第1回 国の行政機関における障害者雇用の推進に向けた専門家会議 議事要旨

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課地域就労支援室

日時

平成30年12月18日(火)13:30~15:30

場所

厚生労働省 職業安定局 第1・第2会議室(中央合同庁舎5号館12階)

議事の内容

専門アドバイザーから、各府省に対する支援状況と今後の支援における課題等について報告をいただいた後、障害者団体の代表者を交え意見交換を行った。主な発言の要旨は以下のとおり。(:専門アドバイザー ●:障害者団体代表者)
 

発言要旨

<各府省に対する助言の状況について>

 助言を行った省庁の姿勢から、事態を変えようとする強い意気込みを感じた。
 継続した支援が必要であり、省庁側からも継続支援を求められている。
 職場実習として、支援機関や訓練機関、当事者が一緒に職場を回り、障害者のための業務の選定の状況を見せてもらい、障害者目線で確認をした結果、うまくいっている事例がある。
 研修を受けても理解が深まるのは一部であり、職場実習などで障害者と一緒に仕事をしながら、一緒に理解しながら進めて行くのが一番よいだろうと省庁に助言をしている。職場実習を通じ、相互の理解を深め、具体的な雇用へのステップ、配慮事項なども見えてくる、また、定着という意味でも重要であるということを伝えている。
 ある省庁では、障害者の採用から定着までの取組のロードマップを作る支援を行った。月別に、いつ、何を、どうやるか、細かく提案をし、その進捗に合わせて支援をしている。
 もう少し、専門アドバイザーをより実践的な、実のある使い方をしてほしいと思う。
 ここ数ヶ月のアドバイザーの支援の方向は適切だと感じており、違和感はない。
 当事者団体として、専門アドバイザーは中央省庁に採用された障害者が明るく楽しく働ける環境作り、働き方のサポートの立場にいることを強く自覚すべきと思っている。
 状況により、専門アドバイザーから各省庁に出かけて、足りないところを明確にしていくようなシステムを考えられないか。
<受入体制全般について>

 民間企業への支援の経験からいうと、人事当局が採用方針を出すだけではなく、トップが理解し、どのような指示を出していくのかが重要。また、現場がどう考えるのかも重要だと考える。
 雇用管理体制を整備したとしてもそれを推進するのは人であり、人の意識をまとめ上げ、一体感をもって推進していくことが重要。省庁でも情熱を持って取り組んで欲しいと思っている。
○ 障害者は自分達が「どの様に見られているか」「どの様に扱われているか」をとても気にする。障害者にしっかり仕事をしてもらう為には、「仲間として受け入れているという姿勢・体制」を最初の段階から見せる必要があると思う。
● 公的機関も、今回の事態をきっかけに、障害者との関わり方や働き方への理解など、やっとこれで動きだすな、という感じがしている。
● 各府省の障害者雇用の不足数を一挙に解消するのは難しいと思うが、この機会を逃さず、短期間で目標達成して欲しいと思っており、進捗状況について、府省ごとに折をみて報告してもらう機会があってもよいのではないか。
● この先の6ヶ月から1年ぐらいの期間において、障害者の採用数よりも障害者を採用したことについての成功体験を職場にどう残すのかが重要。数を求めて質がついていかないと、当事者からもいろいろな意見が出てくる。魅力ある職場にして欲しい。
● 精神障害や発達障害、知的障害については、都道府県で採用の実績が少ないところが多い。中央省庁で雇用し、定着が進めば、地方公共団体に良い影響を与えていくこともできる。
● 省庁ごとの仕事の特徴によって変わってくると思うが、非常勤職員から常勤職員へステップアップして本採用になる道筋について、それぞれの障害の方が省庁でどんな仕事をしていくかということも含めて見ていきたい。
● 現在の実態が不明では議論ができないので、省庁で既に雇用されている障害者がどれくらいいて、どのような合理的配慮がされてきたのか、実態が知りたい。
● 既に雇用されている障害者の中には、十分な配慮を受けられない人もいるはず。彼らが今回の問題をどう受け止めているかなどヒアリングを実施し、中途障害になった人への対応についても考えていく必要があるのではないか。
● 数は少なくても政策立案に携わる重度の障害者を着実に登用していくことも必要。そのことにより、社会的弱者の目線からの行政の質的変化を期待できる。
<業務の切り出しについて>

○ 障害者のための業務の切り出しの検討を行う際に、例えば職場において今は手がつけられなくて先送りになっている業務など、障害者にどのような仕事をして欲しいかという観点から検討をしてみるよう省庁に助言している。
○ 省庁には事務官だけではなく専門官職も多い。専門職を支えていく仕事をどう切り出すかということもキーポイントになるのではないか。
● 障害者は、例えば軽作業だけではなく、様々な仕事を担う可能性があるということを理解していただくことが大事。
<障害者雇用を進めるための支援策や支援機関について>

○ 障害者雇用は各個人別にきめ細かい対応を考えていかないとうまくいかない。厚労省や内閣人事局がこれまで実施した全体的な支援も効果はあったと思うが、今後はどうやって個々の障害者と個々の職場のマッチングを進めていくかについて考えていく必要がある。
○ 障害者雇用に関する各種の研修等に参加した省庁の人事担当者などが、その知見を省庁全体に対して伝達していくことが重要。
○ 厚労省において、各府省を対象に就労施設等の見学会を開催しているが、大きな見学会だけではなく、希望する時に少人数で行けることも、実があるのではないかと思う。
○ 省庁に対して、就労支援機関やハローワークとどのようにして連携していくかということを伝えていくことも大事。
○ 就労系障害福祉サービスの利用者を求職者としてハローワークに積極的に登録し、省庁へ情報提供していく取組が必要。
○ 省庁の中にどういう支援体制をつくるのかということ、どんな支援を個々の障害者に組み合わせていくかということが大事。
● 省庁内にどういった仕事があるのかが明確になれば、就労系障害福祉サービスの利用者からも省庁で仕事をしようという気になり、インセンティブが湧くのではないか。
 

照会先

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課地域就労支援室

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