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2018年7月27日 第8回 たばこの健康影響評価専門委員会(議事録)
日時
平成30年7月27日(金)10:00~12:00
議題
(1)室外へのたばこの煙の流出防止措置について
(2)その他
(2)その他
議事
- ○木下補佐 定刻になりましたので、ただいまから第8回「たばこの健康影響評価専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、御礼を申し上げます。
まず、健康課長の正林より御挨拶申し上げます。
○正林課長 健康課長の正林でございます。皆さん、おはようございます。
本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろは健康増進分野、特にたばこの関係では、先生方には御指導、御鞭撻をいただいておりますことを、厚く御礼を申し上げたいと思います。
ようやくここまで来ました。御存じのとおり、健康増進法改正案がさきの国会で可決、成立をしていただきました。個人的な話ですけれども、私もかれこれ4年この仕事をしておりまして、4年目にしてようやく法律が通ったというところです。自分としてはやり切った感があって、非常に充実した思いで頭もすっきりさせていただきました。
ただ、法律がとりあえず可決、成立しただけではなくて、これから施行に向けてしっかりと準備をしていかないといけないと思っています。施行に当たっては、まず政令、省令です。具体的にどうしていくのかということをこれから細かく定めていく必要があります。
特に難しいのが喫煙専用室はどういうものなのか。基準を省令で定めることに法律上なっておりますので、どういう基準をつくっていくのか。煙が流出しないというのはどういう条件なのか。この辺について定める必要があります。そのために専門の先生方の御意見を頂戴することが必要ですので、こうして厚生科学審議会のもとに専門の委員会を設けて、先生方にお集まりいただき、御意見をいただくことになりました、
後で事務局から説明をいたしますが、実はいろいろな基準は過去にもつくってまいりました。古くは平成14年、当時も私が担当していましたけれども、分煙の基準なるものもありましたし、最近ですと、それをベースにしながら安衛法を改正した際に、同じように検討会で御議論いただいて、ガイドラインができ、そのガイドラインをベースにしながら実際の助成金を助成するに当たっての対象とすべきところはこういうところという要件があるわけですが、そうした流出防止の基準なるものがもともと存在しておりました。
そんなことについて、国会でもさんざん喫煙専用室というのはどういう基準なのだという質問を山のように受けましたが、そうした既存の助成金の要件というのを参考にして、専門の先生の御意見をお聞きしながら省令で定めていきますということを繰り返し大臣が答弁しております。
そういった背景とか、日本の場合は路上喫煙が禁止されている自治体も数多くございます。そうしたことも背景として考えながら、いろいろな基準というものを考えていかないといけないなと思っています。先生方には、専門のそれぞれのお立場から大所高所に立ってさまざまな御意見をいただき、そうした流出防止の基準をつくっていただけたらと考えております。
ただ、実はこれを急ぐ必要がありまして、2020年4月というのが最終段階の施行ですので、それまでに喫煙専用室をつくるところは急いでつくらないといけないので、そのためには急いで基準というのを示していく必要があります。通常ですと数カ月に1回の会議で1年ぐらいかけてなのですけれども、そういうわけにいかないので、後でスケジュールのことも申し上げますが、かなりタイトなスケジュールで、何度も何度も先生方にお集まりいただく必要があるかなと思っておりますが、その点についても御容赦いただけたらと思います。
会議の冒頭で言うことではないかもしれませんが、私ごとですけれども、一応内示もいただいていまして、来週からがんセンターのほうに参ることになっております。そのこともあわせて、恐らくきょうが最後になるかもしれませんので、一応申し上げておきたいと思います。場合によっては、きょうは中座する可能性もあります。行ったり来たりしながらの参加ということになるかもしれませんが、その辺も御容赦いただけたらと思います。
活発な意見を頂戴できればと思っておりますので、よろしくお願いします。
○木下補佐 次に、本専門委員会の委員として御就任いただいております先生方を御紹介いたします。
国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究部部長の井上真奈美委員でございます。
○井上委員 井上と申します。よろしくお願いいたします。
○木下補佐 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所作業環境研究グループの小嶋純委員でございます。
○小嶋委員 小嶋です。よろしくお願いします。
○木下補佐 国立研究開発法人産業技術総合研究所評価部研究評価室室長の蒲生昌志委員でございます。
○蒲生委員 蒲生です。よろしくお願いします。
○木下補佐 国立保健医療科学院生活環境研究部長の欅田尚樹委員でございます。
○欅田委員 欅田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○木下補佐 独立行政法人国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部室長の澤田典絵委員でございます。
○澤田委員 澤田です。よろしくお願いいたします。
○木下補佐 大阪大学大学院医学系研究科教授の祖父江友孝委員でございます。
○祖父江委員 祖父江です。よろしくお願いします。
○木下補佐 神奈川県健康医療局医務監兼保健医療部長の中澤よう子委員でございます。
○中澤委員 中澤でございます。よろしくお願いいたします。
○木下補佐 産業医科大学産業生態科学研究所健康開発科学研究室教授の大和浩委員でございます。
○大和委員 大和です。よろしくお願いします。
○木下補佐 本日は、全委員に御出席いただいております。
続きまして、事務局を紹介いたします。
先ほども御挨拶を申し上げましたが、健康局健康課長の正林でございます。
○正林課長 正林です。
○木下補佐 労働基準局安全衛生部化学物質対策課環境改善室長の西田でございます。
○西田室長 西田です。よろしくお願いします。
○木下補佐 健康局健康課たばこ対策専門官の平野でございます。
○平野専門官 平野でございます。よろしくお願いします。
○木下補佐 同じく健康課課長補佐の小峰は、後ほど参加する予定となっております。
私は、同じく健康課課長補佐の木下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、本専門委員会の委員長につきまして、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会運営細則第3条に従いまして、専門委員の中から部会長が指名することになっておりますが、地域保健健康増進栄養部会部会長の辻部会長より祖父江友孝先生を御指名いただいておりますので、祖父江先生に委員長に御就任いただきます。
祖父江委員長、御挨拶をお願いいたします。
○祖父江委員長 祖父江です。御指名ですので委員長を務めさせていただきます。
私は、がんの疫学を専門とする者ですけれども、その立場でたばこ問題にはかなり長らく関係してまいりました。先ほどの正林課長の言葉にもありますように、ようやくということで、我が国のたばこ対策というものはなかなか歩みが遅いというところもありますけれども、今回の法律は国レベルでの受動喫煙対策を進めるという意味では、大きな一歩だと認識しています。その法律が実効性のあるものになるように必要なことを決めていくということで、この委員会は重要な任務を担っているということを認識しておりますので、委員の方々、御協力のほうをよろしくお願いいたします。
なお、設置要綱では、「委員長に事故がある時は、専門委員会委員の中からあらかじめ委員長が指名した者がその職務を行う」ということとなっておりますので、委員長代理として欅田委員が適切かと思いますので指名させていただきますけれども、これでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○祖父江委員長 欅田委員、よろしくお願いいたします。
○欅田委員 よろしくお願いします。
○祖父江委員長 座って進めさせていただきます。
それでは、事務局より本日の配付資料について御確認いただきます。よろしくお願いします。
○木下補佐 それでは、お手元の配付資料の確認をいたします。
まず、議事次第、委員名簿、座席図、その下に資料が1~6がございます。
資料1 健康増進法の一部を改正する法律の概要
資料2 喫煙室の類型について
資料3 現行の受動喫煙防止対策助成金における要件
資料4 望まない受動喫煙を防止するための煙の流出防止措置について
資料5 整理すべき論点(たたき台)
資料6 専門委員会のスケジュール(案)
参考資料1 職場の受動喫煙防止対策に係る技術的留意事項に関する専門家検討会 報告書
参考資料2 平成17年度「効果的な空間分煙対策推進検討委員会」報告書(抜粋)
参考資料3 分煙効果判定基準策定検討会報告書
参考資料4 健康増進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成30年7月12日参議院厚生労働委員
会)
以上を配付しております。
資料の確認は以上でございますが、もし、お手元に配られていないもの、あるいは落丁等がございましたら事務局までお申しつけください。
もし、撮影のほうがございましたら以上ですけれども、よろしいでしょうか。
以降の議事は、祖父江委員長にお願いしたいと思います。
祖父江委員長、よろしくお願いいたします。
○祖父江委員長 早速議題に入りたいと思います。
議事次第に従って進めたいと思いますけれども、議題(1)が「室外へのたばこの煙の流出防止措置について」ということです。
議論に先立って、事務局から資料1と資料2に基づいて、今回の法案の概要を説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○平野専門官 事務局の平野でございます。
まず、改正法の概要について御説明をいたします。資料1、一番上の「改正の趣旨」をごらんください。今回、法律の改正の趣旨としましては、「望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理について権原を有する者が講ずべき措置等について定める」ということにしております。
御存じのとおり、平成15年の健康増進法以来、努力義務として受動喫煙対策を進めてきたところでございますが、残念ながらまだ受動喫煙が生じているという状況でございます。先ほどの課長の挨拶にございましたように、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックを契機としまして、受動喫煙対策を進めていくに当たって、今回義務化をして対策を推進するというのが今回の趣旨でございます。
「改正の概要」でございますが、「1.国及び地方公共団体の責務等」というのを設けてございます。国、都道府県、市区町村等は望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するため、相互に連携を図りながら協力するように努める。あるいは研究開発に努めるということが責務として明記されております。
「2.多数の者が利用する施設等における喫煙の禁止等」につきましては、類型に応じて一定の場所以外の場所における喫煙を禁止するという形にしています。具体的には、第一種施設、第二種施設という設定をさせていただいております。第一種施設がこの図の中でいきますAの区分でございます。学校・病院・児童福祉施設等、行政機関、旅客運送事業自動車、具体的にはバス、タクシーを想定してください。それと航空機などでございます。こちらにつきましては禁煙、それも基本的には敷地内禁煙という形にしていただきます。
下の※1でございますが、このような施設でも「屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することができる」という規定は設けてございます。
A以外のもの、Bの区分、第二種施設でございます。具体的には、事務所でしたり、飲食店、あるいは鉄道、船舶などが入る区分でございます。こちらについては、原則屋内禁煙という位置づけになっております。ただ、幾つかの例外措置が設けられております。一つは当分の間の措置として、加熱式たばこを想定しておりますが、厚生労働大臣が指定するたばこにつきましては原則屋内禁煙としましても、「喫煙室(飲食等も可)」という中での措置という形にしています。
もう一つ、一番右の白い枠のところをごらんください。「既存特定飲食提供施設」といたしまして、個人または中小企業、具体的には資本金5,000万円以下、かつ、客席面積100m2以下の飲食店につきましては、標識を掲示すること等によって喫煙可という位置づけにしています。
字が小さくて申しわけないのですけれども、「注」をごらんください。公衆喫煙所、たばこ販売店、たばこの対面販売をしているなどの一定の条件を満たしたバーやスナック等といった喫煙を主目的とする施設につきましては、法律上の類型を設けまして、喫煙可という位置づけにしています。
(3)は、旅館・ホテルの客室等、人の居住に供する場所というのは、今回の法律の適用の対象外とさせていただいております。
(4)は、喫煙をすることができる部屋には、二十未満の者を立ち入らせてはならないという規定も設けております。
(5)は、屋外や家庭等で喫煙をする際に、望まない受動喫煙を生じさせないような配慮義務ということも課しておりますので、今回の規制の対象外になるところで吸われるに当たりましても、一定の配慮をしていただくということが法律の中に示されております。
「3.施設等の管理権原者等の責務等」ということを明記しております。1つは喫煙が禁止されている場所に喫煙器具を設置してはならないということと、その施設の管理権原者等が違反している場合、都道府県知事は勧告、命令等を行うことができるという形にしています。
「4.その他」の(1)、今回は罰則規定を設けております。
(2)、従業員に対しても望まない受動喫煙を防止するため、適切な措置をとるように努めるということで、努力義務の規定を設けております。
(3)は、法律の施行後5年を経過した場合において、必要があると認めるときには、結果に基づいて見直しをするという規定も設けております。
「施行期日」は、まず、学校、病院、児童福祉施設、行政機関等については、ラグビーのワールドカップを前に施行するということを考えております。それ以外のBの区分については、東京オリンピック・パラリンピック前の2020年4月1日を施行日として考えているところでございます。
2ページ目、今、文字で御説明をしているところは、なかなかわかりにくいところがあろうかと思いますので、図でもう一度確認をさせていただきたいと思います。
まず、一番上のところです。子供や患者等、特に配慮が必要な方々が利用されるような施設として、具体的には学校、児童福祉施設、病院、行政機関等については、敷地内禁煙という形を原則といたします。ただ、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に喫煙場所を設置することはできるという規定にしています。
それ以外の施設については、原則屋内禁煙という形ではございますが、喫煙専用室などの設置は可という形にしています。絵の左側を見ていただきますように、施設の管理者によって禁煙という選択肢をとっていただくことも可能ですし、喫煙専用室を設けていただくこともできます。喫煙専用室を設けた場合は、この中では喫煙のみを行っていただくということになりますし、喫煙専用室には二十未満の方を立ち入らせてはならないということになります。
加熱式たばこについては、専用の喫煙室を設置すれば、中で飲食も可能という形になります。ただ、喫煙専用室、加熱式たばこの専用喫煙室、いずれの場合におきましても、室外への煙の流出防止措置を講じていただくことになります。
下の段でございます。経過措置として、既存の経営規模の小さな飲食店につきましては、別に法律で定める日までの間、店舗内で喫煙をすることが可能という形にしています。その場合も二十未満は立ち入り禁止ということになります。これはお客さん、従業員ともに立ち入り禁止の対象になりますし、この店は喫煙が可能な場所、店ですということを掲示することを義務づける形になっています。
一番下、屋外、家庭などについては、喫煙を行う場合には周囲に配慮してくださいという形になっています。
今回の委員会においては、室外への流出防止措置を中心に御議論をいただく予定でございます。
飛んで申しわけないのですけれども、流出防止措置につきましては参考資料4をごらんください。今回の法律を国会で御議論いただいた際の附帯決議でございます。
2ページの五番をごらんください。「第二種施設等における喫煙専用室や指定たばこ専用喫煙室の技術的基準については、本法の施行日までに喫煙専用室等を設置する事業者の負担に鑑み、早期に示すこと。その際、喫煙専用室等から流出した煙による受動喫煙が生じないよう、環境工学等の専門家を含めた適切な委員構成の検討会の下で最新の科学的知見に基づいた基準を定めること。また、受動喫煙防止対策に積極的に取り組む中小事業者に対し、費用の助成や税制上の措置等の適切な支援策を講ずること」ということが書かれております。
今回の専門委員会がこの「検討会」に該当するものでございまして、ここに書かれている環境工学等の専門家としては、具体的に小嶋先生、蒲生先生に加わっていただいています。
このような法律の体系になっておりまして、今回御議論いただく喫煙室の類型について、引き続き御説明をさせていただきたいと思います。
資料2をごらんください。御検討をお願いしたい喫煙室の類型としては4種類ございます。一つは喫煙専用室でございまして、第二種施設に設置するもので、室内の「一部」となります。必要となる措置としては、室外への煙の流出防止措置という形になります。喫煙専用室の中では、紙巻きたばこも加熱式たばこも両方お吸いいただけるというのが前提になります。ただ、喫煙以外の行為はできないという位置づけでございます。
2つ目は、指定たばこ専用喫煙室という位置づけになっておりまして、これは加熱式たばこを指定する予定でございます。加熱式たばこの専用室になりますので、紙巻きたばこは×、加熱式たばこが○という形になりますし、室内での喫煙以外の行為、具体的には飲食でしたり、業務ということになろうかと思いますけれども、そういうこともしていただけるという位置づけになります。
3つ目は喫煙目的室でございます。具体的には、シガーバーをイメージしていただければと思います。法律上はシガーバーや、たばこ販売店の喫煙室ということを想定しております。こちらについても、室外への煙の流出防止措置を御議論いただくということになります。
最後は喫煙可能室としまして、既存特定飲食提供施設が対象になります。先ほど申し上げました100m2以下、資本金5,000万円以下の中小企業が運営する店舗、もしくは個人が運営する飲食店というのをイメージしていただければと思います。こちらについては別に法律で定める日までの間、店舗の中で紙巻きたばこ、加熱式たばこの両方をお吸いいただけるという形になります。
少し条文もつけさせていただいておりますので、2ページ目、喫煙専用室のところだけを若干御説明させてください。(喫煙専用室)の第三十三条のところをごらんください。ここで下線部のところだけを読ませていただきます。喫煙専用室は部屋の一部でありまして、「構造及び設備がその室外の場所(特定施設等の屋内又は内部の場所に限る。)へのたばこの煙の流出を防止するための基準として厚生労働省令で定める技術的基準に適合した室」という位置づけになっております。この専門委員会で流出防止基準について御議論いただいた後、厚生労働省令を定めることを想定しております。
ほかに、指定たばこ専用喫煙室、喫煙目的室、喫煙可能室についても条文をつけております。構造としては同じでございますので、説明は省略をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○祖父江委員長 どうもありがとうございました。
ただいまの内容について、御質問等がありましたらお願いします。よろしいですか。
私から、経過措置として定められているものが指定たばこ専用喫煙室と既存特定飲食提供施設で、当分の間の措置、あるいは別途法律で定める間の措置がどの程度続くのかという見込みというのはどんな感じでしょうか。
○正林課長 具体的な期間は、今の段階では決めていません。文字どおり「当分の間」というのは当分の間で、何年という定めは特段ありません。ただ、別に法律で定める日というのも、立法行為をした上で、その中でいつまでと定めるものですので、今の段階でいつというのはございません。
○祖父江委員長 ほかに質問等はありますか。
皆さん、既におおむね熟知しているということだと思いますけれども、次に進んでよろしいですか。
次が資料3~5に基づいて、今回の議題でもある煙の流出防止基準について、事務局から御説明をいただきます。
○平野専門官 それでは、資料3「現行の受動喫煙防止対策助成金における要件」をまとめさせていただいております。
「○喫煙室を設置する場合」に2つ要件がございまして、1つは「壁等による隔離」、2つ目は「入り口における風速が毎秒0.2メートル以上」という形になっています。
下の※でございますが、屋外排気ではなく喫煙室内の空気を室内で循環させることによって要件、具体的には入り口の風速が0.2m/sということになるのですけれども、これを満たすものについては助成対象とはならないという形になっています。この基準の要件がどのような根拠をもとにつくられているかというところを、若干御説明させていただきたいと思います。
まず、参考資料1は、平成27年5月に、安衛法の改正に当たり、喫煙室の設置等を技術的に検討した際の専門家検討会の報告書でございます。そちらの7ページの「3 喫煙室の設置(空間分煙)に関する事項」がございます。そこの一番下のところですけれども、「たばこの煙が拡散する前に可能な限り吸引し、屋外に排出できる屋外排気装置が設置されていること」ということが書かれています。
8ページの真ん中より少し下の「(2)喫煙室の施設構造」の「3 喫煙室の扉・給気口(ガラリ)」の下のところをごらんください。「なお」から下ですけれども、「なお、前述のとおり、いずれの手法についても」、これは扉を開放していく方法と、扉を人が出入りするときのみ開放する方法の2つを指しているところでございますが、「喫煙室内の屋外排気装置等の機器を稼働させた状態において、扉を開放した際の開口面において喫煙室内に向かう気流が確保されていることが前提となる。この気流が0.2m/s以上であれば、通常は、喫煙室からのたばこ煙の漏えいはないものと考えられる」ということを根拠に0.2mとしています。
おめくりいただきまして、9ページの真ん中のところに小さな※がございます。「喫煙室内に向かう気流が0.2m/s以上」は、平成14年の分煙効果判定基準、職場の喫煙対策ガイドライン等で示されている数字であり、当該気流を満たしていれば、喫煙室内からたばこの煙の漏えいが認められないことが幾つかの測定結果から確認されているということが述べられております。
幾つかの測定結果の例としまして、一つおつけさせていただきましたのが参考資料2「平成17年度『効果的な空間分煙対策推進検討委員会』報告書」でございます。おめくりいただきまして、そちらの中の2ページの上から3つ目、「5 実態調査結果の概要」というところがございます。そちらを抜粋したのが4ページからのところでございます。画面を写したので字が小さくて申しわけないのですけれども、何カ所か追っていただければと思います。
「3.実態調査の内容」のところで、「(1)調査項目」の「エ 空気環境測定」として、浮遊粉じん濃度、一酸化炭素濃度、非喫煙場所から喫煙室等に向かう風速の測定、視覚・嗅覚によるたばこの煙の漏れの確認を行った結果でございます。
その結果の概要が下の「5.実態調査結果の概要」というところでございます。そこの(1)をご覧ください。「喫煙室であれば、ガイドラインに記載されているように出入口の開口部分で非喫煙場所から喫煙室へ向かう一定方向の気流が0.2m/s以上あればたばこの煙の漏れはないことが確認された」というところがございます。
具体的には、ア、イ、ウ、エのような項目がこの調査では確認されておりまして、(2)で「喫煙コーナーにおいても、境界部分で0.2m/s以上の気流が得られている場合にはコーナー外への漏れがないこと」も確認されているということでございます。この喫煙コーナーの中に喫煙ボックス等が想定される(事例9)のようなものも含まれておりますので、この定義上は喫煙室と喫煙コーナーとあわせて、いずれの場合も0.2m/sあれば漏れていないということが、この報告書で確認されているということを後ほどご覧いただければと思います。
参考資料3は、先ほどの資料1の※のところにつけておりました分煙効果判定基準の報告書でございます。概要の要点が1ページ目の1)、2)、3)、4)の4点でまとめられています。
1)、空気清浄機は粒子状成分の除去においては有効な機器もありますけれども、ガス状成分の除去については不十分であるということを結論づけております。ですので、2)、屋内に設置された喫煙場所の空気は屋外に排気する方法を推奨することが最も有効であると。
3)、有効なガス状成分を除去できる適切な機器の開発が今後の課題であると、平成14年の時点では結論づけているという状況でございます。
このようなことを受けまして、先ほどの資料3に戻りますけれども、現行の受動喫煙防止対策助成金においては、喫煙室を設置する場合は入り口における風速が0.2m/sということと、下の※にありますように屋外排気ということを求めていることになっております。
今回、御議論をいただきたい項目につきまして、説明をさせていただきたいと思います。資料4の2ページ目の「1.喫煙専用室」については、この図のイメージにありますように喫煙ブース的な小さな部屋を想定しておりまして、中では喫煙以外の行為は行えないという位置づけであります。紙巻きたばこ、加熱式たばこともに使用可能で、二十未満の方は立ち入り禁止という形になります。喫煙専用室の出入り口が室内の禁煙エリアにある場合については、喫煙専用室から出入り口を通じて禁煙エリアに煙が流出防止するような工夫が必要ではないかと考えています。
右側の2、出入り口が外にある場合については、先ほどの資料2の2ページの条文のところをご覧いただきますと、流出防止措置を考える対象としては、喫煙専用室から「室外の場所(特定施設等の屋内又は内部の場所に限る。)」という書き方をさせていただいておりますので、資料4の「1.喫煙専用室」の2のように、喫煙専用室の出入り口が屋外にある場合については煙の流出防止措置は不要という形になります。
おめくりいただきまして、加熱式たばこの専用喫煙室についても同じような整理ができると考えています。喫煙室の入り口が禁煙エリア、屋内に向いている場合は、屋内の禁煙エリアに煙が流出防止しないような措置が必要ということになります。2も同じように、屋外に出入り口があるケースの場合は流出防止措置が不要という形になります。
指定たばこ(加熱式たばこ)専用喫煙室は中で飲食ができるということになりますので、次の4ページの写真のようなものをイメージしていただければと思います。左側の写真はつい立てのようなものがありますけれども、喫煙室と禁煙室の境目は壁等がありません。このような形ですと、喫煙室から禁煙エリアに煙が流出してくるということになりますので、少なくとも右側の写真にあるように、壁等で基本的には区画をしていただくことが必要になってきて、その開口面において流出防止措置をどうするかというところを御議論いただくのかなと思っているところです。
おめくりいただきまして、「3.喫煙目的室における煙の流出防止措置について」は、いわゆるシガーバーでしたり、たばこ販売店等の喫煙室を想定しています。これも同じように喫煙室の出入り口が禁煙エリアに接している場合は、喫煙目的室から禁煙エリアへの煙の流出防止措置を考えていただく必要があろうかと思います。逆に、右側の図のように出入り口が外にある場合は不要という整理は同じかと思います。
おめくりいただきまして、「4.既存特定飲食提供施設における煙の流出防止措置について」は、既存の飲食店のうち経営規模が小さな事業者が運営するものを想定しております。規模の小さなところでは、直ちに喫煙専用室等の設置を求めることが事業継続への影響を考えて、困難であることが考えられますので、一定の猶予措置を設けるという位置づけで喫煙可能ということにしています。
左は、フォーカスがあまりよろしくない写真で申しわけないのですけれども、これは具体的に屋内に小さな店がいっぱい並んでいる写真なのですが、こういう屋内で小さな店が並んでいる中で小さな店一つ一つが既存特定飲食提供施設になり、喫煙可能となった場合、喫煙専用室を設けることが困難、なかなか設備投資が難しい状況の中で、たばこを吸われてしまうということが想定されているわけでございます。その際に店から共用部分でしたり、隣の店舗に煙が流れてくることがあると、望まない受動喫煙を生じることになりますので、こういうケースについて考えていただく必要があろうかと思っています。
おめくりいただきまして、7ページ目の左側の絵がそのイメージでございます。四角で囲った建物の中の右側のところに飲食店があるケースを想定してください。出入り口は前の写真のように禁煙エリアと接しているということになります。ただし、もともと喫煙専用室を設けるのが難しいような事業者さんを想定したものでございますので、喫煙専用室と同じような要件というのはなかなか困難であるという前提のもとで、流出防止措置を検討していただくということになろうかと思います。
既存特定飲食提供施設につきましては、いろいろな応用問題が出てきております。真ん中の絵をご覧ください。これはフロア分煙をするようなケースを想定しています。フロア分煙ですと、1階が禁煙フロアで、2階が喫煙フロア、通常煙は上に行くということがありますので、上の階が喫煙フロアです。そうしますと、喫煙フロアから下の禁煙フロアに煙が漏れてこないようなことを考えていただく必要があろうかと思います。
一番右の図は店舗の中、既存特定飲食提供施設における喫煙可能室は一部の設定も可という形になっています。店舗全体の中の一部分を喫煙エリアとした場合、残りのところは禁煙エリアになってまいりますと、喫煙エリアと禁煙エリアの境目が出てきまして、出入り口が通常考えられます。そうしますと、この出入り口を通じて、喫煙エリアから禁煙エリアに流出防止措置ということを考えていただく必要が出てくると整理をしています。
このような4種類それぞれにおいて幾つかの類型が想定される中、本日の専門委員会では、資料5に挙げております7項目について御議論をいただきたいと思っております。
資料5「整理すべき論点(たたき台)」として書かせていただいております。
「1 喫煙専用室における煙の流出防止措置としては、『入り口における喫煙室内に向かう風速が0.2m/s以上』でよいか」について、先生方の御議論をお願いしたいと思います。
「2 加熱式たばこ専用喫煙室における煙の流出防止措置は、喫煙専用室と同じでよいか」。具体的には、上の入り口における喫煙室内へ向かう風速が0.2m/sという形でございますが、これと同じでよいかということを御議論いただきたい。
「3 喫煙目的室における煙の流出防止措置は、喫煙専用室と同じでよいか」を御議論いただきたいと思います。
「4 既存特定飲食提供施設から、店舗外(屋内)へ流出する煙を防ぐための手法は、どのようなものが考えられるか」ということを御議論いただきたいと思います。
「5 既存特定飲食提供施設がフロア分煙とする場合、上階から下階への流出防止措置は、どのようなものが考えられるか」。
「6 既存特定飲食提供施設の一部を喫煙、一部を禁煙とする場合の喫煙エリアからの煙の流出防止措置は、喫煙専用室と同じでよいか」ということについて、御議論いただきたい。
「7 その他」は、先生方の事務局想定以外のところでお気づきの点等がございましたら、御指摘いただいて、御議論いただければと思っております。
説明は以上でございます。
○祖父江委員長 ありがとうございました。
流出防止措置に関しての説明でしたけれども、資料3、資料4、資料5、あるいは参考資料にも言及されていますが、何か確認のための質問がありましたら、ここでお願いします。
この点も熟知されていますか。よろしいですか。
どうぞ。
○澤田委員 がんセンターの澤田です。
素人質問かもしれませんが、入り口における喫煙室内に向かう風速を0.2m/sに決めたときの幾つかの事例に定員というのがありまして、それを超えた場合には保証がないのでしょうか。
○平野専門官 この点、大和先生、いかがですか。
○澤田委員 参考資料2の5ページの事例のところに喫煙定員というのがありまして、ここが6人とか4人とあるのですけれども、これを超えた場合は出てきてしまうということであれば。
○祖父江委員長 喫煙定員ですか。
○澤田委員 そうなのだとすると、表示するときに何人までというのが必要なのかなとちょっと思いましたというところと、これを超えたときには、0.2の陰圧だとしても出てきてしまうのであれば、定員の表示というのは必要なのかなと。工学的な知識は余りないですが、素人意見として思いました。
○大和委員 これは、産業医科大学で行った調査なのですけれども、例えば事例1の定員6というのが裏側にありますので見ていただければ、これは天井からのキャノピータイプの喫煙コーナーの下に燃えないスクリーンをつり下げているのです。面積として大きさが1.6m掛ける1.6mですから、この中に立って入れる人数は6人ぐらいということで決めているのです。7~9ページの事例も、キャノピーの面積から立って入れる人数が最大でこれ6人ぐらいと決めました。
もしも、漏れ防止がきちんとされているのであれば、中に入っている人数が幾ら多くても、中の濃度がひどくなるだけであって、キャノピーから外への漏れはありません。
○澤田委員 わかりました。ありがとうございます。
○祖父江委員長 ほかに、確認のための質問とかがありましたらどうぞ。
○井上委員 これも素人質問というか、これを決めていく中で周辺の法律がどうなっているのかがよくわからないので、一応確認だけしたいのですけれども、例えば、これはあくまで室内の規制で、今後は室外に喫煙場所が設けられると考えられます。今の状態でも、ビルが新しくなって、外に喫煙場所が設けられたようなきれいなビルでは、基本的に何が起こるかというと、外の空気が全体的に煙くなります。この法律によって外は全く規制できないわけなので、それに関して、ほかの取り決めによって外の環境に規制がかけられる法律のようなものは存在しているのかどうかということを念のためにお伺いします。
○小峰補佐 事務局から回答させていただきます。健康課の小峰と申します。途中おくれて参りまして、申しわけございませんでした。
御質問の件なのですけれども、今回の健康増進法におきましては、あくまで屋内を原則禁煙とするというものでございますので、屋外につきまして、禁煙というルールは基本的にございません。
その上で、今回の健康増進法の中でも、屋外を含め喫煙できる場所で喫煙をする場合においても、周囲の状況に望まない受動喫煙が生じないように配慮してくださいという配慮義務の規定を設けてございます。また、施設の管理者につきましても、喫煙場所を設ける際は周囲に望まない受動喫煙が生じないような場所にするように配慮してくださいという、あくまで配慮義務ですので、それに違反したら罰則があるというものではございませんが、そういう規定を設けて対策を講じていくこととしてございます。健康増進法以外で、何かそういう厳格なルールが決まっているものはないと承知をしております。
○大和委員 それについて、私たちは今、調査研究を進めているところなのですけれども、池袋駅東口に高さ3mで四方から囲われた喫煙コーナーがあります。壁際を歩いていても余りにおいを感じないような対策になっておりました。仮に屋外喫煙場所をつくるのであれば、周りに受動喫煙が発生しないのはどういう要件が必要なのかということは、今ちょうど実地調査をしているところです。
○平野専門官 今、御調査いただいている結果も含めまして、先に資料6をごらんいただきたいのですけれども、屋外の喫煙所の技術的留意事項につきましても、今の予定では第3回目のときにこの検討会で御議論いただきたいと思っています。
○祖父江委員長 ありがとうございます。
ほかはいいですか。
蒲生委員。
○蒲生委員 論点として0.2m/sでいいかという掲げ方がされているので気になるのは、設備の仕様として一応これが担保できていることをもって、いいという運用、想定なのか。あるいは実際の状況を時々モニタリングして、実際にそう運用されているということを要件とするのかによって、幾らか余裕を見ておかなければいけないのかどうかということの意識が変わるのかなと思って、そのあたりはいかがなものでしょうか。
○平野専門官 現状の助成金の基準につきましては、設計基準ではなくて、いわゆる検収基準という形で、設置した後に測定をして、0.2m/sを確保していることを確認していただくというプロセスが入っておりますし、新築でつくった後についても、定期的に測定をして、担保されていることを確認していくというプロセスが入っております。このあたりにつきましても、この検討会でその数字とあわせて御議論いただきたいと思っています。
○大和委員 一つ追加で発言しておきたいのですけれども、参考資料2の平成17年度の厚労省の報告書ですが、これは出入り口で0.2あれば十分というわけではなくて、人の出入りがなければ漏れは少ない、という程度です。人の出入りが多い場合は、歩くスピードが0.7m/sありますので漏れは発生します。ですから、0.2あれば十分という捉え方は誤りです。また、ドアがあると、ドアの押し開きで煙が漏れますし、今言ったように人の出入りで煙が持ち出される。そして、喫煙直後には肺の中に煙がたまっていますから、それは廊下などの禁煙区域で呼出されるという現象があり、この3つはどうしようもありませんので、喫煙専用室をつくったからといって受動喫煙はゼロにはなりません。
○祖父江委員長 実質の議論に入ってしまっていると思いますので、これからの議論は資料5の各論点に従って進めたいと思います。
まず、1、2、3というところが喫煙専用室、あるいは加熱式たばこ専用喫煙室、指定たばこという言い方ですかね、それから喫煙目的室、この3つについてまとめて議論したいと思います。残りの4、5、6の既存特定飲食提供施設はその後の議論ということで、分けて議論したいと思います。
1、2、3で、既に0.2が適当かということで進んでいますけれども、これについてコメント、御意見というものがあればよろしくお願いします。
○大和委員 今のことをもう少し追加すると、平成17年までを含めて、そのころは粉じん計の時間設定は1分毎の記録でした。。そうすると、ちょっと漏れても、漏れた量が前後の1分間で薄まってしまいますので、一見漏れていないような感じの結果が出ることもしばしばありました。今の私たちの測定は、5秒毎もしくは10秒毎でやっておりますので、ちょっとでも漏れたらしっかり捉えられるのです。
ですから、過去のデータは測定が1分毎だったのか、5秒または10秒毎だったのかをしっかり判定した上で議論したほうがいいと思います。少なくとも0.2あっても、実際に運用すれば漏れる、という前提で考えたほうがいいです。
○祖父江委員長 そのあたりについては、環境工学的にはどうなのでしょうか。
小嶋先生。
○小嶋委員 0.2というのは、例えばドアがある場合はドアを全開にしたときに0.2ですから、結構な風量になるのです。なので、0.3、0.4までふやしていくと、排気の能力はかなり大きなものが必要になってきまして、それは実際に実現するのが難しくなる場合が出てくるのではないかなという懸念はあるかと思います。
どうしても人が出入りすれば、0.6でも0.7でも漏れてきますので、静止した状態で漏れないというところで0.2というのが妥当な線ではないかなと。実現できるかという観点も考慮した場合、このぐらいがぎりぎり許される程度ではないかなと思います。
○大和委員 もともと0.2が目安にされたのは、実験室で使う有機溶剤のドラフトチャンバーの制御風速が0.4m/sなのです。0.4 m/sあれば実験者は有機溶剤に曝露されない、とされているわけですから、それをどこまで落としていったらいいだろうかということで、とりあえず半分に落としてみたら、人が出入りしていない状況では一定方向に空気が流れ、漏れなかった、ということで、0.2m/sが採用されました。そういう経緯を皆さんに知っておいていただければと思います。
どこまで落とせるかというのも、今、小嶋委員がおっしゃったように、もちろん喫煙室のドアの面積で0.4を設定すれば、もろちんほとんど漏れないのですけれども、大きな排気風量が必要になるので、どこまで気流を落とせるかということを検討したのです。ですから、0.4m/sを維持しながらということになると、上からのれんを垂らすという細かな議論になってくると思います。
○小嶋委員 例えば、0.2から0.4というのは、風速が2倍ということは換気扇の台数も2倍にすれば出るかというと出ないのです。ですから、0.2を達成するのに必要な換気扇を2倍にしたら開口面が0.4になるかというと全然ならなくて、せいぜい0.25とか、よくて0.3ぐらい。つまり、開口面の風速をちょっと上げるだけでも、必要な換気扇の数は指数関数的にふえてしまう。そういうこともありますので、0.2より大きい風速を実現させられる側にとってはかなり重荷になるかなという気はいたします。
○大和委員 既に喫煙室の作業環境測定などのときに0.2がずっと使われておりますから、作業環境測定士さんたちも多分この基準に慣れていると思いますので、この数字を余り動かすのは現実的ではないかなという気はします。
○祖父江委員長 何かありますか。蒲生委員はいいですか。
今の議論でいきますと、0.2というのが完全に受動喫煙を防止するために十分な値かといったらそうではないということを認識し、現実的にこういう喫煙専用室を設けた場合に0.4というのができるのかというと、相当の装置が要るとともに騒音というのもあるのですか。実際に可能かというと、現実性がかなり厳しい。現状は0.2ということで運用されているところが適切な落としどころであるということでよろしいですか。この数字を変えるということになると、またいろいろなデータを積み上げるということが必要になろうかと思いますけれども、その点はどうですか。
○大和委員 いいと思います。0.2は最低必要なということにした上で、漏れを防止する工夫をさらに追加する。例えばのれんをつけておくとか、ドアのあけ閉めをしなくてもいいような工夫をするということを補足条件、もしくは推奨対策のような形で追加しておくといいのではないかと思います。
それとプラスで、このような喫煙専用室には壁、もしくは天井に排気装置がついているのですけれども、そのすぐそば、もしくは真下に灰皿を置くとか、その運用の方法に関してもこれまでいろいろ検討しておりますので、喫煙専用室の全体に煙が広がらないような工夫が望ましいということもつけておくといいのではないかと思います。
○祖父江委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○欅田委員 欅田ですけれども、今、議論を伺っているところでは、0.2m/sというのがほぼ実態に合っているだろうというのがみんなの合意のようですが、実際にこれは今度罰則つきということになったところで、それを管理、運用するに当たっては、それが実行されているかどうかというのは、先ほど平野専門官からは設備基準なのか、実測に基づくものなのかということで、現行の助成金の要件は実測に基づくものというお話でしたけれども、この風速をエンドポイントとして評価していくのか、漏れていないかどうかということを大和先生がされているような形で、粉じんの測定なども対象として入れるようなことになるのか、そこらはいかがなのですか。
○祖父江委員長 それはどうですか。
○平野専門官 この検討会で議論をいただきたいポイントだと思っています。
○祖父江委員長 実際、風量だけでなくて、外側で粉じんの濃度とかを測定する。あるいは喫煙室内でも測定することが必要だということですか。
○欅田委員 必要だというか、それをどうされるのかなということの問題提起だけです。実際に粉じんの測定となるとかなり技術的なことも含めて、大和先生は研究的なもので非常に幅広く実測をしていただいていますけれども、管理、運用ということを考えると難しいところもありますから、そこらをどうされるかなということで問題提起です。
○大和委員 特に作業環境測定士さんたちがはかっている場合は、1分置きに1個しかデータをとらないので、少々の漏れがあっても前後1分間で薄まってしまうから、「良好」と判定されてしまいます。かなりの漏れがあっても、今はそれの判断基準が事務所衛生基準規則の浮遊粉じん濃度0.15mg/m2以下ですから、それを超えるような大量の漏れは普通はありません。ですから、かなり漏れていても、全部「良好」と判定されてしまうことが問題だと思っています。
○平野専門官 事務局としては、あくまでも基準は最低限として、実際に運用される方に余り負荷がかからない方法を検討していただきたいとは思っています。だから、余り必要性が示せないものは外していく形で御検討をお願いしたいと思います。
○小峰補佐 補足をさせていただければと思います。資料2に法律の条文という形で喫煙専用室などの条文をお示しさせていただいておりますが、これをごらんいただければと思います。例えば2ページ目は喫煙専用室の基準ですが、構造及び設備が技術的基準に適合した室を喫煙専用室にできるということとしておりますので、あくまで部屋の構造だとか設備がどうなっているかということになりますので、ずっと室内で濃度をはかってとなると、それは構造、設備から若干外れるような感じになりますので、あくまで部屋の構造、設備という基準がどのようになっているかということが法律上は求められると思います。その上で、先生方に今御議論いただいていますように、よりよくするためにこういう工夫をもっとしたほうがいいというのは、通知などでお示しするというのはあり得るのかなと考えております。
○祖父江委員長 そういうことで、風速というのが構造、設備の確認ポイントに当たるということですか。
○小峰補佐 事務局として、そうだと申し上げるものでもないですけれども、先生方の御意見を聞いているところではそうなのかなという印象を受けております。
○大和委員 仮に構造、設備という観点から考えれば、そこに設置されている排気装置の初期性能の排気風量を出入り口の開放空間で割って、それが0.2m/s以上あるかどうかというのが単純に書類上から判断できることになると思います。
○小峰補佐 ありがとうございます。
どういった形で0.2m/sをカウントするのかといったところもあわせて御議論いただければと思います。
○大和委員 排気風量と開口面積の割合で風速が決まるわけですから、それが最初から0.2 m/s以下しか設定できないようなものであれば、不適合ということになると思います。
○祖父江委員長 それは、構造上の数字で計算できるものなのですか。
○大和委員 設置される換気扇の性能というのは、カタログ上の性能がついていますので、出入口の幅と高さから開口面積が出ますから、あとは3,600 s/hで割れば1秒間でどのぐらいの風速があるかの予測はつきます。
○祖父江委員長 一応、計算上はできると。それで十分だということですか。
○大和委員 それで十分ではないのですけれども、その段階で0.2を割っているようだったら不適合ということです。初期性能は良好であっても、グリルが汚れたり、天井裏のダクトの中にごみが詰まって風速はだんだん落ちたりすることはあるのですけれども、初期性能からそれがなければ不適合だろうと思います。
○祖父江委員長 どうぞ。
○小嶋委員 細かいことなのですけれども、換気扇の仕様に書いてある排風量というのは、基本的に何の負荷もかかっていない状態で出る最大限の排風量なのです。実際につけて動かしますと、それよりは確実に少ない排風量になりますので、最初の計算の段階で0.2mをぎりぎり確保できそうだというぐらいですと、実際につければかなり高い確率で開口面は風速0.2を下回るということが考えられます。
○大和委員 そうすると、初期性能に安全率のようなものを掛けて、0.7とか0.8を掛けた状態でやればどうなのでしょうか。
○小嶋委員 確実な安全率の数字が幾らぐらいかというのは、状況によって変わりますので、わからないです。
○大和委員 これは経験的に決めるしかないのではないかと思います。
○小嶋委員 やはり、かなり余裕を持ったものをつけて、あとは実測するということが現実的ではないかなと思います。
○大和委員 仮に軸流ファンであれば、屋外にウェザーカバーをつけることでも落ちるし、天井埋め込み型だったらダクトで発生する圧力損失で落ちるし、密閉型のドアであると、流入する空気の抵抗が自由には入ってきませんから、いろいろな要因で落ちます。ですから、それらは幾つか実際の施工例を見て、先ほどの表のように一覧表をつくってみて、このぐらいかなという数字、つまり安全率を出さないといけないかもしれませんね。
○平野専門官 今のところ調べた限りでは、経年劣化の係数についても、性能補償の係数についても、喫煙室については係数がございませんので、今の係数を掛け算してやるということであれば、この検討会で係数を議論する必要が出てきます。
○祖父江委員長 ただ、実測ということがそんなに実施可能性を低めるわけではないのですね。風速をはかるということであれば、粉じんの濃度をはかるということに比べれば、ある程度定期的にモニタリングができるということでよろしいですかね。
○蒲生委員 先ほどの事務局からの説明では、助成金は基本的に検収の基準と、モニタリングも風量としてはやっているということなので、そういう意味では、実際の設計の風量、換気扇の性能だけから機械的に計算できるものではない、それはある程度の経験に基づくのかもしれないのですけれども、ある種の安全率を見込んで設計して、ぎりぎりを狙ってつくってみたが、だめでしたというわけにもいかないでしょうから、その辺で既に経験は相当蓄積があるのではないのかなと。だから、ある程度実際の設備として0.2が担保できるということが、今までの経験上、受動喫煙の助成金のほうでされているということでいいのではないかなと思いました。
あと、いろいろな物質をはかるというのは、先ほど大和委員も言われたように完全に漏れないということはあり得ないので、そうすると、はかれば何かが漏れている証拠が出てしまうときに、それをどこで切るのか。そういうものを一切認めないというと無限のスペックになってしまうので、余りそれは現実的ではないのかなと思いました。
○祖父江委員長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。
どうぞ。
○中澤委員 神奈川県の中澤です。
今、皆さんの御議論を聞いていて、うちのほうでずっと職員の人数を結構ふやして、条例を持っていますので回っているのですけれども、うちの条例も基準としては、開口部分において、喫煙禁止区域から喫煙区域または喫煙所の方向に0.2m/sの気流を生じさせなければならないとしていて、あと、外部に排気させるという形で、恐らくちょっと前にうちの職員から聞いたときに、流量計みたいなものでぐるぐるあちこちを回っているときに、立ち寄った形ではからせてくださいみたいな感じで、ここは足りていないから、実態はこういうふうになっていると。つくったばかりのときと、その後で劣化してきたり、落ちてきたときなどに、事業者さんは当然機械はずっと動いているからいっているのだろうというところで、こういう状況ですよということをアナウンスしながらやっているというところがうちの状況になっております。
なので、皆さんの非常に厳しいというか、調査に基づいた結果をお聞きしていて、それをうちの状況で見ていても、0.2m以上と当然政省令では書くべきだと私も思うのですけれども、なかなかそれ以上の高い基準を求めていくと、全国の自治体はどこもなかなか実効的な形にならないのではないかというのは懸念するところがあるのです。健康とか受動喫煙対策としては当然必要だと思うのですけれども、余り現実的ではない厳しいものを求め過ぎてしまうと、やっていますといってやらない状態になってしまうと名ばかりになってしまうので、それも懸念するところではあります。
○祖父江委員長 逆に言うと、0.2であれば実施可能性というか、実現可能性というか、それほど無理なく達成できているところが多いという経験をされているわけでしょうか。
○中澤委員 そうです。神奈川県では0.2m以上ということでやっていただいています。もちろん、回っている間にそうなっていないところもあることはあるのですけれども、実際にそういう形で、あちこちの業者さんは0.2m以上の対策をしていただいているという状況になっています。
○祖父江委員長 ほかはどうですか。
今、0.2という値の適切さと、それをモニタリングするのか、あるいは設計上で計算するのかということを議論しましたけれども、1、2、3の区別というのがそれぞれ喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室、喫煙目的室それぞれで別の基準を設けるべきか、同じものでよいのかということが一つ議論すべきところなのですけれども、その点に関してはどうでしょうか。
○大和委員 私は、この3つに関しては、基準は同じでいいのではないかなと思います。
○祖父江委員長 理由は。
○大和委員 緩めると当然漏れますし、強めるわけにもいかないし、基準がばらばらあると、実際の運用としては大変だろうと思います。
○祖父江委員長 ほかはどうですか。
○井上委員 全く同じ意見ですけれども、そもそも出る煙の制限を考えての条件なので、当然一緒でいいのではないか、一番厳しいところに合わせて当然なのではないかなと思います。
○祖父江委員長 ちょっとうがった言い方をすると、加熱式たばこ専用喫煙室はひょっとしたら内部の濃度が低いかもしれませんね。だから、緩くてもいいのかなということは出てこないですか。
○大和委員 内部の濃度よりは、漏れに関しては出入り開口面での風速に左右されるわけですから、それは変わらないと思いますね。0.2以下だと、実際には風速計ではほとんどはかれないです。0.2ぐらいから安定してはかれるかなというところなのです。
○祖父江委員長 どうぞ。
○小嶋委員 今、大和先生がおっしゃったとおりなのですけれども、0.2より上げるというのはいろいろ難しいことが起きてくるのですが、下げるのはどうかと言いますと、0.1になると小さ過ぎてきちんとはかれない。
○大和委員 はかれないですね。
○小嶋委員 今度は確認する上での困難というのが出てきまして、0.1にした場合、0.1をチェックするのが技術的に難しくなる。余りにも小さ過ぎて、いろいろな誤差がきいてきてしまいまして、0.1をチェックするというのは実務上困難になってきますので、そういうことを考えますと、0.2より落とすというのは別の面で難しいかなと思います。
○祖父江委員長 ありがとうございます。
1、2、3については、0.2という数字でさらに区別はしない、同じ基準を用いるということで、おおむね議論が尽くされたと思います。
では、4、5、6、既存特定飲食提供施設においての基準あるいは対応といったところを議論していただきたいと思います。
○大和委員 4番ですか。
○祖父江委員長 4、5、6ですね。
○大和委員 とりあえず、4番についてコメントしていいでしょうか。
小さな飲食店でも、必ず調理のための強力な換気扇がついていますので、お店の外に煙が流れているということは余りないのです。逆に店舗内は禁煙にしているけれども、出入口のすぐ外に灰皿が置いてあると、外で吸われた煙が中に入り込んできて、店内では吸われていないのにお店の中がたばこ臭いという現象が発生します。ですから、4はほとんど問題にはならないです。
○祖父江委員長 問題にならないというのは。
○大和委員 何もしなくても煙は漏れません。先ほどの写真にあったように、モールみたいなところに幾つか小さな店舗があるとしても、調理の排気は全部屋外へダイレクトに排気していますので、そこが局所排気のブースのような形になっています。ですから、出入り口から外に漏れるということは余り想定しなくていいです。
それよりは、店舗の外に灰皿を置いたら困るということは議論の余地がありますけれども、4については、店舗内から店舗外へ漏れるということは余り想定していないです。
○祖父江委員長 ただ、この例のように、屋内に通りがあって、余り仕切りがないという場合です。
○平野専門官 資料4の6ページです。
○祖父江委員長 6ページは、恐らく各店舗がドアをあけ放って営業している。
○大和委員 これは通りにオープンな感じですね。先ほどは一つ一つの店舗が出入り口以外にないようなことを想定しましたけれども、確かにこれだと通りに漏れますね。
この場合は、可能な限り壁をつくって閉じてもらうしかありません。この状態でも店舗専有部分というのはあるはずですから、専有部分のところには少なくとも壁、のれんもしくはロールスクリーンなどを垂らしてもらって、開口面積を小さくする工夫をしてもらうしかないです。
○祖父江委員長 のれんとかビニールカーテンですね。できるだけ閉めてもらうというか、仕切りを設けてもらうことで、対応するということですね。
○大和委員 それしかないですね。
○祖父江委員長 仕切りさえつければ、恐らく飲食店等は換気がされているだろうから、ある程度の陰圧は発生するだろうということですね。
4、5、6で、特に6番は既存特定飲食提供施設とはいえ、一部を禁煙として区分して使うような場合の流出防止装置が上の1、2、3と同じでよいかということも議論していただきたいと思います。これについては議論するというか、そうするしかないという感じですか。
○大和委員 先ほどと同じだと思います。
○祖父江委員長 同じような理屈であって、喫煙専用室と同じ条件を設けるということですかね。
あと、特殊な例として、1階、2階と階層構造になっていて、その間の区分をどうするか。ここは特殊な事情があるのですね。
○平野専門官 資料4の7ページの真ん中の図でございますけれども、例えばこのような形の階段で1階、2階と分かれているようなところですと、階段というのはのれんをつけたり、ビニールカーテンをつけたりということが消防法上ひっかかってくる可能性が高くて、なかなかつけられない状況もありますので、このあたりも鑑みてコメントをいただければと思っています。
○大和委員 消防法で決められているのは、天井から50cm以上区画できない、というのがあります。
○平野専門官 ただ、竪穴になりますので、竪穴には基本的に物を置かないでくれということが消防の原則になってくるので、消防が立ち入り検査したときにこれをとってくれと言ってくる可能性が高いと思っています。
○大和委員 50cm以内におさめておくということはどうなのでしょうか。以前、私たちの大学が禁煙化される前、過渡的な時期に喫煙室を仮設したことがあるのですけれども、そのときには、ロールスクリーンを下げて、たばこを吸うときだけはおろします、吸い終わったら上げておきますと言いながら、実際はずっとおろしっ放しのロールスクリーンを設置していたことがあります。上の喫煙フロアから下におりる階段のところにスクリーンか何かを垂らしておくというのもありかなと思ったのですけれども、火災のことを考えると階段になにかをぶら下げるのは困難だと思います。空気は上のほうが暖かいわけですから、暖かい空気が下におりてくるということは余りないので、階段から煙が下に降りてくる、というのは現実的には余り問題にはならないと思うのです。
○祖父江委員長 その竪穴に当たる開口部を狭くするようなことは、余り現実的ではないということですね。
○大和委員 これが逆のパターン、下が喫煙で上が禁煙であれば明らかに問題ですけれども、このパターンであれば、現実的に大量の煙が下に降りてくるということはないと思いますけれども、欅田先生、どう思いますか。
○欅田委員 今、大和先生が言われたように、上層のほうは暖かい空気が入るので、そういう方向でいいと思うのですけれども、一つは地下室を持っている場合です。上の喫煙フロアになるところが1階で、地下が禁煙フロアになっているときはどういう扱いにするのか。必ずそこを通って入らないといけないような構造の店もできる可能性があるのです。
○大和委員 確かに東京は地下に店舗がありますね。
○平野専門官 その場合は、喫煙フロアを通らないと禁煙フロアに行けないのであれば、その店は喫煙の店と表示してもらうということではないでしょうか。
○大和委員 出入り口で、望まない受動喫煙を受けるわけですものね。
○祖父江委員長 既存特定飲食提供施設の場合、別に一部を禁煙にする必要は特にないわけですね。全体ということでいくのであれば、そこを必ず通るということであれば、全部が喫煙エリアですと表示してもらうということですか。
○大和委員 そうなると思います。
○祖父江委員長 どうぞ。
○欅田委員 今もちょっと話がありましたけれども、一応何らかの標識をするということですね。それぞれこういう区画を分けたときには、店舗としての標識をするのか、あるいはそれぞれ分けた区域についての標識をするのか、そのあたりはどのような扱いになるのですか。
○大和委員 店舗全体ではないですか。
○小峰補佐 申しわけありません。再度お願いできますか。
○欅田委員 例えば、先ほど7ページの分がありましたけれども、既存特定飲食提供施設とした場合に、中で喫煙エリア、非喫煙エリアを分けるような構造をとろうとした場合に、標識というのは店舗としての標識にするのか、各区画での標識を提示するのか、どのような扱いになるのですか。
○小峰補佐 まさに7ページの右側の絵のような場合かと思いますけれども、この場合は喫煙専用室などと同じで、喫煙専用室から説明させていただくと、喫煙専用室が施設の中にある場合、標識が必要なのは2カ所になります。喫煙専用室の出入り口と施設全体の出入り口の2カ所に張ることになります。それと同様に、7ページ目の右側のような絵の場合は、店舗内の喫煙室のところにここは喫煙場所だという標識が1つ、あとは施設全体の出入り口のところにうちの店には喫煙場所がありますよという標識を張るということで、2カ所に張ることになります。
○欅田委員 ありがとうございます。
○祖父江委員長 その2カ所の店全体に張るほうのサインは、一部に喫煙エリアがあり、禁煙エリアがあるという場合と、全体、1階になっている場合と表示が違うのですか。
○小峰補佐 全部が喫煙場所ということですか。
○祖父江委員長 はい。
○小峰補佐 全部が喫煙場所の場合は、省令上どう書くかは議論がありますけれども、うちの店は全体が喫煙可能場所ですという旨がわかるような文言を張る。7ページの右側のようにしっかりと煙が漏れ出ないようなことをやった上で、一部だけ喫煙にしたのであれば、法律上は喫煙可能室と言っていますが、うちの店は一部にそういう部屋がありますよという旨を表示する。
○大和委員 2種類あるということですね。
○小峰補佐 全部の場合と一部の場合で、若干文言が変わってくるということになります。
○祖父江委員長 どうぞ。
○蒲生委員 5の上下階の区分けのことなのですけれども、これは指定たばこの区分けでも同じ議論になる想定なのでしょうか。
○平野専門官 おっしゃっていますのは、上の階の喫煙エリアを加熱式専用にするというイメージのことを指されていますか。
○蒲生委員 そういうイメージで、必ずしも既存特定飲食提供施設ではないですけれども、要は上下階の区分けが基本的に上の階が喫煙である場合には特に問題ないとなっていたとすると、指定たばこにおいてもそれは適用されるという解釈になっていくようなものなのでしょうか。
○平野専門官 小規模飲食店において喫煙場所を設定していただくことになるわけですけれども、その喫煙のところで紙巻きたばこと加熱式たばこの両方可能という選択にするのか、それとも、うちの店は紙巻きたばこはだめだけれども、加熱式たばこだけは吸っていいよと設定していただくのも店の自由としてはあり得ますので、小規模飲食店が真ん中の形で、2階は加熱式だけがオーケーですという設定はあり得るかなと思っています。
○蒲生委員 どちらかというと、小規模飲食店ではなくて、もっと一般的な何らかの店舗なりオフィスにおいて、仮に1階、2階という構造がある種の煙の流出防止効果があるという判断だとすると、小規模飲食店でなくても、フロアを分ければ、例えば上の階については指定たばことその他の活動とが可能なフロアという設定ができるような印象があるのです。
○平野専門官 そこは議論があるところだと思っていまして、フロアを分けたときに先ほど議論いただいた0.2m/sがなくてもよしとするのか、それとも、加熱式たばこを吸う場合はきちんと壁をつくって0.2m/sを確保してくださいという形にするのかどうかは、この専門委員会で御議論いただきたいポイントだと思います。
○祖父江委員長 今のたてつけだと、開口部が0.2m/sの流速を保つことを上下階の場合も求めるということなのだと思います。
○蒲生委員 それはそういうことなのですね。
○祖父江委員長 それを特に求めないということですか。
○平野専門官 蒲生先生の御意見は、それでいいのかどうかが御議論いただくポイントなのかということですね。
○祖父江委員長 現実問題、恐らく階段で0.2というのを求められないですね。
○蒲生委員 私、そこも質問したくて、基本的に上へ上がっていくのでというのは感覚的にもそうだし、そういう発言もあったのですけれども、常に階段というのは基本的に上昇気流が起きているという想定でいいのでしたか。
○祖父江委員長 どうでしょうか。
○蒲生委員 どうなのでしょうか。
○大和委員 実測したことはないのですけれども、普通は2階にも換気扇がついていますので、1階から2階に空気が強制的に移動しているはずです。それにプラスで上昇気流があるから、きっと空気は下から上に流れているだろうなと思った次第ですが、実測したことはないです。
○蒲生委員 エアコンがすごく効いていると、冷たい空気が上から下がってくるという印象も素朴にはあったりして、たばこの煙自体は最初は温度が高いので上がっていくでしょうけれども、ほどなく温度は一定になっていくでしょうから、個人的には、上下階であっても結局同じルール、0.2をどう担保するかというのはありますが、担保しないといけないのではないかと思ったのです。
○大和委員 私もいろいろなところではかりはしたのですが、このパターンは1回もはかったことがないので、4回の会議の議論の中でということでしたら、仮に必要であれば早急にでも測定することは可能です。やってみないとわからないですからね。
○小嶋委員 上下階で分ける場合なのですけれども、基本的に上の階の空気、煙が下に来る可能性はそんなに多くはないのですが、私、この前に入ったレストランがそうだったのですけれども、1階に厨房があって、厨房のレンジフードで強力に引いているのです。そうしますと、1階のほうが2階よりちょっと減圧になっていますので、多分そのせいではないかと思うのですけれども、2階のにおいがすごく1階に届いているようなことがありました。ですから、1階の厨房の換気扇に負けないぐらいの換気扇を2階につけないといけない可能性もあるかなと思います。
○大和委員 今、私が想定していたのは、コーヒーショップの1階でコーヒーを受け取って、2階に上がるようなところを思い浮かべていたのですけれども、確かに1階、2階で、がんがん火をかけて調理しているお店もありますね。そうなると、仮に測定するとしたら2つの測定が必要になると思います。
○祖父江委員長 これも、どうやって確認をするかというところは、まだ実験というか、実測ということを。
○大和委員 これは、実測をやらないとわからないです。
○祖父江委員長 その辺に関しては、データを積み重ねるということが必要なのかもしれませんね。
「7 その他」というのもありますが、何かありますでしょうか。
○大和委員 これとは少し離れますけれども、学校とか病院など既にほとんどが敷地内禁煙になっているところが、措置をとられた場所には設置できるというこれを根拠に、せっかくの敷地内禁煙が崩れていくということはどうやってストップすればいいでしょうか。
○小峰補佐 御指摘のところにつきましては、そもそもあくまでこれは設置することができるということにしていますけれども、設置を推奨するような趣旨では当然ございませんし、あくまで敷地内禁煙というのが原則ですという法律上の趣旨になっておりますので、例えば、学校であれば文科省さんといったところとよく連携をして、通知とかでお示しをして周知していきたいと思っております。
○大和委員 都条例は、学校と病院は屋外であってもだめですよとなっていますね。そこのところがこの法律と都条例でちょっと違っていたところなので、そこのところをもう少しアピールされるといいのだろうなと思いました。
○小峰補佐 そこは御指摘のとおり、国会審議の中でもいろいろな御指摘をいただいたところでもございますので、繰り返しになりますが、しっかりと周知徹底をやっていきたいと思っております。
○平野専門官 そこは、参考資料4の参議院の附帯決議の四番のところにも書かれておりますので、御確認をいただきたいと思います。
「四、第一種施設のうち学校等子どもが主に利用する施設については、特定屋外喫煙場所の状況等の実態調査を行い、その結果に基づき、子どもの受動喫煙が生じることのないよう、敷地内完全禁煙の実施の可能性について早期に検討すること」ということが書かれておりますので、そこも配慮しながら進めていくという形になります。
○大和委員 なるほど、わかりました。
○祖父江委員長 どうぞ。
○中澤委員 神奈川県の場合は、敷地内禁煙という形でなくて、公共施設は建物だけを禁煙にしているのです。そうすると、例えば外で吸う人たちが病院の出入り口のあたりとか、特によく苦情があるのが学校で運動会をやっているときに、やはり学校の中はねということで入り口のあたりで父兄の方が相当多く吸われたり、あと、職員の人がどこかでまとまって吸っているというのが、好ましくない場所で吸われてしまうことがあるということなので、決して喫煙所をつくることを推奨するわけではないのですけれども、そういう方たちはやはり1カ所にまとめておかないと、せっかく学校を敷地内禁煙にしても、校門のすぐ外で吸われると、子供たちが出入りしますので、そういう意味であれば敷地内につくったほうがまだいいのかなと思っています。
○平野専門官 このテーマは、本専門委員会とは違います。
○大和委員 もう一つ、病院に関してはこれまで精神科病棟と緩和ケア病棟、長期療養型は喫煙室があるところが多かったのですけれども、これが施行されると、そういうところも最低でも建物内禁煙になるのですね。
○小峰補佐 そういうところも含めて、病院全てが対象になります。
○大和委員 仮にそういうところは、喫煙する患者さんがたくさん入院しているからといってつくろうとすると、特定屋外喫煙場所というのが必要になってくるということになりますね。
○小峰補佐 そのとおりでございます。
○大和委員 それをつくらなければ、敷地内禁煙が求められることになりますね。
○小峰補佐 そうです。
○大和委員 わかりました。
○祖父江委員長 ほかはどうでしょうか。よろしいですか。
資料5に基づいて議論していただきましたけれども、本日の段階でのまとめとしては、まず、1、2、3、6の喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室、喫煙目的室、既存特定飲食提供施設の一部を区画して喫煙エリアとする場合の流出防止措置としては、現行の助成金と同様に、入り口における風速0.2m/s以上ということを基本に考えていくということで、皆さん、コンセンサスを得られたかと思います。
その上で4、5、特に5の上下階で分けるというときの措置については、本日の委員の御意見、御提案をもとにして、事務局で技術的な留意事項をまとめていただいて、次回以降に本委員会で確認するということにいたしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○祖父江委員長 その線で進めさせていただきます。
それでは、最後に今後のスケジュールなどについて、事務局から説明をしてください。
○木下補佐 本日の議論を踏まえまして、委員長とも御相談の上、事務局において関係団体からも意見を聴取したいと考えております。
次回、第9回専門委員会の日程は未定ではございますが、今回いただいた御意見及び関係団体からの意見聴取の結果をもとに御議論をお願いしたいと考えております。なお、第2回目以降のスケジュールは、先ほど平野が若干触れましたが、資料6に今後のスケジュールをお示ししておりまして、こちらで今後進めていくことを想定しておりますが、日程等を委員の先生方と調整の上、定まりましたら、後日改めて御連絡申し上げますのでよろしくお願いいたします。
○祖父江委員長 それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。