第3回 副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会(議事録)

労働基準局監督課

日時

平成30年11月21日(水)9:00~11:00

場所

厚生労働省 共用第8会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館20階)

議題

・企業ヒアリングの結果について
・労使団体からのヒアリング
・その他(副業・兼業の現状に係る補足資料)

議事

 

○守島座長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第3回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を開催いたしたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、また朝早くからお集まりいただき、まことにありがとうございます。
 本日は、小畑先生、水島先生、石崎先生が御欠席でございます。
 本日は、事務局にて行いました企業へのヒアリング結果を事務局から紹介してもらった後、労使関係団体からヒアリングを行い、その後、意見交換をしたいと思います。
 まず、ヒアリングにお越しいただいた労使関係団体の方々を御紹介いたしたいと思います。
 日本労働組合総連合会総合労働局長の村上さん。
 日本労働組合総連合会雇用対策局長の漆原さん。
 日本経済団体連合会労働法制本部長の輪島さん。
 日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹の鈴木さん。
 よろしくお願いいたします。
 いらっしゃいませんけれども、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。資料について、事務局より説明をお願いいたしたいと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 今回の検討会もペーパーレスで行わせていただきますので、タブレットのほうを御覧ください。
 資料の御確認をお願いいたします。
 資料といたしましては、資料1から3です。
 資料1 副業・兼業に関する企業ヒアリング結果について
 資料2 副業・兼業の現状(前回からの追加)(複数就業者についての実態調査(JILPT調査))
 資料3 労働安全衛生法に基づく事業場における労働衛生管理(規模別)
 参考資料1 第2回検討会における委員の主なご意見
 その他、座席表がございます。
 うまく見られないなどございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
 次に、資料1の企業ヒアリング結果について御説明させていただきます。
 資料1を御覧ください。こちらにつきましては、10月から11月にかけまして、事務局のほうで企業11社にヒアリングを行ってまいりました。
 選定の方法といたしましては、副業・兼業に積極的だということで、報道などでお名前が出ている企業についてお願いをしたことと、前回の統計結果等でも小売業や飲食業などで副業をしている方が多くなっていましたので、それらの業界にヒアリングをお願いさせていただいたところでございます。
 大部になりますので、各社ごと、それぞれ資料の頭のところにあるポイントの御説明と、最後にある労働時間通算制度に対する御意見について、その2点に絞って御説明したいと思います。
 早速ですが、2ページを御覧ください。まずA社です。A社はサービス業(IT関係)の従業員2,000人程度の会社でございます。ポイントのところでございますが、仕事に対するモチベーションアップ、副業で得た知識を本業にフィードバックする、企業の魅力を高める等の理由で自社社員の副業を促進されています。
 適切な労働時間管理のために、他社に雇用される形態は不可とされていまして、この会社独自の取り組みとして法定時間外労働が本業、副業あわせて月80時間におさまるもののみ承認しているということでございます。
 3ページ、最後に5で労働時間通算に対する考えがございます。この会社ですが、通算規定があるので、制度の対象に雇用は含めなかったとのことでした。
 次のポツですが、仮に通算規定がなくなれば、制度の対象に雇用の副業も認めるかもしれない。しかし、現在自己申告させている健康管理時間、これは先ほど御説明した時間外月80時間と独自に設定しているものですけれども、それについて、副業も雇用となると、副業先に協力依頼をしなければならないことになり、確認が煩雑になるため認めない可能性もあるということをおっしゃっていました。
次がB社です。製造業、従業員4万3000人程度の会社でございます。
 ポイントといたしまして、イノベーションを創出するために副業・兼業を促進しています。副業をすることで自社にどのように貢献できるかを重視していまして、副業の内容を重視しているということでした。
対象者の範囲に限定はなくて、他社に雇用される形態も可能です。ただ、他社に先に雇用されている場合は、原則自社で雇用しないということでした。
 労働時間管理・健康管理は主に自己管理に任せているとのことです。
 おめくりいただきまして、5の基準法38条に対する考えですけれども、労働者保護の観点から通算規定の趣旨は理解できるが、企業が求めているのは、労働者本人のやりたい副業をかなえることであり、労働時間管理が足かせになることもある。通算規定によって、企業が副業解禁に二の足を踏むことにもなっており、今の状況が日本の力を高めるのか疑問とおっしゃっていました。
 次のポツですが、他社に雇用されている方で、現在自社で、請負で働いている方を雇用したいと思っても、通算規定があるので雇用できずにいるとのことでした。
 おめくりいただきまして、C社、銀行業で従業員2,500人程度の会社です。ポイントのところですけれども、働き方の多様化や魅力的な職場づくりを特に重視して副業・兼業を促進されています。
 ここは、1年更新の許可制ということで、競業避止等を除き業務内容に特段制限は設けていないということでした。ただ、他社に雇用される場合、自社に割増賃金が発生しないもののみ許可しているということで、月に1回、副業の労働時間(1か月の合計時間)とその内容を報告させているとのことでした。
 ここでポイントの2つ目の○に出てきた自社に割賃が発生しないもののみということですが、補足的に同じページの2のマル3を御覧ください。具体的には、2のマル3のaからcのようなもののみ許可しているということで、aのところですが、週間の所定勤務日数が4日以下のときに、自社の休日で兼業を行うときでございます。ただし、勤務日は週5日を上限としているとのことです。
 bですけれども、副業を行う週において、自社で所定外勤務を行わないとき。
 また、cですが、副業を行う週において、自社及び兼業先での実働時間の合計を1週間当たり40時間以下とするときということで制限を設けられておりました。
 8ページの5でございます。基本的には、本業の雇用主が副業先と合わせた責任(労働時間を合算しての割増賃金負担)を負うべきではないということをおっしゃっていました。また、実務的な観点からも、事業主を異にする場合は適用すべきではない。ただし、脱法目的で出向またはそれに準ずるような同一資本関係にある企業での兼業は通算することもあり得るのではないかともおっしゃっていました。
 割増賃金が雇用主の命令による過重労働の防止を目的とするのであれば、本人の希望により複数事業場で働く際に適用すべきではなく、過重労働防止の目的は、健康確保措置等で対応するほうがよいともおっしゃっていました。
 具体的に、実務上困難な理由として、1のマル1からマル5までおっしゃっていました。
 マル1ですけれども、副業者が数十人単位と多くなると、自己申告制での運用が非常に困難だとのことです。
 マル2ですが、本人の自己申告をしていただいても、それが正しいかどうか企業にとってはわからないということ。
 マル3ですが、フレックスタイム制や変形労働時間制等の対象者に対する割増賃金の計算方法がなかなか難しいということ。
 マル4ですが、副業先への労働時間等の確認も、個人情報保護法等の関連で、提出・受領ともに避けたい。
 マル5ですけれども、適切に管理するためには働いた直後に日々管理してもらうことが必要になりますけれども、それがなかなか困難だということをおっしゃっていました。
 続いて、2ですが、今、御説明したような、なかなか実務的に難しいことに対して、刑事罰の対象となり得る労働基準法の遵守が求められるのは、企業にとっても非常にハードルが高い。そのため、事業主間での労働時間の通算制度が維持されるのであれば、副業を解禁した場合でも、割増賃金が発生し得るような他社雇用型の副業は禁止する企業が主流になるのではないかとおっしゃっていました。
 続きまして、D社、情報通信業、従業員2万人程度の会社でございます。
 ポイントでございますが、事業環境の変化に対応するため、様々な働き方改革をされていますが、その一環として副業を導入されています。
 許可制で1年更新とのことでございます。この会社は、他社と雇用契約を締結するものは禁止ということです。
 副業の労働時間は、許可の際に認められる範囲か確認するのみであり、自己管理に委ねられているということでした。
 この許可の際に認められる範囲かということが、補足的に2のマル3なのですが、禁止する副業が中ほどにございますが、その2ポツ目の括弧のところです。週1~2日掛ける数時間や、土日どちらかのみぐらいのものを許可しているとのことでございました。
 次のページでございます。この会社の通算制度に対する考えでございますが、いろいろな働き方、例えばフレックスや短い時間の組み合わせがある中で、基準法38条は時代に合っていないとおっしゃっていました。出向など企業が関与するものは通算するべきだが、それ以外のものは通算すべきではないのではないかとのことです。
 通算した労働時間を把握することは非常に難しい。企業間の情報のやりとりの仕組みがあればまだよいが、それも人数がふえると対応が困難。自己申告だと正しく申告されるとは限らず、対応が困難。
 次のポツですが、健康管理の観点からは、労働時間で管理するのではなく、健康診断や医師の面談などで事後的に管理する仕組みのほうがよいのではないか。
 キャリア形成をする観点からは、より労働者が自立し、自己責任で副業を行うことも必要ではないかとのことでした。
 続きまして、E社でございます。電気機械器具製造業、従業員6,000人程度の会社です。
 ポイントとしましては、この会社は本業に役立てることという会社側と、労働者の自己実現という労働者本人の双方のための副業という位置づけだそうです。
 許可制であり、勤続3年以上を対象としている。副業の内容は問いませんけれども、他社に雇用される形態は不可とのことでした。
 副業の労働時間は、許可基準は明確にはないそうですけれども、申請時の確認のみで、基本的に自己管理だそうです。一方、健康管理の研修が義務づけられているとのことでした。
 補足的に、1のマル2ですけれども、副業・兼業の位置づけのところですが、先ほどの御説明のとおり、会社、労働者本人双方のためということなのですが、収入のためではないということを、明確にメッセージを出しているとのことでございました。
 次のページで、通算に対する考えでございます。労働時間管理はコストもかかるし、副業先の企業から情報をもらえるのかというリスクもあって、雇用の副業をさせるメリットとこれらのデメリットを比較した結果、デメリットのほうが多いので、許可しないこととした。副業先の労働時間を自己申告させた場合、自己申告が正しいのかという懸念や、正しくなかったときに自社がどこまで責任を負うのかという懸念があるとのことでした。
労働時間通算制度がなければ、雇用の副業も検討対象とはなるが、一方で自己を高めていくための副業を促進するためには内容の精査も必要となってくるし、自社の従業員が雇用の副業を望むのかどうかは不明とのことでございました。
 続きまして、F社、医薬品製造・販売の従業員5,000人程度の会社でございます。
 ポイントですけれども、社員の私生活上の活動を制限しないために、従前より許可制で認めてきたとのことです。
 現在は、キャリアアップやセカンドキャリア等のための多様な働き方の促進の一環との位置づけだそうです。
 副業・兼業先が雇用の場合、通算した労働時間が法定労働時間内におさまることが必要とのことでした。
 ここの部分について補足いたしますが、同じページの2のマル6でございます。2行目の後半からですけれども、兼業先での勤務時間と通算して法定労働時間を超える場合は申し出ることとなっており、その場合は、副業・兼業をやめるか、法定労働時間内におさまるように有休取得等をするといった運用をされているそうです。
 おめくりいただきまして、通算に対する考えでございます。労働者を幅広く保護するという観点からは、労働時間通算制度はやむを得ないものと考えているけれども、自社の自由な働き方の促進とは方向性が異なるとおっしゃっていました。今後、副業・兼業の場合の労働時間管理が厳格化するとなると、副業・兼業を禁止せざるを得なくなるかもしれないとのことです。
 また、グローバル企業とのことで、海外本社の指示で各国共通したシステムを使っているとのことで、通算した労働時間の管理では、自社で使用している勤怠システムでは対応できないといったこともおっしゃっておりました。
法律では、抽象的な義務付けにして、各社で労使の話し合いで社員のニーズに合わせられるような制度にしてほしいということもおっしゃっていました。
 続きまして、G社、ソフトウエア開発、運用、販売、従業員600人程度の会社です。
 ポイントのところですが、禁止すべきものだけを禁止するというスタンスから、副業は特段禁止すべきものではないので、禁止していないという位置づけだそうです。
 マル1にありますが、会社の資産を使う場合や、マル2のように他社に雇用される場合のみ申請が必要で、その他の副業については自由だとのことでした。
 副業が雇用の場合は、月1回、労働時間の報告を義務付けているそうです。
また、補足的に2のマル7ですけれども、対象者に対する健康管理の方法で、2行目ですが、ただし副業が雇用の場合は、7連続勤務は禁止されているとのことでございました。
 おめくりいただきまして、この会社の通算に対する考えです。1社で完結できる労働時間管理が望ましい。労働時間通算を行うと、副業を複数行う方もいて、どこの社がどのような義務を負うのかが不明確になるとおっしゃっていました。
 また、雇用契約の場合、労働時間管理が煩雑になるため、現場から、業務委託契約にしてほしいという要望があるけれども、業務内容上、下請法の観点からも難しいケースも多いということもおっしゃっていました。
 また、労働時間通算をする場合、企業の人事同士で調整することは難しく、自己申告によることになるが、本人が契約内容をしっかり理解していないことも多く、困難。また、本人が自己申告したくないこともあるといったこともおっしゃっていました。
 続きまして、労働時間を通算することで、本当に健康管理ができるのか。そもそも健康管理は本人で行うべきものであるし、健康を害するものは労働だけでなく、家庭生活のことも含め様々あるということをおっしゃっていました。
 続きまして、ここから先は、先ほど御説明しましたとおり、副業が実態として多い小売業や飲食業について、お話をお伺いしたところでございます。
 H社、小売業の従業員1万人程度、うちパート・アルバイト5,000人程度の会社でございます。
 ポイントとしては、限定正社員に限り、許可制で副業を認めているということでしたが、他社に雇用される形態は不可ということでした。
 ただ、現時点で対象者はいらっしゃらないそうで、今後個別に様々なことを相談していくということでございました。
 受け入れ側としての話ですけれども、副業先として、実態として掛け持ちをしている人はいるけれども、積極的な受け入れはしていないということでした。問題が出てくることがあれば、その都度、対応する予定ということをおっしゃっていました。
おめくりいただきまして、この会社の通算に対する考えでございます。雇用している方を守っていく立場としては、労働時間の通算もあるべき姿とは理解している。1社で働く場合に比べ、複数の事業場で働くことで長時間労働になると、さらに健康に影響を生じるだろうということでおっしゃっていました。
 ただ、通算して時間管理するのは実際上困難。特に人数が多いと管理は難しい。自己申告が正しいかわからない上、通算の考え方(労働時間数のカウントの仕方)が複雑過ぎる。シフト制などの場合、単純に自社内の労働時間管理だけでも難しいので、複数の企業になるとより難しいということもおっしゃっていました。
 企業間で労働時間数を共有するシステムや仕組みを構築することが課題だと思うけれども、企業間で考え方に差異があって、しっかり情報がもらえるのかどうかわからないということもおっしゃっていました。
 続きまして、I社、小売業、従業員55万人程度のうち、パートが40万人程度いらっしゃる企業です。
 ポイントとしては、正社員は副業が不可とのことでした。
 一方、パートについては、契約上合意できれば副業可能ということで、自社との契約が先でも他社の契約が先でもどちらでも可能とのことでした。
 許可制で、半年に1回、基準を満たしているかチェックしているということで、他社に雇用される形態も可能です。
 ただ、自社と副業先の労働時間を通算して1日8時間、週40時間の法定労働時間内におさまっていることが条件とのことでした。
 おめくりいただきまして、こういった取り組みをされている企業ですけれども、4の制度の利用実績、効果のところを御覧いただきますと、通算した労働時間が法定労働時間内になるよう設定しているので、余り副業・兼業者は多くない印象とのことでした。
 ほかの小売であれば、掛け持ちしてより長時間働いて稼ぐことができると言ってやめる人もいるということをおっしゃっていました。
 この会社の通算に対する考えですけれども、請負の場合は通算しなくてもいいけれども、同一事業主内で雇用の方と請負の方がいる場合、職場の理解を得にくい場合があるということをおっしゃっていました。
 また、労働者の安全を考えると、通算制度があることは望ましいけれども、自己申告では実施が困難ということで、毎日申告させるのが実務上困難であること、自己申告が正しいか確認できないということをおっしゃっていました。一方、副業・兼業者に対し、自社における労働時間数の証明書等を出すことも実務上負担が大きく、対応が困難だそうです。
 現状、契約の先後で見ることになっておりますけれども、それが実労働時間と合っていないこともある。例えば、朝、後から契約した企業で働く場合などがありますけれども、そういったことに関して問題があるのではないかとおっしゃっていました。
 副業は、本人の希望で働いていることから、通算して割増賃金の義務を負うことは、企業にとって負担が大き過ぎるため、せめて自己申告がない場合は、割増賃金の支払い義務は生じない、安全配慮義務もない等にすべきではないかとおっしゃっていました。
 続きまして、J社、飲食業、従業員3万7000人程度でうちアルバイトが3万3000人程度でございます。
 ポイントのところですが、正社員のみ就業規則上に、届出をして承認を受けた場合に限り兼業可の記載があるということですけれども、アルバイトには特段の記載はない。
 兼業は、会社が禁止しているわけではないけれども、雇用関係が発生する兼業についてはこれまで承認された事案はないということでした。
 また、受け入れ側として、アルバイトの掛け持ちはあることは把握しているけれども、具体的な人数等は、そこまでは把握できていませんということでございました。
 この会社の通算に対する考えでございますけれども、労働時間通算は、制度がある以上、遵守しなければいけないことは理解するけれども、実際には管理が困難。アルバイトに申告させるにしても、人数が非常に多いため実務が煩雑になること、また申告内容が適正なものかどうかなど課題が多いとのことでございました。
 続きまして、最後の企業でございます。K社、外食産業の企業でございますが、従業員8万5000人のうちパート・アルバイトが8万人程度ということでございます。
 ポイントとしましては、原則、自社の社員には副業は認めてないということでございました。理由としては、過重労働へつながる懸念があるためとのことです。
 一方、受け入れ側としては、人手不足の業界であり、副業先としての受け入れには積極的とのことではございます。
 ただ、5の通算に対する考えを御覧いただければと思いますけれども、社会保険の手続をする方については、本業の収入等の情報を把握することはあるけれども、本業の労働時間について把握することは困難だということをおっしゃっていました。自己申告については、それを客観的に裏づける手段やルールが整備されておらず、把握することが困難である。企業間の個人情報のやりとりについては、個人情報保護の観点から、困難となっている。グループ会社内以外の通算は難しいのではないかとのことです。
 兼業の数が多くなっている方や、様々な労働時間制で働く方もいらっしゃるので、労働時間通算を行うことは現実的には難しい。ただ、生活のために掛け持ちをしている方はいる。現状のまま推進するのであれば、時間通算はできないまでも、健康に大きな悪影響が出ていないよう、兼業することを申請させ、どのような労働時間制で働くのかということを社内で実態把握はしておくべきではないのか。あとは、実効性の高いルールの制定が望まれるということをおっしゃっていました。
 今、11社の御説明をしましたけれども、企業ヒアリングの結果についてまとめると、25ページのようなことになるのではないかと概要をつけており、上の枠ですけれども、副業・兼業を認める企業の中には、大きく2つの類型が見られます。
 まず、マル1として、自社社員に企業内だけでは身につけられない幅広い経験を身につけさせることによって、自社社員の人材の能力を高めて、企業として生産性の向上やイノベーションを進めていきたいという考え方。
もう一つは、マル2として、収入面や自己実現の観点から、労働者が希望することについて、「労働者の自由」を実現する観点から、法令遵守等の範囲内で認めようという考え方です。加えて、このような自由を認めることによって、労働者に魅力を感じてもらい、人材確保に役立てたいという考え方も見られました。
 また、副業・兼業の労務管理上の取り扱いが下の枠ですけれども、企業のほぼ全てに共通していたのが、副業・兼業先に雇用を認めていないということ、または時間通算の問題が生じないように、法定労働時間内の副業・兼業しか認めていないという取り扱いでございます。
 こうした取り扱いをする理由としましては、副業・兼業先に雇用を認め、かつ時間外労働を認めることとすると、労働基準法第38条を遵守した制度運営ができず、コンプライアンス上、実施できないということでございました。
 具体的には「日々の労働時間管理が実務上できない」ということや「労働者の申告に信頼性がない」こと、また「裁量労働、フレックスなど、様々な労働時間制度がある中で、実務ができない」といったものがございました。
 また、こうした労働時間通算の問題が運用可能な状況になれば、副業・兼業先に雇用を認めたり、他社雇用の労働者を受け入れたりすることができるようになると回答された企業もございました。
 企業ヒアリングの中で、副業・兼業に関する現行制度への意見要望を聞いたところ、労働者の健康確保などの観点から、副業・兼業者の労働時間通算が必要であることは、考え方としては理解できる。しかし、実務の取り扱いが困難なために対応ができないと感じているというお話がございました。
 資料1の説明は以上でございます。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明について質問や御意見がございましたら伺いたいと思います。
 どなたからでもどうぞ。
 
○松浦委員
 御説明ありがとうございました。
 最初に少し確認をしておきたいのですけれども、副業の法的な位置づけについてです。事例の中でやや違和感があったのが、イノベーションあるいは自己成長につながる副業のみを認めるというような企業がいくつかありました。例えば資料の11ページで、競業を避ける、本業を優先する、健康に支障を来さない、価値向上につながることの4つが対象者の義務として設定されています。
 このうち、競業を避ける、本業を優先する、健康に支障を来さないぐらいまでは、おそらく企業が介入できる範囲なのではないかと思うのですけれども。つまり、副業する時間というのは、基本的には自由時間のはずなので、そこで価値向上につながる副業しか認めないということを、企業がお願いすることはできても、ぎりぎりのところで本人がどうしても価値向上につながらない副業をやりたいと言って、競業を避ける、本業を優先する、健康に支障を来さないという条件はクリアしているということであれば、できるのではないかというのが私の理解なのです。そこがはっきりしないまま進めると、何となくもやもやしたままになるので、そこを最初に確認したいと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 私のほうで、わかる範囲で御紹介させていただきます。「柔軟な働き方に関する検討会」で御議論いただいて策定されている副業・兼業の促進に関するガイドラインにおいて、書いてございますが、裁判例などでは、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由だということで整理されています。各企業においてそれを制限することが許されるのは、労務提供上の支障となる場合、企業秘密が漏洩する場合、企業の名誉・信用を損なう場合や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合と考えられると整理されております。
 そういったことも含めて、モデル就業規則の改正がされまして、そこの中でも、同じような考え方で、副業・兼業の規定のところで、労働者が勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができると規定されています。次項で、労働者は前項の業務に従事するに当たっては、事前に会社に所定の届出を行うものとするとしています。さらに次項で、第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合は、会社はこれを禁止または制限することができるということで、先ほど御紹介したような労務提供上の支障がある場合、企業秘密が漏洩する場合、会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合ということで整理されているところかと思います。
 
○松浦委員
 ありがとうございます。
 ですから、価値向上につながることというのは、そこには入っていないわけですね。自由時間に価値向上につながる副業をするかどうかというのは、個人の自由なので、これはあくまでも企業ができればそうしてほしいという意味合いでしかないのではないかと思いました。
あと、先ほどの御説明の中で、競業を避けるというのと本業を優先するというのが入っているわけなのですけれども、健康に支障を来さないということが、価値向上につながることのカテゴリーに入るのか、もしくは、禁止するに値する理由たり得るのかというのは、気になったところです。
 以上です。ありがとうございます。
 
○守島座長
 ありがとうございました。ほかにどなたか。
 荒木先生。
 
○荒木委員
 ありがとうございました。
 質問というよりも、御報告を聞いて、2つ問題が生じかねないと思いました。
 一つは、通算制によりますと、法定時間内の副業・兼業あるいは労働時間規制がかからない非雇用の副業・兼業のみを認めるということになるわけです。
 非雇用なのか、あるいは雇用なのかは法的にかなり難しい判断が生ずる場合がある。それを本人の自己申告によらせると、英語で言うとミスクラシフィケーション、誤分類という事態を招きかねないというのが一つです。
 もう一つは、実効的な管理に関することで、労働時間についても自己申告によることが多い。その正確性は担保されるのか。これも自己申告によると正確性が担保できないのではないか。
 本人に雇用か否か、それから労働時間がどうなっているかということを自己申告に委ねた場合に二重に問題が生じるのではないかということを、多くの企業が懸念されているという状況がありましたので、実効的な規制をするという観点から、今後検討すべき課題が提起されていると受け取った次第です。
 以上です。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 島貫さん。
 
○島貫委員
 御報告ありがとうございました。
 確認なのですけれども、健康管理の問題を事前の予防措置として考えていくのか、実際に副業を始めてみて、支障を来したらそこで取りやめるという事後的な対応をするのかとか、いろいろ考え方があると思います。予防的な措置ということで言うと、健康に支障を来さないということを認めて、副業・兼業を始める場合に、時間以外の要件で事前の許可をするとかしないというものはあったのですか。
 具体的には、E社なのですけれども、ここでは健康に支障を来さないというのは時間で見ているのですか。それとも、何か時間以外の要件を課しているのでしょうか。
 
○岸田監督課長補佐
 E社につきましては、ポイントのところにもありますけれども、申請時に確認しているということなのですが、許可基準は具体的に何時間だとか何だとかいう一律な基準はないということで、申請が上がってきたときに、個々にそれを見て大丈夫かどうか判断しているということでしたので、本業のE社で働いている業務状況だとか、そういったことを一つ一つ見ているのかと思います。
 ですので、厳密な基準もないので、時間だけで見ているのか、それとも時間以外の要件はあるのか、それは具体的に何なのかについてはわからないというのがお答えになってしまって、申しわけありません。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 松浦委員、どうぞ。
 
○松浦委員
 質問というか確認なのですけれども、5ページで、5番の現在の労働時間通算に関する考えというところで、最後の2行、現在自社で、請負で働いている人を雇用したいと思っても、通算規定があるので、雇用できずにいるという御発言が紹介されているのですが、逆に言うと、通算規定がなければ、請負で働いている人を副業で雇用するということができることになって、そのときに、請負であれば、例えば今、指揮命令は直接できないといった規制があるわけですが、そういう規制がワークしなくなるということにならないのかなというのが1つ目の疑問です。
 ほかにも、8ページの労働時間通算に対する考えというところで、上から2行目以降の発言内容なのですが、事業主を異にする場合は適用すべきではない。ただし、脱法目的で出向またはそれに準ずるような同一資本関係にある企業での兼業は、通算することもあり得るのではないかという御発言があります。このような脱法目的として、どのようなパターンがあるのかということは、あらかじめ押さえておいたほうがよいと思います。ここでおっしゃっているのは、恐らく割増賃金を払いたくないがゆえに雇用を分けて、副業で雇用するというパターンかもしれないのですけれども、要は、先ほどの請負の話も含めて、副業が脱法行為につながり得るようなパターンがあるのであれば、留意しておいたほうがいいということです。
 長くなってしまいましたけれども、確認したかったのは、最初の5ページのところの、現在自社で、請負で働いている人を雇用したいと思っても、通算規定があるので雇用できずにいるという意味の趣旨がよくわからなかったので、これについて補足いただければと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 B社で聞いた話だったか、ほかの会社で聞いた話だったかあいまいになっているところもあるかもしれないのですけれども、こういった御発言は複数の会社で聞いたと思います。その趣旨としては、その本人も会社の中に入ってみんなと同じように働きたいといった要望があったりするということもおっしゃっていて、そのようなときに通算制度があると、別のところで働いている方について、後から雇用すると通算の規定がかかって、割増賃金を払ったりだとか、いろいろなことがあるので、その手続が煩雑になるので、そういうのは基本的にはしないこととしているということでした。
 
○松浦委員
 ありがとうございます。
 
○岸田監督課長補佐
 もう一つ、脱法目的という話でございましたけれども、これもほかの会社でも似たようなお話があったかと思いますが、松浦先生がおっしゃっていたとおり、通算の規定を逃れるために、わざわざ企業を分割して、別会社にするなどして、割増賃金を悪意をもって払わなくするというようなことはないようにしたほうがいいのではないかという御趣旨だったと思います。
 以上です。
 
○松浦委員
 ありがとうございます。
 
○守島座長
 ほかにどなたか。
 最後に2類型がありますね。この2類型というのは、くっきりと分かれていたものなのですか。それとも、企業によっては、両方という言い方がいいのかどうかはわかりませんが、両方の意図を持って、その辺の印象で構わないのですけれども、どうですか。
 
○岸田監督課長補佐
 くっきり分かれていたというよりも、若干グラデーションがあったという感じだと思います。
 例えば、C社で言うと、この会社はどちらに区分けするか結構難しいところかなと思っていて、C社の1のマル1、認めることとした理由のところにありますけれども、ここでイノベーションの創造・従業員の成長ということが掲げられていて、マル2で働き方の多様化・魅力的な職場づくり、マル3に自社人材の外部での活用・外部人材の確保ということを掲げていらっしゃいますけれども、お話を聞いていると、3つ掲げているけれども、マル2の多様な働き方や魅力的な職場づくりを通して採用をうまくやっていきたいとか、割とそういったことを中心に話されているような印象を受けました。
 ただ、そうは言っても、イノベーションにつながったらいいなとも思っていますということで、先ほど御紹介はしませんでしたけれども、8ページ、同じくC社の4で制度の利用実績、効果がございます。イノベーション創出やスキルアップの観点で実感している例はいまだないが、期待できそうな申請が複数あるといったこともおっしゃっていて、また働き方の多様化・魅力的な職場づくりについては従業員からの反応からすると一定の効果がある。その他、社外的なPRには相応に効果があるということで、マル1、マル2の2つの類型が重なっている会社もあるとは思います。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 荒木先生、どうぞ。
 
○荒木委員
 類型と言われると2つのタイプだと思うのですけれども、これは副業・兼業を認める目的というか理由に2つのものがあるということですから、双方を目的とした企業もあれば、1つを目的とした企業もあるということではないかというのが1点。
 松浦委員の御指摘とも関係しますけれども、前者、企業にとってイノベーションを高めるとか、そういう企業にとっての利益があるという目的は、従来の兼業・副業の許可制が可能だという中では、目的として正面から掲げられたのですけれども、今回のガイドラインのように、本来、所定時間外は労働者の活動は自由であるべき、2番目の目的を主に考えるべきであるということになってくると、前者のほうの目的というものから兼業・副業をコントロールできるのかということが今、問題となってきているということではないかと理解しました。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 どうぞ。
 
○武林委員
 全体的な調査をされた印象として伺いたいのですが、各企業がそれぞれの解釈の中でやっていらっしゃると思うのですけれども、その中で、安全配慮義務といいますか、健康に関して全体として、この各企業はどこまで御自分たちが責任を持つという認識のもとに、それぞれやられていたかということの印象といいますか、どこまで認識をされていたかということについて、もしわかれば教えていただきたいと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 全くの印象になってしまうかとは思いますけれども、法定労働時間内におさまるもののみ副業を認めるということなどが取り組みとして結構あったので、副業先の部分も含めて自社のところである程度、気をつけなければいけないという企業の高い意識を感じたと思います。
 また、自己管理に委ねているとされている企業であっても、始める前に研修を義務づけていたりとか、健康管理に限らず、いろいろな留意点を労働者に伝えるような努力をされている企業が、私どもが行った範囲内では多かったのかなという印象でございました。
 
○武林委員
 それと、ここに結構、事後的に健康管理みたいな言葉がよく出てきますが、その前提は、ある程度、全体を見た上で、何か起これば事後的にという文脈で出てきたという理解でいいですか。
 
○岸田監督課長補佐
 事後的にとおっしゃっているところでも、健康管理の面で何かあれば、産業医等にいつでも相談できるというような体制は組んでいるので大丈夫ではないかという御発言だったかと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 ほかにどなたか。よろしいですか。
 それでは、この企業ヒアリングについてはこれで終わらせていただいて、次に、今日来ていただいている2団体の方々のヒアリングに入りたいと思います。
 まず、日本労働組合総日本労働組合総連合会の村上さんからお願いいたしたいと思います。
 
○日本労働組合総連合会村上総合労働局長
 ありがとうございます。労働組合の連合で総合労働局長を務めております村上でございます。
 本日は、私どもの意見を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。
 1年前の昨年11月20日の「柔軟な働き方に関する検討会」においても同様の機会をいただいたところです。
 本日、お話しすることは、その際に述べたことと基本的には変わることはないということをあらかじめお断りしておきたいと存じます。
 まず、兼業・副業について、それを促進しようという流れがございますが、副業・兼業と本業が合わさることによって、長時間労働が発生しかねないという問題や、使用者の安全配慮義務の責任分担の問題、労災の認定や補償の問題、社会・労働保険の適用、在職中の秘密保持義務や競業避止義務など、多くの課題がございます。
 また、本日の企業ヒアリングの事例でも、様々な課題が指摘されているところでございます。
 一方、現実に副業・兼業されている方の中には、1つの勤務先の所得では不十分であるため、やむを得ず複数の仕事を掛け持ちされている方もいらっしゃいます。このような状況を踏まえれば、政府として労働者の副業・兼業をいたずらに後押しすべきものではないというのが基本的な考え方でございます。
 本日、御報告のありました企業ヒアリングの事例のように、労働者が仕事以外の多様な場を経験するということは、労働者の視野を広げ、能力を高めることにつながるものと考えております。
 ただし、それは必ずしも副業・兼業である必要はなく、ボランティア活動であったり、地域の活動や趣味や学び直しであってもよいのではないかと思います。
 そのような活動もできるだけの時間的、精神的、経済的なゆとりを確保できるようにすることが重要であると考えます。
 このような前提の上で、副業・兼業に関する制度を考える上で求められる点を何点か述べたいと思います。
 1点目は、副業・兼業を行う労働者像を的確に把握することが重要であるということです。冒頭にも述べましたが、高所得かつ専門的スキルを持つ人材だけではなくて、生活費の補塡のためにやむを得ず副業・兼業をせざるを得ない労働者も少なくありません。弱い立場の者の保護を図るという視点が必要だと考えます。
 連合として、副業・兼業に関するテーマについての調査は行っておりませんし、フルタイムで働いている労働者が副業・兼業を行う際に、何か障壁があるという声も、現在のところ、組織の中から特段浮かび上がってくるところではございません。むしろ、複数の職場で働かざるを得ない人たちの保護の問題を指摘する声は従前からあり、そういう観点から、労災などについて問題指摘をしてきたというのが実情でございます。
 2点目に、使用者による労働時間管理を徹底させるという点であります。本業と副業が合わさること、複数の仕事が合わさることによって、長時間労働が生じる問題があることから、使用者は私生活への過度な介入とならないように配慮しつつ、副業・兼業に関して労働時間を適切に把握し、労働基準法38条の労働時間通算規定などの現行の労働時間ルールを遵守すべきであるというのが基本的な考え方であります。
 また、ストレスチェックや健康診断、特殊健康診断の対象を選定するに当たっても、副業・兼業先における労働時間や就業環境などについても通算を行った上で、要件を満たす者について必要な措置を講じることが必要だと考えております。
 本日のヒアリング結果などにもございましたが、現在の労基法38条の通算規定を具体的にどのように考えるのかという点については、労基法の趣旨が、労働者が健康で安全に働く条件を確保するということにあることからすれば、異なる事業主の間での労働時間も当然に通算されるべきだと考えます。
 その具体的な通算のあり方や、通算した際の時間外労働に対する割増賃金の支払いをいずれの事業主が行うべきかという点などについては、私どもとして現時点においては固まった考え方を持っておりません。
 また、副業・兼業において、民間企業に雇用されている労働者がほかの企業で雇用される場合だけでなく、非常勤職員などの公務職場で働くケースなど、様々なケースがあることも念頭に置くことが必要かと考えます。
 その他の点といたしまして、ほかの審議会や検討会においても検討が行われておりますが、労災保険の給付基礎日額は合算すべきであると考えておりますし、労災認定における業務起因性についても複数の事業場での労働時間やエピソードの合算が必要だと考えます。
 さらに、多重就労における雇用保険、社会保険の適用などについても、労働者保護の点からは様々な課題があります。法や制度の趣旨に沿った形で、必要な保護が必要な労働者に及ぶようにすることが重要であると考えます。
 以上、簡単ではございますが、意見とさせていただきます。ありがとうございます。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 次に、日本経済団体連合会の輪島さんからお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
○日本経済団体連合会輪島労働法制本部長
 ありがとうございます。
 御紹介いただきました経団連の輪島でございます。本日は、このような機会を頂戴いたしまして、改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 本日、労働基準局長から私ども宛てに招待状というか招聘状をいただいておりまして、その中に、事業主を異にする場合の実効性のある労働時間管理のあり方を検討するに当たりと書いてございますので、基本的に、私どもは雇用足す雇用、雇用・雇用という観点でお話をさせていただくということで、御理解をいただければと思っております。
 まず、私どもの基本的な考え方でございます。副業・兼業について、一部の企業では認められているものの、多くの企業では、就業規則で職務専念義務を定め禁止をしているというのが現状だろうと理解しております。
 副業・兼業を通じた社員の能力開発、人材開発といったポジティブな側面もございますけれども、今、村上さんからも御指摘がございましたとおり、社会保険料や雇用保険料の負担や徴収、そして労働時間管理、災害補償における企業責任の範囲など、整理するべき課題は非常に多いのではないかと思っております。
 私どもは、経団連といたしまして、長時間労働の是正を重要課題に掲げて、働き方改革に取り組んでおります。こうした状況下で副業・兼業を推奨するということについて、やや抵抗があるということでございまして、今のところ、旗を振って推進する立場ではないと考えているところでございます。副業・兼業について、実態や課題を踏まえて慎重に検討することが必要ではないかと考えております。
 具体的に4点、申し上げておきたいと思います。
 まず、第1点目でございますが、副業・兼業の推進に当たって、企業としては、長時間労働のみならず、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務など様々な観点から懸念すべきことがまだまだ多いと思っているところでございます。
 2点目でございますが、労働時間について申し上げると、労基法38条、使用者には事業場を異にする場合であっても、労働時間を通算した就業時間の把握が義務づけられている。このように理解をしているところでありまして、企業はどこまで対応すれば、これらの就業時間の把握義務を履行したことになるのか。具体的には、労働者からの自己申告以外に把握方法が考えられるのかということを感じておりまして、本業にて、副業・兼業先の始業時刻を超えた時間の時間外命令が必要な場合に、当該時間外命令と副業先の就業義務はどちらが優先されるかということなど、明確にされていないと、現場は混乱をするのではないかと考えているところでございます。
 3点目ですが、割増賃金でございます。事業場を異にする場合の割増賃金は、契約が後の事業主負担というふうに理解をしておりますけれども、先ほどの企業ヒアリングの中でも御指摘がありましたが、日々管理していくことは極めて困難だというふうに考えているところでございまして、自己申告による場合に、さらに把握が難しいのではないかと考えております。
 加えて、企業と雇用関係にある場合、それ以外にも、雇用契約にないフリーランスの場合、3つ以上の仕事を掛け持ちするとか、様々なケースが想定されまして、企業の対応も、本業先の企業と副業先の企業では異なってくるため、ケースごとに対応が異なるという実態になるのではないかと考えております。
 最後に、4点目でございますが、2019年4月に施行されます改正労働基準法におきまして、特別条項における時間外労働について、単月では100時間未満、2ないし6か月平均80時間以内という規制が新たに設けられることになっておりまして、これらの規制についても、副業・兼業先と通算しなければならないということは、さきの9月7日に発出されました厚生労働省の通達でも、そういうふうな解釈が示されていると考えているところでありますので、冒頭に申し上げましたとおり、企業にとっては副業・兼業の導入によって長時間労働が懸念されるようなことでございますので、労働時間を削減し、過労死を防止するという法改正の理念に鑑みると、それを両立させるのは大変難しい状況ではないかと考えているところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 それでは、今のお二人の御発言について、質問等がございましたらお願いいたしたいと思います。
 私から、輪島さんにお伺いしたいのですけれども、一応、モデル就業規則みたいなものも新しいものになり、その中で、副業・兼業を許していくという方向性が示されているわけですけれども、その後、経団連の参加企業で動きがあったとか、新しい方向性があったとか、そういうふうなことは何かございますか。
 
○日本経済団体連合会輪島労働法制本部長
 ありがとうございます。
 私どもは様々な会合でお聞きをする機会がございまして、そういう意味では、今度のモデル就業規則の改定などを受けて、企業の関心は高い。従業員からも、自分のところで様々なスキルを持っているので、これを外で試してみたいとか、どれぐらい通用するのかとか、または新しい技術を世に広めたいとか、そのようなニーズがあって、できませんかとか、したいとか、そのようなことを人事のほうに問い合わせしてくるという話は少なからずあるようには聞いておりますけれども、まだ大きな流れというか、今、ありましたような様々な課題がありますので、そこが見えない中でどのようにするのかは戸惑いも多いし、今のところ整理がついていないという状況ではないかと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 村上さん、今の点について何かありますか。
 
○日本労働組合総連合会村上総合労働局長
 先ほど申し上げたのですが、余り積極的な御意見は伺ってはいないのですけれども、逆に、例えば物流関係の組合の皆さん、ドライバーの皆さんを組織しているところからは、安全への配慮ということから、副業・兼業というのはいたずらに促進しないでほしいという御意見を伺っているところです。
 産業によって異なるところはあるのかなと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 荒木先生、お願いします。
 
○荒木委員
 どうもありがとうございました。
 輪島さんにお聞きしたいのですけれども、今日の厚労省の方でのヒアリング結果は、最初のA社からG社は、むしろ積極的に副業・兼業を進めるという企業のヒアリング、それからH社以降は、パートやアルバイトの方も多いということで副業・兼業が多いのではないかと想定してのヒアリングでした。
 先ほど、村上さんの話の中でも、非常に高技能の方がイノベーションなどとも結びついて、企業・労働者双方にプラスになるような副業・兼業という類型もあるだろうけれども、収入が低いので掛け持ちで副業・兼業したいという方もいる。そういう2つの類型の御報告があったところなのです。
 使用者側からすると、この副業・兼業の捉え方、慎重な企業も多いということなのですけれども、今日のA~G社のような、イノベーションとか相互作用を期待しているような企業は、今後増えていくということなのか、こういう企業は割と特殊な、特定の業界の話なのか、その辺はどのように見ておられるかというのを教えていただけますか。
 
○日本経済団体連合会輪島労働法制本部長
 ありがとうございます。
 これも感覚的な問題で、先ほどの守島先生からの御質問と同じでございますけれども、IT系や、最先端ではないけれども大企業の組織の中で決められた仕事、しかし自分としてはスキルもあるし、こういうこともやってみたいということがなかなか今の職場ではできにくい環境というのもどうもあるようで、そのようなことも含めて総合的に、何か違うところで自分の力を試してみたいという御趣旨のように聞いていましたので、今後、増えていくのかというと、そこはまだよくわかりませんが、増える可能性はあると思います。
 ただ、先ほど村上さんもおっしゃったように、運輸会社とか鉄道会社など、むしろ現業系の企業の方とお話をすると、兼業・副業というところでいうと、かなり慎重な形で、短時間のアルバイトというような形で、足りない分のお小遣い稼ぎプラスアルファみたいなことになると、健康の関係や労働時間の関係などが気になるので、そのような会社からすると、厳格に考えるという風潮があるのではないかと思っています。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたかございませんか。
 どうぞ。
 
○荒木委員
 村上さんにお聞きしたいのですけれども、お話の中で、私生活への過度な介入にならないことを前提に通算制度をしっかりと健康確保のために行うべきではないかということなのですけれども、そうしますと、どのような制度によって、個人のプライバシーというものとバランスをとりながらの通算制度があり得るのか。何かお考えがあれば、お聞きしたいと思います。
 
○日本労働組合総連合会村上総合労働局長
 ありがとうございます。
 その点は、大変難しい問題だと思っております。ヒアリングの中でもありましたし、輪島さんからもございましたけれども、自己申告をどこまで考えるのかということは大変難しい問題だと思っております。
 自己管理や自己責任、自己申告に寄りかかった制度にするべきなのかどうかということには大変慎重な意見を持っておりまして、企業側からすると、どこで働いているかわからないではないかということは、確かにあるかもしれないのですけれども、申告しなかった場合に、労働者保護は外れてよいのかということについては大変慎重に考えておりまして、その点、具体的な制度設計については意見を持っているわけではございませんけれども、そういった点は、本当に慎重に検討いただきたいと考えております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 どうぞ。
 
○武林委員
 村上さんにもう一つ伺いたいのですけれども、先ほどお話の中で、労災についても複数職場の場合にはエピソードを足すようなことが必要だということがございました。
 何か具体的な事例あるいは考え方がもしあれば教えていただきたいと思います。
 
○日本労働組合総連合会漆原雇用対策局長
 御質問ありがとうございます。漆原のほうから回答させていただきます。
 例えばパワハラやセクハラなど、A事業所でこういうハラスメント行為を受けた、B事業所でこういうハラスメント行為を受けた、そういう具体的な事例を、労災を認定する際に、労働時間以外にも通算するということも必要なのではないかと思っております。
 あとは、例えば化学物質についても、安衛法の57条の2のSDSといったリスクアセスメント上の特化則や有機則以外のものも含め、ばく露している場合については、そういったことの通算も必要かと思います。
 いわゆる特殊健康診断にかからないようなところだけれども、副業先などでもばく露しているケースはひょっとしたらあるのかなと思っています。
 ただ、やはり一番多いのは、ハラスメントなどメンタルの面で、具体的事例を通算するということなのかなと思っています。
 
○守島座長
 ありがとうございました。ほかにどなたか。
 それでは、2団体からのヒアリングはこれで終わりにさせていただきたいと思います。
 労使関係団体の方々は、ここで御退席をなさいます。どうもありがとうございました。
 (労使関係団体退室)
 
○守島座長
 それでは、続きまして、本日御説明があった企業のヒアリング結果及び労使関係団体の御説明を踏まえて、委員の皆様から今後の検討に向けて御意見をお願いいたしたいと思います。
 松浦さん、どうぞ。
 
○松浦委員
 労働者側も経営側も、双方が副業に対して慎重な姿勢を示されているということを改めて確認し、今後の検討の難しさを改めて認識したという感想です。
 
○守島座長
 確かにそうですね。どちらもやりたくないと言っていましたね。
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 島貫委員。
 
○島貫委員
 最初に御報告いただいた企業ヒアリングのことも含めてということなのですけれども、まず、副業・兼業には健康管理の問題から、守秘義務や割増賃金など、いろいろな問題が絡み合っているとは思うのですけれども、一つ健康管理に関して、労働時間という要素をどのくらい条件に含めて考えるのか、今、答えがあるわけではないのですけれども、少し考えてみたいと個人的には思っています。
 つまり、健康管理というものをきちんとしていくために、労働時間で管理していくのか、労働時間と何かを組み合わせることによって総合的に考えていくのか。あるいは、場合によっては労働時間を考慮せずに、従業員に様々な研修を受けさせるとか、本人にきちんと自己申告というものに対してコミットさせて健康管理をしていくのか。そのあたりは論点になるかなと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 荒木先生。
 
○荒木委員
 今の島貫委員の発言に関連して、健康管理のためには、もちろん伝統的に1日8時間、かつては週48時間でしたけれども週40時間という労働時間の上限規制ももちろん健康のためということはありますけれども、むしろインターバル規制のような、ある仕事が終わってから、次の仕事を開始するまでの間隔、休息時間を確保するということがより直接的に効果的なのかもしれません。
 そうすると、労働時間の長さに着目するのも一つの方法かもしれませんけれども、副業・兼業している場合であっても、ある仕事が終わって、次の仕事を始めるまでの休息時間は確保しなさいというアプローチも選択肢の中にはあるのかなという気がいたしました。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 個人的な御意見で構わないのですけれども、その場合、どちらがインターバルをとらせる義務があるのでしょうか。雇用・雇用の場合、最初の雇用主か、それとも次の雇用主か。
 
○荒木委員
 これはどういう規制をするかによって、まだ日本はインターバル規制がありませんので、もしインターバル規制をやるとすれば、あるところで仕事が終わったら、その次の仕事を開始するときには、一定時間を置かない就業を命じられないということにならざるを得ないのかなと思います。
ただ、インターバル規制もいろいろな規制があります。例えばドイツでも、11時間の休息時間規制があります。でも、常にではなくて、ある場合に、11時間置けなかった場合には別の日にさらにもう少し長い休息時間を与えなさいというような一定の柔軟性のある休息時間制度もあるところであります。
 休息時間規制も非常に硬直的な考え方をすると、そもそも導入不可能だということにはなるのですけれども、原則的な考え方として、しっかり休息をとる。
 しかし、いろいろな事情があって、完全に11時間付与できない場合には、それを補償する別の措置をとるとか、そういう組み合わせの中での位置づけをしていけば、より休息時間制度もとり得ることができて、実際上もワーカブルなものになる。そういう中で捉えていくべき問題かもしれないと思いました。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 ほかにどなたか。
 今回のヒアリングで雇用以外のもののセカンドジョブというか副業・兼業であれば、多くの企業が認めておられたように思うのですけれども、その辺は、皆様方どうお感じになりましたか。ある意味では、その状況はどう法律でコントロールするのかという問題が出てきますけれども、一種の野放しにしてしまうと、現在、議論している健康の問題や労働時間の問題は、ある意味では別の枠組みに入ってしまうような感覚があるのです。
 どうぞ。
 
○荒木委員
 根本問題にかかわるのですけれども、そもそも労働者でない方については、労働時間規制はないわけでありまして、独立自営業者が何時間働いても国家は介入しないという問題が大前提としてあります。
 国民全ての健康が最優先ということであったら、独立自営業者であっても過度な就業活動は禁止すべきか、という問題があるのですが、そうは考えていないというのが大前提としてあります。
 そうすると、労働者については、恐らく指揮命令に服して労務を提供しなければいけないということに鑑みて、国家が労働時間規制をしているのだと思われます。
 これからいろいろな働き方がふえてきて、雇用と非雇用の中間的な就業、まさに多様な就業形態がふえてきているという中で、それらの中間的な人たちについてどのようなアプローチをするかという根本問題につながってくるのですけれども、健康問題ということは全ての国民に共通なのに、しかしそこで法が介入するところには、一定の限界があるということは一方で踏まえながら議論すべきだろうと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかの方はいかがですか。
 松浦委員、お願いいたします。
 
○松浦委員
 ここで議論している副業というのは、基本的に本人が希望してやる副業であって、最初に雇用された企業としては、むしろ労働者に対して休息を与えているのに、その休息時間に本人の希望で副業しているということに対して、先に雇用された企業が、例えば結果として健康を害したときに責任を負うというのが、ロジックとしてなかなか難しいという印象があります。
 ヒアリングの企業の中でも出ていましたけれども、与えている休息時間に、例えば過度な運動をして健康を害するということと、自由な時間に副業をして、健康を害するということと、その境目は何なのかなというのがまだ整理し切れていないところがございます。
 まとまりがなくて済みません。
 
○守島座長
 どうぞ。
 
○武林委員
 時間と健康との関係は、そんなに多様なデータがあるわけではなくて、恐らく余り兼業・副業を前提としていない中で、大きく見れば100時間を超えるといろいろなリスクがあるということが大もとの議論だろうと思います。
 そういう意味では、この議論で異なる仕事をしていてどうなのかということは恐らくよりどころは余りないのだと思うのです。ですから、その中で決めていかなければいけないということでありますので、プラスアルファで何かできるかという側面をどう考えるかは、結構難しいなと思います。
 もう一つ、むしろ教えていただきたいのが、同じ雇用で働いている人の中でも、裁量を持って比較的自由に働ける人と、完全に給与も含めて時間の中で働いている人がいた場合に、いわゆる裁量労働と言われているような働き方と、かなり自由度は違うと思いますが、最終的には、事業者は裁量であってもある程度、時間の把握はきちんとして、その中で長時間も見ていくということなのだろうと思います。先ほどから出てきているような長時間という議論が、やむを得ず働いている人であっても、自分の意思で裁量を持って働くのか、それともかなりコントロールされている中で働くのかによって、健康への影響はかなり違うと思うのです。
 そこが、いわゆる基準法の枠の中で、健康管理としてそこをどう突き合わせるかという観点は、プラスアルファを考える部分では多少整理をしていただいて、その上で考えていかないといけないのかなという気がしましたので、そこをどう考えたらいいのか。私は素人なので、整理をいただければと思いました。
 
○守島座長
 田中審議官、どうぞ。
 
○田中審議官
 今の御指摘で、どちらの方向に行くのかという話だと思うのですけれども、今回の働き方改革の法案におきましては、安全衛生法を改正しまして、これまでは労働時間管理のときに、自主申告ベースの管理でよかった裁量労働者あるいは管理監督者といった方についても、労働安全衛生法で客観的な労働時間管理の対象として、事業主に労働時間の状況の把握を義務づけるという方向性で改正をして、今後施行していく。事業主の方には、そういった方々も含めて、労働時間の状況をちゃんと把握していただく。
 これは何のためかというと、その方々が、先ほど労働者とそうでない方の健康管理に対する違いが荒木先生からありましたけれども、そういった方々も、要は労働者であることには間違いないわけで、労働者の健康管理という観点から、労働時間の状況を把握するという方向に進んだということであります。
 それから、今回創設する高プロにつきましても、これについては労働時間という概念ではありませんけれども、それと非常に近い概念であります健康管理時間というものを別途把握して、それによって健康管理の基本的なベースとしていくということでございます。
 もちろん労働時間管理だけではなくて、労働時間管理の中で長時間の労働あるいは健康管理時間が長時間になったような場合に、医師の面談ということに進み、その判断に基づいて、事業主が必要な就業上の措置をするというふうに、より一般的な仕組みから個別の労働者に焦点を当てた管理へと移行しながら、最悪の結果が起こらないように、何とか把握し、管理していくという方向になっております。
 そういった方向性の中で、兼業・副業、同じ労働者ということで2つの身分を持つ方について、どのように健康管理をしていったらいいかということであります。
 そのときに、裁量性とパラレルな問題として、松浦先生もおっしゃったような自己の選択がある。2つ目の企業に雇われて働くということについては、自己の選択があるということでありますけれども、労働者というのは、労働に入るときにはいずれにしても何らかの選択があるわけですが、選択をした後、どのような状況になっているかによって、健康管理のあり方が変わるのかなと思っております。
 労働者と一つの事業主という2者関係であれば、単純な指揮命令関係のもとでの健康管理という問題になりますけれども、複数の事業者、それもお互いに資本関係等がない独立した事業主2つ、3つと労働者の関係の中で、どのように今のような問題を考えていくかということ。
 少し応用問題ということと、新たな論点が幾つか出てくるのではないかと思いますけれども、そういったものを整理しつつ、議論していくのではないかと私どもとしては思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 荒木先生、お願いします。
 
○荒木委員
 武林先生と田中審議官の議論を少し続けますと、所定労働時間が決まっている場合、そのとおりに働けば、通算して把握することもできるということなのですけれども、難しいのは、裁量労働の場合、それからフレックスタイムもそうですけれども、始終業時刻を労働者自身が裁量的に決められるということになりますと、決まった所定労働時間がない。
 そうすると、前の事業所で一体今日は何時間働いてきたのかがその日によって変わるという働き方が、今の労働基準法上も認められているわけです。その場合に、通算制度というものをどうするのか。
 実は、昭和22年に労働基準法ができたときは、フレックスタイム制も裁量労働制もありませんでした。当時は、4週間単位の変形労働時間制で、労働時間の配分はあらかじめ特定していなければいけないという制度しかなかったのです。そのときであれば、通算制も、やろうと思えば所定はわかっているからということでできたかもしれませんが、今は個人の裁量によって始終業時刻も選べる労働時間制度も導入しているという中で、この通算制を昭和22年と同じように議論できるのかというと、もう一つ難しい課題が提起されていると思いました。
 それから、海外の状況もよく調査していきたいと思うのですけれども、基本的に、日本のように時間外労働が当たり前の国は少ないわけで、所定労働時間が決まっていて、基本、残業はしない。もちろん残業はあるのですけれども、それにしても日本のように多くはないとすると、日本の場合、これから残業を減らしていくとはいえ、もとの事業場での残業もある中での副業・兼業における時間通算をどう捉えるか。その問題も日本の場合は考えなければいけないと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 先ほど、田中審議官が労働時間を自己申告以外のもうちょっと客観的な方向で把握していくような方向に移っているという話がありまして、それは高プロなどを入れる中で、一種の条件として入っているのだと思いますけれども、そういう議論をこの中でもしていったほうがいいのですか。
 どうぞ。
 
○田中審議官
 先ほど、1つの事業主と1人の労働者の2者関係であれば、そこでしか働いていないということで、働いている状況を事業主が客観的に把握していくというのは、様々技術的な課題はいろいろとあるのですけれども、当たり前だと。それは誰も大きな異論はないし、技術的な困難性を除いて言えば、総論としては大きな異論はないし、労働者にとっても、事業主は労働者がそこで働いていること自体は知っているわけですから、それについて労働時間の状況を把握されることについて、大きな抵抗感はないわけです。
 ただ、先ほども村上さんから話がありましたように、他社で働いていることについては、その事実自体も秘匿したいということもあります。いわゆる働いている本業の事業主に対する労働者のプライバシーに関する問題でもあります。
 今回、安全衛生法で労働者の心身の状況についての情報の取り扱いについて、労働者のプライバシーを保護するという方向での新たな規定を設け、事業主に対する指針も提示させていただきましたけれども、こういった話は労働時間や他の就業状態をどこまで本業の事業主が把握するかということとも密接にかかわってまいります。
 したがいまして、同じ労働者の保護ということを考えるベースであっても、この問題はプライバシーの保護と労働者の健康の保護、また健康の確保の責任という問題がどうしてもぶつかってきてしまうもので、その保護の観点がぶつかる部分の調整をしなければいけない。
そのときに、調整の一つの方法として自主申告ということがあるのですけれども、その内容の不確実性という問題が逆に出てくるということであります。
 恐らく今回のヒアリングでも同じように出てきたように、問題の所在自体はこのような形で説明はできるのですけれども、解決方法については、労使からも具体的な解決方法が提案されている状況ではありません。事務局としても、様々な知恵を働かせながら、解決案というか方向性を見出していきたいと思っておりますけれども、先生方のお知恵をぜひお借りしたいところでございます。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 それでは、松浦委員。
 
○松浦委員
 健康確保について、もし規制をするということになったときに、どういう規制のあり方があり得るのかということなのですが、例えば今、副業を禁止できるものとして、先ほどの競合禁止等の幾つか要件が並べられていますけれども、あれもガイドラインにすぎないのですよね。法律で決まっているわけではなくて、ガイドラインで判例の内容が示されているということだと理解しております。そこで、例えばそのガイドラインに健康を害する場合を禁止項目に追加するようなことも考えられますが、労働者保護という観点からすると、もうちょっと踏み込んだ労働安全衛生上の規制が必要になってくるのかもしれません。落としどころがまだよく見えないところかと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 事務局で、現状の整理の補足をさせていただきます。
 先ほど、モデル就業規則の御紹介をしたのですけれども、その中で、禁止または制限できる場合として、「労務提供上の支障がある場合」というのがあるとお話ししました。モデル就業規則の解説部分には、長時間労働など労働者の健康に影響が生じるおそれがある場合は、3項1号の「労務提供上の支障がある場合」に含まれると考えると、既にそういった考え方自体はお示ししているところでございますので、少しだけ補足させていただきます。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 どうぞ。
 
○松浦委員
 補足なのですけれども、その労務提供上の支障がある場合に、禁止ができるということなのか、禁止しなければならないということではないのですね。
 
○岸田監督課長補佐
 現行のモデル就業規則では、禁止または制限することができるということで書いてございます。
 
○松浦委員
 そうなると、健康確保ができないということについては、禁止ができるという話ではなくて、規制するとすれば、禁止しなければいけないということになるのではないかと思うのです。
 そうすると、今までの禁止ができる要件の中に含まれるだけでは足りないということなのではないかと、今、お話を聞いていて思いました。ありがとうございます。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 雇用を認めていないというのが結構多かったように思うのです。企業ヒアリングもそうですし、お二人も基本的にはそこにつながっていく御発言でしたけれども、その点については、皆さん方はどうでしょうか。
 
○松浦委員
 それは、雇用を認めていないのがなぜかということですか。
 
○守島座長
 というか、それについて何らかの議論をすべきかという話です。
 
○松浦委員
 雇用・雇用の副業というのは、多分、特に低所得者の中ではそれなりにあると思うのです。例えばアルバイトで掛け持ちしているなどというケースに対して、企業もそこまでは関与していないということでしょう。ヒアリング事例の中でも、例えば短時間の人については認めているとか、パート・アルバイトについては許容しているという事例もありました。雇用・雇用ということに対して突き詰めると、そういう実態も含めて議論をしなければいけなくなります。もちろん複数のアルバイトみたいなことについても健康を害する可能性はあるわけで、それを回避できるのであれば、規制するほうが望ましいのでしょうけれども、一方で、むしろそういう働き方が必要な人にとって、そういう働き方がしにくくなるということになると本末転倒なので、雇用・雇用ということについて議論をするときに、低所得で複数掛け持ちしている人たちにどういう影響を及ぼすのかということに目配りする必要があるかと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかに、今の点でどなたか。
 荒木さん。
 
○荒木委員
 松浦先生の発言に関連して、恐らく収入が低いので副業・兼業したいという労働者は相当数おられると思います。その場合に、通算をするということになりますと、企業のほうではそもそも雇用・雇用は違法状態になりかねないので避けようと。現在はそのような態度をとられているというのはわかりました。
 もう一つの問題として、低所得であれば通算すると、8時間を超えたら割増賃金がもらえて、それはむしろ、そういう収入が欲しい労働者にとってはいいことではないかという見方も一つありますが、逆に雇用する側から言うと、既に6時間働いている人を4時間働かせようとすると、残りの2時間について割増賃金を払わなければいけないということになれば、副業させたとしても、時間外労働にならない人は雇うけれども、通算したら法定時間を超える人についてはコストがかかるから、むしろ雇わないということで、副業・兼業して収入を得たいという労働者の雇用をかえって阻害することになる、という両面があることも考えて議論すべき論点かと思いました。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 松浦委員。
 
○松浦委員
 ぱらぱらとまとまりのないことを申し上げて恐縮なのですけれども、そもそもどうして副業を拡大したいのかという政策の意図からすると、例えば一つの企業だけでは成長機会が制約されるから、ほかの企業でも成長機会を拡大できるようにしたほうがいいとか、あるいは、新規事業の創出のために別の企業の事業も経験したほうがいいとか、そういう話なのであれば、政策的意図の対象になる人にある程度、ターゲットを絞って、制度のつくりを考えるということもあるのかもしれないと思いました。
 要は、副業ということの全体像で捉えると、圧倒的多数は、所得が不足しているから働いている人たちが占めているのであって、全体としては少数派の成長機会を求めている人たちを念頭に置いた議論を全体に当てはめると、混乱するのではないかという気がしました。そうすると、ある程度、対象を絞って考えたほうが、まだ議論が成り立つのではないかと思いました。
 
○守島座長
 ありがとうございます。今の御意見はいかがですか。
 荒木さん、どうぞ。
 
○荒木委員
 低所得であるので副業・兼業で収入を補いたいという層と、今、とがったとおっしゃいましたけれども、イノベーションを求めるための異業種との交流とかそういう方、私は輪島さんの話を聞いて、もう一類型あるのかと思ったのは、企業内においては、必ずしもフィットしていない方が、異業種に兼業・副業することによって、こちらだと自分の能力が生かせると。そういう方には積極的に副業・兼業も勧めて、より能力の生かせる機会を探すのをむしろ禁止するのではなくて奨励する。そういうニーズを企業は考えておられるのかなということは感じたところで、そういう類型もあるのかなと思ったところでした。
 
○守島座長
 わかりました。
 ただ、収入が高い低いというのは、合算するという問題はあったとしても、割と客観的に把握をしやすいのですけれども、どういう意図で、例えば成長機会を求めてやっているのかどうかというのは、第三者的にはなかなか把握しにくい問題のように思いますので、そこのところをどうするかというのが一つ考えられる話なのかもしれません。
 
○松浦委員
 ありがとうございます。
 ですので、最終的に高度プロフェッショナル制度も、一定収入以上というような客観的基準に落ち着いたのだと思うのですけれども、おっしゃるとおり、政策の意図に合った対象なのかどうかということは、極めて質的な話なので、なかなか客観的には把握できないので、そこは外から把握できる基準に代替するしかないのかなと思います。
 先ほど荒木先生がおっしゃった社内でスキルを持て余していて活躍できないという人たちも、属性からすると、特に大企業の中高年以上の人たちだとすると、収入的にはある程度、一定水準以上に達している人が多く含まれるのではないかと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかに何か。
 どうぞ。
 
○田中審議官
 いろいろな副業・兼業を進めていくという視点はあるのですけれども、個々の労働者、それから労働者全体の労働生産性を上げていくということに、副業・兼業というのは何らか資するのではないかという点も大きな視点かと思います。
 働き方を変えていく中で、副業・兼業というものが極めて例外ではなくて、ある程度、存在する社会というのが、より労働生産性を高めて、また労働者がきちんと長い人生をキャリア形成していく上で、非常に有効なツールになるのではないかという視点が基本にあるのではないかと考えております。
 例えば、これまでメンバーシップ型雇用と言われていたものから、ジョブ型雇用ももう少し増やすべきではないかといった議論の中で、メンバーシップ型雇用であれば、一定の所定労働時間は決まっていても、何かがあれば、その人がその企業に属しているのだから、幾ら残業を指示しても、その指示に従うべきだという考え方が基本になろうかと思います。ジョブ型であれば、所定労働時間は基本として決まっていて、先ほども議論がありましたように、それ以外はどのように使うかは自由であり、それを雇用なりほかの生産活動あるいは生産活動以外の活動に使うことも自由だということの中で、所定労働時間以外の時間を単純にもとの企業の残業時間のために空けておくとかいうことではなくて、きっちりと計画的な考え方の中で、別の生産活動に従事するとか、能力開発をするとか、そういったところに向けていくことによって、全体の生産性の向上効果もあるのではないかと思っております。
 そういった大きな政策論とか方向性の中で、これまでやってこなかったような労務管理や技術的問題が大きいという指摘もございますので、そういったものを少しずつ解決していくという方向性ではないかと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
 
○富田総務課長
 事務局から続けて発言して申しわけありませんが、松浦先生のお話を聞いていて、1点、整理をしなければいけない部分があると思っていまして、ここで検討しているのは制度的な側面が一つあると思います。労働基準法上の通算のところをどうしていくのかというようなこともありますし、賃金の話をどうしていくのか。これは制度的なところで、そこは労働基準法という性格上、一律の規制なので、対象者によって分けるということがなかなか難しい側面があるということがある。
 一方で、ガイドラインといったものを別途、定めておりますけれども、これは必ずしも対象によって差をつけるということは別に禁止はしていなくて、企業の施策としてそれが正しいのかどうかといったことですから、そこはそこで議論ができて、このようなやり方があるのではないかということを推奨していくことは、厚労省としてもそういうことについては御意見を賜りたいと思っています。
 もう一つ着眼点として申し上げたいのは、先ほどの低収入、高所得などということもございますし、輪島さんから業種の話もございましたが、今、人生100年時代ということを議論しておりまして、高齢者の方がどんどん増えてきていて、活躍の場を与えていかなければいけない。60歳からいきなり次の仕事にぽんと行くよりは、もっと早い段階から準備をしていく必要がある。その観点で、副業・兼業といったものが一つのキャリアチェンジを図る前段階としての準備期間として活用できる部分もある。そういう議論も、政府の別の会議体では議論しているところもございますので、そういう観点で、制度面の話、それからガイドラインやほかの手法で進めていくにはどうしていくかという両方の観点からも御議論いただければと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 松浦委員。
 
○松浦委員
 ありがとうございます。
 そうしたら、全層を対象ということを念頭に置くとすると、副業による労働時間通算管理というのを余り厳しくしてしまうと、むしろ今、ある程度自由に認められている低所得者の副業にも思わぬ影響が及ぶ可能性があることには留意する必要があると思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。ほかにどなたか。
 規制を強化すると、低所得の方々に何らかのマイナスの便益があるということと、もう一つ、私が危惧をしているのは、逆に余り強い現在の38条みたいな規制をやってしまうと、非雇用のいわゆる業務委託的な兼業が、実際にはそれが一般的なものになってしまって、そうなると、先ほどの議論もありましたけれども、全く法律の規制の範囲外でいろいろなことが起こってしまう。そして、健康確保という議論も、そうなってくるとなかなか難しい。何となくそんな未来が見えるような感じもするので、その辺のところもどこかで一度、考えたほうがいいかなという感じがします。
 ほかによろしいですか。
 それでは、そろそろ時間なので、最後に事務局からありますか。
 
○岸田監督課長補佐
 前回の検討会の御意見を踏まえた追加資料について、時間も少ないので簡単に御紹介だけさせていただければと思います。
 資料2と資料3を続けて御紹介いたします。
 まず、資料2ですけれども、副業・兼業の現状で、前回御紹介したJILPTの調査につきまして、追加の分析をすべきとの御意見をいただきましたので、作成致しました。
 おめくりいただきまして、1ページと2ページのところなのですけれども、副業の理由について、本業の月収別で見るべきではないかという御意見をいただきまして、1ページのところが雇用以外の方も含む場合、2ページが雇用の方だけに限った場合ということでお示ししております。
 いずれの場合にいたしましても、本業の月収に関わらず、収入を増やしたいからという理由で働いていらっしゃる方が多いという現状でございました。ただ、本業の月収が高くなると、自分が活躍できる場を広げたいからという理由についても増えているような状況でございました。
 3ページですけれども、副業している理由につきまして、副業の数で見ているものでございます。副業の数を1つ、2つ、3つ以上で区切っておりますけれども、いずれの場合であっても、収入を増やしたいからとか、1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体できないからという理由が多い状況です。
 続きまして、4ページから5ページにかけまして、本業の収入と副業の数と副業をしている理由の最も当てはまるものについて三重クロスをしております。いずれの場合についても、収入を増やしたいから等の理由が多いのですけれども、月収が高くなるにつれて、自分が活躍できる場を広げたいという理由が多くなっているような状況でございました。
 6ページで、労働時間と月収の関係を見たものでございますけれども、前回の御紹介で、本業の月収が高いほど、合算した時間が長くなっているような状況を御説明しましたが、副業の数ごとで分けるべきではないかという御指摘もございましたのでそちらを見ております。
まず、6ページが副業1つの方につきまして、本業の月収と本業、副業を合計した実労働時間を見ておりますが、全体の場合と同じように、本業の月収が高いほど通算した実労働時間が長くなっている傾向がございます。
 2つ目が7ページにございますが、副業2つの方についても同じような傾向が見られるところでございます。
 続きまして、8ページでございますが、こちらは母数が少なくなっているところに留意が必要かと思いますけれども、副業が3つになりますと、比較的本業の月収が少ないところから、通算した実労働時間が長くなっている傾向がございますので、こちらを御紹介させていただきます。
 9ページは全体で見ておりますので、次に進みます。
 続きまして、資料3につきましては、前回、先生方から企業規模でいろいろと考えていく必要があるのではないかという御指摘もいただきましたので、労働安全衛生法に基づきます事業場における労働衛生管理につきましては、事業所の規模によって罰則の適用がある義務が異なっておりますので、そちらの御紹介でございます。
 上に事業所数の割合と従業者数の割合を書いてございますけれども、従業者数49人以下のところで、足しますと6割程度の割合ですけれども、その部分については罰則つきの義務がかかるものが少なく、罰則つきの義務については1-4大規模な事業所が多くなっているという現状の御紹介でございます。
 以上でございます。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 今の御説明について、何か質問などはございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、そろそろ時刻になりましたので、本日の議論はここまでにさせていただきたいと思います。
 次回の日程について、事務局からお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 次回の日程につきましては、場所等も含めて、また先生方に御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 これにて、第3回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を終了いたしたいと思います。
 本日は、お忙しい中、お集まりいただきどうもありがとうございました。