第3回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(議事)

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課

日時

平成29年10月30日(月)10:00~12:10

場所

厚生労働省共用第8会議室(20階)
(東京都千代田区霞ヶ関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館)

議事

○阿部座長 定刻となりましたので、ただいまから第3回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会を開催いたします。本日は前回欠席されていた委員に出席いただいておりますので御紹介させていただきます。全国手をつなぐ育成会連合会会長の久保厚子委員です。どうぞよろしくお願いいたします。
○久保委員 久保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○阿部座長 どうぞよろしくお願いします。それでは早速議事に入りますので、事務局は本日の進め方を説明してください。
○障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日につきましても、前回と同じようにヒアリングを行ってお願いしたいと思っております。議事次第の順に、上から、全国手をつなぐ育成会連合会様、社会福祉法人日本盲人会連合会様、全国就労移行支援事業所連絡協議会様、公益社団法人全国重度障害者雇用事業所協会様の順にヒアリングを行ってまいります。
 全体の進め方としては、前回と同様に、それぞれ最大15分ヒアリングをお願いした後に、質疑の時間を5分から10分程度取りたいと思っています。また最後に、全てのヒアリングが終わった後に、全体をまとめて質疑の時間を取りたいと思いますので、それぞれの団体ごとの質疑の時間については、基本的には事実関係の確認などに絞って質問をお願いできればと思っております。
 また、発表いただく団体の皆様にお願いしたいことですが、それぞれ10分経過した段階でベルを1回鳴らします。また15分経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合、適宜御意見をまとめていただきますようお願いします。それではよろしくお願いいたします。
○阿部座長 それでは議事次第の順にまず、全国手をつなぐ育成会連合会副会長の佐々木桃子様より発表をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○佐々木氏(全国手をつなぐ育成連合会) 佐々木でございます。よろしくお願いいたします。全国手をつなぐ育成連合会です。団体概要につきましては、資料1-1の1ページを御参照ください。
 まず、論点1についてお話させていただきます。障害者雇用は精神や発達障害など多様化しており、着実に雇用は増加しておりますし、企業側の取組や理解も進んできておりますけれども、雇用率は相変わらず低く未達成企業も多いため、少し厳しいとは思いますが、その辺りの課題を検証していく必要があると思われます。
 また、地域の就労支援機関には格差があり、労働施策による就業・雇用支援センターは予算保障がありますが、福祉施策による支援機関は自治体設置が多く格差が見られております。特に、都会と地方の開きは大きいと思います。雇用率を除けば相対的に充実してきており、現状については一定の評価ができると思われます。先ほども申し上げましたように、労働と福祉の縦割により、企業向けセミナーのように、同じような制度が両方で展開されているものもあります。
 また、特別支援学校新卒のように、就労支援機関を通さず就労するケースも増えてきておりますが、離職した場合など、福祉と労働の弊害によるものか、孤立する傾向があります。これにつきましては、卒業後のアフターフォローとB型からの就労の好事例として、東京の世田谷区と大田区の資料を持って来ておりますので後ほどお渡ししたいと思っております。
 企業側の課題としてはやはり、多様性を認め差別感を排除するなど、心の問題が何よりも大切だと感じています。雇用の間口は広がったものの、受入準備が整っていないケースもありますし、助成金終了後の契約満了などもあります。糸賀一雄思想などを用い、共生社会の実現の1つとして、障害者雇用の重要性を理解する風潮を作る必要があるのではないでしょうか。
 続いて論点2です。まず、本人の希望や特性に合った仕事で、長く安定的に働き続ける現状があるかどうかを正確に把握できる機会がありません。それに加え、知的・精神・発達の場合、一人一人で課題が違うこともあり、雇用の質の具体的指標が一般化されていないため、一人一人の案件と捉えられているという傾向があります。
 雇用率に週20時間未満は算出の対象になっていないため、体調等により週20時間未満 しか働けない人などが、企業側のメリットにならないので雇用につながらないケースがあります。
 また、中高年層についての障害者の課題は、離職後の日昼活動が確保されにくいという点にあります。障害福祉サービスの利用には制約があり、介護保険も要介護度が取れなければ利用できません。先日も母親のケアマネが自宅訪問したところ、65歳の知的障害の息子さんが在宅で暮らしており、お母さんが体調を崩すまでは母親の指示の下にできていた暮しが、母親の入院により崩壊していたというケースがあるということを聞きました。少しでも福祉につながっていたら、こういうことも免れたかもしれません。
 これらの課題を解決するために、雇用後のデータ、就労定着率、離職率に加え、離職の理由等現状把握の実態調査を行う必要があると思われます。そのことから、就職時のミスマッチなども分かってくるのではないかと思われます。加えて、週20時間未満の人も雇用率に新たに累積カウント制度などを創設して、障害特性に合った多様な働き方につなげていただきたいと思っております。
 先ほどの中高齢者の離職後対策として、60歳又は65歳の離職者が働ける場の確保が必要であると思われます。さらに、長年働き続けているものの、加齢による業務領域の変化に応じてすぐ離職ではなく、提供業務の変更などの配慮も企業側にお願いしたいところです。
 続いて論点3についてです。現状としてテレワークや在宅就労をしている知的障害者が少ないのですけれども、成功している事例としては、企業が巡回相談者を置き、各宅を見回りしてサポートしているというところのようです。そのようなサポート体制の整備を行う必要があると思われます。
 続きまして論点4についてです。中小企業の障害者雇用は確かに進んでおりませんけれども、1社で雇用するのが難しい場合、複数の企業で共同で雇用する仕組みなどを考えていくのも必要ではないかと思います。地元の商店街等で、午前中はA店、午後はB商店で働くなど、このような就業形態も雇用率にカウントできるようにするなどの工夫をするのもよいのではないでしょうか。地域に見守られながら安心して働くことができる、その中で正規雇用などの可能性があればなおさらよいと思いますし、本人にとっても共生社会の実現に向けても意味を持つのではないかと思われます。
 続いて、論点5についてお話いたします。課題としては、特別支援学校以外からの就労について、特別支援学校と違い、職場実習や就労支援プログラムがないため、就労適応性に乏しいケースがあり、そのためにハローワークからの情報提供などを更に積極的に行っていただきたいと思います。
 知的障害者の場合、社会参加できるものが健常者に比べ少ないためか、様々な経験が少なく、自分に何ができるのか、どんな仕事があり、自分がどんな仕事に向いているのか、ということをうまく発信できないケースもあります。そのため、自分が学校などで経験したことのある職種を希望するケースも少なくありません。しかし、必ずしも適しているとは限らず、豊富な職種の提供は、雇用の促進だけではなく、定着にもつながると思います。
 最後に、論点6についてお話いたします。先ほどもお話しましたが、雇用率の課題としては、週20時間未満のこと、20時間未満の方を何らかの形で雇用率にカウントするということ、そして、納付金制度については、企業側に経済的負担感があるということを聞いております。そのことに対して、働いている障害者の満足度、働き度、例えば20年から30年という長期雇用、そして、働きやすい具体的な配慮をしていることなどに対して評価し、数値化して雇用率に反映させるなどの仕組みを作ってはどうかと思われます。大変難しいことかと思われますが、そういうことも検討していただければなと思います。以上でございます。
○阿部座長 ありがとうございました。最後にまとめて質疑の時間を取っておりますが、ただいまの発表について事実関係の確認などがありましたら挙手をお願いいたします。発言の際は手話通訳の都合上、必ず名前をおっしゃってから発言をお願いします。それでは、御質問があれば御発言ください。
○眞保委員 法政大学の眞保です。ありがとうございました。6ページの事実関係の確認です。中小企業の雇用のところで、例えば、午前中はA店、午後はB店というお話だったのですが、その場合はお一人でA店B店ということなのか、複数の人でシェアリングしてやっていくのか、どちらでしょうか。
○佐々木氏 それについては。
○阿部座長 お名前をおっしゃってください。
○佐々木氏 育成会連合会の佐々木です。それについては一人で午前中A店、午後はB店勤務ということで働いております。
○眞保委員 ありがとうございました。
○阿部座長 その他よろしいでしょうか。
○志賀委員 のぞみの園の志賀です。高齢になられたときの再雇用の話ですが、こちらは今のいわゆる60歳以上の定年延長並びに継続雇用とは違う障害者向けの何らかの対策が必要だという話なのでしょうか。
○佐々木氏 育成会連合会の佐々木です。それについては、その人の状況にもよると思われますが、現在、60歳を過ぎても一般の方は65歳まで再雇用で働くようになっておりますので、可能であれば、そのようなことも考えていただきたいと思っております。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。ありがとうございました。私も先ほどの質問と同じところで少し疑問に思ったのですが、今のお答えでしたら現行の65歳までの雇用確保措置制度のままで大丈夫ではないでしょうか。別途、制度を設けるということが少し分かりづらかったので教えていただけますか。
○佐々木氏 育成会連合会の佐々木です。障害のある方は60歳でお仕事を辞められている方もかなりいますので、65歳まで一般の方と同じように再雇用していただきたいというケースと、もう1つ、逆に65歳になったことで、まだ働きたいのだけれども、障害福祉のサービスによる日中活動の場の確保ができない、今までずっと働いてなかった方はもう65歳は介護保険になっております。ただ、そういったときも知的障害者の場合、要介護度が出にくいということで、介護保険サービスを利用することができない、そうすると、日中どこかに通うことができないというケースがかなり出てきておりますので、両方併せてということです。
○阿部座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。それでは、最後にまとめて御意見等を頂ければと思います。続いて、日本盲人会連合参与の大胡田誠様より発表をお願いいたします。
○大胡田氏(日本盲人会連合) 大胡田です。まず、個別の論点に入る前に、簡単に視覚障害者の雇用に関する全体像を御紹介します。今日お配り頂いているペーパーの主に黒字部分を中心にお話します。そもそも、視覚障害者については、伝統的な三大職業がありました。マッサージ、電話交換手、プログラマー、こういった3つの職業があったわけですが、これがいずれも今は厳しい状況に置かれております。
 例えば、病院で勤務するマッサージ師は非常に安定して良かったのですが、整形外科でマッサージの保険点数が非常に低く設定されてしまった関係で、今、新しく病院に勤める視覚障害者はほとんどいません。また、電話交換手についても、そもそも、こういった業務自体がなくなっております。プログラマーについては、グラフィック化になかなか対応できませんので、視覚障害者が従来どおり働くのは難しい状況です。
 それを反映してか、昨年度ハローワークを通じて新しく就職した障害者、全体では9万3,229件で、そのうち視覚障害者については2,129件ですから、ほぼ、45分の1ぐらいにとどまっているわけです。そこで注目されるのが、やはり事務系の職業だと思います。ITCの発展に伴い、従来、視覚障害者にはできなかった事務系の仕事が、かなりの部分できるようになりました。そこで、これからは、重点的に事務系の職業についての支援策を講じていく必要があるかと思っております。
 ところで、視覚障害者に対する支援というのは、就職時の支援と中途で視覚障害を負った際の継続雇用、この2つの側面から考える必要があり、従来は、就職時の支援に重点が置かれていたと思われます。現実的には人生の中途で視覚障害を負う方が非常に多いので、こういった方の継続雇用に注力していく、これが視覚障害者全体の雇用を引き上げていくことにつながるのではないかと思っております。
 全体としては、障害者の雇用が進んでいますが、視覚障害者の雇用が進んでいないのはなぜかというのは、一義的な回答はないわけですが、視覚障害者というのは全体から見て数が非常に少なく、また、支援のために特別なノウハウが必要であると、例えば、パソコンのノウハウや歩行指導のノウハウ、こういった特別なノウハウが必要だということから、一般の全障害者を対象とした就労支援にうまく乗りにくいということがあります。そこで、視覚障害者に特化した対策が、今後、求められるのではないかと思います。
 総論的には、事務系の職業に力を入れるべきではないか、就職のみならず中途視覚障害者の継続雇用にも力を入れていく必要があるのではないか、視覚障害者に特化した対策も考えていく必要があるのではないかということを御指摘したいと思います。 それでは、個別の論点に入ります。まず、論点1は現状の評価についてです。前述したように、視覚障害者の雇用は非常に厳しい状況にあると言わざるを得ません。問題は、大分、乱暴かもしれませんが大きく2つあると思われます。1つは、視覚障害者の雇用支援には特別なノウハウが必要ですが、そのノウハウを持った訓練施設やジョブコーチが非常に少なく、現状、首都圏に集中しており、多くの視覚障害者はこれらにアクセスすることができないでいるという問題があります。
 また、企業側には目が見えなければ仕事ができないという、かなり根深い観念が根付いており、これが新規の就職や中途障害者の継続雇用を阻む要因になっているのではないかと考えております。そこで、取られるべき対策ですが、前提として、障害者雇用状況報告書等の作成に当たり、障害の種類やその部位別のデータを収集し、雇用が伸びていない障害分野に重点的に注力する、それが可能なシステムを作っていただきたい。そうすると、視覚障害者の問題が浮彫りになってくると思います。
 そして、視覚障害者については、全ての視覚障害者が正しいノウハウを持った訓練施設やジョブコーチにアクセスできるような仕組みが必要だと考えております。直ちに、全国に専門的な知識を持った支援者を配置するのは、なかなか困難かと思いますので、それが困難なのであれば、広域的にノウハウを持った支援者が障害者の下に出掛けて行き支援をする、あるいは、障害者の側から支援者の下を訪ねて行き支援を受けることができる、そんなシステム作りが求められるのではないかと思っております。論点2は、雇用の質などを上げるために必要な問題についてです。大きく3つを御指摘します。1つ目は、大変おこがましいですが産業医のスキルアップです。2つ目はノウハウを持った訓練機関やジョブコーチへのアクセスへの確保、3つ目は労働者が訓練を受けやすくなる仕組み作りを挙げたいと思います。
 1つ目の産業医の問題ですが、産業医は作業環境管理の専門家として企業に対しても大きな発言力を持っております。そのため、産業医の支援が受けられると視覚障害者が企業で適切なサポートの下、やりがいのある仕事ができる可能性が高まります。しかし、視覚障害者について知らない産業医は現状には多く、十分な役割を果たしきれていないのではないか、そんな問題意識があります。そのため、産業医のスキルアップの仕組み、取り分け、個々の障害に対する理解を深める仕組みが必要であると共に、眼科医と産業医が連携できるような仕組みが求められるのではないかと思います。
 2つ目のポイントは、ノウハウを持った訓練施設やジョブコーチの問題です。前述したように、視覚障害者についてノウハウを持った訓練施設やジョブコーチは非常に数が少なく、都市部に偏在しているという問題もあり、多くの視覚障害者がこれらの支援にアクセスすることは困難です。そこで全ての視覚障害者が視力などの変化に応じて、歩行やパソコン操作などの訓練が必要なときに必要な場所で受けられる仕組み作りが大変重要だと思います。
 3つ目のポイントは、労働者が訓練を受けやすい仕組み作りは、現状では企業側の理解がないために、視覚障害者が訓練を受けたいと申し出ることが難しいという実態があると聞いております。そのため、労働者本人が必要な訓練等を自らの意志で自己負担なく受けられるような休暇や休暇の制度、本人給付型の助成金の仕組みを作るべきではないかと考えます。本人給付型の助成金は非常にハードルが高いと聞いておりますが、失業防止の観点からすると、これが非常に有効で合理的なので、是非、具体的に検討をお願いしたいと思います。 引き続き、論点3はテレワーク等に関する問題です。テレワークは大企業の少ない地方で働く機会を得られるなど、今後、可能性がある分野だと理解しております。しかし、視覚障害者を安易にテレワークや在宅勤務に誘導することについては、若干の疑問があり反対の立場を示したいと思います。視覚障害者が継続的に企業で働くためには、社員としての意識高揚や連帯感、同僚とのコミュニケーションが不可欠です。そのため、仮にテレワークをする場合にも月に数回は出社するなどの必要があるかと考えております。そして、出社する際には移動支援や同行援護などの福祉的なサービスが柔軟に使えることが保障される必要があると思います。
 論点4は中小企業に対する対応です。中小企業で障害者雇用が伸び悩んでいる理由は、例えば、社長さんの意識の低さやコストカットに対する強い要請など、様々な要因が絡まっているわけです。そのため、単純に助成金を給付するといった方法では中小企業の雇用は増えていかないと考えております。そこで、4つの対策があると思います。まず前提として、企業規模ごとに障害者雇用が伸び悩んでいる理由を総合的に分析する必要があるかと思います。社員50人以下の企業、50~100人の企業、100~300人の企業それぞれに独特の理由があると思いますので、そういったことを実証的に研究することが求められるのではないでしょうか。
 2つ目は、企業が企業に対し、障害者雇用を支援する仕組みを考えられないかということです。既にノウハウを持っている大手企業が中小企業に配置型ジョブコーチを派遣する、セミナーを行うなどしてノウハウを伝えていく、そういった企業間の支援策、企業間の連携もあり得るのではないかと考えております。
 3つ目は、労働者が出張に行く際などに同行援護や福祉的なサービスを柔軟に使えることも企業の負担感を下げる上では重要かと思います。ペーパーに載っていなかったので口頭で補足いたしました。
 4つ目は、自治体の障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、地域障害者職業センターなどがチームで企業を支援できる体制作りが重要だと思います。チーム支援により企業側の不安感や負担感などを無くすことができると考えております。 論点5は求められる連携関係の構築です。視覚障害者については当事者中心の支援団体や医療機関、訓練施設、障害者職業センターなどの連携が不可欠で、これを実現するために地域障害者職業センターに視覚障害者支援のノウハウを持った支援者がいなければならないと考えます。そのためにはまず、視覚障害者の支援のノウハウを持ったジョブコーチを養成し、各地域障害者職業センターに配置することが求められます。具体的な方策としては、所沢の国立リハビリテーションセンター学院の卒業生、視覚障害者支援の専門的な勉強した方を中心に、地域障害者職業センターに配置するなどが考えられると思います。
 論点6は、雇用促進制度に求められるものは大きく2つあります。手帳制度の問題と公務員の問題です。現在、障害者手帳を持っていなければ行政サービスが受けられない、雇用率に算定されないという現状があると聞いております。そのため、手帳を取得できない弱視や特定の疾患、例えば、眼瞼痙攣という瞼が痙攣する、そんな疾患があるのですが、そういった方たちは手帳が取れないわけですが、こういった方であっても行政サービスが受けられたり、雇用率に算定されるような制度が必要かと考えております。
 次に公務員の関係です。公務員は雇用納付金を財源とする各種の支援制度がないため、公務員に対する支援が手薄になりがちです。そのため、公務員にも一定の財源を確保した上で、支援機器の導入やジョブコーチの利用など、民間同様の支援が受けられるような仕組み作りが求められると考えております。このように、冒頭で申し上げました事務系の職業に対する支援の重点化、また、中途で視覚障害者となった者への継続雇用の支援、さらに、視覚障害者のみに特化した政策が求められるという考えの下、何度も出てきたように、視覚障害者に対するきちんとしたノウハウを持った訓練施設やジョブコーチを養成し、全ての視覚障害者が必要なときに必要な場所でこれにアクセスできる、そういった仕組みがなければ視覚障害者の雇用は改善しないのではないかと考えております。以上です。
○阿部座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの発表について事実関係の確認などがありましたら挙手をお願いいたします。
○本條委員 全国精神保健福祉会連合会の本條です。質問ですが、4ページの現状認識課題の3です。企業の理解についても全体としては徐々に進んでいるが、視覚障害者に対し、目が見えないイコール仕事ができないという固定観念が根強くあり、これが視覚障害者の新規雇用の促進並びに在職視覚障害者の雇用継続の阻害要因となっている。私も、精神障害者であっても雇用促進の阻害要因になっていると思っており、共通認識ではあります。それについて具体的な方策が、どれに対応するのでしょうか。もし、対応する所がなければ、どのように考えておられるのか御説明頂きたいと思います。
○阿部座長 では、大胡田様よろしいでしょうか。
○大胡田氏 現在、日盲連では眼科医にリーフレットを配布するなどして、眼科医に対し視覚障害者は働けるのだというメッセージを伝えてくれるように徹底しているということが1つあります。あとは、様々な企業に現に視覚障害者が働いて成功している事例をどんどん発信していく、徐々にそういった対策をとっているところで、まだ、これが不十分な点もあるかもしれませんが、このように視覚障害者が一番最初に訪れる眼科医の所で、自分はまだ働けるのだという意識を持ってもらうことが重要だという点と、企業の側にどんどん視覚障害者が働いている姿を知ってもらい、自分の会社でも視覚障害者を雇っていこうではないかと、そんな意識を高めていく、なかなかこう、魔法の杖のような画期的な方法というのはないのですが、こういった地道な問い掛けが必要なのではないかと思っております。
○阿部座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。志賀委員、お願いします。
○志賀委員 のぞみの園の志賀です。提案の中にジョブコーチ等の養成、視覚障害者向けという話が幾つかありました。中には国立リハビリテーション学院の卒業生等という話もありました。例えば、国立リハビリテーション学院のほうでは、いわゆる現任者の様々な就労支援とか、福祉等の現場の人向けの、多分、コース的には短く、3、4日だと思いますが、そういった講座をいくつも子なっていると思います。実際、私はその辺が分からないのですが、視覚障害の方で、今、就労支援、障害者雇用のサポートをする現任の方に視覚障害者向けの新たに必要な知識、もちろん座学や演習だけでは難しいかもしれませんが、現場に戻ってという、経験も必要だと思いますが、最低限これぐらいは必要だという、大まかな時間数、見込みがありましたら教えていただければと思います。
○阿部座長 大胡田様ではなくて、工藤委員からですか。
○工藤委員 日本盲人会連合の工藤です。現任者の養成ということですが、その前に、今現在、視覚障害者の歩行訓練など視覚障害生活訓練等の指導者を養成する施設・機関としては、2つあります。1つは、所沢の国立障害者リハビリテーションセンター学院で、こちらは現任者を対象とせず、定員は20名です。もう一つは、社会福祉法人日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター養成部で、現任者も対象としています。両者とも履修年数は2年ですが、日本ライトハウスの方では、盲学校や福祉施設などに所属している人に対しては、6か月単位で分割して受けられるよう特別措置があります。このようにして、歩行訓練をはじめ視覚障害者の特性を踏まえたパソコン指導などできる専門家として実際に稼働している人は全国で200人前後と言われ、未だに歩行訓練士が一人もいない県もいくつかあります。まして、視覚障害者のための訪問型のジョブコーチということになると、皆無と言ってよく、全国で1人しかいないと言ってもよい状況です。実際、聴覚障害者のために手話のできるジョブコーチについても同じで、視覚・聴覚といった感覚障害者にきちんと対応できるジョブコーチがいないのは、非常に切実な問題です。それで前回もお話しましたが、地域の障害者雇用支援の在り方に関する研究会の報告書、一次、二次と出ておりますが、その中には聴覚障害、視覚障害者のジョブコーチの必要ということもうたわれていますので、是非実現して欲しいと思っています。それから、ついでに申し上げると、ヒアリングの中に、ろうあ連盟など、聴覚障害の関係団体からのヒアリングがありません。今後、ヒアリングの場を是非もっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。以上です。
○阿部座長 よろしいですか。では志賀委員、お願いします。
○志賀委員 志賀です。確認ですが、日本ライトハウスで行われたような形でということは、少なくとも半年ぐらいの現任者でもプログラムはあったほうがということでよろしいでしょうか。
○阿部座長 工藤委員、お願いいたします。
○工藤委員 工藤と申します。そのとおりです。ただ、所沢の学院は今は2年コースということです。これは必ずしも所沢であるとか、日本ライトハウスであることは必要なく、一定の実務経験があって、実際に支援のできる人であればよいと思っています。特に視覚障害にとっては、実務的なところのノウハウを持っていないといけない。職場に入って、パソコンの環境とか、社内のネットにうまく視覚障害者がアクセスできるかどうか検証で来て、そういうことの支援も行える人でないといけないという特徴があります。以上です。
○阿部座長 ほかにいかがでしょうか。特になければ、また最後にお願いいたします。
 続いて、全国就労移行支援事業所連絡協議会副会長の酒井大介様より発表をお願いいたします。
○酒井氏(全国就労移行支援事業所連絡協議会) ただいま御紹介いただきました、全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。まずは、本日このような機会を提供いただきまして、心より感謝申し上げます。私どもの団体は、文字どおり就労移行支援事業所の集まりです。設立の目的とか特徴については、お手元の資料を御確認いただければと思います。早速ですが、資料に基づきまして論点1から御説明させていただきたいと思います。限られた時間ですので、特に申し上げたい点を中心にかいつまんで御説明をさせていただきます。
 論点1、現状認識です。現状認識、課題のところですが、ここに記載させていただいていますように、ここ10年あるいは15年で障害者雇用は大きく前進したという認識です。それは障害者雇用に対する企業の気運の高まりと併せて、就業・生活支援センター等々の整備をはじめ、地域の支援体制が、一定、整った、そういうことも相まって前進を見せたのだというように認識しております。また、平成30年からは、雇用率が2.2%、その後2.3%が決まっており、今後、ますます障害者雇用の広がりが期待できると考えております。
 しかしながら、このような進展の中で、今後、量を追い求めるばかり、雇用の質が今まで以上に低下しないか、そのような危惧を感じております。今後、障害者雇用の量はもとより、質にも焦点を当てられるべきではないかというように考えております。加えて、障害者雇用の実態を見てみると、障害のある方に対して、多様な働き方がここ数年でたくさん用意されました。それは歓迎すべきことだと思いますが、実際、統合された環境の中で、障害者雇用がどれほど進んだのかというのが、若干、分かりにくい部分があるのではないかと考えております。ここでは、具体的には、就労継続A型の課題についても申し上げたいと考えております。
 取るべき対応ということでは、雇用管理の質という意味においては、比較的規模の大きい企業においては、できるだけ企業在籍型ジョブコーチの数を増やすような、推進するような施策が必要ではないかと考えております。私は、一機関の養成研修にも携わっておりますが、この研修ニーズというのは非常に高いものがあります。ただ、一方で、長期的に職場を離れるということがなかなか難しくて、受講できないといった方々もたくさんいらっしゃると聞いております。例えば、週末に限定した研修を実施するとか、あるいは企業単位で養成研修を実施できるような仕組みにするとか、少し柔軟な発想で取組が必要ではないかと考えております。実施機関とすれば、そちらに関しては、個々の状況に合わせていくほどコストも掛かりますので、それらに対して、どう向き合っていくのかということも課題であるのかと思います。
 もう1つは、先ほど申し上げたA型のことですが、就職件数、ハローワークが毎年公表している就職件数の中には、A型事業所への就職件数も含まれております。昨年度で申しますと、約9万件のうち2万3,000件がA型への就職だと公表しています。いわゆる3割弱、一般就労への就職件数は広がったけれども、3割弱がA型福祉サービスへの就職であるという状況を考えなければいけないということで、A型が悪いというわけではありませんが、本当にその一般就労がどれだけ進んだかというのが非常に分かりにくい実態でもあり、ここはやはり住み分けをすべきですし、都市部と地方によってもこの割合というのは、かなり違ってくると思います。この辺りもデータとしてはっきり出ていると思うので、整理をした上で、今後、そのアプローチについて検討いただければと思っております。
 論点2、精神障害のある方の就職が急速に伸びている実感は、現場の我々も肌で感じております。我々、就労移行支援事業所の利用者も、今や知的障害を抜いて、精神障害の方が一番利用が多い状況にあります。ニーズが高まる一方で、やはり定着ということが課題であるということを、雇い入れる側の企業と、支援者の双方から聞く話であります。また、短時間で働くことにより、健康状態を維持したいという利用者の声もよくあるということを加盟事業所から聞いております。加えて、中高年の障害のある方への雇用管理については、例えば、知的障害などで体力面の衰えを見られる方々が増えてきたということも、企業の方々からよく声を聞きます。
 それらに向けて、取るべき対応ということですが、1つは、精神障害者だけではないのですが、短時間で働く障害者の雇用率のカウントについて検討いただきたい。これは論点3にも出てくる在宅就労、障害の重い方々に対する就労の機会も含めて、短時間の雇用の問題、カウントの問題ということを検討いただければ有り難いと考えております。また、これらの対象者の範囲については、障害の程度で判断することも考えられますが、尺度を明確にすることが難しい障害もあるため、例えば50歳以上の週20時間以下で働く障害者のカウント方法にについて緩和をするなど、年齢によって対象者の範囲を決めることも考えられます。
 論点3、現状認識、課題、それから、取るべき対応ということを併せて御説明をさせていただきます。ICT等の技術の発展に伴いテレワークや在宅就労が広がることで、今まで就業を諦めていた重い障害のある方の雇用が進むことは、是非、期待したいことだと思います。しかしながら、雇用の本質を見誤らず、ノーマライゼーションやインクルージョンという観点を念頭に置いて、まず、基本的な考え方の整理、それから、対象者の範囲を十分に検討いただきたいと思います。その上で、自宅で仕事をしている間の在宅就労のときに、福祉サービスが使えないので困っている事案もよく聞きます。ここも推進するに当たっては、福祉部局との連携を図って改善いただきたいと思います。それから、在宅就労に必要な機器については、コミュニケーション支援機器も含め、障害者雇用助成金の対象としてしっかり明示いただいて、時代に即した活用を促してはどうかと考えております。
 論点4、中小企業の問題です。雇用率としては、大企業に比べ低い雇用率にあると言われておりますが、実数としては、どの規模別の集計でも、前年度を上回っているという状況です。停滞と本当に言えるのか、私は停滞という言葉が、ちょっと言いすぎではないかと考えております。また、これも都市部と地方でも状況は違うのではないかとも考えております。もう1つは、納付金の問題ですが、社会連帯の理念に基づいて障害者雇用の費用額を算出して、未達成企業から徴収することになっていると思います。果たして、現状の金額がインセンティブとして機能しているのかというのは疑問があるところです。
 論点4について、取るべき対応です。中小企業の状況について、もう少し分析したデータをお示しいただきたい。これは各都道府県の労働局のデータを分析すれば分かることなのかもしれませんが、私たちだけではできないことですので、もう少し分析したデータをお示しいただきたいということ。
 納付金の金額については、金額はずっと変わっていないわけですが、この金額が本当に適当なのか、私自身はもう少し高くてもよいのではないかと考えております。是非、この金額の妥当性についても議論いただきたいと思います。それから、納付金を課す対象規模ですが、そもそも障害者雇用の義務が課せられる全ての事業所を対象としてはどうかというようにも併せて考えられところです。
 論点5、課題、取るべき対応ですが、お示しいただいている論点について、若干、ふわっとした論点でもありますので、なかなか明確にここだということをお答えするのが難しいわけですが、取り分け、平成30年度から福祉サービスとして就労定着支援事業が創設されます。このサービスは現在のところ、就労後6か月後のサービスが開始される流れで準備が、今、進められています。例えば、就労移行支援事業所等の福祉サービスを利用された方が就職後、ジョブコーチにより職場適応支援も受けて、その後、定着支援事業につなぐということで、途切れのない丁寧な支援というのが期待されるわけです。財源は違いますけれども、このような地域の中で、より良い連携が生まれるよう柔軟に活動できるように福祉部局と連携をより図っていただきたいと考えております。
 最後、論点6です。現状認識、課題のところでは、ノーマライゼーションの観点から、2004年に除外率制度について廃止が決まったところですが、どうもこの改革のスピードがちょっと遅すぎるのではないかと感じております。
 次に、労働条件の質です。障害者雇用は広がったものの、やはり非正規雇用での雇用が、うちの会員のアンケートでは大半でして、また、労働時間も、常用労働にはなっているものの、週30時間前半の者が多いという状況になっております。
 次ページ、納付金については、今後、法定雇用率は上がりますが、これまでの障害者雇用のスピードを鑑みると、この差引きも納付金会計としては大幅な改善というのは、なかなか期待できないのではないかと考えております。
 次に、労働者派遣業の障害者雇用の在り方については、ここ数年、これはいろいろな研究会で御議論いただいていたと思いますが、積み残しの課題ということになっているのではないかという認識をしております。
 最後は、より統合された環境の中で障害のある方が活躍するためにということで、特例子会社の在り方についても御検討いただきたいという趣旨です。取るべき対応ですが、まず、除外率については、早急に引き下げを実施すべきだと。もう10年以上たっておりますので、実施すべきだと考えております。それだけで、たくさんの雇用が創出されるのではないかと思います。まずは、撤廃時期を含めたスケジュールぐらいはそろそろ明示していただきたいと考えております。それから、障害者雇用における労働条件の問題については、常用労働者になると週30時間から40時間に向けて伸ばしていく雇用率上のメリットがないという課題があると思います。。障害のある社員の生産性を上げることと併せて、何かしらのインセンティブを企業に与えていくことも必要ではないかと思います。納付金については、調整金が支出の割合としては非常に大きいわけですが、一律に支給するのではなくて、率に応じて支給額にメリハリを付けてはどうかというようにも思っております。
 続いて、派遣労働については、障害のある方の柔軟な働き方を実現できる可能性を秘めたものでもありますので、是非、議論を進めていただきたいと考えております。また、障害者施設等に企業が仕事を発注した場合の雇用率の在り方や、納付金の在り方について、このような研究会の場において時々話題に上がっていますが、私も何かしらの政策誘導が必要ではないかという認識でいますが、現行の法定雇用率の計算式上、分子である働く障害者あるいは失業者の中に福祉施設で働く障害者の割合が入っていません。例えば、継続支援事業B型だと、今、20万人がいらっしゃいますので、それらの数と対象をどう見るべきかということも含めて検討がなされるべきだと考えております。
 最後は、特例子会社について、先ほども申しましたが、統合された環境で、障害のある方が1人でも多く働くために、そのような観点で思い付くことを記載させていただきました。以上でございます。
○阿部座長 ありがとうございます。ただいまの発表について、事実関係の確認などがありましたら、挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。では、眞保委員。
○眞保委員 法政大学の眞保です。3ページの所で確認させていただきますが、取るべき対応のところで、当該事業所の常用労働者の労働時間を基礎として雇用カウントを設定してはどうかという御意見を頂いているわけですが、これは具体的にはどのようなことをお考えなのか、また、恐らく酒井さんの所で、何かそうしたほうがいいような事例をお持ちだと思うので、その辺を具体的にお話いただければと思います。
○酒井氏 連絡協議会の酒井でございます。カウントの問題というのはいろいろな方法が考えられると思いますが、そのうちの1つとして、そこで働く常用の従業員が例えば週40時間であれば、それを基本と置いて、そこを軸に、例えば短時間の方、週20時間満たない方も、例えば0.3、0.4というような考え方もできるのではないかとか、あるいは、もう少し柔軟にカウント数が設定できるのではないかというように考えて、ここに書かせていただいております。ただ、課題として、これはかなり管理が難しいということも承知の上です。
○眞保委員 分かりました。
○阿部座長 ほかにいかがでしょうか。では、本條委員。
○本條委員 全国精神保健福祉会連合会の本條でございます。一番最後の9ページの特例子会社についてです。9ページの一番下のポツの所の3行目ぐらいに、特例子会社を設立せずとも、雇用率のグループ適用が実現できる制度に改正してはどうかということですが、特例子会社という制度ができたのはそれなりの理由があると思いますけれども、それを設立せずという、それならば、どのようにしてその雇用率をカウントしていくのか。緩和ということであれば、私にも分かるのですが、このところの御説明を頂きたいと思います。
○阿部座長 では、お願いいたします。
○酒井氏 連絡協議会の酒井でございます。この件については、特例子会社を設立することが目的ではなくて、グループ適用をするがための目的として特例子会社が設立される例というのが、幾つかあるというように加盟事業所から聞いております。これは、我々、1人でも多く統合された環境の中で働くということで考えれば、グループ内で働く方が増えればいいなと思っておりますが、それを促進するために、わざわざ特例子会社を手段として作るのであれば、そこを撤廃して、例えば、連結決算の対象企業内においてはグループ適用ができるという案もどうかというような話で書かせていただきました。
○阿部座長 ほかはよろしいですか。それでは、次の発表に移ります。全国重度障害者雇用事業所協会の丸物正直様から発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○丸物氏(全国重度障害者雇用事業所協会) 全重協の丸物です。どうぞよろしくお願いいたします。皆さんはやっていなかったのですけれども、私は団体概要を簡単に御説明させていただきます。全重協は、重度障害者を多数雇用している公益法人です。全国で7ブロック、全体で316の会員がおります。年2回、実際にブロック会議をやっていて、最近の障害者雇用の動向、あるいは支援策等のセミナーをやっています。また、先進的な取組をやっている事業所の見学会、あるいは経験交流をやっております。さらに、今年度から厚生労働省の委託を受けて相談事業、あるいはセミナーの実施で、活躍している企業の認証をしたり、好事例を普及するための事業を行っております。会長は栗原委員です。
 それでは論点からお話いたします。論点1は、障害者雇用について、数字の上では確かに着実に進展していると思いますけれども、中身を見ると、やはりいろいろな課題があるのではないかと見ております。1つは、精神障害者の定着の問題、就職した後離職が非常に多いということ。それから、企業のノウハウがまだありませんので、精神障害者の雇用になかなか積極的になれないという話も聞きます。それから加齢によって体力や作業能力が落ちてくるということも増えております。退職のときに、不安なく円満な退職をすることがなかなかしにくいとも聞きます。
 それから、これは地域によって大分違うのですけれども、例えば北海道や東北などでは、雇用したくてもなかなか障害者がいないという話も聞きます。精神障害者については、雇用に関する企業の抵抗感、それから負担感ということをなくすことが早急の課題であると考えております。私どもとして一番大事なことは、今後の障害者雇用について、法定雇用率を達成するために障害者雇用をするということだけではなくて、企業が障害者を雇用することのメリットを十分に認識して、より積極的に障害者を雇用するような方向を目指すべきという方向に持っていく、これが非常に大切だと思っております。そういうことをするためには、企業を認証する障害者活躍企業の認証制度とか、好事例の提供といったものを更にやっていく必要があるのではないか。
 論点2の、今後の障害者雇用については、障害者にとっても雇用する企業にとってもwin-winの関係にすべきだと思います。精神障害者については、企業で活躍していただくことが、企業にとってもメリットになることを企業に知ってもらう。そのためには精神障害者が活躍している企業の好事例、あるいは事業所の見学といった、実際に分かる機会を作ることが大切だと思います。精神障害者の中には、企業の手厚い支援がなくても、自ら自立的に働ける元気な精神障害者も少なくありません。精神障害者の中には、自分の体調管理をきちっとできている人もいます。そういう仕組みをいろいろな所で作り上げている団体が幾つもあります。
 例えば、WRAPとか、ピア・カウンセリングもそうですし、SPISもそうだと思います。そういう自己管理をうまくできるような、これを企業の雇用管理のほうに結び付けていく、取り入れていくということをもっとやっていく必要があるのではないか。企業管理で精神障害者を雇用する立場にある者が、お互いに情報交換ができるような仕組みを作ったり、更にこうした支援者をケアするためにカウンセリングや、アドバイスを行えるようなことをやるように変えていくことも必要だと思います。
 中高年齢層の精神障害者の雇用維持については、いわゆるA型、B型といった福祉政策との連携をもっともっと図っていきたい。福祉と雇用の連携については、更に進めていく必要があると思います。今後は、働くことができる障害者を少しでも増やす観点から、「ショートタイムワーク制度」は是非進めていきたい。ただ、その際に企業にとってのインセンティブ、要するに意欲を与える何らかの方法を確立する必要があると思います。
 論点3については、個別性が高く、就労支援が困難とされる方々の雇用を進めていく上でテレワーク、あるいは在宅就労というのは有効な方法だと考えております。全重協で働いている人は僅か4人です。この中に障害者ではありませんけれども、やはりテレワーク、在宅就労を実際にやってみて、非常に有効にうまくやれております。そういうことで、障害者にとっても、こういうものは是非取り入れていくべきだと思います。テレワーク等を実施するためには、事業所も一定の設備投資をするわけですから、それに対しては是非助成措置も考えていただきたいということでお願いいたします。現状では、在宅就労をしている間は、公費ヘルパーの利用ができないことになっています。こうした取扱いは是非見直していただきたいということです。
 論点4については、中小企業における障害者雇用の可能性をどうするかということです。中小企業の認識をよりポジティブに持っていってもらう。中小企業の負担というのは、できるだけ軽減するために、やはり使いやすい助成金を作っていただきたい。助成金は幾つかあるのですけれども、使い勝手がちょっと悪いということを聞きますので、その辺を改善していただきたい。
 論点5で特に問題になるのは、主治医との連携です。主治医については、雇用の現場の実態をもっと知っていただいて企業、あるいは支援機関とパイプを太く持っていただきたい。医療の話ではありませんけれども、なかぽつセンターについても、以前に比べれば大分数の上では増えましたけれども、企業にとってもっと利用しやすくするために、出張所等の増設も考えていただけたら有り難いと思います。
 論点6については、精神障害者を雇用する際には、短時間労働というケースも多いと思われます。そこで短時間労働の精神障害者を雇用する際の障害の負担が、もっと適切に反映されるような仕組みを作っていただきたい。何人かの方から、20時間未満の労働についてのお話、それから短時間就労のお話もありました。そういうものも、私どもは同じように感じております。こういう話をすると、すぐに雇用率は上がりますよという形で言われる。それは、もちろん私どもも承知しておりますけれども、やり方によってはそれほど大きく障害者雇用の率が上がらないでできると思いますので、そういったところの検討もよろしくお願いいたします。
 最後ですが、私どもの傘下には中小企業が非常に多いということもありますので、中小企業に対する助成を是非お願いしたい。それは使いやすさ、助成期間。財源は乏しいと思いますので、今までのように障害者の雇用分野に、どちらかというと少なかった一般財源についても考えていただけたら有り難いと思います。以上です。
○阿部座長 ありがとうございました。ただいまの発表について、事実関係の確認などがありましたら挙手をお願いいたします。工藤委員どうぞ。
○工藤委員 日本盲人会連合の工藤です。私どもには耳慣れない言葉がありました。WRAPとかSPISというのは雇用管理の何かかと思ったのです。それについて御説明いただけますか。それから論点3の在宅のところで、設備投資に対して助成をということだったのですが、設備投資として、例えばどういうものを想定しているのでしょうか。
○丸物氏 全重協の丸物です。WRAPとかSPISというのは、障害者自身が、自分で体調の管理をやっていくためにどうすればいいのか、ということで考えられている手法です。WRAPというのは、元気回復行動プランと言って、過去において自分がどういう形で悪くなっていったか。それから、どうやって良くなっていったかというのを思い返していただく。それで、自分の回復していく手法をマニュアル化していくということです。それを作るのに、過去そういう形で良くなっていった人たちの応援・支援を求めて、自分なりの元気回復プランを作っていくということです。
 SPISも同じようなものなのですけれども、毎日毎日自分の体調管理を記録で取って、それでこういうふうになったら悪くなるよ、という前兆をつかんでいく。いろいろな方がそのデータを共有して見られる。それで、その人の体調管理をみんなでやっていこうという形で進められているやり方です。これを、企業の雇用管理のほうにも持っていけたらいいと考えております。
 2つ目の在宅についてですけれども、指示をする。仕事をするときに、例えば物だと、その在宅している所に運ばなくてはいけない。あるいはデータをネットで送る場合には、それなりのシステムを作らなくてはいけない。そうすると、やるときに事前に準備しなくてはいけない機器類というのは当然出てくるわけですから、そういうものに対する助成を考えております。
○阿部座長 その他にはいかがですか。長谷川委員お願いします。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。お話をありがとうございました。論点6の10ページの一番下の所で、短時間で働く障害者についても雇用率にカウントしていくことになると、法定雇用率が引き上がることが予想されるけれども、それはやり方によってはそれほど高くならないのではないかとおっしゃったと思います。やり方によっては、とはどういうことなのか、に何かお考えがあればお聞かせください。
○丸物氏 今までのシステムでやろうとすると、当然上がるわけですが、それは変えられない。しかしながら、例えば上がりすぎたときに一定の場を設けるということも、そのやり方としては必要なのではないか。今のやり方と違うというのは、例えばどのように説明したらいいですかね。即上げるということではなくて、ある一定の期間はそのままの数字で、特例でやってもらって、その期間が過ぎたら、例えば1年なら1年を過ぎたら、雇用率が落ちたものに対して特別な対応をしていく。だから、ある一定の期間は、従来と同じような見方でカウントしていくというように見ればいいのではないかと思います。
○長谷川委員 長谷川です。多分理解できたと思うのですけれども、それは今回、精神障害者雇用義務化の中で、かなり長期間にわたって施行も遅らせたし、その後も激変緩和の措置として、実際の法定雇用率の計算式での数ではなくて、それを下回る雇用率にしたというようなやり方をしましたけれども、それと同じような感じですか。将来的には、計算式で出したものの雇用率を利用するということですか。
○丸物氏 私個人としては、実際には5年後、10年後という形で上がってきます。10年後のそこでは極端に上がってしまいますから、ちょっと無理ではないか。そうすると、実際にカウントの仕方を変えなくてはいけないのではないか。企業のビヘービアとして、5年ありますと言って、5年間徐々に準備していくのはなかなか難しい。したがって、3年過ぎたところで、これからあと2年で何とか対応しようとか、1年で対応しようというのが現実の姿なのです。そういう意味では、5年あるから何でもできるというものでもないと思います。
○阿部座長 他にはいかがでしょうか。特にないようでしたら、各団体からの発表に関して、全般的に質問等があれば御発言いただけますか。また、感想や御意見等もあればお願いいたします。栗原委員お願いいたします。
○栗原委員 栗原です。ただいま発表を頂きました各団体の皆様、本当にありがとうございました。私も、障害をもたれた方が就労した場合に長く勤めてほしい、また、中小企業でも就労がこれからもどんどん増えてほしいと思っているのは、多分皆様と一緒ではないかと思います。私も、それをある面では阻害しているというか、非常に問題になるようなハードルが今の発表の中にもあったと思うので、それについて皆様方にお伺いしたいと思います。
 1つは地域的な格差というお話を頂きました。私どもの会社は福島にありますが、就労したくても通えない。近くで実習などをやるにしても、受けてくれる施設がないということで、なかなか実習にも辿り着けないと伺います。例えば、グループホームに入りたいと言っても、なかなかグループホームにも入れない。いろいろな問題があって、地方では働けないのではなくて、働く環境が非常に厳しい状況にあるというのが1つです。
 もう1つは高齢・加齢化の問題です。皆様方はそういう場合に、例えば体力が落ちてきたときに、企業の支援に頼るのではなくて、障害者自身で行える対策の御提案を教えて頂けますか。この2点について、皆様の御意見を伺いたいと思います。
○阿部座長 佐々木さんから順番にお願いしてもよろしいですか。
○佐々木氏 全国育成会の佐々木です。先ほども申し上げましたけれども、大都会と地方の格差というのは大きくあると思います。就労したくてもできない、遠くて通えないというケースは、都会の場合はほぼないと考えられますが、地方の場合はあると思います。それと福祉就労していた場合に、うまくいかなくて離職したら戻る場所がないのではないかという不安が保護者のほうにもたくさんありますので、あえて就労は選択しないケースもあると思います。
 続かない原因は、例えばですけれども、割と1店舗1人障害者雇用というケースも最近は増えております。会社側の理解はあっても、それぞれの店舗での理解がないため、例えばパートさんを使っているケースのときに、そういう方たちとの人間関係がうまくいかなくて離職したいとか、ジョブコーチなどに相談に来るというケースは大変多くあります。中でも申し上げましたけれども、企業の理解と一緒に働く方たちの障害者に対する理解というものが大きく続くか、続かないかということに影響するのではないかと思います。
 それから、高齢になったときに、もし本当に企業側で新しい職種で働く何かを提供していただけなかった場合に、福祉の場に戻るなど、先ほど私は60歳を過ぎても雇用できるということを申し上げたのですけれども、福祉のほうで逆に65歳を過ぎても、元気で働く意欲のある方、それから日中活動に通いたい方がいらした場合に、戻れる何か策を福祉のほうで考えていただけたらと思います。以上です。
○阿部座長 ありがとうございました。それでは大胡田様よろしいでしょうか。
○大胡田氏 ありがとうございます。1つ目の地域格差についてはかなり難しい問題だと私も認識しているところです。1つは、職業訓練については広域的に、例えばジョブコーチとか、就労支援機関の方たちが、地方にも出張できるような仕組みがあり得るかなと。また逆に、障害者側から、例えば都市部にあるそういう訓練機関に行ってスキルを身に付けるといった仕組みがあるのではないのだろうかと考えます。障害の特性によってはテレワークが非常に効果的だという御発言もありましたので、こういうテレワークの仕組みなども注目に値するのかという気がいたします。
 あとは高齢・加齢の場合の企業側の対応ということですけれども、視覚障害者について言うと、職場介助者制度というのがあります。勤めていて、一定程度障害が重くなってきたとか、加齢になったという場合に、そこから職場介助者を使うというような工夫もあるのかという気もいたします。あとは福祉の制度を柔軟に使う。これまでは1人で歩けたけれども、高齢になってなかなか歩くことが難しくなったという場合には、同行援護などを仕事の際にも使えるように、福祉の制度を柔軟に使うことによって、企業側の負担感を和らげることもあるのではないかと思います。以上です。
○阿部座長 ありがとうございました。続いて酒井様お願いいたします。
○酒井氏 酒井です。2つとも難しい課題で、劇的に効果のある処方箋はなかなかないのかと思います。地方との格差の問題では、確かにそのような課題があることは重々承知をしております。最近、就労移行支援事業所、全国のいろいろな所に行かせていただくときに、必ず見学等をさせていただきます。例えば今は発達障害のある方の就労移行支援というのが結構話題になっています。都市部では、かなりその整備が進んでおります。これは地方においてもそうなのですけれども、実態を見るとこれは感覚的な話になってしまって大変恐縮ですけれども、東京や都市部でやっている層の発達障害の就労移行支援と、地方の層とは若干違うようなところがあります。
 何が言いたいかと申しますと、いわゆる都市部では発達障害というラインに置かれる方々も、もしかすると今は労働力不足ということも相まって障害者雇用、あるいは障害者雇用の有無にかかわらず、働いている障害のある方もいるのではないかと感じることがよくあります。地方では、そういう労働力不足ということが一方で課題でありますので、障害者雇用の有無ということでは、雇用の有無にかかわらず、労働力不足として、そこに障害のある方がどう貢献できるか、そんな観点で考えることも必要ではないかと感じております。
 高齢・加齢に伴う問題ですけれども、これは私自身の実践でもそうです。もう就職して20年たった知的障害のある方は、実年齢よりも老化の進みが早いというのを目の当たりにしております。そのときに我々支援者としては、無理強いせず、良いタイミングでソフトランディングさせるように支援を考えていくということは必要です。それこそ、そこは企業と福祉のタイアップ、現状はソフトランディングと言いましても、例えば継続支援B型は低い工賃ですし、一般で就労されている方が、そこのサービスを受けるというのはかなり差があります。その辺りをどう埋めていくか、ここは雇用先の企業と福祉のタイアップ、連携を更に深めていく必要があるのではないかと思います。ふわっとした回答で申し訳ありません。以上です。
○阿部座長 ありがとうございます。丸物様お願いいたします。
○丸物氏 高齢のほうから申し上げます。先ほども申し上げたこともありますけれども、一般就労と福祉的な就労のコラボによって体力、それからその人が持っている能力が若干変わっていくと思うのです。その時その時に合わせて、福祉的就労と一般的就労がうまく障害者を、ちょっと言葉は悪いのですけれども、回せるか。例えば、一般就労で働いていたけれども、高齢になって体力が落ちてきた。そのときにはA型企業等でうまく対応してもらう。逆に、A型でやっていた、あるいは移行事業所でもいいのですけれども、もっともっと働けるという人に対しては、一般就労のほうに行ってもらう。これがスムーズにうまく動けるような体制を、それぞれのあれでコラボすることによって作っていくということが大切ではないかと思っています。
 地方の格差については、客観的な状況が違うので、同じことはやはりできないということで、それぞれの企業がお互いに情報交換をして、どこでどういうものがあって、それを補完するためにはどういう方法があるかというのを、ある程度情報交換することによって、お互いにより良い雇用体制を作っていくしかないのではないかと思います。
○阿部座長 ありがとうございました。栗原委員よろしいでしょうか。
○栗原委員 栗原です。皆様ありがとうございました。やはり、企業と福祉の連携、一般就労と福祉就労の連携というのは非常に大切だというのは、皆様方御認識いただいているというのは分かりました。特に地方の場合、やはり人が足りないのです、労働力が足らないのです。働ける人がいても、なかなか働く場をくれるチャンスがないのが問題だと思います。その辺もこれからなんとか改善していかなければいけないのかと思います。
○阿部座長 他の方はいかがでしょうか。工藤委員どうぞ。
○工藤委員 日本盲人会連合の工藤です。感想も込めた発言になりますけれども、3点ほど述べさせていただきます。
1つは初回のときにもちょっと触れたかと思うのですが、継続雇用A型事業所の実態はどうなっているのか。その中のハローワークからの紹介就職については、就職が2割とかなりの数を占めています。これは福祉的な要素もあるので、そこのところは分けて捉えるべきかと思っています。例えば都道府県別の、先ほど9万のうちの2万幾らという数字がありましたけれども、それをもう少し具体的に障害の種別であるとか、等級別であるとか、職種別であるとか、都道府県別のそういうデータ、それからその就職先がどういう法人なのかという法人の区分の辺りを示していただければと思います。
 それから、いろいろあった中で、雇用率と納付金、例えば雇用率を引き上げる。0.5を1.0にとか、短時間雇用というのもありました。それから納付金の金額を引き上げるべきということもありました。納付金については、これから大きな議論になっていくと思いますので、納付金については、まず未達成企業が納付金を納めると思いますので、まずはその未達成企業の数。その納付金に基づいて、先ほど調整金のこともどなたからか出ていましたが、メリハリを付けるという話がありました。納付金が元になって調整金とか報奨金という形で支払われるわけですが、それについても、都道府県別に、事業所規模別の数を明らかにして提示していただければと思いました。
 もう1つは除外率のことですが、除外率は全廃ということを決定されてからもう13年経っています。この間に10%ずつ2回下げられました。日盲連の論点6で、できるだけ早くまた10%下げてほしいと書いていますが、就労移行支援事業所連絡協議会さんのほうから、そこのところのスケジュールを明らかにしてほしいとありましたが、これについては、私たちも全く同感です。
最後にもう1つ、ジョブコーチのことです。事務局に対しての質問になりますが、ジョブコーチには、障害者職業センターへの配置型のジョブコーチ、訪問型のジョブコーチ、企業所属型のジョブコーチと3パターンありますが、それぞれどういう形で養成されているのか。雇用支援機構で年数回養成研修が行われていて、その他に厚生労働大臣認可の民間団体でも養成研修が行われています。今、実際にどれぐらいの数が養成されてきているのかを事務局にお尋ねします。
 視覚障害者のジョブコーチが非常に少ないということが話題になっていて、当事者の団体が厚生労働大臣の認可を受けて養成するということも検討してもいいのではないかということを考えたことがあります。自分たちで養成するのはいいのですが、赤字になって自分たちの首を絞めてしまうと、何もならないと思います。その辺について、NPO法人ジョブコーチネットワークにも関わっていらっしゃる志賀委員に、現状はどんな状況なのか、それから、どのようにしていけば、もっとそういう形での養成が進むのか、その辺のご意見を頂ければと思います。
○阿部座長 それでは、最初のほうは御意見として御感想として承って、最後のジョブコーチの点については厚生労働省と志賀さんに御意見をということですので、よろしくお願いします。まず、厚生労働省から。
○地域就労支援室長 地域就労支援室長の田中と申します。工藤委員から御質問ございましたジョブコーチ養成研修の受講者数について、御紹介したいと思います。平成28年度については、合計で887名です。まず、高齢・障害・求職者雇用支援機構のほうでは訪問型ジョブコーチについて165名、企業在籍型ジョブコーチについて155名を養成しております。また、厚生労働大臣が指定した研修の実施機関については6団体ありますが、そちらで訪問型ジョブコーチを375名、企業在籍型ジョブコーチを192名養成しているところです。配置型ジョブコーチについては、人数としては300名程度在籍しているということになっています。
○工藤委員 ありがとうございます。
○阿部座長 それでは志賀さん、お願いします。
○志賀委員 のぞみの園の志賀です。NPO法人ジョブコーチネットワークにおける養成研修の話、簡単な概略と今の課題も含めて話をさせていただければと思います。ジョブコーチネットワークのほうは養成研修事業が始まった当時からスタートしておりまして、現在、毎年若干違いますが、おおむね3か所程度、年3~4回程度養成研修を行っております。人数としては多いときで70人弱ぐらい、少ないときは40人弱のときもあります。時間数を合わせるために週6日間、原則連続、場合によっては2回に分けてというような形でやっております。費用については参加者からの負担ということで、基本的には5万円から次第に上がって5~6万円の範囲でこれまでやってきております。受講の希望は地域、開催する場所によってですが、東京で開催する場合は定員の倍近くの希望が比較的多く、最近では企業在籍型の方の希望が多くて、逆に受講希望自体は企業在籍型のほうが多いことがあるということで、受講のほうも約半々に近い形で受けております。関西並びにその他の地方で行うときは、やはり訪問型のほうの数が多いというのが現状なのだと思います。運営する側としては6日間、そういった面で講師を派遣して、実際の現場で活動できるような演習等を行うための人材を入れてと、事務手続が非常に掛かっているということです。先ほど工藤委員からも話を伺いましたけれども、たった6日間、最低ライン半年~2年間ということとは随分違う、そういった面では促成栽培的なプログラムではございますが、それでもかなり負担感が大きいです。逆に言えば、企業あるいは訪問型の方も、参加されたいというニーズはないわけではないのですが、やはり6日間連続、費用の問題は別として、6日間連続という時間、職場を空けてということでの負担感が大きいという話も聞いております。
 もう一点は、企業在籍型のほうは要望の方にも幾つか出ておりましたが、実際は助成金等の対象というよりも職場の中で雇用管理をしっかりやりたいという企業さんからのやはり希望が非常に多くて、運営する側としてはその辺が非常に頼りにしている部分でもあります。そういう面では団体がどれくらい、これからカリキュラムに沿ったプログラムの質についてしっかりと運営をしていくのか。丸一日現場での実習をせねばならないというところも様々な運用の方法をやられておりますが、その辺もしっかり担保した運用ができる事業体というのはどうしていくか、自分たちではどこまでできるかというのはなかなか厳しい問題もあります。そういった意味では、中小企業並びに訪問型等をこれから新規に行いたい小さな事業所等に対する、そういった面ではそれぞれの運営主体では費用の問題は検討はされていますが、質をある程度確保しようとすると、やはり費用の問題はどうしても掛からざるを得ないと思っております。今ぱっと思いつく範囲ですが、そういった内容です。
○阿部座長 ありがとうございました。それでは、その他いかがですか。では、漆原委員。
○漆原委員 漆原でございます。今の工藤委員のおっしゃられたことと最初は少々重なってしまうのですが、正に統計の話は可能な限り厚労省で出せるものがあれば、局をまたいだデータの集計も必要になるかもしれませんが、今後の議論のためにも、感覚的に今理解しているものが実際の統計上ではどうかという理解の一助になるので是非、各団体さんの御要望にできるだけ添うようにデータを資料として配布いただけるようお願いをしたいというところです。
 あと、日本盲人会連合さんの御発言にもありましたとおり、産業医の専任については現在、御存じのとおり50人以上規模の事業場で専任をされるということになっております。もちろん我々は専任義務がかかる企業の規模を引き下げるべきだと要求しております。また、産業医の研修の中に、やはり障害種別ごとの研修というのがあっても良いのかなと思っています。例えば、精神科医が産業医をされているケースというのは余り実は多くはないのですが御存知の通り、メンタルヘルスの研修というのは、産業医になる要件として、また、その後の研修にも入っております。そのような研修をほかの障害者の雇用の分野にも広げることは果たしてできないのかなというふうには思っております。もちろん現在働かれている産業医の先生が必ずしもそうした広がりを歓迎されるかどうかは別として、そういった施策も必要なのではないかと思っております。
 あと、職場の環境を整備するということは、健常者にとっても障害者にとってもプラスになるので、職場の安全衛生委員会の中では環境整備も検討事項になっています。その中に新たに障害を抱えられている方の環境整備というのも入れたらいかがかと思っております。局は違いますが、「仕事と治療の両立支援」という考え方で別途、この場合はがんですとか、糖尿病を抱えておられる方が通院をしながら働き続けられる、そういった環境整備もトータルに見ていれば合理的配慮と同じような重複する部分もあると思いますので、局をまたいだ連携をお願いできればと思うところです。
○阿部座長 ありがとうございました。それでは、その他いかがですか。では、長谷川委員。
○長谷川委員 福島大学の長谷川です。うまく質問できるか分からないのですが、就労移行支援事業所の連絡協議会のところでお話してくださいましたし、先ほど工藤委員もおっしゃっていたと思うのですが、資料ですと2ページのところにあります。ハローワークを通して就職に至った場合に、それが一般の企業への就職なのか、それともA型への就職なのかということが、今データとして分けて出てないので、それを別々に集計すべきだという御指摘を頂いて、私もそのとおりだと思いながら聞いていたのですが、データが出た場合にそれをどういうふうに利用していくことができるのだろうかと思います。A型が多いから駄目だとか、そういう話は恐らくないと思うのですね。分けてデータを出すことによって、その後どういう施策につなげていけるのかみたいなお考えがあれば、是非お聞かせください。
○阿部座長 それでは酒井様、お願いします。
○酒井氏 連絡協議会の酒井です。分けて整理をしてどう変わるのかという話ですが、おっしゃるように、どう変わるのかというのは私も今明確にお伝えできる材料はないのですけれども、この10年、本当に飛躍的に障害者雇用が前進したということはデータ上でも明らかになっていることです。その中でも、就職件数も大幅に増えたと。加えて、就職件数のことで言いますと、先ほど一緒になっているという話をしましたけれども、平成25年のタイミングで、身体障害者を抜いて、今や精神障害者が年間では一番の就職件数に上がっているというような状況にあって、精神障害者の就職も進んでいるというような流れで、共通の認識であると思うのです。
 それは確かに現場で働く私たちもそうなのですが、一方で、就職件数の3割が毎年A型の、毎年あるとは言いませんが、恐らくここ数年そのぐらい、3割近くはA型事業所への就職件数だと思うのです。そういう状況において、A型を利用されている中でも精神障害のある方が、A型利用者5万人の中でも非常に多いわけです。A型が、5万人の中で毎年2万3,000人、3割近くが就職件数にA型がカウントされているということは、A型の中でも離転職を繰り返されている方もいらっしゃるのではないかとか、そのような分析ももう少し容易にできるのではないか。そういう思いもあって、一旦整理をして現状を見極めるべきではないかと、そういう思いからでございます。
○阿部座長 では長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 長谷川です。就労移行支援をする中でA型に就職する方、一般企業に就職する方、それぞれいらっしゃると思います。本人の希望、あるいは会社側の考えとか、あるいは実際の労働能力などをしっかりと勘案したうえで、企業に行くべき人が企業に行っている。やはりここは福祉的な支えも必要だから、この人はA型にと、適切に移行先が決まっているかどうか、実態を教えていただけますか。
○阿部座長 では酒井様、お願いします。
○酒井氏 酒井です。おっしゃるとおり、そういう適切にそこの振分けができている現状であるかと言うと、そうではやはりなくて、私たちも例えばA型事業所にお邪魔させていただくと、感覚的な話になりますが、ほかにもいろいろ就労上の課題があるのかもしれませんが、もったいないな、一般就労もできるのではないかなというような事案があります。あるいはA型事業所に在籍されている方が私たちの事業所に、一般就労したいのだけどという相談に見えられたりするときに、一般就労に向けて訓練をすれば可能だなと、そういうような方々もたくさん見受けられますので、確かにそこの振分けが現状できてなくて、そこも課題であるというのは確かだと思います。
○阿部座長 その他いかがですか。工藤委員は先ほどお話されているので、ほかの委員の方を優先したいと思いますが、もしなければ。それでは眞保委員、お願いします。
○眞保委員 お話ありがとうございました。短時間カウントの話がいろいろな団体さんから出ておりましたのでお伺いしたいところがあるのですが、先ほど丸物さんもおっしゃいましたように、確かに短時間のカウントを変えますと雇用率が上がってくるという、今のその計算式の仕組みから出てくるわけです。短時間でカウントしていくことによって企業として雇用管理の手間は増えることになるのか、その辺りはいかがなのかという点が1点、どのようにお考えになっているかということですね。支援者側として酒井様であれば企業さんと関わっている間での見方もございますでしょうし、丸物様であれば、実際に企業での雇用管理の事務量の増大の点の見込みをお伺いできればというのが一点です。
 もう1つは、メリットをやはり多く企業さん側に知っていただくことが重要だという話が出ていたと思うのですが、その辺で事例集等は私も関わったりしておりますが、たくさん出していることは事実なのです。そのほかに、先ほど丸物様のほうから見学というお話があったのですが、確かに今見てみますと、企業さんに見学に行くという仕組みが実際の状況を、活躍している状況を、戦力化している姿を見に行くという仕組みが実はなかなか構築が難しいのかなと思っていて、その方法がもしあれば、どのような方法が具体的にあるのか、丸物様のほうにお伺いしたいと思います。以上です。
○阿部座長 それでは丸物様、お願いします。
○丸物氏 これは、例えば私ども全重協でいろいろな会議をやるときに、好事例に挙げられるような企業というのは結構話の中に出てくる。そういうのをグループで、そういう団体を組んでいるときにはお互いに、ちょっと今度見せてくれと。あるいはそういう情報が飛び交いますから、そういう話ができると思うのですね。それだけではなくて、例えば今、厚生労働省から受託している事業の中で、相談業務というのがあります。やはりやり方として分からないので、実際に見せてほしいというのも、相談業務の中に大きなものとしてあるわけです。そういったときには、それぞれの地域で行きやすい所、それから何が課題になっているかによって紹介させていただくということで、厚生労働省からの委託事業の中にもそういったものがありますので、それは会員の企業にどんどん紹介をさせていただいているということです。
○阿部座長 よろしいですか。
○眞保委員 雇用管理のための事務量についてです。
○丸物氏 事務量については企業によって大分違うと思いますが、私がいたSMBCですと、今、障害者は410人ぐらいおります。8か所に分かれている。これは事務量というのは、多いと言っても、実際に障害者を雇用していく、いこうという、そういうことを考えたときに、避けては通れないものです。管理というのはコンピュータ管理できますから、そんなに大きな問題にはならないと思うのですよね。
○眞保委員 そうしますと短時間カウントする際の、短時間にすることによってまた雇用管理の事務量が増えると指摘する向きもありますが、それはそれほど問題ではないということですか。
○丸物氏 ええ。それよりも、やはりもっと前向きに取り上げてほしいというほうが先ですね。特に1つ申し上げたいのは、以前私どもも全重協、要するに重度障害者雇用事業所協会と、重度の障害者がなかなか雇用できない、雇用してもらえないということで、重度の障害者に対してはダブルカウントを与えるからということで、身体はきたわけです。そういう重度の障害者を多く抱えている企業にとって、身体の重度の方が定年を迎えるときに2ポイントの、2カウントの方がいらっしゃらなくなる。新しくその方を身体で置き換えていきたいのだけれども、身体の方はほとんど取れなくなっている。そうすると精神の人で置き換える。精神の人に安定的に働いてもらうためには、最初は短時間労働から始めざるを得ない。あるいは、始めたほうがすんなりと進んでいく。そうすると短時間労働は0.5で、2カウントの人を0.5カウントの人でまかないますから、雇用率を一定に保とうとすると4倍の人が必要になる。これは企業にとっては余りにも大きい非効率的なことであって、事務量うんぬんよりも、やはり4倍雇用しなくてはいけないというようなことを解消してもらったほうがいいと思うのですね。20時間未満の話もさっき出ていたと思うのですが、ここは全くゼロですから、もっと大きな問題になる。したがって、そういう意味ではむしろカウントのほうを、その事務量よりもカウントを何とかしていただくほうに、私どもは変えてほしいというあれが強いと。
○眞保委員 短時間のカウントをもう少し細かくする雇用管理の事務量よりも、カウントができるようになったほうがメリットが大きいというふうに捉えていらっしゃいますか。
○丸物氏 そうですね。
○阿部座長 ありがとうございます。その他いかがですか。もしほかの方がなければ、先ほど工藤委員と栗原委員が手を挙げていらっしゃいましたので。残り時間10分です。では本條委員。
○本條委員 それでは短時間について、私の意見を述べてみたいと思います。恐らく短時間を1人としてカウントすると公平性が損なわれるのではないかということでありますが、実はこれ、雇う側にとってやはり働いていただくという以外に、障害者の方を支援していくとか、そういうこともお仕事として増えるのではないか。それは1人の半日であっても、その人はその人がいる時間だけではなく、いろいろなことをしないといけないことになりますと、支援ということになりますと余り変わらないのではないか。そういう意味から言うと、やはり1人としてカウントするほうが企業にとって適切ではないか、このように考えております。例えば、障害福祉のほうでいきますと、8時間利用している人なんかいないわけです。というのは、職員は8時間労働であればそれの準備の時間も要りますし、その支援の内容を利用者の方が帰ってから支援実施書とか、そういう振り返りの時間も必要です。障害者の方を支援するということは、働いているというか、利用されている以上の時間が掛かるわけでありますから、そこのところはやはり企業にとっても見てあげたらいいのではないか。
 それと、もう1つは私たち当事者団体、家族も含めて当事者団体は、もちろん就職するということも大事でありますが、社会参加をしていくということが非常に大事と捉えております。たとえ2時間であっても、3時間であっても、家で引きこもっているよりはそういう施設に通う、あるいは企業で働くということによって大きく社会参加が進むわけですから、そういう点も考慮していただきたいと、こういうように思っております。
○阿部座長 ありがとうございました。まだ残り時間がありますので、工藤委員と栗原委員、手短にお願いします。
○工藤委員 日本盲人会連合の工藤です。まず、結論だけ、3点ほどです。
1つはA型事業所のことなのですが、本来、一般就労できる人がA型に安易に紹介就職するというのは逆行ではないかという、基本的にそういう考えを持っています。実際に大学を卒業したかなり能力の高い視覚障害者の方が、そういうA型に就職していて、これではいけないと、ほかに就職したいのだけどという相談を受けたりしています。1つはそういうことです。
 それから、超短時間のショートタイム雇用ということについてです。これについては確かに働く機会が増え、働くということでは歓迎すべきことなのですが、やはり指揮命令を受けて働くということで、その辺がどうなのか。労働基準法上の労働者としての保護はどうなのか。そういうことを考えたときに、それを雇用率にということになったら、やはり雇用率のためという印象も少し持ちました。
 そして、もう1つ最後は、産業医の役割というのは非常に重要だと感じています。このことは、ヒアリング回答の中に述べてありますが、やはり産業医の役割だとか、その辺のことについて一度、産業医の方からも是非ヒアリングをしていただきたいということは、要望としてお願いしておきます。以上です。○阿部座長 ありがとうございました。それでは栗原委員、お願いします。
○栗原委員 栗原です。では手短に。就労移行の件で酒井さんにお伺いしたいのですが、先ほど来出ていますのが、就労できるだけの力を持っている人がA型にいて、例えば、その人が就労したいと言ったときに、A型のほうでこの人は出られては困るということがあると思うのです。そのとき就労のほうに送り出せるのか。例えば集団面接会に行きたいと言ったときに、面接会に出して、就労してほしいというような流れがあるかどうか教えて頂きたいです。
○阿部座長 では、酒井さんからお願いしてよろしいですか。
○酒井氏 酒井です。まず、就労継続A型事業所については、移行支援のように一般就労に向けて直接支援を行う就労支援員といいますが、就労移行支援には配置義務があるのですが、A型事業所には直接一般就労に向けた支援を行う就労支援員の配置義務はございません。職業指導員並びに生活支援員を配置するということで決められておりますので、そこの支援が手薄になるというのは確かです。そういう中で、A型事業所が一般就労が可能な方をより送り出そうということについては、現在のところ就労移行支援のように就労実績に応じたインセンティブというのがかなり低い状況にありますので、こちらは今、福祉局でも部局でも課題と恐らく感じていらっしゃると思うのです。今般、来年度に向けて報酬改定の検討をされている段階で、こういうこともちょうど話題に挙がっておりますので、何らかの策が講じられるのではないかなというふうに考えております。
○栗原委員 はい、ありがとうございます。
○酒井氏 すみません、酒井ですが、先ほど眞保委員の質問に対して、質問のところで前段に私の名前も挙げていただいておりましたので、発言させていただいてもよろしいですか。
○阿部座長 では、どうぞ。
○酒井氏 まず雇用率、短時間のカウントに関する企業の負担がどうなのかというところですが、その企業によって入れているシステム等々もありますし、個人差もあると思うので、一様に私は何とも申し難いわけですが、私たちがお示ししているものとしては、その案の1つとして常用労働者の労働時間を基礎とするということですので、例えば遡って数箇月の出退勤の状況からそのカウントを割り出すという方法になるかと思います。こちらの方法の負担感というのは私には分かりませんが、それほど難しいことではないのかと。これもすみません、感覚的なことで申し訳ないですが、そのように思っています。
 問題は、課題としてはやはり、今も現状もそうですが申告制ですので、その数の事務量というよりは、その数字が適正な数字なのか、正確性の確認がなかなかしづらいというのが課題であるのかなと感じております。現行の雇用保険の枠組みで短時間労働者と常用労働者の区分は非常に分かりやすくて、その管理上も非常に容易であるというのは重々理解をしているのですが、ただ、精神に障害のある方の短時間の問題というのはかなり今、私たちの加盟事業所の中でも問題になっていますので、20時間に満たない精神障害のある方あるいは重度障害のある方を企業が雇用するインセンティブというのを持てないか。そういうような思いで、この論点に対してお答えさせていただきます。以上です。
○阿部座長 ありがとうございました。まだ御発言なさりたい方もいらっしゃるかもしれませんが、そろそろ時間もまいりましたので、本日はこの辺りで終了とさせていただきたいと思います。お忙しい中、御発表の皆様、御足労いただきましてありがとうございました。次回も引き続き関係者からのヒアリングを行いたいと思います。日程等について、事務局から説明をお願いいたします。
○障害者雇用対策課長補佐 次回は11月7日、火曜日、13時からヒアリングを予定しております。よろしくお願いいたします。
○阿部座長 それでは、これをもちまして本日の研究会は終了いたします。本日は御多忙の中、大変ありがとうございました。