平成30年度第2回個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室

日時

平成30年9月13日(木) 10:00~12:00

場所

経済産業省別館 1階 104各省庁共用会議室

議題

(1)作業環境測定における個人サンプラーによる測定の導入について
(2)測定結果が良好な場合の合理的な作業環境管理のあり方について
(3)その他

議事

議事録
○寺島環境改善室長補佐 それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。本日は、大変お忙しい中御参集いただきましてありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより平成30年度第2回個人サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会を開催いたします。
それでは、会議の開催に当たりまして、奥村の後任として7月31日付けで着任いたしました化学物質対策課長の塚本から御挨拶させていただきます。
○塚本化学物質対策課長 こんにちは。化学物質対策課の塚本です。同課の勤務は十数年ぶりとなります。よろしくお願いいたします。
皆様御承知のとおり、化学物質による健康障害防止対策につきましては、作業環境測定の義務付けなどの特別規則による規制、またリスクアセスメントの実施などの自律的な化学物質管理を基本としているかと思います。このリスクアセスメントにおきましては、指針においてリスクの見積りの方法として、化学物質の気中濃度をばく露限界と比較する方法を取ることが望ましいとしており、この把握方法の1つとして、個人サンプラーを使用した測定が示されているかと思います。
一方、労働安全衛生法65条に基づき、有機則などの特別規則においては、事業者に対し、作業場の化学物質の濃度を測定評価するため、作業環境測定、A測定、B測定を義務付けております。
このような中、近年の技術的な進展等を踏まえまして、作業環境測定の方法に、個人サンプラーによる測定方法を導入することにより、リスクアセスメントと作業環境測定の両方を効果的に実施することを促進し、化学物質による健康障害防止対策の充実を図ることができないかと考えております。本検討会におきまして、個人サンプラーを活用した作業環境測定についての忌憚のない御意見、また御検討を頂き、労働者の健康確保に資するものとなるよう、よろしくお願いいたします。
○寺島環境改善室長補佐 続いて、本日の議題と資料の確認を行います。お手元の資料、2番の議事の所を御覧ください。本日の議事としましては、個人サンプラーによる測定の導入についてと、作業環境管理のあり方についてとしております。
3の配付資料の所を御覧ください。お手元に一つづりの資料としてありますので、番号を確認しながら御覧ください。次のページから通しページを打っております。資料5-1、前回検討会の主な意見、資料5-2、今後の検討会の方針です。資料5-3、具体的な検討内容(案)です。続きまして、13ページから資料5-3-1、宮内委員提出資料でして、こちらは委員限りとなっておりますので、恐れ入りますが、傍聴の方々の資料には含めておりません。17ページからは資料5-3-2、山室委員の御意見、こちらは1枚のみの委員限りの資料でございまして、19ページからは公開資料として添付しております。
資料5-3-3、29ページからです。個人サンプラーによる測定で想定される対象作業者数、こちらも委員限り資料となっております。委員限りの資料は、個別の事業場のデータに基づくものとなっておりますので、非公開としております。資料5-3-4、こちらが他国の制度等の比較でして、作業環境測定基準・評価基準の検討に当たりどの程度詳細に規定すべきかということで、33ページからとなっております。37ページから資料5-3-5、土屋委員提出資料、39ページから資料5-3-6、橋本委員提出資料、そして43ページから資料5-3-7、個人サンプラーによる測定を行う者となるための講習(案)となっております。以上、資料です。
続きまして、参考資料として、45ページからこの検討会の開催要綱と名簿、49ページから参照条文といたしまして、労働安全衛生法と作業環境測定基準、評価基準、特化則の部分の抜粋というのを付けております。
参考資料5-3として、リスクアセスメントの指針の抜粋と、通達の抜粋を付けております。以上が資料となっております。落丁等ございませんでしょうか。もし、ありましたらお知らせください。
また、委員の皆様のお席には、前回と同様の資料をファイルで配布しております。第4回の資料にありました測定の管理濃度一覧についても、そちらに付けていますので、必要に応じ御参照ください。検討会終了後、こちらの資料はまたお席に置いておいていただくようにお願いします。
それから前回、宮腰委員からご要望のありました、個人サンプラーの実物を山室委員にお持ちいただきましたので、必要に応じて御覧いただきますようお願いいたします。
ここで傍聴されている方々にお伝えをいたします。カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。以降の議事進行につきまして、明星座長にお願いいたします。
○明星座長 おはようございます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。それでは、議事の(1)と(2)につきまして、事務局のほうから説明をお願いします。
○寺島環境改善室長補佐 それでは、資料5-1、1ページを御覧ください。前回検討会の主な意見ということで、かいつまんで全体を説明いたします。今後の運営方針に関してです。全般に関してですが、1つ目は、対策の順序としては、個人サンプラー測定と作業環境測定結果に基づく対策は、どちらも同じであるということです。
2つ目、65条の作業環境測定について、個人サンプラーを用いる測定についても位置付けられるのではないかということで、少し捉え直すということです。
3つ目、作業環境測定と個人ばく露測定のどちらの手法がよいかではなくて、一長一短があって補完しあうものであるという御指摘がございました。
4つ目は、溶接、吹きつけ等、過小評価されることは明らかであるとありますが、これが言い過ぎであると。やり方が違うのであるから、比較するのは適当でないという御指摘がありました。
飛びまして、測定場所についてです。測定場所として、何らかの範囲を決めなければならないのではないか。測定基準として規定する必要があるということでした。下のほうにいきまして、同等ばく露グループ(SEG)の設定に関してです。この設定の仕方は、同じ事前調査の結果を踏まえてSEGを決定するということで、測定士の経験が必要ではないかということなどがありました。それから、SEGの設定の方法で、全員を測定するのは本末転倒で負担が大き過ぎるというような御意見や、十分に聴取して設定していく必要があるといった御意見がございました。
飛びまして、測定時間についてです。測定士や衛生管理者のように、一定の知識を持った人が責任を持って測定の推移を見て、測定値を評価するべきであるということです。それから、測定機器のスイッチを止めて中断するのかどうかというようなところを議論すべきというようなことがございました。
サンプリング方法・分析方法についてです。個人サンプラーの測定機器は作業者に負担があって、場合によっては安全上の問題も生じるのではないかということ。それから、個人サンプラーの向きによって、特に粉じん用のサンプラーですけれども、濃度が変わってくるので、それらの規定も必要ではないかということがございました。
評価基準と区分についてです。管理濃度を使うことでよいのかどうか、許容濃度を参考にするのがよいけれども、行政として責任を持つ濃度として規定するという御意見もございました。それから、個人サンプラーは、算術平均値でよいのかどうかとか、STELとかCによるものの評価基準について御意見がございました。管理区分の決定についても、6区分についてお話がございました。
測定士の養成についてです。測定士がある程度主体的に判断していくような養成が必要ではないかという御意見がございました。簡単ですが、以上です。
○明星座長 よろしいでしょうか。一応話としては、もう終わったかなとは思うのですが。では続けて、特になければいきましょうか。
○寺島環境改善室長補佐 資料5-2について説明をさせていただきます。3ページを御覧ください。こちらの資料は、前回の資料4-3を修正したものです。1番、個人サンプラー導入の基本方針の整理として、改めて作っております。(1)~(3)の部分が、前回の資料から新たに追加した部分でして、こちらの導入に当たっての背景を記載した部分です。
(1)事業場で取り扱う化学物質については、今ほども課長の塚本から話がありましたように、安衛法の中で作業環境測定の義務付けの対象と、リスクアセスメントの実施の義務付けの対象、そして努力義務というふうに段階的になっているところです。
(2)にありますように、リスクアセスメントを実施するに当たっては、リスクアセスメント指針に基づき、気中の濃度とばく露限界とを比較する方法がリスクアセスメントの見積りの方法として示されており、これが望ましい方法として示しているところです。その具体的な内容として、個人サンプラーを使用する個人ばく露測定が示されている状況にあります。
一方で、(3)ですが、労働安全衛生法に基づき、有機則等の特別則においては、化学物質の濃度を測定・評価するためのAB測定が義務付けられているといった背景があります。
(4)「このような状況下において」と、この部分の前段は前回の資料と同様です。基本的には、正確に呼吸域の濃度を測定することが可能であって、8時間を通して作業場の測定・評価が可能な個人サンプラーによる測定方法を導入することは意義があるということですが、その次の「事業者において、リスクアセスメント及び作業環境測定を一括して効果的に実施することを可能とするものであり、労働者の健康の確保に資するものである」という部分を追記しております。これを導入する方針に向けての理由を追加ということになります。その後に「このため」として、「将来的には、AB測定と同様に」、「広範な作業場に個人サンプラーによる測定を導入できるものとすることが望ましい」としています。ここは、前回「全て」と書いていましたが、一部、環境測定が義務付けとなっている作業の中に、事務所則でCOの濃度を測定するというようなところがありますので、個人サンプラーが適さない部分も少しあるかということで、「広範な」と書いております。
(注)の「個人サンプラー」「作業環境測定」及び「個人ばく露測定」との関係についてという、この注釈は追加をしておりますが、こちらは前回の資料4-1の趣旨をここに改めて記載したもので、内容としては基本的には同じものです。
(5)「他方で」ですが、ここは測定士が現状では不十分であるということで、ここは変えておりません。
4ページへ行ってください。(6)です。このため、一部の作業に限定して先行導入するという方針をこちらで述べておりますが、前回の資料4-3の御意見の中で、特にAB測定が過小評価されることが明らかであるとか、健康リスク低減効果が個人サンプラーのほうが特に大きいといった部分については、そこまでは言えないのではないかと。基本的には、違う測定方法であるのでということと、それから、きちんとABのBの測定のところをすれば、それほど差はないというお話もあったことから、この部分を変更しております。「このため」として、「個人サンプラーの特性が特に発揮できる以下の作業を先行して、部分的に導入」すると書き方を変えております。また、選択に当たっては、事業者が任意に選択を前提として、「作業環境測定士等の専門家の助言に基づき」どちらかの方法を「選択する」と記載を加えております。マル1、マル2の部分については、マル1「発散源が作業者とともに移動し、発散源と作業者との間に測定点を置くことが困難な作業」、例えば溶接、吹付け塗装などということです。マル2管理濃度が低いものについては、作業者の動きによって少しの気流の変化によって「呼吸域付近の測定結果が大きく変動する」ということで、こちらも対象作業として適しているのではないかということで、マル1、マル2として、ここは再度改めて整理をさせていただいています。
(7)です。「さらに、一定期間経過後」、「全ての作業場」となっておりますが、すみません。
○明星座長 はい。「より広範な」ですね。
○寺島環境改善室長補佐 「より広範な作業場に導入できるようにすることが望ましい」としております。この辺は基本的には変えておりません。
(8)の現行のB測定において、個人サンプラー用機器を先行して対応するというところも、趣旨としては同様のことを書いております。
2番の本検討会の運営方針、ここは変更ありません。
3番、スケジュールです。ここの部分は少し変えており、もともと当初はこの基本方針を一次報告書として取りまとめるとしていたところですが、基本的には、ここで一旦報告書として取りまとめ、この後の状況については、3行目にありますように「必要に応じ」「検討会を開催する」という形にさせていただいています。来年度、委託事業等での養成テキスト作成等の部分については変えておりません。以上のようなことで、前回の資料4-3を修正ということで提示させていただきました。
続けて、資料5-3の説明をさせていただきます。5ページを御覧ください。具体的な検討内容(案)です。序論、個人サンプラー導入に当たっての基本的考え方とありますが、こちらの部分は、今説明しました資料5-2の前段の1と同様ですので、省略させていただきます。
6ページの表の部分を追記しております。前回の資料から転載をしております。適当なもの、不適当なものについて、特段御意見はなかったかと思いましたので、そのまま入れておりますが、何かありましたらお願いいたします。
7ページ、各論について御説明いたします。こちらの資料は8月上旬に各委員にお送りし、そちらで頂いた意見を修正して、事務局でも追記をしたものです。一応、報告書の素案を意識して作成しております。1、作業環境測定方法の選択です。作業環境測定の対象となる作業場ごとに、専門家の助言に基づき、事業者が、毎回、以下の測定方法から選択するとしております。一応、法令では、原則として半年に1度測定していただいている対象が多いということですが、こちらの労働安全衛生法第65条に基づく義務の範囲として御検討いただいていることもあり、今回は両方行うといった流れのものについては、望ましい取組ではありますが、ここでは外しております。
マル1~マル5とあり、現行のAB測定がマル1とマル2になります。B測定は、御存じのように有害となる濃度の高い場所がある場合に行うことになっており、それを反映してマル1、マル2と分けております。マル3は、今回御提案いただいておりますB測定に個人サンプラー用機器を使ってはどうかというものです。マル4とマル5が、今回の個人サンプラーによる測定の部分です。マル4とマル5を書き分けておりますが、これは現行のAB測定と同様に濃度が高くなる場所があれば、そこでやってくださいという趣旨を示したものです。
その下の3行ですが、測定方法の選択と結果の評価については、安全衛生委員会又は衛生委員会に諮るなどして適切なものとなるようにしてくださいということを書いております。これは、従来のAB測定と個人サンプラーの測定について、どちらかの方法が優れているということではないということなのですが、ただ安易なほうに事業者の判断が流れるのを避ける目的で、抑制する観点でこのパラグラフを記載しているものです。
2として、個人サンプラーによる測定に係る測定基準の検討です。こちらは安衛法第65条第2項に基づく作業環境測定基準に必要な要件を定めるという目的で、順次記載しています。
(1)測定の対象となる作業場の範囲です。こちらでは、法定の屋内作業場を対象としと書いております。これは、労働安全衛生法第65条の中で屋内作業場、その他政令で定める作業場となっておりますので、ここではあくまでも法定の屋内作業場を測定と評価の対象とするということを原則として置いております。その中で作業者の移動範囲も測定の対象とするとし、「なお」として、屋内と屋外について整理が必要であるという御意見も頂いておりましたことから、マル1として、移動範囲に含まれる測定対象の作業場所・行動・作業時間を記録する(図面を作成するとよい)ということで、どこが測定範囲であるかをはっきりさせた上で測定して記録するということです。マル2として、測定対象でない作業場で対象物質又は妨害物質の取扱いがある場合は捕集を止めるです。これは測定の作業場の範囲として止めるということですが、こちらは仮に屋外で対象物質の扱いがあった場合であっても、法定の測定の義務は屋内作業場のみに掛かっておりますので、屋外は測定の範囲として含めないことを明記したものです。もちろん、ここには任意で屋外も含めたほうがいいのではないかという御意見はあろうかと思いますが、ここでは法定の範囲ということで規定をしています。
(2)測定対象作業者の選定ということで、まず、「上記作業場内で測定対象作業に従事する作業者に個人サンプラーを測定する」と書いております。こちらは、前回、「同等ばく露グループ……」と書いていた所ですが、ここは分かりにくいのではないかということもあり、書き方を変えております。「原則として、同一の作業場所・区域での移動範囲内で対象作業に従事する者の全員を対象とする」ということで、基本は全員としますということを書いております。作業を短時間で終了する場合も対象とします。ただし以降ですが、以下の場合は対象者を絞り込むことができるとし、幾つか書かれております。マル1上記作業場内で測定対象作業を、主たる作業として行う者と、補助の作業として行う者が混在している場合(主たる作業のものを優先して人数を絞り込むことを可能とする)ということです。そして、マル2、2回目以降の場合(初回の測定の結果を踏まえて人数を絞り込む)ということです。「なお、絞り込む場合の人数は、米国および欧州のガイドラインを比較し、少なくとも両者の少ない方を採用する」と記載をしております。こちらを作業環境測定基準に盛り込む場合には、これが最低基準となりますので、それを意識して書いておりますが、この辺り御議論いただければと思います。
(3)測定時間(8時間と短時間測定)について記載しています。アの部分、8時間測定を基本とする。ただし、測定を行う者による測定時間中の作業確認ができる場合に限るとしております。ですので、逆に言うと、それができない場合は不可、採用できないということになります。どのようにやるかということですが、測定機器の取り付け取り外しは、測定する者が実施するということで、最初と最後はやってくださいということです。中間の部分、ポンプのオンオフ、例えば屋外に出る場合とかはオンオフが生じます。行動の経路、作業時間、測定器の装着状況は、測定を行う者、つまりは作業環境測定士といった方か、ビデオ等による録画によって確認するか、測定を行う者から指示を受けた事業場の担当者のいずれかが確認するとしております。事業場の担当者が確認する場合は、当該者の職氏名を記録するとあります。こちらはAB測定では10分が測定時間となっていて、大体1時間ぐらいの間ば測定士がずっと見ていられる、付いていられるということですが、8時間では適切に取れているのか、測定器を外してしまっていないかとか、そういったことの担保が必要という趣旨で記載をしております。
業務を継続している間は、8時間を超えてもよいということで、9、10時間を測定してもよいということです。測定対象作業場以外のばく露がない時間(事務作業、屋外、休憩等)においても、捕集してもよいわけですが、捕集する場合は対象物質のばく露がないこと、妨害物質がないことを条件としております。
なお書きですが、繰り返し作業の時間短縮について書いております。同一作業の繰り返しであり一部の時間の測定で推計できる場合は、短縮してもよいものとする。ただし、繰り返し作業の場合でも、準備時や終了後清掃時にばく露が高くなることがあるので、その設定には注意が必要であるという御意見がありました。短縮する場合でも、可能であれば4時間以上、少なくとも2時間以上とするとしています。これは産衛ガイドラインから引用しておりますが、御議論いただければと思います。高濃度の粉じん作業などの場合には、付けっ放しにすると不適当な場合があるので、サンプラーの破過などに留意が必要であるということがありました。
イの部分ですが、これは現行のB測定と同様に短時間の測定について、測定対象物質の濃度が最も高くなる等ばく露が高いと推測される作業がある場合には、きちんと測定を行うということを書いております。こちらについては、運用上2台付けると大変であるということや、フィルターをその部分だけ付け替えるというような御指摘がありました。
(4)測定方法(試料採取方法、分析方法)についてです。こちらは、原則として現行の測定法と同じです。ただ、分析方法の定量下限、検出下限等に留意して検証が必要であるということは前回から書いておりまして、前回御意見がありましたが、粉じんについては捕集面を正面に向けて装着するということです。サンプリング時間が480分と非常に長くなるので、破過や分解、重合などが起こる物質もあるということで、こちらも破過試験、添加回収試験等を検証する必要があるのではないかという御意見がありました。こちらは次年度以降、検証を実施するとしております。
3として評価基準の検討です。こちらは、(1)に評価基準として何を用いるかということを書いております。個人サンプラーによる評価基準として、現行の「管理濃度」を基本とするとしています。こちらは、これまでも許容濃度に相当する別の名称の濃度を何か評価基準として用いたほうがよいという御意見もあったところですが、行政が責任を持って示すべきという指摘もあり、今回「管理濃度」としております。
管理濃度の趣旨として、これまで場の評価基準であったわけでして、この部分の趣旨として下の5行に記載しておりますが、これを定め直すと言いますか、管理濃度の位置付けを少し捉え直すということで記載したものです。追加しておりますのは、1行目の「労働者の健康上の悪い影響を起こさないよう」という所と、3行目の「学会等の示す曝露限界をもとに」と。前回は「踏まえつつ」となっていたのですが、それが原則引用しているというところが分かるように少し書き方を変えております。
(2)として、測定結果の評価方法です。マル1が8H測定の幾つかの測定結果の換算値算出方法についてでして、この部分は同様としております。マル2として管理区分の決め方を書いております。上のほうの表が8H測定の評価のもので、現行の判断基準と基本は同様です。変わっておりますのは、「これにより」という所ですが、「作業者の行動範囲となる単一または複数の作業場が評価される」ということになります。つまり、あっちこっち動き回って作業される方の管理区分が判定された場合に、複数の作業場がその管理区分と判定されるということです。
短時間測定の部分は、上の評価とは別に以下のとおり評価するとしており、これはB測定相当ですが、管理濃度の1.5倍値で評価するということで、現行のB測定と同様です。これはその場所を含む作業場が評価されるとしております。
次のページの一番上のなお書きの所を追加しており、「8H測定と短時間測定の評価が異なる場合は悪い管理区分で当該作業場を評価する」としております。現行の評価基準のマトリックス表にあるようなことを反映した記述ということです。15分測定の評価値を1.5倍とするということで、短時間ばく露限界値(STEL)、天井値(C)は参考の扱いとします。なお、15分測定の天井となるばく露の高い作業については、複数の作業者が交代して連続して行う作業の場合には、1人1人の値が問題なくてもトータルで言えば問題の作業場であるので、その部分は、1人の作業者が全ての作業を行ったものとみなして評価する必要があるという御意見を基に書いたものです。記載はもう少し分かるように変えております。
4が個人サンプラーによる測定を行う者の要件と養成についてということで、ここでも基本的には同様のことを書いております。下の3行は、測定士に限らない事業場で改善を取り組む人たちはたくさんいますので、「専門人材の養成が望まれる」と書いております。
5がB測定の技術的見直しです。6に記載を追加しております。(1)作業環境改善のあり方です。こちらは、当初この検討会でも多少御議論いただいたところですが、この測定の結果に応じた設備、作業等の作業環境改善等の健康障害防止措置のあり方については、具体的な作業環境改善の幅広い検討も必要となることから、今後、別途行政検討会の場において検討を行うことが適当ということで記載しております。一部委員から健診結果との比較活用についても触れられていますが、今後そういった点については、必要であればこちらで検討することになろうかと思います。
(2)スケジュールについてです。資料5-1のスケジュールにありますように、平成33年度からの先行部分の導入を目指すということで、さらに、一定期間経過後、全面導入を図っていくということが書いてあります。少し長くなりましたが、以上です。
○明星座長 ありがとうございます。どうしますか。このまま続けますか、それともこの辺の意見を、委員の皆様の意見のよりますが、どうしますか。一旦、全部いきますか。
○寺島環境改善室長補佐 前回、SEGの設定に関して具体例が必要ではないかという宿題も頂いておりますので、まずそちらの。
○明星座長 では、一応資料が続いていますので、続けてから戻りたいと思います。今日は盛りだくさんなので、時間いっぱいになるかもしれません。それでは、その次の資料5-3-1ということで、宮内先生から出していただいているのですが、今のお話で言うと、結局、何人ぐらいの対象者に測定ができるかというようなことを、現実的な問題としてお伺いしたいところです。よろしくお願いします。
○宮内委員 私から簡単に説明させてください。資料5-3-1に、実際に私が過去に測定した例を抽出してまとめました。粉じんのろ過捕集と粉じん以外のろ過捕集、固体捕集という形で、使う機械が違いますので、そういうところも踏まえてグループ分けして数を出しました。一番上からいきますと、これは原料投入で、粉じんをろ過捕集しています。対象者3名の作業場が1か所です。原料投入ですから比較的短時間で終わります。このときは3時間で終わりました。
その下のろ過捕集は、粉じん以外で、1人作業の所が非常に多かったです。作業は一日中行われていましたので、測定時間は7時間若しくは8時間ぐらいです。
その下は固体捕集で、これは有機溶剤の取り扱いをしており、作業者も1~3人ぐらいがほとんどで、同じことをずっとやっており、測定時間は7時間か8時間ぐらいです。見てもらえば分かりますが、対象者の人数はほとんど10名以下です。また、1人で複数名を同時に測定しているのですが、それほど多くの人数は測定できていない。過去の経験の数を表にさせていただきました。
○明星座長 その後ろは何ですか。
○宮内委員 15ページの資料はまた話が変わってしまうのですが、よろしいですか。これは繰り返し作業の話です。有機溶剤の取扱いをしている人の繰り返し作業で、リアルタイムの測定器を使って、取扱いをしている人の経時的な濃度変化を図に作りました。このようにピークがたくさんあるというのは、瞬間的に高い濃度が出てまた下がるということの繰り返しの意味です。特徴はピークの形を見てもらえば分かりますが、比較的同じような間隔で同じような高さで何度も出ていることです。このような状況の時に、何時間ぐらい測定するとどのぐらいの平均濃度になるかということをプロットしました。
少し分かりづらいのですが、例えばこの上のほうの図で言いますと、10ppmより少し下に点線があって、これが午前中9時から12時ぐらいの平均値です。真ん中にグレーの太い線があるのは、30秒ごとにずらしていって、2時間の平均値を取りました。グレーの線が直線であるということは、どこの2時間を取っても、大体同じぐらいになっている。つまり、繰り返し測定は、こういうパターンの場合には2時間測定すればよいのではないかということが言えると思います。1時間測定とか3時間測定の検討もやってたのですが、1時間でやると、かなり上下に線がぶれてしまって、余りきれいな形の直線にはなりませんでした。
ここでいう繰り返しは、同じような濃度が等間隔に発散する場所で、なおかつ換気が良いことが条件です。換気が悪いと、ピークの高さがどんどん変わっていってしまうのです。一番最後のほうのピークが上がっていっていますが、これは換気が良くないのです。繰り返し作業の定義のようなものを決めていかないと、繰り返しだということで勝手に短時間の不正確な測定にしてしまうことが危惧されます。
○明星座長 ありがとうございます。今のお話ですと、ろ過捕集と有機溶剤蒸気など、それぞれ少しパターンが違うということと、人数が若干違うかなとも思います。
では、山室先生も続けていきましょうか。測定対象の人数をメインにして御説明いただければと思います。
○山室委員 17ページの1番、対象作業者についてという所を御覧ください。私ども中災防では厚生労働省から委託を受けまして、職場における化学物質のリスク評価推進事業ばく露実態調査を平成18年度から受託して行っています。この中で、個人ばく露測定をしていますが、その測定の目的は日本の労働者の最も高いばく露濃度を推定するということで、今回の作業環境測定で個人サンプラーを使うというのは少し目的が違います。その測定に当たってはSEGの設定は特には行っていません。作業をいろいろ見て、できるだけばく露のありそうな作業は全部選んで測定するというような方向ですが、その中で、ばく露の高そうな人を選ぶなどということで絞り込みを行って測定を行っています。ただ、特にここ数年、1つの事業場でばく露作業があるのが1つ2つしかなくて、その作業をする方が1人2人しかいないということがかなり多く、実質上、2、3人程度を1つの事業場で測っているのが一番多いというところです。
国の公表した検討結果報告書が出ていまして、次のページからずっと、事務局でまとめていただいたものがあります。20ページを御覧ください。テトラチウラムジスフィドを例にしますと、a、b、cとmまでありますが、アルファベットが事業場で、その隣りに付いている数字が調査した作業者の方に付けた一連の番号です。テトラチウラムジスフィドは1~4名の測定を行ったということです。余り多くの人数を測定している所は多くないことが御覧いただけると思います。
ニッケルは、21ページで、gの事業場について6名の方を測定していますが、この中では皆さん同じ作業をしているような方はいらっしゃらないということです。いろいろな作業があるので、測定機材の関係から皆さん全員を測定できていないということもありますが、一応このような形で調査を行っています。
○明星座長 測定時間も御説明いただけますか。
○山室委員 はい。この調査では基本的に8時間の調査を行っています。作業をしていない時間帯を「ばく露ない」というように事業場の方はよく言われるのですが、それを実際に数字で証明しなければいけませんということを委員会から指示が出されているところで、必ず、よほどの理由がない限り8時間を原則にしています。ただ、朝のミーティングや終業時のミーティング等、全くばく露がないことが明らかになっているとき、サンプラーを付けていると邪魔になるときがありますので、そういうときは除いています。大体、少なくとも6時間はサンプリングを行うようにしていて結果を出しています。
○明星座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。皆さんも御質問等がありましたらお願いします。
次は、資料5-3-4ですね。今の宮内先生、山室先生のお話に委員の方から特に質問等がなければ、どんどん進めますが、よろしいですか。少しペースが早いでしょうか。
○小野委員 山室委員からの資料についてです。基本8時間を取っていたということですが、cというのは作業場の名前で、1、2、3、4が作業者が4人いるという意味ですか。
○山室委員 アルファベットが事業場です。1、2、3というのが個人ばく露測定を行った人の名前を書く代わりに番号を振っているものです。
○小野委員 それは同一作業場というわけではないこと、建屋が違っている可能性もあるということですか。
○山室委員 そうです。ただ、同じ作業内容を書いてある所は、ほぼ同じと考えていただいて結構だと思います。
○小野委員 その作業が例えばe事業場だと1分しかない。この1分の場合も8時間というか、2時間なり4時間なりはサンプリングをしていたということですね。
○山室委員 はい。1日付けていただくよう御協力いただいています。
○小野委員 この場合にはということですね。長い所の人は8時間近いデータが取れている。20ページの下のほうで、aの1、2、3、4などでは7、8時間作業が続くということなので。
○山室委員 それだけずっと作業をしている所で、8時間のサンプリングを行っていたということです。
○小野委員 作業によっては1分、数分ぐらいから8時間までの人がいろいろ、事業場によって、数人ずついるという理解でよろしいのですね。
○山室委員 はい。
○明星座長 なかなか時間の幅がありますね。実質作業時間があるということですね。
○山室委員 括弧内に書いてあるのが、実際にばく露があるような作業があったというものです。
○明星座長 よろしいでしょうか。この辺の測定も、宮内先生のほうは1人でということですが、山室先生も大体1人という理解なのですか。
○山室委員 はい、1人が多いです。あと、事業場の都合というか、作業場が幾つかに分かれる場合は測定士が1人で対応できないので、2名行ったりなどがあります。大体、多くとも2名までです。
○明星座長 そのときは、普通の場の測定はやっていないという前提でしょうか。
○山室委員 場の測定も一部やっておりまして、19ページにあります。表の左側の4つをが個人ばく露測定、それからスポット測定ということで、B測定に近いような測定ですが、15分間、作業される方のできるだけ呼吸器に近い位置で、左右や周辺での測定を行うというのがスポット測定です。それから、A測定を行っているのが、一番右側の3つのカラムです。
○明星座長 それを1人で全部できますか。
○山室委員 スポット測定は時間が短いので、作業者の行動を見ながらメモを取りながらできます。作業環境測定をする場合については、作業時間が1時間を超えるような比較的長い時間の場合については、A測定をできるだけやりましょうということです。できない場合も当然あるのですが、そのような約束事でやっています。そうすると時間も長いので、比較的その合間合間で測定ができるということです。
○明星座長 宮内先生も、どうでしょうか。両方やろうと思えば。
○宮内委員 私の場合は、両方やることをいつも考えてやってきました。1人でいろいろなことをやらなければいけないので、慣れないと手技的に難しいものもあると思います。当然、今おっしゃったように、どちらかができなくなってしまうことも過去にありましたので、そこは非常に、経験等も含めて幅があるのではないかという感じはします。
○明星座長 ありがとうございます。土屋先生はいかがですか。普通は両方やらないと。
○土屋委員 私たちの場合は事業場に任せてあるので、現場に行っていません。記録はもらいますが。ですから、具体的なことは情報を持っていません。宅配で送って宅配で戻ってくる分析だけを委託していたので。
○明星座長 普通の作業環境測定はやられているのですか。
○土屋委員 もちろん、そうです。
○明星座長 それとは別に渡しているのですか。
○土屋委員 向こうの依頼先が自分たちでやるから、ろ紙の秤量したものを送ってほしいと言って、宅配で送って、サンプリングした試料をもらってデータを出すというものがほとんどでした。たまに、ずっと付いている場合もあるようですが、山室さんのような状況とは目的が少し違います。これは有害物ばく露作業報告に基づいた国のリスク評価を、最終的な2次評価を決定するために行う調査で、私たちが行う作業環境に関連したばく露の測定とは少し違っていますので、少し見方が違うかもしれません。山室さんのような仕事であれば、ずっと見ていないと後で何か質問があったときに答えられませんね。
○明星座長 その場合の時間というのは、向こうに任せるのでしょうか。
○土屋委員 任せるしかないです。
○明星座長 それは大体その作業に就いているという前提で。
○土屋委員 そうですね、何時から何時までこの仕事をしたと本人が書いて、1つのデータを作るのに、どのような作業が何時間ぐらいあったかという記録をもらうという格好です。1分の作業を8時間で平均してしまうと、全然出ないことになってしまうのではないかと思いますよね。でも結局、1分の作業でもそれを含めて濃度結果を測ってみないと、ばく露濃度が高いか低いかは判定できないわけですから、やらないと仕方がないということです。
○山室委員 事業場が行うリスクアセスメントであれば、ばく露作業がない所はばく露がゼロと考えて8時間加重平均濃度を計算していただければよいと思いますが、国の委託調査では、明らかにばく露がないということをはっきりさせなければいけないということで測っていると私は理解しています。
○土屋委員 私も、そのように理解させてもらいたいです。
○明星座長 ありがとうございます。他の委員の方で何かございますか。よろしいですか。そのような現在の実態と理解しています。なかなかそれほどたくさんできないのではないかと思いますが、人数を絞る以前の問題として、それほどたくさん測れるかということと、労働者がいるかということですけど、その最初の部分がもう少ないような気が私はするので、皆さんに教えていただきました。では、宮内委員、山室委員の資料についてはよろしいでしょうか。次に、事務局からお願いします。
○寺島環境改善室長補佐 29ページの資料5-3-3は委員限りの資料です。表題にありますように、平成22~25年度の委託事業の結果として、既に出しているものにデータを追加したものです。中ほどに太字で書いてある部分ですが、個人ばく露測定実施数として記録されていたものを追記しました。これも実証検証事業ということで、山室委員から御説明があった内容と同じで、SEGの設定というようなことではなく、基本は全員測っていると思います。見ていただくと分かるように、大体1桁の人数が多くなっています。網掛けにしていますのは、先行導入を想定している研磨作業、吹付け塗装の作業です。人数を参考にしていただきたいと思います。
資料5-3-4も御覧ください。作業者のグループの人数についての参考資料として御覧いただきたいと思います。左から、米国、英国、シンガポールとなっています。34ページにサンプル数がありますので、参考にしていただけるのではないかということで書いています。米国のガイダンス、マニュアルの中では、母集団が1~7人の場合は全員、それ以上では、8人の場合には7人に絞り込みというような形で、統計的に出されたと思われる数字が並んでいます。50人の場合には18人と書かれています。英国についてですが、右側にありますEUのものは、欧州でEN689という標準化委員会から出されているばく露測定の基準になっていまして、それを英国で引用しているものです。SEGの値としては、大体6以上の場合に同一性を確認するということで、6点というようなことが書かれています。
36ページには、同じ欧州の基準の中で、予備検定として、測定サンプル数3~5点と、基本的には最初に3~5ぐらい取ってみて評価するというようなことが書いてあります。
シンガポールも同様に、34ページにありますように、グループごとに取るというようなことが引用されています。この辺りが参考になるのではないかということで紹介させていただきました。
○明星座長 最後の表などを見ると、逆に、何が何でも3人以上作らないとできないということでしょうか。サンプラーを取り付けた人が2人などでは対数平均も何も、なかなか難しいような気がします。A測定でも5点は取れということになりますので、1人の場合は5回やるとか、そういうことを意図しているのでしょうか。私は分からないのですが。
○西田環境改善室長 欧州なり米国は個人ばく露測定ということで、作業環境測定とはまた考え方が違いますので。ただ、人数的に1つの参考とし得るのではないかということで出したものです。
○明星座長 確かにその1つ前の資料的に言っても、2点などでは平均ぐらいしか出なくて分散は出ないということになると、その先が。まずいということではなく、その先をどうするかということを考えないと、最初の方向の各論に書いてあったようにはできない。なので、ペンディングということでよろしいのではないかと思いますが。ただ、状況的には、人数としてはミニマム3人はないと計算ができないのではないでしょうか。
○小野委員 そうだと思います。この人数を延べ人数として何日間も測定するとか、そういうことにしないと計算はできないと思いますが、それであればA測定をするほうが1日で終わって簡単だという。
○明星座長 また違う種類の測定なので。
○小野委員 変動が違ってくるとか。
○明星座長 現状はたくさんいるところを削っているわけではなくて、非常に少ないところで、この点数をどうやって増やすかということではないかと思うのですが。
○橋本委員 私はこの原文も読んでいます。例えば今の、予備検定サンプル数3~5点という所ですが、例えば3点を測って、この3点が全て基準値,ここではOELVというばく露限界値のことですが,の1割未満であれば、それで判断はオッケーという意味です。では1点、2点の場合にどうするかなのですが、この文書には書いてありません。他のAIHAの基準や各国の基準があって,先の場合は3点について書いてあるだけまだよいのですが、1点から3点のときにどうするかは全く書いてありません。ですから、行政として、あるいはガイドラインとして、責任を持って推奨できるようなやり方はなかなか明示されない、そこは専門家が判断してくださいという意味だと思います。今回の私の資料では、1点、2点、3点などの場合こうすればよいのではないかとの案を書きました。先の欧州の場合は、3点まで測るのだったらある判断ができる。では1点、2点の場合はこの検討会で、我々が結果が危険なほうに行かないように慎重に何らかの決め事を考える、ということになると思います。なお,先の欧州の基準は,作業者が1人のときは、3点測るためには3日にわたって計3回測ると言っていると思います。
○明星座長 そういうことで、やはり人数と時間はもう少し考えていかないと、なかなか難しいと思います。
○小野委員 1点しかなければB測定という形、要するに、短時間のその作業の評価で、B測定だけで評価するという形にはならないでしょうか。
○橋本委員 1日8時間測るということですが。
○小野委員 1日に8時間、1人ですよね。次の日は違う人が作業しているかもしれないですよね、その作業を。
○橋本委員 複数人のグループでする作業であればそうですね。
○小野委員 ですから、8時間取れてもn=1なのはn=1なので、それであればB測定とみなして、基準が1.5倍に。1.5倍だから緩くなるのか。
○明星座長 しかし、A測定をすることは義務ですが、A測定をやらずにB測定だけで済ますということはないです。
○小野委員 やはりAにみなす形を何か作らないといけないということですか。分かりました。
○明星座長 この問題をここで議論してもなかなか決まらないので。ただ、大きく言うと、場所の問題と人数の問題と時間の問題は大体どうするか決めておかないと、個別の部分が決まらないと思うのですが、その最初の部分として、時間と、それから人数。特に日本の現状の人数が必ずしも多くないということが多分皆の認識で、それで統計が取れるかという、そこにきているように思います。たくさんいて取れるならそれでよいと思いますが。ただ、ずらっと並べていただいた範囲を見ると、それほど多くない。時間は長く取ろうと思えば取れないことはないのですが。そういう場合に、あとの評価基準の所にありましたが、評価基準が統計的にはまた違うものになるということもある。それでも良いのではないかとは思うのですが、少し考えなければいけないと思うのです。
○橋本委員 8時間測定でも1点の測定を許すか許さないか。最低2点にするなどの考えもあると思いますし、あるいは、1点、2点などの場合は、例えば基準値を半分にして厳しく見るなどの考え方もあると思います。そこはこれからの議論だと思います。
○明星座長 なかなか決め難いので、時間のこともありますし。ただ、その辺の問題は必ずしもすらっとは行かないと理解しているので、現状はどうなのかということを。
○土屋委員 皆さん、1点1点と言っていますが、現状の作業環境測定基準の原則は日間変動が必要で2日間連続作業が原則なのです。ですから、1人しかいなくても、その考え方が優先されるのであれば、データは2つ必ず本来は出さなければいけない。日間変動も見なさいとなっているので。その日間変動を見ないで測定するためには、安全係数を入れてリスクを高くして評価しているのが現状なので、今のように1日測定で8時間ばく露測定を評価したいとなれば、橋本先生がおっしゃったように、少しペナルティのあるような評価にするなど、方法はあると思います。皆さんが1点ということこだわっていらっしゃるので。基本は最低でも1人であれば2点のデータがあることを、あえてお伝えしておきたいと思います。
○明星座長 ありがとうございます。土屋先生がお話されたので、次に進めましょうか。
○土屋委員 はい。資料5-3-5は事務局案を拝見してから、大体反対意見もなく、ではこの部分を、どういうように自分で整理したらいいのかということをまとめたものです。一部、先行導入ということでしたが、8時間ばく露測定がAB測定に代わるものである条件の1つとして、日本の特別則、有機・特化・粉じん、鉛、そういった特別則は物質と業務の組立てであるので、そうではない作業をする人にとっては、8時間ばく露の測定をやったとしても、作業環境測定の義務付けをクリアしたということにはならないので、具体的にどのようなものが現場ではあるのかを複数挙げただけです。
上の4つは、こういう作業をしているのであれば、個人サンプラーを8時間付けてAB測定に代わり得るだろうと思うような内容です。読み上げますが、大手の自動車部品製造工場ですが、タンク等の塗装工程はハンガーコンベアを用いてワークを流して、下塗り、上塗り、補正ブースと区分けされたそれぞれのブース内で専従の労働者が終日吹き付け作業を行っている。時々、色変えでガン洗浄などありますけれども、基本的には吹き付けブースの中でやっているので、これは可能かと。
2番目、小型モーターの組付けラインなどだと、10mぐらいのコンベアの所に人が全部張り付いていて、接着剤を付ける人は1人か2人で、その人が頻繁にそこで接着剤を付けてワークを流していくというスタイルのものです。
3番目、ショットブラストを用いて、金属表面のさび落としやバリ取りなどをします。この場合だと、もうほとんどその方はショットブラスト作業を終日仕事をしている。
4番目はショットブラストとはちょっと違うのですが、集中研磨室での研磨作業です。通常NCの研削盤などでは刃物の劣化が激しいので、事業場内で集中研磨室を持っていて砥石で研ぐのですが、そこには20種類ぐらいの研磨機があります。でも作業者は1人か2人です。その方々が現場の要求に応じてバイト研ぎをやるわけですが、そこの専従者は常に8時間集中研磨室でバイト研ぎをしている。使う機械は両頭グラインであったり万能研削盤であったり、平面研削盤であったり、それぞれ違う機械ではあるのですが、砥石による研磨作業ということで、粉じん則の別表の第7号に該当しているので、1つの単位作業場所として作業環境測定をやるのです。このような場合でも8時間のばく露測定は十分評価できるだろうということです。
ただ、日本の場合は下の4つのようなものが大多数なのです。例えば、レジンの製造工場だと午前は原料の仕込みになるし、午後は仕込んだものを攪拌して、少し品質管理室に持っていくようなものに分取する。それが終わったらタンク内の洗浄作業をやって、残液の回収作業をやって、その日使った治具の洗浄をやったり治具の乾燥作業をやったり、残ったウエスや空容器などを片付ける。こういう組立てです。これは全部、義務の対象のものがそれぞれ違うものになります。
2番目も同じです。造型や注湯、型ばらし、砂落としです。造型や注湯は普通の鋳物だと測定義務がないですが、従事しているということです。
3番目は木工です。木工だと作るものによってもペーパー掛けをやって、下塗り塗装をやって上塗り塗装をやります。でも時々、乾燥室に出たり入ったりする。有機則では塗装業務と乾燥業務で別の業務になります。乾燥室に入るときは乾燥室の作業環境測定が必要なので、行ったり来たりするとなると問題だと。あと、治具の洗浄作業があります。夕方4時半ぐらいになると治具の洗浄作業に掛かってしまうわけです。それはそれで塗装作業とはまた違うので、別途作業環境測定をやるわけです。
4番目はメッキです。表面処理加工の場合だと、クロメート処理や硬質クロムメッキ、あるいはクロムではなく亜鉛メッキであったり、あるいは金メッキをやったり銀メッキをやったりする。だけど、そこの事業場では1人の人がクロメートをやったり硬質クロムメッキの監視状態をやったり、亜鉛メッキの自動のメッキ装置をちょっと調整したり、そのメッキ工場の全域を移動していると。そういう方々はサンプラーをその行った先々でオンオフしなくてはいけないのでなじめないのです。下の4:ケースのような所は、現状の安全衛生関係法令に基づく義務化に対する対応は難しいのではないでしょうかというケースになります。以上です。
○明星座長 逆に質問なのですが、最初のほうの1日やっているという作業者は結構たくさんいて、先ほど私が言ったような3人ぐらいはすぐ集まるという。
○土屋委員 それはいますね。1つのブースに2人、3人はいます。タンクなどでも二色塗りもありますから、でも大体大手は最近ロボットなのです。ロボットがやっているので、手吹きというのは少なくなっています。
○明星座長 ありがとうございます。ということで、この辺りはお任せで測るということはなさったということですか。先ほど、渡して測るような。
○土屋委員 この中ではないですね。
○明星座長 ない。ああ、そうですか、分かりました。
○藤間委員 いろいろと前から懸念事項と思っていたのが、正に土屋委員の出されたこの下の4つの例です。そもそも下の例になってくると、もう場の測定と言えないのではないかと。
○土屋委員 言えないですよね。
○藤間委員 そうですよね。本当に今回、個人サンプラーというのを、場の測定だけで考えていいのかというのが最初からずっと疑問に思っているところで、本当に65条そのままでいいのですかという話だと思います。実際、我々の化学関係の工場ですと、やはり下のような例がほとんどです。更に、ここに請負職場がいろいろ入ってくるのです。管理権原者がそもそも工程によって違うのです。このエリアは請負が管理しているエリア、こちらは発注者側、我々のような会社が管理権原者であって、そこを行き来していたりするわけです、一つの作業で。
そもそも、先ほどそういう所は1つにまとめてというような案もあったかと思うのですが、管理権限者が幾つもあるような所をまとめてしまったらどうなるのか。その後どちらが、両方とも良くしなさいなのでしょうけれども、そうなってくると、もう場の測定ではないのではないかという気がします。あくまで個人ばく露測定なのではないか。
それを考えたときに、こういうときはもう個人サンプラーはやりません、作業環境測定の従来の測定をやりますで行ってしまえばいいのかもしれませんが、それでは何も進歩しないのではないかと思います。本来、労働者のばく露について考えるのであれば、正にこういう例についても、ちゃんと対応できるようなところを考えなければいけない、そのためにどうしたらいいのかを考えたほうがいいように思います。すごくプリミティブなところに戻ってしまって申し訳ないのですが、これが一番気になっているところです。
○土屋委員 追加でよろしいですか。私、自分の文章の中で解説を省いてしまったのですが、今おっしゃった疑問と同じ内容なのですが、1人の人が洗浄作業をやってその次に塗装作業をやるときに、洗浄作業で残った気中濃度の影響を、次の塗装作業のときに加算されてはいるのに、発散源が違うために、混合液ではないために、気中で混ざったものは次の現場での測定のときには省いて評価するのです。
現実は、人間の身体に対して影響があるのは相加作用と言われているので、本来、もともとの液が混合されていたものが蒸発して身体に入るのは相加で評価しなさい。だけど、別々の作業をして気中濃度で混ざったものはオプションで評価しなさいみたいなことになって、正に誰のための測定なのかというのが、今の65条の場の測定の欠点ではあるわけです。そこの御意見がもうちょっと違う考え方で、本当にどういう測定が良いのかを考えたらいかがですかという御意見のように私は受け止めました。正に、ずっとそういう測定をやってきた私としては、いつも疑問に思いながらも事業場さんに測定データを見せて、前の洗浄作業の影響が残っているから何とかしてくださいということをやってはいるのですが、現実には公のデータでも、そこは今のところ表に出ない。だけど、今回の個人ばく露測定に、もし何らかの形で規則改正があって、8時間のばく露限界値で全部評価するということになってくれば、そこは全部表に出ますよね。測定義務がある作業と、ないとかいうのはもう全部取っ払って、粉じん作業でも造型も注湯も、吸入性粉じんの絶対量で評価するという格好になりますよね。それが良いか悪いかは、私にもちょっとまだ疑問ですけど。皆さんがおっしゃっていることはそういうことですよね。
○藤間委員 下手をすると、管理権原者が2つだと2つ測定セットを用意しておいて、移るときに入れ替えて、こちら用あちら用と分けるようなこともあり得るのかなと。
○土屋委員 お気持ちはすごくよく分かるのですが。
○藤間委員 それはおかしいですよね。
○土屋委員 半世紀も、日本の場合は場の測定で現場の環境が良くなってきたという実績がありますので、今ここで一気に元の疑問に立ち返るのではなくて、事務局の提案にもありますけれども、先行導入をして、日本の作業環境の管理のあり方の改革の第一歩という捉え方をしていただいて、作業環境測定士の今までの考え方を修正していき、欧米諸国のばく露濃度測定の良いところを取り入れる。各特別則の規則改正もそれに合わせて、改正が必要であれば、余り過激な時間で改正するのではなく、ちょっとずつ改正していくということを、ここ数年の間に取り組まれていくほうが、現場が混乱しなくていいのではないかと思って、今ここで発言させてもらっています。おっしゃるとおりだと思います、藤間さんの言うのは。
○藤間委員 また、具体的な議論のときに、その辺りをまた。
○明星座長 そうしましょうか、ほかに何かありますか。
○橋本委員 土屋先生の資料の下のほう、作業が次々変わる場合ですが、個人サンプラーで測る対象は、この場合はずっと変化していく1日の作業の集まりを作業と捉えればいいと思いますが。
○土屋委員 もちろんそうです。
○橋本委員 8時間全体でもし問題があったとすると、作業記録を調べたり聴取をしたりして、どこに原因があるかを突き止めて、それに対し例えば作業環境管理をするとか、あるいは作業方法が悪ければ作業方法を管理する。土屋さんの言われるどの管理者の管理部分に責任があるかも、そのように調べれば、明らかにできると思います。
○土屋委員 近い将来、そういう形の考え方が多分、そうなってほしいのですが、現状、特別則はそうなっていないので、いきなり導入できないのです。
○橋本委員 指定の作業をしていないことがあるという事ですか。
○土屋委員 そうです、はい。できないです。作業環境測定、AB測定は物質と業務の組合せで決まっていますから、そこを直さない限り、考え方は正しいかもしれないのですが、日本の法律に合わないのです、今現在は。そこが頭が痛いところなのです。ずっと先輩たちが個人ばく露測定どうかといったときに、そこが大きな壁になっているわけです。すごいですよ、安全衛生関係法令の全てに手を入れないといけないので。
○橋本委員 そこをここではどうしていくかですね。
○土屋委員 そうです。
○橋本委員 法に手を入れる,入れないを含めてうまく進めるにはどうするか。
○土屋委員 事務局が提案してくださっている先行導入できる部分はできるところがあるのではないですかと言ったら、皆さん、余り反対せずにできるのではないですかというところまで、今回の会議は来ているわけですよね。部分的にはできるのではないですか。私はそう思っているのですが。
そこをやりながら、模索しながら今の法律のどこに壁があるのかというところを少しずつフィールドが行政を変えていくという形もあっていいと思います。作業環境測定の義務化スタート時は測定だけやっていればいいと。だけど、その後に評価値が付いてきている。その評価値が出るまでは測定だけやっていればいいという、おかしな時期があったのです。それと一緒です。8時間ばく露測定の良いところを採用するに当たっても、取りあえず一気に全部できないので、取りあえずやってみましょうと。今のAB測定の大きな柱をそれほど大きく変えることなく、測定基準も少し手を加えるぐらいで、部分的に導入できるところは導入できるように進めていったらどうですか。今年度の第2回目ですが、ちょうどいいところに差し掛かってきている時、寺島さんの説明にもありましたが、報告書になる形を考えてまとめられたという文章を拝見し、これならいいのではないかと思って聞いていました。
藤間さんの御意見を無視するわけではありません。藤間さんの意見は、私の心の内に燻っていたものを出してしまった、疑問が復活してしまったのですが、今現在の法令では使えないところがありますよということはしっかり把握しておかないといけないということです。
○宮内委員 個人ばく露測定をやる対象者を選ぶとき、今の考えだと各特別則の中の別表2内とか、そういった形で選ぶしかないと思います。そうすると、実際その人がやっている作業は、その作業以外が入ってきても、ある程度は致仕方ないと思います。橋本先生が言われたようにそのときにちゃんと作業を見て、濃度にもし問題があれば、最初の作業以外にこんなものをやっていた、これが影響したのではないかということが分かれば、それも考慮した形で評価ができると思います。
最終的に、目的は労働者の健康障害防止ですから、最初に場の測定をするのか、個人ばく露測定をするかというところは、目的に到達するための方法を考えて選ぶことが非常にポイントになると思います。例えば、ここの下の4つのように、いろいろ取扱物質なども変わってしまえば、場の測定として発散源を特定することのほうが近いと判断し、作業環境測定も合わせて、どんどんやっていけばいいのかなという感じがします。
どちらかという形で選択を迫るというよりは、必要であれば両方やっていく。主体をどちらにするかは別にしてもです。だから、「必要に応じて両方行うことも、別に妨げることではない。」というような考えもどこかにあればいいと思います。これは通達等でもいいのかもしれません。考慮していただければ、一歩先に進むのではないかと思いました。
○小野委員 要するに、対象業務でないものをどう測るか。実はそこに難しい濃度の高いものが隠れているかもしれないのに、今測れないというか、事業者からはここは対象ではないから測らなくていいと言われてしまうのです。1つでも対象業務がある場合には、逆手に取って8時間連続で取るという、連続で測れるという通達みたいなものを出していただくと、この10分だけは測っていいけれども、あとの1時間は駄目だよということのないように、何とかそういうところも測れるような体制が取れるといいのではないかと思うのですが。数少ない事例を見た感想としては、そういうこともございます。
○山室委員 今の作業環境測定は、粉じんでもいろいろな作業が混在していて、固定グラインダーと手持ち式グラインダーが混在していると、固定グラインダーだけ測れないというのが作業環境測定なのです。到底そのようなことは無理で、1つの単位作業場所として測定しているのです。測定結果報告書の中で、測定結果に影響を与えた事項を書く所があるので、そこに手持ち式グラインダーを使っているとか、それで影響を受けているというようなことを記載するようになっています。現状でも、分けて測れないものは一緒にして測っているということですので、そこは報告書の中で影響を受けているということを明らかにしていけばよろしいのかなと思います。
○明星座長 ほかの委員の方、何か御意見はありますか。まだ橋本委員の分がありますが。では、橋本委員お願いします。
○橋本委員 最初の3ページは、今後の検討に関する大きな方針・考え方です。冒頭で事務局から今後の考え方についての追加などありました。それと似たような内容になるところがあるので、若干省略して御説明します。
1ページ目、個人サンプラー測定が正しく理解され有効に活用されるように提案しますということです。真ん中辺りのばく露濃度の定義は復習ですが、産衛学会の定義があって、「作業中に吸入するであろう空気中の当該物質の濃度」です。つまり呼吸域の場の濃度でもあるが、場の濃度の空気は、おのずと吸入されるものであるから、その濃度は場と考えてもばく露と考えても同じであるということです。
1ページの下の表です。そのように整理すると、測定の対象物は、ここで言う個人サンプラー測定も個人ばく露測定も同じ、分離することができない。対策の優先順位も両者で同じです。この検討会では個人サンプラー測定は法第65条の中の作業環境測定の1つとしているので、呼吸域の場の濃度というところに認識上の重点を置いている、ということかと思います。
2ページ、個人サンプラー測定は、基本は作業環境測定の1つであるのだが、ばく露濃度も同時に測定して評価しているとの意味合いを、直接、間接的に何らかの方法で示せると良いのではないかとの提案です。ページの下の方に書いたように、場に意識的に着目するが、ばく露も測定しており、また管理濃度は健康影響にも関わるということです。これは個人サンプラー測定の結果は作業環境測定でも、リスクアセスメントでも使えるという意味で,冒頭の事務局のご説明と一致しているところと思います。
3ページ、以上の提案の理由です。3つ挙げますと、結果が健康にも影響があり得ると言ったほうが、事業主や労働者へのインパクトが大きく自主管理にもつながるのではないか。それと、リスクアセスメントの方法との整合性、および国際標準との整合ということです。
4ページ目以下は、具体的、技術的な内容でして、これも簡単に申し上げます。1、測定者数は海外の方法を見ると基本は5人か6人以上が多いのですが、A測定が5点以上なので、SEGが例えば5人より多いときには最低5人、それを超える部分は人数の調整ができるという考えでいかがかな思います。
分析方法については、まだ本検討会でここまで話が進んでいませんが、是非ひとこと言っておきたいのは、今、作業環境測定で管理濃度の10分の1に満たない場合は、管理濃度の10分の1とする,となっています。そうすると、例えば有機溶剤の混合評価を行うときに、10種類物質があったらもうそれだけで第三管理区分になってしまうのです。測定士の方からも、ここは不満や疑問が出ているところなので、是非ここは再検討をお願いしたいと思います。
5ページ、これも字が細かいのでざっとお話します。今の作業環境測定の評価は日間変動というものを考えて、2日間の測定が基本で、1日測定の場合はここの0.084という補正の数字を入れることになっています。下の表に書いたように、個人サンプラー測定の場合は、ある作業者のグループに対して測定する時、サンプルの取り方により1日測定もあれば2日測定もあります。更に、2日測定の場合でも、1日に5点で2日目に1点などもある。それから、例えば1人の作業者について、ちょっと極端ですが6日間別々の日で測定するということも、概念としてはあります。
個人サンプラー測定の場合、作業者間変動というものがもう1つ大きな要因であって、こちらも本当は考えなければいけないのです。つまり,この表のようにサンプルの取り方により,日間変動と作業者間変動が拾えたり拾えなかったり,一部しか拾えなかったりするので,その数値による修正は困難となります。それから、今のA測定は一点の測定が基本10分間ですので,1日測定ではそもそも日内変動という1日の中での変動も拾えていないので、0.084にはそこの修正という意味もあります。8時間測定をすればこの修正は不要になります。ですから結論としては、個人サンプラー測定については、この0.084という修正は考えないことにしてはいかがかという提案です。
その次のページは、サンプルの数と計算の仕方なのですが、ちょっと細かくなるので最後の8ページ目の御説明をします。必要があれば別途詳しく説明させていただきます。8ページ目、サンプル数が4以下の場合は、統計計算をしてもなかなか信頼性の高い結果にはならないので、この表の考え方、これは産衛学会のガイドラインからなのですが、算術平均値はサンプルが1点ならそのままの値とし、2~4点なら単純に算術平均して使う。そして、EA1についてはその3倍値を使うという考えでいかがかと思います。ただ一方で、サンプル数の1や2を許すのかとか、あるいは安全係数が更に必要かはまた別の議論になります。
P8のマル2とマル3ですが、実はこのEA2(算術平均値)を求める方法に、そもそも統計的に2つの方法があります。詳細は省きますが、マル3という今の作業環境測定の方法は、サンプルの値を直接平均するのではなくて、まず幾何平均値を算出したのち統計的な廻り道をした方法で求めます。マル2は直接平均する方法で,これは先のサンプル数1~4の方法を採った場合に整合が取れます。これもどちらが良いかがあると思います。
 
○明星座長 ということで、最初の事務局の各論の最後のほうに「評価基準を検討する」という部分があるのですが、そこの部分が今のEA1とかEA2を算出する方法が今日のお話の議論の中であるように少し考えて、このままこう書いてしまうと、何が何でもデータ点を集めるか何かをしないといけないので、この辺は検討を残してはいかがかと思うのです。特に、9ページ目の(2)のマル1のEA1とかEA2は、これが悪いというわけではないのですが、少し検討をして、ここの方針というほどではないかなと思うのですけれども。
○西田環境改善室長 いろいろなケースに応じて、ここをどうするかということについては別途検討するという書きぶりでしょうか。
○明星座長 人数が、データ点が、数がないと計算できないからということです。橋本委員のものにもありましたが、では6人分集めるかということも含めた結果になると思うのです。だから、その辺はここで決めないでというか、この文書のまま出すと、6人ないし5点を集めるのかという話になると思うのですが、その辺はまだ議論の余地があるので、例えばデータ点が少ない場合は別途考えるとか、そういったことは最低でもないと、EA1、EA2が決められないという話になると思うのです。
○橋本委員 EA1、EA2に相当する値を基本として従来の3つの区分で考える、現状としてはそれで良いのではないでしょうか。
○明星座長 要するに、データ点が少ないときにどうするかということは残ると思います。
○中野委員 29ページの個人サンプラーによる作業者数で計算していただいているのがGMとGSDなのですが、先ほど提案のあった4名以下のときに算術平均とかEA2掛ける3という数字も横に並べて提示していただけたら、数字がどれぐらい変わるのか個人的に見たいと思います。29ページの個人ばく露濃度8時間の所が、測定数が4以下にもかかわらず、みんなGM、GSDで提示されているので、こちらの産業衛生学会のガイドラインの数字も横に並べていただけると、数字がどれぐらい変わるのかを実感できるかと思いました。
○明星座長 EA1、EA2を計算して。算出せずと書いてある。算出すればいいのかね。
○橋本委員 表の下のほうは算出されています。
○明星座長 少ないから算出しなかったのかもしれません。
○寺島環境改善室長補佐 このときはしていなかったという情報だけを書いたのですが、元の個別のデータがあるのが平成22年度のデータとか、平成23年度ぐらいの。
○橋本委員 取っていないかもしれません。
○寺島環境改善室長補佐 個別のデータがあれば、次回ですかね。
○橋本委員 ただ、この表の下のほうでEA1、EA2を算出している部分がありますけれども、その比は大体3倍になっています。統計的にも、大体2.5倍から3.5倍ぐらいになるはずです。
○西田環境改善室長 平成23年度以降は、個別データを取って算出しているということなのではないですか。サンプル数が少ないものも取っていますね。
○明星座長 そうですね。下のほうは一応計算はしてある。3ぐらいですと、計算してもしようがないかなと。
○土屋委員 話を変えて恐縮なのですが、資料5-3、3ページの1の「作業環境測定方法の選択」で、今回の案が「作業環境測定の対象となる作業場ごとに、作業環境測定士等の専門家の助言に基づき、事業者が、毎回、以下の測定方法から選択するものとする」となっているのです。実は、これは客先と大きくもめたのですが、B測定が導入されたときに、作業環境測定士がB測定が必要だと判断すると、事業主はお金が掛かるから嫌だといってやらないと。いろいろと本省の方々の話を聞いて、結局作業環境測定士が判断するので、顧客に負けてB測定をやらないというのはよくないと話を伺ったことがあります。そうやって、ずっとそれを守って測定に従事してきたのですが、今ここで全部フラットにして、この中で選んでいいとなると、そこは相反するところになりますよね。
そこは、例えばマル1、マル2、マル3というのは、マル2とマル3はそんなに大きな違いはないのですが、マル1、マル2、マル3とマル4とマル5を選ぶというのは分かるのですが、「マル1でいい」と言ってしまうと、そこが問題かなという気がするのです。ここは書き方を工夫したほうがいいと思います。
○西田環境改善室長 土屋先生がおっしゃるのは、AB測定(定点)(マル1、マル2、マル3)か、個人サンプラー(マル4、マル5)かという大きなところでの選択をどうするか、という整理のことですか。
○土屋委員 そこはいいのですが、マル1、マル2、マル3と分けてしまうと、Aだけでいいというように読めてしまうのです。本来は、B測定をやらなければいけない現場というのが結構あるのですが、こういう書き方だと、事業場がAだけでいいと言えてしまうのです。並列になっているので。
○西田環境改善室長 マル1かマル2かというのは、こういう場合はB測定も必要、といった現行の法令をいじるつもりはありません。
○土屋委員 それは事業主が選択するということではなくて、作業環境測定士が決めるとなっているので。これだと助言ですよね、助言には決定権がないので。
○西田環境改善室長 分かりました。この辺りの書きぶりは工夫します。
○明星座長 マル1、マル2は本来は同じものですね。
○土屋委員 そうです。A測定若しくはAB測定と。
○明星座長 現状ですね。
○土屋委員 そうです。
○明星座長 さっき戻りませんでしたが、残りの時間はここにあるように各論とか、総論の意見を。
○西田環境改善室長 特に2番目の測定基準が、作業所の範囲とか作業者の選定、時間とか、非常に大事な部分で、測定基準の中にもある程度書き込んでいかないといけないということもありまして、この書きぶりで問題ないかどうか、ご意見をいただければと思います。
○明星座長 その辺について、委員の皆さんから御意見を頂ければと思います。
○村田委員 今の7ページの2番の(1)で、「法定の屋内作業場を対象」とすると指定されていて、気が付いたというか、先行導入自体はいいのですが、マル1に溶接とあります。溶接は、作業環境測定の対象作業場になっていないですよね。
○西田環境改善室長 これは溶接でも扱う材料で、特化物などが含まれたら、そこは法定の測定対象となるということで、測定対象となっている物質が含まれないものは除かれるという趣旨です。
○村田委員 先行導入の対象には、例えば溶接はならないと。
○土屋委員 マンガンが入っていたりすると、特化則で測定義務があるという溶接なのです。
○村田委員 そうですが、溶接作業場自体は対象作業場になっていないのですよね。マンガンが入っていることは前から分かっていて、知らないふりをして対象にしていなかったのではなくて、別の理由で対象にしなかったわけですよね。私は変なことを言っていますか。先行導入とするときに気が付いたものですから、法定の作業場を対象にするのはいいのですが、例えば粉じんであれば特定粉じん作業が対象になるわけですよね。個人サンプラーによる測定であっても。
○西田環境改善室長 そのとおりです。いずれにしましても、現在、法定の測定対象となっているAB測定、そこを対象に個人サンプラーとして先行導入するものという趣旨です。個別の事情があるということはこちらも承知はしておりますが、そこをこの機会にいじるというような趣旨ではありません。
○明星座長 いや、だから、シンプルに粉じんではなくてマンガンですかね。
○村田委員 では、当面は作業環境測定をしないといけないことになるのですか。ここに書くと報告書になるのでしょうけれども。
○土屋委員 実際に真面目にやっている事業場もあります。だけれども、固定点の測定だから実態に合わないという所は、この個人サンプラーを先行導入すれば、マンガンばく露の程度がより明らかになるのではないですかね。
○村田委員 私が去年の委員会のときにお話をしたのは、特化物として測定するのはいいのですが、マスクをしなければいけないのですよね。
○土屋委員 そういう話もありましたね。
○村田委員 それで、測定はしなさいと、マスクは結局しなさいと。それで何も変わらないわけですよね。
測定する専門家としては、測定対象が広がるのはいいのかもしれないのですが、現場としては測定させるだけさせておいて、結局何も変わらないのですよね。例えば溶接について。他の所もあるのかもしれませんが。
さっきも3倍にするかどうかという、EA2を3倍にしてEA2はというのはあると思いますが、措置に関わることというのは重要ですよね。すごく重い話で、余り簡単に決められない話だと思います。
○西田環境改善室長 今、御指摘にありました措置は非常に重要だということはおっしゃるとおりでして、ここでも10ページの6(1)は、幅広いいろいろな重要な要素がありますので、また検討が必要なのかなと。
○村田委員 違う話だと言われれば、ああそうですかと言うしかないのですが、気が付いたものですから。
○西田環境改善室長 いずれにしても、そこは当然検討しなければいけないという認識は持っております。
○宮内委員 それに関するのですが、私も措置のところは大事だと思っていまして、目的は健康障害が起きないような一次予防としてこういった管理をするのですから、先に目的があって、こういう問題なのでこういう改善をする、だからこういう方法の測定をするという形になると思います。この件は後で検討というのですが、早めにどういったことの改善が想定されるからこういう測定方法を選ぶということをちゃんと決めた方が良いと思います。測定士の教育の中でもメインになるのではないかと思います。むしろ同時に進めるぐらいのスピードで考えた方が良いと思います。
もう1つは、個人のばく露のデータは作業環境管理の中で活用するということですが、特殊健康診断等の中で作業者個人の健康管理として非常に重要になると思います。そういうところの取扱いなども、この委員会でなくてもいいと思うのですが、並行してやっていくことが重要だと思います。以上です。
○橋本委員 1つよろしいでしょうか。
○明星座長 はい。
○橋本委員 7ページ目の下のほうの(2)測定対象作業者の選定という所です。今までこの検討会では「SEG」という言い方で、グループに対して測定するという考えで進めてきたのですが、「SEG」という言葉は使わないとのことでした。
そうすると、作業者を測定するということが分かりにくいと思います。測定対象作業とすると、「作業列挙で挙げられている作業」と言ってよいでしょうし、例えば有機溶剤Aに関する製造作業と受け取るかもしれない。この時実際には人について測定するわけですが、どういう人を測定するかが非常に分かりにくくなるのではないかと思います。そこで「SEG」と言わず、「作業者のグループ」や「作業者グループ」と呼んではどうか。海外では「ワーカーグループ」という言い方もあります。このように、ある対象作業に従事するグループを特定して、その中から何人かを測定して、管理区分を判定するとしてはどうでしょうか。
その結果は、その人たちが動いた場の影響も受けるので、作業環境管理にも反映されます。分かりやすさという意味で、そういう作業者のグループという概念を入れたほうがいいと思います。
○西田環境改善室長 「SEG」という言葉が作業環境測定の世界ではなじみが薄いかなと思い、そこを外したと。もし御提案の「作業者グループ」ということで皆さんがよければ、まとめた形でそのように言うということで修正することは可能だと思います。
○明星座長 現在の65条は、基本的には作業環境を見ているわけで、例えばリスクアセスメントは3管理すべてを言っているので、ここでの話の作業環境管理だけを見てそれと比較すれば不完全でして、現状でも3管理でやっているということなのですが、議論が時々行ったり来たりしていると思うのです。例えば作業環境管理として駄目だったらどうするのかというと、次は作業管理をする、マスクをするという話で、現状もきちんと動いている。リスクアセスメントと比較して作業環境管理の測定の部分だけを今取り出してきて、良いの悪いのと言っても、バランスとしては悪いと思うのです。
その作業環境管理ないしは作業環境測定の部分に整合性を持たせるように個人サンプラーを入れるということをしているので、余り作業管理に進むと矛盾はますます広がってきて、どうなっているのかというようになると思うのです。65条が付いて回っているものは作業環境管理の話なので、それはその範囲でできるところまではやって、別に完全だとは全く思っていないので、やってみて、ある程度良い結果を出した先にあるのではないか。特に最近は、許される濃度が下がってくると、作業環境管理では解決しきれないということで使用が取りやめになってしまっている話が多いのです。では作業環境測定をやってもしようがないではないかということでもないと思うので、その次の部分も含めた考え方が必要ではあると思うのですが、取りあえず現状を調整するような形で進んでいく中で、分かりやすい話として、対象者を作業で決めるというのが、ちょっと古い決め方だけれども、私は現状では分かりやすいと思います。
特に、「同等のばく露」とか言われても、同等であることを誰が分かるのだと、私は非常に不満です。それでSEGが余り好きではないということになります。それが分かるなら、誰も苦労しないと言いたいのですが、そういったことで橋本委員には合わないのですが、そういうことを思っております。
とにかく現状の65条を、完全であるとは思わないのですが、その最大の理由は作業環境の管理なり測定なりだけを言っているので、それは必ずしも3管理の全てをカバーはしていない。だから、健康管理側から役に立たないと言われれば、確かにそういう部分もあるのですが、それは追い追い変えていくということです。これは私の個人の意見です。
○藤間委員 そうしますと、2の(2)の「原則として全員を対象とする」という所が引っ掛かってくるのかなと思うのです。SEGを使うのかどうなのかというところと、原則として全員で、ただし書きとして付いているのであれば、本来そこから得られるインフォメーションというのは。
○明星座長 だから、それは今後決めていかないといけないのではないかなと思うのです。逆に言うと、ここでこの部分とか、最後の評価基準の部分を決めても、やってみて動く可能性もありますから、それほど言えないのだけれども、原則もあるし、個別のケースもあるしということで、自由度を上げているつもりなのですが、同じように、さっき言った最後の評価基準のほうも、ここで決めても、それがそのとおりにいくものかどうかも自信はありませんので、ある程度、大きくはこうするけれどもという意見で。
○宮内委員 全員を対象にするというのは、SEGを決めて、その後に1つのSEG内で対象者を抽出するというのではなくて、全員をSEGとして考え、その全員を測定するという意味かと思ったのですけれども、そういう話ではないのですか。
○西田環境改善室長 測定対象ということです。
○宮内委員 ですよね。SEGもやるし、測定も全員やるというのはそういう話なのかなと。
○藤間委員 全員というところで、先ほどの平成22年から平成25年の以前の検討結果がありましたが、ここではSEGに対して測定しているわけですが、1つのSEGが14人とか、大変多い数もあるので、原則全員というのは、そういう十数人でも全員という意味なのか、それは余りに多すぎると思いますので、ここの「全員」という所は、私も大変気になるところで、もちろん十分な数をある程度は確保するけれども、「全員」と言い切ってしまうと少し心配だなと思います。
○宮内委員 それは絞り込むことはできるという形で、セレクションは可能だという。
○明星座長 そう書いてあると思うのですが。
○西田環境改善室長 絞り込みができるということが下に書いてありますので、意味合いとしてはそれを含んでいます。
○明星座長 ほかの部分はないですか。
○橋本委員 さきほど管理の仕方について座長からもお話がありましたが、今まで世の中の一部で、作業環境測定の場合は作業環境管理、個人サンプラーを使った場合は人を測っているのだから作業管理という誤った認識があります。これは全くの誤解なのですが、それが一部に根強いようなので、特にこれから個人サンプラー測定を進めていくに当たっては、そうではない,とにかく作業環境管理が第一優先でその次に作業管理というところを、強調していく必要があると思います。
○明星座長 大体時間もきていますが、何か言い残したことはありませんか。まだ少しだけ話としては残っている部分もあるのですが、あとは教育とか、そういった部分が資料としてはあるのですが。
○寺島環境改善室長補佐 資料5-3-7ですが、事前に御覧いただいたものに反映していますので、特段何かありましたら。
○西田環境改善室長 講習の内容というか。
○明星座長 特に、今後教育等にお願いされる委員の方も多いと思いますので、ちょっと見ておいていただければと思いますが。
○中野委員 健康管理をしている立場からしまして、65条の限界をこの会に出て気付かされたところなのですが、場の個人サンプラー測定とばく露測定、言葉で少し変わるのですが、今回サンプラーで測定した数値というのは、ゆくゆくは二次健診で引っ掛かった人たちのばく露の評価というところに数値として使えるととても良いと思っています。そういったものにつながるような視野、すぐにではなくて普及したときにそうなればいいなと思っていますので、考慮していただければと思います。
○明星座長 ほかにはよろしいでしょうか。一通り御意見を伺えたと思いますし、時間もまいりました。事務局から何かありますか。
○西田環境改善室長 いろいろ貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。あくまでも座長からもお話がありましたように、65条の中でどう位置付けるかという、その中での制約の中でやっていかなければいけないということです。ただ、これがいろいろな健康管理も含めて考えていく上で、非常に大きな課題もはらんでいると認識もしております。リスクアセスメントの実施をいかに効率的に進めるかとか、その1つのステップとして、少なくとも法定義務の先行導入であっても、そこに位置付けていくと。そのための測定基準なり評価基準について、どういう考え方が必要なのかというところを、まずここでコンセンサスを頂ければと思った次第です。当然、その後の措置などの大きな問題があるということは認識しておりますので、そこは個人ばく露測定との関係とか、報告書の中にも少し入れておりますが、考慮していく必要はあるのかなと思っているところです。
今後の予定ですが、次回は10月11日の午後の開催となります。先般メールでお知らせしまして、複数の日程で御都合をお聞きしたところです。予備日としても10月24日の午後を予定しております。本日御議論いただいた内容を踏まえ、次回はこの検討会における報告書の取りまとめに向け、骨子(案)をお示しし、できたら事務局として事前に原案を作成し、委員の皆様にもお送りして、それで御議論できればと思っています。本日頂いた貴重な御意見も踏まえながら、先ほどの資料5-3を少し肉付けしていくような形で考えたいと思っています。
○明星座長 それでは、お忙しいところをどうもありがとうございました。閉会といたします。