2018年7月25日 平成30年度第5回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録

○日時 平成30年7月25日(水)
○場所 航空会館701+702+703会議室(東京都港区新橋1-18-1 航空会館7階)
○議題
1.テーマ毎の検討3(薬局・薬剤師のあり方)について
2.テーマ毎の検討3(医薬品の安全な入手)について
3.その他

議事

○屋敷総務課長 傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既に御案内しております注意事項をお守りくださるようお願いいたします。
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、平成30年度第5回「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催します。
委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、御礼を申し上げます。現時点で21名中17名の御出席をいただいております。奥田委員は14時過ぎ到着と伺っております。また、本田委員、山本委員からは御欠席の御連絡をいただいております。なお、阿真委員につきましては、追って御参集いただけます。
今回の部会から新しく委員として御参画いただきます方がお一人いらっしゃいます。津田塾大学総合政策学部教授の伊藤由希子委員でございます。
○伊藤委員 伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
○屋敷総務課長 今回の薬機法の検討でございますが、これまでの施行状況に加えまして、将来の技術や人口構造を含めた幅広い視野に基づくものでございます。伊藤委員におかれましては、これまで私どもの関係では、「患者のための薬局ビジョン実現のためのアクションプラン検討委員会」の構成員に御参画いただいているという経緯もございまして、また、もともと御専門は国際貿易論、あるいは産業組織論といった分野を御研究されているということでございます。現在の日本の状況を踏まえ、そのような視点から適切な議論となるよう御知見をおかりできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、本日の配付資料の確認をいたします。
配付資料ですが、座席表、議事次第に加えまして、資料は資料1のみでございます。参考資料として、参考資料1が委員名簿、参考資料2がテーマ2までのこれまで出された主な意見の資料を準備させていただいております。
資料の不足がありましたら、お申し出ください。
資料につきましては、タブレットのほうにも格納しております。タブレットのほうは、これまでの第1回部会資料から第4回までフォルダに格納するとともに、本日の資料4点につきましてはPDFファイルで格納しておりますので、ペーパーあるいはタブレットのほうを適宜ごらんいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
間もなく議事に入りますので、冒頭のカメラなどの撮影はここまでとさせていただきます。
それでは、以降の進行は森田部会長によろしくお願いいたします。
○森田部会長 皆様、お暑い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速ですが議事に入りたいと思います。まず、議題1でございます。最初に、本日の議題につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○屋敷総務課長 本日は、前回に続きまして、テーマの3番目、薬局・薬剤師のあり方等につきまして、御議論いただきたいと思います。
資料1をごらんいただきますと、スライドの2ページ目になりますが、「1.テーマ3の現状と課題について」の中に「I.薬局・薬剤師のあり方」と「II.医薬品等の安全な入手」の2つがございます。そのIとIIについて、区切って御議論をいただければと考えております。
まず「I.薬局・薬剤師のあり方」について御説明をいたします。こちらの薬局・薬剤師のあり方につきましては、前回「(1)医薬分業とかかりつけ薬剤師・薬局について」と(2)の1及び2まで御議論をいただいております。本日は3以降について御説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
本日の資料ですが、前回の資料とほぼ同様でございますが、前回までにいただきました御意見なども踏まえて、一部修正をしている部分がございます。それは、例えばスライド4でありますけれども、右肩に「一部修正」というタグを入れまして修正をしているものがございます。
本日の3以降でございますが、スライド33、34をごらんいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。「3 地域における医薬品提供対策を確保するための薬局の体制整備」というテーマでございます。スライド33、34でございますが、医療提供体制につきましては、各都道府県におきまして、地域の実情に応じた医療計画を策定することとなっております。
次のスライド35をごらんいただきますと、高齢化の進展、あるいは病床の機能分化・連携を進めていくことによりまして、在宅医療の需要の大幅な増加が見込まれているということでございます。薬局におきましては、こうした在宅患者への対応、地域の実情に応じた医療介護提供体制の中で役割を発揮していくことが求められていると考えられます。
スライド36ですが、このような動きの中で、これは医療機関での機能分化のイメージでございます。外来医療の今後の方向性でございますが、地域の拠点となるような病院で入院の機能強化・分化を行うとともに、外来につきましては専門化が進んでいく。診療所につきましては、かかりつけ医機能の強化、それぞれまたその病院と診療所の地域レベルの連携強化が図られる方向ということでございます。
このような形で考えますと、これらの医療機関から処方箋が出てくるわけでございます。それぞれどのような処方箋の受け方、あるいは患者への服薬指導の仕方が、これらの医療機関の動きに対応できるような形で進めていくことが必要ではないかと考えられるわけでございます。
次に、スライド38をごらんいただきたいと思います。そういう動きが求められている中で、薬局の現状を見ますと、例えば在宅業務を実施したことがある薬局は約半数であると。その理由として人員不足が挙げられているということでございます。
スライド39をごらんいただきますと、これと同様な傾向といいますのは、退院時カンファレンスの実施体制があるかどうかというところをお聞きしたデータでございますが、薬剤師1人あるいは2人で業務を実施している薬局が約半数を占めるという現状におきましては、求められる役割に十分応えられていないのが現状ではないかと考えております。
次がスライド41でございますが、これは今後、在宅医療の中で例えば緩和ケアの実施に伴いまして、医療用麻薬へのニーズが高まっていくということでございます。薬局におけます麻薬の取り扱いにつきましては、スライド42の下のほうにありますけれども、規制が厳しいという御意見もいただいておりまして、地域において必要な患者に適切に医療用麻薬を調剤できる体制の構築も重要ではないかと考えております。
次が、スライド43をごらんいただきたいと思います。ここは医療機関と薬局の連携についてでございますが、がんなどの複雑な薬物療法を実施している患者への対応については、薬局の薬剤師さんが医療機関においてどのような治療が行われているかということにつきまして、医療機関と密に連携をとって、より専門的な薬学管理あるいは指導を実施することにより、患者の治療の有効性・安全性の向上に資する取り組みなどが、これは研究事業でございますが、行われているという実態もございます。
次に、スライド47をごらんいただきたいと思いますが、3つ目の○の地域におけます医薬品提供体制を確保するための薬局に対する整備についての検討が必要な事項でございます。在宅医療の需要増といった、しかしながら、まだその体制が整っていないという状況を踏まえますと、地域で必要な医薬品が常時提供されるとともに、薬剤師による薬学的知見に基づく指導がその都度確実に実施される体制の整備が重要ではないかといったこと。
あるいは、在宅医療に限らず、地域の薬局につなげたり、医療機関と密接に連携をとることを実施しながら、高度な専門性の機能を発揮するような薬局といったものも求められているのではないかということ。
あるいは、実際にこれまで院内で薬学的管理を受けていた患者さんが、今度は在宅のほうでケアを受けることになります。引き続き在宅で同様の薬学的管理を受けられるようにしていくために、その患者さんの近くの地域の薬局がどのような役割を担うべきかといった視点の検討が必要ではないかということでございます。
あとは、先ほど申しました医療用麻薬の流通対策といった点も見直しの必要はないかといった論点があると事務局としては考えております。
このように、今、薬局が調剤あるいは服薬指導をしているという中で、求められるものに対して薬局がどのような機能を果たしていくべきか、どのような機能が明らかになっていくべきかといったことについて検討が必要ではないかと考えている次第でございます。
48ページ目以降は「4 薬局の組織ガバナンスの確保」、これは1、2、3とは少し違った論点ということになりますが、スライド49をごらんいただきたいと思います。薬機法違反の事例が生じているということ、それらの原因として何が考えられるかといったときに、役員による適切な監視・指導、ガバナンス体制の構築が薬局を経営する経営体として整っていたかどうかといったところが問われていると考えております。類型(1)、類型(2)に分けております。これは製造販売業の報告・連絡とも同様でございますが、違法状態にあることを役員が認識している、あるいは適切な管理・監査体制が構築されていないといったことが違反事例の原因となっている実情があるのではないかと考えております。
スライド50でございますが、こちらは薬局開設者があり、そして薬局の管理者がいる。製造販売業者も同様でございますが、薬機法は開設者に対します業務改善命令、あるいは管理者、責任者に対する変更命令等をかけられる体制となっているわけでございますが、実際にその経営体の中にある役員に対しては、直接責任を問うことができる規定も存在していない。これは前々回、製造販売業の役員に対するガバナンスを御議論いただきましたが、同様な論点があるのではないかと考えております。
スライド51でございますが、薬局について見ますと、単一薬局の場合は、開設者、管理者の関係がストレートにつながるということでございますが、同一の者が複数の薬局開設者である場合には、実際にはマネジメント上、中間的にエリアマネジャー等の設置が行われているという実態でありますが、現行法令上もその位置づけは行われていない。このような観点からの対応も検討すべきと考えております。その点が52ページ目でございますが、例えば同一法人が複数の薬局を開設している場合への対応。開設者、管理者、双方の責務の明確化、その責務を果たすことを促すための措置としてどのようなものが考えられるのかといった点につきまして、検討が必要ではないかと考えております。
これら1から4までの論点でございましたが、スライド54をごらんいただきますと、これをまとめたものでございますが、薬剤師による情報提供及び薬剤的知見に基づく指導の強化、2つ目でいきますと、対人業務を推進するための方策、3つ目は、先ほど申し上げました地域におけます薬局の体制の整備、そして、薬局の組織ガバナンスの確保、この4つが検討テーマとしてまず事務局のほうとしては定義させていただくものでございます。
続きまして、スライド55から63までは、前回の御意見等を踏まえまして、追加の資料を準備させていただいたものでございます。
スライドの56は、薬局における業務はどのようなものがあるのか。薬局の業務の実態などを見ながら議論を進めるべきではないかということで準備させていただいたものでございます。
57は、医療機関の中でありますが、医薬品の適正使用サイクルに向けました医師と薬剤師の協働についてということでございます。
そして、58から61につきましては、いろいろな切り口から昨年度行いました実態調査に基づきまして、薬局におけます各種業務の現状について見たものであります。
スライド58は、例えば同一経営主体によります薬局の店舗数。その企業規模といった点、あるいは立地状況、プライバシーの確保といった面での個室の設置でありますとか電子版お薬手帳の導入の有無といった点。
スライド59につきましては、取り扱っている医薬品の種類。医療用医薬品は当然ながら取り扱っておられるということだと思いますので、要指導医薬品、あるいは一般用医薬品、あと、健康サポートは割合としてまだ少ないといった状況。
60ページ目は、かかりつけ薬剤師・薬局といった観点から、常勤薬剤師2名以上の薬局について、特定の患者を継続して担当する薬剤師さんがいらっしゃる薬局の割合は72.2%程度であるといったような状況。
スライド61は、医療用麻薬の取り扱い、あるいは在宅の実施の有無等、立地状況別の分布といったものをデータとしてまとめたものでございます。
そして、3に関連いたしますが、今後、薬局の機能、あり方を考えるときに、2040年とかそういう先を考えた上で、その中で医療提供体制が変化をしていく、それに応じまして薬局もどのような機能をそれぞれの地域で果たしていくべきかという視点が必要だと考えておりまして、これは人口データでございますが、総人口の減少するところが今の段階から見込まれているということでありますとか、スライド63は、75歳以上人口の割合についての増減でございます。現在都市部であるところは、これから伸びるということでございますが、現在から見ましても青いところなどは、75歳以上人口の減少していくところも全国的には生じてくるという状況でございます。
以上、テーマ3の中の、本日は3、4につきまして資料を御説明させていただきましたので、御意見等をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○森田部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日は3、4ということでございますけれども、ただいまの事務局の御説明、御発言につきまして、御意見、御質問があれば御発言をお願いいたします。
では、中川委員。
○中川委員 前回の議論を踏まえて、24番なのですが、検討が必要な事項のときに、多くの構成員から医薬分業のメリットが実感できないと。全て院内に戻せとは言わないですが、医薬分業自体の根本的な議論をすべきではないかという意見が多々あったと思いますが、それはどの資料に、いつ、どのように反映されるのですか。資料がこのままだと言いっ放しになってしまうので確認です。
○森田部会長 事務局、お願いします。
○屋敷総務課長 前回そのような御意見をいただいたということで承知しております。資料の中でいきますと、まず、現在の医薬分業の現状がどのようなものかといったこと。それについて役割が不十分であるといったことは御意見としてあったと思います。それを今後どのような形でいけば、薬局・薬剤師の機能が発揮されるかといった点で御議論いただきたいと考えておりますし、また、資料の中では、例えば本日、追加資料を入れております。これは医療機関の中での医師と薬剤師の関係でございますが、このような医療機関の中での役割分担といったもの。それが今後、在宅医療が進む中で地域の薬局ではどのように行われていくのが適当なのかといった点からの御議論をいただきたいと思います。資料が不足しているかもしれませんが、追加の資料としては、本日追加させていただいた資料を御参考に御議論いただきたいと思いますし、また、必要なものがありましたら準備をしたいと考えております。
○森田部会長 どうぞ。
○中川委員 全然質問に答えていないではないですね。いつ、どのように反映されるのかと言っているのですよ。薬剤師が働き方を変えれば、医薬分業のメリットが感じられるようになるなどと誰も発言してないではないですか。そういう前回の議論をどのように反映されるのですかと聞いているのです。制度部会で真摯に議論した意味がないではないですか。
○屋敷総務課長 前回そのような御意見をいただいたということで承知しておりますが、現在まだ足りないところがあるということであれば、そこは伸ばしていくことも求められているのではないかと考えておりますので、その点につきましては御議論いただきたいと思いますし、また、本日これは御議論いただく予定はございませんけれども、参考資料2ではテーマ1とテーマ2、これは承認審査安全対策でありますガバナンスの点でございますが、このような形でいただいた意見につきましては、資料としてはしっかりまとめて、次回以降の検討にはつなげていきたいと考えております。
○中川委員 この議論を通じて薬機法の改正につながるのではないですか。だから私はすごく重要な議論だと思うし、懸念をしているのです。言ったことがどこに反映されるのかと聞いているのですよ。そのことを答えてください。
○屋敷総務課長 テーマ1、2につきましては、参考資料2のようなまとめでありますが。
○中川委員 参考資料2は何ページですか。
○屋敷総務課長 一番下につけております参考資料2でございますが、まだテーマ3につきましては議論中でございますので、本日の資料には当然ながら入れておりません。前回と今回の御意見もいただいた上で、また事務局のほうでもこのように整理をして、議事録起こしのようなものですけれども、次回以降の検討にいたします。
紙ではA4横の一番下に入っている資料です。ここはまだテーマ2までしか本日は入れておりません。テーマ3につきましては、前回と本日、議論中でございますので、次回以降このような形でテーマ3につきましてもまとめて、制度部会の検討の素材としていただければと考えております。
○中川委員 参考資料2について、発言者だとかそういう意見がずらっと書いてありますけれども、では、前回のところはどこに反映されていますか。
○屋敷総務課長 本日の段階では、参考資料2では、承認、安全対策、あるいはガバナンスといった大きい全体のテーマの2まででございますので、薬局・薬剤師については大きいテーマの3でございます。前回と今回でそのテーマ3について御議論いただいておりますので。
○中川委員 では、医薬分業自体の根本的な議論をすべきだというのは、どこに入ることになりますか。
○屋敷総務課長 次回以降の参考資料2に相当する資料に、資料として入れることを考えております。
○中川委員 主な意見というのは、このような形で入るのですか。
○屋敷総務課長 様式としてはこのような形でございますし、工夫が必要であれば、また工夫はさせていただきます。
○中川委員 では、この参考資料をつくるときに、前回の意見はこういう意見だったと、これでいいかという議論はしないのですか。
○屋敷総務課長 それも別途、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
○中川委員 では、必ずそういう時間をつくってください。
○屋敷総務課長 承知しました。
○森田部会長 よろしいですか。
では、乾委員、どうぞ。
○乾委員 今、中川委員から前回の制度部会の話もされましたけれども、全ての委員が医薬分業にメリットがないということを実感しているということではないと思いますし。
○中川委員 ごめんなさい。乾委員以外です。
○乾委員 それは決して皆さんが意見を言われたわけではないではないですか。また、そういうふうに持っていかれるということ自体がおかしいのではないかと思いますし、あくまで確かに実感できていない方もいらっしゃるかもわかりませんけれども、実感できている者もいる。ですから、実感できていないということであれば、そのことについてはしっかりと、薬剤師会も含めですけれども、薬局・薬剤師としても真摯に受けとめて、ここで議論いただいたものについて進めていきたいということだと思うのです。
○中川委員 全ての委員というのは言い直します。ほとんどの委員です。乾委員以外のほとんどが。
○乾委員 本当にそうなのでしょうか。
○中川委員 ちょっと聞いてください。医薬分業自体がもう限界だという意見がたくさん出たのは、それはいいですか。
○乾委員 発言された方はそうだと思います。
○中川委員 発言された方って、発言されなかった方の思いまで推測するのですか。この制度部会で議論するということは、ここで発言しなかったら、それはなしですよ。発言しない方は医薬分業もいいのだという方が多いのだなんて、そういうことは一般常識的に通りませんよ。
○乾委員 実感はできていないかもしれないけれども、しっかりと今、制度として定着しておるわけです。
○中川委員 定着していないのではないかと、メリットが実感されていないのではないかという意見が多いからこういう議論に発展しているのではないですか。そんなことから議論しなければならないのだったら、これはまた前回の議論をやり直しましょうということになりますよ。
○乾委員 ただ、私は決して、できていないということはないという発言はさせていただいたと思いますし、それについて、院内に戻せとか、そういうことは皆さんがおっしゃったわけでもないと考えております。
○森田部会長 山口さん、どうぞ。
○山口委員 確かに私もメリットはほとんど感じられていないという発言を前回いたしました。ここでこの問題が議題になっているということは、やはり全国的に見て、医薬分業の問題点があるということが前提なのだと思います。だからあれだけ前回いろいろな意見も出てきたと思いますので、そこはそうではないという話になってしまうと、本当におっしゃるとおり、前回の議論は何なのだということになります。むしろ何も医薬分業を全部廃止しましょうと、前回意見した人みんなが言ったわけではなくて、やはり問題点をしっかり見つめ直して、きっちり国民が医薬分業のメリットを感じられるとしたら、どういうふうなあり方がいいかということを考えましょうというスタンスで私は議論に参加していたつもりです。しかし、多くは問題意識を持っていないというふうにおっしゃってしまわれると、やはりここでの議論が成り立たなくなると思いますので、前向きに進めるように話は持っていったほうがいいのではないかと私は思います。
○森田部会長 ちょっと整理をさせていただきますと、きょうの議題は、前回の積み残しの部分について御議論いただくということで、資料も前回のものがそのまま出されているということでございます。前回、今、御議論されているような御意見があったことは承知しておりますけれども、これは本来ならば今日ついていてもいいのかもしれませんが、参考資料2にありますような形での意見を整理して一通り、IIの部分までですけれども、これまで議論していただいた後で法改正に向けてまた論点を整理して出して、そこで議論をしていただくというのがきょうの議論のやり方といいますか、目的である。そのように私は事務局から聞いておりまして、そのように理解していたのですけれども、事務局、そうですね。
○屋敷総務課長 そのとおりでございます。
○森田部会長 だとしますと、一応前回の御議論は御議論として意見が出たところだと思いますけれども、今日はそれをもう一度蒸し返すという形で議論をするのか、それともいろいろな論点がございますので、そこはまた改めて意見として出されたところをどう集約するかというところで御議論いただきたいと思います。
それに関連することもございますので、3、4についての議論を進めていただきたいと思います。
どうぞ。
○山口委員 では、今回御説明いただいたところについての意見を述べたいと思います。
地域における薬局の体制整備。
○森田部会長 ちょっと待ってください。今のは、その進め方自体についての御議論ではないわけですね。それはよろしゅうございますか。
では、どうぞ。
○山口委員 済みません。勘違いいたしました。
地域における薬局の体制整備ということですけれども、実現するためには、やはり病院薬剤師との連携といいますか、交流をして、患者の服薬情報を継続的に把握するシステムづくりをしていく必要があるのではないかと思っております。
スライド56の追加資料として今回出ているところですけれども、ここに「薬局における主な業務」とございますが、主な業務と書いてあると、まるで全ての薬局がやっているかのように思われてしまうのではないかと思いました。私は、「薬局が行うことのできる業務」ではないかと思いましたので、この「主な業務」というのはまず見直していただきたいと思います。その上で、例えばここに地域包括ケアの位置づけを高めるような項目を入れて、地域における薬局の体制を整備するとしたら、最低限これはやらなければいけないという範囲を少し拡大する必要があるのではないかと思いました。
それから、ガバナンスのところですけれども、管理者が開設者に意見を述べるということが法律上書いてあるということですが、いくら法律に書いてあったとしても、現実的には開設者に意見すること自体が非現実的ではないかと思います。ですので、そこをもう少し強力に、本当に実現できるような形に変えていかなければいけないのではないかと思います。今回のテーマについては以上でございます。
それから、質問があります。スライド59の左下のところに「地域活動の実施の有無」とございますけれども、実際にこれは何をもって地域活動をしたということになっているのか。何かちょっと一回地域のお祭りに出ただけで、この活動をやっているということになってしまっているのだとしたら、本来とは違うのではないかと思いますので、7割以上の薬局がやっていると答えていらっしゃる「地域活動の実施の有無」とは一体何かということを教えてください。それと、これは次回以降で結構ですが、後ろのほうにあるスライド97の健康サポート薬局の届出数が、ことし5月31日現在と書いてあります。各都道府県の薬局数を示していただいた上で健康サポート薬局の届出数を出していただかないと全体が見えないなという気がしましたので、次回以降、お願いできればと思います。
以上です。
○森田部会長 事務局、よろしいですか。どうぞ。
○紀平薬事企画官 御質問ありがとうございます。
まず地域活動のほうなのですけれども、確かに回数までは聞いていないのですが、内容としましては、例えば地域ケア会議への参加が3割程度、地域住民向けの講演やお薬相談会などの実施が34%ということなので、このあたりが多いところかと思います。
そのほか学校等における薬物乱用防止や薬の使用法などに関する講演ですとか、学校薬剤師としての活動などがこの中に含まれているという状況です。
○森田部会長 では、97ページのほうは次回でもよろしいのですね。
○山口委員 はい。
○森田部会長 わかりました。
では、ほかに手を挙げていらした方、三村委員からどうぞ。
○三村委員 お先に失礼いたします。今日のテーマの流れの中で一番気になりましたのは、麻薬の流通の合理化というところでございます。非常によくわかりましたのは、やはり在宅医療の在り方が急速に変わってきて、従来、本来なら外部化されなかった薬が出ていっている状況である。その過程において、ちょっと気をつけて議論したほうがいいかなと思いましたのは、薬局において不動在庫ができてしまう。これは卸の側としましても、納品したものが不動在庫化する。でも、返品は認められない。これが基本であろうと思います。
ただ、そのときに、薬局間の在庫のやりとりをもう少し緩和していいのではないかという要望が出てきたりしているのです。これは流通の在り方からしますと逆のことを指摘されていると思います。実は流通においては、流通在庫を不透明化するというのは最も避けるべきことで、特にこういう麻薬のように特別のリスクがありまた高額な薬については、できるだけきちんとその流れを把握するというのが基本でございます。そうしますと、もしこの言葉を使うならば、47ページのところなのですけれども、患者への対応として柔軟化とか単なる緩和ではなくて、恐らくより厳密なルール化が必要であるし、そのための仕組みづくりが必要であるし、供給先の限定化とか情報の共有をもっと進めるべきです。私の印象としては、在宅医療によって従来の医薬分業の枠組みを超え始めた現象が出ていると考えますので、その点についての議論が恐らく必要であろうという感じがしております。
それから、47ページにあるのですけれども、地域で必要な医薬品が常時提供されるとともにということでございます。そのときに薬局間の連携とか協働という言葉ばかりが使われているのですけれども、基本的に医薬品のサプライチェーンの概念からしますと、当然のことながら、卸、メーカーをあわせた形でトータルとして仕組みをつくっていくべきでありますので、現状、具体的にどういう問題があって、こういったような問題提示があるかということについて、もう少し詳細に示していただく。そして具体的検討の場を設けていただくのがいいのかなと。ここで余り抽象的な議論をしていましても、次元が違う話が出てきますので、具体的整理が必要だと考えております。一応、47についての意見であります。
○森田部会長 ありがとうございました。
これにつきまして、事務局は、そういう御意見ということでよろしいですね。
花井さん、よろしいですか。
では、中川委員、どうぞ。
○中川委員 同じく今の47の4つ目の○のところで、医療機関と密接に連携をとることを実施しつつ、疾病領域に応じた高度な専門性の機能を有する薬局も必要ではないかと。
それに関連して、56の薬局における主な業務の2つ目の○で、高度薬学管理機能(抗がん剤、抗HIV薬等)とありますね。こういう高度な専門性等の機能を有するというのは、むしろ院内薬局業務、院内薬剤師業務が主に担うべきだと思うのです。これを見ると、こういうふうに主な検討事項に整理されると、どこの薬局でもこういう機能があることがベターだと、理想だというふうに見えるのです。これは私は違うなと思うのです。医薬分業自体を見直すことの議論とは別に、やはりこれは院内薬剤師業務としてしっかりやるべきだと、それが本筋だと思いますが、いかがですか。
○森田部会長 乾委員、どうぞ。
○乾委員 今の中川委員の。
○中川委員 いや、事務局に聞いています。
○乾委員 済みません。そうしたら。
○森田部会長 では、事務局、まずお答えください。
○屋敷総務課長 スライドの今の論点まとめのところでございますが、実際に各地域におけます医療機関の分布とか薬局の分布、あるいは患者さんがそこの医療機関にかかっているのが1つなのか、2つなのかとか、いろいろケース・バイ・ケースでの状況が実際に生じているのだろうと考えております。確かに高度な薬学管理のものは院内でというのはあるかと思いますが、そのような患者さんがほかの医療機関にかかっている、あるいはその医療機関との距離が遠いといった場合に、ほかの医療機関からの処方も受けている。そのような患者さんに対してどのように薬局が役割分担するのか、連携するのかということですが、そういう機能の発揮の仕方というところの形を考えていくといった点が、今後、在宅医療に対応するためにも必要なのではないかと考えています。
○中川委員 高度な専門性等の機能を有する薬局の機能ということについて言っているのです。それは院内の薬剤師業務、薬局業務ではありませんかと聞いているのですよ。それだけ答えてくださいよ。むしろ院内が主ではないかと私は言っているのです。そう思うのか思わないか、ほかの課長さん方、どうですか。
○屋敷総務課長 どちらが主になるのかということで、それはまさに医療機関と患者さんとのケースによってさまざまであろうと思います。また、薬局で高度な薬学的管理機能を果たすところがあっても、それは当然、そのケースに応じた患者さん、医療機関、薬局との関係の中では当然あるものだと考えております。だから、どちらがいいかというふうにゼロサムでお答えするのは、なかなか難しいかなと思っています。
○森田部会長 では、乾委員、どうぞ。
○乾委員 現状、もちろん病院の薬剤師がチーム医療で高度な薬学管理をしているのは確かです。ただ、やはり地域へ戻られる患者さんも多くいらっしゃいます。医療圏を越えてがん専門の高度な病院へ行かれて、院外処方箋が発行されるというケースも現状は非常に多くあります。そのときには病院と薬局・薬剤師同士で連携をとって、今までもレジメンをファクスで送っていただいたり、そういうことも含めて病院薬剤師と薬局の薬剤師は連携をとって、患者さんのADL、QOLの改善のためにしっかりと業務をやる。そのためには、やはり薬局にこういう機能もしっかりと持たさないと、全ての薬局が持つ必要があるかというのは議論があるかもわかりませんけれども、ただ、現状としては、ほとんどのかかりつけ薬局がそういう患者さんを一元管理、継続管理しているのは確かでございますので、そういうものもしっかりと議論をしていかないといけないのではないかと考えております。
○森田部会長 伊藤委員、どうぞ。これに関連してですか。
○伊藤委員 それに関連して1点、それから、この資料全体に関しまして1点申し上げたいと思います。
私も、先ほど御紹介いただきましたとおり、1年ほど前まで「患者のための薬局ビジョン」に関し、山口先生、赤池先生、早乙女先生と御一緒して議論してまいりました。その際に、例えば病院薬剤師会がやっていらっしゃるようなプレアボイド等の取り組み、が非常に精力的な取り組みであるということを取り上げて、これはぜひすべての、かかりつけ薬局、つまり一元的、継続的管理を担える薬局であればできるべきことではないかという議論を行いKPIの中にも取り込ませていただきました。
そういう意味で、院内薬剤師の現状の役割も存じ上げておりますけれども、結局、患者にしてみれば、院内なのか院外なのかというよりも、誰が一元的、継続的管理を担ってくれるのかということに尽きると思います。病院であれば、その病院にいる間は確かに継続管理をしてもらえるけれども、病院の患者でなくなればそうではなくなるし、逆に地域の薬局ならいいかというと、やはり病院に行ってしまえば病院の薬剤師さんの処方が優先になる。つまり、場所の問題で院内がよければいいかという話ではなくて、先ほど屋敷課長もおっしゃったとおりの話だと思います。
結局、薬機法の改正のために何ができるのかというのを考えたときに、院内なのか、それとも院外の薬局なのかということで法律のたてつけが変わるわけではございませんので、このミーティングに関係した議論というものを分けて考えるべきではないかと思っております。
別の意見になりますが、今回御説明をいただいた事案の中で私が関心を持っておりますのは薬局のガバナンスです。薬機法上で今回改正を検討されているガバナンスのところで、具体的には資料の51ページ、複数の薬局の開設者であるような薬局がある場合に、どのように法的責任を明確化するかという点でございます。例えば薬局の情報を調べようと思いましたときに、事業所ではなく法人を調べようとすると情報が簡単には入手できないのが現状です。例えば大手の保険薬局チェーンがどの地域に何店舗持っているのかということを本当に調べようと思うと、全国の都道府県、政令市、特別区への届出の名簿の中から、その法人が開設する薬局は何薬局ですというような情報をいちいち集約しなければいけない。つまり、現状のデータベースでは、法人番号がなく、開設者番号はあるものの、都道府県など組織ごとにつけているので番号がユニークではありません。このように行政機関が、情報集約のできない形で施設や法人の管理をしているということ自体、ガバナンスの前提条件が欠落していると思います。マイナンバーとしての法人番号も導入されている中で、薬局と薬局を担う開設者をガバナンスしていく形態として、情報管理の前提を見直すべきかと思います。
つまり、法令違反といった具体的な問題が起こってからではなく、法令違反に限らず、通常の業務での情報管理として、「開設者単位ではどういう動きをしているのか」を把握するためのガバナンスの仕組みが、現行法令上で何ら明示されていない。こここそが今回の薬機法の改正にとって肝になるような論点であろうかと個人的には考えております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
中川委員、続いて花井委員。
○中川委員 話を戻しますが、高度な薬学管理機能を持つ薬局があるとすれば、その高度な薬学管理を必要とする疾患の患者を担当していた院内薬剤師と密接な連携をとる薬局に限定すべきなのです。56番のように書くと、山口委員が先ほどおっしゃいましたけれども、全ての薬局がやるべき主な機能というふうに見えてしまうのです。象徴的にそれを言っているのですよ。56番のパワーポイントをつくった意図は何ですか。これは薬機法改正のどこかに書こうとしているのですか。
○森田部会長 事務局、お答えください。
○屋敷総務課長 スライド56を追加いたしましたのは、前回の資料で見ますと、いわゆる医薬分業の定義とかその辺は入れていたのですが、そもそも薬局は何が業務としてあるのかといった一覧性のあるものがなかったものですから、処方箋の応需に始まり、このような資料としてまとめさせていただいているということでございます。
ただし、山口委員あるいは中川委員から御指摘がありましたとおり、全ての薬局が全部これをやっているということでは決してないと思っていますし、これらの業務の中でそれぞれの薬局がどこを担うのかということで、薬局においてさまざまであると思いますし、どのような方向で考えていけばいいのかという議論に資するのではないかという思いを持って作成したということでございます。
○中川委員 前回も言いましたけれども、医薬分業がこれだけ進んでいるのに、院内の薬剤師が輝いていないという話があったではないですか。光っていないというか、機能が上がっていない、見えていないと。これはこういうことを大事にしないと、病院内の薬剤師のことをきちんと評価して議論を分けてやらないと、何でもかんでも全国の薬局がやるのだということではないですからね。その辺のところを注意してこれから論点を整理してください。
○森田部会長 では、赤池先生。
○赤池部会長代理 発言をしないと意見がないことになりそうですので、副座長という立場ですけれども少し私も発言させていただきますと、今の56番の高度薬学的管理の部分と関連しますが、中川先生も御指摘されているとおり、当然、病院の薬局との連携は不可欠なことだろうと私も思います。ただ、それをやっていないかというと、基本的にはそれは可能な限り行われるように進んでいるはずですし、また、これを進めるということは、それが前提になっていくのだろうと。退院時カンファレンス等も含めてですが、逆にそれをきちんと行うためにここに入れるということは非常に重要かなと思います。
あと、最後にちょっと、病院の薬剤師が輝いていないという御表現をされましたけれども、一応これも発言しておかないとそれが定着してしまうと困りますので、少なくとも私が知る限りは、病院の薬剤師さんは非常に輝いて活躍をされていると考えます。もちろんそれぞれの立場でいろいろあるということを前提の上にですけれども、例えば抗がん剤の治療にいたしましても、レジメンに関して、あるいは調剤等につきましても、薬剤師さんは非常に大きな役割を果たしているということは既に御承知のことだろうと考えます。
○中川委員 病院の薬剤師さんが輝いていないというのはちょっと舌足らずでした。医薬分業が進む前から輝いているのです。進んでから、さらに輝いていないという意味です。
○森田部会長 順番、いいですか。
○花井委員 そもそも何を言うか忘れて。
○森田部会長 指名しようかというときに手を挙げていらっしゃらないと外れますので。
では、村島委員、どうぞ。
○村島委員 中川委員に今、訂正していただいたので大丈夫だとは思うのですが、前回、病院薬剤師という言葉を出しましたが、誤解されては困るので発言します。病院薬剤師さんは大変輝いていると私は思っていますし、大変頼りにしています。むしろ、病院薬剤師さんがあれだけ活躍しているにもかかわらず、金銭的資源は薬局の方に流れているのではないか、そう憂慮してこの間は発言したつもりでございます。
もう一つは、高度薬学管理機能というお話でしたが、例えばスティーブンス・ジョンソンなどの重症副作用を身近に知らない薬剤師さんがその副作用について説明しろと言われても、実際のところなかなか難しいと思うのです。例えば医師でしたら最低2年間の研修期間を経ないと開業できないということになっておりますが、薬局の場合はそういう縛りがないと思います。病院薬剤師を経験していない、重症患者さんをじかに見ていない方が本当に高度薬学管理機能というのを初めから銘打って看板に掲げていただくのはいかがなものかと思います。
○森田部会長 御意見ありがとうございました。
では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 おっしゃっている趣旨は、中川先生も村島先生もそのとおりだと思います。繰り返しになりますが、院内・院外の場所の問題ではありません。たとえば、病院薬剤師の場合、経験があってもチェック・アンド・バランス、疑義照会という点で立場が弱い点はあります。一方で、私の知る某大学病院の門前にある薬局では、重篤な患者さんを担当されている薬剤師さんが積極的に疑義照会をされています。結局は、院内か院外かという単純な問題ではなく、プロフェッショナルな職能を誰が生かしているのかに尽きます。きちんと仕事をしている方を評価できるように、十把一からげ全部同じように見えるような薬局に関する法制度を改善して、高度な機能や知識を持っている薬局を、三つ星でも四つ星でもいいのですけれども、ランク化して機能分化が、我々にもわかりやすいような形で示されるということが望ましいと思います。
そういう意味では、薬局の中で現状で努力しているところがあれば、そこを評価していく仕組み自体は薬機法の中で取り入れてもよいと思います。
○森田部会長 ありがとうございます。
お待たせしました。花井委員、どうぞ。
○花井委員 大分何を言うか忘れてしまったのですけれども、1つは、今まさになされている議論と関係あるのですが、結局、薬局の機能といって羅列しても始まらないということですね。先ほどの高度薬学管理でも、私も知っている、あそこならいいとか、具体的なものを思い浮かべて、ここは評価していいのではないかとか、あそこは何もやっていないからだめだよね、薬をとっているだけだよね、もう潰れていいんじゃないとか、相当失礼なことですけれども、結局、一番最初の議論であった、医薬分業のメリットどうのというよりも、全ての薬局が医薬分業で最低限期待されるような仕事をしていないのではないかという疑惑だと思うのです。
一般論として国民がとかと言うと雑なのですけれども、結局そういうところが存在するのではないか。また一方で、今、言っていたように、大学病院で私も知っている薬局はそうなのですけれども、大学の門前で、カンファレンスにも一緒に出ていて高度な管理をしているいい薬局もあり、それから、地域を走り回って、本当に地域の開業医の先生との連携もよくて、汗をかきながら、3人ぐらいでやっているにもかかわらず、相当パフォーマンスを披露している薬局もあるわけですけれども、そういったものがいろいろな種類がある。ましてやチェーンのような、要は箱を取り出して、渡して、それで終わりですと。処方箋の枚数さえ稼げばいいのだみたいな、ちょっと言い過ぎていると思うのですけれども、国民の感覚はそうだと思うのです。
そのときに、薬局の医薬分業においてミニマムな最低限のものは何なのかというところも、まだここでコンセンサスがないような気がするのです。つまり、いろいろなスタイルがあってもいいけれども、最低限のことをやっていないのはだめでしょうというところはちゃんと記述されるべきだし、それにプラスアルファで高度なファンクションを、もし薬機法で位置づけるのであれば位置づけていい。
今、スライド17にかかりつけ薬剤師薬局と健康サポート機能と書いていますけれども、これを見る限りは、普通にこれはこう書かなくても薬局として当たり前だよということもこの中に入っていたりするわけですね。ところが、健康サポート薬局で、そういったよくわからない議論になるところを、前回、部会長が、では実態がわかる資料を下さいということがあって、今回それが結構出てきているなと思って見ていたのです。例えば在宅をやっているところについて、これは意外だと思ったのは、在宅をやっているところが結構多いなと。なぜかというと、同じ資料で、薬局というのは1人か2人が一番多いわけですね。にもかかわらず在宅をやっているところが半分以上あるというのは、結構それは頑張っているのかなと思う一方で、例えば副作用報告などというスライド59になると、ほとんどやっていませんとか、これはけしからぬという方向に行くわけです。
そういう意味では、実態というものが、今、資料が出てきて大分わかってきたのですけれども、その中で一体全体、最初のプリミティブな明治の時代、医政の時代の医薬分業における薬局のミニマムスタンダードとは多分変わっていると思うのですが、この現在においての医薬分業における薬局のミニマムなファンクションというものを、どの程度の薬局がそれを具備してやっているのかという実態は知っておいて構わないのではないかと。その上で、機能分化という議論が次に乗っかっていって、そこにいろいろな在宅系とか、いわゆる化学療法スペシャル系みたいなところで、先ほど星と言いましたけれども、消費者の実感からすれば一番近い感じだと思うのですが、そういう評価があるという議論をしてほしいと思います。
なので、今回の資料で大分わかってきたのですが、もう少し踏み込んで、例えば58ページの個室整備は、85%は個室がないと言っていますが、これはどういうのを拾っているのですかね。私の見たところ、個室までなくても、カウンターから離れた場所に銀行の相談みたいな感じでパーテーションが横にあって、基本的にプライバシーは結構守られる形で相談スペースを置いているのは個室には入れていないのですかね。例えば、いわゆるちゃんとした服薬指導をしているけれども、個室がないという場合もあろうかと思うので、ここは確かに個室が85%ないのはけしからぬと見るよりも、ちゃんと服薬指導を一人一人やる体制をしているかどうかというところを見るデータがあればなと思いますし、これは質問なので、出していただけたらと思います。
細かい質問は、今の質問は以上です。
トータルでは、余りにも大ざっぱにスライド12とか、薬局の機能とかを羅列するのではなくて、ある程度クライテリアがあったほうが議論はやりやすいように思います。あと、何%ぐらいがこのくらいできているという、これが多分、私たちは知りたいのだと思います。よろしくお願いします。
○森田部会長 ただいまの御質問について、事務局、お答えください。
○紀平薬事企画官 まず、個室についてのお答えですけれども、この調査の中ではパーテーションと個室は別カウントで調査をしております。ですので、これは本当の個室という形です。最近、健康サポート薬局も含めて、できるだけパーテーションなどでプライバシーが極力守れるようにといったことは各薬局さんもやられていると思いますけれども、前回の本田委員からの御指摘でも、パーテーションぐらいでは足りなくて、個室があったほうがいいという御意見もあったので、今回、個室についての結果をお出ししております。
○花井委員 パーテーションのデータもあるのですか。
○紀平薬事企画官 パーテーションを設置している薬局は54%になります。
○森田部会長 花井委員、よろしいですか。
○伊藤委員 在宅医療に関しての補足ですが1カ月に1回以上という基準だと記憶しています。ですので、半数の薬局がその範囲では実施している。ただ、どこまで本格的かということになってくると話は別ということになります。
○森田部会長 乾委員、どうぞ。
○乾委員 やはり地域のかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師が在宅へ積極的に取り組むというのは、国の方針でもあり、薬局・薬剤師もしっかり、薬剤師会としても推し進めているところで、まだまだ数的には少ないということはあるかもわかりませんけれども、資料を見ていただいても、平成28年で771万回と着実に伸びているのは確かではないかと考えております。今後さらにそれを進めていくためにも、いろいろな下支えといいますか、地域の薬剤師・薬局が活躍できるような基盤整備が必要なのではないかと考えております。
それと、病院薬剤師は医薬分業になって、より輝いているのは確かだと私は思っておりますし、地域の薬局・薬剤師が病院薬剤師と同じように評価されて、光り輝くためにも、この制度部会で先ほどから山口委員をはじめ、現状を踏まえて、できていないところをしっかりできるようにするというのは私はそのとおりだと思っておりますので、決してできている、できていないでは言いませんけれども、悔しい思いもありますけれども、そうではなくて、しっかりと薬局・薬剤師、医薬分業のメリットが国民にとって実感できるためにはどうすればいいのかということを、医薬品の供給体制が、今、薬局も5万8,000件ほどになり、勤務している薬剤師も17万人ほどおります。ですから、それをしっかりと生かすべきで、そういう意見をいただいているのだと思っております。
あと、論点3について、地域における医薬品提供体制を確保するための薬局の体制整備ということで、なかなか薬剤師会の意見が言えなかったのですけれども、これについては無菌製剤処理とか高度薬学管理機能、先ほどから出ておりますけれども、薬局が担うべき機能というのはさまざまあります。だけれども、施設の規模の違いなどもあって、個々の薬局が全ての機能を備えるということもなかなか難しくて容易ではないけれども、また、現実的ではないと言わざるを得ないかもわかりませんけれども、しっかりと地域の薬局間で必要な機能を分担して、連携を図っていくことによって地域住民にとって適切な機能を薬局が果たせるのではないかと考えております。
そのためにも、地域における個々の薬局の担っている機能というものも把握することが必要なのではないか。また、足りない部分をしっかりと補うことが必要だと考えております。
もう一つ、済みません。薬局の組織ガバナンスの確保ですけれども、これについても前回、日本薬剤師会として意見を述べさせていただきましたが、やはり組織ガバナンス確保の措置というのは必要だと考えております。薬局の組織ガバナンスの確保のためには、一部の組織の問題として片づけるのではなく、薬局全体の問題ということで早急な措置が必要ではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○森田部会長 ありがとうございます。
○花井委員 済みません、1つだけいいですか。言い忘れました。
○森田部会長 では、その後で平井委員。
○花井委員 もう一つ、12ページに健康サポート薬局というのが書いてあって、それは3.1%しかいないということになっているのですね。もう一つのデータで、健康サポート薬局の届出率が3.1%で非常に少ないという資料があるのですけれども、素人目に見て、例えば健康相談受け付けとか受診勧奨・関係機関紹介、要指導医薬品等を適切に選択できるような供給機能や助言の体制など、こんなのは普通、薬局はやって当たり前の話が書いてあって、その下のかかりつけ薬剤師・薬局も結構やって当たり前の話が書いてあるのに、3.1%の低さは、これは24時間体制が足かせになっていて、ほかはできているということなのかどうか。それだけ確認を。もし、これ以外の条件でほとんど届出できないとなると、スライド12に書いてあることは薬局としては結構当然の業務が入っているので、3.1%という数字が異様に低く見えてしまうのですが、この3.1%の理由を教えてもらえますか。
○森田部会長 事務局、回答をお願いいたします。
○紀平薬事企画官 こちらのスライドでは、概念的に健康サポートというのはこういうものですという形で書いてあるのですけれども、今、制度上の健康サポート薬局については、いろいろな基準を設けて、それを全てクリアした形で届け出ていただくという形にしております。ですので、例えば薬剤師についても、こういった健康サポートの内容についての研修を、普通のテーブル型と実習型の研修を受けた薬剤師がいることとか、その薬剤師がその薬局に勤務している期間の要件とか、地域活動についても薬局単体ではなくて、地域の中できちんと団体とも連携をした形での地域活動をしているような、幾つかのたくさんの要件がある中で、どれがネックになっているかというのは、今、いろいろな自治体にも状況は聞いているところで、実際に都道府県ごとでも届出数が違うという実態も、きの資料の中でも97こま目のところに都道府県別の届出数をお示ししていますけれども、そういった多少の地域の中での違いもあるというのが実情です。
何がネックになっているのかというのは、今もいろいろな自治体からもお話を伺いながら、より取り組みやすいような支援をしたりということで取り組みを進めているところではあります。
○花井委員 ありがとうございます。
なぜそれを聞いたかというと、概念として、ある種、これはいい薬局というイメージではないですか。いい薬局が3.1%しかないというのは大変なことなので、逆に言えば、これをちょっとモディファイすることによってある程度届け出が上がればいい薬局がこのぐらいという数とリニアなのかなと思いました。ありがとうございます。
○森田部会長 関連してですか。済みません。どうぞ。
○乾委員 花井委員がおっしゃっているのはよくわかるのですけれども、この健康サポート薬局の制度が、届出が開始してから1年半強というところで、これから横並びというか、横目で見ながら、様子見というところもあるのかもわからないですけれども、それと研修を受けた薬剤師が常時配置というところもあって、まだまだ研修を、今もう既に1万人強が研修を受けておりますけれども、それを常時配置しないといけないということで、複数の薬剤師がおるところが、やはり少し研修に時間がかかっておるというところもありますので、それが解消されればだと思います。
もう一点、健康サポート薬局の届出はしておらないけれども、これと同じような機能はしっかり果たしているという薬局は多いと考えておりますし、かかりつけ薬剤師・薬局であれば当然やらなければならない業務も大半を占めているのは確かでございます。
○伊藤委員 結局、この世界は「点数主義」なので、健康サポート薬局として届けても診療報酬上のメリットがなければわざわざ届けない。結局薬局を差別化する参入条件が乏しく、ミニマムな参入条件でもそこそこやっていけるような報酬をつくっていることにも問題はあります。薬機法の基準の中で何とかできるものについて、全ての薬局やユーザーがメリットを感じられるような評価ですとか機能のたてつけはあるべきと思います。
以上です。
○中川委員 今の関連ですけれども、いいですか。健康サポート薬局をつくったのは、診療報酬上の手当てをするということとは一線を画して、薬局があるべき姿、こういう姿であるべきだという金看板をつけるという意味なのですよ。ですから、ここで診療報酬と関連づけた議論をするのはちょっと違うなと、私は率直に思います。
それから、忘れないでくださいよ。医薬分業の話自体をするべきだと言ったのは、今、金目の話が出たから言いますけれども、全てを院内処方とした場合、現状と比べて年間1兆7,000億円の技術料が減るのですよ。ですから、1兆7,000億円の技術料を使って今の状態はどうだという議論をしているわけです。ただ単に同じ技術料のもとに院内だ、院外だと言っているわけではないのです。そのことを思い出しながら議論をしていただきたいなと強く要望します。
○森田部会長 はい。
○伊藤委員 その1兆7,000億円の金額の試算は、2017年11月の行政事業レビューで調剤技術料が取り上げられた際に、「社会医療診療行為別統計」の数字を元に当方も参考人として申し上げました。院内と院外でこれほど差が違って、1枚の処方箋に対して2,000円近く技術料が違うということ、つまり、サービスがほぼ同じながら、費用対効果として明らかに差があるということについては、何度も政府の委員会の場でも指摘しています。
ただ、診療報酬上で変えられることと法律上で変えられることをうまく調和させるというところが大事ですので、私も、中川先生がおっしゃる論点は重要だとしても、それとここでする議論は恐らく別ではないかと思います。
本来の論点に立ち戻って、原則論として認めるべきものが是か非かということをやった上で、いいものを評価する。そうでないものをうまく罰するという法律の原則論に立ち返るというところが大事なのではないかと思います。
○森田部会長 それでは、お待たせいたしました。平井委員、どうぞ。
○平井委員 大分戻ってしまうのですけれども、病院薬剤師と薬局・薬剤師の違いというお話がありましたが、病院薬剤師は入院しているときはその患者さんのことを診られて、高度薬学管理ということに携わりますけれども、退院されると毎日は診られないわけですね。そうすると、地域に戻られた患者さんは薬局さんのほうで診ていただきたいと。例えば、今、抗がん剤の話が出ていましたけれども、内服の抗がん剤がふえています。そうすると、内服の抗がん剤で飲み始めて2週間目ぐらいに副作用が出るようなものがある。そのときに、2週間目にまた病院に来てもらうというのはなかなか大変ですけれども、その地域の薬局さんが、例えば来てもらうなり電話で聞いていただくなり、そういったようなことをしていただきたいなということで、私が大学病院にいたときは、そういう感じで地域の薬剤師会の方々とお話をしてお願いしたりということをやっていました。
だから、そういう役割の分担があるので、それでやっていただきたいなと。だから、医薬分業というものを、いろいろありますけれども、全部が全部カバーするというのはなかなか難しいと思いますが、例えば在宅に行っておられる薬局さんでも、その内容は単なる薬の配達だけのところもあるように聞いていますが、一方で、本当に頻繁に訪れて、お医者さんが行く間のところを薬局の薬剤師が埋めているというようなところもあると聞いています。
そういうところと、今度は病院の薬剤師が、トレーシングペーパーのような形で診療情報提供書に似たような形のものを退院時におつけして、それで薬局さんのほうからまたトレーシングペーパーで返していただく。そういうやり方を、特に中小の病院などではそういう機運が非常に高まってきています。そうすると地域の連携が、実際に進んでいるところもありますし、今後進んでいくことが考えられるので、地域できちんと患者さんのサポートができるという体制ができると思いますので、そういうのをつくっていくということを、法改正でどのようにするのか私はよくわかりませんけれども、そういったものを進めるようにたてつけをつくっていただくといいのではないかと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
大分議論が煮詰まってきましたが、では、山口委員、どうぞ。
○山口委員 今の平井委員のお話をお伺いしていて思ったのですけれども、病院の薬剤師で、例えば病棟配置になっている人は、患者さんが薬を使った後を継続的に見られると思うのです。それを今、薬局の薬剤師は余りやっていないことに問題があって、出して終わりになっているところが対物業務と言われている所以ではないかと思います。だから、調剤した後、患者さんがどうなったかということをフォローしていくようなことも薬局の薬剤師さんにやっていただかないと、きちんとした役割が果たせないのではないか。そういう意味で、服薬状況の継続的な管理をしていただくということがとても大事ではないかと思います。
ただ、先ほどからの議論をずっとお聞きしていて資料も見ていますと、2人以下の薬剤師しかいないところが48%を占めているというのがこのグラフを見ているとわかります。また、例えば今、プライバシーの話がありましたけれども、大きさからすると、パーティションを置くことすらできないような小さなところもあって、そうかと思えば別室をつくれるような大きな薬局もあるということからしますと、先ほど伊藤委員がおっしゃったように、ある程度ランクではないですけれども、薬局だからと言ってできることを一律に語ることはできないので、ある程度、薬局を分類していくことも必要ではないかと思います。今は調剤報酬でしか分け方はできなくなっていますけれども、そうではなくて、何か仕組みというか働きみたいなところで分けるようなことが薬機法の改正の中でできれば、こういう規模のこういう薬局だったらここまでのものを求める、ある程度大きなところは、もっともっとこういうことをやってもらわないといけないとか、そのような分類をする方向に話し合っていくことも一つなのかなと感じました。
○森田部会長 ありがとうございました。
では、乾委員、どうぞ。
○乾委員 今、山口委員のおっしゃったことが、本来であれば薬局・薬剤師が一番得意としているところであって、患者さんからの相談、電話相談も含めですけれども、非常に多くあります。あと、いろいろと患者さんも工夫されて、患者さんが複数おられたら電話で相談があったり、後でまた来られたり、その辺は小さい薬局でもいろいろと、それは人と人のつながりで、信頼関係で解決しているところもあります。ただ、プライバシー保護の設備というのは当然つくっていかなければならない。今でパーテーションが50%強となってきておりますけれども、もっと当然そういうことは配慮しなければならないと考えています。
あと1つだけ、外来の医療用の医薬品の供給が、処方箋の調剤と院内調剤であまりにも差があるという話ですけれども、これについても薬剤師がしっかりと医薬品の供給に責任を持って、いわゆる調剤として患者さんに対して安全安心のために医薬分業はやっておるというところがあります。病院や診療所で全てそれが院外から院内に戻ったら、現状のサービスは、薬剤師が配置されて行うとなった場合に、本当にそういう費用の差はないのでしょうかというところを十分考えていただけたらなと思います。
以上です。
○森田部会長 では。
○赤池部会長代理 医薬分業と関係しまして、私自身、大学で薬学教育にかかわっていますので、発言いたします。御存じのように薬学が平成18年に6年制になりまして、そういった教育の改革の中で、もちろんそうでない4年制の薬剤師がだめだとかいう意味ではありませんが、ただ、6年制の薬学教育の中で、これは医学教育のほうが先に改革されて、その後をたどっていったというようなところもございますけれども、今の医薬分業でいろいろお話が出てきているようなことも含めて、医療の中での薬剤師がその立場でしっかりと医療に貢献し、患者さんの健康に役に立つということが行えるように、教育体制も変え、教授陣の意識もかわりというようなことで、いろいろ改革を行ってきているところでございます。
そういった中で、大学の教育自体もまだ過渡期という面もありまして、十分に対応できていないというところも多分あるのではないかと思います。ただ、例えば副作用の関係等でもございますけれども、長期の実務実習、臨床実習を在学中にも行うといったようなこと。それから、私自身、薬剤師国家試験にもかかわってきておりますけれども、そちらのほうでもそういった能力をできるだけ適正に評価するような形で国家試験の改革も行ってきているというような、非常に多くの努力を払ってきて、今日に至ってきているというところがございます。
そういった中で、ぜひ医薬分業の中での薬剤師というものを、もちろん現状で足りないところ、それからいろいろ進んでいるところとあるとは思いますけれども、そういったところを総合的に御判断、これから考えていっていただきたい。薬剤師というものをよりよく、あるいはより医療の中でしっかりと役割が果たせるようにというような形で制度についても考えていただいて、今後の医療に貢献できるようにしていただきたいと思います。
1兆7,000億円という数字が出てきていますけれども、極端な言い方をしますと、医薬分業というのは必須なものであると考えます。これは欧米も含めまして、医薬分業というのが医療の、特に薬物治療の根幹としてはあるという、これは厳然たる事実だろうと思います。ただ、それがどこまで国内、日本においてきちんと役割を果たしているか。そういった見直しはこれから、先ほど私が申し上げたような趣旨も含めて、ぜひ御検討いただきたいと思います。
ただ、多分この医薬品医療機器制度部会の性質からいいまして、もちろん一つの要素としてそういった経済的な面は考える必要があろうかと思いますけれども、少なくともかなりがちがちに、これはちょっと中川先生と意見を異にするのかもしれませんが、直接にどうかというところまでそれぞれ見ていくというのはなじまないし、また、私の意見としては、今ここでさらに議論するというところではないかもしれませんけれども、あくまで一つの要素として考えることは必要かもしれませんが、それ以上余り強く密接に関係させて議論するということは避けていただきたいと考えます。
○森田部会長 ありがとうございます。
いろいろな意見が出てまいりましたが、まだもう一つ重要な「II.医薬品の安全な入手について」も御議論いただきたいと思っております。この件につきまして、法改正も念頭に置いた論点については改めて御議論いただく予定でございますけれども、ここでまだこういう意見を述べておきたいという方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。
では、三村委員、先に。
○三村委員 1つだけ。49、50の不正とガバナンスの問題について、余り意見が出ていないのですが、伊藤委員から意見が出たのですが、この問題につきまして、薬剤師のあり方とか薬局機能というよりも、経営組織とか企業経営のあり方そのものに大きな問題があるということであります。薬局経営が、大企業の経営と、それから中小的な経営ということで大きく分化している中での問題になりますので、これにつきまして、ガバナンス、それからマネジメントのあり方、まさに企業としての社会性とか社会的責任という視点。それを法令の中に入れるかどうかは別なのですが、それについてしっかりとした政府としての方針とか政策があってしかるべきであろうと思っております。
以上です。
○森田部会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 再度確認しますが、この議論が薬機法の改正とどのように結びつくのか、資料を説明するときにそれをはっきりさせてください。何となく論点とか検討事項ということになっていて、それが直接的に薬機法改正につながるのかどうかで全然違うのですから。例えば、もし薬機法改正に直接つながる議論であれば、どなたかの委員がそれに対して賛成を言ったときに、そうではないと思ったときに必ず反対意見を述べておかなければいけないとうことになるのです。だけれども、1つの検討項目にいろいろな意見があるのは当然ですから、そうですね、そういう意見もあるのですねと聞き流していいのか。そのまま進むと法改正に直接結びつくのと議論の重みが全然違うのですから、その辺のところをしっかりやってください。
○森田部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
牧野委員、どうぞ。
○牧野委員 私は、医薬分業も大事だし、それから薬局の中の機能分化というのも大事なことだと思っております。
ただ、56のスライドで薬局の主な業務が記載されていますけれども、最後のところなんかは薬剤師に求められるものではないでしょうか。薬剤師と薬局という今検討しているものについて、何もかもここに全部入れてしまったのではないないかなという気もしますので、ちょっと検討いただけたらと思います。
それから、1人、2人の薬局が恐らく経営的にかなり苦しくなっているのだろうと。地方社会保険医療協議会などで見ておりますと、薬局でどんどん新しいところができたのかと思うと、個人から法人へとなっているのです。大きな法人に吸収されていっているということですね。だから、開設者というのは本当に1人、同じ人がいっぱい小さな薬局を買っていっているという感じがしているので、たてつけの中で、私は今、いい案を持っておりませんが、そのあたりを皆さんで考えていけばいいのではないかという気がしております。
○森田部会長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
村島委員、どうぞ。
○村島委員 最後に。私は別に、病院薬剤師さんを持ち上げて薬局・薬剤師さんをけなしているわけでもありません。私の身近にもとてもすばらしい在宅医療の中核になってやっている薬剤師さんもいますので、私はぜひ開局薬剤師さんたちがもっと輝ける、個人でやっているような方々が輝けるような仕組みに結びつけていただきたいと思います。もう一点なのですが、多分現場で働いているのは女性薬剤師が多いのではないかと思うのです。そういう人たちの声がこういうところに届いているのかどうかすごく気になります。働く人たちが主役でないと、いい医療はできないと思いますので、ぜひその辺は薬剤師会にお願いいたします。
○森田部会長 ありがとうございました。
このあたりでそろそろ締めくくりとさせていただきたいと思います。
本日は、初めのころに申し上げましたけれども、さまざまな御意見がこの資料について出ておりました。そして、先ほどからありましたように、いろいろな意見をどう集約していくかというのはこれから課題になろうかと思いますけれども、それにつきましては、事務局のほうで整理しまして、私も含めてですけれども、論点というものを明確にしていきたいと思います。そういうことでよろしいですね。
なお、一言申し上げておきますと、これはあくまでも薬機法の改正ということで、それを念頭に置いて御議論いただいているわけでございます。実際の薬局の機能に関して言いますと、それぞれの薬局が御自由に御自分で創意工夫されてサービスの質を上げるということ、これは法律の問題ではありません。どんどんおやりになって、それが患者さんのためになるのではないかと思いますし、さらにそれが診療報酬に結びついて行動が変わるということもあり得るかと思いますが、それもここではもちろん念頭には置く必要があるかもしれませんけれども、直接の議論の対象ではないと思います。その意味で言いますと、法律において何を改正すべきなのか。法律といいますのは、やはり最低限これを義務づけなければいけないとか、そうしたことを明確にするという意味で、花井さんの発言か何かであったかと思いますけれども、ミニマムの要素は何かということと、法律できちんと責任ないし権限、義務というものを定めなければ、この仕組みというのがうまく動かないような、そういうことをきちんと定めておくのが法改正のポイントになろうかと思います。
その点でいいますと、これまでは何が改正のために必要かということについて、さまざまな論点とか問題点の御指摘があったかと思いますけれども、これからはそういう意味でいいますと、実質的に法律で定めなければ課題が解決しないとか、状況がうまくいかないというようなことに絞る形で整理をしていただければと思います。事務局、お願いいたします。
それでは、少し早目に進んでいるかと思いましたけれども、予定どおりになってまいりましたが、議題2のほうに入りたいと思います。最初に事務局から、資料1の中にございます「II.医薬品等の安全な入手」の御説明をいただきたいと思いますけれども、事前の説明を伺った限りでは、これは新しい法的な規制にかかわるものですので、今、申し上げました法律に関するということではしっかりと御議論いただければと思います。
それでは、資料の説明をお願いいたします。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 監視指導・麻薬対策課でございます。
資料番号で64番から、個人輸入にかかわる課題ということで記載をさせていただいております。具体的には65番をごらんいただきたいと思います。我が国で医薬品医療機器法では、医薬品を都道府県庁の許可をとった製造販売業者の方が厚労大臣または都道府県知事の医薬品についての承認をとって、それを輸入するというのが基本形でございますが、そうではなくても、ここにありますが、例えば治験の段階で入れるもの。それから試験研究、いろいろな非臨床試験や動物実験をやるためのものなど。あとは、医師・歯科医師の方が自分の患者さんのために使うという目的で海外から医薬品を輸入するというようなケースで使われる場合。また、患者さん個人が自分で使うものということで海外のものを直接入れる場合。こういった形のものがございまして、特に今回、個人輸入と申し上げておりますのは、医師・歯科医師の方が自分の患者さん向け、また、患者さん個人が入れるもの、これを個人輸入と称して申し上げております。
これにつきましては、現在、医薬品医療機器法におきましては、特に法的な規定があるわけではありませんで、輸入監視要領と書いてございますが、その局長通知に基づきまして、地方厚生局で実際に個人輸入される方が、自分で使うのではなくて、ほかに売ってしまうようなことがないことを確認することで、その確認した証明を薬監証明と申し上げておりますが、これを税関に提出することで輸入が認められるというスキームになってございます。
これにつきまして、66番のスライドをごらんいただきたいと思いますが、実際の発給件数がどのぐらいあるかということでございますが、これは毎年ふえてきてまいりまして、患者さん個人用、それから医療従事者が入れる場合、医師・歯科医師の方でございますが、医師・歯科医師の方が入れられる場合のほうが多くて、全体では29年度に件数で7万7,000件ほど、品目数で13万品目ほどございまして、毎年伸びてきているというのが現状でございます。
個人輸入は下にございます。どんなものがあるのかということで申し上げますと、個人用としては、ここに書いてございますようなアレルギー治療薬を初めとするものがございます。また、医療従事者個人用としましては、美容・痩身効果目的のものから始まりまして、いろいろバラエティーに富んだものが行われているということでございます。
次の67番をごらんいただきたいと思います。このような個人輸入の仕組みでございますけれども、この中で、後で出てきますが、例えば日本国内向けに海外のサイトで医薬品成分が入っているという製品がございます。それを個人で入れるわけでございますが、我々は定期的に買い上げ調査をやっております。サンプル数は少ないのでございますが、86品目やった中で24品目ぐらい偽造薬が入っていたということが確認されてございます。
また、過去にも、古い話から申し上げると、平成14年以降、中国製のダイエット食品で、昔、非常に大きな騒ぎになりましたので御存じの方もおられると思いますが、その中に医薬品成分が入っておりまして、そういったものの死亡事例があること。あとは、最近でも経口妊娠中絶薬の服用による出血など健康被害の問題もあるということで、我々としてはそういったものについて注意喚起をさせていただいているところでございます。
68番をごらんいただきまして、最近起こった問題でございます。医療機器や医薬品の輸入代行。つまり、医師・歯科医師の方が実際に手続を委任するような、それを請け負う業者さんがおられるわけでございますが、その方々が、ここに書いてございますように、入れるときには、このお医者さんが入れるということで医師免許証の写しをつけるわけでございますが、これを無断で個人輸入を装ってみずから輸入してしまうというような事例がございまして、我々としては、実際に有印私文書偽造や詐欺罪など、また、医薬医療機器法違反などで警察に告発をいたしまして、裁判になっているものがございます。
それを受けまして、私どものほうでは、地方厚生局で本人確認の徹底をさせていただいているところでございます。こういったものにつきましても、現在では法令上の規定がなく通知ベースでやらせていただいているということで、実際に虚偽の申請があった場合について、取り締まりがなかなか難しいということが現状でございます。
69番をごらんいただきまして、海外の状況などを申し上げますが、WHOでも偽造医薬品の関係でいきますと、先進国、途上国を問わず偽造医薬品の報告がございまして、特にインターネットの販売におきましては、比較的容易に偽造医薬品が取引されるということに関しまして、WHOでの警鐘があるということ。それから、ICPO(国際刑事警察機構)においては、世界的には組織犯罪グループがかかわっているケースがあるという御指摘もいただいております。
先ほどインターネット買い上げ調査の話は申し上げました。
また、民間企業の調査におきましても偽造薬が入っているというデータがございます。
70番でございますけれども、海外ではどういう規制かとなってございますが、FDC Act、アメリカの薬事法の中では、PIP(Personal Importation Policy)に定める要件を満たす場合については、FDAが規制権限を行使しないということで、そこに書いてございますような要件を満たすものについては例外的に輸入ができるということになってございます。
また、イギリスにおきましては、日本と類似の制度でございますけれども、実際に未承認医薬品を輸入するような場合については、特別の許可業者があるということでございます。
続きまして、71番のスライドをごらんいただきまして、こういったものに関しまして、特に先ほど、世界的な犯罪組織がかかわっているとか、偽造薬が多いということもございまして、各国ではその捜査体制についても規制当局が整備をしている国がございます。アメリカFDAにおきましても犯罪捜査室というのを置きまして、海外から製造されて偽造されるもの、それから不法な輸入のもの、こういったものの規制をやっておりますし、イギリスやシンガポールでも、少し規模は小さくなりますけれども、同様のことがやられているということでございます。
それから、ちょっと違う問題でございますけれども、覚せい剤原料の問題を申し上げたいと思います。73番のスライドからごらんいただきたいと思います。実は、今の覚せい剤は基本的には化学合成でつくられるということもございまして、その途中段階の原料物質に関しましても覚せい剤取締法で一定の規制がかかっているというものでございます。ただ、その原料物質の中には医薬品としての効果があるものがございまして、現在でもございますものが幾つもございますけれども、有名なものとしてはエフェドリンというものもございますが、実際にセレギリンというパーキンソンの薬がございます。これに関しましては、パーキンソン病友の会からの要望といたしまして、覚せい剤原料に指定されますと、患者さん個人が出国して帰国するときに自分で携帯するのも認められないという問題がございます。医療用麻薬の場合には、自分の治療のために持ち出して持ち込むという場合については認められておるのですが、それよりも厳しい規制が現状はかかっているということでございまして、この薬を服用されている患者さんについて、かなりの御不便をかけているということが意見として上がってきております。
そういったことに関しまして、72番のスライドでごらんいただくように、医療用麻薬より厳しい部分についてどう考えるのかということでございます。
74番に行っていただきまして、大変失礼します。今の問題の覚せい剤原料に係る規制のあり方について、これは最後の○でございますが、そのほか先ほど申し上げた個人輸入の問題に関しまして、現在、法令上の規定が全くない中で局長通知をやっているような業務に関しまして、法令上の位置づけをどう考えるのか。また、必要な措置としてどう考えていくのか。監視のあり方、またそれについての捜査のあり方なども含めて、どのように考えていくのかということについて論点を挙げさせていただいております。
私の説明は以上でございます。
○森田部会長 ありがとうございました。
これは大変重要な問題だと思いますけれども、ただいまの御説明につきまして、御意見、御発言がございましたら、どうぞお願いいたします。
一條委員、どうぞ。
○一條委員 卸売業連合会から意見を言わせていただきますが、去年偽造品が出た段階で、かなり可及的な対応ということで、譲受・譲渡の厳格管理とかそういう対応はしていただきましたが、個人輸入で入ってきた医薬品が通常流通に入る危険性が非常にあると私たちは心配しております。そういう意味では、個人輸入に対しても厳格管理などしかるべき対応をお願いすることによって、医薬品流通の信頼感といいますか、安全性というのが確保できるのかなと思っております。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、奥田委員、どうぞ。
○奥田委員 私も偽造問題の検討会に出席させていただいたのですけれども、その中でもやはりインターネットを通じての医薬品の販売、それから、日本は幸いにして、恐らく日本語の問題と、あとは国民皆保険の問題でこういった偽造薬の問題について今までは大きな被害を免れてきたわけですけれども、こういった流通が盛んになれば、そのリスクは非常に増大していくということがそこでも言われましたし、そのように思っております。
私どもの研究所、国立医薬品食品衛生研究所でございますが、そこでそういった偽造薬、もしくは食品として流通するような、先ほどの中国の痩せ薬は食品だったと思うのですが、そういったものについても研究、試験調査をしているところです。そういったことを考えたときに、今の状況の中で、やはりこの流通をきちんと監視していくというときに、最後は物レベルできちんとそれがどういったものなのかを試験研究していくことが非常に大事だと思います。そういったことを都道府県の研究所、それから私どもの研究所も含めて、国立の研究所が担っているわけですが、そういった機能についてもあわせて議論をしていただきたい。これは愚痴に近いのかもしれませんけれども、定員がどんどん減っている状況があります。そういう中で、そういった試験機能を伝承していくというのがだんだん限界に近づいていますので、そういったこともあわせてこういう場で議論をしていただきたいと強くお願いをいたします。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
早乙女委員、どうぞ。
○早乙女委員 個人輸入の話が出ましたけれども、私ども都道府県も個人輸入については非常に頭を悩ませておりますので、こうした機会にしっかり整理をしていただけるとありがたいなと思っております。
それから、覚せい剤原料のほうも、現行、整理が必要かなと思っておりますので、ぜひお願いをしたいと思っております。
きょう、論点として出てくるかなと思っていたのですけれども、出てこなかったので逆に私のほうから論点として入れておいてほしいなと思うのは、医療機器の関係で、承認と違うスペックの医療機器が流通した場合に我々都道府県、法令上なかなか対応が難しいようなことが出てきています。詳細について、事例はまた後ほど事務局のほうにお伝えしますけれども、こういった点についても今後ちょっと論点として、せっかく医薬品医療機器等法の改正のタイミングがありますので、こういったところも少し手当てをしていただくとありがたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
○森田部会長 では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 今、一條委員および奥田委員のお話を伺い、非常に同意するところです。海外と比較した日本のよさとして、偽造品や模造品の流通がこれまでほとんどない。これは流通を管理する方の良識に負う部分も多々あると思います。ただ、これからの時代のことを考えると、制度や技術の想定が古いところはスピーディーに見直すべきと思います。例えば、制度で言いますと、今どき「医師免許証の写しの添付」ですかという唖然とするような古さがあります。たとえば、電子証明なり、お医者さん本人確認が一定日数以内で認証しないと有効でないような仕組みは技術レベルで容易に可能かとおもいます。制度的には局長通知を変えるなり施行規則を変えるなりという比較的ハードルの低いことだと思いますので、ここはぜひやっていただきたいと思います。また、医薬品の物品レベルで最終的に管理するときに、日本で流通する医薬品の全てにバーコードがついているわけではないことが将来の流通の安全を脆弱にするとおもいます。これまで、製品のトレーサビリティーは、卸、薬局、メーカーの信頼関係でうまく流通していて、偽造品が流れ込むようなことはほぼ皆無だったといえますが、これからは将来の危険性を見据えて全ての医薬品をバーコード化してトレーサビリティーが担保されることが必須かと思います。つまり、例えば消費者がQRコードか何かをかざしたときに、どこでつくられて、どのような来歴で手元に来ましたというようなことがちゃんと確認できるようなことが、偽造・模造の一番の抑止になると思います。こういった技術的な話がどこまで法律に落とし込めるかどうかはわかりませんけれども、今の時代でできるようなことは取り入れていかなければいけないと感じました。
また、個人輸入の管理監督の関係について、薬監証明を出す件数や品目は厚労省の担当課が把握されている一方、実際に何がどのような値段で輸入されているのかといった、つまり税関レベルで把握する情報を厚労省では把握されていません。税関の資料からも、個人輸入の医薬品に特化した特定的な情報は私が探した限りでは見つかりませんでした。経済的な流通の面でどれぐらいの変化が、この個人輸入の分野で起きているのかということを感じ取れる情報も欲しいと思います。
税関との情報連携というのはなかなか難しいのかもしれませんし、結局、薬監証明を出す所管と実際に物を通して関税を取る所管と、いい意味で役割分担はしているのだと思います。ただし、せっかくの情報が両者で一致しないと、これからいろいろ世界の流通が変わっていって、いろいろな偽造品・模造品が入ってくるときに、なかなか管理が難しいのではないかと思います。法律上の観点ではないかもしれませんが、連携の強化を図っていただきたいと思いました。
○森田部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 個人輸入のことについては、今、誰でもインターネットで余りにも簡単にアクセスできる時代になってきていますので、そのことについてはきちんと時代に合った規制をしていく必要があるのではないかなと思います。
あと、パーキンソン病友の会からの要望のところですけれども、例として出されているセレギリンですか。きちんと薬として認められているにもかかわらず、こういった困っている方がいらっしゃるということは、麻薬同様ぐらいにはしてもいいのではないかと私も思います。これが薬として認められていないのであれば別ですけれども、この薬がないと困る方が海外に行くことで非常に不便をされているということであれば、麻薬同様にしていいのではないかと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
乾委員、どうぞ。
○乾委員 個人輸入に関しては、やはり時代に合った規制をというのは大事なことだと思いますし、昨年、この制度部会で頭がよくなる薬ですか。スマートドラッグの個人輸入の問題も早急に取り上げていただいたので、そういう対応が必要ではないかと思います。どうしてもネット販売で、例えば鼻炎の薬を購入しようと思ったら、いつの間にか個人輸入サイトへ誘導されるというケースが結構ありまして、そういうことも含めて、幾ら規制してもなかなか、どんどんとネットのほうも進化してまいりますので、ぜひ利用される国民に対しての医薬品適正使用教育といいますか、学校薬剤師等、小学校と中学校、高校でやっていますけれども、個人輸入についてもう少し国民への周知、教育ということも必要ではないかと思いますので、その辺も含めてよろしくお願いしたいと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
大分時間が残り少なくなってきましたが、三村委員、どうぞ。
○三村委員 1つ、先ほど伊藤委員のほうから税関との関係ということで、これは国際的に非常に大きな問題でありますので、むしろ遠慮せずに税関と厚労省の間の当然連携があっていいと思います。
それから、国際郵便で入ってきますので、当然、日本郵政との間でも情報共有があるべきで、水際でどうとめるかというのも国際的な大きな合意事項だと思いますので、積極的に進めていただければと思います。
○森田部会長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。非常に建設的な意見がたくさん出たと思いますけれども、事務局のほう、何かコメントはございますか。
磯部課長。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 今、伊藤委員と三村委員からお話があった税関との関係で申し上げますと、実はうちは監視指導と麻薬対策もやっておりまして、麻薬対策のほうでも特に税関の役割は非常に大きい。税関の場合は、税を取る部分と関の部分、いわゆるチェックの部分がありまして、検査体制を非常に整備してございます。特に麻薬や覚せい剤の密輸入というのはいろいろありますので、そういったものをどうやって見つけて水際で対策をとっていくのかというようなこともございます。また、医薬品医療機器等法に基づく未承認の個人輸入の問題についても、日ごろからうるさいぐらい、いろいろな話を税関さんともさせていただいておりますので、それについては、まだ足らざるところについてもきちんとやっていって、うまくコミュニケーションをとりながら改善できることはしっかり考えていきたいと思います。
以上でございます。
○森田部会長 ありがとうございました。
予定時間まであと10分ぐらいとなりましたけれども、よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題につきましては一通り御議論いただいたものと思います。
4月以降、この制度部会に関しましては5回開催してまいりまして、皆様からいろいろと御意見をいただいてまいりました。先ほども少し申し上げたことですけれども、委員の皆様の御了承が得られるならば、事務局でこれまでに出されました意見をまとめまして、今後の議論の準備を進めていただきたいと考えております。
本日、これも既に申し上げたことですけれども、参考資料2といたしまして、テーマ2までの議論で出された主な意見をまとめた資料をつけております。これをもう少し最初に説明していただいたほうがよかったのかなと思いますが、これからそれに対しまして、事務局からさらに補足があれば補足をしていただきたいと思いますし、きょうの部分につきましても、どういうふうにするかということについてお話をいただければと思います。どうぞ。
○屋敷総務課長 参考資料2につきましては、今後の議論に向けた備忘録的なものとして、本日の段階では大きいテーマのうち、テーマ1及びテーマ2について掲載をしているものでございます。
前回と今回につきまして、テーマ3につきましても御議論いただいたところでございますので、これにつきましても、テーマ3部分を追加する予定でございます。
議事録と同様に、後刻、メールにて各委員にも御確認いただきたいと思っていますし、また次回、テーマ1から3までまとめたものをもとに議論をさせていただきたいと思いますので、その準備につきましても御相談をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○森田部会長 ありがとうございました。
その他、本日の議題全体を通しまして、また、この意見交換といいますか議論を通しまして、何かつけ加えておくべき御発言等がございましたら、まだちょっと時間があります。
平井委員、どうぞ。
○平井委員 ちょっと質問なのですけれども、66ページのスライドで美容・痩身効果目的で医療従事者が個人で輸入しているという、これは要するにお医者さんとかが輸入して、これは何か特殊なものがあるわけですか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 ちょっとお待ちください。
今、ちょっと見ますと、例えば美容のクリニックさんとかが多くなっておりますが、美容外科とかですね。例えばボツリヌス毒素ですとか、アスコルビン酸などもございますが、ヒアルロン酸とかです。実はこういったものは、日本でも同様の成分が承認されているものもございます。日本でも未承認の成分のものと両方まじっていると思いまして、今、うちの手元ではどちらが何件ずつなのかとかはわからないのですが、両方まじっていると思っていただければ結構かと思います。
○平井委員 わかりました。了解です。
○森田部会長 よろしいですか。
では、阿真委員、どうぞ。
○阿真委員 ちょっと議論と違うことになるかもしれないのですけれども、埼玉県のある病院と東京都のある病院でそれぞれ、埼玉県のほうは高齢者を連れて、東京都のほうは若い学生さんたちを連れて病院見学というようなことをしております。医師だったり看護師だったりいろいろな方が病院の中では働いているのですけれども、そのときに彼らが何に一番驚くかというと、薬剤師さんたちがこういう仕事をしているのだということに一番驚きます。それは高齢者の方も若い学生さんたちもどちらも同じく、薬剤師がどんな仕事なのか、こんなに頑張っているということを全然知らないということ、アンケートで一番そこが出てくるのです。
なので、そもそも薬剤師さんがどんな仕事をしているかということが全くわからない、伝わっていないということが問題だと思うので、もうちょっと、薬剤師さんがどういう仕事をしていて、どんなことで医療に役立っているかということをもうちょっとアピールしていくといいかなと思います。
以上です。
○森田部会長 ありがとうございました。
もうよろしいでしょうか。
どうぞ。
○北澤委員 北澤です。
参考資料2を配っていただいて、ありがとうございました。きょうの議論にもあったのですけれども、自分が不勉強なこともあって、いろいろな委員の先生方から出ているご意見が薬機法上どのように関係しているのか。薬機法上何をどう変えればこういう問題が解消される可能性があるのか。法律とか法令との関係でもって参考資料2を、今度はテーマ3のところも入れてくださるということですので、そのあたりを整理して次に配っていただくととても助かります。よろしくお願いします。
○森田部会長 これは事務局、よろしくお願いいたします。
それでは、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
事務局の想定ですと、きょうは議論が終わらないかと思って心配しておりましたけれども、暑さのせいか、いまいち輝かなかったのかどうかわかりませんけれども、時間どおり終了ということになりまして、御協力どうもありがとうございました。
最後に事務局から連絡事項がございましたら、どうぞ。
○屋敷総務課長 次回、第6回になりますが、この部会の日程につきましては、別途御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○森田部会長 それでは、本日はこれでほぼ時間どおりですが、閉会といたします。どうもありがとうございました。