平成30年度第3回個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室

日時

平成30年10月11日(木) 14:00 ~ 16:00

場所

中央合同庁舎第5号館 21階 専用第13会議室

議題

(1)検討会報告書(案)の検討について
(2)その他

議事

議事録

○寺島環境改善室長補佐 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして、大変ありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより「平成30年度第3回個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会」を開催いたします。なお、本日は、村田委員が都合により御欠席となっております。

 今回の検討会はペーパーレスで行う会議となっております。皆様におかれましては、お手元のタブレットで資料を見ながら御議論いただくようお願いいたします。傍聴の方におかれては、御自身のタブレットなどで、厚労省ホームページに掲載の資料を御確認いただくなどにより御対応ください。

 タブレットの操作方法について簡単に御説明いたします。まず、お手元のタブレットの画面が、議事次第が表示された状態になっているかを御確認ください。別の資料に切り替えるには、画面左上の、検討会の名前が表記されている所を押していただくと資料の一覧が表示されますので、読みたい資料の資料名をタッチしてください。ページを移動する際は、上下にスクロールするか、画面下部の任意のサムネイルを選択してください。基本操作は以上です。なお、画面の下にある丸いボタンや側面の電源ボタンを押さないように御注意ください。もし誤って丸いボタンを押してしまうと違う画面になってしまいますので、その際は事務局担当者をお呼びいただければと存じます。

 続きまして、本日の議題と資料の確認をいたします。議事次第を御覧ください。2.の議事は(1)検討会報告書()の検討についてとしております。配布資料です。資料6-1は、前回検討会の主な意見、資料6-2は、専門家検討会の報告書()、資料6-3は、同報告書()概要、資料6-4は、管理濃度の低い化学物質の一覧で、画面では「管理濃度昇順表」となっているかと思います。資料6-5は、個人サンプラーによる測定で想定される対象作業者数と評価値ということで、これも前回の資料名になっておりますが、内容はそういったことになっています。それから、参考資料6-1として、この検討会の要綱と参集者名簿、参考資料6-2として、参照条文、参考資料6-3として、化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針の抜粋と、参考資料については前回と同様です。以上です。何らか不備や、見られないというような部分がありましたら、事務局に後ほどお知らせいただくようお願いいたします。なお、委員の皆様のお席には、前回と同様の水色のファイルを配布しておりますので、必要に応じて御参照ください。

 ここで傍聴されている方にお伝えいたします。カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。以降の議事進行については明星座長にお願いいたします。

○明星座長 それでは、本日の議題に入ります。最初に、議事(1)について、事務局のほうから資料の説明をお願いします。

○寺島環境改善室長補佐 それでは、端末で、資料6-1「前回検討会の主な意見」を御覧ください。大きい画面のほうも出しておりますので、必要に応じて、説明箇所が分からなくなった場合などに御覧いただければと思います。

 前回の検討会における主な御意見につきまして、かいつまんで御紹介いたします。まず、1番目の「測定方法の選択」は、これまで、B測定の要否は測定士が判断するとされてきていますので、それが分かるような記載とすべきという御意見がありました。2つ目の「作業者グループの設定に関して」は、「SEG」という言葉を使わないのであれば、「作業者グループ」などと呼んではどうか。その「作業者グループ」を測定して、その中から何人かを測定する形にしてはどうかというような御意見がありました。それから、構内協力会社など、管理権原者の異なる作業場を行き来することも考えられるということで、万一の対応のため、作業時の行動記録、作業記録を取らせる必要があるという御意見もありました。

 3つ目の「測定のサンプル数が少ない場合の評価値の算出」について多数の御意見を頂きました。1点目としては、これまでの経験に基づきまして、測定対象者は13人がほとんどで、中でも1人の所が非常に多い。2点目として、ばく露実態調査の個人ばく露測定では、作業者は1人か2人ぐらいしかいないことが多かった。3点目として、サンプル数が2人である場合、算術平均しか出せず、分散は出ないと。分散を出すには最低3人はデータがなければいけない。4点目として、延べ人数で何日間か測定するなどしてサンプル数を増やすこともあるということ。あと、5点目として、EUの基準ですけども、EN689では、予備検定として、測定のサンプル数が少しの所から始める例がありますが、12点の場合にどうするかを書いていなくて、各国の基準でも同様である。我々としては、危険なほうにいかないように何らか考えるのだろうという御意見でした。6点目、サンプル数が12点の場合だと、評価基準を厳しくして評価する方法も考えられる。7点目、現行の評価基準は日間変動を加味しているので、本来は最低2点のデータが必要であること。8点目として、運用するデータが少ない場合を別途検討する必要があり、もう少し人数と時間を考える必要があるだろうということです。最後に、資料5-3-3、委託事業の成果ですが、そこの個人サンプラーによる作業者数の表の中に、幾何平均GMと幾何偏差GSDを算出しておりますが、提案のあったサンプル数4名以下のときの算術平均というのがありましたので、この算術平均やEA2(2評価値)3倍という数字を横に並べて提示されれば比較できるのではないかという御指摘がありました。次の4つ目の項です。前回、議論を頂きましたが、サンプルが多数の場合には、個人サンプラーによる測定はなかなか難しい部分があって、たくさんできないのではないかという御指摘がありました。それから、個人ばく露測定の経験を御紹介いただきまして、事業場に(パッシブ)サンプラーを送って、測定後に返送してもらい、分析して測定結果を出すという形が大多数であったと。この場合、測定時間を通して見ているのではなくて、作業記録を付けてもらって対応していたということです。次に、全員を基本としますが、それは余りにも多すぎる、少し心配であるという御意見、それから、繰り返し作業に関しては、2時間を測定すれば平均的なデータが取れると確認したという御意見がありました。最後に、毎回同程度の濃度が発散する場所で、かつ、換気の良いことが、繰り返し測定の条件であるという御意見がありました。

 5つ目のカテゴリーとして、「実際の作業に対する個人サンプラーを用いた測定の適応」というふうにまとめました。1点目として、具体的なものを列挙していただき、その中で1日中同じ作業をしているのであれば、個人サンプラーはAB測定に代わり得る。ただ、種類の異なる作業を次々に行うような労働者については義務対象が少し異なってくるだろうということです。2点目として、そのように作業ごとに取り扱う物質の種類が変わるなどの場合は、これまでは評価されていなかったものが表に出てくるだろうということ。3点目として、固定グラインダーと手持ち式グラインダーなど、測定義務に違いがある作業の場合は、その部分については一緒に測定していると、測定結果報告書の中で、影響を与えた事項として書くという対応を取っているという御指摘がありました。4点目として、個人サンプラーを導入するに当たり、作業環境を測定するという前提できていますが、そもそも安衛法65条を変えなくてよいのだろうか、本来、労働者のばく露についてどうしたらいいかを考えたほうがいいのではないかという御意見がありました。また、この点に関しまして、65条については、まず個人サンプラーによる測定を先行導入して、作業環境管理の改革の第一歩として考え方や規則を少しずつ変えていくことで混乱を避けることができるのではないかという御指摘がありました。

 最後に、「作業環境管理について」、個人サンプラーは作業管理だという誤った認識が根強く残っているので、作業環境管理が第一優先であることを強調していく必要があるという御指摘がありました。以上です。

○明星座長 ありがとうございました。資料6-1の、前回の主な意見について御説明いただきましたが、特段の漏れ落ち、趣旨の訂正などがあればお願いいたします。よろしいでしょうか。では、私のほうで1つだけ意味が分からなかったのが、「作業者グループ設定に関して」の2つ目ですが、構内協力会社など、作業場を行き来することが考えられるというときの、後段の文章の、作業者に行動記録を取らせるという、この作業者は協力会社の作業者ではないのですか。

○寺島環境改善室長補佐 親会社の場合でも協力会社の場合でも、自分の管理権原者と異なる所の作業記録を取るという趣旨です。

○明星座長 よろしいでしょうか。次に、資料6-2の「検討会報告書()」に移ります。事務局から説明をお願いいたします。

○寺島環境改善室長補佐 それでは、資料6-2、報告書()を御覧ください。この資料は、913日の検討会で、運営方針と具体的な検討内容という資料を基に御議論いただいたところですが、前回以降、各委員より頂きました御意見を踏まえ、検討会報告書()という形でまとめております。議題としては、検討会報告書の骨子()と御案内していたこともありましたが、内容的に報告書という形で御用意できましたことから、議論を効率的に進めるということで報告書()とさせていただいております。

 1ページ、「はじめに」を御覧ください。「はじめに」のページは、前回以降、新たに追加した項目です。検討の背景として、これまでの経緯を入れております。ざっと読みますと、労働安全衛生法第65条及び第65条の2の規定に基づき、現在、作業環境測定が行われており、いわゆる「AB測定」により行われているところです。このAB測定が導入される際に検討された会議では、ABと個人サンプラーによる測定の2つの手法を比較の上、安衛法の措置としては、AB測定となった経緯があります。昭和55年のことです。この後、個人サンプラーによる測定の導入に向けて検討する必要があると提言を受け、更にリスクアセスメントにおける化学物質の気中濃度測定の一手法として、個人ばく露測定が示されたところです。

 こうした動きの中、今年の2月に策定されました第13次労働災害防止計画において、「個人サンプラーによる測定方法を追加し、作業態様に応じた測定・評価方法を選択できるようにする」と明記されたところです。

 以上、我が国の化学物質の管理や有害業務の状況、個人サンプラーによる測定を巡る状況を踏まえ、平成2910月から本検討会において、個人サンプラーを活用した作業環境管理について、その導入のあり方を中心に検討を行ったとしております。

 次のページは総論です。この部分は、体裁を整えたりした部分はありますが、ほとんど変えておりません。作業環境測定の実施の義務づけ、前回は122物質と出しましたが、実際、義務付けの物質数として104物質に修正しております。特に内容の変更はありません。一番下から5行目に、「個人サンプラーによる測定の方法と得られるデータはどちらも基本的に同じ」と書いてありますが、ここは後の議論の中に出てきますが、少し対象とする範囲の異なる場合があるなど、データが必ずしも同じでなく多少異なってくる場合もありますので、「基本的に同じ」ということで概念的に同じだということで、入れております。

 次のページですが、(5)は変えておりませんので、(6)です。この部分、マル1に「発散源が作業者とともに移動し」という所がありますが、その下に溶接作業について注釈を加えております。前回、溶接に関して指摘があったことを踏まえ、解釈として加えております。

 マル2は、有害性が高く管理濃度が低いということで、ここは少し順序を入れ替えております。管理濃度が低いので、呼吸域付近の濃度が変わりやすいということで、変えております。

 その下に、「管理濃度0.05mg/3(相当)以下の物質(別紙1のとおり)」としております。この部分は、前回までは、粉じんとガス状の物質を分けて、それぞmgとppmで、6つほど例を挙げていたのですが、この部分については、事務局で少し整理をし直してmgに統一してお示ししております。別紙1は、9ページに書いております。別紙1、ベリリウム以下です。

 こちらの表の根拠となる資料を御覧いただければと思うのですが、資料6-4を御参照ください。「管理濃度の低い化学物質」ということで、一覧にしております。この表の下のほうに注釈を入れているのですが、「管理濃度が1ppmまで及び1mg/3までの物質」を抜粋し、それをガス状の物質については分子量からミリグラム換算を行い、ミリグラムで統一して並べたものになります。上のほうからベリリウム、砒素とあり、鉛の下に線を引いてあり、一番下はテトラクロロエタン。管理濃度がないが極めて低濃度の管理が求められているものということで、インジウム化合物まで並べております。

 ここの右のほうに健診実施事業場数という欄を設けています。これは健康診断の特殊健康診断の結果報告書を監督署に出していただいておりますが、それの集計データが毎年公表されております。すなわち、特定化学物質を取り扱っていて、特殊健診を行っていると回答した事業場の数になります。厳密に言いますと、特殊健診は常時従事する労働者がいる所になりますので、作業環境測定の範囲と全くイコールというわけではないですが、参考ということになります。

 一番右の欄に累計とあり、今度、該当の事業場を合計していくと、どのぐらいのボリューム感の事業場が対象になるのかということで記載したものです。そうすると、ベリリウムは130と書いてありますが、鉛を御覧いただきますと、鉛を扱っている所は3,400とあり、それまでの累計が13,000ぐらいになります。すなわち、13,000の事業場が個人サンプラーを導入することの可能性のある事業場のボリューム感になります。

 それが全体を占めてどれぐらいかということですが、一番下に、特殊健康診断実施事業場数の延べ数を書いてありますが、15万事業場ぐらいです。今回、特化物が多くなっておりますが、特化物ですと63,000ぐらいです。その他の有機溶剤で溶接とかが入ってくることになりますと、吹き付け塗装や溶接なども入ってくることになりますと、15万ぐらいということになろうかと思います。ですので、0.05mgは数字として学術的な根拠ではなくて、先行導入としてのボリューム感からこのぐらいでよいのではなかろうかということでお示ししたものですので、御意見がありましたらお願いいたします。

 資料6-2の報告書の3ページを御覧ください。(7)「一定期間経過後」という所は変えておりません。それから、前回までは、この下に(8)とあって、「B測定に個人サンプラーを入れる」という部分です。この部分は、全体の方針というよりは、少し手当的なところがあろうかということで、後ろの「各論」の一番最後に出ておりますので、ここからは削除しております。

 4ページ、各論の「個人サンプラーを活用した作業環境測定」です。1番の作業環境測定方法の選択は、前回までの御意見を踏まえマル1マル2と2本立てにしております。選択する際に、「専門家の助言に基づき」となっておりますが、「作業環境測定士、産業医等の」とし、「産業医等」を追加しております。この部分については、労働衛生コンサルタントやインダストリアルハイジニストを入れてはどうかという御意見も寄せられていたところですが、事務局といたしましては、労働者の健康管理を事業場で取り組むのは基本的に産業医であることや、産業医の方々も、恐らく個人サンプラーによる測定の結果と健診の結果を参照して御覧になりたいこともあるであろうということ。それから、法制的には、安全衛生委員会のメンバーであるということも踏まえ、「産業医等」とさせていただいております。

 2番の個人サンプラーによる測定基準の検討ですが、この部分は前回の御議論を踏まえ、「作業者グループ」という形に修正しております。(1)のマル2の部分ですが、測定対象でない作業場の対象物質又は妨害物質が測定結果に影響を与えないようにすることと変えております。この部分は、義務と義務でない混在の場合の議論を踏まえ、今回は測定対象を拡大することではないので、それが分かるように記載しております。

 (2)測定対象作業者(グループ)の選定です。この部分は、同一場所で同一作業が分かるように、「同一」を入れたり、「グループを特定する」ということを入れたり、そういう修正をしております。

 4ページから5ページにかけて、ア、イとして、対象者が多い場合と少ない場合ということで、前回の御議論を踏まえて論点を少し分けております。イの対象人数が少ない場合の留意点については、前回いろいろ御意見を頂いた所ですが、少し、今後の方針について記載しつつ、詳細については別途、検討が必要であると記載しています。

 (3)測定時間の部分です。アの8時間測定を基本とする部分については、特段の修正はしておりませんが、「ただし」の次の2行下の「測定機器の取り付け及び取り外しは原則として測定を行う者が実施する」と記載しておりました。この部分について、取り外しについては、少し個人サンプラーによる測定の導入の足かせになってしまうのではないかとか、そこは少し負担の面が大きいことと、技術的にパッシブサンプラーであるとか、固体捕集管とか、そういった技術的に問題のない場合は、信頼性の問題はその下の担当者の部分と一緒ですので、「以下の事業場の担当者でも可とする」と追記しております。この部分も、何かあれば御意見を頂ければと思います。

 下から7行目辺りですが、測定対象以外については、測定結果に影響を与えないようにということを追記しております。下から3行目に、換気が良くない作業場では、気中濃度が高くなることを、前回の御議論を踏まえて追記しております。

 記載をしておりませんが、委員の御意見の中に、投入作業が10分ぐらいで、それ以外に特段のばく露作業がないのであれば、そこだけの結果から8時間推計することも可能なのだろうかという御意見がありましたが、8時間測定と短時間測定という仕組みの中から、今回は採用をしておりませんので、何かありましたら御議論いただければと思います。

 6ページ、(4)測定方法です。この部分は大きくは書いておりませんが、原則として、現行の方法と同様ということですが、測定対象の物質、濃度について少し変えております。また、ここに「粉じんのサンプラーが襟元に捕集面を正面に向けて装着する」と書かれていたのですが、この部分は多少細かいのではないかということと、試料採取方法の一部でもあるということもあり、今回の基準ということからすれば少し細かいかということで削除をし、後ろのカリキュラムの中に少し入れております。

 3番の評価基準の検討です。6ページの部分は変えておりませんが、7ページの上から3行目、評価値への具体的な換算方法については、サンプル数等や日間変動等を考慮して、別途検討するとしております。サンプル数が少なければ、算術平均とするというようなことなどの御提案があったところですので、別途検討するとしております。

 イ「管理区分の決め方」の()()の部分ですが、前回、ここは複数の作業場ということで1つしか書いてなかったのですが、複数の作業場に対するものとして、()に「単一の作業となる場合」ということを入れております。内容に変更はないかと思います。対比として入れたものになります。

 4番は、特に変更はありません。8ページ、5番の「その他」です。(1)に、健康障害防止措置のあり方があります。何人かの先生から、特殊健診との個人サンプラーによる測定結果との活用について御提案いただいているところですが、今後、健康障害防止措置のあり方の検討の中で御議論いただくことと考えております。(2)B測定での個人サンプラーの活用についての部分は、前回から少し圧縮して書いております。B測定で、現行の定置式機器に代えて、個人サンプラーの機器を作業者に装着して測定を行うことは現行でも可能ということで、その部分について記載しております。一時、「その場所にとどまって」というような記載をしておりましたが、その部分は修正しております。下の表は、新たに追記をしております。内容は変えておりません。以上、修正した点を中心に説明いたしました。

○明星座長 ありがとうございます。これまでの検討会での議論を受け、事務局で報告書()としてまとめていただきました。ここまでの説明に関して、御意見等がありましたらお願いします。よろしいですか。

○宮内委員 確認ですが、3ページで(6)のマル2です。「有害性が高く管理濃度が低い物質を取り扱うため、作業者の動きにより呼吸域付近の測定結果が大きく変動する作業」ですが、これはどう解釈したらいいかと思っていて、「有害性が高い物質を取り扱い、作業者の動きにより呼吸域の濃度が変動」と思うのですが。今回、恐らくたまたま管理濃度の低いものが粉体であるということで、挙動が非常に特殊だと思うのですが、理論上は、管理濃度が低いことイコール挙動がああだこうだということではないと思うのです。だから、言葉の表現として、「取り扱うため」というのは、少しいかがかと思ったのです。この辺は細かい話なので、今すぐということではないのですが、少し感じました。以上です。

○明星座長 管理濃度が低いものから始めるという単純な理由。

○宮内委員 そうだと思うのです。ただ、「低いため」ということだから、挙動が特殊だということではないと思うのです。結果論から言えば、たまたま粉体ということなので、後からだと思うのですがね。

○明星座長 その辺はどちらを優先しますか。管理濃度を優先するか、変動が大きいほうを優先するのかということですよね。

○寺島環境改善室長補佐 すみません、資料の説明をしていなかったところがあり、資料6-3「報告書概要」を御覧ください。

○西田環境改善室長 パワーポイントの資料になります。

○寺島環境改善室長補佐 6-32ページ目に先行導入作業について記載しています。文字の部分は報告書の内容と一緒なのですが、これを周知していくに当たりまして、事務局でこういうことかということで図にしております。2ページ目の図4、先行導入作業のイメージのマル1は、発散源とともに作業者が移動するものということで、これは溶接、吹付け塗装ということです。これをもともと選んだのは、A測定と個人ばく露測定との比較の部分で、この溶接、吹付け塗装というのが適切に測れるだろうということだったのです。マル2の管理濃度が低く、作業者の動きにより呼吸域付近の測定結果が大きく変動するというものについては、図示すると、こういうことなのかということで、発散源から遠ざかることによって速やかに濃度が薄くなるというか、もともと非常に薄い、濃度が低いものなので、それを測定するには作業者の動きに従って、追随して適切に測れるものになるのではないかということで、一応、事務局では、このように説明を考えております。これが事実誤認だということであれば、御指摘いただければと思います。

○西田環境改善室長 すみません、補足しますと、宮内先生が御指摘の点は、管理濃度が低い物質を扱う作業でということですかね、作業者の。ですから、因果関係として、こうだからこうというよりは、その作業で作業者の動きにより大きく変動するという趣旨ですので。よろしいでしょうか。

○宮内委員 今の段階では図を見てこの表現で分かりました、理解できました。ただ、ガスであっても粉体であっても、管理濃度が低いものに関しては同じように変動は大きくなるということでよろしいのですね。

○西田環境改善室長 はい。

○宮内委員 分かりました。それで理解できました。

○小野委員 すみません、そこなのですが、要するに、2番の後半の部分、管理濃度が低くて有害性が高いというところは、まず第一の前提条件になっていますよね。それプラス作業者の動きで濃度が変動しやすいということで、本当は3つなのではないかと思うのです。1つ目は発散源が移動する、2つ目は作業者の動きで濃度が変動する、それらの前提として管理濃度が低い物質ということで、2つ目の所にだけそのように入れるのは、1番も管理濃度が低いものを選ぶ形にはなるわけですよね。1番は、濃度に関係なく移動したら個人サンプラーを導入する。

○西田環境改善室長 1番は濃度に関係ないですね。

○小野委員 1番は全く関係ないということですか。

○西田環境改善室長 はい。これは発散源と作業者が一緒に移動するということですね。

○小野委員 2番は有害性が高い物質の場合には違いないのですが、管理濃度が低くて濃度変動の影響が大きいものとして理解できましたので、最終の所で誤解のない文章にしていただければよろしいかと思うのですが。今すぐでなくてもいいかと思います、報告書の最終までに。すみませんが、よろしくお願いします。

○西田環境改善室長 管理濃度が低い物質を取り扱う作業、そこがメインという形で、そこを誤解のないように、表現ぶりを検討したいと思います。

○山室委員 管理濃度が低いと、測定結果は相対的に変動が大きいということになるので、多分、そういうことが分かるように書いていただければいいのかと思います。

○西田環境改善室長 そうだと思います。

○小野委員 濃度が高くても低くても変動はするわけですよね。

○山室委員 そうですね。

○西田環境改善室長 「相対的に変動が大きい」というくらいがいいでしょうか。

○明星座長 測定管理が難しいですよね。

○土屋委員 たった今、気が付いたのですが、報告書案の「その他」の(2)B測定での個人サンプラーの活用の説明が2行になっていて、「現行の作業環境測定基準に基づくB測定で、定置式機器に代えて」まではいいのですが、「個人サンプラーを作業者に装着して測定を行うことは可能である」とあります。ここの2行は特に間違ったことは言っていないのですが、B測定をやらなければいけないのは移動・間欠・固定なのです。間欠というのは、間欠的に高濃度ばく露がある場合は作業者がその場を離れても、そこで測定しないといけないのです。そうなってくると、そこに個人サンプラーを付けてしまうと作業者がいなくなってしまうのです、そこから。ですから、ここはちょっと少しそのニュアンスが伝わるように表現されたほうがいいかと思います。

○西田環境改善室長 要は、B測定全てのケースが個人サンプラーでできるかという理解でいました。

○土屋委員 それは違います。

○西田環境改善室長 離れる場合もあるということなのですね。

○土屋委員 間欠作業の場合は、作業者がそこにいなくなっても、その場所で10分間の平均濃度を測らないといけないのです。ですから問題になっているのです。高濃度の時に入って、その後人がもういなくなってしまって硬化炉に電気を入れても、そこでB測定をやらないといけないのかと皆さんがおっしゃるわけです。現行の基準ですと、そうでないといけないのです。それは、おかしな話なのです。もう作業者がいないので測らなくてもいいのですが、ルールはそうなっています。

○西田環境改善室長 そうしますと、例えばこのB測定でという中で、作業者が発散源から離れない場合とか、そういう場合を明らかにするということですか。

○土屋委員 ですから、移動、間欠、固定という、その3種類の専門用語を使って、移動と固定ですか、それぐらいに限定しておかないと。今までのB測定の結果と大きく変わってきますよね。今までは間欠作業で第三管理区分になったとか、そういうのを個人サンプラーでやれば第三にならないわけです。30秒ぐらいの高濃度ばく露でも、あと930秒、ほかの所へ行ってしまうわけですから。

○寺島環境改善室長補佐 当初お送りした案で、10分継続してその場にいると書いていて、我々もそうは思っていたのですが、やり方とすれば、今の作業環境測定と同じことを個人サンプラー用機器でやってもらえばいいので、何なら、作業者さんがいなくなるなら個人サンプラー用機器はそこに置きっぱなしにする。

○土屋委員 そこに置いておいていただければいいのですよね。

○寺島環境改善室長補佐 というようなことをしていただければよいのかということで。法令的には余り変わりがないということで、あの例は止めました。

○土屋委員 ただ、「定置式機器に代える」と書いてあるので、これは誤解する可能性が高いので、少し補足の説明があってもいいかと思いました。

○寺島環境改善室長補佐 はい。

○宮内委員 可能であるという表現なので、そこは多分、今、先生のお話があったような3つの中で測定者の方は常識的な判断をしてくれると思います。

○土屋委員 どうもね。

○宮内委員 多分、常識的に捉えると思うのですが、あえてそこを書いてはいかがかというお話ですよね。

○橋本委員 今のところですが、B測定は、定置式の装置で行えという決まりはあったのですか。そういうのはないですよね。

○寺島環境改善室長補佐 ないです、それは。

○橋本委員 今まで慣例として三脚に立ててやっていたから、それで間欠作業でも人がいない所で測っていたわけですよね。

○土屋委員 違います。間欠作業の測定の原則が、間欠的に高濃度ばく露のある場所での測定、その時間帯を含む10分間の測定となっていますので。

○橋本委員 それは?

○土屋委員 ですから、定置式は、作業環境測定士がその場所でずっと持ってても別に問題ないわけです。

○橋本委員 固定するのですか。

○土屋委員 固定式の測定器ということではないです。

○橋本委員 今のことは、例えば作業環境測定基準の中に書いてあるのですか。

慣例として、そうやっているということではないのですか。

○宮内委員 たぶん、慣例としてだと思います、私も調べましたが。

○土屋委員 基準にはないですよね。それはないですね。

○宮内委員 ガイドブックのレビューらしい。

○土屋委員 ガイドブックの解説ですかね。

○山室委員 ガイドブックには、その位置で測定を行う。

○宮内委員 書いてます。

○橋本委員 でも、ガイドブックはガイドブックですね。

○山室委員 そうなのです。ですから。

○橋本委員 法令ではないですね。

○山室委員 はい、そうですね。

○橋本委員 そうしたら、それはむしろ、人にサンプラーを付けて、人がその場を離れたら、その場所は測らない。これのほうが合理的なのではないのでしょうか。

○土屋委員 合理的なのは合理的なのですが。

○橋本委員 法令にも定めていません。

○土屋委員 そういうルールでスタートしていまして、間欠作業のB測定の必要性が議論されたときに。ですから、30秒でいなくなって他の所に行ったら、ほかの行った所での10分の平均濃度にすれば、高濃度にならないわけですよね。ですから、高濃度の場所でのばく露を10分間の平均濃度で規制するという考え方でスタートしていますので、そこはばく露濃度と少し考え方が違うのです、今の現行のAB測定の考えが。

○橋本委員 ですから、そこの考え方が、どこでどう話し合われたかは分かりませんが、その考え方をここで改めたら、どうでしょうかと思うのですが。

○土屋委員 なるほどね。

○寺島環境改善室長補佐 ここは、この部分はあくまでも、今のB測定はそのまま維持しつつ機器だけを交換しようという部分のものなので、本編の短時間測定のほうは、今、橋本先生がおっしゃったように、3分間作業して、違う所へ行くのなら違う所にそのまま持って行っていいということなのですが、この部分は、あくまでもB測定の代替の話なので、代替するなら機器はそこに置いておいてくださいということなのです。

○明星座長 今のこの部分の「定置式機器に代えて」を消してしまえば、それでいいのです。

○土屋委員 そうしてもらえると。

○明星座長 本当に定置式ではなく測定士が持っていますから。有効に使えそうなものも入っています。

○西田環境改善室長 今の基準では、濃度が最も高くなると思われる時間に当該作業が行われる位置に置いて測定するとなっていますので。

○土屋委員 位置と書いてあるので。

○西田環境改善室長 ただ、その位置が固定しているとも何とも書いていませんので。実は、この部分は必要ないかなということを中でも検討したのですが、ただ、測定士の方で、B測定に個人サンプラーが使えないと思っている方がいらっしゃることを考慮して、今の制度の中でもできることを明記したという趣旨ですので。そうしましたら、座長がおっしゃるように、「定置式に代えて」というように、落としてもよいと思います。

○明星座長 ほかに何かございますか。よろしいですか。

○橋本委員 もう1つよろしいですか。例えば4ページの上から2行目です。専門家の助言ということで、「産業医等」という所です。先ほども短く御説明があったのですが、現実の話、産業医にもいろいろな方がいらっしゃって、もちろん判断ができる方もいらっしゃる。ただ、嘱託産業医の方とかで、なかなか難しい方もたくさんいらっしゃると思うのです。あとは、産業医の業務範囲というのは最近ますます広がっていて、メンタルヘルス、生活習慣病対策とか働き方改革とかで大変忙しい。そういう流れの中で、更にここに産業医の役割として決めるのもどうかと思います。産業医でなくて、例えば労働衛生コンサルタント、これは問題なくいいのではないかと思うのです。あとは、インダストリアルハイジニストという民間の資格者で相当する方は教育としては十分なものを受けているので、そういう方でもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○宮内委員 よろしいでしょうか。

○西田環境改善室長 この関連ですか。

○宮内委員 この関連です。私は大分これは考えたのですが、やはり、今回のAB測定なのか、個人サンプラーを用いた測定なのかというところの判断をすることになるわけですよね。メリットとデメリットがありますね。使い分けをする、若しくは、どういう結果のために、どういう会社のためにどういうものを方法として使うかということを選ぶというのは非常に、デザインの中でも、難しい、かなり特殊性のある広い専門知識、若しくは経験が要るような話だと私は思うのです。これは非常に重要で、ではそういう教育は今どうかというと、実際それほどやっていないし、正にこの議論の中でもまだ固まっていないような話ですから、これからみんなで勉強していき、よいものを作っていく必要はあると私は思います。ただ、そうなると、やはりデザインなので、これは作業環境測定士が本来はやるべき仕事ではないかと思うのです。おそらく実情から言えば、ハイジニストの人たちもできるし、コンサルトできる方もたくさんいらっしゃると思うのですが、やはり法律的に測定士が責任をもってデザインをしっかり最後までやることが本来の姿かなと思います。ただし、事業主側の責任で測定を選ぶとなっているので、事業主側の健康管理の責任者、やはり実際の責任者の立場である産業医の先生がどうしてもその中で相談相手としては必要と思うのです。まだ内容的にもきっちり固まっているわけではないので、もう少しここは、逆に言うと、内容が固まってから、しっかり決めてもいいのかという感じはしています。ただ、デザインということであれば、やはり測定士がしっかり国家資格として責任をもって最後までやるということで、相談相手、助言をする立場としては一番ふさわしいのかとは思っています。これは私の意見です。

○中野委員 よろしいですか。「産業医」を付けていただきたいと思ってコメントを入れたのです。デザインというところまでの役割として産業医を上げている気持ちは全くなくて、ABでこのままいくのか、個人サンプラーを測定していただくかの、どちらかで測ってほしいという希望を伝えるぐらいの選択という意味で、コメントをさせていただきました。測定の細かいことはとてもできるとはもちろん思っていません。

○宮腰委員 そこで先ほど、私もちょっと引っ掛かってしまったのですが、安全衛生委員会そのものというのが、やはり産業医がそこに含まれているという認識があるのです。ですので、それぞれ測定の結果に基づいて、産業医がそこでアドバイスをした上で個人サンプラーをやったほうがいいのではないかというアドバイスという形を取るのであって、それは、マル2の下のほうに、そこが含まれているのではないのかという気が、私の中では認識があります。頭の部分の題出しの所の、設置するところから産業医等が専門家の助言という形でとらわれるというのは、ちょっとニュアンスが違うのかという私の感覚です。

なぜかと言うと、まず、測定をする装置を据え付ける、先ほどのデザインをするところから産業医が入るということではないと私も思っています。

○中野委員 はい、それはそのとおりです。

○宮腰委員 そうですね。結果に基づいて、それについて助言をするという立場に産業医はあるわけですね。

○中野委員 私のイメージとしては、普及をしていっていただきたいと思っているので、むしろ、今までのABで一般的には流れていくのかもしれないところを、個人サンプラーで測ってほしいという希望を言える機会を産業医に与えてほしいという気持ちなのです。

○宮腰委員 いる場所が、安全委員会という認識で、私は。

○中野委員 場所がちょっと前に出てきすぎというのかもしれないのですが、そういうニュアンスで入れていただければと思っています。

○明星座長 その辺、藤間委員はどう思われますか。

○藤間委員 私は、かえって、またちょっと違うかもしれないのですが、どちらを選択するかは、何らかのしっかりしたガイドラインがあって然るべきだと、最初から私は言っていたのです。そういう意味で、単に助言というようなふわふわしたものではなく、選択するための材料、それをここにもう少し上げてもいいのかという気はするのです。どちらを選ぶかというところで、具体的な事例とか、何かそういうものを厚労省さんから示していただいて、それに基づいて判断するという形のほうが。助言というのがどうしてもやはり、大事なのですが、何に基づく助言なのか、多分、橋本委員がおっしゃっておられるようなのも、その辺りの、今の産業医の方にどういう助言を頂くかというところで、ちょっと皆さんの助言の捉え方が違うと思うのです。多分、これを読む方も皆さん、いろいろな取り方ができるのかという気がします。ですから、何らかの基本的なルールがあって、それに基づいて助言が入って、更に事業者が決めるというステップがいいのではないかと思うのです。

○明星座長 私も、産業医と書かなければ産業医は仕事をしなくていいと思ってしまいますから、あなたの責任だよと書いたほうがいいと思うのが1つ。もう1つは、安全衛生委員会における産業医は力はあるので、彼がそう言えば周りも。逆に、測定士ないしは外部測定機関がこれをしましょうと言っても、そうですねと言って終わる可能性もありますし。ですから、どこから安全衛生委員会が動き出すかを考えれば、一番最初に置いておくのも中野委員が言うように意味があるのではないかとは思います。特に、これまでずっとやってきたことを変える明確な理由が藤間委員が言われるようにあるのなら、出してくれればやりますが、でもそうでなくて、どちらでもいいと言われれば、ふわふわと。やってみようという判断は事業主がする。事業主がするということは産業医に先生どうしようという話になりますから、結局、産業医にぐるっと回って戻ってくるような気がします。その部分を安全衛生委員会等が、判断して始める話ではないのですか。結果を受けるのが安全衛生委員会ではありますが、最初のスタートを掛けるのも安全衛生委員会なのではないですかね。とすれば、そこの部分から始めるので、最初に産業医がくるのではないかと思います。そうでないと多分回り出さないと思います。この件はほかによろしいですか。

○橋本委員 先ほど、藤間委員が言われた、何か材料を上げたらいいのではないかというのは、例えば講習会のときの教材等で、巡視の結果近接作業が多いと思われるとか、特殊健康診断の結果で、ある傾向があると思われるとか、そういうものを挙げればよいと思います。

 それから、今の安全衛生委員会というのは確かに重要なポイントだと思います。作業環境測定の結果は、安全衛生委員会ではどういう扱いでしたか。報告でしたか。

○寺島環境改善室長補佐 法定の審議事項になっております。

○橋本委員 審議事項ですね。

○寺島環境改善室長補佐 はい。

○橋本委員 分かりました。そうしたら、安全衛生委員会の助言、あるいは安全衛生委員会の決定によってという言葉も入れたらいかがでしょうか。例えば、委員会の中に、測定士がいないこともあります。

○明星座長 やるのは事業主なのです。

○橋本委員 そうですね。

○藤間委員 あと、あれですよね、安全衛生委員会がない。

○橋本委員 それはありますね。

○土屋委員 その場合は、作業環境測定士になりますよね、必然的に。

○宮内委員 教育カリキュラムも余り固まっていないこともあるので、私は、もう少しここはゆっくり皆さんの意見を聞き、全体が大体、出来上がった時点で決めていくほうがいいと思っています。これは、もう1つは、リスクアセスメントとは少し体質が違うということです。リスクアセスメントはハイジニストとかコンサルタントでいいと私は思っているのですが、先ほども言いましたとおり、デザインの分野の話が非常に重要になってくるので、やはりそこは測定士が主体として推進する、責任を持って進めるべきだと思います。

○山室委員 作業環境測定の記録モデル様式は、測定結果に事業場記録欄があって、そこには衛生委員会、安全衛生委員会又はこれに準じる組織の意見を1番目に書く欄があります。それから2番目に、産業医又は衛生コンサルタントの意見を書く欄があるということで、それぞれの方々が意見を述べられる機会が、1回測定をやればあるという形ですので、こういった方々の意見を多く見ているのが事業者と考えたらいいのかと思います。そうすると、作業環境測定士対事業者という関係で書いていくのが一番分かりやすいのかと思ったのですが、いかがでしょうか。

○土屋委員 山室さんのお話は、産業医等を抜くということですか。

○山室委員 産業医等を抜いたとしても、事業者の所に入っているということです。

○土屋委員 なるほど。

○山室委員 安全衛生委員会とか衛生委員会、それから産業医、コンサルトもみんな同じ側にいると思います。

○土屋委員 本来の姿はあるわけだから。

○山室委員 みんな入ってくるからということですね。

○土屋委員 はい、あえてここに測定士以外の専門の名称を入れないほうがいいということですか。

○山室委員 はい。そのほうが、何か分かりやすいのかと。

○土屋委員 「等」が入っているのですけれどね。

○山室委員 はい。

○藤間委員 点と産業医を取って、「等」だけを残しておけばいい。

○小野委員 途中に、読点があると、1個、1個独立してしまう可能性がありますね。

○土屋委員 それとも、作業環境測定士等だけにしますか。

○西田環境改善室長 すみません、この「また」以下の所ですが、測定方法の選択と評価について、安全衛生委員会との関連で入れているものです。これは後ではなくて前のこともここに書いてあり、よく見ますと、上に書いてあることは下に書いてあることとも若干、重複があるということで、「測定方法の選択の際に、作業環境測定士、産業医等安全衛生委員会」というように入れるというのもあります。ですから、「測定方法の選択として、測定士、産業医、測定結果の評価について産業医、安全衛生委員会に諮るなどして」という、そちらにまとめて書いてしまうというのもあるかと、思った次第です。

○土屋委員 室長さんの御提案は、後ろの3行を前に入れ込むということですか。

○西田環境改善室長 そうですね、前に入れてもいいですし、いずれにしても、要は前と後ろでちょっと重複のある部分もあるものですから、そこで、これを前に持ってきてもいいのですが。「作業環境測定の対象となる作業場ごとに」のあとに、一番下の3行にある「測定方法の選択と評価については、測定士、産業安全衛生委員会等に諮るなどして、作業場の実態に合った適切な方法となるようにする」という形でもいいのかと、思っています。

○小野委員 すみません、マル1とマル2は、実質の話になるので、上の段落と下の段落をまとめる形で、安全衛生委員会も入るし、あと、専門家も入るという形で選択評価の所を書けませんか。今、どうしても選択の所に余り安全衛生委員会が関わっていない形になっているような気がします。前年どおりの方法でという形ですよね、基本的には。ですから、選択のところがもう少し入るような形で、まとめていただいたほうがいいような気がするのです。それで選べるのはマル1とマル2ですよという。いかがでしょうか。

○西田環境改善室長 要は、ここは趣旨としては、事業場が、安易なほうを選択するということではなく、きちんと作業者の健康障害防止とか、そういうことも考えた上で助言に基づいてやらなければいけませんよということです。ただ、小野委員のおっしゃったように、安全衛生委員会が選択のところに関わっていないとしたら、それに関わるということを入れることになりますが。

○小野委員 関わっていないとは言いませんが。

○寺島環境改善室長補佐 実際には関わっていません。法令上、今おっしゃったように、結果と、それから評価と対策の充実の部分だけが審議事項になっていて、選ぶ所は審議事項になっていないので、ですからそこを書き分けて、選ぶときは測定士と産業医の意見を聞きましょうと。評価については、安全衛生委員会で審議していただきましょうという形にまとめればよろしいでしょうか。

○西田環境改善室長 では、ここをまとめます。いずれにしましても、作業環境測定士はmustなのかと思っておりますので、ハイジニストも作業環境測定士を兼ねているかと思います。そういう意味で、「等」も付けておりますので。産業医では健康障害防止とか、いろいろ事業所の中で責任のある立場にあるということから、法定の資格者として代表的なところを挙げたというところです。そこに、「委員会等」ということも入れるということであれば、そこはまた、ちょっと工夫して修正したいと思います。よろしいでしょうか。

○橋本委員 ここには「測定方法の選択と」と書いてあるので、委員会も選択に関わるということですか。

○西田環境改善室長 ですから、また以下、この選択にも関わるということで、「諮る」と書いていますので。

○橋本委員 分かりました。

○明星座長 ありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。

○山室委員 別の所ですけれども。5ページの測定時間を短縮できるという所ですが、下から6行目、「なお、同一の作業の繰り返しであり、一部の時間の測定で推計できる場合は、測定を行う者の判断により次の事項に留意の上、測定時間を短縮しても良いものとする」ということです。こういったことがあることを考えていくと、例えば10分間だけの投入作業とか、非常に短時間の投入作業が1回しかないというようなケースについて、今、作業環境測定ですと、それでもA測定では1時間以上継続してやるのだということになっていますけれども、そういった作業であれば、その有害物質が発散している間だけ、短時間の測定を行うなりということでも、8時間のばく露というのは推計できるということになろうかと思いますので、そういったことも議論として進めていくことが必要なのではないかなと思うのですけれども。

○明星座長 そういうケースはいろいろあると思うのですが、それを全てここで議論していても、なかなか難しいように思うので、やはり、動いてみてからでないと分からないのではないかと私は思うのですが。悪く取れば薄くなるし、良く取れば高くなる、良し悪しは逆かもしれませんが、それはやはり動いてみないと、どうでしょうか。それはかなり重大な問題だとは思いますが。誰がどう責任を持って判断するかということは、やはり今後やってみないといけないのではないかと思うので、余りそういう部分をここできっちり決めないほうがいいかなと思いますが、どうですか。

○土屋委員 私は個人サンプラーの測定にかなり期待している人間の1人なのですが、今まで測定現場の箇所というのはカチッと決まっていましたよね。だけど、それ以外の所で作業者がどんな作業をしているのかというのは、作業環境測定士には見る方法がなかったのですね。ところが8時間ばく露測定をもしできれば、その結果に基づいた原因を追究できる糸口が見付かるのです。

 例えば私の経験で、自動洗浄装置で第1管理区分の現場なのですが、異常に肝機能に異常値が出て原因が分からなかったというときに、その作業環境測定の場の測定で、自動洗浄装置からは漏れ出しはないけれども、従事者が時々点検口の中に顔を突っ込んで、吸入する機会がままあったと。それも原因は、現場の人が早く洗浄してほしいから、単独で自動洗浄装置ではなくて、手でもってそこで洗ってほしいという依頼が頻繁にあったと。そのようなことが個人サンプラーを付けてやれば、今後また見つかる可能性もあるわけです。

 健康診断をやったから、たまたまその件は見付かっているのですけれども、そうではないような現場も、今後、8時間のばく露測定をすることで、相当いろいろなことが分かってくると私は思うのです。今は限定的な場所しか義務がないと。だけれど、前掛けが汚れた状態で1日働いている人たちのばく露濃度がどのぐらいかなどということも、今後は分かっていくわけなので、山室さんがおっしゃるように、現行の制度に照らし合わせて、余り遜色ないということにしなくてはいけないのですが、その反面、新しい手法を事業場が取り入れることで、新たな情報を踏まえて、もう一歩改善のステップを上げてもらえるといいなと思っているところなのです。そのようなことで、余り細かく決めないほうが私はいいような気がします。

○山室委員 そういうことであれば、繰り返し作業であっても、時間を短くするということを今ここで決めるのではなくて、やはり原則8時間測るということにしておいたほうがいいのかなと思います。

○土屋委員 少なくとも4時間ぐらい測るほうがいいような気がしますね、私は。

○明星座長 8時間が4時間ぐらい、それが2時間になって。

○土屋委員 2時間になっていますか。

○明星座長 だんだん割引になっているような気がしますけれどね。

○小野委員 私は、思い切り2時間になったのが、ちょっと不思議なのですけれどね。

○橋本委員 ただ、今の話では、例えば、ある化学物質を扱う作業が15分しかないというようなことはやはり現実にあります。ですから、いざ実施となったときに、測定士等から「この場合はどうすればよいか」という質問がガーッと出てくることは予想されます。ですから服とか場所の汚染とか全部考えて、それでもここの一定の短時間しか扱わない、というケースではその部分だけの測定も認めるということは必要かと思います。

○土屋委員 それはありますね、無駄な仕事にならないようにね。

○小野委員 ここには「同一作業の繰り返し」としか書いていないので、頻度も何も書いていませんから、そこの時点で「こういうのもあるよ、こういうのもあるよ」というのを、今、報告書のところで、そこまで盛り込むのはやはり難しいと思うので、原則として長時間にしておいて、個別案件については、また実施に向けて、別の検討会が始まるということですので、そこでの審議課題としてはいかがでしょうか。ここで繰り返しの定義まで決めるのは、ちょっと厳しいかなと思いますけれども。

○橋本委員 特殊な作業の場合については、「別途検討」というような一文を入れるということですかね。

○小野委員 そうですね。

○橋本委員 確かにそれもあると思います。

○明星座長 原則として。

○小野委員 原則として4時間ということですね。

○明星座長 ありがとうございます。そんなところで。

○西田環境改善室長 「可能であれば」の後、「原則として」というようにして、「少なくとも2時間以上」についてはどうしますか。

○橋本委員 私は繰り返し作業とか変化の少ない作業という事を踏まえた上で2時間は十分だと思います。

○西田環境改善室長 分かりました。そうしましたらそこも含めて「原則として」と入れる形でしょうね。

○明星座長 何かどんどん割引になっていますからね、何か、へんな感じですね。

○橋本委員 行き過ぎはまずいですからね。

○西田環境改善室長 確かに、いろいろなケースが想定されると思います。そこはやはり実際に、また別途細かく検討する中で決めていくという形ですね。

○明星座長 大体よろしいですか。

○中野委員 この中には盛り込まれていないのかもしれないですけれども、今後、導入的に測定していって、これまでの数値と比較して導入可能かというのを確認していくという理解でいるのですが、その場合、その測定結果の報告というか、個人サンプラー濃度AB測定ともに、今どういう形で労基署に提出されているのか、ちょっと分からないのですけれども、振り返って検討できるような形にしておいたほうがいいのかなと思うのですが。

○明星座長 労基署には出ていないと思います。

○土屋委員 労基署には提出はないですね。

○中野委員 測定して。

○明星座長 検診とは違います。ですから、これまでの形だと、一応その前と前と前、4回前でしたか。

○土屋委員 そのぐらいですね、確か4回分。

○明星座長 そのぐらいまでは遡れますけれど、そういう格好で、先生がおっしゃられるのは、次がどうやって振り返られるかという。

○中野委員 そうですね、どちらのほうがいいと、今後の意向が、もしあるのか分からないですけれども、確認できるように、結果を提出するとか、うまく測定できているのかも確認、どうなのですか、嫌がられてしまうのでしょうか。

○橋本委員 嫌がられてしまうでしょうね。

○寺島環境改善室長補佐 御指摘の点なのですが、おっしゃったように、作業測定結果の監督署への報告義務は現在ないのです。その部分につきましては、確かに行政のほうで、それをどうして把握する必要があるのかというところから含めて、ほかの措置の部分や、その先の課題として検討の余地はあるのかもしれませんが、現在の測定の方法というところに特化した検討の部分では、ちょっと難しいかなと思っております。

○中野委員 導入ができているのかどうかという判断は、どういう形でされていくのですか。

○明星座長 それは何か、この中に必要かもしれませんね。この報告書の中に、どうやって導入するのか、ないしは導入した結果の評価とか、そういったものがないといけないのかな。

○寺島環境改善室長補佐 今のところ、何か義務を掛けて、検診結果の報告のように義務を掛けてということではなくて、個人サンプラーを実際に導入された作業場を何らか、監督署を通じてとか、あるいは自主的に言っていただくとか、何らかの形で把握した上で、そこでどうやっているかというのを検討・確認して、全面導入の可否について検討するとしているので、その際に義務をかけて監督署に何か報告してもらってというのは考えていないです。

○中野委員 では、事業場での保管、使わない間の保管が、2年間されている中で確認作業をしていくという。

○明星座長 もともと、そういう法律ではないので、報告は。

○土屋委員 1つだけ、もしやれるとすれば、年間の事業報告ですよね。そこのところに、AB測定の代替として個人サンプラーを使った測定をやった事業場は幾つの作業場がありますかということを、測定機関の人に、各局に報告させるという手もあります。今のところ、そこはフォーマットで固まっていますので、そのフォーマットを直さないと測定機関に報告をもらえることにはならないですよね。

○中野委員 機関がどちらにしたかという、場合によっては第1、第2、第3チェックぐらいは、それはできないのですね。出せないのですね。

○土屋委員 それは今でも無理です。

○西田環境改善室長 今のフィードバックのところですが、8ページの「その他」の(3)スケジュールの所に、「状況などを改めて調査・検討し」とありますから、そこで一応フィードバックはするという形で、余り細かい様式とかは、ここでは決められないかと思います。

○寺島環境改善室長補佐 今、土屋先生がおっしゃったように、作業環境測定機関から毎年1回事業報告ということで、指定作業場の区分に応じて、どのぐらいの事業場に測定に入ったかというのを報告していただいているので、確か、その部分は通達ベースだったと思いますが、様式についてはそういったところでの把握の方法もあるということの御提案だと思いますので、また行政のほうで検討していきたいと思います。

○明星座長 よろしいですか。

○橋本委員 ちょっといいでしょうか。話が変わりまして3ページ目の(6)のマル2有害性が高く管理濃度が低い物質ということなのですけれども、一覧表を見まして、0.05mg/3以下のものといいますと、特殊検診の事業総数で言うと、粉じんがすごく多いのです。コバルト、クロム、鉛。これですとガス状物質についての実績という意味では、かなり少なくなってしまうのではないかと思いまして、何かもう少しガス状物質を増やせるような切り分けも考えられるかと思います。

○寺島環境改善室長補佐 マル1の要件のほうに吹付け塗装というのを一応挙げておりますので、そこには入ってき得ると思います。今回の先行導入の作業を、まずは必要性の高い部分からやってみようというところからすれば、今のまとめ方になっているのかなと思っています。

○西田環境改善室長 もう1つは、測定士が皆、個人サンプラーを習熟しているわけでもありませんので、やはり測定士の養成というところも含めますと、先行導入はこれぐらいの規模感からやるのがいいのかなと考えております。

○橋本委員 分かりました。

○明星座長 大体、議論は尽くしましたでしょうか。前回話をパスしたのですが、最後のほうに教育のプログラムがあったのですが、その話は後でいいのですか。

○西田環境改善室長 今、事務局からお話しいたします。

○寺島環境改善室長補佐 資料6-2の一番最後のページです。別紙2を御覧ください。個人サンプラーによる測定を行う者となるための講習()です。この部分は先ほど御説明しましたように、粉じんの捕集面を前に向けて付けるという部分を考慮しまして、機器の装着方法という言葉だけを追加しておりますが、基本的には前回と同じものです。

 また、改めて御説明いたしますと、教育科目と所要時間としまして、これは第1種作業環境測定士を対象とした追加講習のイメージですが、全部で17時間ということにしております。大体3日から4日間掛かるものになろうかと思います。こちらにつきまして、どんな項目が必要であろうかということで、これをまずたたき台といたしまして、我々のほうで法令に落とし込んでいく作業がありますので、足りないもの、あるいはこれはもう知っているから要らないのではないかということがあれば、御指摘いただければと思います。

 一番上の行の左肩、「有害因子に関するリスクアセスメント」で、リスクアセスメントについては2時間で、概論とハザードの特定と実施方法とアセスメントに関する措置の策定。さらに2段目が、「個人サンプラーによる測定の基本」として基本的なところと、目的と特性というところで1時間。3段目としまして、「個人サンプラーによる測定のデザイン」としまして、ここが核になるかもしれませんが、事前調査と同等ばく露グループの設定等。すみません、ここは「同等ばく露グループ」と使っておりますが、「作業者グループ」と直します。事前調査のやり方と定性的なリスクアセスメント、どこを対象にするかということで、この時点ではこれを入れております。法定の測定ということになると、少し違うかもしれませんけれども。3点目として、空気中濃度の簡易的な推定法。4点目、同等ばく露グループ(作業者グループ)の選定。測定の実施日などです。

 それから4段目は、「個人サンプラーによる測定特有の測定」としまして、サンプリング機器の基礎知識と選定方法ということで、吸入性粉じんのサンプリングとか、先ほどの装着の方法、それから蒸気と粒子が共存する高蒸気圧物質のサンプリングの考え方などを含みます。個人サンプラーによる測定の定量下限の確認(分析方法の選択)ということです。これらを濃度に応じて定量下限を確認しておく必要があるということ。それから評価手法と測定時の安全上の配慮となっています。機器の問題と作業性の問題とがあろうかと思います。それから5段目は、「測定頻度・点数等の緩和の判断」、通常の個人ばく露測定などではこういうものが入ってくると思います。それから6段目が、「作業環境改善の提案(評価の進め方と改善措置)」として、改善に必要な測定方法と必要な基礎知識、測定結果および評価の記録、報告書の書き方、それから「関係法令」としまして、安衛法とリスクアセスメント指針に関することを2時間、あとは演習としまして2時間、修了試験が1時間、合計17時間となっております。

 それから第1種ではなくて、第2種測定士の場合には一般的な環境測定と評価区分の決定の追加が必要だとしております。この部分は、もともと第2種の場合は分析作業をやらないということになりますので、その前提の下に、これに加えてということになろうかと思います。以上です。

○明星座長 これに関して、特に測定士の。

○宮内委員 全部で17時間と非常に充実した良いプログラムだと私は思いました。ただ、もしできればということで、私の考えなのですけれども、今回は個人サンプラーを用いた測定ということなので、いわゆるリスクアセスメント指針の内容とは少し違うのです。大きな枠で言うとリスクアセスメントの一環、両方一遍にできるというのは理解できるのですけれども、余りここに時間を割くか、強調してしまうと、ちょっと混乱しないかと危惧しました。むしろ、ここは最初のところでさらっと話をして、デザインの方法から報告書の書き方とか、実務的なところがやはり非常に悩むのではないかと思うのです。そこは演習みたいな形で書いていますけれど、丁寧に少し教えていただけると理解しやすいのかなと思いました。

 それから「緩和の考え方」というのは、あえてここで1時間も要らないのかなと。どこかに一緒に入れて話をして、いいのかなと思いました。

 コントロール・バンディングについては、事前調査の中でそういう手法ももちろん使うと思うのですけれども、この話をすると非常に混乱をしないのかなと思い、なくてもいいのかなと思いました。以上です。

○橋本委員 ちょっとよろしいですか。私は背景として、リスクアセスメントというものがあるということは大事だと思います。それから、具体的に言いますと、管理濃度を使うわけなのですが、その管理濃度と健康影響との関係が重要です。管理濃度は、ばく露限界値を参照してできているもので、ばく露限界値とはどういうものかの説明と、つまり測定結果は健康にも結び付くという説明は大事だと思います。長い時間でなくてもいいのですが、この項目は入れたほうがいいと思います。

○西田環境改善室長 ばく露限界値に関する項目というのは、どこかに入れたほうがいいのではないかと。

○橋本委員 管理濃度と健康影響との関係、または管理濃度の考え方という言葉でもいいかもしれません。

○明星座長 山室委員、土屋委員はどうですか。

○土屋委員 「報告書の書き方を含む」と、ありますので、先ほどの宮内先生のお話は、これでいいのですよね。ですから、書かなければいけない最低要項をここで教えるわけで、フォーマットは全国統一になっていないけれど、だんだん集約されてきますよね。オリジナルなものがやたら書かれているけれど。

○宮内委員 いろいろなパターンがあると思うので、ちょっと演習みたいにしてパターン別に実際にやってもらうぐらいではないと、すぐにこれを書いてくださいというのは多分できないかなと思うのです。本やテキストなどでいろいろ勉強はできると思うのですけれども、やはりそこで質疑応答みたいな形でかなり詰めることができたら理想かなと思うのです。

 それからもう1つは、どういう場合にAB測定、どういう場合に個人サンプラーを用いた測定をやるべきかという、その選択の基準みたいなところが、非常に重要だと思うのです。前に土屋先生のほうからお話があったように、固定式バインダーや移動式のものなどが混在する場合、果たしてそれは何を改善したらいいのかということを考えて、定点測定ABで行くのか、個人ばく露のほうで行くのかということも、やはりこれからどんどん測定士として考えていく人が多いと思うのです。ですから、そういう基本的な考え方の教育が必要になると思います。

○土屋委員 それはここに入っていますよね。

○宮内委員 入っているのですが、やはりいろいろなパターンがあるので、そこをかみ砕いて時間を割かないといけない、測定方法の選択のところがぶれてしまうと、そもそもうまくいかないので、やはり十分にディスカッションを入れるぐらいの形で説明したほうがいいと思うのです。これは非常に重要で、これがちゃんとできないと、この制度自体がうまく運用されない可能性があると思うのです。時間が17時間というのはMAXで一度に2日間ぐらいがいっぱいかもしれないですけれど、定期的にやるとか再教育とかいろいろな機会ごとにスキルアップすることがないと、かなり厳しいのかなとは思っています。

○藤間委員 そういう意味では、個人サンプラーによる測定の基本というのが1.0時間になっているのですが、多分ここにそういうことが含まれるのかなと考えると、もうちょっと、ここは欲しいですね。

○西田環境改善室長 例えば、リスクアセスメントを少し短くして、こちらを長くするとか、そういう感じですかね。

○藤間委員 そうですね。

○小野委員 リスクアセスメントが最初の箱のところで2時間ありますよね。1つ置いて、すぐにコントロール・バンディングがあって、更に指針、関係法令の勉強の部分とかがあって、これだけでやはり5時間ぐらい掛かりそうな状態なので、ここをもうちょっと縮めて、ここに管理濃度や許容濃度なども入れる。あとは測定のほうで、その分を測定とか、あとは演習が2時間でいいのかどうか、先ほど宮内委員のほうからあった選択するところ、それから評価の話とか、そういったところを増やしてという形はどうでしょう。大変申し訳ないのですけれども、リスクアセスメントの法令などは別途勉強していただくということにして、少し変更してはいかがでしょうか。

○明星座長 もっと延ばしてもいいと思うのですが。

○小野委員 全体をですか。

○明星座長 時間を。

○小野委員 それが測定士のほうで、丸1週間空けられるのかとか、2日が限界とかということなのか、その辺はあると思います。あと、これを知っている人はここは免除のように緩和する部分を作るのか。結論から言うと、演習もちょっと増やして、測定、新しいサンプラーについての勉強とか、粉じんの測定法とか、サンプリングとか、最初の先行導入のところは粉じんが中心になってくると思いますので、その辺に時間を割いてはいかがかと思いますけれども。

○山室委員 私も、小野委員が言われた意見に賛成です。作業グループ決定のために最低限必要なリスクアセスメントの知識を入れておけばいいのかなと思います。あと、一番下に「第1種作業環境測定士でない場合は、一般的な作業環境測定、評価区分の決定程度の追加が必要」と書いてありますが、当然、2種の方は知識としてあるわけですので、これは測定士でない場合はということなのでしょうが、ただ、測定士でない方は、測定はできないということになっているから、関係がないということでよろしいでしょうか。

○明星座長 第1種作業環境測定士の区分があるではないですか。どれでもいいのかという問題もありますよね。粉じんとか、その辺の。やはりいろいろありますね。

○寺島環境改善室長補佐 区分は、自ずと1345だけになると思いますけれども、あとは2種は認めるかどうかというのは、まだ議論は頂いてはいないですし、こちらからもお話はしていないです。

○山室委員 個人サンプラーを使った作業環境測定のデザインとサンプリングの部分のことについて、今、議論していると思うのです。分析のところは除いているので、そういった意味からいけば2種の方でも構わないと私は考えます。

○土屋委員 分析ができないだけですね。

○山室委員 そうです。

○宮内委員 あと測定管理事業みたいなものをどこかでやっていただければ非常にいいかなと思うのです。これは今までの作業環境測定もかなり時間が掛かってレベルが上がってきて、非常に今はいい状態だと思うのですけれども、やはりそういう面で言うと、教育を続けないとやはりスキルアップはしないのかなと思っていますので、この場で決める話ではないですけれども、これだけでは時間が足りないと思いますので、是非お願いしたいと思います。

○明星座長 実際にはこのプログラムを作る委員会は、また別途にできるわけですよね。

○西田環境改善室長 今、頂いた御意見を踏まえて、一応3日間ということをベースとして、17時間の中で、そこは18時間ぐらいに少し延ばして、リスクアセスメントを短くし、演習を長くするとか、その選択の個人サンプラーの測定の基本とか、その辺りを少し増やすような形で、この検討会の案ということで修正したいと思います。

○明星座長 大体、議論は尽くしましたですか。何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。では、御議論ありがとうございました。それでは皆様の本日の御意見を踏まえまして、報告書案を修正しまして、事務局側からメールを出すということでよろしいですか。最終的には私預かりといいますか、事務局預かりということで、この報告書案はできるという理解でよろしいでしょうか。早いですか。

○西田環境改善室長 次回、予備日を設けてはおりますけれども、今回、一応この報告書案を、この検討会としては一旦、区切りということでよろしいでしょうか。

○明星座長 それでよろしければ予定はないということですね。では、ほかに何か事務局から。

○西田環境改善室長 改めまして、昨年の10月下旬からほぼ1年にわたり、宮内先生には、30年度から御参加いただきましたが、一年にわたり熱心な御議論を頂きまして、誠にありがとうございました。本日頂きました御意見を反映させた上で、再度、事務局のほうで修正いたしまして、各委員にお送りさせていただき、その反映させたものを座長とも相談させていただき、報告書として取りまとめて公表してまいりたいと考えております。

 また、外部の関心が高いとも伺っておりますので、今後、労使等関係者の方々や測定士の方々が集まる機会等に、この報告書案を説明しながら周知していきたいと思います。

 今後のことを少し申し上げますと、先ほどの8ページの四角の表にありましたが、制度化に向けまして、まず中で、この測定評価基準なり測定士の養成方針、いわば今の大臣告示の基準であるとか、作環法の施行規則辺りを変えていかなければいけないわけですが、中で原案を少し検討しなければいけないかなと思っております。その際ですが、2019年の年央としておりますけれども、次年度にまたがりますが、幾つかの事項につきまして別途検討としております。その形としては外部に委託することも含めまして、また検討の場を設けていくということで、更に測定士養成テキストの作成であるとか、講師養成研修を実施していくと。更に、併せて改正省令等の改正作業を、先行導入部分について進め、2020年度に測定士養成研修をスタートさせ、2021年度には先行導入をスタートしていきたいと考えております。今後そのような形で、別途検討することにしておりますので、当該部分を含め、次年度に向けて細部を含めて詰めていきたいと思います。

 いずれにしましても、今回の検討会はこれで終了となりますが、先生方にはまたいろいろと御知見をお借りすることがあろうかと思いますが、その辺はどうぞよろしくお願いいたします。本当にいろいろ精力的に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。

○明星座長 では、ありがとうございました。以上で、この検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。