2018年9月28日 平成30年度第6回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

○日時 平成30年9月28日(金)
○場所 厚生労働省講堂(東京都千代田区霞が関1-2-2)
○議題
1.「改正法の施行後5年を目途とした検討」の検討内容及び検討スケジュールについて
2.その他

議事

○鳥井総務課長 定刻となりましたので、ただいまから、平成30年度第6回「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催いたします。
まず、傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既に御案内しております注意事項をお守りくださるようお願いいたします。
委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、御礼を申し上げます。現時点で21名中16名の御出席をいただいております。奥田委員、阿真委員、本田委員、三村委員、山本委員から御欠席の連絡をいただいております。また、事務局のほうで、交通事情等によりまして遅れて来る者がございますことをお詫び申し上げます。
続きまして、本日の配付資料の確認をいたします。
資料につきましてはペーパーレス化を実施しております。タブレット端末の使用方法につきましては、お手元のペーパーレス審議会タブレット操作説明書をご覧いただければと思います。
今回から端末が新しくなりましたので、資料を変更する際は説明書1の(1)を参考に操作をお願いいたします。それ以外は基本的に前回と同様に操作いただけますので、詳細説明は割愛させていただきますが、御不明な点等がございましたら、後ろに待機しております職員に随時お声かけください。
なお、委員の皆様には紙資料も机上配付しております。お好きなほうをご覧いただければと思います。
本日は、資料1、2、3と、参考資料1、2の5種類を配付いたしております。資料の不足等がございましたらお申し出ください。
間もなく議事に入りますので、冒頭のカメラ等撮影はここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○鳥井総務課長 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。
○森田部会長 皆様、おはようございます。お久しぶりでございます。
早速、議事に入りたいと思います。議題1からですが、最初に本日の議題につきまして事務局から御説明をお願いいたします。
○鳥井総務課長 事務局でございます。本日は、今後の検討内容と検討スケジュールについて説明させていただき、その後、御議論をいただければと考えております。
また、第1回制度部会で御指摘のあった医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインを発出しておりますので、これは後ほど御報告をさせていただきます。
○森田部会長 どうもありがとうございました。
続きまして、事務局から資料1~3につきまして御説明をお願いいたします。
○鳥井総務課長 事務局、総務課長でございますが、私のほうから説明をさせていただきます。
お手元の資料1、資料2、資料3でございます。資料1がこれまでの議論で出された主な意見を取りまとめさせていただいたもの、資料2がさらに検討が必要な事項等(案)、資料3が検討スケジュールでございます。
本日は、これまでの議論を踏まえまして、今後の検討内容と検討スケジュールについての事務局としての考え方を整理いたしましたので、まとめて説明させていただきたいと思います。
まず、資料1でございますが、検討項目ごとに中ほどの欄に委員の方々からこれまでいただいた意見を整理しておりまして、右の欄に現行の法律規定との関係を整理させていただきました。右の欄の【関係条文】というものがございますけれども、この関係条文は参考資料2のほうに条文自体を参考でおつけしておりますので、適宜御参照いただければと思います。
資料1に戻りまして、中ほどの欄の記載内容につきましては既に委員の皆様に御確認をいただいておりますので、右の欄との関係について簡単に御説明させていただきます。
まず、テーマ1「革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保・安全対策の充実」でございます。資料1の1ページ目、(1)の1、「特に必要な医薬品医療機器等と承認制度」です。右の欄にありますとおり、現状は希少疾病医薬品等の指定制度が法令上規定されておりますけれども、条件付き早期承認制度や先駆け審査指定制度も同様に規定するのであれば、法律改正にかかわります。これをどのような位置づけにするかも含めて、今後検討が必要な事項と考えております。
2ページ目、「2 治験手続の明確化」、「3 リアルワールドデータの充実」です。これはいずれも法律改正にかかわり得る論点と考えております。
3ページ目、「4 その他」です。さまざまな御意見をいただいておりますことを整理しておりますけれども、必ずしも法律規定にかかわる内容ではなく運用の観点の内容であるものとか、法改正と関連するかどうか判断が難しいものなど、様々なものが混在しているため、右の欄には記載を省かせていただいております。
4ページ目と5ページ目でございます。まず4ページ目が「安全性を確保しつつ、生産プロセスの革新・生産性向上を促進する環境整備」でございますが、「1 品質に係る承認事項変更方法の見直し」、「2 国際整合化に向けたGMP調査の見直し」、5ページ目でございますけれども、「3 安全供給の確保に向けたQMS調査の見直し」でございます。いずれも法律改正にかかわり得る論点と考えております。
6ページ目と7ページ目、「状況の変化を踏まえた安全対策の充実」でございますが、「1 承認整理時の安全性情報等の取扱い」、「2 添付文書情報等の提供方法」、添付文書の電子化、7ページになりますけれども、「3 医薬品、医療機器のトレーサビリティーの向上」、これはいずれも法律改正にかかわり得る論点と考えております。
8ページ目でございますが、テーマ2「医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実」です。
まず、8ページから10ページにありますけれども、1が「三役」にかかわる事項、2が役員の責務にかかわる事項、9ページですけれども、同じく2、ガバナンス強化のための行政措置、10ページ目の3、卸売販売業者の規制の見直しは、いずれも法律改正にかかわり得るものと考えております。
11ページ目でございますが、テーマ3「薬局・薬剤師のあり方、医薬品の安全な入手」にかかわる論点でございます。「(1)医薬分業とかかりつけ薬剤師・薬局について」に関しましてでございます。ここは様々な御意見をいただいたところでございまして、中ほどにまとめてありますけれども、我々としては少なくとも現状の医薬分業は様々な課題があるとの認識に立って、右欄でございますけれども、患者が医薬分業のメリットを感じられるように患者本位の医薬分業へ見直すことが必要と考えておりますので、12ページ以降の項目などについて法改正も視野に入れた一連の検討を行う必要があると整理させていただいております。
具体的には12ページ目でございますが、(2)の「1 薬剤師による情報提供及び薬学的知見に基づく指導の強化」でございます。右の欄にありますとおり、薬学的知見に基づく指導は現行法令上、薬剤交付時に行うことと規定されておりますので、その後の継続的な指導の位置づけ等について検討が必要と考えております。また、医療機関・薬局間や職種間の連携や情報共有をどのように位置づけるかについても検討が必要と考えております。
(2)の「2 薬剤師の対人業務を推進するため方策」でございます。御議論いただいた中で法律に直接かかわり得ると考えておりますのは、右の欄にまとめておりますけれども、法令上規定されております対面服薬指導義務とオンラインを活用した服薬指導との関係があると考えております。
13ページでございますが、「3 地域における医薬品提供体制を確保するための薬局の体制整備」でございます。右の欄にまとめておりますけれども、地域包括ケアシステムに貢献する観点で、薬局機能をどのように整理するか、その上でそれを法令上の規定とするか否かといった論点があると考えております。
「4 薬局の組織ガバナンスの確保」です。許可業者としての薬局開設者と現場の管理者である管理薬剤師にそれぞれ責務がありますので、それらの責務を果たすための措置について検討が必要と考えております。
14ページは割愛いたします。
15ページ目でございます。まずは、「個人輸入及び医療用覚せい剤原料の取扱い」でございます。右の欄に整理させていただいておりますが、現在、個人輸入は運用上の位置づけにありますので、これを法令上に明記する場合には法改正が必要と考えております。医療用覚せい剤につきましても、患者個の輸出入を認める場合には法改正が必要と考えております。
以上が資料1でございます。
資料2をごらんください。資料1は法改正にかかわる項目を論点ごとに整理させていただきましたけれども、その中でも特にこの場でさらに御議論いただきたい事項等について、表現を整理した上で論点としてまとめさせていただいたのが資料2になります。
事務局といたしましては、秋以降、この資料2の内容を中心に委員の皆様に検討していただくことでどうかと考えております。資料2に掲載していない項目につきましても、事務局で対応を検討させていただきまして、最終的な方向性につきましては改めて御確認の機会を設けたいと考えております。
なお、資料2の冒頭に記載しておりますとおり、いずれの項目につきましても、仮に見直すとしても医療現場や地域の現状、医療状況も含めた現状でございますけれども、こういうものを踏まえたタイムスパンというものを頭に入れる必要があるものと考えております。
内容につきましては、例えば1ページ目でございますけれども、(1)の1、承認制度のことでございますが、これらの制度の制度化と安全対策の充実について御議論いただきたいと考えております。
それから、(3)の2、添付文書関係につきましては、電子的な提供と医療機関への確実な情報提供の両面から御議論をいただければと思います。
2ページ目、トレーサビリティーでございますけれども、バーコードの義務化等とその課題について御議論いただきたいと考えております。
3ページ目以降、テーマ2、テーマ3につきましても、これまでの御議論の資料1を踏まえて、論点を資料のとおり整理させていただきましたので、詳細な説明は割愛させていただきますけれども、御確認をいただければと思ってございます。
資料3「検討のスケジュール(案)」でございます。資料2に掲げました検討事項を中心に秋以降検討することを念頭に置きまして、スケジュールを整理させていただきました。まず、
本日の会合では、今後の検討内容とスケジュールを確認させていただきたいと考えております。その上で、10月、11月に予定されております3回の会合で検討すべき内容を一通り議論されていただき、12月を目途として取りまとめを行えればと考えております。
大まかに申し上げますと、10月、11月のそれぞれの会合で「薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方」を御議論いただきまして、並行して「迅速なアクセス・安全対策の充実等」、それから「適切な製造・流通・販売の確保の仕組み」の順で御議論をいただければと考えております。そのまとめで、取りまとめの議論に入っていくという段取りを考えております。
なお、検討状況等に応じまして、各回の検討内容を調整することがございますことを御了知願えればと考えております。
以上、秋以降の検討内容、検討スケジュールについて、事務局としての考え方を御説明させていただきました。
○森田部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局の御説明を受けまして、資料1~3につきまして御議論いただきたいと思います。
まず、テーマ「1 革新的な医薬品・医療機器等への迅速なアクセス確保・安全対策の充実」について御意見を伺いたいと思います。そして、資料3のスケジュールにつきましては、後でまとめて御議論いただくだけの時間をとる予定ではございますけれども、各テーマの中で御発言いただいても構わないかと思います。関連しておりますので。
それでは、御意見、御質問があれば、どうぞ御発言をお願いいたします。
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 御説明ありがとうございました。
テーマ1に関する点ということで、具体的に検討が必要な論点で挙げていただいた点に異存はございませんけれども、1点加えますと、資料1における2ページ、具体的には「リアルワールドデータの充実」と書かれていて、薬機法上の条文は第68条の2項になっております。現在では、医薬品の安全に関する情報提供の努力義務、協力義務というのが製造販売業者と医療機関・薬局の間でしか基本的には協力義務ではないということなのですけれども、これだけで情報として十分か、つまり情報の流れとして十分かということと、例えばこちらにも検討事案として書いてあるとおり、媒介となるようなデータベース事業者がかなりの部分の情報を管理しているのであれば、そちらの事業者にも協力の義務を課すというか、文言に書き加えるというのは必要な改正ではないかと思います。こちらもあわせて検討事案として加えていただければと思っております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
これに関連しまして、ほかに御発言はございますか。
事務局のほうは。どうぞ。
○関野医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
ただいまいただいた意見に関しましては、資料2には書いてございませんでしたが、資料1の2ページの3項目に分けております一番右側の欄に書いてございますとおり、今御指摘いただいたように、データをこれからより一層各方面から集めるに当たっては、企業あるいは医薬関係者のみならず、学会等の協力といったところが制度化できれば、それによって情報の拡大、規模の拡充ができると思いますので、そのあたりは制度化に向けてまた議論を続けていきたいと考えています。
○伊藤委員 わかりました。今の御発言の確認となりますけれども、基本的には資料1で条文と照らし合わせて書かれている部分については、全般的に法改正の対象となっているという理解で、さらに、よりどういう方向性にするか、議論の方向性を定めるべきものについて資料2で特に取り上げて書いてある、そういう資料の位置づけでよろしいでしょうか。
○鳥井総務課長 そのとおりでございます。
○伊藤委員 ありがとうございます。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
中川委員、花井委員の順でお願いします。
○中川委員 今のやりとりの中で、ここに書いてあるから法改正の対象になっていると考えていいのかというのは、そうだというふうに答えたけれども、そうですか。
○鳥井総務課長 舌足らずでございましたが、法改正を行う場合にはこの条文が関係のある条文であるということで整理をさせていただいております。したがいまして、まだこの段階で法改正を行うか否かという結論を先取りして資料を作成しているわけではございません。
○中川委員 わかりました。
○森田部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 質問ですけれども、今のお話だと、条件付き早期承認との関係で言えば、条件の内容として、例えばPMDAが使えるレジストリがあったら、このレジストリを使って市販後の有効性なりリスクの確認をするようにという条件をつけることも法で可能になるということになるのでしょうか。今だったら、お墨付きがある公的データベースというのはMID-NETしかない。あれはPMDAのものだから、それは使うのでしょうけれども、例えば抗がん剤であれば国がんのレジストリで、今は二重盲検ランダマイズしないけれども、市販後に全数登録して、その後、データを提出して検討しなさいという承認条件は可能になるのですか。可能にしてほしいという意見ですけれども。
○森田部会長 どうぞ。
○山本医薬品審査管理課長 御指摘いただきましたような、例えば条件付き早期承認をした場合に、承認条件という形で個々の品目について、今、花井委員がおっしゃったようなことをやっていくということは、今の法律条文規定を使ってもできているところでございますし、実際、個々の品目の特性、あるいは承認時の申請データを踏まえながら個々別々につけていくことはできると思っております。
また、それをもう少し体系化するということで、ここでの御議論を踏まえながらもっと整備をしていくということも検討していきたいと思っております。
○花井委員 現行法でもできる、例えばナショセンのデータベースであればさすがに嫌とは言わないでしょうけれども、それなりに協力的だと思うのですけれども、民間であれば、今言われた論点である程度法律に書かないと難しいということはないのですか。
○森審議官 今、花井委員がおっしゃった論点としては、個別の承認条件では、例えば学会が研究班を組織して非常にレアな病気の患者さんを集めているような、そういうネットワークでデータをしっかりフォローしてくださいというような条件をかけたことは、これまでも幾つもあります。
ただ、そういう格好で集める際のデータのクオリティーをどういう格好で担保するのかというところを、もう少し信頼性基準のようなものを定めて、そうした前提に立ったものでデータを集めてくださいというふうに底上げをしていくような考え方もプラクティカルにはあるかなと思っております。
そうしたことに関して、できるだけ現場で実際にお使いになっている中で集められるデータをできるだけ生かしていこうと。ただし、そのデータの質はやはり問題になりますので、その点についての議論はさらに技術的に深めていきたいと考えている。こういった状況でございます。
○森田部会長 花井委員、よろしいですか。
○花井委員 はい。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 補足ですけれども、今、リアルワールドデータのことが出ましたので。
実は、お気づきだと思うのですけれども、リアルワールドデータの使用に関しては結構慎重な意見もこの前も出ていたと思います。特に希少疾患になってきますと、臨床研究法のことがかなり大きな負担になってきますので、今までだったら前向きの臨床試験を小規模でもやるといったものが、そこがリアルワールドデータを使うことに流れてしまうという逆のリスクもあるものですから、リアルワールドデータをどういうふうに使うかということに関しては、今の臨床研究法下の現状の中での考え方というのが、今までどおりの考え方では同じような流れでは想定がつかない。逆に言うと、リアルワールドデータを使うということで、どんどんそっちに流れてしまうという可能性があるものですから、その辺の懸念も含めて慎重にディスカッションしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森田部会長 御指摘、ありがとうございました。
では、事務局のほうはその点も考慮して御検討ください。
ほかにいかがでしょうか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 進め方について確認をさせていただきたいのですけれども、資料1の中に主な意見と右側に法改正の関連性が書いてあって、資料2にさらに検討が必要な事項がまとめられています。さらに検討が必要な事項の中に入っていない資料1の項目があるのですが、これはほぼ何か定まっているから入っていないということなのか。もしそのあたりが、今後の議論ではなくて何か決まっているのだとしたら、それは整理して提示される予定なのかということを確認させていただきたいと思います。
○鳥井総務課長 ありがとうございます。
資料2につきましては、法律改正との関連性が深くて、この場で秋に御議論いただきたいものということで示させていただいているわけでございます。したがいまして、例えば個人輸入のところなんかは、私どものほうで事務的に詰めさせていただくということで、資料2には入っておりませんが、これも最終的には何らかの形で御報告をしたいということでございます。
それから、いただいた御意見の中で運用にかかわるもの、それから必ずしも法改正に限りませんけれども、将来的なことも含めまして色々な御意見をいただいておりますので、そういったものにつきましては年末の取りまとめの中で反映をさせていただきまして、皆様の御確認をいただいた上で取りまとめさせていただきたいと考えております。
○山口委員 ということは、今、最終的にとおっしゃったので、現段階ではまだ出てこない、ここで特別にさらにということを書かれている以外のことについて、もうほぼ事務局でそのあたりはできますという内容については、私たちにはどのように見せていただけるのかというのが、ちょっと今のお話でわからなかったのですが。
○鳥井総務課長 そこは、例えば秋の段階で法改正とは直接かかわらないかもしれないけれども、全く無関係ではなくて、こういうことを御議論してほしいということであれば、できれば今日いただければここに反映させます。ただ、これまでいただいた御意見を成果物とするプロセスは作りたいと思っておりますので、それは年末の取りまとめ段階でもう一度御議論いただくということになろうかと思います。
○森田部会長 よろしいでしょうか。この場できちっと議論をしておくことをむしろリストアップしたというのが資料2ということかと思います。
ほかにいかがでしょうか。北澤委員、どうぞ。
○北澤委員 北澤です。進め方について、私も一つ質問させていただきます。
今までの議論の中で、この部会が薬機法の改正に向けての部会ということは十分理解しているつもりです。けれども、今までの議論の中で、必ずしも薬機法ではないけれど、非常に重要な御提案や意見が多々出てきたと思います。制度部会の中では、それらをどうするかというところまで決められないかもしれないのですけれども、厚労省の他の部局と連動して、もうちょっと踏み込んでもいいのではないかと、皆さん方の議論を聞いて感じました。
こうした厚労省内の局を超えた対応の必要性について、この部会での議論がどう生かされるのか、できたら教えてもらいたいと思います。
○鳥井総務課長 御意見、ありがとうございます。
ここは医薬品医療機器制度部会でございますので、原則としては薬機法に関連したことでまとめさせていただきたいとは思っておりますけれども、やはり医薬品医療機器に関してはかなり広範囲な部分が私どもは関係すると思っておりますので、そこのところを一律に排除するということはございません。そこはまた皆さんに確認をさせていただきながら、書けることは書いていきたいと考えております。
○森田部会長 よろしいでしょうか。
では、中川委員、どうぞ。
○中川委員 私も今の北澤委員の意見に賛成です。薬機法改正に直接つながらなくても、重要な意見がたくさん出ているわけですから、それを何らかの形に残してほしい。議事録を見なさいだけでは意味がないですので、この制度部会として何らかの形をつくって残してほしいなと思います。御検討ください。
○鳥井総務課長 今のような御意見を踏まえまして、工夫はさせていただきたいと思います。もちろん医薬品医療機器等と関係することという範囲ではございますけれども、工夫はさせていただきたいと考えております。
○森田部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 添付文書の件ですけれども、これは電子化だけの議論みたいな形になっていますが、私どもはかねてから添付文書は国が責任を持った公的文書にすべきと。前回の改正のときもそれを言って、ならなくて、前回の改正では最新の科学的知見に基づくものということが盛り込まれて、一定程度私たちの意見に近づいてはいるのですけれども、最新の科学的知見、つまり電子化するメリットとして、現状の添付文書は全て最新の科学的知見に基づいているのかというチェックを、国が既存薬も含めて総ざらいしているわけではないですよね。それは一義的にはメーカーの責任ということになっているわけです。そこのところが、私の意見としては、公文書とすべきという意見は取り下げる気はないのですが、それがなかなか難しいということであれば、もう一歩今回進める話があっていいのではないか。
前回の改正のときには、全チェックしてくださいということを言ったのですが、物量的に難しいとか、最新の科学的知見というのは、結局のところ現状の論文をシステマティックにレビューして、これは違うのではないかみたいなチェックを人海戦術でできるかというと、事実上難しいということで、こちらもそうかと思っているのですが、事実上難しいからといってしなくていいという話にもならないので、そこは一歩進んでいただかないと、紙なのか、電子なのかという議論だけで終わるのはちょっと納得できないと思います。
以上です。
○森田部会長 どうぞ。
○関野医薬安全対策課長 御意見、ありがとうございます。
今の御意見は、紙か電子かという従来の部会の議論とは少し趣を変えまして、もともと添付文書を初めとして書かれてある内容は、医薬品あるいは医療機器の適正使用に資する情報として現場に届けて、それを参照していただきながら適切に使っていただくという中で必要な情報だと思っていますので、その提供方法もさることながら、内容についてもぎちんとしたものであるべきだと、考え方として持っています。
そういった中で、前回の改正では届出という形で、一応我々も書かれております内容を把握するとともに、またそれをホームページ等を通じてアクセスしやすいような環境もつくるといった中で、できるだけ現場に正しい内容を速やかに届ける方式をとってきたわけで、今回につきましても、紙か電子かにかかわらず、その内容についてはきちんと我々としても、先ほど申し上げたように、適正な使用の参照にしていただくために必要な情報が書かれていると思いますので、それについては日ごろ、どうしても自主改訂とか、軽微な記載の変更もございますので、全てについて義務という形がとれるかどうかわかりませんけれども、一通り網羅する形での確認というか把握といったところはこれからも続けていくという気持ちは変わりないと考えてございます。
○花井委員 ありがとうございます。
あと、使いやすいというのがありますよね。だから、紙か電子かという議論はインターフェースの話なのですけれども、今は頻度によらず横並びになっていて、例えば抑鬱とか頭痛と挙げたら、全部の薬に書いてあったりするわけですね。ところが、明らかに現場ではこの薬はこういう中枢神経系に影響があるよねという感じがあるのだけれども、添付文書を比べると両方載っているから、載っていますよという話だと、昔の話をあれして申しわけないですけれども、イレッサの件もそれが論点になったわけですね。書いているからいいじゃないかという議論。私らはノーと言ったけれども、書いてあるのだということに、裁判所はそういう判断をしたので、それはそれで受け入れるしかないかなというところはあるのですけれども、書いてあればいいのかというところもあるので、本当に現場で使える添付文書にしていただきたいと思います。
今回、この議論で、まさに添付文書の電子化というのであれば、それとともに、それがメリットになるというところがはっきりしないと、単に紙から電子になってしまうので、ぜひそこを重ねてお願いいたします。
○森田部会長 事務局、よろしいですね。
ほかにいかがでしょうか。加茂谷委員、どうぞ。
○加茂谷委員 花井委員の御質問に対して、メーカーの立場でコメントさせていただきたいと思います。
私どもは、最新の情報が、必要なときにきちんと医療担当者の方々に周知されていることが最も重要であると認識しています。 特に、新規納入先、並びに紙媒体の添付文書情報を求められる施設、こういった先に対する最新の添付文書情報の伝達のあり方等につきまして、業界として真摯に検討しているところであり、迅速に情報提供が行える体制の構築を目指しているところでございます。
なお、以前もお話しさせていただきましたけれども、現在、業界として、『Drug Safety Update』という冊子を年10回刊行しております。このDSUでは、改訂されました添付文書情報につきまして、24万の医療担当者の皆様方に送付させていただいており、活用されていると認識しております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ、久芳委員。
○久芳委員 私も確認させていただきたいのですけれども、先ほどの議論ですと、テーマ1の資料の中に入っている項目で、法改正に関連するものについては、今後の10月、11月の議論ということで資料2のほうに主に書かれている。それ以外については12月の最終まとめのときにというお話だったと思いますが、私の医療機器産業の立場で申し上げますと、医療機器の特性に合った規制のあり方といった点について、これは法律の改正に直結するものかどうか、いわゆる現行法の運用でいけるものも多いのかなと思っておりますけれども、そういったものについては12月まで待たないと具体的な方向性のようなものは出てこない、あるいは議論の場はないということになってしまうのかなというのを少し心配しております。
特に医療機器は、御案内のように、典型的な例で申し上げますと、AIの技術を活用したような新しい革新的な医療機器をいかに早く現場に届けるかということが非常に重要だと思っておりますので、そういう中で規制のあり方もぜひ考えていただきたいタイミングかなと認識しております。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 この点について事務局は。
○中井医療機器審査管理課長 医療機器の関係につきましては、御指摘について十分踏まえた形で反映させていただきたいと思っております。
○森田部会長 よろしいでしょうか。
ほかにいかがですか。テーマ1についてはよろしいですね。
それでは、テーマ2の「医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実」に議論を移したいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
では、加茂谷委員、どうぞ。
○加茂谷委員 資料2の3ページ目の1の2つ目の丸に「総責要件の検討にあたっては、製造販売業者における実態を明らかにするべきではないか」という文言が記載されているところでございます。従前、本会でも御紹介させていただきました「三役」の要件・責任の明確化等についての企業の現状につきまして、現在、最新の調査を実施し、取りまとめているところでございます。機会がございましたら、その調査結果につき、再度、紹介させていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 事務局、よろしいですね。
○森審議官 はい。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 罰則はいろいろな議論があったと思うのですけれども、繰り返しになりますが、これだけ法律で規制して、いろいろな形で製販業者の統制をしているわけですけれども、実際、違反しても別に問題ないということになってしまっているという現状があるので、違反をするということがどんなに重い結果を招くかという形になるような何らかのたてつけを、この前、法技術的にいろいろと難しいのだという説得があったのですけれども、やはり何かたてつけでやっていただきたい。
幾つか整理がありますね。例えば、承認条件違反とか、広告違反とか、いろいろなものがあると思うのですけれども、項目ごとに整理していただいて、これはぜひ考えていただきたい。ほとんどのメーカーはとんでもない違反はしないわけですけれども、副作用報告義務を怠るとか、ああいったことはいかがなものかと。
安全対策業務というのは、副作用報告があっての安全対策業務なので、それがなくなった瞬間に安全対策業務は何もできないということになるわけですね。それがMID-NETがあるからいいのだみたいな話になっていますけれども、とりに行かなくても当然それは上がってくると。これは薬剤師さんの議論でも関係してくるのかもしれませんが、一義的にメーカーが副作用情報を捕捉するということを本当に必死にやっていないという現実をかいま見た事例がこの間何件かありましたので、そこも含めて重ねてお願いいたします。
以上です。
○森田部会長 この件も事務局、よろしいですね。
では、荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 先ほどからも再三何人かの方から御指摘もあって、さっき久芳さんからもお話がありました。医療機器に関して根本的に違うのでということで、これは実は資料1の、たまたまそれが書いてあるところを見ますと、中段のところにはそういった医療機器に関してはその違いを踏まえた法制度とすることがと、明らかに法制度についての検討をしましょうと書いてあるのですけれども、右側のほうではあえて挙がっていないので、この辺は、先ほど御説明もいただきましたけれども、ここであえて議論する必要がないから外してあるのか、それとも法制度まで言及していながら、右側で漏れてしまっているので、もう一回この扱いに関して流れを確認させていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○森田部会長 資料の具体的にどこを。
○荒井委員 例えば資料1の5ページの「その他」の下から、一番下の○です。「人が行う医療技術を提供する医療機器は」の2行目に、「この違いを踏まえた法制度とすることが」と書いてある。これは実は同じ文言が1ページ目にもあるのですけれども、この辺が法制度にまで意見としては言及しているのですけれども、右の欄には取り上げられていないと理解したので、この辺の扱いについて教えていただきたいと思います。
○中井医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長でございます。
先ほど久芳委員からも御指摘いただきましたけれども、資料2の中に「条件付き早期承認制度」や「先駆け審査指定制度」の手続等を明確化云々と書いてありますが、それ以外にも関連した議論として、医療機器のレギュレーションについては御意見をいただきたいと思いますし、それを踏まえて我々としては検討させていただきたいと思ってございます。
○荒井委員 ありがとうございます。
○森田部会長 ほかにいかがでございますか。
では、このパートはよろしいでしょうか。
それでは、次にテーマの3、「薬局・薬剤師のあり方、医薬品の安全な入手」について、この部分の御意見を伺いたいと思います。
では、乾委員、どうぞ。
○乾委員 ありがとうございます。
本日、事務局から提出されている資料につきましては、今後の法令改正に関してさらに検討を要する事項が整理されたものであるということであれば、おおむね問題ないと思われます。また、先ほどからの今後の議論の進め方ということで了解いたしましたけれども、その上であえて1点確認させていただきたいことがありますので、よろしくお願いしたいと思います。
前々回の制度部会、7月5日開催された場で、私から資料として、また意見表明させていただいたまず1つ目の薬局の機能、2つ目が多店舗展開を行っている薬局におけるガバナンス、3つ目が地域医薬品供給体制確保計画(仮称)に関することについてでございますけれども、本日の資料で整理されている事項の中に含まれているものと理解しておりますが、そのような解釈でまず問題ないのでしょうか。
また、具体的な内容については、次回以降行っていくことになる個別の議論の中で、必要に応じてその都度発言していきたいと考えておりますけれども、前々回に資料提出の上でお示しさせていただいた項目以外のこととして、例えば服薬期間中を含めた対人中心業務の必要性の明確化、医薬品の服用記録に関する法令上の整備、処方箋に基づく調剤の考え方の明確化、入退院時等における病院薬剤師と薬局薬剤師の連携の必要性の明確化といった、薬機法及び薬剤師法に関する事項についても追加の意見としてあわせて発言させていただきたいと考えておりますが、いかがでございますか。よろしくお願いします。
○鳥井総務課長 御指摘の点につきましては、特に資料2に掲げましたものは法律改正との関連性が深いと思われるものを中心に取りまとめさせていただいておりますけれども、いずれも医薬分業とかかりつけ薬剤師・薬局といった議論の範疇だと考えておりますので、次回以降も御議論の範囲には入るものと考えております。
○乾委員 わかりました。了解しました。
○森田部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 事務局にお願いですが、今までの制度部会のときに出た資料を全部ファイルにして出してください。例えば中医協のように出していただかないと、今、乾委員が言ったことを忘れていますから。申しわけないけれども、何のことを言っているのかよくわからないということで議論がかみ合いませんので、お手間でしょうが、ぜひお願いします。
○鳥井総務課長 御要望を踏まえまして、考えさせていただきます。可能であればその方向でやらせていただきたいと思います。
○森田部会長 それこそタブレットに入れておけば簡単だと思いますので。
どうぞ、山口委員。
○山口委員 このテーマ3が、恐らくこれまでの制度部会の中で一番議論の中心になって話し合われた部分が多いと思っています。ただ、その中で法改正に余り関係していない部分でもあるということですけれども、さらに検討が必要な項目の資料2を見ますと、一番紙面が割かれている。先ほど北澤委員の御質問の中で、薬機法の改正に関係しないところについてはどういうふうに取り扱われるのですかということで、事務局から工夫しますという回答をお聞きしたのですけれども、特に今このテーマ3ということですので、今後のスケジュールを見ていると毎回毎回出てくるということを考えたときに、私たちが議論をしていくモチベーションとして、工夫というのは具体的にどういうふうなことを期待して議論していけばいいのか、もう少し突っ込んだ御回答をいただければと思います。
○鳥井総務課長 今の段階で、各回でどういうことを議論するかというのは、まだ固まっておりませんのでお答えできないのは恐縮でございますけれども、そこにつきましては御意見も踏まえて考えさせていただきますが、医薬分業なりかかりつけ薬剤師・薬局についての御意見は、基本的には薬局を規定しておりますのは薬機法でございますし、薬剤師のあり方を規定しているのは薬剤師法でございますので、そういう意味ではその規定する法律のあり方を考える上で、関連する諸制度についても御議論をしていくことも必要なのだろうと考えております。
そういう全てのことを考えた上で、今回の法改正でどこまで盛り込むかというのは、それは秋の段階で御議論をいただきたいということでございます。各回でどういうことを具体的に議論するかにつきましては、こちらのほうでももう少し整理をさせていただきたいと考えています。
○山口委員 決まっていない中で質問して申しわけなかったのですけれども、年末の取りまとめが終わった後で、例えば患者にメリットが感じられる医薬分業ができるのかが今問題になっているわけですので、議論した結果、やはりこれは患者にメリットがあるような医薬分業になったなと実感できるような形にぜひ持っていっていただきたいと思っていますし、それに向けて私たちも発言していきたいと思っていますので、そのあたりはよろしくお願いいたします。
○鳥井総務課長 関係した部分も含めまして、薬局・薬剤師のあり方と関連するものであれば、議論の取りまとめとしてはまとめさせていただきたいと思っております。
同じことかもしれませんけれども、幅広い御議論をいただく中で、今回の法改正において対応するものを取りまとめまでにはまとめさせていただきたいと思いますので、そこの段階では、一応の取りまとめに至るさまざまな御議論も反映させた上で取りまとめをさせていただきたいということでございます。
○森田部会長 山口委員、よろしゅうございますか。
○山口委員 はい。
○森田部会長 では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 今の大枠の話でということとちょっと関連して、医薬品医療機器法というものを初めて全部読んでみたのですけれども、基本的に物をつくるとか届けるという、物をあるところに渡すための法律というたてつけのほうが多くて、先ほどのリアルワールドデータでも申し上げましたけれども、物さえ届けばいいのだ、情報は後でみたいな感じの雰囲気ですとか、例えば今回のテーマ3にかかわる点でいうと、例えば第1条の5の書きぶりですと、医師・薬剤師は購入し譲り受けようとする者に対し情報提供するとか、例えば9条の3ですと、薬剤師は対面により知見を提供すると書かれていて、要は結局物を届ける場面とか渡す場面だけを想定して条文がつくられている。
現在、我々が医療サービスを受ける部分というのは、もちろん物を受け取るとか、薬を受け取るというところも大事な話ですけれども、適切に必要な情報がタイムリーに受け取れるかとか、あるいはかかりつけ薬剤師の議論でいいますと、薬を受け取るときだけではなくて、その後の安全管理も適切にしてもらえるかといった、そういうソフトの部分が大枠の議論にもかかわってくるのかなと。
現在の条文のたてつけが薬がちゃんと誰かに渡ればいいみたいなところから発しているので、そこの部分と、患者にとって、我々が本当に求めるような医療品、医薬品のサービスのあり方というところには大分ギャップがあって、例えば、今できることで細かい条文に書かれてある「対面により」とか「購入するとき」というところを徐々に削っていくということも、望ましい社会のあり方につなげるような法律設計になるのかなと思っております。
以上です。
○森田部会長 これについて事務局はよろしいですか。重要な御指摘だと思います。
○鳥井総務課長 御指摘、ありがとうございます。例えば、今おっしゃったことは、資料2の4ページ目の(2)でありますように、現状では薬剤交付時に服薬指導を行うというたてつけでございますけれども、その後のことが明文上、出てこないといったことがございますので、そういったことについてどう考えるか。ほかのところも、あるいはその次の丸も、組織間、職種間での連携、情報提供について、法改正という観点からやることはないかといった論点でございますので、そういった御指摘も踏まえて今後御議論いただければと思います。
○森田部会長 伊藤委員、よろしいでしょうか。
○伊藤委員 はい。
○森田部会長 ほかにいかがですか。
中川委員、どうぞ。
○中川委員 資料1の14ページの「その他」の2.の「医薬分業、薬局・薬剤師のあり方に関連した諸課題」で、括弧で「本部会の所掌外の事項」と書いてあるのです。この括弧内を全部削除してください。ここに書いてあることは議論した背景の非常に重要な部分ですから、これを所掌外の事項と整理するスタンスが極めて問題だと思います。ぜひ括弧内の「所掌外の事項」というのは削除をお願いします。
○鳥井総務課長 法改正という意味では所掌外でございますが、議論の途上という意味では排除するものではございませんので、ここは削らせていただきたいと思います。
○森田部会長 牧野委員、どうぞ。
○牧野委員 私もこの資料1を見たときにがっかりしたのですが、今の皆さん方の意見を聞いて、北澤委員から出た根本的なところもあって、ここにいる委員は医療制度とか医療のあり方全てに関してもうちょっと根本的に話し合ってきたはずなのですね。ところが、事務局のお考えを聞いていると、どうも小手先の法律の改正で済ませたいと思っているのではないかという気がするので、この委員の中の考えと事務局に齟齬があるのではないかという気がします。何か玉虫色の回答ばかりを聞いていると、ちょっと嫌になっている委員がいっぱいいらっしゃるのではないかという気がいたします。
○鳥井総務課長 事務局としては、どうしても法改正の議論に頭が行ってしまうものですから、このようなまとめ方をしておりますけれども、ここでいただきました全ての問題が5年後見直しでできる法改正で全て網羅されるということでは必ずしもないと思いますので、ここの議論の場の取りまとめは取りまとめとして、その結果として今回はここまで見直しをするという取りまとめができたらと考えております。
そういう意味で、基本的な御議論はぜひこの場でやっていただければと考えておりますので、そこを排除しているわけでは全くございません。資料のつくり方がちょっと誤解を招きまして恐縮でございます。
○森田部会長 牧野委員、よろしゅうございますか。
○牧野委員 そうしますと、この回数で済むようなものではないのかなという気もしますので、もう一度御一考いただきたいと思います。
○森田部会長 事務局、いかがですか。
○鳥井総務課長 そこは一回一回もかなり時間をとりたいと考えておりますので、できるだけ御意見を踏まえまして運営の仕方は工夫させていただきたいと思います。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
では、赤池委員、どうぞ。
○赤池委員 今の話ですけれども、この制度部会自体は単年度で終わるものではなくて、今後、毎年度継続されていくという理解でよろしいですね。そうした場合に、先ほど来御指摘があるように、非常に重要な、私の場合は薬局が非常にかかわりますけれども、医薬分業は本当に患者さんにとってメリットを感じられるかといったようなことは、私の理解では、極端な言い方をすると、今年度中にある程度まとめられるとしても、それで最終結論まで行くということは極めて難しいと思います。そういう意味で、今年度中にまとめる内容と、長期的に継続審議というときれいな言い方になりますけれども、しっかりと議論を深めていく内容と、ある程度両方をお示しいただくほうが議論がしやすいかなと思います。
きょう取りまとめていただいたのは、基本的には今年度中に取りまとめる内容であるという理解で、その点はよろしいわけですね。
○森田部会長 関連して中川委員、どうぞ。
○中川委員 今の意見は全く反対です。だらだらいつまでも議論を深めればいいでしょうというのは、何もしないのと同じことではないですか。薬機法と関係ないところはじっくり時間をかけて深めましょうということは、結論なんか出さなくてもいい、御意見を皆さんで出し合っていけばいいというふうにしか聞こえません。それだったら、これだけエネルギーを使った議論をする意味がありません。できるだけ早い時期にまとめるという努力をすることで、今年じゅうとか、そういうふうには言いませんが、何らかの形が見えてくるのですよ。これだけ医薬分業のメリットが患者さんに実感できないとか、弊害が出尽くしているのに、そういうことではだめだと思います。
○赤池委員 誤解を与えたようでしたら、申しわけなく思います。
決して長く延ばせという意味で申し上げたわけではありませんし、今年度中にまとめられるものは当然まとめるべきだと思います。そういう意味で、例に出したものが私としては非常に不適切なものを挙げたのかもしれません。ただ、やはり努力をしてもまとめ切れない部分はあろうかと思いますので、それが今年度で切れてしまうためにどうしてもということは避けたほうがいいということで申し上げた次第です。
○森田部会長 中川委員、よろしいですか。
○中川委員 別に納得しているわけではないですが、最初からまとめ切れないだろうということは言わないでくださいよ。それは委員の皆様に失礼です。
○赤池委員 もしそういうふうに思われるようでしたら撤回いたします。どうも申しわけありません。
○森田部会長 少し議論が停滞しているといいましょうか、議論の内容についてやや行き詰まった感がありますけれども、きょうはむしろそこを御議論いただくというのが本来の趣旨だと思いますので、どういう形でこれから議論していくかということについて積極的に御発言いただきたいと思います。
私が理解しているところで言いますと、法律について見直す必要がある、それについては重点的な事項を優先するということはあり得ることだと思いますけれども、夏までの御議論でさまざまな論点が出てまいりました。その中には根本的な問題がございましたけれども、これを法改正も含めてどういう形でこれから議論をしていくかというときに、どうしても時間的な制約もございますので、資料1にございますように、さまざまな意見が出ておりますけれども、その中で少なくとも年内に何らかの結論を出す必要があるような、そうした法改正にかかわる事項について重点的に先に御議論いただければということ、それが事務局の御提案ではなかったかと思います。
しかし、今、議論になっておりますように、根本的な問題がかかわっていることについては、これ自体の議論を決して排除するものではないわけですけれども、時間の配分の問題にもなるのかもしれませんが、その議論をずっと続けていたのでは、本来、法改正に関するようなことできっちりと議論をしておかなければならないことの時間がなくなってしまうのではないか。その意味で言いますと、やや両立しがたいとは言いませんけれども、バランスを要する、そうした2つの方向性といいましょうか、それを十分に御勘案の上で御議論をしていただきたいということだと思います。
したがいまして、最後の輸入に関するような非常に法技術的な問題につきましては、ここで皆さんに御議論いただくよりも、むしろ事務局のほうで技術的な面は検討して案を出していただいて、こちらで最後のところで御了承いただくといいましょうか、その時点で御議論いただくという形をとっているわけでございまして、事務局の説明を私はそういうふうに受けとめておりましたけれども、皆さんは必ずしもそのように御理解されていなかったのかなというのがこれまで私が聞いていた印象でございます。
事務局、そういう趣旨できょうの会議を設定されたと理解してよろしゅうございますね。
○宮本医薬・生活衛生局長 事務局を代表しまして医薬局長でございますけれども、大変申しわけありませんけれども、部会長に今まとめていただいたような気持ちの上で御議論をお願いしたいと考えております。
○森田部会長 そういうことで、もう一度といって振り返るわけではございませんけれども、そうした視点からここで出ている論点につきまして御議論いただければと思います。
私が聞いておりますところでは、テーマ3の薬局・薬剤師のあり方につきましては、法改正とどのくらい結びついてくるかということにつきましては、必ずしも明らかではないといいましょうか、ここを変える必要があるというものは限られているのかもしれませんけれども、少なくともこれまでこの部会におきまして一番時間を割いて皆さん御議論されたところですから、少なくともここにつきましてどういうことを議論として進めていくべきなのか。
そして、もしこの部分について法改正をするとしますと、より根本的な薬機法のあり方そのものも見直すことも必要になってくるかもしれません。そのときには、これからの時間だけではかなり厳しいということがあると思いますので、赤池委員がおっしゃったのはそういう趣旨だと思いますけれども、今回どこまで議論ができるかということと、その後にどうつなげていくかということをきちんとここで整理をしておく必要があるのではないかということでございます。
そういうことで、さらに御発言はいかがでしょうか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 今回の法律改正で薬剤師のあり方について一番決めなければどうしようもないという部分があるとすると、薬局の種類ですね。ユーザーからすると薬局は全部同じで、全国に処方箋受付なんていう看板が上がっているわけですけれども、どこの薬局がどんな薬局かというのは、実は実態は相当違っているわけです。にもかかわらず同じ薬局ですということになっていて、薬剤師の今後のあるべき方向性がある程度定まれば、こういう機能の薬局というのを、いわゆる医療法の病院のようなことをもしかしたら薬機法に定められるかもしれないという可能性があるわけですけれども、ここの議論をするかしないかは一番関係してくるのではないか。
極論すれば、医薬分業というのはそもそも明治以降からどっちでもいいですよとなっているわけであって、つまり処方箋を出しても、うちでもいいとなっているわけであって、今進んでいるのは保険によって誘導したからであって、もし保険のほうがどうしようが一応外には出せるわけだから、外に出した処方箋を受け取った薬剤師さんはどんな仕事をしなければいけないかということは、たとえ院外処方率がどんどん下がってきたって、それは同じことですよね。薬機法上はちゃんとしてもらうことにほかならないと考えれば、本来は医薬分業というのは、保険によって院外処方がふえたという結果になっているのです。しかしながら、さっき言った、物を流してロジスティクスだけの話ではなくなって、薬剤師さんというのは医療者の一人として、地域医療とかそういうのに重要な役割を果たす。それから、ファーマーシーとか、今はいろいろな問題がある中で専門家としてそこをやってほしいというときに、薬局の機能をここで議論し得るのかどうかということは先にしないと、何となくそこは対立したりする意見があると思うのです。もしそれがもう取りまとめられないのであれば、今回はこの件は薬機法でさわらないと決まるのだから、相当議論は楽になるかなという気はするのです。
もう一つは、そもそもこの部会、前回の会議のときはあり方検があって、議論して取りまとめ書を一回つくって、制度部会のほうに持っていって、法律用の部会等をやって、倍の時間をかけて今までやってきたのを今回は1回で両方やっているので、相当窮屈になっていることは事実です。だから、前回の改正よりも半分の時間で議論しろと言われている、そういう期間の問題もあるので、そういうところを鑑みて、2つ報告書を出せという話ではないと思うのですけれども、まず薬機法の改正に当たって重要な論点がどうしても関係してくるとするのか、しないのかを決めてしまうというのも、一つの考え方ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○森田部会長 重要な御指摘といいますか、方向性を示していただいたかと思います。これについて、事務局、いかがでしょうか。
○鳥井総務課長 前段の部分につきましては、資料2の5ページの(2)の3、「地域における医薬品提供体制を確保するための薬局の体制整備」というところに、「医療機関等や他職種と連携してかかりつけ薬剤師・薬局が適切な役割を果たすため、薬局が持つべき様々な機能を整理し、役割分担・連携を進めるべきではないか」というところで、まさにその部分は御議論をしていただきたいことのうちの一つだと私どもは認識いたしております。
後段の意見につきましては、御意見をもう一度踏まえさせていただきますけれども、次の法改正に向けた部分とそれ以降の課題ということで、少し書き分けるといったようなことも視野に入れて検討させていただきたいと思います。
○花井委員 大体わかりました。これは方法論なので、これで行ったほうがいいということはないのですが、こちらの立場からすると、この薬局はこういう薬局かというのがわかるようなことをやってほしいというのはあります。ただ、それをここで薬機法に反映する形でまとめていただけるかどうかというのは、ここで判断する必要があるということなので、皆さんの御意見を伺いたいと思います。
○森田部会長 この点につきまして。では、乾委員、伊藤委員、お願いします。
○乾委員 花井委員の意見はもっともだと思います。ただ、資料2の4ページの(1)の丸の3つ目に書かれているように、もう既に平成27年に「患者のための薬局ビジョン」が制定されて、それに基づいてかかりつけ薬剤師・薬局機能が進んでいるわけでございまして、それを患者が医薬分業のメリットを感じられるように、患者本位の医薬分業へ見直す必要があるということで、今回特に(2)以下の一連の検討をするというふうに私は理解しておりますし、医薬分業のメリットを患者さんがより感じられるように見直すということだと。それを議論というか、項目ごとに変えられるものは制度として進めていくべきではないかと思っております。
以上です。
○森田部会長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 いろいろな形で省庁から文書を出されるわけですけれども、先ほどのかかりつけ薬局ビジョンというのはあくまで通知なので、それと法律を議論するというのは大分ステージが違うと私は認識していまして、重要なプロセスだと思っています。
つまり、皆さんが御関心のあるような医療の医薬品・サービスの全体のあり方の中の重要なパズルピースであって、しょせんパズルピースではないかという意見もあると思いますけれども、パズルが変われば全体が変わっていくわけですし、逆にパズルをはめ込まなければ全体が崩れるわけなので、そこは重要な点だと思っています。
今、おっしゃっていたような、薬局・薬剤師のあり方に関して、この法律全体を眺めますと、実はそんなに関連している文章は多くはなくて、基本的には先ほど申し上げりとおり、医薬品と医療機器の取り扱いというか、安全性も含めた、物としての取り扱いの規定がほとんどです。それを扱う業者に関する規定とか、それとユーザーとの関係といいますと、第3章の薬局というところの第5条から第11条、それから第13条、これはガバナンスに関係するところですけれども、第69条から76条の部分、この部分が細かい部分なのかなと。
先ほどガバナンスのところでどう意見をまとめてよろしいか、迷って、特に発言はしなかったのですけれども、例えばガバナンスのところでいっても、今までの御議論で出たとおり、場所があって、その場所に監督者がいて、その監督者が何かあったら責任を負うというところは書かれているけれども、その場所というか、薬局を管理しているような企業全体であるとか、そういうところの役員に関して監督義務があるかというと、そういうことは一切書かれていないわけです。
つまり、物の流れを中心にして、その物をたまたま持っていた人には責任はあるけれども、どういう企業体であるかとか、どういう組織なのかということに関しては見てもいないというか、木を見て森を見ずみたいな感じになっているところがあると思います。
なので、この法律自体には限界があるというところを少し直していくというところが、今回の法改正が、我々が求める医薬分業なり、薬剤師のあり方につながる、その大きな制度につながる第一歩の大事な法律なのかなと私は捉えています。
そういった点で、最終的には法律の言葉の重箱の隅をつつくようなところはあるかと思うのですけれども、そこにある程度限られたリソース、時間を集中・集約するべきなのかなと考えております。
○森田部会長 山口委員。
○山口委員 先ほどの花井委員の意見と私も同じで、確かに薬局ビジョンがつくられたり、あるいは健康サポート薬局が出てきたりしていますけれども、一定の要件を満たして、うちの薬局はやりますと手を挙げたところしか、そういうことが見えてこない。そうすると、実際に薬局が本当に機能しているかというと、調剤しかやらないところは依然として調剤しかやっていないわけです。
そういうことを考えたときに、機能によってある程度分けるということはしていかないと、今までと何も変わらないのではないかと思います。よって、私も花井委員と同じように、今回の議論の中でそのあたりはしっかりと議論していく必要があるのではないかと思っております。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
今出ている御議論ですけれども、私の理解で言いますと、例えば薬局の機能別にきちっと要件を定めて何らかの義務づけをする場合には、やはりそれを法律上位置づける必要があろうかと思いますけれども、これは時間的に考えて、その議論をこれからして法改正に持ち込めるかどうか、それは事務局のほうはかなり心配をされるところではないかと思います。それをすべきだという御議論なのか。先ほど、花井委員の場合ですと、それが難しいようならば、この議論そのものがここで限られた時間の中でやる意味がどの程度あるのかという御指摘もあったかと思いますけれども、その辺についていかがでしょうか。
○鳥井総務課長 今の点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、私どもの論点としても入れているつもりでございますので、この場で御議論いただきまして、そういう方向が望ましいということであれば、そういう取りまとめになりまして、実際に法律ないしは法令でどう位置づけるかというのを私どものほうで鋭意検討するという流れになろうかと思います。
○森田部会長 この点についていかがでしょうか。花井委員のコメントは。
○花井委員 さっき乾委員の意見が出たところで、何となくこれは先送りしていいじゃないかという意見と思われたら、それは誤解で、医療法も少しずついろいろな種類を時間とともに改正しながら来ているので、まず大事なところを一つちゃんと法律で位置づけるということは今回、時間的にも十分間に合うし、もう一つ言えば、さっきの医薬分業の議論とは実は厳密には抵触しないわけです。つまり、仮に患者のためのビジョンに基づいた薬局というのが、例えばストラクチャーとかで要件を決めたとして、それはこういうことですよとしたことが、それによってみんな外に処方箋を出してここに行きましょうという話にはならないわけですね。外に出た処方箋がそういうところで調剤されて、そういうサービスを受けられるということにすぎないから、医薬分業がうまくいかないから、そういう看板を幾ら上げたところで、先生方は院内で処方したほうが患者のためだといって院内処方を書くだけの話になるので、厳密に言えば、外に処方箋を出すか出さないかという話とこれとは基本的に抵触しないと思うので、議論は可能かなと思います。
○森田部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 先ほど健康サポート薬局というものがあって、それは余りふえていないですよね。なぜだと思いますか。語弊があるかもしれないけれども、収入に直結しないからです。これが実は非常に大きな問題で、医薬分業が進んできたのは、収入とまさに直結するからです。ポイントはここなのです。では、もうからないとやらないのかと。そこで、所掌外の事項というふうに整理されたあの辺が背景にあるわけです。だから、制度部会でも、あるべきかかりつけ薬剤師・薬局の議論をするときに、そういうことも含めて考えなければいけないのです。
ですから、花井委員も山口委員もおっしゃる薬局の機能別な位置づけは、ある意味重要な視点かもしれないなと先ほどから思っています。この辺の切り口で、事務局として整理をしていただければなと思います。
○森田部会長 乾委員、どうぞ。
○乾委員 健康サポート薬局についてこの制度部会でも前にも説明させていただきましたけれども、健康サポート薬局というのは要件がございます。それは人と薬局設備、機能について要件があるわけでございます。算定要件になればふえる、それはひょっとしてあるのかもしれませんけれども、そうではなく、きちっと健康サポート薬局の質を担保するということで、研修を受ける薬剤師がようやく今どんどん右肩上がりにふえて、1万人になってまいりました。
健康サポート薬局には常時必ず研修を受けた薬剤師が必要だということがあるわけで、どうしても複数配置しないといけないということもあるわけでございます。そういうことを考えると、今は全国で千数百、まだまだ少ないのは確かですけれども、薬剤師会としてはしっかりと質の担保を図りながら進めていきたいということで、着実にふえているのは確かだということだけは、委員の先生方、特に中川委員には御理解いただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
○森田部会長 どうぞ。
○中川委員 少しずつふえているというのはわかりました。
私は健康サポート薬局がだめだと言うつもりは全くないのです。あるべき薬局の一つの姿だというので、みんなで協力してつくった概念ですから。その健康サポート薬局になることが薬局のステータスになればということで、全国の薬局がそれを目指すのではないかと思っていたのですが、思ったほどではないということを申し上げているのです。
○乾委員 それは私も実はそういうふうに思っております。しっかりとふやしていきたいと思います。
○森田部会長 ほかにいかがでしょうか。
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 あるべき機能を明確化するという点で、法律とどう関連するかといいますと、現在、例えば薬局の許可というのが薬機法に書かれているのですけれども、何を出すべきかというのは、代表者の名前、所在地、薬局の平面図とか、非常に外形的なことばかりなのです。もちろん薬局の開設許可なので外形的なものは大事だと思うのですけれども、開設した後は本当に野放しで、あとはちゃんと薬さえ売ればいいというのではなくて、その後、機能要件の認定とか、開設の許可とあわせてそのようなことも将来的には盛り込んでいければ、今のいろいろな何とかサポートというのは、基本的にはこうあってほしいですみたいな理想論がぽんと出ているだけで、現実的にはついていけないようなものも多いからそうなっているということだと思うので、ここで法律的に提出しなければいけないものとして、ファイリングの一つの中にそういった条項も盛り込んでいければ、つまり、今本当に住所、氏名とか、場所とか、そんなことしか書かれていないので、そのあたりも古めかしいというか、将来的に有機的にサービスに結びつけようと思うのであれば、何らかの現行の通知や省令等で定められているようなものを法律の中で位置づけていく、吸い上げていくということも、一つの大事な有機的な連携ではあるのかなと考えております。
○森田部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがしょうか。事務局。
○安川薬事企画官 ちょっと補足いたしますと、いろいろな委員の先生方からの御意見のように、薬局そのものについては薬機法の中で衛生規制ということで、最低限というわけではないですけれども、必要事項について規定はされています。開設許可の時点も、もちろんそういった開設者の要件もありますけれども、あとは構造、設備とか、あとは薬局の体制ということで、いろいろな薬品を安全に管理するための体制とか、従業員に対する研修とか指導、そういったところも含めてあるのですけれども、一方で、そういったところの違いがまだはっきりと明確になっていないところもあるのは御指摘のとおりでございます。だからこそ、今回、この論点の中で、薬局の持つ機能をどう整理して、地域の中でしっかりと活躍できる薬剤師・薬局を薬機法の中で考えていくにはどうすればいいか、そういったところを御議論いただきたいと思っていますし、そういったところは法律事項なのか、どこの事項なのかはこれからまた議論していく中で整理をしていただくことになりますので、そのあたりのことも含めて、現行がどうなっているかということを前提にしながら、今後の資料なんかもやっていきたいと思っていますけれども、そういった御意見を踏まえながら検討したいと思います。
あと、補足ですけれども、薬機法そのものも法律の中でも第9条のところで具体的に薬局の開設者が遵守すべき事項ということで、もともと必要な管理の実施の事項とか、そういったところが根っこにはあるというのは事実でございます。そこをどういうふうに充実させるべきなのか、何か加えるべきなのかというところは御議論いただく事項かと思っております。
○森田部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。一條委員、どうぞ。
○一條委員 今、薬局の体制の議論が出ていますが、実は卸売販売業の許可要件に関しては、構造設備と医薬品営業所管理者、原則薬剤師を置けば、そこで卸売販売業の許可が与えられるということになってしまっているわけです。それで、医薬品の流通の安全性の確保という視点から見れば、やはり卸売販売業の体制をしっかり求めるということが必要なのかなと実は思っております。
先般、医薬・生活衛生局総務課が管理者はどういう仕事をしているかという調査をされました。ほとんどが手順書に基づいた業務を管理者が行っているということであれば、そういう要件を許可要件の中に織り込んでいくことが本当は非常に必要なものではないか。それはもう避けられないと思っております。これは卸売販売業のところでございます。
○森田部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
御意見を伺っておりますと、大変重要なことですので、これはきちんと議論すべきだという御意見が多かったと思います。ただ、どこまで今回の法改正も含めて法律事項にかかわってくるのかということについて、そこが必ずしも明らかではないように思います。
例えば、薬局の機能別の類型化をするとか、そのこともございますし、これがまた医薬分業の関係とどういうふうに結びついているのかと。花井委員によりますと、結びついていないのではないかという御意見ですけれども、その辺も含めまして、今この場ではちょっとこれ以上無理だと思いますけれども、次回以降、少し事務局のほうで法律との関係も含めて、あるいはさらに根本的に議論するような論点について少し整理をした資料を提出していただいて、それに基づいて次回以降の議論を進めていくということにしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○森田部会長 では、事務局、お仕事がふえて大変かと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
○鳥井総務課長 はい。
○森田部会長 それでは、このテーマについてはこれくらいにさせていただきたいと思います。
関連しまして、資料3のスケジュールに関しまして、今申し上げたことも含めますと、スケジュールも少し見直しの必要があるのかもしれませんが、いかがでしょうか。
一応あと3回実質的な議論をするということで、資料3にスケジュール表が出ておりますけれども、ここで挙げられております論点につきまして、もっとここは回数をふやしてきちっと議論すべきであるとか、そういう御意見があればここで出していただいて、スケジュールですのでこれはここである程度決めておく必要があろうかと思います。
よろしいでしょうか。これもやってみないとわからないところがありますけれども、特にこれについてもっときちっと一回回数を入れてというような論点があれば、御指摘いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
いつものこの部会ですと議論が次々出てきて、時間が足りなくなるのを心配するのですけれども、本日はかなり進行が早いようですので、フラストレーションがたまらないように御発言いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
資料3も特に御意見がないということですので、この形で進めさせていただきたいと思います。
それでは、議題2に入ります。事務局から、参考資料3の「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて」、これを出したということで御報告をいただけるということですので、これにつきまして御説明をお願いいたします。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 ありがとうございます。監視指導・麻薬対策課長でございます。参考資料3でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
今、部会長のほうからお話がございました、今週の9月25日に発出いたしました医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて、簡潔に報告させていただきたいと思います。
本件に関しましては、本年4月11日の第1回の制度部会で、本件についての背景とか、どういうことを考えて検討していくのかということで御説明をさせていただきまして、それに基づいて私ども事務局のほうで作業をさせていただいたということでございます。
1枚めくっていただきまして、2ページと下に書いてございますが、基本的考え方、適用範囲というところでございます。特にポイントといたしましては、このガイドラインでは、「2 適用範囲等」の(2)になりますが、「販売情報提供活動」とはどういうものをこのガイドラインの対象にするのかということで、販売促進を期待しての情報提供についての活動に関して対象にさせていただくということを書かせていただいておりますし、広告監視のモニターにおきましては、口頭説明などもいろいろな問題点があるということもございましたので、その口頭説明も含めたものも対象になるということを記載させていただいております。
次の3ページをごらんいただきまして、3として「販売情報提供活動の原則」とございます。本来、医療用医薬品の製造販売事業者の方々は、法律68条の2と書いてございますが、情報提供ということで添付文書に関する情報や医薬品リスク管理計画(RMP)など、こういった安全性に関する情報を適切にやっていただくことが基本であるわけでございますけれども、そのほか、広告に関するような活動、今の販売情報提供活動に関しましての必要な満たすべき要件をここに記載をさせていただいているところでございます。
4ページに行っていただきまして、製造販売業者等の責務ということで、特に医療用医薬品の製造販売事業者の営業活動の関係の大きな部分を占めているということでもございますので、経営陣の責務として、どういうことを経営者の方々にやっていただきたいのかということも記載をさせていただき、また、それに基づいてどういう社内体制をつくっていただくのか、これを4ページから5ページにかけて記載させていただいております。
そういう中では、実際に広告等に使います資材、このガイドラインを適切に行っていることをモニタリングする部門、こういったものを監督する部門として販売情報提供活動監督部門を置いていただいて、また、その資材の適切性などを見るために独立性を持つ方を入れた審査・監督委員会を設けていただくということを規定させていただいております。
そういう中で、5ページ、その下にございますが、販売情報提供活動の資材等の適切性の確保をやっていただくこと。それから、実際にこの活動に関する評価や教育など、またモニタリングなどの監督指導、6ページに行きまして、それをやるための手順書や記録の作成・管理、また、不適切な活動があった場合の対応、苦情処理、それから実際の委託先・提携先、また卸売販売事業者の方々に対する対応について規定をさせていただいております。
7ページをごらんいただきまして、第3として、実際に販売情報提供活動を担当される方の責務といたしまして、このガイドラインを遵守していただくこと、留意点、自己研鑽、不適切な資材等の使用の禁止などを規定させていただいております。
また、その他といたしまして関連団体における対応ということで、関連団体におかれましても必要な対応をしていただきたいということについて記載をさせていただいております。
また、この部会でもお話がございましたけれども、未承認薬・適応外薬等に関する情報提供、特に小児の部分とか抗がん剤について、そういった議論があるわけでございますけれども、そういった関係についてもどういう対応が必要なのかということを記載させていただいております。
そのほか、9ページに行っていただきまして、委託先・提携先企業に関する特例、卸売販売事業者に関する特例につき、必要なものを記載させていただいてございます。
最後に10ページになりますが、当然今は製造販売事業者の方を中心とするメーカー側の対応を記載させていただいてございますが、この情報を受け取る医薬関係者側の皆様方に関しましてもこういった活動のあり方をよく理解していただいて、客観的な評価をする姿勢をとるようにお願いをしたいということで記載をさせていただいております。
また、適用日に関しましても、ここに記載をさせていただいております。
最後のページになりますけれども、今の社内体制の関係におきましては、どういうような構図になっているのかの絵もつけさせていただいております。このようなものをまとめまして、今週9月25日に発出させていただいたことを報告させていただきます。
以上でございます。
○森田部会長 どうもありがとうございました。
もう発出されたものの報告でございますけれども、ただいまの事務局の説明につきまして、何か御質問、御意見等がございましたら。村島委員、どうぞ。
○村島委員 以前、委員会で意見をさせていただいたのが反映されていまして、本当にありがたいと思います。8ページの用法・用量のところですけれども、実際、添付文書に書かれているよりも少ない量であるとか、インターバルを長くしても効いているようなお薬は結構あるのですね。それを今までですと、そのとおりでないと情報提供ができなかったという、不合理があったのですけれども、それがこれで是正されるということで大変ありがたいことだと思います。
ただ、臨床の現場や学会活動等をやっておりますと、コンプライアンスについて厳しくなり過ぎていることによって不都合が生じている部分があるとも感じています。例えば製薬会社から協賛のある公開講座とかで、薬品の名前は出せないとか、製薬会社さんが関係するような講演会では他社のお薬について一切比較ができないという状況になっています。大変いいことをやっていながら、行き過ぎたコンプライアンス遵守によって情報が混乱して、それがかえって患者さんとか国民が不利益をこうむる可能性もありますので、そのあたりもしっかり考えて今後対応していただければと思います。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 村島委員のおっしゃるとおりだと思います。私どもとしては、本当に必要な薬を使うために必要な情報提供は適切になされるべきだと思ってございますし、今の村島委員のお話のとおり、これが必要だ、この情報があればこそ適切に使えるのだというものについて、私どものほうが法律なり、ガイドラインで規制をするというのはおかしいことであります。ですから、そういったことについてどういう場合にいいのかとか、こういった場合が問題なのだとか、そういうことをよりはっきりさせていくことが大事でありまして、その第一歩がこのガイドラインだと思っていただければ結構かと思います。
今みたいなお話に関しましても、Q&Aを適宜つくっていきまして、必要なことがちゃんとできるようにさせていただきたいと思ってございます。
○森田部会長 では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 1点質問です。書面の中の7ページの第4の関連団体とある部分、それから最後のポンチ絵のところにも関連団体というのが図面に織り込まれておりますけれども、まずこの関連団体というのは具体的にどういったものを想定しているのかということと、行政側から矢印が引っ張ってあって、製造販売業者、卸売販売業者、委託先・提携先企業があって、そこに行政指導等とあります。関連団体に関しては、報告の求め、指示という形で書かれています。この文章の書きぶりの違い。これは先ほども議論があったリアルワールドデータの充実の部分にもかかわる、薬機法の68条の該当部分だと思いますけれども、まず関連団体というものの具体例、ないし具体的な報告の求め、指示等の内容について伺えればと思います。
○森田部会長 どうぞ。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 ありがとうございます。
今、ここの関連団体として想定しておりますのは、製薬団体でございます。なぜこのような規定を入れたかと申し上げますと、特に日本製薬工業協会のほうにおきましては、もともとプロモーションコードを持っておりまして、それに基づく会員企業の指導を非常に充実してやってきたという事実がございます。そういった活動に関しまして、私どもとしても、国が全部やるということではなく、そういった関連団体、製薬団体のほうにおかれましても適切な会員企業への指導をぜひやっていただきたいということもありまして、私どもとしてはこの規定を設けさせていただいたということでございます。
○伊藤委員 確認ですけれども、今まではなかったということですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 今回、国が初めてガイドラインをつくります。
○伊藤委員 わかりました。ありがとうございます。
○森田部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 最初にこれは法律にすべきと思って、一応ガイドラインということで、この内容はいいMR像というところで、ディオバン事件以降、プロモーションコードはかなり厳しくなって、業界としても取り組まれていることは知っており、かつかなり厳しくなっているなということもわかっているのですが、いいMR、悪いMR、普通のMRではないですけれども、やはり悪いMRがいないというわけではないので、まずい部分を規制すべきというのは私の考えだったわけですけれども、今回ガイドラインができたので、これでどれだけ実態として問題のあることがなくなっていくかというところを踏まえて、次期改善に、法で規制すべきなのか、このガイドラインで十分かはまた検討していただきたい。
そういう意味においては、今回、最初の議論に戻りますけれども、この件ももし法律事項以外で書けるのであれば、MR活動についてもガイドラインを踏まえて遵守状況を見た上で今後検討課題とするぐらいは書いておいてほしいかなと思いました。
以上です。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 今、花井委員がおっしゃったように、ガイドラインを出したら終わりなのかということがあると思います。私どもとしては、もともとこのガイドラインをつくる経緯になりました広告監視モニター、特に医療用医薬品の場合は、メーカーの方々が実際に医療関係者の方に直接情報提供するということもありまして、第三者がなかなか知りにくいという特性がございます。そういうことで、医療関係者の方々にはモニターになっていただきまして、何か不適切なことがあれば報告をしていただくという仕組みを入れることによりまして、こういったガイドラインが遵守されたかどうかをやっていくわけでございます。
今、ここの関連団体として想定しておりますのは、製薬団体でございます。なぜこのような規定を入れたかと申し上げますと、特に日本製薬工業協会のほうにおきましては、もともとプロモーションコードを持っておりまして、それに基づく会員企業の指導を非常に充実してやってきたという事実がございます。そういった活動に関しまして、私どもとしても、国が全部やるということではなく、そういった関連団体、製薬団体のほうにおかれましても適切な会員企業への指導をぜひやっていただきたいということもありまして、私どもとしてはこの規定を設けさせていただいたということでございます。
○森田部会長 よろしいですか。
○花井委員 ありがとうございます。しつこいようですけれども、実例を申し上げませんが、MRさんによって不適切な処方をしてしまうという例があり、さらにさっきの議論で言えば、それは処方しても調剤する薬剤師さんがいるわけですけれども、全部それがフリーになって、結果的に患者さんの処方が余り適切でないという実例はまだ存在していますので、それはもちろんMRさんのやり方、処方箋を書くお医者さんや調剤する薬剤師さん、全員の責任かもしれませんが、やはり大もとのところでここはとても大事だと思っていますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○森田部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 最近の報道でアレクシオンファーマ社のソリリスに関して適応外使用を助長するようなプロモーションが行われて、学会とは異なる診療の道筋で30人以上の死亡例が出たという報道がありますが、まずそれについてどのように認識、把握しているのかというのが1点。
今、説明されたガイドラインを遵守すれば、今後そういうことは起こらなくなるのかどうか。自信があるか、不安なのかということも含めてお答えをお願いします。
○関野医療安全対策課長 今、御指摘いただいた報道に関しましては、我々も一応内容を読ませていただいて把握してございます。
その内容の概略は、当該会社が行っているプロモーション活動のあり方について言及しておりまして、さらにそれに関連いたしまして、学会がこの薬剤の対象疾患に関しての診療ガイドというものをつくっているのですが、その診療ガイドに沿った使い方が実際の患者さんに対してなされているかどうかといったところに対して指摘をしているものでございます。
この内容が事実かどうかというところになりますと、当然、患者さんのほうにはね返る話ですので、安全性にもつながっていく問題だと思っておりますので、まず我々としてはその内容について会社のほうと面談をしながらきちんと事実確認をさせていただくというところがまず最初かなというところでございます。1点目については以上でございます。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 今、安全対策課長の話にあったように、まず、会社のほうに客観的事実をよく確認する必要があると思います。その上で、それがどうなのかということになりますが、どちらにしても、実はガイドラインでも記載しておりますのは、今までの虚偽・誇大な広告だけのお話ではなく、ガイドラインでいきますと3ページをごらんいただきたいと思いますが、(2)にありますが、「不適正使用又は誤使用を誘発しないよう」ということで、必要なことも記載をさせていただいているところでございます。
そういう意味で、不適正な使用が行われないようにガイドライン上も規定を設けさせていただいておりますので、事実関係を確認した上での話でございますが、こういうことをちゃんと徹底していってもらいたいと思ってございます。
○中川委員 これから事実を確認するのですか。
○関野医療安全対策課長 そのとおりでございます。早急にやらせていただきたいと思います。
○中川委員 遅くないですか。
○森審議官 中川委員の御指摘の件に関して、少し補足をさせていただきます。
死亡例が30例出ているという点について、これが臨床の現場の先生方からすれば大変な話ではないかと思われるポイントの一つだと思います。
ふだんの省令は、副作用報告の制度に基づいて一件一件は全てPMDAにも報告が来ていて、詳細な症例は一件一件確認している状況でございます。ですので、それが初めてわかったということでは決してないですし、もともと希少な疾患に使う、全部の投与患者さんでもまだ300名いっていない、そのぐらいまれな疾患のお薬です。それについて全例調査をかけているので、一例一例の内容について精査をし続けているという状況にあります。
ただ、問題の報道については、非常に複雑な病態で多彩な背景の患者さんが入ってくる、その中での使い方が学会の投与基準、これが2013年に定められた内容と、今、2015年のガイドというものに示されている内容に違いがあります。だんだん絞られてきている。この絞られている過程において、その内容を正確に現場に反映してお伝えをしているかどうか、そこに疑念があるという非常に専門的な内容で、しかも臨床現場において対象としている病態は非常にクリティカルな状態で、本当にこれが効くならば何とか使いたいけれども、もしかしたら効かない背景の患者が入っているかもしれない、その見分けが難しい、そういう領域だと聞いております。
したがいまして、改めて今回の報道をもとにして、一例一例のケースについて、投与の経緯についても詳しく精査をもう一回やろうと考えておりますが、基本的にはこの内容について承認以降、しっかりフォローはしている状況にはございます。ただ、その適応の選択に関して、現場に対する情報提供のあり方には問題があるという指摘は重く受けとめておりますので、現実にどのような資材を使ってどのように情報提供したのかということについてしっかり調べておきたい。その上で、是正するべきものがあれば、厳しく指導するということは基本でございます。
○中川委員 ありがとうございます。
ガイドラインを遵守すれば今のことが防げるかという質問をしましたが、難しいですね。ガイドラインを単純に遵守するといっても、今のような診療ガイドラインとは微妙に違うまれな疾患を治療するのですから、これだけでは十分とは言えないという印象を持ちました。常にブラッシュアップといいますか、進化し続けていただきたいと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
ほかに。北澤委員、そして加茂谷委員、どうぞ。
○北澤委員 北澤です。
今回のガイドラインで、医療用医薬品のいわゆる広告だけではなくて、医療用医薬品の効能・効果に関する疾患啓発広告と言われているものも入ったことについては、大変いいと思います。
その上でお願いですけれども、例えばどういう広告、どういう資材、どういうCMが虚偽あるいは誇大に当たるのか、あるいは不適切な使用を誘引するようになるのかというのは、医療や薬の専門知識を持っている医療従事者の方々と、そういうのは特にない一般の人とでは、レベル感みたいなものが違うかもしれないと私は思っています。
つまり、医薬関係者であればやり過ぎと思えるようなことでも、一般の人の行動が左右されることがあるのではないかと思っています。
これはお願いなのですけれども、一般の人々が薬、あるいは薬の対象となる病気について、どういう表現なら誤解しないのか。そういったことについて検討や研究も含めて、さらに進めていただきたいとい思っておりますので、よろしくお願いします。
○森田部会長 加茂谷委員、どうぞ。
○加茂谷委員 本ガイドラインの制定に当たりまして、製薬企業の立場でコメントと決意を申し述べたいと思います。
以前より業界団体といたしまして、適正な情報提供活動の観点から、プロモーションコード並びに公正競争規約といった自主規制ルールを策定し、各企業、遵守してまいったところでございます。
今般、国として、さらに一歩踏み込んだガイドラインを制定されたことにつきまして、製薬企業の立場として評価するとともに、引き続き、医療用医薬品の情報提供活動の信頼性の確保に向けて、本ガイドラインの周知とその徹底を図ってまいりたいと決意を述べさせていただきます。
○森田部会長 ありがとうございました。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 北澤委員の先ほどのお話に関しまして、実はこれはいろいろ口頭説明のお話なんかもありましたので、販売情報提供活動というものに関するガイドラインとして定めたものでございます。もともと広告の内容については、適正広告基準というものを定めておりまして、どういった広告がいいのか悪いのか、テレビCMも含めて非常に細かいものを定めているのが現状でございます。
これに関しましては、昨年、大幅に見直しをいたしまして、今、それの周知、遵守をいろいろ図っているところでございますけれども、これについても、先ほどからお話がありますように、改正したこともございますので、どういうふうにそれが適切なものなのかどうか、またフォローアップもよくやっていかなければいけないと我々も思っておりますので、そのフォローアップの中で今のものが、ちょっとどこまでできるのかというのが一つ方法論としてあるのですが、できる限りやれることはやっていきたいと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
ほかに。どうぞ、一條委員。
○一條委員 医薬品情報の提供につきましては、卸売販売業の重要な機能の一つになっております。特に取り扱いメーカーの製品に関する比較情報の提供というものが各医療機関さんから求められるということが頻繁にあります。今回のガイドラインができましたので、卸売販売業に関しても当然メーカーさんと連携をとって、このガイドラインに基づいてしっかりした情報を提供していきたいと思っております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
予定された時間より30分ほど早いのですけれども、それでは本日の議論はこれまでとさせていただいてよろしゅうございますか。
どうぞ。
○平井委員 先ほどの議論に戻るのですけれども、法律改正でどのレベルまでというのはなかなか難しいというお話があったのですけれども、薬機法に詳細は厚生労働省令に基づくとか、そういうふうに書いてあるので、関連するような省令についても参照できるような形で、なかなか膨大になるのではないかとは思うのですけれども、何を見れば詳しいことがわかるかということも一緒に出しておいていただいたほうが議論しやすくなるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○森田部会長 大変重要な御指摘と思いますけれども、事務局はよろしいでしょうか。
○鳥井総務課長 できるだけそのようにさせていただきたいと思います。
○森田部会長 全部というと相当膨大な量になるかと思いますけれども、その辺はよく精査をしてお願いいたします。
ほかに、よろしいでしょうか。
では、本日の議論はこれまでとさせていただきます。
最後に事務局から、ロジスティクスに関する連絡事項がございましたら、どうぞ。
○鳥井総務課長 次回、第7回医薬品医療機器制度部会の日程につきましては、別途御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森田部会長 ありがとうございました。
それでは、本日は予定よりも30分弱早く終わりましたので、これからもこういうほうがいいかと思いますが、どうもありがとうございました。