2018年7月23日 第6回労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会 議事録

日時

2018年7月23日(月) 14:00~16:00

場所

三田共用会議所 講堂

議題

(1)労働者の心身の状態に関する情報の適切な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針(案)について
(2)その他

議事

  

○秋山室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第6回「労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
本日は、石塚委員、土肥委員、森委員が御欠席と御連絡をいただいております。また、椎葉委員は現時点でいらっしゃいませんが、遅刻等々の御連絡はいただいておりません。定刻になりましたので、このまま進めさせていただくということで御了承いただければと存じます。
それでは、カメラの撮影はここで終了とさせていただきます。
(カメラ退室)
○秋山室長補佐 それでは、ここからは座長よりお願いいたします。
○山口座長 皆さん、こんにちは。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、資料の御紹介をお願いいたします。
○秋山室長補佐 それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
1枚目の表紙のところに、<配布資料>という形で記載をさせていただいております。
資料1が指針の案になってございます。
参考資料といたしまして、1~5でここに記載のものを御用意させていただいています。
参考資料1が4回目まで議論いただきました骨子案。
参考資料2と参考資料3が、それぞれ第5回、第4回の議事録。
参考資料4が開催要綱。
参考資料5が皆様方の名簿という形でつけさせていただいております。
資料に過不足等々はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
追加で御連絡です。椎葉委員ですけれども、諸事情により欠席という御連絡が入りましたのでお伝えさせていただきます。
以上になります。
○山口座長 ありがとうございました。
それでは、議論に入っていきたいと思いますが、本日は最後の検討会ということですので、この指針案で特に文言とか表現を最後に詰めていけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局から資料1の説明をお願いいたします。
○秋山室長補佐 それでは、引き続き資料1の御説明を差し上げます。
前回から大きく変わった点をかいつまみながら御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、1枚目の「1 趣旨・総論」につきましては、1つ目の段落の下のほうになりますけれども、「よって」以降に労働安全衛生法、じん肺法という根拠条文を加えさせていただいております。ここが大きな追加事項になっております。
同じ段落内の真ん中ら辺になりますが、これまで「心身の状態の情報を取得して」という記載をさせていただいておりましたが、ここは法律等々の体裁を合わせるという形で「収集」という文言に変更を加えさせていただいております。なので、以後出てくる「情報を取得して」と記載していた部分は全て「収集」に変更が加わっておりますので御承知おきください。
同じく「1 趣旨・総論」の中で、2段落目になりますけれども、「取扱規程については、健康確保措置に必要な」ということで、前回「雇用管理に必要な」という記載をさせていただいておりましたが、ここを「健康確保措置」という文言に変更を加えさせていただいております。
「2 心身の状態の情報の取扱いに関する原則」に移ります。
まず、「(1)心身の状態の情報を取り扱う目的」につきましては、1段落目と2段落目で前回から文言として言い切るような形に変更を加えさせていただいています。1段落目では「そのために必要な心身の状態の情報を適正に収集し、活用する必要がある」という形で言い切る形に変更を加えさせていただきまして、2ページ目に移っていただいて、「一方」という形で事業者が心身状態の情報を取り扱える項目について、記載をさせていただくという形に記載方法の変更を加えさせていただいております。
(2)(3)(4)は大きな変更がございませんので、説明は割愛させていただきます。
3ページに移っていただきまして、(5)についても大きな変更はございません。
「(6)心身の状態の情報の収集に際しての本人同意の取得」のところで変更を加えさせていただいております。まず、1文目ですけれども、前回までは(9)に出てきます分類表の中のマル3に該当する部分について、「労働者の本人同意を得る必要がある」という形で記載させていただいておりましたが、ここは「本人同意を得なければならない」という形で、強く言い切るような形に記載を変更させていただいています。
また、マル1、マル2の表現でございますが、一番大きなところはここの中でマル2のところになりますけれども、同意を得るのが望ましいという表現を使わせていただいていましたが、ここは「同意を得る」という言葉を削除させていただいております。ここが一番大きな変更点になっております。
(7)については、大きな変更はございません。
「(8)労働者に対する不利益な取扱いの防止」については、4ページ目で変更を加えさせていただいております。前回も少し議論があったところですが、マル1の表現のところを読み上げさせていただきますと、「心身の状態の情報に基づく就業上の措置の実施に当たり、例えば」という形で例示をさせていただきまして、「健康診断後に医師の意見を聴取する等の法令上求められる適切な手順に従わないなど、不利益な取扱いを行うこと」という形で表記を改めさせていただいております。
(9)に移ります。こちらについての分類表になりますが、分類表の中で少し表記を変更させていただいております。
まず、マル1のところで「心身の状態の情報の分類」ということで定義を記載させていただいておりますけれども、ここは「労働安全衛生法令に定める義務を果たすために、事業者が必ず取り扱わなければならない心身の状態の情報」という記載に変更させていただいています。また、情報の例ですが、(e)(f)という形で「長時間労働者に対する面接指導の事後措置について医師から聴取した意見」「ストレスチェックの結果高ストレスと判定された者に対する面接指導の事後措置について医師から聴取した意見」という形で、2つ加えさせていただいております。
マル2については、先ほど御説明を差し上げた(6)と同様に本人同意というところを削除させていただいております。したがいまして、一番右側のところですけれども、「情報を加工する等」の後、「事業者の内部における適切な取扱いを取扱規程に定め、また、当該取扱いの目的及び方法等について労働者が十分に認識できるよう、丁寧な説明を行う等の当該取扱いに対する労働者の納得性を高める措置を講じた上で、取扱規程を運用する必要がある」という記載に変更を加えさせていただいております。
マル3については、変更はございません。
6ページ目ですけれども、※の2段落目の「また」以降に大きな変更というか追加をさせていただいております。ここに本人同意を得ないで心身状態に関する情報を取り扱うことができる規定という形で、個人情報の保護に関する法律第17条第2項の文言をここに記載させていただく形をとっております。
7ページ目ですけれども、「(10)小規模事業場における取扱い」については前回も少し議論がございましたが、変更点としましては、2行目のところに「原則に基づいた」という表現を加えさせていただいております。
「3 心身の状態の情報の適正管理」については、(1)のところに追加をさせていただいております。(1)の最後の段落の「なお」以降になります。こちらに事業場ごとのみではなく、「本社事業場において一括して行うことも考えられる」という記載を加えさせていただいております。
それ以外の(2)(3)については、変更はございません。
最後に8ページに移っていただきまして、「4 定義」にマル5を「事業者」という形で新しく定義を加えさせていただいております。読み上げさせていただきますと、「労働安全衛生法に定める事業者(法人企業であれば当該法人、個人企業であれば事業経営主を指す。)であり、権限を付与されて、事業者のために、事業者に代わって心身の状態の情報を取り扱う人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者、産業医等の産業保健業務従事者及び管理監督者等を含むものをいう。なお、2の(3)のマル2における『心身の状態の情報を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う心身の状態の情報の範囲』とは、これらの者ごとの権限等を指す」という形で定義づけをさせていただいております。
以上が前回から大きく変わった点になります。
○山口座長 ありがとうございました。
それでは、最初から順番に御意見をいただきながら進めていきたいと思います。
まず、1ページ目の「1 趣旨・総論」のところで御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
次に進んで、「2 心身の状態の情報の取扱いに関する原則」の(1)(2)(3)ぐらいまでで御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。
物すごく細かいことなのですが、「(3)取扱規程に定めるべき事項」の3行目、「心身の状態の情報の取り扱う目的」の「の」は「を」ではないかなという気がいたします。
何かほかに御意見はございますでしょうか。
よろしければ、(4)のところではいかがでしょうか。ございませんでしょうか。
どんどん参ります。3ページ目の(5)(6)(7)ぐらいのところで、何か御意見はございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
3ページの一番下の(8)のところからいかがでしょうか。
私がちょっとだけ気になりましたのは、(8)のすぐのところで、「事業者は、心身の状態の情報の取扱いに労働者が同意しないことを理由として」というところで、これは表のマル1、マル2、マル3があって、そもそもマル1は同意が必要ないと言っていますので、何かしらちょっと工夫が要るかなという気がしましたけれども、いかがでしょうか。
○田中安全衛生部長 念のためということもあるのですけれども、マル1、マル2についても、労使で労働者の同意を要件とする取扱規程を決めることはあるだろうと思いますので、それをカバーするという意味では、この表現のほうがいいのではないかと存じております。
○山口座長 そういう規程になる場合もあり得るということですね。ありがとうございます。
私は納得をいたしましたので、ほかにはいかがでしょうか。
どんどん行ってしまいます。4ページのところで何かございますでしょうか。よろしいですか。
5ページの表のところです。何かございませんでしょうか。
お願いいたします。
○田中安全衛生部長 この表のことについては、これまでかなりさまざまな観点から御議論いただいておりましたけれども、特にマル2の取り扱いについて、これまでの御議論を踏まえて精査をさせていただいております。マル2の表の右端の欄というのは「心身の状態の情報の取扱いの原則」について書いているところですけれども、特にその後半、「情報を加工する等」以降のところですが、これは同意ということを書いていたわけですけれども、マル2の冒頭で同意を得なくても収集することが可能であると書きつつ同意が適当と書いているのは、やや矛盾した感じがするという御議論がこの場でもありました。
右端の欄の同意をできるだけとるというのは、マル2のところに限って言いますと、実質的には健康診断の結果の内容とか面接指導の結果、これを事業者が取り扱うに当たって、その取り扱いの仕方について労働者が十分に納得をしていただくということが必要であるし、事業者がその納得性を高めるための努力をする。取扱規程を労使で定めるに当たっても、その視点から定めていただくことが大事だと趣旨としては言いたいということでありますので、ちょっと長くなるのですけれども、「事業者の内部における適切な取扱いを取扱規程に定め、また、当該取扱いの目的及び方法等について労働者が十分に認識できるよう、丁寧な説明を行う等の当該取扱いに対する労働者の納得性を高める措置を講じた上で、取扱規程を運用する必要がある」と書かせていただいております。ここのところは、可能な限り労働者の納得を得るということでありますけれども、先ほど申し上げました労使で個々の事項に応じて、これは労働者の同意を得たほうがいいだろうと考えて、同意の対象とすると定めていただくことももちろん可能でありますし、それが最も納得性を高めるし、納得したということを確認する手段でもあるだろうと思いますので、そういう措置も含めて、この趣旨に応じて労使で取扱規程を議論して、定めていくのだろうという趣旨を書かせていただいたところでございます。補足させていただきます。
○山口座長 ありがとうございました。今の部長の御説明でよろしいでしょうか。
岡村先生、どうぞ。
○岡村委員 今の内容自体は結構かと存じます。むしろ(9)の表題が「法令等の整理」となっておりますけれども、これの中身は取り扱いの原則の分類ですよね。取り扱いの原則の分類に関して関係法令の整理を踏まえるということでありますので、これは表題的に少し誤解を招いてもよろしくありませんので、例えば取り扱いの原則に関する分類という方向で、もう少し表題の表現をお考えいただくことも必要ではないかと思いますので、その点を指摘させていただきます。
○山口座長 この表のタイトルというか、そこのところの一番右ですか。
○岡村委員 4ページの(9)のタイトル自体のことを申し上げております。これだと、「法令等の整理」で終わっていますけれども、この表は法令等を整理したものではなくて、どんな法令がありますよという内容ではなくて、あくまで(9)の表題に続く下に書かれておられるように、「取扱いの原則について」「分類すると、次の表のとおりとなる」という形ですので、これは、むしろ取り扱いの原則に関する分類という意味の表題、つまりタイトルのほうがよりふさわしいのではなかろうかということであります。
○山口座長 どうぞ。
○田中安全衛生部長 おっしゃるとおりだと思います。心身の状態の情報の取り扱いに係る原則を示すところでございますけれども、それを情報の種類に応じて分類して、わかりやすく示したものですので、例えば「心身の状態の情報の取扱いに関する原則(情報の性質による分類)」といった形で、表題を改めさせていただきたいと思います。
○山口座長 ほかの委員の方、よろしいですか。
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
5ページ、6ページにかけて、表についてはほかによろしいですか。
増田先生、お願いします。
○増田委員 表のマル3のところですが、右の列のところに「取扱規程の策定等により、本人からの提出をもって、事業者による収集に同意が得られたものとして取り扱うことも可能」といった文言を追加いただければと思います。
その理由なのですが、分類のマル3の左の列に「収集する段階で事前に本人の同意を得ることが必要」とあるのですけれども、ここに例として列挙されている「(h)治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書」につきましては、両立支援のガイドラインに「労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことが基本」とありますように、本人からの申し出あるいは書面等の提出がなされるまで、すなわち収集が完了するまで事業者が同意の必要性を認識できない性質のものがまじっていますので、誤解を招かないように、提出をもって同意がなされるという補足説明をしていただければいいのではないかと思います。
○山口座長 増田先生、具体的には、今、文言の例をおっしゃったと思うのですが。
○増田委員 マル3の右側の列は少しスペースがあいておりますので、冒頭で申し上げましたように、「取扱規程の策定等により、本人からの提出をもって、事業者による収集に同意が得られたものとして取り扱うことも可能」といった文言をつけていただくといいのではないかという意見です。
○山口座長 どうぞ。
○三柴委員 趣旨はよくわかるのですけれども、私がそれは挿入しなくてもいいのかなと思うのは、要するに、同意のとり方の問題をおっしゃっていると思うので、それは別途事業場内の取扱規程に定めるべき事項に含まれているのと、そこまで詳細を言い始めると、ほかにも表を埋めるべき事柄が出てきてしまって、シンプルさというよさが失われてしまうかなということをちょっと懸念します。
○山口座長 増田委員、お願いします。
○増田委員 三柴委員の御意見もごもっともかと思いますが、そもそもマル3の真ん中の列で列挙されている例の中には、本人以外から取得する場合のものと、本人から取得するものと両方まじってしまっているところが、混乱を招きやすい原因になっているかと思います。ただ、それを分けて区分し始めると、それこそ表が複雑になってしまいますので、それならば、真ん中の列の例示を本人以外から取得するものに限って列挙していただくのがよろしいのではないかと思います。
○田中安全衛生部長 答えというより質問なのですけれども、要は本人が出したものというのは、今おっしゃったのは同意したものとみなすという増田先生の話ですが、事実上本人の意思を推測できる範囲はあると思うのですけれども、その範囲では同意があったものとして扱うということでもよろしいのですか。
○増田委員 部長のおっしゃられるとおり、提出してきたのだから同意は当然あるのだろうということでいいかと思うのですが、マル3のタイトルには「収集する段階で事前に本人の同意を得ることが必要」と書かれていますので、違和感を持っておりまして、そうではないということがわかるような文言をつけていただけないかという意見でございます。
○山口座長 増田委員がおっしゃった「(h)治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書」は、事業者に御本人がこの意見書を提出した場合には、黙示的に同意をして、提出したということになるわけですね。そうではない場合というのはどういう場合でしょうか。
○増田委員 そうではない場合は考えておりませんで、提出されれば同意があるものでいいかとは思うのですが、マル3の左側の記載内容との齟齬がありますので、この(h)を例として出されるのであれば補足説明があったほうがいいのではないかという意見でございます。
○山口座長 でも、例えば、この意見書を産業医に提出した場合というのはありますね。その場合に事業者にそれを産業医が提出するかどうかというのは、また改めて同意が要ることなのではないかと思うのです。ですから、黙示的あるいは明示的に同意が必要と思います。だから、やはり同意が必要なのかな。
三柴先生、どうぞ。
○三柴委員 多分、ここで原則として同意の獲得が必要だということ自体はどなたも反対していなくて、増田委員は、同意のとり方について、問題にされているのだろうと思うのです。表の中の左端で「同意を得ることが必要」と書いてあると、リジッドな、厳格な感じをニュアンスとして与えてしまうから、そこはもう少し緩やかな解釈も可能なのだということを打ち出されたいのだろうと思います。たしかに、同意のとり方というのは、個別の同意から、就業規則などに書くことで代える包括的同意から、同意のみなし、擬制といいますけれども、実際にはなくても同意があることに決めてしまうという方法までいろいろあるわけですが、私見としては、要するに変えないということなのですが、ここでそれを打ち出してしまうよりも、このペーパー全体としての趣旨から同意のとり方をどうすべきかを解釈できるように、このまま置いておくほうがいいのではないかと思います。
○山口座長 ほかの委員の皆様はいかがでしょうか。
これから先、もう少し具体例を積み上げていく中で、今、増田委員がおっしゃったようなことが明確になっていけばいいような気がしますが、いかがですか。
○松本委員 これでそんなに違和感はないように私は思います。
○山口座長 よろしいですか。
○田中安全衛生部長 三柴先生がおっしゃったように、このペーパーでもう少し詳しく議論しないといけないのは、同意のとり方、与え方ということだと思います。そこは、今、増田先生がおっしゃったところにもつながっていくと思います。労使の考え方というのはより多様になってくる部分でありますし、実務上の効率性といったものと本人の真意の確認というものはどうしてもぶつかる部分ですので、もう少しそこはよく検討して、このペーパー全体として整理した形で別途考えてお示しすることも重要かと思っておりますので、同意が要らないという部分の整理が終わった後で、同意のとり方という手続的な話については、さらに御意見をいただきながら具体化していくことにしたいと思っています。その上で、例えばどういう媒体になるかもわかりませんけれども、Q&Aなり通知なりという形でお示しすることができるのではないかと思います。
○山口座長 よろしいでしょうか。
西野委員、お待たせいたしました。
○西野委員 相当素朴な意見なのですけれども、(9)の表は読み進める順番として、(5)(6)で「下記(9)の」と出てきますので、ここを読むときにめくって後ろのほうにどういうことが書いてあるのかということを読んでいくという話になるので、順番を変えて(4)の後に(9)を入れるというのではぐあいが悪いのでしょうか。どうでしょうか。
○山口座長 今、かなり大きな御意見が出ましたけれども。
○松下係長 順番なのですけれども、最初にその手続的なところの順番をお示しした後に、大きな考え方としてはこうですよというのを示したのが(9)なので、私どもとしては、この順番でいいかなと考えているところです。
○西野委員 結構です。
○山口座長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。
今、大体6ページぐらいまで来ていますので、7ページのあたりも含めていかがでしょうか。よろしいですか。
最後の8ページの「4 定義」のところはいかがでしょうか。
どうぞ。
○増田委員 8ページのマル5、「事業者」のところを拝見しますと、産業医等の産業保健業務従事者は事業者に含まれると読めますが、それでよろしいでしょうか。確認のお願いです。
○田中安全衛生部長 これまでも事業者の定義について混乱があるという御指摘がありましたので、今回、マル5に書いた事業者は安衛法で言う事業者に加えて、ここに書いてありますが、権限を付与されて、事業者のために、事業者にかわって健康情報を取り扱う方まで含めて幅広く事業者と捉えて、そういう定義でこの指針を読んでいただこうと考えております。したがって、安衛法上、産業医が取得するものといったら事業者が取得するものとして、まずは読んでいただくということです。
ただ、先ほどマル1、マル2あたりで申し上げましたように、その中で人事労務担当、あるいは経営者、管理担当者、産業保健担当者、それぞれの役割がありまして、役割ごとに取得する情報、取得の仕方ということは、「含む」になる可能性がありますので、事業者が取得できるにしても、その中でどのように取り扱うかは、労使でこの指針を参考にしながら取扱規程を定めていただくという理解でおります。したがって、事業者を広目に捉えて定義してこの指針を読んでいただこうという趣旨で、定義を書かせていただいたところでございます。
○山口座長 いかがでしょうか。
どうぞ。
○松本委員 ここのところで、「事業者のために」というのは必要があって入れていたのでしたか。ちょっと確認なのですけれども、「事業者のために」という文言です。
○田中安全衛生部長 ここの言い方は御意見をいただきたいと思いますけれども、要は、安衛法上の事業者は法人企業であれば当該法人、個人企業であれば事業主を指すわけですが、個人情報を事業者の側で取り扱うということについてはもう少し幅広いということなのですけれども、どこまでそういう形で限定すればいいかということで、まず権限を付与されているということと、事業者のために事業者にかわって行うということであります。したがって、性質上これから細かい考え方の整理はしないといけませんけれども、例えば産業医が純粋に医師として労働者から相談を受けて、アドバイスをするという局面について、ここにどこまで含まれるかということはやや微妙なところがあるかなと思いますが、事業者としての取り扱いということを考えたときにこういう限定が必要かなと思っております。
微妙なところなので、ぜひ御意見をいただければと思っていますけれども、特に産業医の先生の場合、外から来て、事業場の中の一つの職務として委任を受けているわけですので、委任されている立場と離れて、労働者と関係していく立場というのは事実上生じてしまう可能性が高いので、そこのあたりはその区別をお示ししないといけない場面が出てくるのかなと思っていますけれども、こういう定義の範囲で事業者の情報の取り扱いだということを定義して、この指針を適用していくのが適当ではないかと私どもとしては考えておりますけれども、いかがかということでございます。
○山口座長 増田委員。
○増田委員 揚げ足をとるような質問で恐縮なのですが、重要な点だと思いますので確認させてください。
例えば、産業医が実施者としてストレスチェックの結果を取得したような場合の取扱いです。この定義でいきますと、事業者にストレスチェックの結果が伝わってしまうということにならないかどうか。そうならないようにするため、既にある個人情報保護法や労働安全衛生法できちんと整合性がとれる説明解釈ができるかどうかといったところをお伺いできればと思います。
○田中安全衛生部長 ストレスチェックについては、通常の健康診断とは特出しして、特別のルールを定めておりますので、ここで言う幅広い事業者の中でも、実施者が事業者に含まれる定義になっているわけですけれども、その実施者と狭義の事業者の関係で情報の切断をさせていただいております。そういったものについては、もちろん法令に従って情報の管理をしていただかないといけませんので、そちらを優先する。それ以外の部分については一般の健診情報、面接指導の情報といったものについては、こちらの指針という形でやっていただいて、その取り扱いについては労使で基本的に定めてもらうという形になります。
そこは御指摘のとおり一般的な部分と特別にストレスチェックについて、厳格な情報遮断を行っている部分との関係をしっかり明確化してお示ししないといけないと思いますので、その点についてはお示しする際にしっかり留意したいと思いますけれども、そこが曖昧にならないようにしっかりお示ししたいと思います。
○山口座長 どうぞ。
○三柴委員 よく考えられた定義だと思うのですけれども、ちょっと私が気になるのは、「代わって」という文言の意味内容です。今の部長の御説明からも、権限を移譲されたと理解できるのですが、事業者の定義自体に権限を移譲された、我々の世界で言う履行代行者とか履行補助者を入れてしまうと、その責任の部分ですね。この権限を移譲された人間が仮に情報の安全管理を怠って漏らしてしまったということが起きたときに、その個人に責任が行ってしまって事業者に行かないという解釈が成り立ってしまわないかということをちょっと懸念しています。たとえば、個情法であれば「従業者」という言葉を使って、従業者自身も責任を負うけれども、それとあわせて両罰的に事業者本人が責任を負うという体系になっていたと思うのです。だから、それと整合するように考える必要があるのかなということだけはちょっと気になりました。
○山口座長 どうぞ。
○田中安全衛生部長 そうすると、こういう分解した形ではなくて、「事業者の従業者」という形で書いたほうが個情法との整合性もとれるという御趣旨になりますでしょうか。
○三柴委員 まだ考えを詰められていませんけれども、事業者の定義にその代行者なりまでを入れてしまうのではなくて、事業者は事業者として書いた上で、それと分けて事業者の従業者的なものを定義し、さらに必要があれば、事業者という概念に両者を含むことがあるという、ちょっと細かいのですけれども、そういう説明の仕方をしたほうが責任との関係ではより明確になってくるかなとは思いました。ただ、詰められていません。済みません。
○田中安全衛生部長 きょうは安衛法に基づく健康情報の取り扱いに関する安衛法上の事業者の義務というか取り扱いを定める指針なので、そういう意味では、責任はあくまで安衛法で規定された事業者に残っているという前提です。ただ、そういった事業者だけではなくて、事業者側で取り扱う方々も何種類か出てきて登場する。それが先生の言う「従業者」ということなのかもしれませんけれども、その従業者の範囲まで広げてこの指針を適用しないとなかなかうまくいかないということですので、事業者とそれ以外の従業者は、全体として、この指針で情報を取り扱う主体としての幅広い意味での事業者という3つの概念が出てくるはずだという御指摘だと理解をいたしました。その点では、この定義は同じ「事業者」という言葉を使って2つのことを指しているわけなので、その点でわかりにくいという御指摘だと思いますので、その点は、今の段階でどうこうということではないのですけれども、工夫させていただきたいと思います。
○山口座長 どうぞ。
○岡村委員 一般論で申しわけないのですが、今の議論でいくと、事業者と履行補助者等々を含んだ者を「事業者等」という別概念で以下を言うというスタイルで、伝統的な事業者概念と安衛法のもう少し広がった部分とを、「事業者」「事業者等」という2つの概念で分けられるというのも一つの方法ではないのでしょうか。
○田中安全衛生部長 ありがとうございます。
そういった「事業者等」という概念をほかで使っていないかどうかを確認しながら、その趣旨を踏まえて対応させていただきたいと思います。
○山口座長 ほかにいかがでしょうか。
ここは修正といいますか、「事業者」はあくまでも労働安全衛生法上の事業者ということで使っていただいて、ここで述べられている「事業者等」がいいのかどうかが私にはわかりませんが、何か表現を明確にしていただくということでお願いしたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。御議論、御指摘が出尽くしたと思いますので、これできょうの審議は終了としたいと思います。
今後のことにつきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○富賀見室長補佐 どうもありがとうございました。
本日も、大変いろいろ貴重な御意見、御議論をいただきました。また、この検討会は4月から計6回、お忙しいところを集中的に御参集いただいて、活発に御議論いただきました。御礼を申し上げたいと思います。
今後の予定ですけれども、本日も事務局で表現を工夫して、また御相談すべき点などもございますので、そういったものは早速作業いたしまして、一度座長に御確認いただきまして、改めて委員の皆様方にも、最終的な案として御確認いただきたいと今のところ考えております。今週中ぐらいには最終的に御意見いただければ、こちらのほうも作業を進めていけると考えておりますので、また御協力をお願いしたいと思います。
そのほかもろもろ、計6回にわたってあった中でも、今後、もうちょっと具体的にお示ししたらいいものとか宿題の点もございます。指針を公表させていただいた後、秋以降をめどにQ&A、手引といったものの検討を、この場を再開して、進めてまいりたいと考えておりますので、委員の皆様方には、引き続き御協力のほうをよろしくお願いしたいと思います。
本日の議事録は、皆様方に御確認いただいた後、公開することとさせていただきたいと考えております。その際はよろしくお願いしたいと思います。
指針の議論はここで終わりとなりますけれども、引き続きこの場は秋以降続けていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
座長、事務連絡はこれで以上になります。
○山口座長 今、富賀美さんから御説明いただいた手順で、委員の皆様、よろしいでしょうか。メール等で最後の御確認をいただいて、案をとるということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○山口座長 ありがとうございます。
タイトなスケジュールで、皆様の熱心な御議論をいただいて、指針ができ上がることになりました。この場をおかりして、座長としても、皆さんにお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。