第1回 副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会(議事録)

労働基準局監督課

日時

平成30年7月17日(火)9:30~11:30

場所

AP新橋虎ノ門 会議室B
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

議題

副業・兼業の場合の実効性のある労働時間管理について

議事

 

○岸田監督課長補佐
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただき、まことにありがとうございます。
 本検討会の進行について、座長が選出されるまでの間、事務局にて議事進行を務めさせていただきます。労働基準局監督課の岸田と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、労働基準局長の山越から御挨拶させていただきます。
 
○山越労働基準局長
 労働基準局長の山越でございます。
 委員の皆様方には、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 現在、政府におきましては、働く方のキャリア形成を促進する観点から副業・兼業を促進していくということにしているところでございますけれども、この副業・兼業につきましては、労働時間管理の在り方について、さまざまな指摘を受けているところでございます。そのため、実効性があります労働時間管理の在り方につきまして、働く方の健康確保にも配慮しつつ、有識者の先生方に御議論いただきたいということで、この検討会を開催させていただいたところでございます。
 先生方には、忌憚のない御意見を賜り、幅広い論点から御議論いただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。
 
○岸田監督課長補佐
 続きまして、御出席いただいております委員の皆様を御紹介いたします。資料2にございます御参集者名簿順に、上から失礼いたします。
 東京大学大学院法学政治学研究科教授の荒木尚志様。
 
○荒木委員
 荒木でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授の石崎由希子様。
 
○石崎委員
 石崎でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 京都大学大学院人間・環境学研究科教授の小畑史子様。
 
○小畑委員
 小畑でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 一橋大学大学院経営管理研究科教授の島貫智行様。
 
○島貫委員
 島貫でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教授の武林亨様。
 
○武林委員
 武林でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 法政大学キャリアデザイン学部准教授の松浦民恵様。
 
○松浦委員
 松浦でございます。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 大阪大学大学院高等司法研究科教授の水島郁子様。
 
○水島委員
 水島でございます。よろしくお願いします。
 
○岸田監督課長補佐
 学習院大学経済学部経営学科教授の守島基博様。
 
○守島委員
 守島です。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 以上8名が委員の皆様でいらっしゃいます。
 なお、島貫先生は、御都合により11時ごろ退席される予定です。
 続きまして、事務局を紹介いたします。
 労働基準局長の山越でございます。
 
○山越労働基準局長
 どうぞよろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 大臣官房審議官(労働条件政策担当)の土屋でございます。
 
○土屋審議官
 よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 労働基準局総務課長の村山でございます。
 
○村山総務課長
 よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 監督課長の増田でございます。
 
○増田監督課長
 増田でございます。よろしくお願いします。
 
○岸田監督課長補佐
 労働条件政策課長の藤枝でございます。
 
○藤枝労働条件政策課長
 藤枝です。よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 安全衛生部労働衛生課長の神ノ田でございます。
 
○神ノ田労働衛生課長
 よろしくお願いします。
 
○岸田監督課長補佐
 続きまして、お配りしました資料の御確認をお願いいたします。
 資料といたしまして、
 資料1 副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会 開催要綱
 資料2 参集者名簿
 資料3 今後の進め方について(案)
 資料4 副業・兼業の現状
 資料5 副業・兼業の促進に係る検討の経緯について
 資料6 副業・兼業における現行の労働時間管理、健康管理について
 参考資料1 柔軟な働き方に関する検討会 報告
 参考資料2 副業・兼業の促進に関するガイドライン
でございます。
 その他、座席表をお配りしております。
 不足などございましたら、事務局までお申しつけください。
 次に、お配りした資料にございます本検討会の開催要綱について、御説明いたします。資料1をごらんください。
 1の開催趣旨のところでございます。労働者が一つの企業に依存することなく主体的に自身のキャリアを形成することを支援する観点から、副業・兼業を促進することとしているが、副業・兼業の際に、どのように実効性のある労働時間管理を行うかは重要な課題である。
 こうした状況を踏まえて、昨年の経済政策パッケージですとか、先月、閣議決定されました未来投資戦略において、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、検討を進め、速やかに結論を得ることとされております。
 これを受けまして、本検討会、有識者からなる検討会を開催し、労働者の健康確保に留意しつつ、実効性のある労働時間管理の在り方について、検討を行うというのが開催趣旨でございます。
 2の検討事項でございます。今、御説明したとおりでございますが、(1)でございます。労働者の健康確保や企業の予見可能性にも配慮した、事業主を異にする場合の実効性のある労働時間管理について、皆様に御検討いただきたいと思っております。
 3の参集者でございますが、先ほど御説明しました資料2のとおりでございます。
 検討会の座長は、(2)のとおり、参集者の互選により選出する。
 (3)座長は、必要に応じて関係者の出席を求めることができるとされております。
 4の検討会の運営のところでございますが、特に(3)、検討会は、原則として公開する。ただし、特段の事情がある場合には、座長の御判断により、非公開とすることができるとされております。
 (4)としまして、この要綱に定めるもののほか、本検討会の運営に関し必要な事項は、本検討会において定めるとされております。
 以上でございます。
 次に、本検討会の座長について、お諮りいたします。ただいま御説明しましたとおり、開催要綱の3.参集者の(2)にございますが、検討会の 座長は、参集者の互選により選出するとされております。これに従い、座長の選出を行いたいと思います。
 座長の選出につきましては、事前に事務局より、各委員に御相談させていただいておりますが、守島委員にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」と声あり)
 
○岸田監督課長補佐
 ありがとうございます。
 御賛同いただきましたので、守島委員に座長をお願いいたします。これ以降の進行は、守島座長によろしくお願い申し上げます。
 まず、御挨拶をいただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
 
○守島座長
 ただいま選出されました学習院大学の守島でございます。座って話させていただきます。
 この検討会、非常に難しい課題があると思うのですけれども、皆さん方のお知恵を拝借して、いい結論に持っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、カメラ撮りについては、このぐらいまでにしていただきたいなと思います。
 
(カメラ撮影終了)
 
○守島座長
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 まず、本日の進め方ですけれども、事務局から、この検討会の今後の進め方、副業・兼業の場合の実効性のある労働時間管理について、検討するに当たり、準備しております資料を御説明いただいて、その後、議論に入りたいと思います。
 それでは、まず資料3について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 では、資料3をごらんください。「今後の進め方について」でございます。
 第1回、本日でございますが、本日は、「副業・兼業の現状」、「副業・兼業の促進に係る検討の経緯について」、「副業・兼業における現行の労働時間管理、健康管理について」、御説明させていただいた後、御議論いただければと思っております。
 第2回、9月ごろを予定しておりますけれども、「労働時間制度の基本的な考え方や労働基準法制定時から現在に至るまでの働き方の変化等について」、「諸外国の制度の紹介」をさせていただければと思っております。その後、御議論いただければと思っております。
 その後、1カ月に1回程度開催し、事業主を異にする場合の労働時間制度の在り方について、議論の整理を行っていただければと思っております。
 以上です。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 今の御説明に関して、何かございましたら、皆さん方、御発言いただきたいと思います。何かございますでしょうか。大丈夫ですか。
 それでは、異論がなければ、これで進めさせていただきたいと思います。
 次に、事務局から資料4、資料5、資料6について、御説明いただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
 
○岸田監督課長補佐
 では、まず資料4をごらんください。
 おめくりいただきまして、副業・兼業の現状について、働き手側と企業側から、現在ございますデータで御説明させていただければと思っております。
 まず、左側のグラフをごらんいただければと思いますが、副業を希望している雇用者数の変化を見ております。こちらは、増加傾向になっております。
 右側のグラフでございますが、こちらは本業も副業も雇用者である方の変化でございますが、こちらも増加傾向となっております。
 これらは、総務省の就業構造基本調査をもとにつくっているものでございますけれども、この調査につきましては、先週金曜日の午後に最新の平成29年の調査結果が公表されたところでございます。結果を精査いたしまして、次回、反映した資料を御提示できればと思っておりますけれども、事務局のほうでざっとその調査結果を見たところ、これまでと同様、またはそれ以上に、副業を希望する雇用者も、本業も副業も雇用者である方も、つまり左のグラフも右のグラフもともに増加傾向となっているようでございます。
 続きまして、2ページをごらんください。
 まず、右側の円グラフをごらんいただければと思います。副業をしている方を本業の所得階層別に見たものでございますけれども、本業の所得が299万円以下の階層で全体の約7割を占めている現状でございます。
 そして、左側のグラフでございますけれども、雇用者総数に対する副業をしている方の割合を、本業の所得階層別に見たものでございます。そうしますと、本業の所得が199万円以下の方ですとか、1,000万円以上の方、割合が赤字になっている部分ですけれども、そこの階層で副業をしている方の割合が比較的高くなっているということでございます。
 こちらも同じ就業構造基本調査ですけれども、最新の結果、平成29年のものをざっと見たところ、これまでと同様の傾向でございまして、本業の所得が299万円以下の階層の割合が同様の割合になっていました。また、雇用者総数に対する副業をしている方の割合、左側のグラフですけれども、そちらも同じように199万円以下の階層と1,000万円以上の階層で比較的高くなっているようでございます。
 おめくりいただきまして、3枚目でございます。
 まず、上の棒グラフでございますけれども、本業も副業も雇用の方について、本業の雇用形態別に見ているものでございます。一番左側のグラフで言いますと、本業は正社員、副業は雇用ではありますけれども、何かわからないという方の人数でございます。
 次の中段にあるグラフにつきましては、全体の就業者数の変化でございます。正社員がどれだけいるのか、会社役員がどれだけいるのかというグラフでございます。こちらを上と下と照らし合わせて見てみますと、正社員については、下のグラフをごらんいただきますと、全体としては人数が減っているところでございますが、副業をしている正社員の方がふえているという現状でございます。
 少し飛んでいただきまして、右2つ隣のパート・アルバイトは、全体の就業者数もふえてはいるところでございますが、それに比べて、上のグラフを見ていただきますと、副業者の数が著しく増加しているということがおわかりいただけるかと思います。
 こちらにつきましても、同じく就業構造基本調査でございますので、平成29年の調査結果を見たところ、これまでと同様の傾向であり、全体の就業者数の増加に比べて副業者数が増加しているという現状が見てとれました。
 続きまして、4ページでございます。こちらは、今までの調査と違いまして、平成28年度に経済産業省のほうで行った委託事業の調査結果でございまして、母数も1,030と、小さいものでございますが、御参考までに御紹介したいと思います。
 左上のグラフですけれども、現在の働き方(副業)を選択した理由としましては、十分な収入が欲しい方が4割程度ということで、一番多くなっております。
 右側、今後の働き方の希望としましては、今後も兼業・副業を続けたいという方が約6割いらっしゃるということでございます。
 下のグラフにつきましては、本業への影響に関する認識を1つだけ聞いているものでございます。右側に飛び出ている棒がプラスの認識でございますが、こちらを足し合わせますと、約6割の方がプラスの認識ということが見てとれるものでございます。
 続きまして、おめくりいただきまして、5ページをごらんください。こちらも同じように経済産業省の委託調査の御紹介でございます。
 上の週労働時間のところでございますが、一番左上にオレンジのところがございます。雇用×非雇用と書いてございますが、本業が雇用で副業が非雇用の方。次が、本業も副業も雇用の方。この上2つが経済産業省の委託調査の数字でございます。一番下の就業者平均のところは、労働力調査を示しております。単純に比較はできませんので、あくまで御参考までということになるかと思いますけれども、平均時間につきましては余り変わらない傾向ではございます。ただ、副業・兼業をされている方というのは、紫の40~49時間とか、50~59時間のオレンジ色のところが比較的割合が高くなっているというのが現状でございます。
 そして、下のグラフですけれども、副業・兼業先の1週間の平均労働時間を見てみますと、約半数の方が週平均1時間から9時間ということになっております。
 おめくりいただきまして、次は副業・兼業の現状を企業側から見ているものでございます。
 上の円グラフでございますが、副業・兼業を認めていない企業は、平成26年の調査で85.3%でございました。
 そして、下のグラフでございますが、副業・兼業を認めるに当たって、企業側の懸念として示されているものです。一番多いのは、本業がおろそかになるのではないかというものです。あとは、上から4つ目ですが、長時間労働につながるということです。また、その下、労務・労働時間管理上の不安があるといった懸念が示されているところでございます。
 おめくりいただきまして、7ページでございます。同じように企業に聞いているものですが、副業・兼業について、政府に期待することでございます。こちらについては、本検討会の検討事項でもございます、労働時間の算定に関する取扱いの明確化についてが非常に多くなっているという状況でございます。
 以上が資料4です。
 続きまして、資料5の御説明に移りたいと思います。「副業・兼業の促進に係る検討の経緯について」でございます。
 まず、おめくりいただきまして、1ページでございます。まず、全体の閣議決定ですとか検討会の流れについて、御説明させていただいた後、次のページ以降で一つ一つの閣議決定等について、御説明できればと思います。
 まず、副業・兼業の促進に係る検討の経緯でございますが、昨年3月の働き方改革実行計画のところで副業・兼業の普及促進についてや、労働時間管理や健康管理の在り方についての検討を進めることについて、記載されたところでございます。
 この働き方改革実行計画を受けまして、昨年、厚生労働省のほうで、右にございますが、柔軟な働き方に関する検討会が開催されたところでございます。
 その後の閣議決定につきましては、昨年6月の未来投資戦略、昨年12月の新しい経済政策パッケージと重ねてまいりまして、一番新しいものについては、先月、行われました未来投資戦略2018となっております。
 では、具体的にごらんいただければと思いますが、2ページでございます。
 働き方改革実行計画、上の枠でございますけれども、柔軟な働き方がしやすい環境整備といたしまして、2行目の後段からでございますが、副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効であるとされておりまして、次の行ですが、副業・兼業を認めている企業は、いまだ極めて少なく、その普及を図っていくことは重要である。他方、これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である。労働時間管理をどうしていくかも整理する必要があるということで、基本的な考え方が示されております。
 その下の(3)の下から7行目でございます。企業が副業・兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドラインを策定し、副業・兼業を認める方向でモデル就業規則を改定すると、具体的なことが書かれております。
 その後、2行飛んでいただきまして、「さらに」のところですが、複数の事業所で働く方の保護等の観点や副業・兼業を普及促進させる観点から、労働時間管理及び健康管理の在り方について、検討を進めるとされているところでございます。
 次のページは、働き方改革実行計画の工程表でございまして、今、御説明しましたものと同様の内容が書かれているところでございます。
 こちらの働き方改革実行計画を受けて、厚生労働省で開催されました柔軟な働き方に関する検討会が4ページでございます。
 柔軟な働き方に関する検討会についてとしまして、1つ目の○でございますが、働き方改革実行計画を踏まえ、柔軟な働き方、こちらはテレワークと一緒に検討しましたが、テレワーク、副業・兼業に関して策定するガイドラインの内容等を議論するため、「柔軟な働き方に関する検討会」を開催いたしました。
 そして、2つ目の○ですが、副業・兼業に関する検討事項は以下のとおりとしまして、黒ポツのところですが、副業・兼業の推進に向けたガイドラインや改定版モデル就業規則の策定。次ですが、副業・兼業者の労働時間管理・健康管理の在り方等、制度的課題の抽出・整理ということが検討事項とされておりました。
 下の枠ですが、開催状況といたしまして、昨年10月3日に第1回検討会が開催されまして、その後、6回開催された後、昨年12月25日に報告のとりまとめがされているところでございます。
 そして、おめくりいただきまして、今、申し上げた柔軟な働き方に関する検討会の報告でございます。
 抜粋で御説明いたしますけれども、「なお」としまして、副業・兼業に関わる制度的課題として、1つ目の○ですが、労働時間管理・健康管理(労働時間通算)。
 ポツですが、労働時間通算の在り方については、通達(昭和23年5月14日)の発出時と社会の状況や労働時間法制が異なっているという社会の変化を踏まえて、見直すべきであるとされております。
 そして、労災保険についても、御参考ですけれども、複数就業者の労災保険給付額について、災害が発生した就業先の賃金分を算定基礎としているという課題があり、副業・兼業の賃金を合算して補償できるよう、検討すべきであるとされております。
 また、雇用保険、社会保険につきましても、複数就業者の適用について、検討すべきということで記載されているところでございます。
 こういった意見があったということで、検討会の報告はまとめられておりますが、今後、新しい経済政策パッケージ、昨年12月の閣議決定の内容も踏まえつつ、別途検討を行うことが必要だとされておりました。
 この閣議決定につきましては、下の下線部にございますけれども、働き方の変化等を踏まえた実効性のある労働時間管理の在り方について、労働者の健康確保に留意しつつ、労政審等において検討を進めるとされているところでございます。
 続きまして、次のページですが、先ほどの柔軟な働き方に関する検討会で御議論いただきまして、本年1月に副業・兼業の促進に関するガイドラインが策定されております。ガイドラインの概要につきまして御説明いたします。
 2 副業・兼業の促進の方向性としまして、業種や職種によって仕事の内容、収入等も様々な実情があるが、自身の能力を一企業にとらわれずに幅広く発揮したいなどの希望を持つ労働者が、長時間労働を招かないように留意しつつ、雇用されない働き方も含め、希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要と示されております。
 3の企業の対応の2ポツ目、副業・兼業を認める場合には、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等がないか、長時間労働を招くものとなっていないか確認する観点から、労働者から、副業・兼業の内容等を申請・届出させることが考えられる。
 次のポツで、就業時間の把握。労働者の自己申告により、副業・兼業先での労働時間を把握することが考えられる。
 健康管理。副業・兼業を推奨している場合には、副業・兼業先の状況も踏まえて健康確保措置を実施することが適当とされております。
 一方、4 労働者の対応のところでございますが、勤めている企業の副業・兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認し、そのルールに照らして、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要がある。
 続いて、労働者自ら、本業及び副業・兼業の業務量や健康状態の管理が必要ということで考え方が示されているところでございます。
 また、柔軟な働き方に関する検討会では、モデル就業規則の改定もされております。それが7ページ以降でございます。
 まず、モデル就業規則についてでございますけれども、常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定によりまして、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされております。
 この各事業場における就業規則の作成・届出の参考としていただくために、就業規則の規程例とか解説をモデル就業規則としまして、厚生労働省のホームページにおいて掲載して皆様に御活用いただいているところでございます。
 こちらをどう見直したかということでございますが、7ページの下の部分、平成30年1月改定以前のものでございますが、こちらはもともと11条の遵守事項の6項で、許可なく他の会社等の業務に従事しないことということで記載がございました。
 また、こちらは62条の懲戒の事由ともなっておりまして、11条に違反したときに懲戒の事由になることとされておりました。
 8ページでございますが、それを大きく見直しておりまして、労働者の遵守事項における副業・兼業に関する規定を削除いたしまして、新しく67条という規定を設けております。
 1項ですが、労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができるとして、見直し前のものと原則と例外を入れかえるような形になっているところです。
 2項で、労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとするとされております。
 3項で、第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これは禁止又は制限することができるとされておりまして、1つ目、労務提供上の支障がある場合。2つ目、企業秘密が漏洩する場合。3つ目、会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合。4つ目、競業により、企業の利益を害する場合というのが掲げられております。
 そして、下の※印でございますが、モデル就業規則の解説部分に記載されているものでございます。
 3つ目のポツをごらんいただければと思いますけれども、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩がないか、長時間労働を招くものとなっていないか等を確認するため届出が必要であること。特に、労働者が自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合には、基準法38条等を踏まえ、労働者の副業・兼業の内容を把握するため、届出させることがより望ましいことということで考え方を記載しております。
 また、次のポツですけれども、長時間労働など労働者の健康に影響が生じるおそれがある場合は、第3項1号、上のところにございます労務提供上の支障がある場合に含まれると考えられるという考え方が解説されているところでございます。
 以上が柔軟な働き方の検討会と、それの成果物でございます。
 最後に、次の9ページでございますが、先月、閣議決定されました未来投資戦略2018の御紹介でございます。
 第1の基本的視座と重点施策のところにまとめて書いてございますが、マル2のポツの部分、副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するため、実効性ある労働時間管理等の在り方について、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、労政審等において検討を進め、速やかに結論を得るということで書いてございまして、第2の具体的施策にも同様の内容が書いてあるところでございます。
 資料5の御説明は以上になります。
 続きまして、資料6の御説明をさせていただきたいと思います。資料6は「副業・兼業における現行の労働時間管理、健康管理について」でございます。
 おめくりいただきまして、まず基本的なところからの御説明をさせていただければと思いますが、現行の関係法令等といたしまして、労働基準法の規定が記載されております。労働基準法38条といたしまして、労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算するという規定がございます。
 そして、局長通達のほうで解釈が示されておりまして、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含むということで、昭和23年に発出されているところでございます。
 具体的にはということで、下の枠をごらんいただければと思いますけれども、1つ目の○です。複数の事業場で労働する場合、労働基準法の労働時間に関する規制(原則1日8時間、週40時間)という規制は、通算して適用されるというのがこちらの規定の内容でございます。
 具体的な制度の当てはめといたしまして、3つ目の○の(例)のところでございます。事業主Aのもとで働いていた労働者が、後から事業主Bと労働契約を締結した場合の割増賃金の支払い義務者というところでございますけれども、まず事業主Aのところで所定労働時間1日5時間でございました。その後、事業主Bと所定労働時間1日4時間という労働契約を締結した場合でございますけれども、事業主Bが労働者と労働契約を後から締結しているため、事業主Bに法定の割増賃金の支払い義務があることになっております。8時間を超えると割増賃金がかかりますので、5足す4で9、1時間飛び出しておりますから、事業主Bが法定外労働の1時間分の割増賃金を支払うこととなります。
 考え方として、下の矢印の括弧のところに書いてございますけれども、後から契約を締結する事業主は、その労働者が他の事業場で労働していることを確認した上で、契約を締結すべきという考え方を前提としているので、こういった考え方になるというものでございます。
 おめくりいただきまして、2ページ目が労働基準法のいわゆるコンメンタールでございますが、こちらに今、御説明したような内容を書いてございますが、文字もちょっと多いので、次以降のQ&Aで具体的に御説明させていただければと思います。
 3ページをごらんください。こちら、Q&Aでございますが、先ほど御紹介いたしました、ことしの1月に厚生労働省において策定しました、副業・兼業の促進に関するガイドラインの補足資料としまして、まとめたものでございます。こちらのQ&Aにつきましては、厚生労働省のホームページで公表しているものでございます。
 問いといたしまして、四角のところですが、自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合の、労働基準法における労働時間等の規定の適用はどうなるのかということでございますが、1のところ、先ほど御説明したとおり、労働基準法38条と局長通達の中身を書いてございます。
 2ですが、労働時間を通算した結果、法定労働時間を超えて労働させる場合には、使用者は、自社で発生した法定外労働時間について、いわゆる36協定の締結とか割増賃金の支払いの義務がかかるという御説明です。
 3のところ、このとき、労働基準法上の義務を負うのは、当該労働者を使用することにより、法定労働時間を超えて当該労働者を労働させるに至った使用者ですということでございます。
 4のところ、従って、一般的には、通算により法定労働時間を超えることとなる所定労働時間を定めた労働契約を時間的に後から締結した使用者が、契約の締結に当たって、当該労働者が他の事業場で労働していることを確認した上で契約を締結すべきことから、同法上の義務を負うということでございます。こちら、先ほど御説明した内容です。
 5のところですが、一歩進んでということですが、通算した所定労働時間が既に法定労働時間に達していることを知りながら労働時間を延長する場合については、先に契約を結んでいた使用者も含め、延長させた各使用者が同法上の義務を負うこととなるという考え方を示しております。
 文字だけですと少しわかりにくいので、次以降の図も交えて御説明できればと思います。具体例としまして、4ページ目以降にございます。
 まず、甲と乙の事業場があるということと、双方の労働時間数を把握している場合でございますけれども、(1)にあるとおり、甲事業主と「所定労働時間8時間」を内容とする労働契約を締結している労働者、下の図ですと左側の白い四角の部分ですね。そちらの労働契約を締結している労働者が、甲事業場における所定労働日と同一の日、同じ日に、乙事業主と新たに「所定労働時間5時間」の内容の労働契約を締結して、それぞれ労働契約のとおりに労働した場合でございます。下の図で言いますと、もともと白い四角の契約が結ばれておりましたが、同じ日に乙事業場でも働くという契約を時間的に後から結んだ場合でございます。
 この場合ですけれども、甲事業場の所定労働時間は8時間でございますので、甲事業場の中で言えば、法定労働時間内の労働であるため、所定労働時間労働させた場合、甲事業主に割増賃金の支払い義務はないところでございます。ただ、ここで既に8時間の法定労働時間に達しているため、それに加えて乙事業場で労働する時間というのは、全て法定時間外労働になります。ですので、乙事業場につきましては、着色してある四角の5時間分について、36協定の締結ですとか割増賃金の支払い義務が生じるというものでございます。
 おめくりいただきまして、次の例でございます。先ほどは1日の中で見ておりましたけれども、次は1週間の中で見るものでございます。
 上の四角の(2)です。甲事業主と「所定労働日は月曜日から金曜日、所定労働時間8時間」という内容の労働契約を締結している労働者がいらっしゃいました。その方が乙事業主と新たに「所定労働日は土曜日、所定労働時間5時間」という内容の契約を締結し、それぞれ労働契約のとおりに労働した場合でございます。
 まず、甲事業場を見てみますと、甲事業場は1日8時間でございますし、月から金曜日までの5日間労働した場合、8掛ける5で40時間でございますので、この甲事業場においては法定労働時間内の労働になります。この場合、労働契約のとおりに労働させた場合、甲事業主に割増賃金の支払い義務はないところでございます。
 一方、週で見ていって、日曜日から土曜日の暦週で考えますと、甲事業場での労働契約のとおり労働した場合、労働時間が既に甲事業場のところで40時間に達してしまいますので、その後、働く乙事業場での5時間分というのは、全て法定時間外労働になるところでございます。ですので、乙事業場においては、36協定の締結と割増賃金の支払いの義務を負うということになります。
 次の例でございます。6ページですけれども、(3)、上のところにございます。続きまして、甲事業主と「所定労働時間4時間」という労働契約を締結している労働者が、同じ所定労働日に新たに乙事業主と「所定労働時間4時間」という労働契約を締結した場合です。契約時間は下の図の上の四角のとおり、甲事業場で4時間、乙事業場で4時間なのですけれども、実際の労働時間としては、甲事業場のほうで5時間働いて、乙事業場のほうで4時間働いたという場合でございます。
 まず、答の1のところですけれども、契約上の時間だけで見てみますと、労働契約のとおり労働した場合は、甲事業場で4時間、乙事業場で4時間でございますので、合計して1日の労働時間は8時間となりまして、法定時間内の労働となります。
 一方、この所定労働時間だけで通算して8時間に達しておりますので、甲事業場でその後、契約を超えて1時間延長して5時間働かせてしまった場合については、甲事業場で36協定の締結ですとか割増賃金の支払いの義務が生じるというものでございます。
 続きまして、7ページでございます。(4)としまして、最後の事例ですけれども、甲事業主と「所定労働時間3時間」という労働契約を締結している労働者が、新たに乙事業主と、甲事業場における所定労働日と同じ日、同一の日に、「所定労働時間3時間」という労働契約を締結した場合は、3時間、3時間で通算して6時間ですので、法定労働時間内になっているところでございます。
 ここで、2にございますけれども、甲事業主が、労働時間を2時間延長した場合でございます。甲事業場での労働時間を2時間延長した場合であっても、甲事業場での労働が終了した時点では、乙事業場での所定労働時間を含めた1日の当該労働者の労働時間は8時間におさまっております。
 下の図でございますけれども、甲で5時間、乙で3時間で、合計で8時間のままでございますので、甲事業場のほうで2時間延長したとしても、そこについては時間外とならないということでございますけれども、その後、さらに乙事業場のほうで労働時間を延長した場合というのは、8時間を超えてしまって法定時間外労働になりますので、そちらにつきましては、先ほど御説明しているとおり、36協定の締結ですとか割増賃金の支払い義務を負うことになっております。
 こちらが具体的な当てはめの例でございます。
 続きまして、今まで労働時間通算のことについて、御説明してきましたが、では、こういった規定が適用される方々というのはどのような方なのかということで、8ページをごらんください。
 こちらは、本業の働き方と副業の働き方をマトリックスにしているものでございますけれども、労働基準法の38条、労働時間通算の規定が適用される方というのは、雇用の関係にある方で、いわゆる管理監督者に当たらない方々でございますので、この図で言いますと、○のついている部分の方が労働基準法38条の適用がある方々でございます。本業と副業のどちらか一方がこれに当てはまらない方というのは、38条の規定というのは適用されないというものでございます。
 具体的にどれぐらいの方がいらっしゃるのかということでございます。少し古い平成21年の調査を見ますと、黄色の部分が副業している人全体の約38%となっておりますので、○のついている部分というのは、さらにそれより少ない状況かなと思います。
 おめくりいただきまして、次のところでございますが、今度は、本業も副業も雇用の方、先ほどの○のついている部分を少し分解したものでございます。就業形態で、どのような組み合わせが多いのかというのを見たところでございます。こちらも先ほどの平成21年の同じ調査でございまして、やや古いものでございますが、一番多い組み合わせというのが、パート・アルバイトと、パート・アルバイトで35.37%。次に多いのが、本業が正社員で副業がパート・アルバイトの方で23.79%ということになっております。
 続きまして、本検討会、労働者の健康確保に留意しつつ御議論いただくということでございますので、10ページで労働者の健康確保対策に関する現行制度についての資料もおつけしております。こちらについても簡単に御説明いたします。
 まず、安全衛生管理体制の確保といたしまして、事業者による衛生管理者とか産業医等の選任。また、事業者による衛生管理委員会の設置等が義務づけられているところでございます。
 また、有害物に関する規制もございます。
 また、労働者の就業に当たっての措置としまして、雇い入れ時に安全衛生に係る教育の実施等も義務づけられております。
 また、健康の保持増進のための措置としまして、さまざまな措置がございますが、今から御説明する措置の実施対象者の選定に当たりましては、右の※印でございますけれども、副業・兼業先における労働時間の通算は不要となっております。それぞれの事業場で見ていくということでございます。
 まず1つ目の○が、事業者による健康診断の実施、医師からの意見聴取等でございますけれども、こちらの対象者につきましては、※印でございますが、常時使用される労働者とか常時使用する短時間労働者のうち、期間の定めのない労働契約又は1年以上継続している労働契約により使用されている方でございまして、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上の労働者に対して実施されるものでございます。
 1つ飛ばしまして、3つ目の○ですが、事業者による長時間労働者への医師の面接指導の実施等がございます。これにつきましては、現在、時間外・休日労働時間が1月あたり100時間を超え、疲労の蓄積が認められるとして、面接指導の実施を申し出た労働者に対して実施しているところでございますが、来年4月施行予定の改正法におきましては、対象者の要件の変更を予定しているところでございまして、今、労働政策審議会において議論いただいているところでございますが、関連の建議におきましては、対象の時間外・休日労働時間が今、100時間であるところ、80時間に変更するということが記載されているところでございます。
 その他、事業者によるストレスチェックの実施ですとか、事業者による健康教育・健康相談の実施につきましても、あわせて行われているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を踏まえて議論に入りたいと思います。事務局への質問もおありでしょうから、それも含めて、委員の皆様から今後の検討に向けての御意見をいただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
 では、石崎委員。
 
○石崎委員
 横浜国大の石崎でございます。
 非常に難しいテーマで、固まった考えがあるわけではないのですけれども、次のようなことが課題になるかと考えているところです。
 最初に御紹介いただきましたように、未来投資戦略においては、副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するために、労働時間管理の在り方の検討であるとか健康確保についての配慮が必要ということが述べられておりまして、確かに個人の労働者に注目したときに、キャリア形成の前提には、健康でなければ、そういったキャリア形成というのもなし得ないということになりますので、なるほど、そうなのかなと思う部分があります。
 ただ、他方において、兼業・副業というもの、そのもの自体の促進ということと、特に先ほど異なる事業者間での労働時間通算を前提とするような労働時間管理というものを、より徹底的に進めていくという方向で考えた場合には、そこは若干矛盾する部分があるのかなと。つまり、労働時間管理をより強化しようという方向にするとすれば、一定程度、副業・兼業ということの制約要因として働き得る可能性はあるのかなと考えているところであります。
 ここで何を重視するかというところは、今後、検討していくことになるかと思うのですけれども、仮に労働時間管理を強化あるいは徹底していくという方向で考えた場合に、さらに出てくる課題としては、現状、労働時間に関する労基法の規制は、労働者に対して適用されるものですので、非雇用の場合に通算というのは予定されていないということになるかと思いますけれども、現状で雇用×非雇用型の副業というものも、全体の中で一定割合あり、また週の労働時間に関して、その場合には長いといったことを考えたりした場合に、そこを区別するということでよいのかどうなのかという点があるように思います。
 あとは、実効性ある労働時間管理というのを考えたときに、どのように労働時間を把握するのかということとの関係で、ガイドラインのほうでは労働者からの届け出が望ましいという形で、ソフトに書かれていますけれども、このあたり、もっと強化が必要になってくるのか。しかし、強化した場合には、労働者のほうの私生活の自由との関係で、どう考えたらいいのかといったところが課題になるのかなと考えております。
 逆に、この労働時間通算というものを見直すということで考えた場合についても、何も手放しでいいのかというところは、最初の労働者の健康確保という観点からは、何らか対応が必要ではないかという気もするところでして、そのときに、使用者の安全配慮義務の範囲をどのように考えるかということですとか、現状は健康措置に関しては通算していないということでしたけれども、このあたり、どう考えるのかといったところが課題になってくるのかなと思っております
 また、直接かかわるかどうかはわからないのですけれども、兼業・副業を認めている企業におきまして、副業している労働者に対して、副業しているということに対する一定の配慮が要請されたりするのか。例えば、ある時間において副業しているということを前提に、その本業において時間外労働命令が制約されたり、ある種の時間に制約がある労働者としての何らかの配慮というものが要請されるのかといったことも、関連問題として出てくるのかなといったことを考えているところであります。
 課題の提起にとどまるところですけれども、現状、そのように考えているところです。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 では、松浦委員。
 
○松浦委員
 御説明ありがとうございました。
 私も、まだ考えがまとまっているわけではないのですけれども、お話をお伺いして思ったのは、労働時間管理と健康確保を両面から考えていく必要があるということです。労働時間管理については、基本的には雇用・雇用の副業者・兼業者に関する問題で、その層に対して労働時間管理をどうしていくかという議論になろうかと思われます。そこで、労働時間管理を徹底するためにどうしたらいいのかと考えるのか、あるいは、そもそも労働時間管理がどこまで必要かということから議論するのかというあたりは、少し幅広に検討してよいのではないかと思っています。
 実際、もし労働時間管理をするという前提に立った場合には、恐らく労働時間管理の現状においてまだまだアナログの部分が企業の中では残っていると思いますので、企業をまたがって労働時間を把握するという事務手続が現実的に難しいという問題がございます。もちろん、今後、HR Techが進んで、自動的にあらゆる企業の労働時間がにわかに管理できるという環境になれば可能かもしれません。けれども少なくとも現時点においては、ガイドラインにもそういう文言がありましたが、副業者の労働時間管理はある程度「自己申告」に頼らざるを得ないのではないかという印象を持っております。
 一方で、健康確保については、もう少し幅広い対象層を視野に入れてもいい気がしております。といいますのは、副業者の中の雇用・雇用だけではなくて、例えば本業が雇用で副業を請負でやっているケースも、健康確保の問題に関しては、むしろ視野に入れるべきではないかと思っています。
 健康確保については、具体的にどういう形で担保するかという課題がございます。現状においては、本業に支障が出ることが副業禁止の要件になっていますが、本業に支障が出るだけでなく、健康確保の面で支障が出てきた場合に、労働者保護の観点から副業を制限できる仕組みをある程度整備する必要があるのではないかと思います。そのときに、健康確保に支障があるという極めて曖昧な基準をもう少し明確化することによって、副業がどこまで認められるかという線引きができてくるかもしれません。
 また、労働時間管理の自己申告などにせよ、健康確保にせよ、基本的には最初に雇った企業がある程度コントロールの主体になるのではないかと考えております。
 すみません、まだまとまっていないのですけれども、以上です。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 では、水島委員、お願いします。
 
○水島委員
 水島でございます。詳細に御説明いただきまして、ありがとうございました。
 幾つか質問させていただきたいのですけれども、松浦委員がおっしゃったことにも関連する話ですが、資料5の8ページ、モデル就業規則の解説部分に以下の内容を記載の、下から2つ目に、長時間労働など労働の健康に影響が生じるおそれがある場合という抽象的な文言がありますが、検討されるに当たりまして、具体的なお話があったのか、おわかりでしたらお聞かせいただければと思います。まず、これが第1点です。
 あと、2つほどあるのですが、資料4の2ページで、副業をしている者の本業の所得が299万円の以下の階層が多いということですが、この299万円以下の者の雇用形態がもしおわかりでしたらお聞かせいただきたいというのが第2点です。
 それから、3点目、同じ資料4の6ページで、企業における副業・兼業制度について、企業にお尋ねしているところですが、この対象といいましょうか、従業員として何か限定をかけておられるのか。あるいは、質問票としては限定をかけていないとしても、企業が回答するに当たり、これは正社員についてのみの回答と理解されるような調査であったのか。あるいは、さまざまな雇用形態の者を含めて、その企業で働く者は全てという調査結果と読みとるべきなのか、このあたりを教えていただければと思います。
 よろしくお願いします。
 
○守島座長
 岸田さん、可能な限りでお願いします。
 
○岸田監督課長補佐
 先に後の御質問の2つにつきましてですが、資料の2ページですが、雇用形態につきましては、もとのデータに戻って、出るか、出ないか、ちょっとやってみたいと思います。やってみないとわからないというのが現状でございます。申しわけございません。
 次の、従業員をどの雇用形態、正社員だけ対象としていたのかについては、今、もとの調査を見ているところでございますが、こちらについては、申しわけございません。ぱっとは出てこないので、確認してみたいと思います。
 続いて、モデル就業規則のところで、資料5の8ページの、長時間労働など労働者の健康に影響が生じるおそれがある場合は含まれるという記載ですが、具体的に検討会の中で、一言一句、そこでの議論の文言が頭に出てくるわけではございませんけれども、そういった観点でのお話というのはされていたと記憶しておりますし、長時間労働を招いては本末転倒だということなどについて、長時間労働の観点の議論については、同じ資料の2ページ目で、働き方改革実行計画などでも触れられているところでございます。
 柔軟な働き方の検討会のほうで具体的にどういう議論があったかにつきましては、もう一度、議事録等もさかのぼって、少し整理させていただければと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 岸田さん、1つだけ確認ですけれども、6ページの上半分と下半分は違う調査ですね。水島委員が言われたのは、多分、下の調査についてということ。どっちについて言われていたのですか。
 
○水島委員
 上についての質問でしたけれども、下についても、もしおわかりになるようでしたら知りたいと思います。
 
○岸田監督課長補佐
 上と下、違う調査でございますので、それぞれ少し確認させていただければと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 では、島貫委員、お願いします。
 
○島貫委員
 御説明どうもありがとうございました。
 まず、基本的なことの確認ですけれども、副業・兼業の現状というところで、副業の希望といったところをお話しされたと思うのですけれども、調査の中で本業というのはどういう定義がなされていましたでしょうか。
 
○岸田監督課長補佐
 物によるのですけれども、大体、労働者がどう思っているかということになります。
 
○島貫委員
 ありがとうございます。
 労働者調査ということになると、恐らくあなた自身は本業をどう捉えるのですかということで、まずそこから入っていくと思うのですけれども、先ほどの御説明のように、本業と副業の関係が法規制をかけるときの定義の仕方と若干のずれがあるような気がしています。労働者からすると、何を本業とするのか。労働時間が長いほうを本業と考えるという方もいるでしょうし、自分がより重きを置いているものを本業と考える方もいるかもしれません。
 他方で、先ほどの法律の話ということになりますと、基本的には労働契約を先に締結したほうが本業であるということを前提として、その副業としての労働契約が加わったときにどういうふうに管理するのか、割増賃金をどう考えるのかという話だと思うので、そこのずれをどう整理するかというのが必要かなと思っています。
 あと、企業の立場からしますと、モデル就業規則にもありましたように、基本的にはどの企業も自社が主と考えると思いますから、自分のところが本業で、ほかの仕事をするということであれば、それは兼業・副業だということで、そこは特に自社が兼業側にあるのか、本業側にあるのかということも、就業規則上は明記されていないということだと思います。企業の視点も含めて考えると、いま一度、本業と副業という関係をどういうふうに捉えていくのかを考える必要があろうかと思います。
 先ほどほかの先生方もおっしゃっていたのですけれども、企業の側から、本業先と副業先というのを考えたときに、本業先にはこういった雇用主責任があって、兼業先にはこういう責任があると分けて考えるのか、それとも本業先と副業先というのは、ある種の共同雇用という形で差は設けないと考えるのかということによっても、管理の在り方は変わってくるのかなと考えております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
 
○小畑委員
 小畑でございます。
 今の御発言と、私も共同雇用のお話、非常に問題意識がございまして、長時間労働の抑制というのが働き方改革で実現されていく。それで時間があくとか、または割増賃金が少なくなって収入が減少するということでございますと、時間があいたので副業しようとか、収入が減ったので副業しようという流れが出てくるかと思いますが、以前でしたら原則禁止ということが、これからは解禁だと。副業・兼業、どんどんやりましょうということになりますと、長時間労働によって健康を崩される方、病気になる方のことが心配でございます。
 長時間労働に関しまして、今までたくさんの残業を自分の勤め先のところでしてしまっている場合に、労働時間管理、健康確保について勤務先がしっかり管理するというのが、これから副業先と主たる本業との2つということになってまいりまして、そこから、今まででしたら、実際には兼業・副業があまりないために、同じ企業でしっかり管理されていたものが、ここから先はそこからこぼれ落ちてしまうということになりますと、大変深刻な結果というのがございますので、今、御発言にあったような共同雇用という発想もあるかと思いますが、大きな転換になりますので、どのように考えていくかは、やや広い観点からの検討が必要かなと存じております。
 以上でございます。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 では、荒木委員。
 
○荒木委員
 御説明ありがとうございました。
 幾つか質問したいのですけれども、1つは、現在の労基法38条は異事業通算制をとっておりまして、この異事業には事業主を異にする場合も含むという通達が昭和23年に出ています。この異事業通算の考え方は、工場法時代からあったと言われております。ただ、工場法時代には、事業主を異にする場合に通算するのか、しないのか、少し議論があったようですけれども、戦後になって通算するという通達が出たので、そういう扱いになったようです。
 今回、柔軟な働き方に関する検討会で議論されたときに、この労基法38条の解釈の根拠等について、何か議論がなされたのかどうか、従来の経緯等も含めた議論がなされたのかどうかを教えていただきたいというのが1つです。
 それから、これはちょっとテクニカルなことになってしまいますけれども、資料6の4ページに、甲事業場で8時間、乙事業場で5時間というので、乙事業場での5時間は1日8時間を超えるので時間外労働になるということであります。これは両方合わせて1日13時間労働となるのですけれども、隔日にこのような働き方でありますと、1週間で3日だと、13×3で39時間ということですから、変形制を採用すれば1週間40時間におさまっており、時間外労働が生じないということになります。
 こういう複数事業場、しかも事業者が異なる場合に変形制を採用して、この状態が時間外労働とならないようなアレンジが可能なのかどうか。そういった議論が何かされているのかどうか。されていないならいいのですけれども、どういう状況かを教えていただきたいということが2つ目です。
 それから、3つ目は、資料4の2ページで御指摘いただきましたけれども、副業・兼業をやっている方を収入別に分けてみると、299万円以下が多いとともに、1,000万円以上の階層で副業をしている者の割合・比率が多いということがあります。そうすると、副業・兼業を議論する場合に、タイプが相当異なる副業・兼業が存在するのかもしれないと思います。副業・兼業と言った場合に、収入が足りないので副業・兼業せざるを得ないような状況と、そうではなくて、非常に高い収入を得て、高い能力を持った方がいろいろな場面で能力を要求されて、本業以外でも活躍しておられるという状況がある。
 もし、そういう違うタイプの副業・兼業というものがあるのであれば、そこは認識した上で議論したほうがよいかと思いますので、先ほどの質問に加えて、この属性について、わかるのであれば、後ほど教えていただきたいと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 どうぞ、お答えいただけますでしょうか。
 
○岸田監督課長補佐
 荒木先生からの1つ目の御質問でございます。工場法時代からの経緯について、柔軟な働き方に関する検討会でいろいろ議論されたのかということでございますけれども、柔軟な働き方に関する検討会につきましては、制度的課題の抽出について、検討課題とされていたこともございまして、余りそういった経緯について、深掘りして御議論いただくということではなくて、こういった課題があるということの議論にとどまっていたと記憶しております。ですので、むしろ本検討会のほうで、そういったことについても含めて御議論いただきたいなと考えているところでございます。
 続きまして、変形制についてということで、非常に難しい課題だと認識しておりますが、今、御説明したのは、全て通常といいますか、一般的なわかりやすい労働時間制について、御説明させていただいたところでございます。具体的な場面においては、個々のケースに応じて、しっかり一個一個見ていくことが必要になろうかと思いますけれども、これはこうと、なかなか一概に言えるものではないというところもございます。
 フレックスタイム制などについても、当時、通達等が出されたときにはなかったものでございますが、そういった多様な労働時間制度がある中で、どういうふうに労働時間管理の実効性を図っていくべきかについて、まさに先生方にお知恵を拝借したいなと思っているところでございます。
 最後の属性のところにつきましては、先ほどございましたとおり、確認させていただきたいと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 では、武林委員、お願いします。
 
○武林委員
 今まで先生方が質問されたものと重なるところもありますが、幾つか伺いたい。
 資料6の8ページで、そもそもの今回の労働時間通算で38条の適用範囲というところが非常に限定されているというお話がありましたが、一方で、同じ資料の10ページ、健康管理側に行きますと、長時間労働については、この黄色い○のところに限らず、管理監督者も含めて労働時間の状況の把握ということが既に議論されていると思いますが、今までのさまざまな働き方の改革に関する検討会等の議論の中で、いわゆる労働基準法の世界の部分と、健康管理側の世界の部分の観点の違いについて、何か議論されてきたことがあれば教えていただきたいということが1点です。
 と言いますのも、先ほど御質問にもありましたけれども、どちらかの企業が主たるものとして、もし健康確保上の問題があった場合には、副業をやめさせるということがあったとしても、それは誰が判断するのか、どういう基準によるのかという議論に恐らくなると思いますが、今の仕組みの中で、例えば長時間の者に対して産業医が判断する。あるいは、ここのところの改革の中で、意見書を出し、勧告するという権限強化の話が出てきていますが、会社を超えてするということに対して、どういうふうに整理をつけるのかという観点もあります。
 ですので、そもそもの38条の話と健康管理の話が、やや違う観点で進んでいますので、これを今までどう議論してきたかということがもしあれば、教えていただきたいということです。
 それから、もう一点は、既に資料4の2ページについては、いろいろな御質問、御意見があったと思いますが、これも健康確保上の観点からしますと、特に労働衛生のサービスについては、今のところ50人という企業の規模を一つの区切りにして、かなり提供される産業保健サービスが違っているという観点があります。そうしますと、先ほど299万円以下というところの雇用形態という話もあったと思いますが、それは同時に企業の規模に応じて産業衛生サービスがどこまで届いているのかという観点でも、副業兼業率の高い2つの大きなポーション、1,000万円を超える側と300万円未満での議論になると思います。
 特に健康確保という観点が重要になってきたときに、後者のほうがボリュームが大きいという点もありますので、これまでどういう議論がされたかということがもしあれば、教えていただきたいと思いますし、またこの資料について、その観点から整理いただけるのであれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
 以上です。
 
○岸田監督課長補佐
 後から御質問いただいた企業規模の観点につきましても、どこまで出るか、やってみないとわかりませんが、調べてみたいと思います。
 
○増田監督課長
 武林先生のお話ですけれども、まず労働基準法38条の通算については、労働時間について通算するという形で範囲が決まっておりまして、労働基準法で労働者の安全衛生については労働安全衛生法で定めるということで、労働者の健康確保については、その中で別の形でその趣旨・目的を踏まえて規定されているということだと思いますが、検討会の要綱にもありますように、健康確保の観点も含めて御検討いただくということでございます。ですので、現在の法制がどうかということもございますけれども、それも含めていろいろな形で御議論いただいて、まさにこの検討課題について、どうしていくかということで御議論いただければ。そのためにも、安全衛生部のほうも一緒に事務局をやらせていただいていると認識しております。
 
○神ノ田労働衛生課長
 労働安全衛生法上の整理ですけれども、若干御説明があったかと思いますけれども、参考資料2のほうで現状の整理がされております。4ページをごらんいただきますと、注にございますように、労働安全衛生法上、規定されている一般健康診断等々につきましては、対象につきまして縛りがかかっています。労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上である者ということになりますので、副業・兼業している場合の健康管理については、主となるところと、副業・兼業ということでやられているところと、ある程度色分けができてくるのかなと思います。
 その上で、現状では労働時間の通算は不要という整理になっておりまして、みずからの事業場内での労働時間をもとにして、ストレスチェックなり、あるいは長時間労働者の面接指導等を行っていくという整理になっております。
 今回、このガイドラインで一歩踏み込んだところは、1ポツ目のただし書きのところです。使用者が労働者に副業・兼業を推奨している場合、労使の話し合い等を通じ、副業・兼業の状況も踏まえて、健康診断等の必要な健康確保措置を実施することが適当であるということで、ここは現状の法律の整理を一歩踏み越えた形で、推奨しているのであれば、副業・兼業先での労働時間等も含めて健康確保措置を実施していく。それがどこまでできるかというのは、まさに今後の整理の仕方かなと思っています。
 課題となりますのは、この副業・兼業先の労働の状況について、どこまで主たる事業場で口出しができるか。うちのほうの事業場が忙しくなったから、そっちはちょっと控えてくれということを言えるのかどうか。あるいは、それは労働者に対し、副業・兼業を控えなさいということを言うのかどうか、その辺のところの整理が必要かなと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございました。
 私からも1つだけ質問というか。これは、この検討会全体にかかわることなのかもしれないのですけれども、先ほど松浦委員が言われたように、雇用×非雇用という状況があるでしょうと。この経産のサーベイは、雇用×非雇用と雇用×雇用を、多分、無理やり数を合わせている調査だと思いますので、そういう意味ではパーセンテージはなかなかわからないのですけれども、1つ教えていただきたいのは、そこのパーセンテージとか実態が何かわかれば、多分、非常に難しいと思うのですけれども、それが1つございます。
 それを前提とした上で、事務局というか、厚労省側のお考えをちょっとお聞かせいただきたいのですけれども、雇用・非雇用という状況に対して、どこまでこの検討会の中で議論するべきなのか、必要があるのか。先ほどの健康確保だったら必要だけれども、労働時間把握だったら必要ないのではないかみたいなお話、ちょっとありましたけれども、非雇用だとしても、例えば業務委託であるとか、そういう労働の供給が行われている場合はあるはずで、そういう場合まで、この検討会の中では考えることが、必要、不必要という意味で言うと必要だと思いますけれども、それがこの検討会のミッションなのかどうか、どうお考えなのかを教えていただけますでしょうか。
 
○岸田監督課長補佐
 雇用×非雇用の割合といったものについては、お答えになるか分かりませんが、資料6の8ページで、大ざっぱではありますけれども、こういった括りの黄色のところが38%、緑のところが25%等々ございまして、こういったものであれば、古いものは今、お出ししたとおりでございますし、同様の調査を今やっているところだと聞いておりますので、今回は間に合わなかったのですけれども、新しいものが次回お出しできるのではないかと思っているところでございますので、また御相談させていただければと思っております。
 雇用・非雇用について、どこまでかということでございますけれども、こちらの検討会につきましては、基準法38条がメインのターゲットではあると思いますけれども、一方で、先生方おっしゃるとおり、雇用×非雇用であったとしても、健康管理の観点からは重要になってくると思いますし、議論として排除するものではなくて、そういったところも重ね合わせた上で、雇用×雇用の部分についてもどうしていくのかということも御議論いただくのかなと思っているところでございます。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 どうぞ。
 
○増田監督課長
 座長からお話ございましたけれども、雇用×非雇用のところについて、検討していただいた上で見えてくるところもございますし、また兼業・副業を促進するということであれば、非雇用についてもどういうような形でやるか、時間であるのか、業務量であるのか、そういう把握をするということが企業側としても関心の1つ。それが本業への影響という形とか、長時間労働にならないかという形で、企業側としてのアンケートにもあらわれているかと思いますので、そのあたりは柔軟に御議論いただきまして、先ほど岸田のほうから申し上げました労働時間の方の管理を具体的にどうしていくべきかということも、あわせて検討いただければと思っております。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 岸田さん。
 
○岸田監督課長補佐
 先ほど御質問いただいた件が少しわかりましたので、御紹介いたします。
 資料4の6ページの調査でございますが、今、ざっと上のグラフの調査票を見たところ、余り細かくは聞いていないようでして、質問のところで、「貴社規定では、従業員の兼業や副業を認めていますか」という聞き方をしております。
 次に、下のグラフにつきましても、余り細かくは聞いていないようでして、このグラフに関する質問の前の質問のところで、「副業・兼業についての考えを書いてください」ということで、認めているか、認めていないかということが問いとしてございますが、その次に、まさにこのグラフに関する質問でございますけれども、「前問で、現在、認めていないが、認めることを検討中、または、現在、認めていないが、一定の懸念が解消されれば認めることを検討するとお答えの方に伺います」としまして、ここの選択肢が示されているところでございますので、余り細かく雇用形態ごとに聞いているものではないようでございます。
 もう一つの就業構造基本調査につきましては、表も膨大なので、やれるかどうか、戻ってやってみたいと思います。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 ほかにどなたか。よろしいですか。
 ほかにどなたからも発言がなければ、そろそろ今回は終わりにさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、そろそろ11時になります。30分ほど早いのですけれども、質問が終わりましたので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 皆さん方、貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 それでは、定刻よりちょっと早いのですけれども、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 次回の日程については。
 
○岸田監督課長補佐
 次回の日程につきましては、開催場所等を含めまして、また先生方に御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 
○守島座長
 ありがとうございます。
 それでは、これにて第1回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を終了したいと思います。
 本日は、皆さん方、お忙しい中、お集まりいただき、どうもありがとうございました。

(了)