2018年11月8日 平成30年度第8回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

○日時 平成30年11月8日(木)10:00~12:00
○場所 厚生労働省講堂(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○議題
1.迅速なアクセス・安全対策の充実等
2.適切な製造・流通・販売の確保の仕組み
3.薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方
4.その他

議事

○鳥井総務課長 それでは、傍聴の皆様にお知らせいたします。
傍聴に当たりましては、既に御案内しております注意事項をお守りくださるよう、お願いいたします。
定刻になりましたので、ただいまから平成30年度第8回「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、御礼を申し上げます。
21名中18名の御出席をいただいております。伊藤委員、北澤委員、本田委員から御欠席の連絡をいただいております。
また、本日は、参考人として、一般社団法人日本病院薬剤師会専務理事、桒原健参考人に御出席いただいております。
続きまして、本日の配付資料の確認をいたします。
資料につきましては、ペーパーレス化を実施しております。タブレット端末の使用方法については、お手元のペーパーレス審議会タブレット操作説明書をごらんいただき、御不明な点等がございましたら、職員に随時お声かけください。タブレットには、今年度実施した制度部会資料や参考法令も格納しておりますので、必要に応じ、御参照いただければと思います。
本日の資料ですが、資料1、2、3、と参考資料1、2の5種類を配付いたしております。
不足等がございましたら、お申し出ください。
なお、委員の皆様には紙資料も机上配付しております。お好きなほうでごらんいただければと思います。
それでは、間もなく議事に入りますので、冒頭のカメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○鳥井総務課長 それでは、以後の進行は森田部会長にお願いいたします。
○森田部会長 皆さん、おはようございます。
それでは、議題に入りたいと思いますけれども、本日も何人か12時ぐらいまでで退席を希望されていらっしゃる方もいらっしゃいますので、前回同様、迅速な審議に御協力いただきたいと思います。
それでは、議題1及び2に入りたいと思います。
事務局から、資料1について御説明をお願いいたします。
○関野医薬安全対策課長 それでは、まず、資料1を御用意ください。
タブレットでいいますと、資料全体が示されておりますマイプライベートファイルのところの資料1を押していただくと、画面が出てまいります。先生方におかれましては、お手元に紙でも配付してございますので、そちらもごらんいただければと思います。資料1の1ページ目にタイトルが書いてございまして、そのうち1つ目の「添付文書情報の提供方法」について、私から説明させていただきます。
2ページ、現状と課題及び主な意見を示してございますけれども、ここは以前よりお示ししているところでございますので、簡単に申し上げます。現状と課題という部分に関しまして、現在の制度では添付文書につきまして同梱を必要としているということでございまして、2つ目の○にございますとおり、その関係がございまして、改訂されるたびに同梱されている添付文書がむしろ最新のものではなくなっているといった問題、同じ添付文書が医薬品あるいは医療機器が納品されるたびに一施設に多数存在するといった問題が指摘されているところでございます。
3ページ、今、申し上げましたような課題を踏まえまして、検討の方向性を示させていただいております。3つほど○でくくっておりますけれども、まず、1つ目の○につきましては、適正使用に資する最新の情報を速やかに提供するといった観点で申し上げますと、電子的な方法により提供することを基本とすることとしてはいかがでしょうかということで書いてございます。2つ目の○にございますが、同梱という現在の仕組みを廃止いたしまして、それにかわる確実な情報提供といたしまして、2行目にございますが、紙媒体の提供を行うとともに、製販業者におかれましては、添付文書情報をアクセス可能なQRコード等を示すことによりまして、入手しやすい環境づくりの整備をしてまいるといったことをあわせて考えるということでございます。3つ目につきましては、当然のことながら制度が変わりますので、混乱等がないよう、混乱によりまして適正使用が損なわれないよう、十分な経過措置も必要と考えているところでございます。一方、その下にございます留意事項をごらんいただきますと、今、申し上げました基本的な検討の方向性に関しましては、主に医療用の医薬品、医療機器といったものを念頭に置いておりまして、留意事項の1つ目の○にございますとおり、いわゆる消費者の方が直接購入して使われるような医薬品、市販薬のようなものに関しましては、使用時に添付文書情報が身近なところにあったほうがいいということを考えますと、現行のまま同梱という形をとらせていただいてはどうかと考えているところでございます。また、2つ目の○にありますとおり、医療機器に関しまして、基本、医療用医薬品と同じように、同梱を廃止して、現行の添付文書の仕組みを変えまして、電子的方法を基本としつつ、紙媒体あるいは電子的な方法によりまして、情報を入手しやすいような、アクセス可能なコード等もつけるといったことで、医薬品と同じような対応を考えているところでございます。医療機器の場合は、また少し特性がありまして、取扱説明書等、現在も活用されてございますので、そういった媒体も利活用することによりまして確実に情報が入手できるような状態を確保していくといったことを考えております。今、申し上げたものが大きな方向性でございます。
4ページ、示してございますものはそれを図示した形でございますので、内容はかなり重複いたします。簡単に申し上げますと、医薬品を例にしてございますけれども、1つ目の○にございますとおり、具体的には製造販売業者あるいは卸売販売業者の方が、医療機関・薬局に赴く際に、原則紙媒体を提供するといったこと。あわせて、電子的な入手という方法につきましても、その方法を伝達するといったこともあわせて行うということが一つのイメージでございます。その下に関しまして、改訂後の情報も速やかに確実に提供するといったことを担保していくといった中で、今回の方向性を示させていただいております。
添付文書のテーマに関しましては、説明は以上でございます。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 続きまして、5ページからでございます。
「許可等業者・役員の責務の明確化、ガバナンスの強化」というところをごらんいただきたいと思います。本件に関しましては、6月7日、第3回のこの本制度部会におきまして、現状認識、課題などについて御意見を伺ったところでございますけれども、その御意見を整理いたしまして、今回、まとめさせていただいてございます。
5ページ、現状と課題のところをごらんいただきます。前回のおさらいになりますけれども、実際にこれまでの、まず、製造販売業者、製造業者の方々に関しまして、薬機法違反が幾つか、前回の開催以降、いろいろな大きな問題はございましたけれども、法令遵守上の問題点の把握の問題、また、許可業者としての適切な対応を行っていないことが原因ではないかというものがいろいろ出てきているわけでございます。その関係におきまして、2番目の○でございますが、製造販売事業者の場合には総括製造販売責任者、また、製造業者の場合は製造管理者でございますが、いわゆるこういった技術責任者の方と経営者の方々でそれぞれがどういう責務を負って、いろいろなこと、ガバナンスを発揮するために双方の関係はどうなっているのかということが明確でない部分があるのではないかと思ってございます。そのため、例えば、技術責任者の意見申述が適切に行われないとか、また、経営者の方々が技術責任者任せになっているのではないかといった実態を招くおそれがあるということで、法令遵守のための改善サイクルが機能しにくいのではないかということがございます。あと、総括製造販売責任者の要件に関しまして、医薬品の場合におきましては薬剤師要件が課されているわけでございますけれども、現在の中で、議論もございましたけれども、総括製造販売責任者としての責務を十分に果たすことができない事態となるおそれがある場合もあるのではないかということを記載させていただいてございます。また、製造販売業者の業務や製造業者の業務は薬機法遵守ということでございますが、そのための法令遵守や社内体制の整備に誰が責任を有しているのかということについても不明確な部分があるのではないかということでございます。
6ページ、主な意見、これまでの部会の意見ですので、ごらんいただければと思います。
7ページ、検討の方向性として、先ほど申し上げた現状と課題を改善するために、技術責任者と経営陣の認識に乖離がある状況を解消いたしまして、必要な改善措置がきちんと回るような仕組みを強化していきたいということで、技術責任者としては、必要な意見を、事業者、経営者の方に意見を述べるということ、また、許可業者、これは実際には経営者の方々ということでございますが、技術責任者の意見を尊重して必要な措置を講ずるといった責務をはっきりさせていくこととしてはどうか。また、その経営者の方々が負うべき責務というものを、今のところは明確にはなっていないわけでございますけれども、法律上も明確に規定してはどうかということで、法令遵守、技術責任者の選任、法令遵守のための体制整備と、これまで法人のガバナンスで一般的に議論されていたことでございますけれども、そういったことを薬機法に明記してはどうかということでございます。それから、総括製造販売責任者に関しまして、その責務を果たす上でやむを得ない場合に、薬剤師以外の者を選任することができるような例外規定も考えるべきではないのかと。ただ、その場合であっても、当然ながら総責としての責務は何ら変わるものではないということは言うまでもないことでございます。
8ページ、検討の方向性の2でございますけれども、こういったことを踏まえて、その上で、許可業者としての義務の遵守に向けて行動する責任主体が、当然ながら事業者の場合には経営陣にあるわけでございますけれども、これを薬機法上明確にするということで、そのための担保措置といたしまして、責任役員の明確化、また、もしここに書いてございますような法令違反がありまして、特に薬事に関する業務に責任を有する役員の変更を命じることが必要である、必要性が非常に高い、特に必要な場合というケースにつきましては、変更命令もできるような規定を置いてはどうかということでございます。一方、事後のこういった強化をすることで、事前に出していただきます許可申請書類の簡素化については、可能な限り軽減することを考えるべきではないかということを入れさせていただいております。
9ページ、そういった製造販売業者のことでございますが、まさしく技術責任者と経営陣の改善サイクルを絵にさせていただいたものでございます。
10ページ、製造業者の場合について、ごらんいただければと思います。
11ページ、今のものは製造販売業者、製造業者のものでございますが、薬局に関しましてもこの御議論がありました。9月28日の制度部会の資料の最後に、薬局の組織ガバナンスの確保と、特に同一法人で複数の薬局、複数でもかなり多数の薬局を開設している事例も当然ございますので、そういった場合に法人として関係者が責務を果たすための措置はどう考えていくのかということでございました。
12ページ、これに関しましても、先ほど申し上げた、実際に開設者が薬局の法令遵守上の問題点を把握していないとか、また、適切な対応を行っていないということに起因すると思われる法令違反事案が散見されるということでございまして、また、開設者としてのガバナンスの仕組みに関しましては、ガバナンス、しかもそれは法人として複数の薬局を開設している場合でも、開設者としての全体の管理は改善する必要はある場合があるということでもございますし、また、複数の自治体にまたがっている場合に関しまして、開設許可自体は各自治体でございますので、そういったまたがっている場合に、ただ同一法人であるという場合に、どのような対応をしていくのか。これは、なかなか実際の改善が難しい事例、困難になるおそれもあるということでございます。そういった場合に関しましては、最後に書いてございますが、同一開設者全体に対する指導の対応をより円滑にするような方策を考える必要があるのではないかということで、現状と課題を挙げさせていただいています。
13ページ、ここは主な意見をごらんいただきます。
14ページ、それを先ほど申し上げたように絵にさせていただいています。
15ページ、検討の方向性でございますが、先ほど製造販売業者、製造業者のガバナンスの仕組みについて御提案申し上げましたけれども、これに関しましては、薬局におきましても同じことが言える部分があるのではないかということで、法令遵守のための体制整備義務等を法律上に規定してはどうかと。また、先ほど申し上げた、同一の開設者で複数の自治体にまたがる薬局を有しているような場合について、その自治体をまたがった間での対応に関しまして、国、許可の自治体は相互に密接な連携を行うために、どういう方策を考えていくのか。これについて、私どももいろいろ議論を進めてございますが、そういったものを考えていくべきではないかということを、検討の方向性として挙げさせていただいております。
16ページ、その辺の薬局の関係をポンチ絵で挙げさせていただいております。
私の説明は以上でございます。
○森田部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明を受けまして、御議論をいただきたいと思います。
まず、添付文書情報の提供方法についてはいかがでございましょうか。御意見、御質問等があれば、御発言をお願いいたします。
まず、山口委員。
○山口委員 添付文書情報のことですけれども、以前にも意見を申し上げましたが、全ての医薬品の中に紙媒体が入っているということは資源の面でも問題になってくると思いますので、今回提案のあるような内容でできるだけペーパーレス化を進めていただくことが、早急に必要なことではないかと思っていますので、事務局の提案に賛成したいと思います。
○森田部会長 乾委員、お願いします。
○乾委員 医薬品を取り扱う我々にとりましては、医薬品の適正使用は、最新の情報はなくてはならないものでありますし、また、その最新の情報は常に医薬品と連動することが必要だということで、今回、事務局から提案のありました電子化については、推進すべきものであると考えております。
一方で、万一、災害とかブラックアウトとかに遭ったような場合に、そういうときについても添付文書を確実にということを確保しなければならないということで、今回、そういう形で、最初に渡すときと情報が新たに変わったときということで、紙媒体で、必要があれば渡す、申し出があればと理解しておりますけれども、それは非常によいことだと思います。
ぜひ確実に必要な情報が提供できるように、しっかりと実行できるようなものにしていただきたいと思います。
それと、1点確認させていただきたいことが、添付文書が、現在の添付文書は、様式や情報内容の順序とか、紙であれば文字の色などを含めて全てに意味があります。情報の電子化というくくりになっておりますけれども、その意味をしっかりと様式を含めて電子化するということが大事であると考えておりますし、その電子化というものについて、単に情報の羅列ではなくて、例えば、添付文書をPDF形式とか、変換するイメージということで理解しておるわけですけれども、それで間違っていないのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 事務局、お願いいたします。
○関野医薬安全対策課長 今、乾委員から2つの御意見をいただきました。
まず、1つ目から申し上げますと、今回、見直しを行う形での提案をさせていただいている背景にございますのは、同梱されていることに伴いますさまざまな課題を解決し、さらに改訂されたときの情報をより迅速に伝えるという意味合いも含めての方向性でございますが、そういう観点で申し上げますと、当然のことながら、医薬品を使うに当たっては、添付文書に書かれてあります情報は非常に適正使用のためには必要なものということでございますので、今回の見直しに当たりまして、その趣旨が損なわれることがあってはいけないと考えておりますので、紙という方法と電子の方法の両方を併用するという形で、確実に情報が手元に入手できる状態をつくるといったことは、これからまた具体的にその方向性で考えております。
2つ目の点につきましては、現在、PMDAのホームページにも載っている形もございますけれども、添付文書に書かれてあります情報が、具体的に検索といいましょうか、そういう形でやれる場合も想定はしておりますけれども、一方で、今、先生がおっしゃられましたように、今の様式が、情報の中身の重要性、配列に関しましても意味があるといった中で様式ができ上がっておりますので、先生方もそれになれている部分もございますので、基本は今の様式、形態を維持した形での電子的な方法、そして、紙による提供の併用、そういった中で現状の様式は維持していく方向で今のところ考えているところでございますので、その点については、現時点で同じ考えであることを申し上げておきたいと思います。
○乾委員 ありがとうございます。了解いたしました。
○森田部会長 一條委員、どうぞ。
○一條委員 適正使用の観点から見ますと、添付文書の情報提供は非常に重要なことだと認識しております。
資料の3ページの検討の方向性の真ん中の○、「また」からのところで、「製造販売業者又は卸売販売業者による紙媒体の提供を行うとともに」と書いてあります。これは、製造業者と卸売販売業者が横並びといいますか、並列に出ている。しかし、あくまでも添付文書に関する責任は製造販売業者に帰結すると思っております。したがって、今回の法改正により新たに卸売販売業者に何か法的な責任を負うというようなことが、そういう前提がないようなところで、条文の書き方とか、そういうところに十分に留意をお願いしたいと思っているところです。
○森田部会長 この点について、事務局からはよろしいですか。
中川委員、どうぞ。
○中川委員 今の意見にも関連するのですけれども、紙媒体の添付文書はなくならない。医療機関に医薬品を納品するのは卸売業者ですよね。ですから、紙の添付文書も同時に医療機関に納入する。それは卸売業者ですよね。メーカーが紙媒体を納入するわけではないから、責任はどこにあるかという問題が出てきます。今の意見とも関連してお答えください。
○関野医薬安全対策課長 まず、申し上げておきますのは、現行制度におきまして、承認を得た医薬品に関しまして、情報提供を含めて市場に対する責任は製造販売業者にかかっていることを申し上げておきます。その一環で、法律上も適正使用に必要な情報に関しましては、製造販売業者が医薬関係者に対して提供する義務がかかっているという流れになってございます。
一方で、現状、製品を医療機関あるいは薬局に納品する、納入するといった役割を担っている方々が卸売販売業者さんということで理解しておりますので、当然のことながら、制度の運用の面を含めまして、実際に情報を届ける方が、制度上の役割としては製販業者だとしても、実行上は卸の方にかなりやっていただく部分もあろうかと思っておりまして、そのあたりは、製造販売業者と卸売販売業者の間で、従来もさまざまな形で協力し合っていると思っておりますので、いずれにしても、あらゆる方法を使って、従来、同梱と同レベルで確実に情報が行き渡るような形を、これから具体的にも考えていきたいと思っております。
○森田部会長 この件はよろしいでしょうか。
今の件ですか。
○中川委員 同梱されなくなったことを、卸売販売業者が忘れてしまったと。あり得ますよね。紙媒体も一緒に医療機関に納入するときに、持っていくことを失念したという可能性も十分にありますよね。そういうものを想定していませんか。
○関野医薬安全対策課長 我々としては、あらかじめの指導の徹底を含めて、きちんとそういうことがないような制度設計にしていきたいと考えております。
○中川委員 何を言いたいかというと、紙の添付文書を医薬品と同時に納入する責任は卸にあるのではないですかということを言いたいのです。
○関野医薬安全対策課長 そこは、制度上に関しましては医薬品に関する情報提供の義務が製造販売業者にかかっていることは、もう一度申し上げておきたいと思いますけれども、それに対してどのような方法が一番確実に医薬関係者に情報が届くかといったところに関しましては、製造販売業者の場合もあれば、卸売販売業者の場合もあるということで、そこは両者が協力して確実に届く方法を、実行上、考えていくということは、きちんと制度設計の中で取り組んでまいりたいと思います。
○中川委員 協力し合って確実に届く方法を考えると、それは当たり前でしょう。当たり前だけれども、法的に責任を明確にしないと確実にいかないのですよ。そういうものを想定しなければだめですよ。ある卸は必ず紙を持っていくのだということを徹底した、ある卸はそうでもなかったとか、温度差も出てくるわけだから、きちんと明確に規定しなければだめだと思いますよ。どうですか。
○関野医薬安全対策課長 繰り返しになりますが、医薬品に関します情報提供の義務は製販業者にかかっておりますので、製造販売業者と卸売販売業者の関係で、きちんと卸売販売業者が実行できるように、医薬品に関して責任を持つ製造販売業者に対して、それをきちんと徹底させるような形での仕掛けということは一つ考えられると思いますので、そのあたりを含めて、今の御意見を踏まえた形に制度がなるように考えていきたいと思います。
○森田部会長 最初のあれですけれども、一條委員の御指摘になったのは、今の議論とかみ合っていますか。そういうことですか。
私自身の理解だと、コンテンツに対して責任を負うかという話と、提供に対して責任を負うかということは別の話かと思っていまして、最初に御指摘になったのは、コンテンツについてこの文言だけだと責任を負うようにも読めないことはないので、そういう趣旨ではないことを確認したいという御趣旨の御発言だったと思います。
したがいまして、紙自体を提供するかどうかということはまた別の責任の話で、ある意味では当然のことかと私は理解したのですけれども。
○中川委員 いろいろ考えると言うからそれでいいのですけれども、添付文書が更新されたとき、これが問題なのです。プッシュ型の情報発信を医療機関とか薬局にするべきだと言いましたけれども、QRコードをつけただけでプッシュ型と言えますか。いつ更新されたかわかりませんね。更新されたかどうかが、医療機関、購入側がわかって、そして、メーカーのホームページを見るとか何とかというインセンティブが働くきっかけをつくらなければいけない。プッシュ型の情報発信はどういうふうに考えていますか。
○関野医薬安全対策課長 今、中川委員が御指摘のように、資料にも書いてございますQRコードに関しましては、決して改訂情報に関しましてここにアクセスをしていただくことによって入手していただきたいということではございません。あくまで補足的な、付加的なものとして、入手しやすい形を、できるだけそういった環境整備をするという一つの方法でございまして、むしろ改訂された場合には、最新情報を、現在も行っていると考えておりますが、製販業者がつくるDSUとか、あとはPMDAのメディナビ、そういったさまざまな手段を通じて、まさに改訂されたということが医薬関係者に伝わるような形は、これからもとっていきたいと思います。QRコードの話とは別の形として考えてございます。
○中川委員 だから、改訂されたときにどういう行動をするかですよ。製造販売業者も卸売販売業者も、その使う医療機関がわからなければだめなのです。以前のままに使っていて、その日の午前中に処方して、急にその日の午後に改訂されて、それに気がつかないで夕方にまた前と同じように添付文書に基づいて薬を処方したなどということも十分あるわけですから、そのことを言っているのですよ。だから、添付文書が更新されたときには、紙媒体で直ちに卸が持っていくとか、そういうことも想定して、きちんと明確にしてくださいよ。
○関野医薬安全対策課長 わかりました。
○森田部会長 そういうことで、加茂谷委員、お願いします。
○加茂谷委員 今の御議論の中で、メーカーの立場でコメントをさせていただきます。
言うまでもなく、その添付文書情報のコンテンツについてはメーカーの責任であるという点については、我々も認識し、最新の情報が添付文書に反映されるような形で適宜行っていくというところでございます。また、その配付につきましては、今まさに中川先生からも御意見がありましたように、最新の情報をどのような形で速やかに、そして、確実に医療現場に提供するか、その実効性確保という点につきましては、我々メーカーももちろんでございますけれども、卸売業者の皆様方とも適時的確な対応で情報提供ができる方策については、今後、速やかに検討していきたいと思っていることをコメントさせていただきます。
○森田部会長 ありがとうございます。
続いて、どうぞ。
○久芳委員 久芳でございます。
この検討の方向性で示していただきましたように、電子的な方法により提供することを基本とするという考え方について、医療機器産業界としても賛同するところでございます。
1つだけコメントをさせていただきたいのは、例えば、設置管理医療機器とか、あるいはプログラム医療機器のように、医薬品とは極めて特性の違う、そういった医療機器がございます。ここにもありますように、取扱説明書も活用するといったことも示していただいておりますので、そういったところの運用についてぜひ医療機器の多様性にも配慮していただきたいと思っておりますので、我々としても運用面でいろいろ意見をお伝えする場面があればありがたいなと思っております。
そのときには、実際、電子化されたときに、データベースに登録するというところが当然出てきますので、そういったところを含めて議論させていただければありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 今、この検討の方向性はおおむねこれでよろしいかと思うのですが、前回の薬機法の改正のときに、添付文書は最新の科学的知見に基づくものと定められ、私が見る範囲なのですけれども、新しい医薬品については、先ほど専門家の方々は今の書式に結構なれていらっしゃるとおっしゃっていましたけれども、大体私どもが見てもこの辺にこういうものが書いてあるなということはあるのですが、古いものに関しては前の散文的な記述がまだ残っており、その辺について、書式については、電子化に基づいて、なれているからこれでいいのだという、いわゆる今の紙ベースも一回検討していただいて、本当にそうなのかと。
特に一番気になるのは、副作用情報の重みづけなのですね。一番重いものは左上の赤枠に書いてあって、これは絶対なのだけれども、その他の頻度等でどこを見なければいけないかとチョイスをするときに、古い医薬品ほどよくわからない。極論をすれば、頭痛とか吐き気といったことは全部の医薬品に書いてあるわけで、そうすると、それは本当に頻度が高いものとか、その医薬品に固有の嘔吐感がある場合と区別がつかなかったりする医薬品がまだあり、それが本当に機能的な文書として今の書式が機能的なのかというと、必ずしもそうではないのではないかと。だから、専門家の先生方にそれを聞いていただいて、その添付文書を機能的な文書として扱えるようにするチャンスでもあるので、そこを御検討いただきたいと思います。
また、最新の科学的知見というところが法文上は書かれたわけですけれども、そこを担保するためには、それを担当する実務者たちのボリュームが重要になってきますし、メーカー、製販業者の方々とやりとりをして、最終的には製販業者がこういう記述でということになるわけだから、そこについては強化していただいて、今回、さらにこれを機に最新の科学的知見に基づいた添付文書が流通するようにしていただきたい。
それから、先ほどから議論になっている時間差の話ですね。これはどこまでいっても難しい、埋まらないところはあるとは思いますが、恐らくはこのスピードが重要になってきているので、極論をすれば、中川先生は午前・午後とおっしゃいましたけれども、訴訟案件とかになってきたときに、結局、現場の先生方がこの添付文書の古いものを見ていたから間違ったことをやったということになれば、責任の所在は重要になってきますので、DSUとかがあって通常は電子的なプッシュによって把握できるとも思うのですが、そこはいろいろな現状がありますので、特にやっていただきたいということ。
それから、直感的に使えるというところは、例えば、緊急時とか災害時があるでしょうから、そういったことも含めて時間差の問題とか、現場での行き渡りの話は検討いただけたらと思います。
以上でございます。
○森田部会長 ありがとうございます。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 さきほどの中川委員の御指摘の部分について事務局に確認したいのですけれども、4ページのポンチ絵を見ますと、改訂時は紙媒体の提供等を通じて改訂後の情報を提供すると具体的に書いてあるのですけれども、これは改訂したときには紙媒体を含めてきちんと連絡をとることを前提に、今回、定められていると受けとめていたのですが、さっき検討するというお話だったので、これは前提ではないのですか。
○関野医薬安全対策課長 今、ごらんいただいています4ページの書きぶり、今、山口委員の御理解のとおりに我々は考えてございます。
先ほど私の言い方がよくなかったのかもしれませんが、先ほど検討すると申し上げましたのは、卸売販売業者の方に提供するところに対して義務がかかるのか、あるいは製販業者のほうにかかるのか、そのあたりの議論だったと思いますので、そのあたりは検討すると申し上げましたが、ここの部分につきましては、この4ページの記載のとおりの御理解で、我々も同じでございます。
○森田部会長 よろしいですか。
この件、ほかにいかがでしょうか。
特になければ、いろいろ御意見が出ましたので、それを考慮した上で実際の立法化のときには対応していただきたいと思いますが、おおむねこうしたことで御異論はないと思いますので、次に移りたいと思います。よろしゅうございますね。
次に、許可等業者・役員の責務の明確化、製造販売業者、製造業者のガバナンスについては、いかがでしょうか。御意見、御質問があれば御発言をお願いいたします。
乾委員、どうぞ。
○乾委員 いわゆる総責について、総責というのは、化学、製剤、薬理、関連法規、調剤や服薬指導を学んだ薬剤師の知識やスキルは、研究開発時から市販後まで、医薬品の適正使用の観点から極めて重要だと考えており、市場に出荷した製品の安全性等、全ての責任を持つ医薬品メーカーにおいて、医薬品製造販売業の実質的な最終意思決定者として、医薬品の品質や安全性の総括的な責任を担うものが総責と考えておりますけれども、そのために必要な専門知識を有するのは薬剤師であるということで、今回示されている検討の方向性において、薬剤師を原則と書かれているということは理解いただいているものと解釈しております。
その上で、やむを得ない場合に例外規定を設けてはどうかという論点について、どのようなケースを想定されているのかということについてお聞きしたいと思います。薬剤師要件が原則であると明示しておくことは、例外規定を設けても必要だと思いますし、例外規定を拡大解釈してなし崩し的に運用されることがないように、実質的に薬剤師要件を廃止することにつながらないように、厳格な運用が必要と考えております。仮に企業がやむを得ず薬剤師以外を配置する場合は、人材育成をするための期限つきの特例であるべきと考えますけれども、このやむを得ない場合について想定等がありましたら、教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○森田部会長 お願いします。
○関野医薬安全対策課長 今、いただきました御意見に対しまして、総括製造販売責任者の現行制度における位置づけも含めて申し上げたいと思います。
お手元の資料でいいますと、ちょうど資料1の9ページ目のところを見ながらということにさせていただきたいと思いますが、この9ページ目の絵で言いますと、双方向、上下の矢印が描いてございまして、その下の部分、枠囲みのところに「品質管理、製造販売後安全管理部門」と書いてございまして、その中央に位置するものが総括製造販売責任者でございます。ごらんいただいておりますとおり、その左右にありますとおり、総括製造販売責任者は品質管理業務と製造販売後の安全管理業務を監督し、その業務に関する措置を決定して実行する。そういう役割を担っているところでございまして、そのため、総括製造販売責任者は、各業務に関する法令実務といったものに精通しているといったことが求められております。そのあたりは現行制度上も規定されてございます。
これらを統括するに当たりましては、その両部門、品質管理業務と安全管理業務、その両方に対しまして、その実施をするに当たりましては薬学的な専門性が求められていると考えておりますので、現行制度におきましても薬剤師を要件としているところでございます。
ただ、一方で、製造販売業者によりましては、社内の薬剤師に関しまして、薬学的な専門性は当然薬剤師ですので有するということは言える場合があるかもしれませんが、一方で、2つの業務、両方の業務を監督あるいは措置の実行・決定といったものを行う上で、職責を果たすことが困難な場合があるとの御指摘があると承知してございます。
そこでやむを得ない場合という話になってくるわけでございますが、例えば、極端な例になるかもしれませんが、小規模な製造販売業者におきまして、薬剤師が少ないあるいは1人しかいないような場合、急に退職した場合とか、その後になかなか雇用が決まらないといった場合もございますし、また、薬剤師がいたとしても、今、申し上げましたように、この図にありますような立場で仕事をし、品質保証業務と安全管理業務の両方を監督するには、なかなか年齢等も含めて想定されるわけでございますが、職責を果たせる人材とは言えない場合もあるというケースも、全くなくはないと考えてございます。現在は、そのようなケースがあった場合に、本来、総括製造販売責任者としての役割を果たしていただくためには、薬剤師でなければいけないというところにとらわれることによって、かえって製造販売業者としてのきちんとした責任を果たすことができないケースも出てくるといったことに対しましては、それを回避すべきではないかという観点で、例外規定のような形を、今、考えているところでございます。
ただ、一方で、乾委員の御指摘がありましたように、人材の確保・養成ということに関しましても当然考えておりまして、やむを得ない場合でありましても、会社、組織の体制の中に薬剤師をきちんと配置する格好にいたしまして、統括するにふさわしい人材を育てていただくために、仮に薬剤師でない方が総括製造販売責任者になった場合であっても、側面から薬学的な助言は行うことができると思いますし、加えて、その総括製造販売責任者のもとで統括業務を学ぶといったことの機会も得られる状態を確保していきたいと考えておりまして、いずれにしても、原則、薬剤師ということを規定してございますので、社内において薬剤師が育成されるような形をきちんと、今後の制度設計の中でまた考えてまいりたいとも考えております。
以上でございます。
○森田部会長 よろしいでしょうか。
○乾委員 ぜひそういう制度をお願いしたいと思います。
○森田部会長 加茂谷さん、どうぞ。
○加茂谷委員 今の事務局からのコメントに対しまして、ちょっと補足させていただきます。我々製造販売業者の立場でも、薬剤師さんが原則という点について全く異論はございませんし、当然そうあるべきだろうと認識しているところであります。
直近の各社、私どもメーカーの立場で、350社強にアンケートを実施いたしましたところ、先ほどもちょっと事務局からお話がありましたとおり、総責が管理職でないあるいは課長職どまりであるといった企業が、依然として4分の1程度、現実に存在をしているところであります。また、特に中小の製薬企業においてはその割合が極端に高くなるという現実もございます。
そういった観点で、もちろん我々企業における薬剤師の育成といったことを重要課題として考え、展開してまいるところではありますが、それ以上に総責としての役割を担う立場が必要かと思いますので、原則は原則として遵守、認識をしつつ、私どもといたしましては、例外規定をぜひとも御勘案いただきたいなという立場であります。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 中川さん。
○中川委員 やむを得ない場合について説明があったけれども、これは全然やむを得なくないのではないのですか。やむを得ない場合を簡単に言うと、薬剤師が少ないとか、そういうことですね。そういうふうにしか聞こえなかった。どうですか。
○関野医薬安全対策課長 少ないという場合も想定されますが、少ない中でも、薬剤師が仮にいたとしても、監督、品質管理業務と安全管理業務の両方を束ねるような形での職責を果たすには、経験を含めて十分ではない場合があるのではないかといったところも想定して説明させていただきました。
○中川委員 私は、議論の中で、品質保証責任者と安全管理責任者、こっちのほうがむしろ薬剤師であるべきだと申し上げたのですけれども、この3役の要件について、今回、何も決めないのですか。どういう要件にするのですか。
○関野医薬安全対策課長 今、御提案させていただいている方向性といたしましては、これは医薬品の場合ですが、総括製造販売業者は原則薬剤師といったところは堅持する予定でございます。
加えて、品質保証責任者と安全管理責任者に関しましては、現行、それぞれ省令で定められております中で職責を果たしていただくということで、特段、薬剤師要件とか、そういったものはございません。
○中川委員 どうして薬剤師にしないのですか。省令でどういうふうに書いてあるのですか。不勉強で済みません。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 タブレットで申し上げると、1回、今のものを戻っていただいて、過去の部会資料をごらんいただきたいと思います。マイプライベートファイルまで戻りますと、過去の部会資料が一番上に参考で出てまいりますが、これを押していただいて、第3回の部会資料をごらんいただいて、それの資料1、ページ数で申し上げると6ページ、「第一種医薬品製造販売業の場合」ということで、総責と品質保証責任者と安全管理責任者の法律、省令、留意事項、要件が全部そこにあります。これをごらんいただければと思います。
○中川委員 これは覚えていますけれども、これについて言った私の意見は全く反映されていませんね。どうして反映しないのですか。私の言っていることは間違っていますか。
○関野医薬安全対策課長 今、ごらんいただいています6ページの資料もそうなのですが、安全管理責任者あるいは品質保証責任者、これらに関しましては薬剤師に限定するといったことにはなっていないのが現行でございまして、当然、各社、製造販売業者の判断として、人材としてふさわしいということであれば薬剤師も任命していただいてもいいと思いますし、現にそういった薬剤師がこういった責任者についているケースも多数あると承知してございます。限定するかどうかといったところの問題になるかと思います。
○中川委員 このときの議論で、私は各製薬メーカーに薬剤師がどのぐらいいるのかということも確認したはずですよ。その上で意見を申し上げた。この資料でいえば、総責が薬剤師でなくてもいいということになれば、三役全員が薬剤師でなくてもいいということになるではないですか。それでは困るという議論になったと思いますけれども、どうしてそんなに後退したのですか。
○関野医薬安全対策課長 実際、薬剤師を原則とするところは堅持し、それがなし崩しにならないような形は当然考えていくわけでございますけれども、そういった意味で、限定的な意味でのやむを得ない場合といったことは具体的にこれから示していきたいと思いますが、一方で、当然、原則薬剤師ということを念頭に置けば、社内での人材をきちんと確保していただく、あるいは育てていただくといったこともあわせて考えることによって、薬剤師がこれらの業務にしっかりかかわれるような状態は、できるだけ短期間という形にはしていきたいと考えてございます。
○中川委員 加茂谷委員にお聞きしたいのですけれども、医薬品に限れば、この三役に薬剤師を充てるという人材がいない製薬メーカーは何割ぐらいあるのですか。
○加茂谷委員 今、手元に明確なその集計表がないのですけれども、お答えになっていないかもしれませんが、品責・安責が薬剤師さんであるという数は、アンケートに回答いただいた企業350社の半数は上回っているという実態は認識しています。
○中川委員 実態はそうですね。薬剤師でなければならないという要件にすると、メーカーの何割が対応できますかと。私はほとんど対応できますというお答えを期待しているのですが、いかがですか。
○加茂谷委員 ここで中川先生の問いに明確に答える数字がないものですからあれですが、薬剤師要件がない状況でも、今、申しましたように、半数以上は薬剤師さんが責任者の役割を担っている。薬剤師要件になれば、その数は改善はしていくのでしょうけれども、冒頭申し上げましたように、総責の薬剤師要件の立場を、例えば、一般職の人、課長職の人が果たし得るかという状況等を勘案すると、なかなか全数が薬剤師要件に対応できるというところまで言い切る自信はないというところが正直なところだと思います。
○中川委員 長くなって、済みません。
私は、品質保証責任者と安全管理責任者のほうがむしろ薬剤師であるべきで、総責はむしろ薬剤師でなくてもいいのだろうと思うのです。そのメーカー、会社での立場が上の人であれば。そういうことを申し上げたはずです。それが全然反映していなくて、これは逆行しているのですよ。直せませんか。
○森田部会長 事務局、どうぞ。
○関野医薬安全対策課長 今の御意見は、恐らく、行き着くところ、それぞれ薬剤師に限定するかどうかと。限定することによる、総括製造販売責任者と同じような、かえってかなり難しい場面が想定されるかとか、このあたりは少し意見を各方面から聞いてみたいと思いますので、また引き続きそこは検討させていただきたいと思います。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 今の議論の話なのですけれども、極論をすれば、安全管理責任者は医師免許を持っている人がいいかなとか、思ったりするわけではないですか。でも、それは規制の話なので、最低限の規制でどれぐらい必要かという議論なので、今の制度上すぐにこうすべきだという意見はないのですが、薬学教育が変わってしまって、かつて、それ以前の薬剤師さん育成システムと変わっているところがあって、結局、企業に就職しようという学生さんは大体4年やって、薬剤師の資格を取らずに残り2年の部分で修士課程に行ったりしているわけですよね。そういう人材、恐らく将来企業に就職したいという学生さんは、開発に行きたいからということでそっちを選んで、薬剤師の免許を持っていなかったりするわけで、そういう人たちは総責とかこういう品質管理の能力がないかというと、恐らくあるわけですよね。
そういった、薬剤師の教育というか、職能も変わってきているので、今後は、規制の話とは別なのでしょうけれども、どういう人が望ましいかということについてはもうちょっと広く検討すること。今、逆に言えば、薬剤師でなければ薬学博士でもだめなのですね。そういうことですよね。そういうことになっているのは、別にここでそれがおかしいとかと言う気はないのですけれども、かつて薬剤師要件をつけたという趣旨、時代の経緯があると思うので、規制としてどこまでミニマムにかけるかということについては、時代が変わったことを踏まえた検討は必要なように思うので、また今後もよろしくお願いします。
○森田部会長 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員 今、全く同じことを申し上げようと思ったことと、もう一点は、先ほどから総責が品責・安責を束ねる立場にあって、それができる力量があるとかないとかという話が出ていますが、それは企業が判断するのですか。例外規定は文章にどう書くのか知りませんけれども、力量がない・あるとかということはどういう判断でどういうふうに持ってくるつもりなのか。そのあたりをお聞きしたいのですけれども。
○関野医薬安全対策課長 その点につきましては、一つの規定、制度上の要件を含めて、それを満たした中で、基本的には人事の話になりますので社内で決定ということになります。ふさわしい人材をそこに充てるといった中では、それは会社の判断になります。シンプルに答えますと、そういうことになります。
○森田部会長 この件ですけれども、ほかに御意見はございますでしょうか。
といいますのは、これはもう一度検討していただかないと、今回の総括製造販売責任者だけの話ではないように思いますので、再度事務局で御検討いただければと思います。さらに、その際にこういうことも考慮してほしいという御意見があれば、御発言いただきたいと思います。特にないようでしたら、そうした形でもう一度御検討いただくということで、次の議題に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
時間も押しておりますので、申しわけありませんが、そうさせていただきます。
続きまして、議題3、薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方について、御議論いただきたいと思います。
これにつきましては、事務局から、資料2に基づきまして御説明をお願いいたします。
○安川薬事企画官 資料2について、御説明いたします。
「薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方」でございますけれども、まず最初に、医薬分業、全体の経緯も含めて資料がございますので、そこから御説明を簡単にさせていただきたいと思っております。
2ページ、これは7月の制度部会の資料ですけれども、処方箋受取率、現在は7割に達しているといった状況でございます。
3ページ、ここから医薬分業に関する経緯ということで、時系列的にまとめております。明治のころ、日本最初の医療法制の「医制」が制定されてから、現行法の昭和35年に制定されるまでの経緯を書いていますけれども、医師は処方する際に処方箋を交付する、薬剤師は処方箋に基づき調剤する、そういった規定がそれぞれの中で規定されているところでございます。
4ページ、昭和49年に診療報酬で処方箋料の引き上げが行われて、そこから処方箋受取率が増加し始めるというところで医薬分業元年と言われていますけれども、そういったところがございます。また、それに伴って、昭和50年以降、今度は第二薬局問題ということで、医療機関からの独立性といったところが出てきましたので、各種事案をもとに、医療機関からの独立性に関する通知、あるいは、保険の話ですけれども、省令改正等が行われていたという状況でございます。また、昭和51年のときには、厚生白書の中、医薬分業の記載で、メリット・デメリット、そういった記載もされているところでございます。
5ページ、昭和53年以降の経緯でございますけれども、こちらのほうは薬価収載品の薬価改定の変更ということで、薬剤費の適正化とか薬価差の縮小のために、こういう薬価改定方式を随時改正したという経緯がございます。その時期、この表の右端にありますけれども、処方箋受取率が上昇しているという時期にもなってきている状況でございます。
6ページ、こちらは、薬剤師の業務の変化でございますけれども、昭和59年から、病院薬剤師の業務に関しまして、調剤の業務から入院患者に対する服薬指導等の業務といったことにシフトをしていくことに伴って、診療報酬あるいは医療法の中の人員配置の扱いについて、入院患者を意識した各種改正が行われたところでございます。また、平成4年以降、薬局の質的向上に向けた取り組みということで、薬局あるいは薬剤師における役割が、医療法の中で薬剤師が医療の担い手と規定される。薬学教育が6年制になる。薬局に関しまして、前回も御指摘がありましたけれども、薬局業務運営ガイドラインを制定する。あるいは、医療法の中での地域医療の貢献等ということで、医療提供施設に位置づける。そういったところの改正が順次行われていったところでございます。また、薬剤師の活動の場としても、在宅訪問というところも、平成6年に保険の中でこういった点数なども新設されている状況でございます。
7ページ、こちらは、最近、ここ数年間の状況でございますけれども、規制改革会議の中での医薬分業のあり方という議論が行われたこと。患者のための薬局ビジョンを厚労省で策定して、かかりつけ薬剤師・薬局を推進していること。健康サポート薬局の届出開始。あるいは、保険の中、調剤報酬の中での対応、そういったところの経緯を書いているところでございます。
8ページ、こちらは医薬分業により期待されている効果ということで、前回のときには、この中の1つ目、医師と薬剤師が相互に専門性を発揮するといったことの御説明を改めてさせていただきましたけれども、調剤業務を薬局が行うことによる効果を改めてここにまとめているところでございます。
9ページ、こちらも事実確認でございまして、薬局数とか薬局で勤務する薬剤師が増加しているという状況でございます。
10ページ、先ほど医薬分業のメリットと書いていましたけれども、こちらのほうは規制改革会議のときに議論された視点でございます。こちらはどちらかというとデメリットのほうになりますけれども、患者の負担が多くなるとか、そういったことを伴うこと、負担の増加に見合うサービスの向上や分業の効果が実感できないといったところの指摘を受けているという現状でございます。
11ページ以降でございますけれども、こちらのほうは、これまで制度部会の中で医薬分業に関してさまざまな意見をいただきましたので、それを幅広く列挙しているところでございます。いろいろな視点もあります。
11ページ、医薬分業に関して、全体の話も含めて御意見をいただいています。
12ページ、薬剤師の職能に関する視点、そういったところの御意見をさまざまいただいております。
13ページ、薬局の機能に関することということで、そういった幅広い意見をいただいているところでございます。
こういった過去の経緯からさまざま分業の取り組みを含めて進めている中で、制度部会でこのような意見をいただいていることもございますので、最終的にこの制度部会の中で、個別に制度改正というだけではなくて、こういった医薬分業のあり方につきましても、最後、制度部会でまとめる際に、こういった御意見も踏まえて制度部会としてのスタンスをまとめていきたいと思っております。これに関しましては、また改めて部会の場で御議論いただければと思っております。
14ページ目以降ですけれども、こちらは前回お示しした論点に関しまして、その中の御議論の中でも、法的な必要性とか、あるいはどういう効果があるかとか、そういったところの御指摘もいただきましたので、改めてその論点を検討の方向性ということでもう少し詳しめに記載させていただきました。
14ページ、こちらは薬剤師の職能発揮の観点でございますけれども、上の「論点」が前回の会議で示した内容になっております。その下の「検討の方向性」が新しく今回提示させていただくものでございますけれども、検討の方向性の1つ目の○ということで、薬剤師の職能発揮のため、現行法で規定されている調剤したときの情報提供とか薬学的知見に基づく指導から継続する一連の行為なので、薬剤師が服用期間を通じて必要な服薬状況の把握とか薬学的知見に基づく指導を行うことを法令上義務づけることについて、どのように考えるかということで、下のほうに「参考」ということで書かせていただいていますけれども、薬剤師法の中では、25条の2で、情報提供義務とか調剤のときの指導の義務が改正されているところでございます。平成8年、平成25年ということで、その時々に合った形での義務づけがされていってございますけれども、今回、そういった流れの中で、服用期間を通じてのそういう対応というところも義務づけてはどうかということの御提案でございます。検討の方向性の2つ目の○でございますけれども、薬剤師と医師等のほかの医療関係者との連携を進めるために、医療法における医師または歯科医師の規定と同様に、薬剤師が、こういう薬学的知見に基づく指導で得られた服薬状況の情報を、診療または調剤に従事する医師、歯科医師、薬剤師等へ必要に応じて提供することを法令上努力義務とすることについてどのように考えるかということで、医療法の中で、医師、歯科医師のほうで努力義務として規定されている内容を、薬剤師としてもこういったことに努めるということの努力義務として規定したらどうかというところの提案でございます。
15ページ、論点は、先ほどの薬剤師の職能発揮に伴って、薬局としての対応でございます。上の論点が前回示したものでございますけれども、それに応じて「検討の方向性」で書いておりますものが、今回新しく提案したものでございます。現行法では、薬局開設者が、その薬局で薬剤の販売または授与に従事する薬剤師に、薬剤師法で規定されている調剤したときの情報提供や薬学的知見に基づく指導を行わせることが義務づけられておりますので、先ほどの薬剤師の職能発揮に義務づけられる内容も、それに伴って、今回、薬局開設者の遵守事項とすることについてどのように考えるかというところで提案させていただいております。具体的な参考ということで、薬機法の中の9条の3のところで、現在、薬局開設者の遵守事項としてこういう指導を行わせなければならないという規定がございますので、それに合わせた対応ということで考えているところでございます。
16ページ、こちらは薬局としての地域における役割でございますけれども、こちらは第5回と前回第7回で示したもので、囲っている中の点線の上3つが第5回のとき、一番下が前回第7回で示した論点でございます。それを受けて、検討の方向性ということで、現行法における薬局開設許可に加え、例えば、薬局が以下のような機能を有することを法令上明確にして、患者の選択に資するようその機能を有する薬局であることの名称の表示を可能とすることについてどのように考えるかということで、御提案させていただいております。例示として、マル1で、地域において、在宅医療への対応や入退院時をはじめとするほかの医療機関、薬局等との服薬状況の一元的・継続的な情報連携における主体的な役割を担う薬局ということ。あるいは、マル2として、がん等の薬物療法を受けている患者に対して、医療機関との密な連携を行いつつ、高い専門性に基づき、より丁寧な薬学的管理や特殊な調剤に対応できる薬局、そういったところが例示として考えられますけれども、こういったところを法令上明確にして、表示を可能とするといったことの提案でございます。あわせて、こういった機能を持つということで、医療計画でも地域医療のそういった全体を検討する中で、各地域で必要な医薬品の提供体制を確保するために、こういった薬局の機能に関しても考慮すべきというところで考えております。
17ページ以降は参考資料なので、説明は省略させていただきます。
説明は以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の御説明を受けまして、議題の3について御議論いただきたいと思います。御意見、御質問等があれば、御発言をお願いいたします。
三村委員、どうぞ。
○三村委員 御説明ありがとうございました。
あくまで医薬品の供給システムあるいは流通の安全性という観点だけでコメントをさせていただきたいと思います。
これは、先ほどの最後の16のところの検討の方向性は非常に重要なことを書いていらっしゃいますし、将来どこまでこれが高度なものになるのかということで、恐らく段階的に着実に進めていただくといいと思うのですけれども、1つだけ考え方として明らかにしておいていただきたいと思いますのは、この方向性のもとで卸売業者の営業所の現場におけるリスクの高まりがあるのではないかということです。
恐らくいろいろなことが考えられますが、高度な医療、専門医療に対応したハイリスクの医薬品の扱いが増えてくる。そのことを踏まえた上で、卸売業者に関連するところにおいては、営業所管理者責任ということを今回ははっきり明示していただきました。
これからは、営業所業務を全体の供給システム、ネットワークの中で、きちんとした形で連携させつないでいく必要がある。そうしますと、特に最後の検討の方向性の下のところ、「あわせて」ということなのですが、各地域で必要な医薬品、これも言い方としてはかなり大まかな設定ではあるのですけれども、その中にハイリスクな医薬品が入っていますので、医薬品供給体制の安全性からの検討が必要です。
全体としては、機能連携とか、情報連携が必要になってくるのですが、まずは医薬品供給の情報共有という形を作ることが必要と思っております。例えば、受発注であるとか、あるいは在庫であるとか、どこに届けられているとかということを含めて、メーカー、卸、処方元、そして薬局というところまで含めたしっかりした形の情報共有ということは必要であると思います。
ただ、その場合、事後的に情報共有は今の制度上でもできると思うのですが、ハイリスク医薬品の場合には、できるだけ(処方と調剤の)経過の中で情報共有ができるということであるならばいいと考えます。これは、医療上の問題での議論ではなくて、あくまで医薬品の動きに関する情報を透明化し、共有し、連携するとかとか、そういうことができるしっかりシステム上つくっていく必要があるということを申し上げておきたいと思います。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
御意見ということでよろしゅうございますね。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 14ページのところで、これまでも申し上げてきているところではございますけれども、今、治療が入院より外来へとシフトをしてきていますと、薬を使用しているときに、家にいるときに不安になったり、副作用が出てきたときに確認したいということが多々あると思います。今、多くの薬局が調剤して終わりということで、調剤するところまでしか責任を持っていないような薬局が大半を占めているということを考えますと、服薬期間、ずっと継続して責任を持っていただくということと、s薬剤師さんが知り得た情報をきちんと医療機関にフィードバックするなど、医療機関の薬剤師と薬局の薬剤師の連携がこれからは非常に重要になってくると私は思っています。よって、この14ページのところはぜひこの方向で進めていただきたいと思っております。
続いて、この15ページに同じようなことが書いてあると思いましたら、14ページのところは薬剤師さんに義務づける。それに対して、薬剤師に義務づけるのであれば、そういうことをしっかりと業務を果たしているかどうかということを、薬局の開設者にも義務づけるという並びということでよろしいでしょうか。ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
○森田部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 まず、16ページの各地の医療提供体制において、薬局の機能を法令上明確にするというのは、私は異論があります。特に医療計画について薬局を明記するというのは、これは議論の組み立てがちょっと違うと思います。法令上明確にするのではなくて、その地域の医療計画を各地域の独自性に基づいて都道府県がそれぞれ議論をして、もっと言えば、地域医療構想区域、さらには地域包括ケアシステムの単位で議論をして、どの程度の薬局・薬剤師が必要なのか、関与すべきなのかということを議論すべきなので、このような法律で明記するということには私は賛成できません。
14ページのところですが、前回も言いましたが、「法令上義務づけることについてどのように考えるか」と、「法令上明確にすべきではないか」と前回は出ていたものが「どのように考えるか」と少しトーンダウンしたことは一定程度評価していますが、「どのように考えるか」というと、法令上義務づける必要はないと思います。これは薬剤師が当然やるべき仕事なのですよ。前回と同じことは言いませんけれども、賛成できません。
15ページ、これだけ全国の調剤薬局が問題を次から次への繰り返す中で、薬局をこのように法令上位置づけるということにどういう意図があるのですか。意図がわからない。例えば、いろいろな全国展開の薬局が、いろいろな不適正事案を繰り返して、そういう状況の中で、そういう背景において、なぜ薬局自体を法令上明確化するとなるのですか。これ以上、何か明確化すると、薬局は何がどういうふうになるのですか。教えてください。
○森田部会長 事務局、お願いします。
○安川薬事企画官 今回、14ページ、15ページということで、薬剤師の職能ということで、こういったことの提案をさせていただいておりますけれども、薬局に関しまして、こういった遵守事項、もともと現在の規定の中でも薬学的知見に基づく指導、情報提供とか指導とかというところが遵守事項として義務づけられております。そういったところを、今回、服薬期間中の対応ということも、薬剤師の職能発揮として必要な時期というか、そういったこともありますので、一連の流れとして、薬剤師法の規定、こういった開設者の遵守事項として、薬局としてもそういったことをしっかり薬剤師に対応してもらうというところ、そういったことを明示的にしていきたいということで、こういう提案をさせていただいております。
一方で、法令遵守の話につきましては、先ほどのガバナンスのところにありますけれども、きちんとそういったところを、こういった薬機法とか法令も理解しながらしっかり対応してもらうということを徹底させていきたいと思っております。
あと、地域医療計画の御指摘に関しまして、16ページ目の下の2つ目の○にあるのですけれども、こちらは法律の位置づけということは考えておりません。医療計画は通知の中で規定されているものもございますので、実際にはガイドラインなり通知なり、そういったレベルのもので対応していくものだと思いますけれども、いずれにしても他部局の関係もございますので、御指摘のとおり、地域のほうの実情に応じて検討すべきものと考えております。
○中川委員 薬局について法令上明確にすると。それについてはどうですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 私からお答えしてよろしいでしょうか。
今のことに関しますと、この部会でも大分議論がありまして、本来、これは先生がおっしゃるように、薬剤師の意識でこういうものは当然やっていくものだと私は思います。ただ、なかなかうまく改革がいかないということで、この部会の議論になっていると思っておりまして、特に山口委員からも、そうであれば法令上書くことも意味があるのではないかという御意見もありまして、法令上書いてはどうかという提案を事務局としてさせていただいております。
法令上書くことの意義は、私は監視指導・麻薬対策課でございますが、各地方自治体におきまして、薬局の指導監視もやっております。大体、今、5万8000件あるうちの年間3万件ぐらい、立ち入りでいろいろ監督に入るということをやっておりますが、そういう際に、努力義務とはいえ、ちゃんと薬局の開設者はこういうことをやらせていますかとか、都道府県の職員が必ずそういうことをお話しし、そういうことの指導に入るということで、全国津々浦々の薬局に年間3万件入りますと、2年に一遍は回ってまいりますので、うるさいぐらいいろいろ全部入っていくということが、こういったことをより進めていくためには、あってもいいのではないかということで、入れさせていただいていると理解してございます。
○中川委員 課長は、薬局に対して指導監視をやってきたのですか。自治体ですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 薬局の開設許可は地方自治体でございます。
私どもは、いろいろなことを立入検査で自治体の方々にお願いをして、こういうことを指導していただきたいとか、こういうことを見てきていただいているかとか、ずっとやってきてまいりまして、大体今みたいな話になりますので、法令に入りますとそういう形で実際の指導を小まめにやるということになってくるわけでございます。
○中川委員 自治体に対して、薬局に対して、こういう指導とか監視をしていただきたいと言ってきたのです。現在、その効果があらわれているのですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 あらわれている部分とあらわれていない部分があると思います。それはここまでこの部会でも、例えば。
○中川委員 いいです。短く。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 両方あると思います。
○中川委員 2015年に薬剤服用歴の未記載が発覚しましたね。2015年、同じ別のチェーン薬局にも薬剤服用歴未記載問題が発覚しました。2017年に基本調剤料の高いほうをとろうとして、処方箋のつけかえということも起こりました。ほかの薬局も同じ年に処方箋のつけかえをしました。また、さらに同じ年に、集中率の操作もしました。あなたが、国、都道府県に対して、薬局を指導・監視をしてくださいということの効果があらわれなかったという、これは一部ですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 最初の薬歴の未記載問題は私もよく承知しておりますが、薬歴の記載そのものは薬機法の規定ではありません。これは保険のほうで求めている規定でございますので、私どもが自治体にお願いするわけにはなかなかいかないということが現実でございます。
ただ、先ほど言った処方箋のつけかえ問題に関しまして、集中率の問題、これは保険の問題でございますけれども、一方、私どもの関係で申し上げますと、誰が調剤をしたのかということが、つまり、本来、医薬分業の形。
○中川委員 短くお願いできませんか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 申しわけございません。
それがはっきりしないということもございますので、今回それをやりまして、その際の我々の反省は、先ほどガバナンスの話で申し上げましたけれども、各県にまたがりましてある場合に、同じ法人でやっている場合に、県をまたいだ場合の指導が、今、なかなか難しいというところが現実でございますので、それについて仕組みを考えないと、その問題にはうまく対応できないということで、今回、提案させていただいております。
○中川委員 わかりました。
そうすると、これまで不適正な事案がたくさん薬局チェーンで起きてきたけれども、それは保険のほうの問題だから、あなたの指導は行き届かなかったと。今度、もし薬機法で明確にそれはこういうことは起こらないとお考えなのですね。起こりにくくなるとお考えなのですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 起こりにくくなると思ってございます。つまり、法令上明記して、先ほど申し上げた、私どもの薬務関係の部局の指導がかなり頻繁に入ってまいりますので、その効果は一定程度上がるものと私どもは期待しております。
○中川委員 法令上明確にしないと、薬務関係の指導は頻繁に行わないのですか。不適正な事案に対しても。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 自治体の業務としては、法令上の規定がないと実際的な指導・監督はやりにくいという面があると思っております。
○中川委員 あなたが都道府県にお願いしてきたのでしょう。こういう指導・監視をしなさいと。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 はい。
○中川委員 それは法令上明確でないから、あなたの言うことはちゃんと聞いてくれなかったということを言っているのですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 これは申し上げますが、基本は、行政は法令に基づく業務が主であります。ですから、私どもも自治体も。
○中川委員 真正面から答えてくださいよ。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 真正面からお答えしています。
○中川委員 全然違いますよ。あなたの言うことを聞かなかったのか、聞いたのかということを言っている。法令上明確にしたらあなたの言うことを聞くようになるのですかと聞いているのです。イエスかノーかでいいです。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 そういう意味では、聞いていただく部分が大きいと思います。
○森田部会長 乾委員、どうぞ。
○乾委員 薬局の薬剤師は私1人なので、一言。
中川委員が御指摘されている目立った例ということは、確かにそういうことがあってはいけないということはそのとおりでございますけれども、全国の薬局が皆そういうことをやっているということは決してありませんし、大多数の薬局は、ほかの業界でもそうでございましょうけれども、しっかりと法律を守って、特に薬剤師は真面目だと私は思っておりましたけれども、今回、こういうことが出て、改めてガバナンスをしっかりと発揮できるような制度に変えないといけないと。
実際に、私は、今回4月からこの部会でいろいろと御意見を伺いながら、かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局を目指して、日本薬剤師会も会員に対してはしっかりと患者の薬局ビジョンが実現するように進めておるところでございますけれども、ただ、残念ながら、まだまだそういうかかりつけ機能がしっかりと発揮できていないために、医薬分業のよさとか、薬局薬剤師の職能とか、職務とか、仕事の内容が見えていないということが議論されたわけでございます。
その辺については、前回の私の意見として、真摯に受けとめ、いろいろな機能がある中で、ここで議論していただいたものについて、国民に、また、地域住民、患者さんに、はっきりと見えるようにするためには、本来であれば中川委員がおっしゃっておられるように自主的にできれば一番いいとは思いますけれども、それが残念ながらうまく進んでいないということがあるので、それであれば、しっかりと議論していただいたものについて進めていきましょうということで、日本薬剤師会としても考えております。
これらの機能、基本的な14のスライド等についても、特に○の2つ目については、患者さんの情報を医療機関に連携をとって進めるに当たっても、医師法・歯科医師法の規定のところからお願いする、患者さんに了解を得て情報提供を医師・歯科医師にしているというところがありますので、ここのところも法整備をきっちりしていただければ、より理解を患者さんに求めやすいというところもありますので、ぜひその辺についても進めていただけたらというところでございますので、よろしくお願いいたします。
○森田部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 中川委員にお尋ねしたいのですけれども、私も基本的な薬剤師の役割は法律に規定しなくても果たすべきだと思っています。ところが、それが残念ながら多くの薬局では果たされていないということを考えたときに、法制化するしかないのかなと思いました。
きちんと機能して薬局がやるべきことをやってくれるのであれば、法律上に規定する必要はないと思っているのですけれども、今の不正問題はともかくとして、これまで自発的な取り組みがなされるのを待っても結局は機能を果たしてこなかった薬局が多いという現状を考えたときに、法律で規定する以外に、きちんと役割を果たしてくださるような、どのような方法があるとお考えなのか、聞かせていただきたいと思います。
○中川委員 法律に規定しないとやらないとしますね。法律に明確化されていても、薬剤師が決められた業務、機能を果たしていないとしますね。前回、聞きましたよね。もしその場合に、その薬局が何かペナルティーを科されるのかと。それはないというお答えでした。法令上明記しても、そういうものではないと。だから、私は繰り返していますが、1.8兆円の調剤技術料につながるのですよ。またこのことについてちゃんとやれば何らかの評価をするのだと結びつくと私は読めてしまうのです。そっちのほうは絶対にないと、100%とあり得ないというのであれば、無理に反対はしませんよ。そういうことを言っているのです。
ですから、薬局の指導もできないのに、ちょっと荒っぽく言いますけれども、できないくせに法令上明確にすればできるようになるというのは、それも無理があるのです。国が都道府県に指導して、薬局をちゃんと指導してもらえば、こういうことがなくなるのだというのは、それはちょっとおごりだと思います。そういうことを申し上げているのです。
○森田部会長 これは薬剤師の役割と薬局の話とされておりますけれども、病院の薬剤師の方もいらっしゃるわけでして、前回、その辺についてどうなのかという御意見もあったということで、きょうは桒原参考人においでいただいております。今、その御議論は余り出ませんでしたので、時間も限られておりますので、桒原参考人から少し御意見を伺って、それも踏まえた上で今の議論を続けていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
どうぞお願いします。
○桒原参考人 ありがとうございます。
日本病院薬剤師会の桒原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
きょういただいている資料の16ページ、「検討の方向性」の例にございます、マル1とマル2についてコメントをさせていただこうと思います。
まず、マル1の一元管理でございますけれども、患者さんが入院された際に、病院の薬剤師は持参薬の確認をいたしております。この薬局との連携によって一元的に管理されたお薬の情報を入院時に提供していただくことができれば、これはより質の高い業務を行うことが可能になると考えております。また、退院後も病院と薬局で、これは資料の14ページにございますように、継続した薬学的管理ということもございますけれども、これを実施することも重要と考えております。既に双方向で情報共有する取り組みを行っている地域もございますので、医薬品の適正使用を推進していると伺っております。今後も一層このような連携を深めていきたいと考えております。
それから、マル2のがん等の薬物療法を受けている患者さんについて、現在、抗がん薬治療は外来が中心となってございます。病院の外来で受けた注射の抗がん薬につきましては、その副作用対策、よく支持療法などと言われますが、こういった副作用対策等に関するお薬の処方も出るかと存じます。このお薬を適正に使用していただくように患者さんに指導していただくことや、副作用のチェックは重要かと思います。また、内服の抗がん薬の場合は、用法・用量だけではなく、休薬のチェックとか、あるいは副作用の確認や、また、何かあったら相談できるという薬局の議論は非常に重要だと考えております。既に私どもも聞いておりますが、地域の病院・薬剤師会が連携して研修会などを実施しているという事例もございまして、これらの連携を進めていくことは非常に重要ではないかと。さらに抗がん薬等とございますので、抗がん薬のみならず、医薬品の適正使用と安全管理は共通の課題として連携して進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○森田部会長 ありがとうございました。
ただいまの御意見も含めて、花井委員のほうが先に手が挙がっていたので、お願いします。
○花井委員 これまでの議論について、私は総論と各論と1つずつ意見を申し上げたいのですが、総論で法律に明記すべきかどうかという議論になっていますけれども、私は明記しなくても当然やるべきということの意見にはくみしないのですね。
というのは、そもそも薬機法上の薬剤師・薬局のありようについては、本来、薬剤師の教育システムが変わった時点で、雑に言いますと、薬剤師の機能はハードウエアからソフトウエアに大きくかじを切ったわけですね。6年制を出てくる学生さんの薬剤師さんとそれ以前の薬剤師さん、または、いわゆる薬学部における教授の先生方の意識、それがほぼその潮目で明らかに変わってしまっている中で、本来、薬機法上の薬剤師の位置づけは、全体改定のまたその前の大改定のOTC改定のときに、本来は物から人へというソフトウエアに移ったときの薬剤師・薬局像を改定すべきだったものを、そのままにしておいて、結局、今、物を対象とし、もしくはロジスティクスの薬剤師という中のままで来ていて、おくれて薬機法に手をつけている。だから、それはそちらの責任ではないかと。
だから、今はそごがあって、結局のところ、その大きな変革の改定のときにやっていた、当時は薬事法ですけれども、薬事法改定でOTCや登録販売者などの議論をしているうちに、それに手をつけなかったことが今に至っていると承知しています。
なので、どうあっても薬剤師像というのは変わった、大きく変換したということに対して、薬剤師・薬局のあり方は薬機法上明確に新しい書きぶりで書くべきと考えており、それが具体的にどうかという話は議論なのですけれども、その意味では、今言ったような、機能で言えば地域の薬局でもあるし、包括的な薬剤師、つまり、はっきり言うと臨床家としての薬剤師ですよね。それ以前は臨床家という意識がない中でやっているし、大学で教えている先生でもそういう人がまだいる状況の中の大きな変換なのだから、薬事法制においてこの大きな変換をちゃんと書くことは時代の要請なので、法律改正を何らかの形で盛り込むべきと考えています。
そう考えたときに、各論なのですが、実態は、今までこの議論にあるように、私、薬害被害者の立場からすると、薬剤師さんとお医者さんが総力を挙げなければ、例えば、今の新しい高分子医薬や新しい薬物治療、あるいはポリファーマシーに対応不能と思っていて、それはどちらかが頑張ればいいという話ではなくて、両方が最大限のパフォーマンスを発揮して初めて患者の安全が守られるということが、今、その連携関係、パフォーマンスが十分ではない。それはどちらが悪いかは知りませんけれども、今、とりあえず薬剤師さんにその意識がないのではないかという議論で進んでいるわけですよね。私は、それはあると思う。
各論なのですけれども、例えば、ポリファーマシーというときに、ほかの診療所にかかっていてどんな薬をもらっているかということを確認しなければ、そもそもできないではないですか。それはお薬手帳であったりするのですけれども、事実上、私が見たところ、お医者さんであれば、初診のときに、新しい病院なり診療所に行けば、事細かにいろいろ聞いてくれて、初めてそれで何かが始まるわけではないですか。ところが、薬局の場合は、それを聞いて、ほかの病気にかかっていないかとか、紙を渡されるわけですね。
私などは詳しいから、事細かにマニアックな薬をたくさん書くのですけれども、全部そんなものはスルーですよ。私からすると、これは相互作用があるのにと思うことについても何も言及されなかったりとか、そこは診療所の先生がすぐれた臨床家であるという自負があるのに対して、薬局の薬剤師は、臨床家という自覚というところにおいては非常にまだ低いというところが問題なわけですよね。
そこについて刮目していただくというのはそうですし、弁護しますと、多くの薬局、特に新しい教育システムで輩出された若い薬剤師さんは、非常に臨床家としての意識は高く出ているので、彼らの時代を迎えるに当たってこちらが環境整備をしてあげるという意味でも、法律でサポートをするということは非常に重要と考えるので、中川さんも御意見はあるとは思うのですが、要するに、薬機法が時代おくれというところをもう一回広い目で見て考えていただきたいと思いました。
以上です。
○中川委員 薬機法が時代おくれというところだけ賛成します。
桒原参考人にお伺いしたいのですが、がんの薬物療法、特に外来ですけれども、高度の薬学的管理、私は一貫してこれは病院薬剤師さんがメインでやるべきだと思っているのです。もし薬局でやるということがあるのであれば、その病院薬剤師機能を補完するということに限定されるのだろうと思っているのですよ。その点についてお考えをお伺いしたいのですが。
○桒原参考人 ありがとうございます。
先ほど花井委員からもお話がありましたけれども、今、がんの治療は、新しい抗がん薬も出てまいりましたし、いろいろな相互作用や、患者さんによっては腎機能や肝機能がいろいろ低下した患者さんも幅広く治療がされていると思います。ですから、そういう意味でも、花井委員がおっしゃったように、私はがんの治療は総力戦ではないかと考えております。
中川先生からの御指摘にありましたように、いわゆる病院の薬剤師の補完という面もあろうかとは思いますけれども、特に病院の薬剤師の場合は、入院、特に外来の患者さんの場合は、抗がん剤、抗がん薬の無菌調剤に始まって、レジメン管理、投与量が誤っていないかどうか、その日の腎機能はどうかと再度チェックをして、安全な薬物療法に努めるということをやっておりまして、そこからおうちに帰られた後のフォローについては、連携をとりながら、そして、高度なといいますか、専門性を持った、知識を持った薬剤師さん、恐らく、私の経験でも、それはそういった患者さんが来れば勉強するのですね。臨床家としては患者さんのために何とかしようと思っていろいろな勉強をするので、そういう意味でもどんどんいろいろな高度な知識はふえてくるかと思いますが、そういったものを連携しながら、地域で患者さんを守っていくような、そういったスタイルが好ましいのではないかと考えております。
○中川委員 ありがとうございます。
桒原参考人がおっしゃっていることは、見方を逆にすると、病院薬剤師の機能がそこまで余裕がないといいますか、自宅に帰ったときまで、近くの薬局の機能を、もしそれで保管してくれればとおっしゃったのだと思うのです。
もし、院内薬局、病院薬剤師の人員がもっとふえるとか、院内薬剤師の評価が高まれば、もっと病院の薬剤師が退院した後でも高度な薬学管理をしていけるのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○桒原参考人 これにつきましては、地域性の問題もございますので、一概に病院薬剤師がふえたからといって、これはあくまでも私は機能の分化というところで支えていくべきであろうと考えておりますので、そのようにお答えさせていただきます。
○中川委員 ありがとうございます。
9ページをお願いします。近年、薬局数及び薬局で勤務する薬剤師数はいずれも増加しているとありますね。右の棒グラフをごらんいただきたいのですが、薬剤師が増加しているのは薬局の薬剤師ばかりなのですよ。病院の薬剤師は真ん中ですね。その上が診療所の従事者ですけれども、病院薬剤師は全然ふえていないのですよ。これでは。本来高度な薬学的管理をするべき病院薬剤師機能が果たせないのだろうと。だから、私は、医薬分業で全部をやめろとは言わないけれども、一定程度院内処方に回帰すべきだということは、このことも含めて言っているのですよ。ぜひ御理解ください。
○森田部会長 お待たせしました。村島委員、どうぞ。
○村島委員 14ページでしょうか。「薬剤師が、医薬品の服用期間を通じて」ということですが、必要な状況に応じてだとは思うのですけれども、状況の把握や薬学的知見に基づく指導ということもですし、得られた知見を処方した医師や歯科医師に提供するということが明記してはどうかということですね。私も薬剤師さんとの接点が多いのでお聞きしますと、もっとこういう薬を使えばいいのにとか、処方箋を見ていて気がつくことが多々あるそうなのですね。また、ポリファーマシーのケースで、これは整理しなければいけないということがあるけれども法律にないとなかなかそれが進言できない。そういう状況があるのかなと思っております。
そういう点ではこれを法律に載せるのはいいと思います。先ほど花井委員がおっしゃったとおりで、総論的には本当に大賛成なのですが、各論的には限界があると思います。専門性のある仕事をしている立場から見ると、薬剤師さんが全てを網羅するということは無理な話なので、それを欲張ってほしいとは思いませんけれども、クオリティーに問題があるにもかかわらず、このような法律があるがために余計な指導が複数入ってみたりとか、不必要な場面で余計な情報を提供したり、そういうことにならないか大変危惧しています。法律に載せること自体は賛成ですが。
○森田部会長 ありがとうございました。
乾委員、どうぞ。
○乾委員 まず、いろいろな御意見をいただいて、すぐに答えられたらよかったのですけれども、花井委員の行かれた薬局は本当に薬剤師が対応したのかなと。ほとんどの薬剤師であれば、当然ながら、私は以前の薬剤師ですけれども、4年制を出てございますけれども、当然ながら、患者さんのためにやるわけでございますし、わからないことはしっかり調べてお答えしますし、いろいろな患者さんに対して、しっかりとQOLの向上に努めるように、安全・安心を担保しながらということは、ほとんどの薬局・薬剤師はやっていると。ただ、ここへ来て、本当に委員の皆さんがそういう薬局に当たっていないのか、薬剤師に当たっていないのか、非常に残念というか、申しわけないなという気持ちでいっぱいでございます。
特にかかりつけ薬局の機能を十分発揮すれば、複数受診されている医療機関等、例えば、桒原先生にお聞きしたいのですけれども、この薬薬連携といいますか、入院・退院時の薬剤の情報提供なり服薬指導なりを、しっかりと今、進めているということは、地域薬剤師会も病院と連携してやっておるということは本当にそのとおりだと思うのですけれども、その患者さんを一元・継続的に管理できている薬局・薬剤師、かかりつけ薬剤師でないと、そういうことは難しいのではないかと思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
○桒原参考人 一元管理をしていただくということが非常に重要でございますので、ぜひそういう方向で進めていただければと私どもも考えております。
○乾委員 抗がん剤にしても、副作用等、しっかりとほかの医療機関から処方されている薬もチェックして、それを含めて病院、医療機関に情報提供をするということが当然のことだと、それをしっかりと進めていかなければならないと考えておりますので、ぜひそれについては御理解いただきたいというところでございます。
○森田部会長 ありがとうございました。
大分時間が押してきておりますので、簡潔にお願いいたします。
○花井委員 まだできていないと、薬剤師が全然薬歴とかを確認していなくてできていないと受けとられたのだったら、そうではなくて、私が申し上げたいのは、全体の意識そのものの問題、例えば、私が知っている薬局では、渡すときに、座る席で立って渡さない。というのは、向き合ってどうですかと言うために、立って渡したら、そのインフラの時点でそういうことを予定していないではないですか。それは、現状、こっちがユーザー側も早くください、時間がないのにと思っている感覚だし、そこが違っていて、それが移りかわるということは、インフラも含めて全体の中で薬剤師さんが変わるという変化の過程にあるということを申したかったのです。多くの薬剤師が全然できていないというのではなくて、そもそもそういうことが、国民にとってもそうだし、一部の薬剤師にとってもそういう感覚すらないのは前時代的であるということを指摘したかったのです。
以上でございます。
○森田部会長 簡単にお願いします。
○中川委員 スライド18をごらんください。昭和51年の厚生白書です。これは、これから医薬分業を進めていくに当たって、非常に慎重な書きぶりがあります。特に医薬分業を進めることのデメリットの可能性についても言及しています。
その上で、8ページをお願いします。29年版の厚生労働白書、1ポツの最初の○ですが、これについても、例えば、患者さんがお薬手帳を持っていれば、それで全て解決することですよ。
2つ目の○、薬剤師が処方した医師・歯科医師と連携して、薬の効果、副作用、用法などについて患者に説明することにより、患者の薬に対する理解が深まり、調剤された薬を適切に服用することが期待できること。これはむしろ院内薬剤師のほうが連携はスムーズであると思います。
それから、2ポツの最初の○ですけれども、使用したい医薬品が手元になくても、患者に必要な医薬品を医師・歯科医師が自由に処方できること。これも、今は卸に言えばあっという間に持ってきます。
2つ目の○ですが、処方箋を患者に交付することにより、患者が自身の服用する薬について知ることができると、これはいつの話ですか。1980年以前の患者さんに薬の名前を余り言わなかった時代はそうですよ。今は、院内処方でも院外処方でも両方ともきちんともちろん名前も含めて説明しています。
3つ目の○ですが、これも繰り返し言いますが、病院薬剤師の外来調剤業務が軽減することにより、本来病院薬剤師が行うべき入院患者に対する病棟活動が可能になること。実際にこれもなかなか難しいという状況もありますね。
今、申し上げたように、厚生白書の時代から厚生労働白書の今まで、この医薬分業に対して議論が深まっていない。むしろ後退しているのですよ。全く思考停止に陥っている。この制度部会の資料として、29年度版厚生労働白書一部改変というものを、まるで教科書のように出すということに、私は非常に問題点を感じます。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
簡潔に、30秒でお願いします。
○平井委員 中川先生がおっしゃっていることは非常によくわかるので、病院薬剤師の機能をもっと充実させればいいということで、病院薬剤師の活動をふやせば解決するのではないかとおっしゃる意見は確かにそのとおりなのですけれども、現行の医療体制の中で、病院の薬剤師の数を一気にふやすことはなかなか難しいわけでございます。何かその方策があればぜひお示しいただきたいなと思いますし、そこまでの間は薬局と病院とが連携して、薬剤師の仕事は、調剤されたお薬が、どう使われ、どういう効果を示し、副作用が出ていないか、それを見るのが仕事だと思いますので、そこの切れ目のないケアをするためにも当面は連携をしていくことが必要かと思います。その意味で、薬機法の古いということは、改正するべきだという花井委員のおっしゃるとおりだと思っております。
○中川委員 答える時間がなさそうですから、いいですか。
方法は、簡単に言うと、院内の調剤業務に対する診療報酬を上げることです。
以上です。
○平井委員 おっしゃるとおりですね。
○森田部会長 ありがとうございました。
この議論は非常に重要な問題だと思いますし、活発にいろいろな御意見が出ているところかと思います。
ただ、ちょっと思い返していただきたいことは、この制度部会で検討していることですけれども、初めのとき、第1回のときから議論があるわけですけれども、今度の国会で薬機法を改正するときに、どういう事項を改正しなければいけないか、それが、国民、患者さんのためにとって必要なことであるかということを御議論いただいているところだと思います。非常に多くの論点がありまして、それぞれについて根本的な問題から議論をし、そこからどういう法改正をすべきかということについて検討していく時間がないということで、この前、申し上げましたように、この議論につきましては、またじっくりと時間をかけてやる必要はあると思いますけれども、少なくとも来年度といいますか、次の通常国会でもってきちんとこれを法改正しなければ困ることにつきまして、重点的に御議論いただきたいとお願いしてきたところでございます。
御発言の趣旨は、それぞれ非常にごもっともだと思います。特に花井委員が根本的に抜本的な総論として改正する必要があるということは、御指摘のとおりだと思いますし、この点につきましては、前回でしたか、前々回でしたか、本日は御欠席ですけれども、伊藤委員から、薬機法は物に関してつくられている法律だけれども、機能のほうに変えなければいけないという御指摘もあったかと思います。
ただ、これからこの薬機法の根本的な体系について改正することは現実的ではないと思います。したがいまして、ここで今回も出ておりますけれども、何が一番問題であって、それを法律でどのように変えればその問題が当面解決できるのかと。次回以降は、そうした形で少し議論を絞っていただく必要があろうかと思いますし、事務局も、その点を踏まえて、少し資料について論点を絞っていただければと思います。
今回もそうですけれども、私も一応昔は法学部を出たから覚えていますけれども、「法令上」と書いてありますけれども、これは法律と政省令でかなり違う話ですので、あくまでも法律事項として何を変えるべきなのかということに論点を絞っていただくということと、現在でも法律で読めることで実際になされていないということが問題で指摘されておりましたけれども、これをどのように変えれば実効性ある法律の内容になるのか。正直に申し上げて、努力義務を課したからといって本当に変わるのかどうか。そういうことも踏まえて、少しこれから議論をしていただければと思っております。
その後で、次の根本的な薬機法の見直しを、いつ、どういう時点でやるか。それはまた検討していただきたいと思いますけれども、それはまた時間をかけてじっくりと議論をするに値する問題だと思います。進行役としては、非常にその辺を心配しておりますので、次回以降、そういう形で進めさせていただければと思います。
これで終わりかと思ったらもう一つ議題がございますので、これにつきまして簡潔に御報告いただいて、御議論につきましては、場合によっては次回にお願いしたいと思います。
それでは、議題4のその他に入りたいと思います。
事務局から、簡潔に資料の御説明をお願いいたします。
○安中副作用被害対策室長 かしこまりました。
資料3をごらんいただければと思います。「医薬品等行政を監視・評価する第三者組織」の設置についてでございます。
これにつきましては、これまでこの部会では議論がございませんでしたけれども、少し経緯がございますので、2ページをごらんください。
まず、平成22年のことですけれども、薬害肝炎事件の検証のための厚生労働省の検討委員会において、最終提言という形で医薬品行政の監視・評価機能を果たすことができる第三者性を有する機関の設置が指摘されております。参考資料として最終提言の関連部分の抜粋を添付してございますけれども、時間がございませんので、説明は割愛させていただきますが、この中では独立性とか、あるいは専門性、機動性、こうした特性を有する機関が必要だということが指摘をされております。
その後、5年前の法改正の際の検討部会におきまして、一つの理想形として出していくという趣旨のもとで、ここに鍵括弧で書いておりますような「できる限り早く設置することを望む」という御意見をいただいたところでございます。
その後、平成25年の薬事法改正におきましては、関連すべき点は盛り込まれておりませんでしたけれども、国会の審議の中で速やかに検討を行うことという決議がなされたところでございます。
こうした経緯を受けまして、現在、薬害肝炎の原告団・弁護団の皆様と私どものほうで、具体的なあり方について意見交換を行っているという状況にございます。
そうした経緯を踏まえまして、今回、3ページ目にあります検討の方向性を御議論いただければと思っております。
具体的なあり方について、以下の方向で検討を進めてはどうかということで、まず、「目的」としましては、医薬品等の安全性確保に関する幅広い分野の関係者が監視・評価することで、医薬品等行政の透明性の向上を図っていくことを目的とし、その目的に沿って、次の「権能」のマル1でございますが、医薬品等の安全対策の実施状況を監視・評価する。その結果、必要に応じて、厚生労働大臣に意見を述べることができるといった権能を持ってはどうか。なお、※印にありますが、個別の医薬品などの安全性に関する最終的な評価につきましては、従来どおり、高度な専門性を有している薬事・食品衛生審議会が行うことではどうかとなっております。また、マル2としまして、情報の収集につきましては、定期的な副作用報告のほかに、必要に応じて厚生労働省に報告や資料の提供を求めていくといった権能を持ってはどうかと考えております。
最後に「位置付け」でございますけれども、厚生労働省の審議会等として設置してはどうかということで、一方、その独立性という視点から、事務局機能につきましては、大臣官房ということで、同じ省内でありましても独立性には配慮していくというたてつけはどうかと考えております。
なお、組織の新設につきましては、行政改革の視点から厳しく抑制されている現状がございまして、ここでの御議論とは並行して関係機関との調整を進めていく必要があると考えております。
先ほど法律事項に絞ってという座長の御指摘がございましたが、その結論によっては法律事項となり得るものでございますから、この部会において御議論いただければと考えております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
時間が限られておりますが、この件につきまして何か御意見はございますでしょうか。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 PMDAとか行政のされていることを第三者の組織で果たして監視していくことができるのかどうかということに、内容としてちょっと疑問を覚えるのですけれども、どういったメンバーの方々がそういう監視をする能力があって、監視をするという位置づけで想定されているのかということをお聞きしたいと思います。
○安中副作用被害対策室長 具体的なメンバーは、これから、設置後になっていくわけですけれども、現在想定されているものとしては、例えば、6ページのところに、平成22年の最終提言において、マル4の2つ目のポツですけれども、薬害被害者、市民、医師、薬剤師等々の分野が列記されております。これはまだ一つのアイデアということにはなると思いますが、こうした方々が一つ想定されているところでございます。具体的には、その任命に当たって適切な人材を選んでいくということになろうかと思います。
○森田部会長 よろしいですか。
○山口委員 また一つ新たな審議会をつくるということで、形だけに終わらないようにしていただきたいと、改めて思いました。
○森田部会長 ありがとうございました。
どうぞ。
○花井委員 山口委員がおっしゃったことが非常に問題であって、これはもともと独立行政法人医薬品医療機器総合機構法のときに構想され、当時、まだ審査体制がない中で、屋上の屋を考える時点ではないということがあり、最終提言に載ったという歴史的経緯で、それから8年がたっています。
今、まさに山口委員がおっしゃられたことや、どこに位置づけるかということが議論されているがゆえに今までかかったと承知していますので、今後、その辺の課題を含めて詰めていただいて、今回こそは実現していただければよいと思います。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
この件については、ほかにございませんか。
機能・役割の重要性はわかりますけれども、具体的にどういう機能を果たすのかということと、組織的な位置づけ、そのあたりに関しては本当は法律上かなり重要な論点があろうかと思いますけれども、それはまた改めて機会があれば御議論いただくということにしたいと思います。
それでは、本日も、私が急がせてしまったかもしれませんけれども、皆さんの御協力によりまして、ほぼ予定された時間で終了いたしました。本日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から事務的な御連絡をお願いいたします。
○鳥井総務課長 次回、第9回制度部会の日程でございますが、11月22日、14時からを予定いたしております。
○森田部会長 ありがとうございました。
それでは、ほぼ予定どおりに終了ということでございます。
本日は、これで閉会といたします。
どうもありがとうございました。