2018年10月18日 第59回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会 議事録

日時

平成30年10月18日(木)14:30~15:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール13A

議事

 
○田中課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第59回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」を開会いたします。
委員の皆様には、お忙しい中お残りをいただきまして、まことにありがとうございます。
まず、本日の委員の出欠状況でございますが、五十嵐委員、大澤委員、駒村委員、鶴田委員、西澤委員、本田真由美委員から御欠席の御連絡をいただいております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、以降の議事進行につきましては千葉委員長にお願いいたします。
○千葉委員長 それではまず、資料の確認をお願いします。
○田中課長補佐 お手元の資料をごらんください。
1枚目、議事次第、2枚目、委員名簿、3枚目、座席表。
本体資料といたしまして、
資料1 患者からの申出等を起点とした指定難病に係る検討の進め方について
資料2-1 経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況
資料2-2 経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況(都道府県別)
資料2-3 経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況(疾患別)
参考資料1-1 患者からの申出等を起点とした指定難病に係る検討の進め方について(平成30年度8月9日第25回指定難病検討委員会資料)
参考資料1-2 新たな難病の医療提供体制のイメージ(全体像)
参考資料1-3 難病診療連携拠点病院指定状況及び難病診療分野別拠点病院指定状況
参考資料2-1 難病法の施行に伴う特定医療費の支給に係る経過措置について
参考資料2-2 軽症高額該当について
を御用意しております。不足等ございましたら、挙手をいただければと思います。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。
本日は、まず議事(1)として、第57回難病対策委員会において議論いただいた患者からの申出等を起点とした指定難病の検討の進め方について、第25回(平成30年8月9日)、第26回指定難病検討委員会(平成30年9月4日)における議論の結果も反映した最終案を事務局にて作成いただいていますので、まずその報告をしていただきます。
ではまず、資料1の「患者からの申出等を起点とした指定難病の検討の進め方について」、事務局から報告をお願いします。
○田中課長補佐 それでは、資料1をごらんください。まず、1枚おめくりをいただきまして、「患者からの申出等を起点とした指定難病に係る検討の進め方について」御説明をさせていただきます。
参考資料1-1、平成30年8月9日の指定難病検討委員会の資料がこの難病対策委員会で御議論いただいて指定難病検討委員会に提出させていただいた資料になっております。この資料をもとに指定難病検討委員会で御議論いただき、最終的にとりまとめたものが資料1ということになっております。
この中で、ここでとりまとめた項目に加えて、1ページの「1.患者本人は、診療情報提供書を持参し、難病診療連携拠点病院の外来を受診し、指定難病の追加について相談(申出)する」の2つ目の2行目、「申出時の患者本人の年齢は、申出の要件とはしない」というところと、4つ目、「厚生労働省は、患者からの申出等を起点とした指定難病に係る検討が円滑に進むよう、対象となる疾病の要件、申出に必要となる書類などの具体的な情報等をあらかじめ難病診療連携拠点病院等に広く情報提供するよう努める」というところが、まず1.のところで変更させていただいているところになります。
続きまして、同じ資料の2枚目をごらんいただいて、5のところですけれども、「指定難病の検討に資する情報の整理は、難治性疾患政策研究事業の研究班で行うこととし、1既存の関連研究班の対象疾病として追加する、 2新規研究班(患者申出を起点とした疾病に関する調査研究班(仮))を立ち上げる」というところについて、その下、「申出のあった各疾病について、主に、以下の情報を収集・整理することとする」という具体的な整理をする内容について明示させていただいております。
今申し上げた点が主な変更点となっております。こちらの変更点を踏まえて、3枚目にこの進め方についての簡単な略図を載せさせていただいておりますが、変更のあったところが、もともと出されていた資料では、四角の3というところ、図の真ん中、難病診療連携拠点病院と厚生労働省の真ん中に、診療情報提供書、チェックリスト等の情報を照会と、厚生労働省が照会となっていたところを、事前にチェックリストをこの拠点病院等に提示をし、このチェックリストなどの情報を確認・報告するという形で、矢印のところの文言を一部修正させていただいております。
おおむね変更点は、図については以上になります。こちらは指定難病検討委員会でも既に了承をいただいている内容でございまして、この内容で今後進めさせていただきたいと思います。
また、この申出をいつから始めるかというところについては、資料1の1枚目、「各都道府県の難病診療連携拠点病院の整備が概ねでき次第、申出の受付を開始する」というところは変更になっておりません。
難病診療連携拠点病院と分野別拠点病院の指定状況について、参考資料1-3に10月5日現在のものを添付させていただいております。こちらをおおむね47都道府県に整備ができ次第開始するということで、現在の情報について参考としてつけておりますので、御確認をいただければと思います。
議事(1)についての説明は以上になります。
○千葉委員長 ありがとうございました。患者からの申出等を起点とした指定難病に係る検討の進め方についてということでまとめていただきましたが、これは、今お話がありましたように、指定難病委員会でも検討いただいて、その御意見を入れた形できょう提出いただいているということですね。今までの議論の中で大きな変更点はないという理解でよろしいですよね。
○田中課長補佐 さようでございます。
○千葉委員長 文言の差とか、1の申出時の患者本人の年齢は申出の要件とはしないといったようなところが加わっているということでありますが、いかがでしょうか。
どうぞ。
○羽鳥委員 大筋はこれで結構だと思います。難病連携拠点病院は、47のうち幾つぐらい、できているのですか。
○田中課長補佐 1-3にございまして、現在、14都県でこちらの医療機関が指定されているところでございます。
○羽鳥委員 最終的に全部そろうのは大体いつごろで、特におくれている県は、医師会からもpushすべきところがあれば教えて下さい。
○田中課長補佐 済みません。特におくれているということについては、我々で把握はなかなか現在できていないのですが、今指定できていないところについてはぜひ御協力をいただきたいと思います。我々としては、今年度中に全ての都道府県で拠点病院がまず整備されることを目指して、現在、自治体、それから関係の医療機関に周知を進めているところでございます。なので、改めてまたこのリストをリバイスしていく上でぜひ御協力をいただければと考えております。
○千葉委員長 今年度中と。何か、ぱっと見て、まだ少ないなあという印象がありますので、いろいろ議論してきたところですので、ぜひよろしくお願いします。これが出てこないとなかなか、今の話も乗ってこないのですよね。
○田中課長補佐 おおむね整備ができ次第と記載させていただいておりますので、やはりこの整備が進むことがまず大前提と事務局も考えております。
○千葉委員長 よろしくお願いします。ほか、いかがでしょうか。
これは既に議論をしてきたところであって、大きな意見は一応出し尽くされたかなあと思っておりますが、よろしいですか。
(「はい」と声あり)
○千葉委員長 ありがとうございました。そうしたら、これはこれでお認めいただいたということで、話をぜひ進めていただきたいと。拠点病院の決定も含めてお願いしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、次に2つ目の議題に移りますが、議事(2)につきまして、資料2-1から2-3の「経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況」について、事務局から報告をお願いいたします。
○磯崎課長補佐 それでは、議事(2)「経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況」について御報告いたします。
まず、資料2-1「経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況」をごらんください。難病医療費助成に係る経過措置対象者の経過措置終了後の認定状況については、都道府県の協力を得て調査を行っておりまして、6月20日の難病対策委員会において暫定値として報告を行ったところでございます。今回6月20日の難病対策委員会で御報告させていただいた内容の精査に加えまして、疾患別の認定状況についても各都道府県に追加の調査を依頼し、とりまとめを行いました。
その結果、今回の調査においては、経過措置対象者約71.7万人の経過措置終了後の状況でございますが、約8割の方、約57万人の方は引き続き認定、残りの2割、約14.6万人の方については不認定もしくは申請なし等ということになっております。
不認定は約11.9%で、約8.6万人、申請なし等においては約8.5%で、約6.1万人となっております。
6月20日の本委員会において暫定値として御報告させていただいた結果と大きな変更はありませんが、前回調査結果と若干差があるところでございます。
前回の数値と異なった数値を提出してきた都道府県に対してその理由を照会したところ、まずは、前回の調査の際に保留中であった申請の審査結果を反映したことによるものです。また、前回調査の際の報告内容について、システム上の集計結果と突合するなどの再確認を実施したことによるという回答があったところでございます。
続きまして、資料2-2「経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況(都道府県別)」をごらんいただければと思います。
真ん中あたりにございます引き続き認定された方の割合についてでございますが、一番下にパーセンテージが書いてありますけれども、全国平均としては79.6%というところです。なお、最も高い割合のところが、宮城県で86.0%、最も低い割合のところが高知県で69.2%と、その差は全国平均からおおむね前後10%となっているところでございます。
難病の医療費助成につきましては、疾患ごとに同一の診断基準、重症度分類に基づきまして都道府県が認定を行っているところでございますが、やはり各都道府県において患者の偏在、具体的には、難病の患者様、難病自体がそもそも希少な疾病でございまして、同じ疾病の患者様や重症の患者様というのが各都道府県に均一に居住しているわけではないというようなこと、都道府県により各疾病の患者の状況が異なるということから、一定程度の差が生じるのはやむを得ないと認識しているところでございます。
続きまして資料2-3、「経過措置終了後の特定医療費の支給認定の状況(疾患別)」でございます。こちらも、真ん中あたりにございます引き続き認定された方の割合についてでございますが、疾病ごとに差があるところではございますが、難病法施行前の特定疾患治療研究事業においては、重症患者の方のみを医療費助成の対象としていた疾病もあれば、あるいは軽症患者の方も含めて医療費助成の対象としていた疾病もございまして、その基準は疾病によりさまざまだったということでございます。
一方、27年1月の難病法に基づきます医療費助成においては、全ての疾病に個々の特性に応じた重症度分類が設けられ、基本的に重症度分類を満たす患者を医療費助成の対象とすることになったことから、認定された方の割合について疾病ごとに差が発生することは当初より想定されていたものと考えております。
私のほうからは以上でございます。
○千葉委員長 認定から外れた方、あるいは申請をされなかった患者さんの比率をこのように都道府県別並びに疾患別で出していただいたというところです。
見ていただいてわかりますように、それぞれについて都道府県別で多少差があると、それから、疾患別でも差があるということでありますが、それについて、なぜなのかというところについて、大体といいますか、理由を少しお話をいただいたと思います。恐らくもう少し解析をするといろんなファクターが出てくるとは思いますが、今のところでそういう御報告でしたが、これにつきまして何か御意見、御質問等ありますでしょうか。
どうぞ。
○本間委員 あせび会の本間です。
事務局にお伺いしたいのですが、この疾患別の引き続き認定、それから不認定のこの数と率ですけれども、都道府県別に比べると相当疾患別にばらつきがありますよね。これは単にその数が少ない多いだけの問題なのか、それとも、これまでの認定の仕方にちょっと問題があったのかないのか、その辺、どのように見ればいいのでしょうか。
例えば一番数の多い潰瘍性大腸炎の場合、認定率が7割いっていないですよね。相当人数が多い割には7割いっていないというのは、不認定の数がかなりの数だと思いますけれども、例えばこれを見ると、こんなに減ってしまったのかなという感じ、率直なイメージを持つのですけれども、これはこれまでの認定の仕方に問題があったというか、なかったというか、その辺は何か考えられることありますか。その一方で、九十何%と高いのもありますよね。その辺です。
○田中課長補佐 先ほども少し事務局のほうからも御説明させていただいたのですけれども、もともと重症度分類が導入されていた疾病と、それから重傷度分類がもともとなくて、患者様全員が対象となっていた疾病があるかと思いますけれども、今、御指摘いただいた潰瘍性大腸炎については、治療法がよくなったということも一部あるのではないかと考えております。
○千葉委員長 これは私の専門領域であるのですけれども、ほとんど症状がなくなっている患者さんというのがかなりの率でいらっしゃいますね。ですから、結果的にはそういう方は外れているだろうなと思いますけれども、今お話あったように、もともとの重症度分類に非常に差があったというのは事実で、結構重症の方でないと助成がもらわれてなかった疾患から、その疾患だということになればほとんどの方が認められていたという疾患まであるので、そこら辺の差は間違いなく出ているのかなあと思いますけれどもね。
どうぞ。
○春名委員 高障求機構の春名です。
疾病によって不認定の割合が違うということについて、不認定が多い疾病というのは、治療法がうまくいって「難病対策から卒業」した患者さんが増えてきている疾病だとポジティブに解釈できるのか。それとも、まだまだ問題があるのに不認定になる認定上の問題があるのか。このことをやはり確認していただくことで、この不認定というのがネガティブなのかポジティブなのかということを解釈しやすくなるのではないかなと思います。
それと、都道府県別の違いというのも、単に統計的なばらつきなのか検定でもしていただければよいのかなと思いますけれども。例えば「申請なし」「不明」というのが明らかに多い都道府県もありますので、そういうところは周知が足りなかった可能性もあります。あと、「高額該当」と「重症度例の認定」の割合が全然違うとか、例えば愛知県とか山口県というのは軽症高額認定での割合がすごく高いだとか、そういうのも認定の仕方が随分違っているだろうなと。そういうところを標準化していく必要性もこの表では示されているのではないかと思いますので、その確認も必要かなと思います。
○千葉委員長 2つのポイントを御指摘いただいたと思いますけれども、この差が出てきたことについての解釈として、それぞれの重症度分類等々の問題なのか、あるいは認定の仕方の問題なのかというあたりの解析をもう少し進めていただいたらいかがかというのが最初の御指摘だったかと思います。
2つ目についてはそのようなことで、認定の問題点についてやはりきちっとしなければいけないよというお話だったと思いますが、この点いかがですかね。
○福永副委員長 さっき言われた重症度の重みづけがやはり疾患によって多少違うのではないかなと思います。このデータを元にして、それぞれの研究班というか、あれで、重症度の重みづけを公平にするような努力を今後していけたらいいのではないかと思います。
それから、ほかによろしいでしょうか。
○千葉委員長 どうぞ。
○福永副委員長 僕の感想ですけれども、2点述べたいと思います。
1つは、僕自身が難病相談支援センターの所長をしている関係上、各都道府県別の不認定率というのは非常に気になっていたのですね。僕はこのデータを見ていろんな捉え方があるかと思いますけれども、大体多くは12~14%の中に含まれているし、そういう意味では、もちろんばらつきは当然あることが予想されるわけですけれども、やはり指定医の研修とか講習を厚労省あるいは各都道府県でやったり、それから、その認定審査会が正しく機能している裏づけになっているのではないかとポジティブに評価したいなと思います。もちろん、疾患によって、各都道府県によって違いがあるから、必ずしも一定に収束することはあり得ないわけですから、それは致し方ないことかなあと思います。
それから2点目は、不認定の方々の取り扱いを含めて、現場では、担当の人たちは、クレームとか含めて、担当の医師もそうですけれども、やはり非常に苦労しているのではないかなあと思います。
この点に関しては、難病法の制定の最初のときにかなり議論したのですね。重症度分類を加えるかどうかについては。ただ、これは恐らく、ちょうど消費税の追い風があったということだったのですけれども、限られた予算の中で公平性を担保するという意味では、いろんな意味で多少重症度分類を加えることはやむを得ないのではないかなという議論で落ちついたように覚えています。
そういう中で、軽症高額の人たちは救済するとか、いろんなことを考えたように思います。ただ、同じ指定難病でありながら、そういうことで不認定になった方々にとっては恐らく納得できなかったり、あるいはいろんな問題もあると思いますので、この点に関してまた今後検討していくことではないかなと思っています。
以上です。
○千葉委員長 いかがですか。
今の問題は、先ほど御指摘あった大きく2つですね。都道府県別で指定難病患者さんに差があるのではないかという点と、それから、認可の制度といいますか、程度といいますか、そういったあたりに都道府県で差があるのではないかというこの2点がポイントになると思いますが、最初の点につきましては、厚労省のほうから多少御説明があったように、東京とか大阪とか大都会はやはり年齢層が若いですよね。そうすると、指定難病も若い方の指定難病の患者数がふえる。一方、地域に行きますと高齢者が罹患しやすい難病患者さんがふえるというところで、結局、このような助成の足切りをしたときに、そういう要素が都道府県で差が入ってくると。
例えば潰瘍性大腸炎なんかは若い人に多いですが、そういう人たちは多分都会に多いですね。それに対して難治性の神経疾患なんかも、若年の方もいらっしゃるし高齢の方もいらっしゃる。疾患によってちょっと年齢層に差がありますから、そういったところの差というのが出てきている可能性があるのではないかと、これは僕の類推ですけれども、思います。
それから、審査基準の差といいますか、そのようなことについては、専門医の先生方が非常にたくさんいらっしゃる都道府県とそうでないところで多少差が出てきたりするのかなあと。えてして、私たちの経験上も、専門医の方のほうがきちっと厳しくつけられたりすることもあったりするので、そういう差も多少あるかなあと思っておって、恐らくその両者がミクスチャーされたものがこの結果になって出てきているのかなと感じたのですけれども、そこら辺についてはぜひもう少し分析していただきたいなと思っております。ほか、何か。
どうぞ。
○森委員 JPA、森です。
今、御説明がありまして、パーセンテージにつきましては、単純に比較ができない、元のデータ自体の取り方も違うというところもあるかと思いますが、全体的に認定されている方が8割に満たないというところにつきまして、まず、かなり外された方が多いなという印象はやはり強く持っています。難病法となるときには、確かに公平性の観点等もあって、非常に多くの疾病が指定難病と認定されて、たくさんの患者さんが医療費助成を受けられることになったという点については、非常にこの難病法となってよかった点だと評価はしたいと思うのですけれども、一方で、この重症度分類が入ったところで、患者さん自体は、この難病法になるときに、多少の自己負担がふえたとしても、より多くの疾病も認めてほしいという思いは強くありましたし、重症度分類が入ることについてもある程度の理解はしたと思うのですけれども、実際に軽症となる基準がこんなに厳しいものだとは思っていなかったというのが正直なところだと思います。
実際、相談を受けていたりアンケートをとったりしましても、軽症となった後、入院をされて、申請がなかなかできなかったとか、どうすればいいのだろうという相談も来ておりますし、本当に軽症なのかという疑問が非常にあります。これは疾病によっても違いがあるかもしれませんけれども、そのあたりの検証をやはりしていく必要があるというところと、あと、申請をされていないところでは、やはり申請途中にも相談があったり、アンケートでも出ているのですけれども、その理由は、医師に臨床調査個人票を書いていただくお願いをしたときに、「認定される可能性が低いので無理でしょう」と言われたとか、「あなたは軽いから、もうメリットがないです」と言われ臨個票を書いていただけなかったというところもありまして、軽症高額の該当ということも考えられていないという点もありますし、制度そのものがよく理解できないとか、また、制度の手続が複雑で諦めてしまったという声も寄せられておりますので、そのあたりも、せっかくある制度ですし、きちんと活用できるように、やはりこちらも申請されていない方々の検証もしていきながら、よりよい制度にしていっていただきたいなと思います。この度の認定結果についてはびっくりしておりますし、私たちも、しっかりとこれはまた今後の見直しに向けても考えていかなくてはならないと思います。
○千葉委員長 ありがとうございます。今の点につきまして、厚労省のほう、何かございますでしょうか。
○川野難病対策課長 御意見をいただき、ありがとうございます。
重症度分類の話や、申請の際の指定医の話がございました。まず、指定医の関係で申し上げますと、いつも同じような御指摘をいただいていますが、確かに指定医の質をどう向上させていくか、しっかり制度を理解してもらうかということは重要なことだと思っております。
その意味で、これまでも、研究班にお願いして、学会を通じて経過措置や軽症高額などの制度の周知をさせていただいています。また、今後も、さらなる指定医の質の向上等のため、指定医の研修で利用できる共通のコンテンツを作成し、eラーニングで研修を受講できるシステムを導入していきたいと考えております。そのために必要な経費も来年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。このように、指定医の研修の充実に取り組んでいきたいと思っております。
重症度分類の話も、恐らくいろいろ議論はあろうかと思います。今はまさに重症度分類でそれぞれ疾病ごとに基準がつくられているわけですが、そのあたりの公平性の議論などいろいろ御指摘をいただいているところです。そういう意味では、今、研究班でもそうした重症度基準の公平性に関する研究を実施していただいているところでございます。また、先ほど見直しの話にも触れていただきましたが、今後予定されている難病法の5年後の見直し、もう少し先になるかもしれませんが、そうした中で、より適切な重症度分類にするために何ができるのかということについては、今、研究班でお願いしている専門家の先生方の御意見も伺いながら、また検討していきたいと思っております。
○千葉委員長 重症度分類といいますか、助成基準というものですね。これについてできるだけ患者さんにやさしい基準をつくってほしいという御意見だったと思いますし、先ほど私は、都道府県によって差があることの要素として、疾患構造が違うというお話をしましたが、もう一つは、その疾患構造が違う疾患ごとの重症度分類に差があるという前からの御指摘があって、確かにそのとおりでして、非常に軽いところの患者さんまで助成される疾患と、かなり重症でないとだめな疾患とがやはりあるわけでありまして、そこら辺については、一方で公平化ということは極めて重要だと思いますので、これは厚労省のほうでも研究班を立ち上げて、まさに今検討中であるというところですので、ぜひ是正されていくということを期待したいと思いますが、よろしいですか。
どうぞ。
○本間委員 あせび会の本間です。
事務局にもう一点伺いたいのですが、これはこれまでの経過措置終了者だけが、いわゆる56疾患だけですよね、対象者は。それで、難病法を制定したときから、もう330、対象がふえたわけです。言ってしまうと、新規の方々がどれぐらいふえてという全体像がわからないとなかなか、これだけ見ると、ただ単に減ったという、割とネガティブなイメージを我々患者会はどうしても持ってしまうのですけれども、そこまで含めた数字みたいなものというのは大体いつごろをめどにわかるものですか。
○川野難病対策課長 ありがとうございます。
今回の調査ではあくまで経過措置適用者の状況ということで、経過措置の方を対象に調査をしておりましたが、御指摘の法施行後の新規の医療費助成対象者の数について、今わかる範囲で申し上げたいと思います。、平成28年度の衛生行政報告例では、平成29年3月末時点の数字で、指定難病の医療受給者証をお持ちの方の人数が約98.6万人となっております。一方、今回の調査結果では、約71.7万人の方が経過措置の適用者ということでございます。この数字は平成29年12月末時点の数字ですので、時期が異なるため一概に比較できないかもしれませんが、単純に引き算をしますと、大体27万人ぐらいの方が難病法施行後に新たに医療費助成の認定を受けられた方になるのではないかと思っております。
○千葉委員長 そこら辺、全体合わせたデータというのが必要ですので、また機会のあるときにきちっと出していただいたらと思いますが。
どうぞ。
○羽鳥委員 済みません。こういう難病とか希少疾患の場合、専門の先生が地域で少ないということは当然あり得るかと思いますけれども、これから人口減社会というか、人口がどんどん減ってきて、一部の地域で人口が半分になってしまうような県も出てくるとすると、こういう今のようなシステムだと専門の先生もやはり少なくなるし、患者さんもより見つけるのは難しくなるかと思いますけれども、もっと広いエリアでブロック制とかそういうことは考えているでしょうか。
例えば心筋梗塞とか脳卒中みたいに二次医療圏で比較しなければいけないものもたくさんあるのはわかるのですけれども、こういう疾患については、例えば東北地区でブロックとしてみんなで見ていくとか、そういうことも必要なのではないかと思います。例えば先ほどの都道府県別の重症度分類を見ていても、重症度分類を満たす認定というのは、東京、神奈川、群馬などのいわゆる関東ブロックが非常に高いのに比べて、どういうわけかわかりませんけれども、愛知県が27と非常に低かったり、山口も低かったり、鹿児島も低かったりもありますし、これはだから、そうすると、人口別ではないと。疾病の重症度を見る先生たちの基準が1つ違うのかなとも思えるし、その隣の軽症高額者を見ると、例えば岩手とか秋田とか高知などが10%切っているから、これはもしかしたらまた別の理由かもしれないし、その一方で、ここでは愛知県が48.6%とダントツに高い、あるいは山口県が高いとか、何かやはりばらつきが大き過ぎるような気がするので、単なる人口モデルから類推できる数とちょっと違うのではないかと思うので、その辺の検討はやはりしっかりやっておいたほうがいいのではないかなと思います。
○千葉委員長 よろしいですね。この点は皆さんちょっと疑問に思われている点ですので、ぜひそこら辺のことも含めて検討いただけたらと思いますが、それでよろしいですね。
○磯崎課長補佐 済みません。1点だけ。軽症高額の数が高いところ、愛知と、山口と鹿児島ですけれども、こちらについては、まずは重症度分類を審査してから、その重症度分類で外れた方は軽症高額を見るというのが基本スタイルの審査方法ではありますけれども、この3県、異常に高かったものですから、ちょっと確認したところ、事務処理の関係や医療受給者証をなるべく早く出したいという観点もございまして、まずは軽症高額の審査を先にやっているということでございますので、ここの軽症高額の数の中にはその重症度分類に該当する方も含まれているということでございました。
○千葉委員長 重なっているということですね。
○羽鳥委員 では、途中経過として、最終的な本物の結果はもうちょっと違うものが出てくると、待っていれば出てくるということでよろしいでしょうか。
○千葉委員長 都道府県による差というのがやはりいろんなところで出てきているということですが。
もう時間も押し迫りましたので、あと、このデータを出していただくというのは、そもそも患者会の代表の方々から提供の御要望があったということでありましたけれども、患者会としては、今回のあれ以外に、何か御要望といいますか、このデータということについてございますでしょうか。
○森委員 ありがとうございます。
やはりより詳しくはっきり出していただけたことでさらに、なぜなのかというところを私たちも、また患者さんの声や疾病団体の声なども聞きながらちょっと考えてみたいと思います。それが今後に生かせることかなと思っております。
あと1点、衛生行政統計のほうですか、以前から都道府県ごとの疾病別の数というのが出ていたかと思いますけれども、今こちらのほうの資料にはないわけですが、地域での難病対策を考えるときには、各都道府県での疾病の人数というのも必要かと思います。そこをまた出していただけるのかというところが1つお願いしたいと思います。
ただ、不認定になった方とか、細かなところまで全て出していくと、1人とか2人とかいうような、すぐに、誰かというのはわからないかとは思いますけれども、非常に慎重に取り扱わないといけないというところがあるかと思いますので、そのあたりも考慮しながら、受給者証の発行されているところというのは出てくるかと思いますので、ぜひ私たちも地域で住んでいる住民として難病対策を考えられるように資料はいただきたいなと思います。
○千葉委員長 どうぞ。
○竹内委員 疾患の重症度別で、不認定になったり、あるいは軽症、重症が出てくるのは、重症度判定のある疾患とその重症度判定の基準が非常に厳しいものと緩いものとがあるためかと思います。疾患によってこのような差が出てくるのは今のところやむを得ないですが、引き続き検証していただきたいと思います。また、病気がよくなって治療も要らなくなって不認定になった患者さんが何かをきっかけにしてまた再燃することがありますので、その手続が本当に適正かどうかということは調べていただきたいなと思いました。
それから、地域別については、各県の人口と年齢や流入、流出があるかもしれないので、先ほどブロック別というお話がありましたけれども、そのことも勘案して、もともとのこの疾患の数が本当に適正なのかどうなのかというところも調べていただきたい。人口の割にもともと認定されていた患者さんが多い県、逆に少ない県など、ばらつきはむしろ問題で、それは指定医と関係してくる可能性はあるかなと思いました。
○千葉委員長 竹内先生の御指摘、3点ございましたけれども、いずれも重要なポイントですので、この点については御検討していただくということと、森さんのお話について、できるだけデータは出してもらったほうがいいということで、都道府県ごとに疾患ごとのデータがというお話でしたけれども、森さん御自身が最後に御指摘になりましたように、これは1人とかいうような都道府県もありまして、先ほどから議論にあるように、個人が特定できないようにするという配慮が一方で非常に必要ですので、私、個人的にもその点については、データはできるだけ開示していただきたいですけれども、一方で慎重でなければならないということも思いますので、今の時点ではとりあえずこのぐらいのデータで出していただいて、データとしてはあるはずですから、今後そこのところはまた御検討いただくということでよろしいのではないかなあと思いますが、いかがでしょう。
○川野難病対策課長 今、森委員からお話しいただいたデータの件につきましては、今回は、都道府県に御協力いただいて提出いただいたものをとりまとめているということでございますが、都道府県別の疾患ごとの認定状況を見ますと、難病はやはり希少であるという特性がございますので、都道府県単位で分けて、さらに疾患別、さらに認定、不認定と分けてということになりますと、1桁の調査結果が数多く存在してくるということにもなりますし、そういう意味で、これを公表対象にすることはやはり個人の特定につながるおそれがあるという面もあります。
また、申請行為に対する「認定」、「不認定」ということで、個々人の権利利益に関する情報も含まれていますし、公表するという同意も得られていない中で、先ほどお話もありましたように、より一層慎重に取り扱う必要があることから、今回、公表しないということにしているところでございます。
さらに、一部の自治体から、公表に際しては個人が特定されないように配慮してほしいという申出もございましたので、そうしたことにも配慮して、今回このような形で対応させていただいているところでございます。
○千葉委員長 よろしいですね。
どうぞ。
○田中課長補佐 竹内委員のほうから、有病率とその人口の流入、それから年齢等の調整を行ってというお話があったのですが、今回の調査については経過措置の対象者ということで詳細を算出しているという点と、現在我々のほうで持っているデータベースについては、全ての患者様がなかなか入っていないという現状がございます。なので、今あるデータから各都道府県の有病率等を年齢調整をしても、正式なものが出てくるというのは、現在、非常に難しいというところをお答えさせていただきたい点と、それについては、やはり皆様にデータベースにきちんと登録していただくような、そういう方策は考えていくということは委員会の中でも御指摘をいただいたところでございますので、今後それに向けて事務局のほうではしっかりと考えてまいりたいと考えております。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。
それでは、今回出していただいたデータにつきましては、これは認めていただくとかそういうしろものではありませんけれども、今回のところはこのデータでもってディスカッションをしていただいたということでよろしいですね。
たくさんの御意見をいただきましたので、今回出していただいたデータにつきまして、いろんな観点から御検討をさらにいただいて、差があるところとか、そういったことについての問題点等々検討いただいた上で、改善点などの方向に向けて活用していただければと思います。ありがとうございました。
それでは、事務局からお願いいたします。
○田中課長補佐 委員の皆様、本日は長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。
次回の委員会の日程につきましては、決定次第御案内を申し上げます。
事務局からは以上になります。本日はどうもありがとうございました。
○千葉委員長 どうもありがとうございました。