定官 正直申しますと、もうちょっと増えてほしかったというところでございます。
 実際、見込みよりも若干少なかったということがありましたので、予算要求を今しておりますが、要求額を実績を踏まえて減額するという対応をしているところでございます。なので、個人的にはもっとどんどん活用してほしいとは思っているところでございます。3級は学生さんが受けるものだと思いますので、職業訓練校等に対する周知等は都道府県等を通じてやっていきたいと思っています。
○松本委員 ありがとうございます。
○北浦座長 どうぞ御自由に。
○和田委員 私、機械関係なのですけれども、先ほどの2-2で技能検定の候補対象作業の中に入っていたと思うのですが、超硬刃物研磨作業というところは非常に少ないのですけれども、この上の工作機械用切削工具研削作業とどう違うのか。要するに、今、超硬などというのは当たり前で、これをあえて分けてやる必要があるのかどうか。それから、超硬等は特に今、研磨するというか成型されたものを使うので、もちろんそれを仕上げとして研削はされていますけれども、あえてここで分ける必要があるのかなというのがちょっと気になったものですから、そこら辺の作業の違いをもし今後検討されるときには調べてほしいなと。
○福井上席職業能力検定官 わかりました。
○和田委員 今ここでどう違うのだということは言えないと思いますので。
○福井上席職業能力検定官 すみません。私もちょっと不勉強で詳しくはわからないのですが、ただ、これをなくすかどうかという判断になったときは、作業をしっかり残してほしいという意向を受けまして、条件を定めて、条件をクリアしたというところでございますので、業界としては、おそらくという言い方ですけれども、この作業が必要というか、重要だと考えているということだと思います。
○北浦座長 これに限らず他のところも同様な議論があるかなという感じがいたします。
 作業のところが出たので、先ほど衛生白衣製造のところで、関係業界団体が解散している可能性ありなどと書いてあるのですね。これは作業部分だけれども、布はく縫製、これはワイシャツですね。もう一つの作業はワイシャツ製造。
○福井上席職業能力検定官 そうです。
○北浦座長 ワイシャツが中心なので、そこは技能実習生がいっぱい入っているのですよ。伸びているところだから、関係業界団体がなくなったというのは、ワイシャツの業界と衛生白衣と業界団体が違うということなのですか。
○福井上席職業能力検定官 そうですね。つまり、27年にアプローチしたときの経緯を書かせていただいているのですが、当時、衛生白衣というのはこの業界団体だろうというところでやってきた実績があったので、そこにアプローチしたら、そこがなくなっていたので、さあ、どこに行ったらいいのだろうかという状況になって。
○北浦座長 だけれども、職種は残っているわけでしょう。
○福井上席職業能力検定官 職種は残っています。
○北浦座長 だから、関係団体が、ワイシャツ屋さんはあるわけですから。ワイシャツの団体はその状況を知らないのですか。同じ職種にありながら。
○福井上席職業能力検定官 そこがちょっと分かりにくいところでございまして、御指摘のとおりワイシャツの団体にもアプローチをしつつ、この作業は要るのかどうかということも、又は関係団体はどこかあるのか御紹介いただくようなこともお願いしながら進めていきたいと思います。
○北浦座長 業界団体がなくなってしまったら、もう推進力がないですよね。
○福井上席職業能力検定官 はい。おそらく問題も作れないのではないかと思いまして、そもそも実施ができなくなってしまうのではないかと。こう言ってはなんですが、上のスクリーンなせん作業などは平成7年から実施していないので、多分、今から問題をつくるのは、一からつくるのとほとんど同じになってしまう。過去の遺産が使えないので、こういったものは非常にハードルが高い部分があると思いますので、そういった部分も考慮しながら存続の是非等を検討していきたいと思います。
○北浦座長 結構見ておかなければいけないのは、業界団体自体が非常に厳しくなってきていて、単独で成り立たない。それがゆえに解散してしまうということがあるのですね。ただ、実態はどこかに残しておくということで、どこかに統合してもらうとか預ける場合もあるのだけれども、雲散霧消ということになってしまいますと関係の業者さんがいらっしゃっても団体としての機能が全くなくなってしまうということもある。全体が縮小しているような業界では、その傾向は最近結構強まっている。だから、その点、このようなところでフォローをきちんとしないといけないなと、感想までです。
○福井上席職業能力検定官 ありがとうございます。
○北浦座長 他にいかがでしょうか。どうぞ、この際、少し前広に御議論いただいても大丈夫だと思います。これは報告事項ですからね。先ほどの松井委員の御提案みたいな御議論で結構ですので、もし何かありましたら。
○松井委員 本当にここはちょっと垣根もありますからね。一番大事なのはやはり実態ですね。フレームワークとか枠組みとか制度が今こうだからではなくて、実態のニーズ。先ほど言った外国人のどういう職種で実施しているとか、そういう調査のデータもこういうところにも欲しいし、それでもってここがまた、これはやはり日本のクオリティーの信頼性を堅持するという意味もある大事なところですので、そういう意味では、ちょっと今までとはその辺の垣根も低くして、情報を少し共有したいというような気持ちは強いですね。
○福井上席職業能力検定官 わかりました。
○北浦座長 どうぞ。
○松本委員 先ほども出た新設というか集中強化プロジェクトに関連して、例えば大学の中のカリキュラムもそうなのですけれども、どんどんものづくりもいろいろなところで細かくアップデートされていて、おそらく、今用意されている職種、作業というカテゴリーになかなかはまりにくいというか、新しい概念。例えば、ロボットとかああいうものについても工場、現場でどうアレンジ、まとめていくかとか、あるいは加工についても付加製造というか3Dプリンターに関連する話とか、いろいろなところが今まである枠組みと違うところなので、多分そこをどう解決していくかというところがあると、潜在的には試験とかいろいろなところ、また、そこも層が厚くなっていく見込みもあるかと思いますので、何かそういうところもぜひよろしくお願いします。
○福井上席職業能力検定官 職種の追加というのはなかなか、ちょっといろいろハードルがありまして難しい部分ではございますが、作業の部分や内容を変えていく、選択科目がある中でその科目はほとんどやっていなくて、こういうものに移行しているのであればそれに変えていくということは当然やっていく必要があるだろうと思っています。
 ただ、こういった話は、やはり業界団体からの情報なりアプローチがあって初めて状況を我々は知ることが多くなるかと思うので、そういった部分ではアンテナを高く持っておこうとは思っているところでございます。そういった中で、技能検定のアップデートはしていきたいと思います。
○北浦座長 今の松本委員の御指摘は大変重要な点だと思うのです。ロボットがこれから出てきたときに、この作業はなくなってしまう。ロボットが作業をやる。職種も半分ぐらいはロボットがやっているということになったら、これは統廃合で出てこられたときにどう考えたらいいのだろうと。人間の方が減ったのではなくて、ロボットがその分、置き換えてしまったわけですね。そうすると、残った職種は本当にだんだん減っていくけれども、重要な部分を担うように人間がやっているわけですから、職種も変化していく。職種の内容も変化していく。作業内容もより高度なものに変わる。何かそういう技術変化によって職種だとかそういう仕事の内容と言った方がいいかもしれないが、その全体が変わってしまうということがあると思うのです。そこのところも意識していかないと、はっきり言って最後はなくなるだけという議論になってしまう。そのときに新しいものを積極的に評価するというのが、ここの中では全然出てこない。
○松井委員 それを一番感じているのは、その業界のその職種の試験を受けない人です。何で受けないの。実はこれはもうやってもあれだと、そういう意見が大事なのですね。一番受検者が減っているというのは、事件は現場にあるではないけれども、まさに彼らの意見が、これから何十年それで食っていこうという連中の意見が一番重要なのですね。
○福井上席職業能力検定官 わかりました。実際、陳情というかそういう場でも、この科目のこの作業は今あまりやっていませんよといった話を聞くことはありますので、そういった情報についてはしっかりと受けとめながらやっていきたいと思います。また、集中強化プロジェクトの中では、作業という枠組みも検討しているのですが、一方で受検細目や試験問題についても、130職種あって、作業数だとさらに非常に細かく分かれている中で、順次それらについてもあまり長く見直しをしていないものについては見直しをしていく必要があるだろうと思っているところでございますので、そちらに試験の科目というか、細かい部分についてもしっかり光を当てながら、必要なリバイスはしていきたいと思います。
 ただ、非常に職種、作業が多くて、ちょっと遅れてきてしまう部分が否めないなとは思っているところでございますので、そこはちょっと気をつけていければと思います。
○北浦座長 大きな議論を言ってしまうと、日本標準職業分類というのがあるでしょう。標準産業分類は統計審とかそちらの方の段階で絶えず見直しをやっていく。職業分類は旧労働省所管ということで、もともと職業紹介のために使うというところからスタートしているから、そのための分類という発想法で、それをいろいろなところに便宜的に使う。外国人の技能実習生を入れるときも結局それを使っているという議論になって、だけれども、職業分類自体が産業分類と同じで、かなり全体的に見直さないといけない状況にあると思うのだけれども、今、そういう議論をしている場所はないのですよね。
○福井上席職業能力検定官 そうですね。
○北浦座長 だから、職業分類自体を変える時代に来ているのだというのが大もとに本当はあるのだと思います。職業そのものが変わったのだと。そのことを前提にしないとこういう議論はマイナスの議論しか絶対出てこない。むしろプラスにつくってあげて、先ほどの議論で、刃物が違うとどう違うのかわからないけれども、ともかくそういうものを全部飲み込めるのが新しい多能工であり、技能者であるというふうな分類にしていかないと、どんどんと縮小だけになる。そこのところはうまく、ここの議論ではないのかもしれませんけれども、考えていかないといけないなという感じがしたのです。
 この際ですから、どうぞ、八木澤委員、どうですか。
○八木澤委員 大きな話になると、技能五輪のあり方にも関係してしまうのですけれども、日本の国内大会は非常にマニュアルな、例えば旋盤にしてもフライス盤にしてもマニュアルで、国際大会に行くとコンピューターでプログラミングして打ち込んで競技をやりますね。世界的にはどんどんAIとかそちらの方向に行っているのに、国内の職種というか競技も含めて、前時代的と言っては悪いのだけれども、そういうことになっているのですね。これはどうしてなのでしょうかね。
○釜石主任職業能力検定官 そちらの方なのですけれども、私は3月まで中央職業能力開発協会に出向していまして、それも担当していたのですが、平成27年度の10月に国際大会と全国大会の乖離が激しい旋盤とフライス盤の職種について、どうしたらいいでしょうかというのを全国大会出場の企業にアンケート調査をとったのです。そうしたら一番多かったのが、全国大会はマニュアルのままで2年前にやって、そこで選手を絞り込んで、1年前に国際大会で使う機械を使った選考会を開いて選手を決めて国際大会をやろうと。2段階選抜というのが一番多かったのです。
新しくCNCの職種を全国大会でつくることについてはどうかと聞いたら、そちらには選手を出しませんと。やはりマニュアルで極めないと、CNCの方に行ってからいいものができないというので、企業の方は、CNC要員とマニュアル要員の2本立てでつくる余裕はないということです。2段階選抜にしてほしいというのが一番多かったので、そのような形にして、昨年の栃木での全国大会で5人にそれぞれ絞り込んで、その5人による決選大会を今年の8月にCNC機を使ってやった。今、選手が決まったところです。
 企業の方に聞くと、やはり最高品質のものをつくるには五輪の選手でないと任せられないとか、たとえCNCを使ってやるにしても、マニュアルで極めた人間を投入してやるのだと言います。そうでないと日本としての差異が出せないのだということを聞いています。全国大会と国際大会の課題が違うというのは非常に大きな課題でして、まだ進行途中というか、なかなか進まないのですけれども、私としては、検定の方から見直すということも含めて、抜本的に変えたいなとは思っております。
○八木澤委員 そうですよね。中国なんていきなり参戦してきてメダルをどっさりとってしまっているわけでしょう。彼らは多分、マニュアルでやっていないのだよね。はなから国際向けにやっていると思うのです。
○和田委員 私も精密機器というのにずっとかかわっていましたけれども、国際大会で勝てる選手を実際に養成するというのはなかなか難しい。日本の企業の話を聞くと、加工系ですけれども、やはり企業が求める人材というのは、どちらかというとマニュアルをちゃんと掌握できるような人材が欲しい。だから、あくまでも五輪の世界大会で勝つための選手を全国大会に出しているのではないということが非常に多かったですね。ですから、国際大会で勝つために選手を育成するのだったら、今おっしゃったような前倒しでやって、韓国とかと同様に18歳、19歳ぐらいの選手である程度選抜しておいて、それを国際向けに教育するということをやらなくてはいけない。
 企業によっては、今おっしゃったように、そういうやり方をすると国際向けの選手を育成するための経費がかかるから、キャノンさんなどはそういうものには参加させたくないと。あえて国際大会のためだけに育成するような基金は今そんな余裕はないという話もありましたね。
○八木澤委員 企業側からしたらそうなのでしょうね。スポーツの世界もそうなのだけれども、国が味の素の強化センターをつくったように、メダルを取りにいくのだったら国が支援しないとどうしようもない。話が脱線してすみません。
○釜石主任職業能力検定官 味の素のセンターも視察には行きましたけれども、なかなか箱物をつくるのは難しい時代ですので。
○松留委員 今のお話は建築の業界でも一緒で、例えば、建築大工の技能にしても、国際大会と国内大会のやり方自体がそもそも違うので、建築大工も最後はその指導者、あるいはその企業、小さいのですけれども、そういう人がそういう気持ちを持ってそれなりに指導して頑張れるかどうかというところにかかっていたりして、見ていると負担が重いですね。それで頑張ったところはいい成績を出せるのですけれども、方法論とかやり方自体が違ってくるのですね。そういうところがあったりして、多分他の業種でも、今、お話を聞いて思いましたけれども、やはり建築だけではなくて他のところも同じ問題を抱えているのだなとわかりました。これはひょっとすると他の業種もそうかもしれませんね。
○松井委員 広くものづくりに当てはまるのかもしれないのですけれども、技能は、例えば将棋とかチェスだと、今、機械の方が強くなっているではないですか。100メートルを人間が走って、人間と戦ってというのは、これは金を出せば出すほど強くなるのですよ、その個人は。だけれども、あるものをつくるときに、コンピューターが正確に計算して、正確に機械が切ってやってつくったものの方が、人間がやるよりもいいものができるという時代になってきたときに、技能を競うというときに、オリンピックといわゆる人間の技能という投資と、ものづくりに対する投資というのは違うのですよ。そういう中で、おそらく技能五輪というのは時代がこういうふうに変わってくる中で、昔はカンナで細くきれいにとかいろいろやって、今は機械の方が正確にできますから、そういう時代。ちょっと余計な話でしたけれども、だから、よくそこは分析しなければいけないですね。そういう中で我々の技能検定というのがどういうポジションにあるのかということですね。
○北浦座長 だんだん話が大きくなってきましたけれども、大事な議論を今日はいただいたと思います。たまたま統廃合の案件がなかったので少し前広に議論できたと思いますので、ぜひまた中で御検討いただいて、適宜参考にしていただければと思います。
 それでは、時間の方もだんだん参っておりますので、3番目のその他の議題というのは何かありますか。
○福井上席職業能力検定官 今後のスケジュール等でございますけれども、本日の議事録につきましては、速記もおりますが、まとめた上で12月中旬をめどにホームページに公表したいと思います。その前段階で議事録案ができ上がり次第、先生方にはメールで確認依頼をさせていただくことになろうかと思います。お手数ですが、その確認作業をよろしくお願いいたします。
 また、陶磁器職種等過去に審議し、経過を見ている職種につきましては、必要に応じて来年度、御議論等をさせていただければと思っているところでございます。以上でございます。
○北浦座長 ただいま御説明がありましたが、何かよろしゅうございますか。
 それでは、一応、そういうことで議事録を作成していただきますけれども、また皆さん方に見ていただいた上でということですね。
 それから、陶磁器等につきましては、来年の状況がわかり次第ということで、またよろしくお願いします。
 先ほどの数字が何とかという調べられたものはあるのですか。
○事務局 酒造につきましては、都道府県よりデータをまだいただいていない状態ですので、手元にはまだ資料がない状態です。
○福井上席職業能力検定官 まとまり次第、議事録案をお渡しするときに併せてデータを提供します。
○北浦座長 そうですね。個別に委員に参考までに通知をいただければということで、よろしくお願いいたします。
 それで議事は全て終了したということになりますが、この際、何か御発言がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 それでは、事務局の方で最後に何かありましたら、よろしくお願いいたします。
○事務局 北浦先生、ありがとうございました。
 最後に、2023年技能五輪国際大会準備室長併主任職業能力検定官の釜石よりお礼の挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。
○釜石主任職業能力検定官 皆様、本日は熱心な御議論を大変ありがとうございました。
 統廃合の職種がないということで、先ほど北浦座長からもお話がありましたように幅広い議論ができましたこと、大変感謝しております。技能検定のあり方も含めて、事務局の方でまたいろいろと検討して、来年度、この場でまた御議論いただけるようにできればと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
○事務局 以上で本日の検討会を終わりにさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。