第1回労働政策審議会労働施策基本方針部会 議事録

日時

平成30年9月5日(水) 10:00~12:00

場所

厚生労働省 省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)

議事

 
○職業安定局総務課長 定刻になりましたので、ただいまから第1回労働政策審議会労働施策基本方針部会を開催いたします。初回でございますので、部会長が選出されるまでの間、職業安定局総務課の岸本が司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。本日の御出席委員ですが、労働政策審議会令第9条で定める委員全体の3分の2以上の出席又は公労使各側委員の3分1以上の出席が必要とされておりますが、本日の出席委員は18名中12名です。定足数は満たしておりますことを御報告申し上げます。なお、本日の部会の説明はタブレットで行わせていただきます。私ども厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を進めておりまして、その一環として、本日もペーパーレスで開催させていただきたいと存じます。お手元にはタブレットとスタイラスペンを配布しております。使用方法については、操作説明書を机上に配布しておりますが、御不明な点がありましたら、何なりと事務局職員にお申し付けください。
また、議事に入る前に、本部会の委員の皆様について御紹介させていただきます。お手元に資料1として、労働施策基本方針部会委員名簿を配布しております。名簿順に委員に就任いただきました方々について御紹介申し上げます。
まず、公益委員の先生を御紹介いたします。中央大学経済学部教授の阿部正浩委員、本日は御欠席です。東京大学大学院法学政治学研究科教授の荒木尚志委員、本日は御欠席です。田辺総合法律事務所弁護士の奥宮京子委員です。独立行政法人労働政策研究・研修機構研究顧問の小杉礼子委員、本日は御欠席です。東京大学大学院工学系研究科教授の土橋律委員です。独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長の樋口美雄委員です。
次に、労働者代表の先生を御紹介いたします。日本労働組合総連合会事務局長の相原康伸委員、本日は代理として、日本労働組合総連合会副事務局長の山本様が御出席です。日本郵政グループ労働組合中央副執行委員長の柴愼一委員です。情報産業労働組合連合会書記長の柴田謙司委員です。日本労働組合総連合会宮崎県連合会会長の中川育江委員です。JAM会長の安河内賢弘委員です。全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会中央執行委員の山中しのぶ委員です。
次に、使用者代表の先生を御紹介いたします。清水建設株式会社代表取締役副社長の今木繁行委員、本日は御欠席です。日本商工会議所産業政策第二部長の小林治彦委員、本日は代理として、日本商工会議所産業政策第二部副部長の杉崎様が御出席です。全国中小企業団体中央会事務局次長・労働政策部長の佐久間一浩委員です。アメニティ計画(株)代表取締役の中西志保美委員です。株式会社IHI取締役常務執行役員の水本伸子委員です。一般社団法人日本経済団体連合会専務理事の椋田哲史委員です。
ここで、事務局より御挨拶を申し上げます。
 
○職業安定局長 職業安定局長の土屋でございます。本日、遅れてまいりまして、大変恐縮でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様方には、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
先般の通常国会において、働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律、「働き方改革推進関連法」と呼んでおりますが、これが成立しまして、7月6日に公布されました。この法律の成立に当たっての皆様方の大変真摯な御議論に対して、この場をお借りして、感謝を申し上げたいと思います。
この成立した法律によりまして、後ほど詳細を御説明申し上げますが、従来の雇用対策法が改正されまして、題名も変わりまして、「労働政策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」という非常に長い題名に変わりました。また、この法律の下で、新たに国は基本方針を定めるということになっておりまして、この基本方針は働き方改革に係る基本的な考え方を明らかにするとともに、改革を総合的かつ計画的に推進するための労働施策の総合的な推進に関する基本的な方針と位置付けられているものですが、これが閣議決定するに当たって、あらかじめ労働政策審議会の御意見を承るということになっております。
この基本方針に定める内容は、今、申し上げましたように、労働政策の各分野にわたる多岐な内容を含むということになりますので、今般、この部会を新たに設置させていただきまして、皆様方に御議論を頂くということになった次第でございます。委員の皆様方には基本方針の策定に当たりまして、是非、忌憚のない御意見を賜り、活発な御議論を頂戴したいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
○職業安定局総務課長 それでは、議事に入ります。本日の議題は、第1に、部会長の選挙となっております。部会長は労働政策審議会令第七条第4項に基づきまして、部会に属する公益を代表する委員のうちから当該部会に属する委員が選挙をすることとされております。委員の皆様に選んでいただくこととなっております。本部会でこの要件に該当する委員は、公益委員の皆様でございます。いかがお取り計らいいたしましょうか。
 
○土橋委員 労政審本審の会長をお務めの樋口委員にお願いするのがよいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
 
○職業安定局総務課長 樋口委員を部会長にという御推薦がありましたが、樋口委員に部会長に御就任いただくということでよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」と声あり)
 
○職業安定局総務課長 ありがとうございます。それでは、御異議ないということですので、樋口委員に部会長に御就任いただくことといたします。
以後の議事の進行については、樋口部会長にお願いいたします。それでは、部会長席にお移りいただけますでしょうか。
○樋口部会長 それでは、部会長を務めさせていただきます樋口でございます。皆様の協力を得ながら議事を進めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に、部会長代理の指名を行いたいと思います。部会長代理は、労働政策審議会令第七条第6項の規程により、部会長に事故があったとき、その職務を代理する者とするとなっております。その指名は部会長が指名することとされておりますので、私から指名させていただきたいと思います。本日は欠席ですが、阿部委員を部会長代理に指名したいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、次に移ります。次の議題は部会の運営についてです。事務局から説明をお願いします。
 
○職業安定局総務課長 御説明いたします。この議題は、資料No.2に付けている労働政策審議会労働施策基本方針部会の運営規程をお諮りするものです。はじめに、この部会の位置付けを御説明させていただきます。参考資料2、労働政策審議会の運営規程を御覧いただきながら、御説明を聞いていただければと思います。
基本方針部会ですが、労働政策審議会、親審議会との関係で申しますと、労働政策審議会の運営規程の2ページ目になりますが、第八条という規定があります。ここで分科会の所掌事務に属さない特定の事項又は複数の分科会の所掌事務に属する事項であって、一の部会において審議することが適切と考えられるもの等を調査審議するに当たって、としまして、その場合に部会を置くことができるというようにされています。
基本方針部会ですが、分科会の所掌に属さない特定の事項を審議する部会として新たに労働政策審議会の直下に設置をしたいと考えております。この場合、労働政策審議会運営規程の第九条によりまして、この部会の議決をもって本審議会の議決となるという形になります。
今回の整理の理由ですが、今回、御議論いただく予定の基本方針は、働き方改革関連法の改正によりまして、厚生労働省設置法を改正して新たな所掌事務として追加されたものです。そういう意味で、現在、既存の分科会の所掌に属さない特定の事項に該当すると考えております。また、法律が改正された雇用対策法の題名が労働施策の総合的な推進と掲げられておりますとおり、これを具現する基本方針を各分科会の所管に分けて議論するような形は、総合性という観点から余りよろしくないのではないかというように考えまして、このような基本方針の審議のための部会を設置するという形を取らせていただいたものです。
また、経済社会情勢の変化を勘案して、基本方針を改定することが将来あり得るわけですが、その場合にもこのような専門の場を設けることで柔軟に検討、変更が可能ではないかと考えております。以上が前置きになります。
資料No.2に戻っていただきまして、労働政策審議会労働施策基本方針部会の運営規程(案)ですが、この内容については、おおむね各分科会・部会の既存の例に倣った例文的な書き方をしております。第二条は本部会の委員の人数構成、第三条は、先ほど申し上げた部会の所掌事務について労働施策総合推進法の基本方針(案)の作成及び変更に関すること。というようにさせていただいております。第四条は開催要件、所掌、請求手続など、第五条は代理者の出席、第六条は会議の公開、第七条は部会の庶務についてという内容です。御説明は以上でございます。
 
○樋口部会長 ただいまの説明について、御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思います。いかがですか。よろしいでしょうか。特に御意見もないようですので、本部会の運営規程は案文のとおり決定させていただき、労働政策審議会関係法令及び当該運営規程に基づき、本部会を運営してまいりたいと考えますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に移ります。労働施策基本方針(仮称)の骨子案についてです。事務局から説明をお願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 雇用政策課長の弓でございます。私から御説明させていただきます。基本方針について労働施策総合推進法における規定について簡単に触れさせていただきます。参考資料4です。参考資料4の3ページの所で、こちらは労働施策総合推進法の抜粋になっておりまして、基本方針に関する規定が第十条で規定されています。第十条において、まず第1項で基本方針について、国が定めなければならないということを規定しております。また、第2項において基本方針を定める事項についての規定があります。まず第1号として、意義に関する事項を定めるということ。第2号として、第四条第1項、各部門に掲げる事項について講ずる施策に関する基本的な事項としております。後ほど御紹介させていただきます。第3号において、第2号に掲げるもののほか、労働者が有する能力を有効に発揮することができるようにすることに関する重要事項といった事項について定めるとしているところです。第3項においては、閣議決定を求めなければならないということ。第4項においては、都道府県知事の意見を求めるということ。また、労働政策審議会の意見を聞かなければならないと。第5項については、閣議決定があったときには遅滞なく公表しなければならないと。第6項については、関係行政機関の長に対して必要な協力を求めることができるということ。第7項については、労働に関する施策をめぐる経済社会情勢の変化を勘案し、基本方針に検討を加え、必要があると認めるときはこれを変更しなければならないということ。第8項として、基本方針の変更については、策定に関する規定を準用するということが記載されているところです。
先ほど第2項第2号で御紹介しました第四条第1項各項に掲げる事項について基本的な事項ということがありました。こちらの同じ資料の1ページをスクロールしていただきまして、1ページの下の所から、国の施策として第四条について抜粋しているものがあります。第四条第1項については、第1号から第14号まで各施策が設けられているところです。
今回の改正において、第1号の部分については新たに追加されておりまして、労働条件の短縮、その他の労働条件の改善とか、多様な就業形態の普及などについての規定が設けられています。例えば、次の第2号のほうを御覧いただくと、職業指導とか、職業紹介に関する規定が設けられておりますが、これは従前から設けられているものです。こうした項目について基本方針を定める。
 
○樋口部会長 ごめんなさい、もう一度、場所を、皆さん混乱。
 
○職業安定局雇用政策課長 すみません。参考資料4の1ページ目の一番下にある「国の施策」の所に第四条というものがあります。
 
○樋口部会長 はい。
 
○職業安定局雇用政策課長 こちらに第四条の第1項の第1号から、次ページにかけて第14号まで、様々な国の講ずるべき施策が掲げられているところでして、1ページの一番下の所ですと、労働時間の短縮といった規定が設けられています。次ページの一番上の第2項では、職業指導とか、職業紹介に関する施策といったことが規定されています。こういった事項について基本方針へ定めるといったことです。
これを踏まえて、資料No.3を開いていただくと、基本方針の策定に係る基本的な考え方というものを整理させていただきました。まず、1の根拠ですが、労働施策基本方針については、今般の雇用対策、改正雇対法、労働施策総合推進法、こちらの先ほど御紹介しました第十条第1項に基づきまして、閣議決定の上で定めるということを記載しています。
策定の方針というのが2としてあります。基本方針に定める事項としては、まずは働き方改革の意義、こちらを法律のほうでも意義に関する事項を定めるようという規定があります。それに加えて、働き方改革実行計画に規定されている施策を中心としながら、労働施策の基本的な事項とか、その他の重要事項を盛り込むといった方向で考えたいと考えております。
その次の○ですが、章立てについての考え方です。第1章については章立てとして意義を設けたいと思っておりまして、第2章については、厚生労働省が所管する労働政策、第3章としては、他省庁が所管する働き方改革に関する重要事項を中心として盛り込みたいと考えています。
最後の○ですが、第2章の中身については、働き方改革における重要事項を中心に各項目を立てて、また、先ほど御紹介しました労働施策総合推進法の第四条第1項各項に掲げられている事項及びその他の重要事項について項を立てたいと考えております。
下に※で書いてあるのは、先ほども御紹介させていただきました基本方針の策定及び変更に関することについては、労働施策基本方針部会の所掌事務とするということを記載しているところです。
前置きが長くなりましたが、骨子案について御説明申し上げます。資料No.4を御覧いただければと思います。資料No.4に労働施策基本方針(仮称)の骨子案という形で示させていただいております。まず、「はじめに」においては、我が国の経済社会情勢とか、すみません、文字が抜けておりまして、働き方改革実行計画から働き方改革法の成立に至る経緯等について述べてまいりたいと考えております。
第1章については、労働者が有する能力を有効に発揮することができるようにすることの意義ということですので、働き方改革の必要性、また、働き方改革の基本的な考え方、また、更には働き方改革の進め方について項目を立てて、記載していきたいと考えているところです。
第2章が労働施策に関する基本的な事項です。こちらについては厚生労働省が所管する労働施策について、働き方改革における重要事項を中心に項立てを行っていくという考え方に基づいて項立てをさせていただいています。まず、1として、労働時間の短縮等の労働環境の整備です。最初の○ですが、長時間労働の是正としております。今般の改正によりまして、時間外労働の上限規制とか、年次有給休暇の時季指定、産業医・産業保健機能の強化が盛り込まれたところです。また、勤務間のインターバル制度の普及・促進などについても盛り込まれているところですので、こういった内容を長時間労働の是正という形でまとめて記載したいと考えております。
次に、過労死等の防止です。こちらについては実行計画とか、今回の関連法案の中には特に盛り込まれていなかったものですが、重要事項であるということで項目を立てさせていただければと考えております。次に、今般、長時間労働につながる取引環境の見直しとか、業界改革に向けた関係省庁の連携した取組が求められているところです。取引環境の改善等の推進の項目を立てたいと考えております。次に、中小企業等に関する支援です。各都道府県における働き方改革推進支援センターの設置など、中小企業に対する支援とか、監督指導についての項目。次に、実行計画にも盛り込まれている最低賃金、賃金引上げに向けた環境整備。次の項ですが、こちらも改正を行っている産業医・産業保健機能の強化の項目を立てております。次の項目については、労災保険制度の迅速かつ公正な運用を含む安全な労働環境の整備について。さらにその下のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントといった職場のハラスメント対策、また、多様性を受け入れる環境の整備という項目を設けております。
2番が雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡の取れた待遇の確保、多様な就業形態の普及、雇用・就業形態の改善です。最初のポツですが、改正法の周知とか、業界の導入マニュアルの普及などといった雇用形態に関わらない公正な待遇の確保など非正規雇用労働者の待遇の改善についての項目。次に、テレワークの普及・促進などに関する柔軟な働き方がしやすい環境の整備。次の項目は、正規雇用を希望しながら非正規で働く者に対する正社員転換等の支援としております。
3番として、転職・再就職支援、職業紹介等に関する施策の充実です。昨年度末には転職指針といったものも策定させていただいております。そういったものなどを活用する成長分野等への労働移動の支援。また、職場情報・職業情報について、ワンストップで閲覧できるサイトの構築などを進めさせていただいているところです。職場情報・職業情報の見える化、求人情報の効果的な提供、また、地域の雇用機会の確保といった項目を設けたいと思っています。
4番として、能力開発の関係をまとめて記載させていただいています。人的資本の質の向上と職業能力の評価の充実として、最初のポツが人的資本の質の向上です。様々、今、リカレント教育の充実などが求められているところでして、そちらについて記載してまいりたいと考えております。職業能力評価の充実について、次の項目として設けたいと思っております。
5番、多様な人材の活躍の促進です。最初が女性の活躍推進、若者の活躍促進、次ページの高齢者の活躍促進、障害者の活躍促進、外国人材の受入環境の整備。そのほかにも、例えば、ひとり親家庭の親の方とか、生活保護受給者の方々など、様々な事情・困難を抱える方々がいらっしゃいますので、様々な事情・困難を抱える人の活躍支援といった項目を設けたいと考えております。
6番、育児・介護、治療と仕事の両立支援です。育児や介護と仕事の両立支援という項目と、また、治療と仕事の両立支援についての項目を立てさせていただいております。
7番、働き方改革の円滑な実施に向けた取組です。今般、各地域において地方の公共団体とか、中小企業者、また、労働者団体等を構成員とする協議会の設置といったことが進められているところでして、その他の連携体制の整備についての項目を設けております。
第3章、こちらは他省庁における取組を中心に書かせていただいているものです。労働者が有する能力を有効に発揮することができるようにすることに関する重要事項ということで、過剰なサービスの見直し、下請、取引対策の強化。下請法違反に疑われる事案の公正取引委員会とか、中小企業庁への通報制度の強化などを念頭に項目を立てております。また、次については、労働条件の改善に向けた生産性の向上支援ということで、中小企業に対する設備投資等に対する支援が行われているところでして、こういった項目を念頭に立てております。3については、能力の有効発揮に向けた無償化などの取組がありまして、教育環境の整備です。4についても、3と4は文科省関係ですが、教育段階、学校教育段階における就業意識の啓発。また、労働法制等に関する教育の推進といった項目を立てているところです。以上でございます。
 
○樋口部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について御質問、御意見がありましたらお願いします。
 
○山中委員 私からは資料3の「基本方針の策定に係る基本的な考え方」の2の「策定の方針」についてお聞きしたいと思います。この中に、「働き方改革実行計画に規定されている施策を中心としつつ、労働施策の基本的事項、その他重要事項を盛り込む」とありますが、働き方改革以外の施策については、先ほど、過労死等の防止が、その他重要事項として盛り込まれているという御説明がありましたが、そのほかに働き方改革以外の施策がどの程度盛り込まれているのか、確認をさせていただきたいと思います。
また、その他重要事項として扱っているものについては、働き方改革以外の施策についての線引きの考え方を確認させていただきたいと思います。加えて、法律に基づいて策定される基本方針ですので、その内容は、中長期的にも有効なものとすべきだと思いますが、どの程度のスパンを見据えたものなのかということについても確認をさせていただきたいと思います。以上です。
 
○樋口部会長 それでは、事務局からお願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 まず、実行計画に盛り込まれていない事項として、今般の基本方針の骨子案の中で項目を立てております。実行計画の中は、総合的に記載していない部分もありますので、若干、どこまで含められていると考えるかについては、この項ははっきりしない部分、受止め方の違いはあろうかと思いますが、私ども事務局で整理させていただいたものを御紹介します。
まず先ほど御紹介した、1の中の過労死等の防止についてが1つ目です。その次の次にありますが、中小企業・小規模事業者に対する支援・監督指導です。その次に、2の中の一番最後に、正規雇用を希望しながら非正規で働く者に対する正社員転換等の支援です。その次が、3の最後、求人・求職情報の効果的な提供、地域の雇用機会の確保です。5の多様な人材の活躍促進の中で、一番最後の様々な事情・困難を抱える人の活躍支援。更には、7の地域の実情に即した働き方改革を進めるための協議会の設置その他の連携、体制の整備です。また、第3章の一番最後の、学校教育段階における就業意識の啓発、労働法制等に関する教育の推進につきましては、実行計画の中で整理しております。
先ほどおっしゃられた線引きの部分ですが、働き方改革の実行計画にはないものの、先ほど御紹介した第4条第1項の国が講ずる施策の中で設けられているものについては、一定の記載をさせていただいております。先ほどの過労死の防止など、個別の記載がないものもありますが、各行政分野における重要事項についても必要な記載を設けております。
内容については中長期的ということです。今般、法律の中でも見直しについては、経済情勢の変化がある場合ということで、特段の制限は設けられておりませんが、今般の働き方改革関連法の中では、5年を目途としての検討という規定が設けられております。そういったことも念頭に置きながら、策定していくことを考えております。以上です。
 
○樋口部会長 山中委員、よろしいですか。それでは他にいかがですか。
 
○柴田委員 1つは、冒頭にもありましたが、確認の意味も含めて、少しお尋ねしたいと思います。これまで雇用対策法に基づいて雇用施策基本方針が策定されておりますが、今回、策定する新たな労働施策基本方針との違いについて改めて確認したいと思います。
また、今回、労働施策基本方針が策定された後も、従来の雇用施策基本方針は有効なのかどうか。その点についてもお尋ねしたいと思います。以上です。
 
○樋口部会長 お願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 今般の基本方針については、働き方改革関連法の総合的な推進を行うために、基本方針を策定するということで、中心としているものは、働き方改革に関連する事項、またそれ以外ものであっても、重要事項については盛り込む形になっております。従来の基本方針については、そういうような働き方改革にはのっとらずに、その時々の社会情勢や雇用情勢を踏まえて、基本的な方向性を総合的に策定させていただきたいと考えております。
今般、今回の基本方針を廃止するという形にはなっておりませんが、内容としてはウエイトの位置付けが変わっている部分はありますが、新たな基本方針が策定されますので、また法律の根拠も変わっている部分もありますが、こういった内容について受け継がれていくと考えております。
 
○樋口部会長 よろしいですか。他にありますか。
 
○安河内委員 JAMの安河内です。働き方改革関連法には、参議院の厚生労働委員会におきまして、この法案には47もの附帯決議が付されました。ということは、それだけ問題が多いということでもありますし、また国会でも十分な議論が尽くされていないということでもあろうかと思います。例えば、附帯決議の中には過半数労働組合が存在しない事業場における労働者代表の問題等々にも言及をしておりまして、こうした国民の不安や懸念に対して丁寧に応えていく義務、あるいは社会的使命が我々にはあると考えております。そもそも附帯決議の第30項におきましては、労政審における十分かつ丁寧な審議ということが記載されております。したがいまして、附帯決議で示された内容について、十分かつ丁寧な審議を踏まえた基本方針の策定を進めるべきだと考えております。よろしくお願いします。以上です。
○樋口部会長 ただいまの点について、いかがですか。
 
○職業安定局雇用政策課長 今般の全体的な基本方針については、基本的な考え方を示すという部分がありますので、その付帯決議で示された考え方を当然踏まえた基本方針を策定していくことになろうかと思いますが、どこまで具体的に書き込んでいくのかということについては、また案の段階で御議論を頂く必要はあろうかと思います。また個別具体的な詳細な内容については、実際そちらを所管している各部局、また各分科会等におきまして御議論を頂いて、具体的な制度設計などを行っていくものと承知しております。そちらにおきましての丁寧な御審議をさせていただきたいと考えております。
 
○樋口部会長 よろしいですか。他にいかがですか。
 
○柴委員 私からも基本方針策定に向けた基本的な姿勢について意見を申し上げたいと思います。働き方改革については、これまでも過去様々な分科会で議論がされてきたと認識しております。そのように過去の分科会で示された議論については、今回の基本方針にしっかりと反映していくことが前提だと改めて申し上げたいと思います。
例えば、職業安定分科会で言えば、昨年9月の雇用対策法改正の議論の際に、改正法案に盛り込まれた労働生産性の向上について、その意義や考え方を基本方針に示すこととされておりますし、また、多様な就業形態の普及という点についても、一定の議論や整理がされていると思います。こうした議論経過を十分に踏まえていただきたいと、改めて申し上げたいと思います。以上です。
 
○職業安定局雇用政策課長 これまで御議論いただきまして、合意事項などを示させていただいたりとか、そういったことは踏まえていきたいと考えております。
 
○樋口部会長 こちらは基本方針部会ですので、細かい点についてはそれぞれの部会、分科会で御議論を頂くということで、方針を示すということで、お互いに相互に関連してということになると思いますが、基本的にこちらが考えていくということだろうと思います。他にいかがですか。
 
○中川委員 私からは、労働施策基本方針の骨子案の中の第2章の労働施策に関する基本的な事項の中の、特に中小企業・小規模事業者に対する支援・監督指導について、要望という形で発言をさせていただきます。全国47都道府県に、現在設置されている働き方推進支援センターの環境整備、体制を更に実効性ある働き方改革の実現の推進に向けて、是非、この支援センターの充実強化をお願いしたいということが1つです。
また中小企業においても、労使が協力しながらということですが、労働組合がない職場が大変多く、私がいる宮崎でも9割以上の所が、労使との協議の場がない所もありますので、是非ともそれぞれで連携をさせていただきながら、地方でも実効性のある働き方改革の実現を推進していくための後押しとなるような指針にしていただきたいと思います。
 
○樋口部会長 御要望ということですか。事務局で何かありますか。
 
○職業安定局雇用政策課長 御意見を踏まえて、検討させていただきたいと思います。
 
○椋田委員 私も今回の基本方針の時間軸がどうかというのは、最初疑問だったのですが、先ほどの御説明で、5年を目途にということでお話がありました。基本的には今回の働き方改革実行計画関連法案を基に、基本方針をまとめるということで理解をしました。
各論として、各項目立てについて、この骨子案について幾つか要望、あるいは意見を申し上げたいと思います。まず、今回の法改正、新しい法律の労働施策推進法の第一条の目的の中で、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業の充実並びに労働生産性の向上を促進するということが、目的の中に明記されております。我々、経済界、あるいは日本全体としても、働き方改革と労働生産性の向上を一体的に実現していくことが非常に大きな課題だと思っております。第1章で働き方改革の意義に触れるということで、今後書かれるのだと思いますが、やはり労働生産性向上の重要性についても、しっかり今後書き込んでいただければと思います。
第2章の1ポツ、労働時間の短縮等の労働環境の整備ということで、複数の項目がいろいろ書かれておりますが、ここに盛り込む項目については、しっかり精査をしていただければと思います。具体的には、この中に例えば最低賃金、賃金引上げに向けた環境整備ということで書かれておりますが、もちろん経済界としてもイノベーション創出、あるいは働き方改革を通じた生産性向上に取り組みながら、賃金引上げのモメンタムの強化に努めて、デフレ脱却と経済の好循環の拡大に貢献しているところですが、やはり、今後の対応については各社の置かれた経営環境が異なっているという中で、労働政策の基本方針として、小見出しの中に最低賃金、賃金引上げに向けた環境整備が含まれることには違和感があります。むしろ、生産性の向上に重点を置いた施策をいろいろ書いていただければと思います。
4つ目の人的資本の質の向上と職業能力評価の充実について申し上げます。実はこれはタイトルと中身の項目が全く同じになっておりまして、少し芸がないかなと思っております。項目の内容については、具体的な中身が分かるような形にしたほうがいいかと思います。例えば、人的資本の質の向上は、リカレント教育をはじめとした公的職業訓練の機会拡大として向上とか、例えばそういった中身が分かるようなものにしたほうが、より理解をしやすいのではないかと思います。
次の第3章については、他省庁が所管する働き方改革に関する重要項目を取り上げるとされているわけですが、実はこれは第2章と結構かぶっている表題があります。例えば下請取引対策とか、労働条件改善に向けた生産性向上支援策、これは第2章にも含まれる内容もあります。教育関連で2項目が提示されていますが、これは何を参考にここに記載されたのかということがもし分かればと思います。
いずれにせよ、能力の有効発揮に向けた教育関係の整備というものについては、子育て世代の負担軽減を通じた全世代型の社会保障の確立にあると理解をしておりますが、これらの施策が働き方改革や労働者の能力の有効発揮の観点と直接結び付けて書かれるものなのかどうか、若干、疑問があると思います。私からは以上です。
 
○樋口部会長 幾つか御要望と御質問がありましたので、それについて事務局からお答えお願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 まず生産性の向上については、先ほども書き方につきまして、これまでの議論を踏まえて留意した書き方というお話もありました。今般、生産性の向上について改正法の中に盛り込んでおりますが、今回の改正の趣旨を踏まえた形で盛り込んでいく方向で検討させていただければと考えております。
最低賃金については、実行計画に記載されているもので項立てをしております。といったことから、会議で合意されている事項について改めてその範囲内を念頭に記載しておりますが、担当課とも検討させていただければと思います。人的資本についても、もう少し工夫したタイトル、項立てについて検討させていただきます。また、おっしゃるように下請については、双方から施策の在り方があるということで、同じような項立てになって、こちらについてももう少し工夫できないのかということで検討させていただければと思います。
教育環境の整備、文科省の関係の3、4については、働き方改革の一環ということで、実行計画の中に盛り込まれております。就業意識の啓発、労働法制等に関する教育については、国会等の御審議の中での御指摘とか、また付帯決議についてもワークルールの重要性について示されておりまして、こちらに項立てとして案として示しております。
 
○樋口部会長 椋田委員、よろしいですか。
 
○椋田委員 御議論させていただければと思います。
 
○水本委員 今回の基本方針は、今御説明があったように規定の計画等を踏まえた内容にしていくということですが、もう少し立ち返って、ここにいらっしゃるような専門家の方たちのための方針ではなく、働く一般の方が見てもできるだけ分かりやすい趣旨が伝わりやすい文言にしていただけたらと思います。そういう意味で、例えば第1章とか第3章のタイトルが、法律の規定に合わせて書いてあるのですが、一般的に読むと、「有する能力を有効に発揮することができ」とか、難しいのかなということで、簡単に申し上げれば、働く人の視点に立った労働施策みたいなものでもよろしいのではないかと思います。
第3章に関しても、労働施策に関する重要事項ぐらいでもいいのかなという感じを持ちました。これは実行計画に基づく章立てということで考えた場合、働き方改革が柱になると思いますが、働く人たちのニーズというのが非常に多様化している中で、多様な働き方を可能にして、多様な人材が活用できて、かつ、労働生産性が向上できて、仕事と生活が両立できるということが全部同時に実現していくことが大事だと思います。そういう観点で、両立ということがもう少しうまく表現できるといいのかなと思います。第2章の項目の順番を逆に実行計画と照らし合わせて拝見しますと、私としては何で3番目にいきなり転職と再就職が出てしまうのかということで、これは多様な就業形態を多様な人材の活躍や両立につないだほうが流れとしては自然になるのではないかと考えました。以上です。
 
○樋口部会長 御意見をいろいろ頂きましたので、事務局とまた検討させていただきたいと思います。
 
○椋田委員 実行計画を確認したところ、先ほど最賃が実行計画の中に出ていると言われましたが、実行計画の表題は、「生産性向上支援など賃上げしやすい環境の整備」。これは「引上げに向けた環境整備」と書かれているのと、生産性向上支援などという大変重要な部分が抜けていて、読む印象が随分違うのかなと思うのですが、その辺はいかがですか。
 
○職業安定局雇用政策課長 御指摘を踏まえて、私ども賃金の引上げに着目した部分で項立てをしておりますが、記載されている内容を想定してのタイトルの形になっておりますが、委員の御指摘も踏まえて検討させていただければと思います。
 
○樋口部会長 今回、働き方改革の議論の中で出てきていることは、従来の労働施策を超えたものもかなり出てきているのです。今回の施策についても、先ほど下のほうでも御説明がありましたが、他の省庁に関連するようなことも、従来は労働施策として、あるいは雇用計画としては入ってこなかったというところも織り込んでいるということで、少し広がりを持って、そこをどう表現していくかというところをまた検討させていただきたいと思います。
 
○椋田委員 はい。
 
○相原委員代理 山本です。本日は相原の代理で参加しております。よろしくお願いします。私からは1つ是非盛り込んでいただきたい、触れていただきたいという点についてお願いを申し上げます。働き方改革は、決して民間だけに求められるものではないと思っておりますし、今、学校における働き方の改革についても議論されているところです。そこで、公務員の働き方改革についても、是非言及していただきたいと思います。ビジネスの世界においても、官民が連携している例も珍しくないと承知しておりますので、よろしくお願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 公務員制度等を所管する担当省庁とも協議をして検討させていただければと思います。
 
○相原委員代理 ありがとうございます。
 
○佐久間委員 全国中央会の佐久間です。よろしくお願いします。今回、施策の基本方針という形で、働き方改革に関する全体的な施策を方針で網羅していこうというものだと思います。この基本方針の中には、各分科会などでも議論がされている事項が入っていると思います。例えば過労死の問題でも、10%の導入率とか、そういうものもありますが、個別の定量的な目標値というのは、この基本方針には盛り込むことなく、考え方とか、そういうもので統一した形で記載をしていくのかという点をお伺いしたいと思います。
あと項目の関係で、これは要望になりますが、今、章立てのお話がありましたが、この中で全体的な働き方改革をするためには、やはり働き手の確保とか、働きやすい環境、例えば出生率の関係、子育ての関係とかも入っておりますし、あとは労働生産性と、この3つが基本的な柱になりながら、各項目が入ってきているのではないかと思います。これから議論を進めていく中で、不足している項目を、またこういう意見を出しながら検討していければいいなと思っております。その中で、第2章の中小企業・小規模事業者に対する支援、監督指導については、先ほど中川委員からも御意見がありましたが、中小企業は働く労働者の68%ぐらいの比率を占めております。事業所数でも中小企業の比率は大変多い中で、都道府県に設置されました働き方改革推進支援センターも活躍しておりますが、まだまだ支援の数に対しては、人数的なものが全然足りないと思っております。また、労働局、労働基準監督署、ハローワークも人数確保の関係、これは施策と一致するか分かりませんが、是非、人の質的な確保をお願いしたいと考えます。指導していただく労働局の人数の確保とか、そういう方々はある程度専門的知識があると思いますが、有期等でやっていただく方の専門的な質の向上を確保していただくことに努めていただくといいなと考えております。中小企業・小規模事業者に対する支援の中では、特に、文面のほうではどういう形になるか分かりませんが、重点的に支援を行うという形の文言を入れていただくと大変うれしいと考えております。以上です。
 
○樋口部会長 御質問がありましたので、事務局からお願いします。
 
○職業安定局雇用政策課長 まず今回の基本方針については、働き方改革はかなり幅広い分野で、そういった分野についての総合的な基本的な方向性を一覧できるような形で示させていただくものかと思います。その中で、更に具体的な各施策分野における御議論というのは、当然各分科会等におきまして具体的な検討を行っていただくべきものだと思っております。私どもが想定しているのは、例えば、実行計画や、今回の改正法の中で示された方向に基づいて、現時点において示される部分について示していくということですので、その範囲というのは、政策ごとに若干異なる部分はあろうかと思いますが、基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりです。
その他、中小企業を中心とした支援については、先ほど実施していきたいということは、これまでも働き方改革を進める上での、我々としての基本的な考え方としても支援の重要性については打ち出しておりまして、そういった内容についても盛り込んでいきたいと考えております。体制の整備については、私どもも重要だと考えているところです。どこまで入れ込めるのかどうかについては検討させていただければと思います。
 
○奥宮委員 細かいことですが、例えば第3章の1項で、項目立てで「過剰なサービスの見直し」を見たときに少し違和感がありました。これは恐らく消費者にとって過剰なということだと思いますが、何が過剰かということを議論する場所ではないと思うのです。どの企業でも、今は高付加価値とか、あるいは差別化ということで、それが、競争力の源泉となっているということで頑張っているのですが、その頑張っていることが労働者に対して時には過酷な状況を強いるということで、決して、消費者から見れば過剰ではないところでも、労働者は大変だということはあると思います。
ですから、これは内容次第ですが、これが項目になると少し違和感がありますので、労働力やシステムに見合わないサービスの見直しとか、不要不急なサービスの見直しとか、そういうワーディングをお考えになったほうがよろしいのではないかと思います。
第3章の第1項と第2項ですが、これは先ほど各委員から御意見が出ているように、第2章とほとんどかぶるのです。事前説明で違いをお聞きしたところ、要するに、第2章は厚労省所管、第3章は他省庁の協力が若干必要になる部分、そういうことで分けているということで、ただ国民から見るとそう読めませんし、私も一見そう読めなかったわけです。第3章の「有効に発揮することができるようにする」というタイトルが良いかどうか、そこの所とワーディングをお考えになり、第2章からつながっていて、ここは更にどういう政策が必要か、分かりやすくなるような文案を希望します。
 
○職業安定局雇用政策課長 御意見を踏まえて検討させていただきます。
 
○樋口部会長 ほかにいかがですか。
 
○小林委員代理 日本商工会議所です。先ほど佐久間委員からも中小企業の支援に関する御発言がありましたが、今回、働き方改革全般につきまして、取り分け、中小企業の取組をいかに前進させていくか、中小企業の労働生産性の向上につなげていくことが重要だと認識しております。その一方で、今回の例えば、時間外労働時間の上限規制や同一労働同一賃金については、中小企業庁の調査においても、中小企業の認知度が不足しているのが実態として出ております。今回の基本方針ですが、本日項目が示されて、今後、案文も提示されるかと思いますが、中小企業に対する周知や支援の重要性を是非強調していただきたいと思います。また項目にも入っておりましたが、各自治体や関係機関の連携や、各種対が連携した中小企業への周知・支援も非常に重要かと思います。
もう一点、先ほど分かりやすい表現をしていくことが重要であるという趣旨の御発言がありました。非常に重要な御指摘だと思います。今回の基本方針については、労働施策に関して重要、かつ、大事な方針ですので、分かりやすい表現に注力していただくことが肝要です。また、労使のみならず、広く一般の方々に共有されるべき非常に重要な方針ですので、先々の周知の方法も併せて御検討いただければと思います。以上です。
 
○樋口部会長 御要望ということで、御意見を頂きました。どこまで法案、省令に加えて、施策の運用を書き込んでいくかというのが、問題提起として出されているかと思いますので、それはまた事務局と相談させていただいて検討したいと思います。他にいかがですか。よろしいですか。いろいろ御意見を頂きました。どうもありがとうございました。事務局で検討して、次回、もう一度提示していただくということでよろしいですか。そのようにしたいと思います。他に皆様から何か御意見はありますか。特段御意見もないようですので、本日の分科会はこれで終了したいと思います。最後に事務局から次回の日程等についてお話いただきたいと思います。
 
○総務課長 次回の日程は、9月13日を予定しております。場所など、詳細についてはまた事務局から調整の上御連絡させていただきますので、よろしくお願いします。
 
○樋口部会長 本日の会議に関する議事録ですが、労働政策審議会運営規程の第6条に、部会長のほか、2人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の安河内委員、使用者代表の椋田委員にお願いしたいと考えておりますが、よろしくお願いします。本日は、どうもありがとうございました。
 

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