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第十三回 地域医療構想に関するワーキンググループ
日時
平成30年5月16日(水)10:00~12:00
場所
厚生労働省中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
東京都千代田区霞が関1-2-2
東京都千代田区霞が関1-2-2
議事
○横山課長補佐 ただいまから、第13回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
また、本日は地域医療構想調整会議における議論の進捗状況等を御報告していただくため、参考人として茨城県保健福祉部医療局医療政策課、須能浩信課長。徳島県保健福祉部、三好誠治副部長。埼玉県保健医療部保健医療政策課、唐橋竜一課長をお呼びしています。
オブザーバーとして、総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より、伊藤室長に御出席いただいております。
本日、私どもの医政局長の武田につきましては、別の公務のために、途中で退席させていただきます。
議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2、資料3-1、資料3-2、参考資料1、参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料3をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。
それでは、以降の進行を尾形座長にお願いします。
○尾形座長 おはようございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
まず、議題の1つ目でございますが「地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について(その5)」を議論したいと思います。まず、資料1-1の説明を事務局から、資料1-2の説明を茨城県の須能参考人から、資料1-3の説明を徳島県の三好参考人から、それぞれお願いをしたいと思います。
一括して説明を伺った後に、質疑をしたいと思います。
それでは、説明をよろしくお願いいたします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料1-1を使いまして御説明をさせていただきます。まず「1.地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について(その5)」になります。
1ページ目で、こちらは地域医療構想調整会議の位置づけと協議事項を整理した資料になります。
2ページ目が、調整会議の進め方のサイクルをお示しした資料になりますが、今回はこの緑の▼の3月末時点での状況を取りまとめましたので、この内容を御報告させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、調整会議における議論の状況の総括表になりますけれども、左下を見ていただきますと、公立病院につきましては、新改革プランを策定した病院が816病院、3月末時点で調整会議で議論を開始した病院が650病院となっております。
2025プラン対象医療機関につきましては、プランを策定した病院が813病院、調整会議で議論を開始した病院が617病院となっております。
その他の医療機関につきましては、担うべき役割や機能を大きく変更する病院等で、今後の事業計画を策定した病院が264病院、調整会議で議論を開始した病院が46病院となっております。
1枚おめくりいただきまして、こちらは都道府県ごとの昨年度の調整会議の実績を取りまとめた資料になります。通知等では年4回程度、調整会議を実施してくださいということを周知しているところでありますが、昨年度の実績としては全国平均で3.1回となっております。
5ページ目の資料ですけれども、こちらは平成29年度病床機能報告の報告状況を都道府県ごとに整理した資料になります。速報値段階の報告率ということになりますが、全体として約85%前後の報告率となっております。
未報告医療機関の施設数に関しては、下段の表のところで整理をさせていただいております。
6ページ目ですけれども、報告率の経年比較を都道府県ごとに整理した資料になります。こちらに関しては、28年度は最終的な報告率、平成29年度に関しては速報値の段階のものということで、見ている時点が異なることに御留意ください。
7ページ目ですが、これは見ている時点を合わせて、ともに速報値の段階で報告率がどうだったのかを都道府県ごとに整理した資料となります。
8ページ目です。これは非稼働病棟の病床数を都道府県ごとに整理した資料になります。非稼働病棟につきましては、調整会議で議論をしていただきたいということで周知しているところであります。調整会議での議論が実施できた割合が下段の表となります。
9ページ目になりますが、これが実際に非稼働病棟のうち、減床した事例について整理させていただいた資料になります。
10ページ目ですが、非稼働病棟の病床数の経年比較を整理させていただいております。先ほどの報告率と同様に、平成28年度は最終的な報告、平成29年度は速報段階のものですので、時点が異なることに御留意いただく必要があります。
11ページ目が、時点を合わせて、ともに速報段階でどのように変化をしているかといったものを整理した資料となります。29年度、新たに非稼働病棟となるものもありますので、経年比較をするとふえている都道府県も存在します。
12ページ目ですが、こちらは新公立病院改革プランの策定状況、また、調整会議で議論を開始した割合を整理したものになります。
1枚おめくりいただきまして、こちらは2025プランの策定状況、協議の状況を整理した資料になります。
こちら2つについて、あわせて整理した資料が14ページ目になります。これを見ていただきますと、実施している都道府県ではかなりの割合で調整会議の議論が進んでいる状況でありますが、全く調整会議での議論をしていない都道府県も一部見受けられます。
一度も実施していない都道府県に関しましては、実施していない理由について聞き取っておりますので、その聞き取った内容が15ページ目ということになります。議論を開始できていない理由としては、おおむね協議を開始するまでに準備期間を要したといった内容となっております。いずれの都道府県も、今年度中には協議を開始するということで御連絡をいただいております。
16ページ目ですけれども、2月に発出しております通知の中で、都道府県は毎年度、調整会議において合意した具体的対応方針を取りまとめるということになっておりまして、昨年度末時点での調整会議で合意した具体的対応方針を17ページ目でまとめさせていただいております。
先ほどは協議を開始したところまでお示ししたわけですが、合意まで至った病院数となりますと、公立病院につきましては38病院、2025プラン対象医療機関につきましては70病院、その他、今後の事業計画を策定し、合意に至った病院が9病院となっております。
18ページ目以降ですけれども、具体的対応方針について、合意した病院のある構想区域において、将来の病床数の必要量がどうなっていて、2016年の病床数がどうなっていて、単純比較した場合、どうなるのかを整理した上で、実際に具体的対応方針を合意した病院がどのように医療機能を見直すということで合意がなされているかというのを整理して一覧表としておりますので、以降、18~24ページがその内容となっております。
事務局からの報告は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き須能参考人、よろしくお願いいたします。
○須能参考人 地域医療構想の進捗状況ということで、本県の主に病院再編の事例を中心に御説明をしたいと思います。資料1-2をごらんいただければと思います。
茨城といえば、魅力度ランキングで最下位でございまして、それも5年連続最下位ということで、その調査が始まって以来、1回を除いて全部最下位ということで、圧倒的に知名度とか魅力度が低いところなのです。
1枚おめくりいただきまして1ページ、概況を触れさせていただきますと、面積は24位ですけれども、可住地面積が全国第4位ということで、福島と岩手の間ということで、非常に広い面積を有しています。
また、右側に、いろいろ写真とかを載せておりますけれども、空港、港、それから、高速道路のジャンクションなど、いわゆる陸・海・空の広域交通のネットワークが進んでいるところでして、東京都の所要時間につきましても、平成17年につくばエクスプレスが開業し、秋葉原からつくばまで45分。それから、県都である水戸までは65分、最北の北茨城までも110分ということで、非常に東京との距離は近いところでございます。
そういった中で、人口も全国11位ですし、製造品の出荷額、それから、農業産出額につきましても全国1桁ということで、インフラの状況につきましてはそれなりに整っているといった県でございます。
2ページ、医療の状況につきまして御説明しますと、医療機関の人口当たりの施設数と病床数はいずれも全国平均以下でして、中でも特に医師不足と医師の地域偏在といったことが非常に深刻な問題となっている県でございます。
人口10万人対の医師数は全国ワースト2位で、地域偏在のことについて言えば最大格差は4倍以上ということで、下の図の中央に二次医療圏別の医師数を記載してございますけれども、最も少ないところは95.7人ということで、これは鹿行(ろっこう)とお読みするのですが、全国344の医療機関の中でもワースト2位ということで、100人ちょっとのところまで含めて筑西・下妻、それから、常陸太田・ひたちなかという、この3カ所の医師不足といったことが非常に深刻な問題となってございます。
そういう状況で、9つの医療圏があるわけですけれども、水戸の医療圏と筑波の医療圏を除きまして流出過多が見られる状況です。
医科大学につきましては筑波大のみということで、昭和48年開学ということで、新しい大学でございます。
3ページ、その中で唯一の医育機関であります筑波大にどういうふうにいろいろやっていただいているかといいますと、県内に在籍する医師の約3分の1は筑波大の関係者となってございまして、地域への計画的な派遣ですとか、そういったことを取り組んでいただくために、養成・確保ということで、筑波大のほうに地域枠ですとか寄附講座を設けていただきました。
地域医療教育センターということで、右の地図がありますけれども、そういったところを大学のほうで指定していただきまして、教育・研修をやっていただいているという状況でございます。
地域枠の入学者につきましても21年に始まっておりまして、これまでに卒業した28名の医師が県内で勤務しているといった状況でございます。まだまだ医師不足という状況で、圧倒的に医療提供体制が充足していないという地域でございます。
4ページ、そういう中で本県の地域医療構想の状況で、医療圏でいいますと、区域ごとに人口は大体20万から50万でして、2025年の必要病床数を地域医療圏ごとに記載してございますけれども、現在の許可病床に比べると、いずれの地域におきましても病床過多という状況で、どうやって本県では限られた医療資源、限られた病床を活用して地域医療体制を整えていくかという大きな課題がございます。
5ページ、次が新公立病院改革プランと公的医療機関等2025プランの進捗状況で、全ての対象医療機関で策定は済んでございます。ただ、策定した時期が若干遅い関係で、まだ議論を開始していないところは3カ所ほどありますけれども、この3つにつきましても速やかに議論を開始するということで調整をしているところでございます。
そういった本件の状況の中で、今日は、先ほど医療圏のところで医師不足が深刻だと言っております筑西・下妻、鹿行、それから、場所としては水戸になるのですが、県の北側の広いエリアを支えております水戸の再編の状況につきまして、簡単に御説明したいと思います。
6ページ、「筑西・下妻保健医療圏について」というところでございますけれども、地域の状況でいいますと、10万人当たりの一般病床数は全国最下位で、栃木県の自治医科大学や筑波大学が近くにありますことから、非常に他の医療圏への依存度が高い。
そういうことで、下段の図の中央に「(参考2)受療動向」とありますが、これは各市町村別の入院患者のいわゆる自足率でございまして、今回対象になっていますのが筑西市、桜川市ということで、オレンジに塗ったところが医療圏で、この医療圏の中でも市町村合併で3つ、あるいは4つの市町村が合併して誕生した両市で、非常に面積的に広いところでございますけれども、自足率で申しますと、桜川市は51.3%、筑西市が40.9%ということで、特に筑西市では栃木県への流出が、両市ともつくば保健医療圏への流出が非常に多いところでございます。
この合併の背景となりましたところから説明しますと、7ページに移るわけですけれども、もともと平成21年に県の地域医療再生計画に公立2病院の再編ということを位置づけました。その後、先ほど申しましたように、面積が非常に広い関係で、建設場所の問題でまとまりがつきませんで、平成23年の東日本大震災もあり、やはり合併しなければならないということで合意はしたものの、その後、いろいろ紆余曲折ありまして、民間病院であります山王病院というところがありますけれども、そこを含む3病院で、3つを2つに再編するというスキームで合意をし、以降、順調に手続を進め、現在、間もなく、今年の10月に開院する予定となってございます。
新病院につきましては筑西市で整備します、茨城県西部メディカルセンターにつきましては一般病床250床で、地方独立行政法人が運営するという経営形態。それから、桜川市のほうで整備しますさくらがわ地域医療センターにつきましては一般病床80床、療養48床ということで、山王病院へ指定管理ということで、さくらがわ地域医療センターのほうでは、いわゆる初期の受け入れのところと、あとは療養期についての役割を担う。それで、地域の中核としてきちんと二次救急まで受け皿として整備するのが茨城県西部メディカルセンターという役割で再編するということで進めてまいりまして、間もなく完成するところなのです。
8ページ、新病院の特徴ですが、県内初めて2つの大学の教育研修センターという機能を位置づけてもらうことができました。こういったことから、この病院が中心になって、この地域を担っていくことになろうかと思っています。新聞で1月31日に調印したときの記事を参考として載せさせていただきました。
9ページ、鹿行保健医療圏でございます。
鹿行保健医療圏につきましては、医療資源でいうと10万人当たりの病床数もそうですし、医師数が最も少ないところでございまして「(参考2)受療動向」を見ますと、市内で診られる方が3割しかおりません。7割が県内の他の市町村ですとか、特に他県への流出が約4割ということで、非常に多くの患者が外に流れています。県境をまたぐものですから、千葉県側の病院のほうから受け入れの制限をしたいといういろんな要請などもありまして、圏域内で何とかしなくてはいけないということで議論を重ねているところです。
今回、この2つの対象になりますものが赤で囲みました神栖済生会病院と鹿島労災病院で、約10キロ離れているところです。この地域の拠点となる病院につきましては、なめがた地域医療センター、小山記念病院、白十字総合病院とあるのですが、それぞれ、この圏域の中の中心あるいはそれより北部でございまして、この南部地域、半島みたいになっているところなのですけれども、ここに医療機関が全然ありません。
神栖市は、近くに工業地帯を抱えているものですから、非常に人口も多く、今後の人口動態を見ましても、今の人口規模が維持されていく見込みという見通しもあります。10万人の人口を抱えているところですので、この地域の医療体制をどうにかしなくてはいけないということで、この2病院を対象として再編整備ということを進めることになりました。
10ページ、これまでの経過等を右側に記載しておりますけれども、平成25年に鹿島労災病院のドクターが、千葉大学からの派遣を受けたところなのですが、大量の引き上げがありまして、10人まで減ってしまいました。そういったことなどを背景にしまして、28年、29年と急ピッチで、同一の市町村内だからということかもしれませんけれども、非常にスピーディーにまとまってきたもので、一応、来年の4月1日に合併をするということで、現在、いろんな詰めの協議を行っているところでございます。
11ページ、新しい病院の姿ですけれども、もともとありました479床を2つに再編統合しまして、350床程度の本院と10床程度の分院ということで、一体として地域医療を支えていくという体制で医療資源を集約化するということで再編後の姿をイメージしております。
これが鹿行地域の状況でございます。
最後に12ページ、水戸保健医療圏ということで、水戸につきましては県都でもあるということもありまして、多くの二次医療機関が集積をしてございます。
ただ、ここに記載しています病院とも、築年数で見ますと30年を経過しているところがほとんどです。したがいまして、どの病院も建てかえの時期に来ておりまして、建てかえに合わせまして、将来の人口動態ですとか患者の受療動向を踏まえて、一度立ちどまって地域医療構想を進めるという観点で、関係者同士、会合の場を設けるということで、昨日、地域医療構想調整会議の下部組織としてワーキンググループを設けて第1回の会合を行いまして、各病院が抱える課題ですとか将来像などにつきまして、対外的に明らかにし、課題を共有したということでございまして、今後1年程度、来年の3月を目途に将来の方向性について一定の結論を出すことを目的に昨日、会議が設置されたところでございます。
最後に、13ページ、本県におけます地域医療構想の達成に向けた施設整備等の実績ということで、国の基金を活用させていただきまして、回復期病床へ転換することを支援させていただきまして、転換の実績としては300床、内訳としては、地域包括ケアが265床、回復期リハビリテーション病床が35床ということで、1億7,400万円の補助をさせていただきまして、300床の転換を図ったところでございます。
以上が、本県の主に再編統合の事例を中心とした説明になります。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き三好参考人、よろしくお願いします。
○三好参考人 改めまして、徳島県保健福祉部の三好でございます。資料は1-3で「徳島県における公的病院と民間病院の再編・統合事例について」という題でございます。
1ページでございます。御説明する内容についてで「1 徳島県及び各構想区域の概要」「2 地域医療構想調整会議の議論の状況」「3 公的病院と民間病院の再編・統合事例」ということでございます。
2ページで「1 徳島県及び各構想区域の概要」でございます。
徳島県は大きく3つの構想区域を持っております。東部圏域、西部圏域、南部圏域でございます。
特徴といたしましては、徳島市を含みます東部圏域、面積的には24.5%で、ここに人口の約7割が集中しているという状況でございます。
続いて、おめくりいただきまして、圏域ごとの人口及び入院患者数の状況についての説明でございます。
まず東部圏域で、グラフは左から年齢区分別の人口の将来推計、続いて同じものの変化率、その横が1日入院患者数の推移状況、その横が同じく変化率という表になっております。
まず東部圏域につきましては、人口につきましては2025年まで総人口で0.93ということで、減少が見込まれておりますが、65歳以上では2025年に向けまして1.07、75歳以上では1.26ということで、高齢者を中心に、また引き続き増加の傾向があるということでございます。
入院患者数の動向につきましても同様で、高齢者を中心に今後、2035年にかけて入院患者数がふえていくものと見通しております。
続きまして4ページで、南部圏域でございます。南部圏域につきましては県の南部で、山間部、過疎地域を多く含んでおります。
2025年までの人口の変化率で、総人口で0.88ということで、かなりの減少が見込まれておりますし、65歳以上人口につきましても0.99ということで、ほぼ同数、あるいは若干の減ということでございます。75歳以上人口につきましては1.13ということで、まだまだ増加が見込まれているということでございます。
入院患者数の状況につきましては、引き続き2025年まで、75歳以上人口がふえるということもございまして、増加が見込まれているところでございます。
次の5ページで、西部圏域の人口・入院患者数の変化でございます。西部圏域につきましても、県の西部で、山間部が多く、過疎地域を多く含んでおるところでございます。
2025年までの人口の変化率は、総人口では0.83ということで、かなりの減少が見込まれております。65歳以上人口、75歳以上人口につきましても、2025年にかけて減少がもう既に始まっているという状況でございます。
こうしたことを受けまして、入院患者数につきましても、現時点から今後減少していくという見通しになっているところでございます。
次の6ページで、今度は各圏域の医療構想についてで、まず東部圏域でございます。
東部圏域につきましては、人口が集中しておりますが、病床につきましても2016年の機能報告で8,500床ということでございます。2025年の必要病床数につきましては6,123ということで、2,400床ほど、急性期、高度急性期、あるいは慢性期といったところでかなりの数が超過ということでございます。逆に、回復期については800床ほど足らないという状況が見込まれております。
次の7ページで、南部圏域でございます。
南部圏域につきましても、2016年の病床機能報告では1,949床ということで、2025年が1,863床。ここでも若干の超過ということでございます。特に急性期、高度急性期につきましては、トータル300床ほどの超過、慢性期については164床ほどの超過、逆に回復期病床については400床弱不足するという見通しになっております。
次が西部圏域で、8ページでございます。
西部圏域につきましては、2016年については1,263床。それから、2025年については1,008床ということで、人口減少を見通して、病床数についても減少が見込まれるところでございます。病床の構成については、これまでの圏域と同様に、急性期、高度急性期、あるいは慢性期のほうが余剰であって、回復期が不足しているということでございます。
各圏域における議論の状況ということで、先ほど御説明するのを忘れたのですけれども、6ページで、東部圏域に戻っていただきますと、一番上の囲みに書いてございますように、東部圏域につきましては、今後、多くの患者、慢性期の患者を中心に、介護医療院あるいは在宅といったことで、在宅機能を今後、どのように提供機能を整備していくか。そのためのマンパワーの確保、看護師さんですとか、そういった方の確保をどうやっていくかということが現在議論されているところでございます。
次の7ページの南部圏域につきましては、8市町に公立・公的合わせて9つの病院があるということで、公立病院が中心に医療を支えている状況でございまして、特に人口は少ないのですが、圏域が山間部を中心に広いということで、2次の救急医療の提供体制を今後どのように整備していくか。こうした公立病院を中心に、どのように提供していくかということが現在議論されているところでございます。
次の8ページで、西部圏域はそもそも、各民間病院・診療所を中心に医師の高齢化あるいは後継ぎがいないということで廃業が出てきておりまして、調整会議の議論といたしましては、今後、地域の医療体制をどうやって維持していくのか。特に、その中で公立病院等がどのような役割を果たしていくかといったことが議論されている状況でございます。
続きまして、本県の医療施設従事医師数ということで若干御説明をさせていただきたいと思います。
このたび、28年度の人口10万人対の医療施設従事医師数ということで発表がございました。全国1位、315.9人ということで、隣に埼玉県の方がいらっしゃって、ちょっと申し上げにくいのですけれども、埼玉県が160.1人で、これと比べると大分多いではないかということで、全国平均の240人よりも大分多いということでございます。
そういったことで、かなりお医者さんが多いということで、過去からそうで、次の10ページをごらんいただきますと、人口当たりで見ると確かに1位ということでございますが、我々の実感としては、そのように医師が足りているということは全然なくて、ちなみにということで、面積当たりの医師数の割合ということで計算をしてみております。
右側の表でございますが、真ん中よりちょっと下の29位ということで、面積100平方キロメートル当たりが57.1人と、全国平均より低い数字で、こういった過疎地の現状。こういったことも今後、厚生労働省におかれては、医師の偏在の度合いを示す指標なんかも検討されていくということで、ぜひこうした地域的な状況をよく反映できるような指標の考え方を示していただければと考えております。
次の11ページで、本県の医師偏在ということでは、かなり県内の中でも偏在の状況がございます。
棒グラフはお医者さんの数の実数で、折れ線グラフは人口10万人対のものでございます。圏域ごとに折れ線グラフで示しておりますが、一番右側に315.9というものが、折れ線グラフは全県平均で、その上にございますベージュの折れ線グラフが東部圏域の人口10万人対で、やはり県内でも東部圏域にさらに集中しているということでございます。その下の青いグラフが南部圏域、一番下の緑のグラフが西部圏域で、こういった状況で県内的にも偏在があるということでございます。しかも、その差が拡大しているという状況でございます。
次の12ページをごらんいただければと思うのですが、医師の高齢化ということについて若干御説明をさせていただきたいと思います。
一番上の囲みに書いてございますように、医療施設従事医師の60歳以上の割合。これは本県の場合、全部で32.8%ということで、25.1%の全国平均と比べて高くなっておりますし、平均年齢も52歳で、2ポイント以上高くなっております。
下のグラフは、左側に病院の勤務医師、右側は診療所の医師ということで、それぞれ分布を棒グラフで、平均年齢を折れ線グラフで示しております。
病院医師の左側を見ていただきましても、全国平均の赤茶色といいますか、これが44.5歳でございますが、本県の場合は47.5歳ということで、しかも年々拡大しております。中でも、特に60歳以上の高齢の医師の方の活躍といいますか、稼働といいますか、そういったものがふえている。
右側の診療所につきましても同様に、平均年齢はそんなに変わらないのですが、現在では61.4歳で、全国平均よりもかなり上回っている状況でございます。特に高齢の医師の方が引き続きされているということが多い状況でございます。
続きまして13ページで、報告事項の2番目で、本県の地域医療構想調整会議における議論の状況でございます。
この表は、上側は国の昨年度のいろいろな動きというものを示しておりまして、下側の欄に本県の調整会議の動きを書いております。本県のほうで、昨年の秋に第1回、第2回ということで3圏域ごとに開きまして、第1回におきましては地域医療構想とか直近の病床機能報告、それから、公的医療機関等2025プランの御説明をいたしますとともに、今後の地域医療構想調整会議の運営の取り扱う内容とかを決めました運営要領を定めました。
それで、29年の冬から30年の1月にかけて第2回の調整会議を3圏域で行いまして、新公立病院改革プラン、公立病院の関係のプランと、公的医療機関等2025プラン。これも全ての公立病院で作成をいただきまして、第2回で圏域ごとに全て説明をいただいたところでございます。
それから、30年3月、西部圏域では三好地域でワーキンググループということで、特に三好地域では従来の調整会議のメンバーだけでなくて、全ての医療機関に御参加をいただきまして、地域の医療構想でありますとか病床機能報告といったことで、地域の医療の状況を見ていただき、意見交換をさせていただいたところでございます。
続きまして14ページで、地域医療構想調整会議における、厚生労働省から示されておりますいろんなポイントについての本県の現在までの状況ということで書かせていただいております。
「1.新公立病院改革プラン及び公的医療機関等2025プラン」についてでございますが、先ほど申し上げましたように、第2回の会議で全ての対象医療機関が作成をし、説明をいただいて、全ての構成員に情報の共有がされたということでございまして、今年度、具体的に議論を進めていこうと考えております。
「2.その他全ての医療機関の対応方針」で、こうした医療機関の対応方針をどのように進めていくかということで、今年の課題でございます。先ほど三好地域で、全ての医療機関でワーキンググループを行ったということを御説明申し上げましたが、こうしたワーキンググループあるいは意見交換会など、こういった場所から地域医療構想の考え方、あるいは地域の医療の状況の理解といったことから始めていきたいと考えております。
「3.過剰な病床機能に転換しようとする医療機関への対応」でございます。28年度報告におけますこの数字につきましては、昨年度の調整会議において、全ての圏域ごとに数字、それから、機関数を報告させていただいているところでございますが、まだまだ報告の中において、この意味なり、そこら辺を正しく理解いただけていないのではないかということもあるかということで、こうしたことを医療機関ごとにちょっと丁寧にヒアリングなどをしながら調整をしていきたいと思っております。
4.ですが、非稼働病床の件でございます。これについても、医療機関数と病床数。これを昨年度の調整会議で報告をさせていただいて、一応、現状について御認識をいただいたところで、今年度、議論を進めていきたいと考えております。
「5.個別の医療機関ごとの医療機能や診療実績、各種補助金や繰入金等の状況」でございます。これについては、今後、どのようなデータが各調整会議で必要になってくるかといったことについて検討し、まとめてまいりたいと思っております。
15ページで、特にその中でも「公立病院・公的病院の議論の状況」で、これも先ほど申し上げましたとおり、圏域ごとに申し上げますと、こういった分布になってございますけれども、全ての公立病院・公的病院でプランの説明をし、情報共有を図ったところでございまして、今後、議論を進めていきたいと考えております。
続きまして「3 公的病院と民間病院の再編・統合事例」で、本県の南部の医療圏域にございますJA阿南共栄病院、厚生連の病院。それと、阿南医師会中央病院。これは医師会立の病院で、これの統合の例について御説明を申し上げます。
申しおくれましたが、私は昨年、一昨年と、この事業主体であります厚生連のほうに出向しておりまして、そういったことで、中からもいろいろ見てきたわけで、言えること、言えないこともあるわけでございますが、そういったことも踏まえて御説明をさせていただきたいと思います。
この2病院で、左下にございますように、上側にJA阿南共栄病院。これは厚生連の運営する病院で、一般病床、回復期リハということで343床の病院でございます。一部耐震化ができておりません。非常に老朽化をしております。
それから、その下が阿南医師会中央病院で、これはトータル229床ということで、一般病床、包括ケア病床等ということで運営をしております。こちらの病院は医療施設の耐震化基金を使いまして、耐震化が完了しているという病院でございます。
この2病院を統合いたしまして、右側に書いていますJA厚生連阿南医療センターということで、この建物については医師会中央病院の耐震化された建物の横に、このヘリポートの絵が見えておりますベージュの新築の棟を建てまして、阿南医療センターということで、ここを厚生連が運営をするという形の統合でございます。トータル病床数は398床ということで、地域の医療構想を踏まえまして、一般病床、急性期病床を中心に174床の減床ということで進めております。
それから、4番目に書いておりますように、地域のまちづくりと一体型の医療機関ということで、県の病床機能分化・連携の取り組み、それから、地元自治体の支援と県あるいは国の地域医療介護総合確保基金の活用といったことで進めている例でございます。
次の17ページをごらんください。この検討に至った背景でございます。
まず、両病院の課題解決ということがございます。この両病院の位置関係で、左側の下の図面にございますように、双方とも現在は阿南市ということで、青い★が阿南共栄病院、赤い★が医師会中央病院。2つの間の距離は5キロで、車で行けば10~15分といった距離でございます。
こういった中にある2つの病院ですが、上の阿南共栄病院においては一部施設において耐震化できていない。大多数の施設においてと言ったほうが正解なのですけれども、この耐震化にどう対応していくか。南海トラフの巨大地震といったことも目前にということが懸念されておりますので、これを早急に対応しないといけない。それと、医師の高齢化等もございまして、だんだん医療の機能も厳しくなってきているということでございます。
共栄病院自体、耐震化を厚生連がしていけばいいわけでございますけれども、徳島の厚生連といたしましては、この東部圏域のほうに吉野川市というものが吉野川の中流域にあるのですが、こちらにも1つ病院がございまして、こちらの耐震化建てかえといったものを先に進めておったという状況もあり、この阿南共栄病院に対応するなかなか財政基盤がなかったというところもございます。
それから、阿南医師会中央病院については、勤務医が不足しているという状況が発生いたしました。平成10年代ごろには二十数名といったお医者さんがいたのですけれども、10名台、十数名といった形になり、救急の受け入れを一部休止せざるを得ない、あるいは分娩の扱いをやめざるを得ないということがございます。それから、医師の高齢化が非常に進みまして、現在の数字としては57歳という形で、かなり医師の高齢化が進んでいたという状況がございました。
2つ目の○に「阿南市のまちづくりとして地域包括ケアの中心となる基幹病院の必要性」ということでございます。阿南市は平成18年に合併いたしまして、今、この阿南共栄病院がある羽ノ浦町も含めた形で新阿南市というものが平成18年にできたわけでございます。この阿南市はLED、発光ダイオードの生産で世界的メーカーにもなっております日亜化学工業といったものが進出をしておりまして、そういった経済面ではあるのですけれども、今後は子育ての問題ですとか、定住の人口をふやしていくといったことで、どうしても基幹の病院、町の中心となる、あるいは包括ケアの中心となる病院が必要だといったこともございました。
それから、県の医療体制の全体の問題といたしましては、この阿南地域のちょうど南側、南部圏域の一番南のほうの牟岐町というところに県立の病院がございます。海部病院といいますが、これも津波に対応した建てかえを最近完了したところで、この南部圏域の一番北側、徳島市に近いところには赤十字病院がございます。これは県下の三次救急を担うような病院でございます。ちょうど、この中間に当たる、この阿南地域において、災害医療ですとか、あるいは救急の受け入れ。こういったことで中心となる医療機関が必要であった。そういった県全体の病院のあり方といったものを反映する必要があるということでございます。
次の18ページで、経緯を書いてございます。
平成21年12月、かなり前になりますけれども、こうした2つの病院の課題。こういったことを踏まえまして、これをどうやっていくかということで「阿南市の地域医療を考える会」といったものが設置されました。この中で、市が中心となって、この2つの医療機関をどうやって連携をして、役割分担をしていけばいいかということが検討されたところでございます。
それで、平成25年11月にようやく、この医療センターをつくるということで覚書が書かれたわけで、この間、2つの病院で連携、役割分担という議論がなかなか進まなかった。お互い経営も主体も違うということで、その中で阿南市、行政サイド、あるいは徳島大学といったことで、皆さんが検討する中で、今のこういった統合の形ができ上がったということでございます。
以下、25年12月には地域医療確立対策協議会。これも行政サイドですとか、経済団体、あるいは婦人団体といったことで、地元の方々がこれを支援していこうという形の団体ができております。
その後、26年4月に基本構想、26年12月に基本計画といったことで、27年10月には実際に病院の譲渡といったものの協定書ができました。それで、28年3月には譲渡がされ、28年4月からJA厚生連で医師会中央病院が運営されていて、29年5月には工事が始まったところでございます。
次の19ページで、課題についてでございます。
先ほど経緯の中でも申し上げましたように、2つの違う経営主体の中で、非常に今まで近くであったわけですけれども、お医者さんの交流、あるいはスタッフの交流というものもほとんど余り見られなかったということもあって、なかなかこういった中で一緒に役割分担というものが、議論が難しかった。その中で、特に阿南市が中心となって、こういった話がされ、最後は医師会のほうが病院の財産と経営権等を厚生連に無償譲渡するという決定をされまして、この事業がスタートできたということでございます。
それから、2つ目の○に事業費の問題がございます。特に厚生連サイドでは2つの病院、吉野川医療センターの改築も進めておりましたということで、かなり厳しかったわけでございますが、この中でも特に阿南市が41億円で補助をするといったことがございましたし、地域医療介護総合確保基金からも3分の1程度の支援をいただけるということでスタートできたということでございます。
次の20ページで、新しい病院の大まかな状況でございます。
上が階層図で、左側の既存の耐震化できている建物に、包括ケアですとか、回復リハの病棟、あるいは管理部門で、右側の免震構造でつくります新しい棟につきましては、救急部門、検査、手術。こういった急性期の部門を集約するといった形の計画になっております。
続きまして21ページで、新しい病院の狙い・特徴ということでございます。
両病院の機能の集約化をして「地域完結型医療提供体制」を実現するということで、今まで両病院が分け合っていた「地域医療支援病院」「救急告示病院」「災害拠点病院」「臨床研修指定病院」。こういったことを1つの病院に集約をしていくということでございます。それと、地元医師会との病診連携・病病連携の推進、それから、特に救急の受け入れの充実、災害拠点としての「屋上ヘリポート」の整備などを行っております。
病床については、下に書いてあるとおりでございまして、特にがんの診療については南部圏域で初めての「緩和ケア病棟」。こういったものを導入するといったことを考えております。
そういうことで、最後、22ページで、走り走りでございますけれども、こういったことで進めておりますし、今後とも徳島県の病床機能の分化・連携について、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
どうもよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました3つの資料、資料1-1、資料1-2、資料1-3につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。
どうぞ。
○須能参考人 茨城県の須能でございます。
1つ、説明漏れという、直接ではないのですけれども、資料1-1でありますように、非稼働病棟でいうと本県は非常に非稼働病床が多い状況です。資料1-1の8ページとか9ページとか、その辺に出ていますけれども、その中身を見ますと、非常に病院が多い。その病院の中でも今回、再編の対象になっている病院でも、やはり許可病床どおりの病床が開けないという医療資源が不足している状況がありまして、医療資源が不足しているがために再編して、2つを1つにしてということで幾つかの地域で始めているわけです。
その中で、合併を成就させるときに非常に苦労したのは、やはり職員の方々の処遇の問題でございまして、筑西のほうは公立病院同士ですので、格差があるといってもそんなに大きな格差はないのですけれども、神栖の鹿島労災病院と神栖済生会病院は格差が大きくて、その格差をどうするかということで、直接、2つが1つになるときには、余剰な人員があれば削減した上で必要な人員を確保するということなのですが、もともとが医療資源が不足するというところで始めていた関係で、2つを1つにしても十分な医療資源となり得ない中で、何とかまとめるためには現在もらっている給与の現給保証というものをどうしてもせざるを得ないという状況です。
それが受け入れ側で済生会が労災病院を引き取る形になったのですけれども、済生会より労災病院のほうの職員の給料が高くて、限度額は当然、満額ではありませんが、一定期間の現給保証というものをせざるを得ないような状況がありましたので、こういったところへも何らかの配慮が必要ではないかということを、この合併を通じて感じたところでございます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 今の御説明に関してですが、2つが1つになったときに余剰人員が出る。その余剰人員の主な職種はどういう職種ですか。
○須能参考人 検査技師が若干、将来を見据えた上でちょっと余剰かなというところです。それ以外は全部、不足でした。
○中川構成員 不足ですか。
○須能参考人 はい。
○中川構成員 合併しても不足。
○須能参考人 不足です。
○中川構成員 医師は。
○須能参考人 医師も不足です。
○中川構成員 合併しても不足。
○須能参考人 はい。350床程度を目指していますので、60人から70人は必要だということで試算をしまして、ただ、現時点では、両方足しても30人強にしかなりませんので、医師も看護師も不足という状況でございました。
○中川構成員 これは合わせて378床が350床になるのですね。10ページのところ。
○須能参考人 そうです。
○中川構成員 それで、350床という病床数は、適正だからそう決めたのでしょうけれども、イメージとしてちょっと多過ぎるのではないかと思いますが、そんなことはないですか。
○須能参考人 抱えている市町村圏域の人口ですとか、受療動向から推計した必要病床数、あと、筑波大にどうしてもここを支えていただかなければいけないので、筑波大が医師を教育する環境として、どのぐらいの病床規模が適切なのかということも議論した上で、350床というのを試算したところです。
○中川構成員 13ページでちょっとお聞きしたいのですが「地域医療構想の達成に向けた施設整備等の実績」というところがありますね。
○須能参考人 はい。
○中川構成員 これで転換前の急性期が、これは病床機能報告制度の数ですね。
○須能参考人 はい。あくまで報告制度です。
○中川構成員 それでこれを、回復期を意識的にふやしたということですか。
○須能参考人 そうです。
○中川構成員 その転換機能というものは、主に急性期を地域包括ケア病床と回復期リハビリテーション病床にした。その2つの転換した表現としては、報告制度では回復期というふうに報告し直したのですね。
○須能参考人 はい。そうです。
○中川構成員 わかりました。
○尾形座長 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 両県から御説明いただきまして、ありがとうございました。病院再編につきましては、かなり時間をかけて、丁寧に地域で議論を重ねてきたということが理解できたところでございます。
また、本日は徳島県さんのほうから御紹介がありましたけれども、医療施設従事医師数、人口当たりで全国で一番の徳島県でも地域偏在というものが大きな課題であるという御説明がございました。
さらに医師が少なく、面積も広い、多くの東日本の自治体では、この医師偏在については非常に深刻な課題でございます。地域医療構想会議で議論を進める中で、将来の必要な機能に転換をするという議論をするに当たりましても、それを担う人材をどう育成・確保していくのかというのが一番大きな点となっています。
したがいまして、調整会議で構想実現に向けましても、医師の偏在対策、この実効性ある取り組みが必要不可欠と考えております。別の会議でこの議論をされているのは承知してございますけれども、構想実現のためにも医師の偏在対策を進めていただければと考えております。
これは意見でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
邉見構成員、どうぞ。
○邉見構成員 三好副部長からは私の故郷の徳島県の実情を聞きまして、実は阿南市医師会の会長は中学・高校の同級生でして、この問題で苦労しているのはよくわかっております。
徳島県の西部というのは、祖谷のかずら橋とか平家の落人部落とかがあるような本当の過疎地でして、徳島県はみんな医師が多いでしょうとか、いっぱい医師がおって楽なのでしょうとかおっしゃいますけれども、徳島県西部というものは本当にお年寄りばかりで、私も帰ってこないかと言われたりするぐらいの、75歳にもなって約0.8人分にも働かないと思いますけれども、そんなようなところでございます。
私、実は兵庫県で病院の統合を3つほどかかわりまして、1つ目は県立病院同士、同じ尼崎市内にある県立尼崎病院と県立塚口病院という、もとは塚口病院は県立尼崎病院塚口分院と言っていたのですけれども、450床。それから、尼崎病院は500床。この950床を720床にするということで、もとの病院で230床余りまして、そこは愛仁会病院という医療法人が、どちらかというと回復期中心、慢性期の病院への改変で買い取りました。このときは、県立病院同士ですので、ほとんど給与差もないですし、人員もERを中心にたくさんの患者増がありましたので、臨床検査技師、放射線技師も含めて、余剰人員は出ませんでした。
2つ目にかかわった県立柏原病院と柏原赤十字病院。これも先ほどの徳島県の阿南と同じように、3キロぐらいしか離れていないところに2つの病院があって、両方とも医師不足。これが、診療科がないところがある。2つ合わせてちょうどといいますか、まだ足らないぐらいですが、これは給与差がありました。日本赤十字のほうが高くて、それから、臨床検査技師はやはり余りました。日赤は全員雇ってほしいということが合併の条件でしたけれども、それはちょっと無理なので少し、徐々に減らしていただきました。今、開院準備中で、来年開院して、今、建築中ですけれども、そのような方向。やはり給与のことと人員削減というものはできるだけ、その地域で働いてくれている人たちを減らすのは避けなくてはいけないので、何か新しい事業といいますか、職種をつくってあげなくてはいかぬということで、なかなか苦労しました。
3つ目は今、始まったところですが、製鉄記念広畑病院という姫路の、昔の新日鐵広畑病院ですけれども、それと、これは県立循環器病センター。片方は専門病院で、片方が総合病院という、ちょっと変わった、それから、民間と県立ということで、これは今、始まったところでございます。
ただ、これから、やはり人口減社会、あるいはいろんな状況、交通の便から言いますと、自治体病院も含めて、JA厚生連と自治体病院は田舎で人口減の一番激しいところにたくさんの病院を抱えておりますので、そういう設立母体を超えて、これからその地域で一番いいような医療を提供するということは考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 徳島の方にお聞きしますが、19ページの「検討過程での課題」というところで、阿南市医師会が中央病院の資産及び経営権等をJA徳島厚生連に譲渡とありますが、これは医師会中央病院の負債はどうなったのですか。
○三好参考人 無償譲渡でございますので、詳細が幾らということは、資産価値は今、把握していないのですけれども、負債というものはほとんど、余りなかったのではないかなと思います。
ただ、金融資産については、退職引き当てとか職員の、職員を全員引き取った形になりますので、そういった形の金融資産もあったのですけれども、それは全て退職引当金に充てるとか、そういったものでございます。
○中川構成員 借入金はなかったのですか。
○三好参考人 借入金はほとんどなかったのではないかなと思います。
○中川構成員 それで、10ページの「面積あたり医療施設従事医師数」という、面積当たりというものが右側にありますが、これは北海道が47位になっていますが、北海道は日本の国土の22%あるのですよ。ですから、面積当たりの医師数を出すのは意味があるのかなと率直に思います。
徳島では医療資源が、患者さんも東部に偏在していますね。
○三好参考人 はい。
○中川構成員 だから、余りそれは意味がないかなという気がします。
○三好参考人 必ずしも、この面積当たりが絶対だということではなくて、一つ人口ということだけではなくて、過疎地域を抱えている、人口密度の少ない地域を抱えているけれども、そこにも医療機関は必要だという地域の状況をいかにどうやって反映していくかということの一つの、例というわけではないですが、そういった形で示させていただいたものでございます。
○中川構成員 それで、6ページをお願いします。ここから本題なのですけれども、先ほどの説明で2016年の病床機能報告、トータルで8,541床。それで、回復期が1,255床で、右側の2025年の病床数の必要量で、回復期が2,080で、回復期が800不足であるとおっしゃいました。こういう比較を単純にしてはいけないよと。これで回復期が足りないのだということで頑張って、回復期の病床機能転換をするのは、単純にそう発想してはいけませんよと、慎重にやりましょうと言い続けているのです。
その次の7ページの南部もそうですし、400床不足とおっしゃいましたし、西部もそうなのですが、これはそもそも、病床機能報告制度というものは病棟単位で一番近い機能を報告するもので、右側の2025年の病床数の必要量は患者さん単位なのです。それを積み上げて、こういうふうに4つの機能に分けたので、全く違うものなのですよ。だから、左右を比較して不足ということは言えないのです。
実感として、例えば東部地域で回復期の患者さん、回復期に当たる患者さんの行き場がない、受け入れがないというふうに困ったという実感はございましたか。
○三好参考人 今、先生がおっしゃいましたように、ちょっと私の説明が過剰である、不足であるという一律的な言い方がよろしくなかったかと思います。おっしゃるとおり、左側は現状であって、右側は一人一人積み上げたものだという理解でございますけれども、病床機能報告の中身自体を、先生がおっしゃったような内容、理解でも今後、どんどん医療機関の中に広めて、ちゃんとやっていかないといけないなと思っております。
ですから、単純に病床機能報告の中で、今の段階で各医療機関として、まだまだ病棟ごとにしっかり把握して、これはこうだ、あれはこうだというところの仕分けがまだまだ十分進んでいないのではないのかなということについては、確かにそういった側面があるのかなと思っておりますので、これは今後、十分説明なり周知をしていかないといけないなと思っております。
○中川構成員 わかりました。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
伊藤構成員。
○伊藤構成員 茨城県の須能参考人にお尋ねを申し上げたいのですが、それと同じような内容でまた徳島県の三好参考人にもお尋ねをしますけれども、病院の再編統合に関して、特に鹿行地区の済生会と労災病院の統合事例でございますが、この件に関しての協議に民間病院はどういう形で関与したかということと、それから公立病院改革プランでは公立病院に関しては公立病院でなければできないことをやるのが原則とされていますがこの鹿行地区には9病院ほど民間の病院があるなかでそういう現状をどこまでデータとしてお示しいただいているかということとその地区で民間病院がどれぐらい、統合の議論に加わったかというところを教えていただきたいということでございます。
○尾形座長 須能参考人、お願いします。
○須能参考人 お答えします。
おっしゃるように、民間病院は9ありまして、特に急性期を担っているところが小山記念病院、なめがた地域医療センター、白十字総合病院という、これをプロットしたところなのですけれども、そのほかに県境を超えた、同じような機能を担ったところで、国保の旭中央病院さんですとか、銚子市立病院、あと、島田病院というものがこの地域にございます。その方々の院長先生をメンバーとするワーキング会議を設けまして、これまで3度ほど議論をし、再編後の役割分担も含めて議論をして、関与をしていただいたということでございます。
○伊藤構成員 そうすると、民間病院はその協議に参加をして、なおかつ統合した後の機能分担についても地域医療構想会議の中の協議で話し合われているということでございましょうか。
○須能参考人 構想会議の中かどうかというと、独自にそういう会議体をつくったので、はっきり申し上げられないところですけれども、周辺の医療機関との連携というものはどうしても不可欠なものですから、そこはこの再編を進めるに当たって、まずはやったところです。
あと、ワーキングチームとしてはそういう同じような機能を担う病院とのワーキングチームですとか、地域の診療所とのワーキングチームですとか、そういう複数のワーキングチームを設けて議論を進めてきたところです。
○伊藤構成員 そういうことを地域医療構想会議の中で議論いただくのが原則だと思うのですが、本事例についてはテーマとしては構想会議の議題として検討されていないと理解してよろしいですか。
○須能参考人 はい。策定が28年12月で、それ以降の会議、つくるための会議とそれ以降の会議だったので、それより先んじて設置したということで御理解いただければと思います。
○伊藤構成員 もう一つよろしいでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○伊藤構成員 同様に阿南地区の統合の件に関しましても、考える会が21年に発足をしているわけでありますけれども、その後、地域医療構想調整会議というものができた中で、どの様にそれが反映されているかということが一点と、それから、この地域の民間の病院との協議状況はどうだったか、教えていただけますでしょうか。
○三好参考人 21年に考える会が発足したときは、2つの病院、形態も異なりますので、特に今後、お医者さんの確保が新しい研修になってから確保できないということで、2つの病院に、今までのようにお医者さんが確保できない中で、今後どうやって役割分担をしようかという話でスタートしたわけでございます。
ですから、4年間かかっているわけですけれども、役割分担というものが、お互いの形態が違うものですから、なかなかそこの話がうまく進まなくて、最終的に市が間に入る形でこういった、一緒になりましょうという形になったということでございます。
当然、一つの、阿南医師会中央病院のほうはもともと医師会立の病院で、これは地元の医師会が運営している病院でございます。ですから、地域の民間病院も含めた地域医療のあり方というものが考える会の中の議論に一定反映されているのかなと思います。
それから、地域医療構想調整会議といいますか、地域医療構想の話が出るか、出ないかのころに、この構想ができ上がっているものですから、一つ、南部地域の構想会議としては、この阿南医療センターによって、この2つの病院が集約されるというところが一つの前提になっている状況でございます。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
どうぞ。
○須能参考人 先ほどの私の説明で、先に設置したとありましたけれども、もちろん、調整会議のほうにはその議論の、民間病院との役割分担の機能の議論の状況ですとか、診療所との役割分担の検討状況とかは報告をして、そこで一応、承認といいますか、議論といいますか、いただいたということになりますので、構想調整会議にのった形で進めをさせていただいています。
○尾形座長 ありがとうございました。
本日は、病院の再編統合の事例等、大変参考になるお話だったと思います。本日いただいた御意見も踏まえまして、事務局においては、引き続き調整会議の進捗状況の確認をお願いしたいと思います。
続いて、議題の2つ目に参ります。「地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策について」を議論したいと思います。
資料2の説明を事務局からお願いします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料2を使って御説明させていただきます。時間も押していますので、簡潔に御説明させていただきたいと思います。
1枚おめくりいただきまして「2.地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策」ということになりますけれども、前回、前々回、あと、今回も進捗状況を御報告させていただいておりますが、このワーキンググループの中でも調整会議の議論がまだまだ低調であるという御指摘をいただいているところでありまして、我々、事務局としても同様の問題意識を持っておりますので、今回、調整会議の活性化に向けた方策ということで論点を整理させていただきましたので、その内容を提示させていただきます。
論点としては2つありまして、調整会議の体制の充実・強化という論点と、公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進という論点になります。
2ページ目は調整会議の概要資料になります。
3ページ目が今回、実態把握をした内容ですけれども、調整会議の体制ですが、各調整会議の参加者、さまざまな主体から御参加いただいているわけですけれども、学識経験者の立場として参加している大学関係者の割合は9%と少ないという状況となっております。
次の4ページ目ですけれども、調整会議の議長ですが、一番多いのは郡市医師会となっております。71%です。その次が行政ということになっております。
1枚おめくりいただきまして、調整会議の事務局ですけれども、74%は都道府県の本庁以外が事務局を担っています。都道府県の本庁が事務局を担っているのは全体の25%となっております。
6ページ目ですけれども、前回、佐賀県から御報告いただきましたが、佐賀県では構想区域ごとの調整会議とは別に、県単位の調整会議を設置し、県単位の調整会議には構想区域ごとの調整会議の座長も参加し、関係者の方々の意識合わせをする場として運用しているという御発表がありました。
7~8ページ目ですけれども、こちらは佐賀県、奈良県の報告の内容になりますが、いずれの自治体も事務局において関係者と意見交換し、その上でデータを整理し、論点提示をすることによって、地域の関係者による自主的かつ実効的な議論を喚起している。そういった実態が御報告されております。
9ページ目が論点ということになりますけれども、調整会議の参加者はさまざまな主体から構成されており、議長は郡市医師会が多くを占めていて、事務局は都道府県の本庁以外が担っている割合が最も多くなっていますので、都道府県が調整会議の関係者と連携しながら円滑に取り組むためには、調整会議の参加者や議長や事務局との間で構想の進め方について、正しく認識を共有する機会を定期的に設ける必要があります。
一部の都道府県では、構想区域ごとの調整会議に加えて、都道府県単位の調整会議を設置するとともに、事務局が医療関係者と十分に意見交換を行った上で、データ整理を行い、地域の実情に合った論点提示を行うことで、調整会議の活性化につながっています。このような取り組みが横展開するように、事務局機能を補完する仕組みが必要ではないかという現状課題のアセスメントになります。
それを踏まえて、体制の充実・強化に向けてということになりますが、都道府県単位の調整会議の設置を推奨してはどうかというもの。また、都道府県主催研修会の開催を支援してはどうかというもの。また、地元に密着した「地域医療構想アドバイザー」を育ててはどうか。この3つについて、事務局より提示させていただきます。
その具体の内容は10ページ目のところになりますけれども、都道府県主催研修会の開催支援につきましては、6月1日に国主催の研修会が行われますので、その内容を踏まえて、都道府県が主催する会議を開催していただくよう、案内してはどうかという内容になります。また、国が主催する研修会では、行政説明があって、事例紹介があって、グループワークという構成になっていますけれども、行政説明については、都道府県からの求めがあれば、厚生労働省の担当者を派遣する。そういった運用の仕方としてはどうかと考えております。
もう一つの「地域医療構想アドバイザー」につきましては、位置づけとしましては、厚生労働省に「地域医療構想アドバイザー組織」を設置し、アドバイザーの役割としては、都道府県の構想の進め方について助言するということと、実際、調整会議に出席し、議論が活性化するように助言する。そういったことを考えております。基本的には県が県医師会と協議しながら、地元有識者を推薦していただき、国がそれを選定するということを想定しております。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進の論点になります。
12ページ目が2月に発出している通知の抜粋になりますけれども、ここでは公立病院2025対象医療機関につきまして、その医療機関でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかを確認することとしているところです。
1枚おめくりいただきまして、和歌山県。こちらも11月に来ていただいて御発表していただいているところですけれども、和歌山県では足元の病床機能報告と、将来の病床数の必要量を比較する際に、足元については民間の医療機関と公立・公的の医療機関とに区分をして、そもそも公立・公的医療機関だけで急性期として過剰なのかどうか。そういったことも含めて分析ををしています。
その上で、次の14ページ目になりますけれども、構想区域ごとに公的病院を中心とした再編・ネットワークの方向性を取りまとめてお示ししています。
15ページ目になりますが、同様に和歌山県と同じようなやり方で比較をしてみますと、公立・公的病院だけで高度急性期が過剰である区域が全国で104区域、急性期が公立・公的病院だけで過剰な区域が156区域となっております。
個別の状況については、参考資料2-2でつけておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
1枚おめくりいただきまして、奈良県の事例ですけれども、奈良県では病院の規模、地理的状況などを踏まえて、それぞれの区域ごとの公立・公的病院の課題や方向性について整理をして提示しております。
1枚おめくりいただきまして、奈良県の事例として、南和地域の再編統合、3つの公立病院の再編統合事例の御発表があったわけです。
18ページ目になりますが、再編統合をすることによって、どのようなメリットがあったのかということを可視化しています。集約化による急性期機能の向上ですとか、スケールメリットによる産婦人科等の診療科の増加・強化。こういったものが具体的なメリットとして提示されています。
19ページ目になりますが、本日も再編統合の事例ということで茨城県、徳島県に御報告いただいているわけですが、全国を見渡しますと、再編統合の議論を行っている構想区域は341のうち24となっております。また、今後予定されている主な再編統合の事例として、国で把握しているものについて、以下、列記しておりますので、こちらも御確認いただければと思います。
その上で、22ページ目の論点のところになります。
1つ目の○として、各構想区域において、公立・公的病院等ごとにプランの協議が進行しており、各構想区域の医療需要や現状の病床稼働率などを踏まえて、公立・公的病院などでなければ担えない分野へ重点化された具体的対応方針が決定されることが重要です。
また、地域における救急医療などの政策医療を確保する観点から、公立・公的病院等を中心にした機能分化・連携の推進に関する議論を一層深化させる必要があります。
一部の都道府県では、急性期医療の確保の観点から、公立・公的病院等の再編統合の具体的な取り組みが進んでいますが、多くの構想区域では、再編統合の必要性について、議論ができていない状況となっております。また、公立・公的病院等の再編統合の具体的事例の分析が十分にできていないことから、その意義について認識の共有ができていないのではないかという問題提起をさせていただきます。
その上で、こういった公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進に向けて、このワーキンググループにおいて構想区域ごとの取り組み状況の分析を今後していってはどうか。もう一つは、再編統合の事例について、関係者で何のメリットがあるのか、もう少し見える化をしていってはどうかという、2つの提案になります。
それぞれの具体的な内容は、23ページにまとめているとおりとなります。
事務局からの説明は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料2につきまして、御質問、御意見をお願いします。
邉見構成員、どうぞ。
○邉見構成員 15ページなのですけれども、これはいつも中川先生と言っているように、この構想会議は足らない機能を補うということが目的であったのですが、この15ページの、特に左の公立・公的病院等の急性期報告を100床とすれば、2025年には60床ですから、40床減らしなさいみたいな図に私は見えるのです。
先ほどちょっとお話がありました、参考資料2-2の右の2つ、比較その1の公立・公的病院等の病床数と、比較その2の全体の病床数と将来の必要量というものを見ますと、左の公立・公的病院だけで急性期は真っ赤なところが多い。何か減らしなさいみたいな、それで右のほうは慢性期がみんな多い。これはどちらかというと、民間病院中心に減らしなさいと。みんな減らしなさいみたいな結論に誘導するような感じで、私は違和感を覚えます。
以上です。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 確認しますが、今の邉見先生の御懸念はそのとおりだと思いますが、資料2の15ページのA構想区域の公立・公的病院等の急性期報告数100床、それから、2025年の急性期の病床数の必要量60床。これは比較してはいけないものをあえて比較しているのですよね。傾向を見るということにすぎないわけですよね。この差の40床というものは、単純に急性期の患者の40床が多過ぎるとか余るということではないということなので、こういうパワーポイントを出しては誤解されますよね。
それと、さらに参考資料2-2。これも問題があるのを大々的にやった。構想区域ごとに比較しているので、病床機能報告制度の病床数と病床数の必要量、将来の病床数を構想区域ごとに比較しているので、まだ少し意義はあるかなとは思いますが、これも誤解されます。傾向にしかすぎないということを言い続けてください。
それと、違うところに戻りたいと思いますが、御提案の9ページ。地域医療構想調整会議の体制の充実・強化に関する論点のところの矢印の下の枠内ですが、佐賀県ともう一つ、埼玉県にもあるように、県単位の地域医療構想調整会議の設置というものは非常に大事なことだと大賛成します。これはまず、充実策の最初の柱として、ぜひやっていただきたいなと思います。
ただし、都道府県単位の地域医療構想調整会議の事務局機能を都道府県庁(本庁)に置くのではなくて、本庁が主体的にやるのではなくて、できれば都道府県医師会が事務局機能を担って、その都道府県医師会を本庁が全面的に支援する形にぜひしていただきたいなというのがお願いです。
それに加えて、地域医療構想を策定するときに、地域医療構想策定ガイドラインをつくりました。それの40ページに「(2)開催時期」という項目があります。「病床の機能分化及び連携等に関する協議が行われる場合には、地域の実情に応じて、随時開催することが基本となるが、病床機能報告制度による情報等の共有や基金に係る都道府県計画に関する協議が行われる場合には、通年のスケジュールがある程度定まっていることから、定期的に開催することが考えられる。なお、こうした通常の開催のほか、医療機関が開設・増床等の許可申請をした場合又は過剰な病床機能に転換しようとする場合にも、随時開催することとする」となっていて、いわゆる定例開催会議と臨時会議と、これが全国に余り浸透していないのですよ。例えばある県のある構想区域の構想会議は年に2回しかないから、何か相談したいのだけれども、そこまで待つのが大変だと。これが一つ、調整会議が機能していない一因だと思います。
ぜひ、その辺のところの周知を何らかの方法で繰り返しやっていただきたいなと思います。臨時会議の場合は緊急事態に近いと思いますので、全ての医療機関とか医療関係者を集めるのではなくて、コアメンバーで濃い議論をしてほしいなと思います。それが2点目です。
3点目としては、調整会議の充実・強化のためには研修会の開催とかアドバイザーの設置、今、御提案がありましたが、それだけではなくて、事務局機能自体を強化すること。これをぜひやっていただきたいと思います。
今、事務局機能は保健所などが一番多いとなっていましたが、どうしてもメーンの保健所だったら、メインの仕事の一部にすぎなくなるのではないかと思います。本気で調整会議の事務局機能を担うということに関して、どうしたらいいのか、これは地域の実情に応じてだとは思いますが、ぜひ知恵を絞って提案いただきたいなと思います。
ぜひよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
本多構成員。
○本多構成員 私も、この事務局の提案については支持いたしたいと思いますが、既に都道府県にはさまざまな負荷がかかっており、現行の調整会議の運営にも苦慮しているケースもあると聞いておりますので、都道府県の調整会議については、都道府県の負担の軽減の観点から、現在、例えば医療審議会等の既存の合議体をベースにした活用方法なども視野に入れていただき、期待される役割を担っていただくなどの工夫や配慮が必要ではないかと思っております。
また、厚労省ではこれまでも都道府県職員向けの研修会等の支援を行っておりますが、提案の充実・強化を実効あるものにしていくためには、10ページの具体策に示されているとおり、やはり厚労省のサポートが欠かせないではないかと思っております。
それから、今後、生産年齢人口が急速に減少して、高齢者が増えてくるということですが、高齢者数がピークに達する時期も見据えた、構想区域ごとの患者数の動向や、医療機関側の診療実績、機能の比較などから、課題と思われる論点を整理していただき、調整会議でわかりやすく、例えばグラフなどのデータを示していただいて、参加者の認識の共有化を図る工夫が常に必要ではないかと思っております。地域住民や患者の立場で参画している参加者が発言しやすくなるように工夫していただきたいと思います。
さらに、ここに書かれております都道府県主催の研修会の対象者について、調整会議の議長、事務局、それから、参加者と書かれておりますが、調整会議の全参加者に対して参加を呼びかけていただけるようにお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
邉見構成員。
○邉見構成員 私も、この提案1~3、全部賛成ですけれども、3番目の「地域医療構想アドバイザー」というものを具体的にはどのようなイメージを事務局は持たれておるのでしょうか。ちょっとお聞きしたいのです。
○尾形座長 これは質問ですので、事務局、お願いします。
○鶴田課長補佐 プロセスとしては、県が県医師会と協議をして、病院団体、また、関係者の方々の意見を聞いて、推薦していただくということになりますけれども、想定される対象としては、例えば大学の公衆衛生関係の方々。例えば福岡では、具体名を言ってあれですが、松田先生がいらっしゃいますし、また、静岡県の発表の中では、浜松医大の先生が都道府県医師会の理事の役割も担いながら同様のアドバイス的なことをされているという実例もありました。
もちろん、県によってはなかなかそういった対象の方が見つかりづらいところもあろうかと思いますけれども、やはり各県でそういった方などをみんなで育てていくという視点で選んでいく必要があるのではないかなと思っております。
以上です。
○邉見構成員 ありがとうございました。
奈良であったら今村先生のような方だと思うのですけれども、兵庫県は適任者がおりませんでして、柏原の合併のときは大変困りました。丹生裕子さんという、県立柏原病院の小児科を支える会という住民代表の方に頑張ってもらおうと思ったのですけれども、いろんなことで忙しいとか、それから、地元の医師会の人は病院の建てる場所とかになりますと利害関係が物すごく出てきますので、なかなか難しいところもありまして、柏原の場合は当時の舛添要一厚生労働大臣が見に来たり、あるいは野田首相も見に来られたりして、住民は医療に対して非常に危機感を持っていましたので、最終的には住民がオール賛成で、うまくいったのですけれども、こういうことをちゃんと地元でやれるような人がおられると一番いいのではないかなと思ってお聞きしました。
ありがとうございました。
○尾形座長 野原構成員。
○野原構成員 今の関連でございます。構想を推進する上で、第三者的な有識者によるアドバイスが有効だと考えています。
一方で、資料2の3ページにあるとおり、調整会議への大学関係者の参加が少ないというのが示されております。今、御説明があったとおり、アドバイザーとして想定される大学の公衆衛生学の関係者、大学によりましては衛生学や産業保健など、非常に多くの分野をカバーしておりまして、地域によっては社会保障や医療政策に関する分野を専門としている研究者は限られていると理解をしております。
社会医学系専門医の制度も始まりました。国として、この分野の研究者の育成・支援を進めていただければと考えております。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の御指摘、9ページの「地域医療構想アドバイザー」の育成とありますが、これは地元の有識者、大学の先生が想定されますが、この地域医療構想の推進に向けて、独特のお考えを持った方はだめなのですよね。そもそも、我々が議論を進めてきた地域医療構想の正しい理解を持った方という意味ですよね。それをぜひ確認ください。これは独特の、私の考えはこうだという個性的な方がアドバイザーになると問題も生じると思います。ぜひ、その辺のところを確認したいと思います。
それで、今村先生、先生は奈良県庁、奈良県医師会、地元の調整会議の仲間に入れてもらっていますか。
○今村構成員 入っています。
○中川構成員 どういう役割を果たしているのですか。失礼ですが、もし教えていただければ。
○今村構成員 一言で言うと、両方からたたかれるという仕事をしています。
○中川構成員 これだけメディアもいたらオフレコになりませんが、オフレコにしてあげましょうね。先生、どういうふうにたたかれるのですか。参考までに。
○今村構成員 明らかに利害が反対するので、ドクターや医療現場の立場と、そして実際、病院を運営する立場と、県庁として調整したい立場と、そして、あるべき姿というところで、全てが利害が対立しますので、誰か調整に入ると、全員にたたかれるという状態が発生するのです。
○中川構成員 では、先生がたたかれることでみんな、何となく落ちつくのですね。
○今村構成員 1年ぐらいたたかれていると、だんだん落ちついてきて、それぞれの話を聞こうかという状態になるという、それが現実的な状態ではないかと思います。
○中川構成員 それも一つのアドバイザーの役割かもしれませんね。そういうふうな幅広く考えないと、ぴしっと決まったような人材はいませんから、ぜひ、その辺のことも含めてお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今のお話の続きで、これは物すごく一つのテーマに時間がかかるので、人数がたくさんいるのです。今、たくさんの都道府県から、特に病院合併のときにお声をかけていただいていると、毎週のようにどこか断っている状態があって、私が知っている先生は全て御紹介して、全て皆さん手いっぱいという状態で、なかなか人材として広がらない状態があります。先ほどの3ページに、公衆衛生関係の人が9%しか入っていないというのはやはり非常に残念なことで、ぜひ多くの先生に参加してもらって、少しでもよくなるようにしてもらいたいと思っています。
それで、先ほど事務局機能の充実の話で、私は本当にここには公衆衛生の人が絶対に要ると思うのですけれども、計算間違いが多いのですよ。足してはいけない数字を足して、それを指標にして議論をしていて、こんなはずがないという部分だけでも3分の1ぐらい、議論の中を占めている状態で、最初に数字をちゃんと精査していれば、計算間違いの部分というものが、無駄な議論はなかったはずなのです。そういうところでは、ぜひ専門家の、ちょっと見てもらえば、出してはいけない平均値とか、入ってくるはずがない、月平均のはずなのに、なぜか1個だけ年の集計値が入っていて平均値が揺れるということがよくあるのです。だから、そういうことをミスとして拾えるような人がいないと事務局としてまずいと思いますので、ぜひそういう支援はお願いしたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。
本多構成員。
○本多構成員 22ページの論点に関して、急性期や回復期の示し方については別としまして、いずれにしろ、現状の病床数と将来の必要量をわかりやすく出していただき、もう少し詳細な分析をした形でやっていただくことが望ましいと思っております。
先ほど来、議論に出ていますが、統合再編というものは、日本の人口自体が減少していく中で、双方の病院が共倒れになってしまうと、住民側にとっても不利益になりますので、そういったデータをきっちり示していただいて協議をしていただくことは非常に大事だと思います。
それから、再編統合の事例につきまして、公民の役割分担に関して、どのようなデータをもとに、可視化をして、協議が行われたか、再編統合につながったのかということを、先ほどの表ですと、まだ詳細がわかりませんので、厚労省である程度具体的な事例を示していただければ、都道府県の関係者の中でも情報共有して参考になるのではないかと思いますので、進めていただければと思います。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 先ほど須能さんがおっしゃいました茨城の、済生会絡みですので、ちょうどあのとき、私は済生会の院長会の会長で、しょっちゅう神栖に行っていましたので、その辺の事情はわかっているのですが、調整会議を始めるはるか以前に話し合いは始めていたのです。自然発生的にまとまってきた。非常に最初は各病院の民間の先生方とお話し合いをしたり、千葉県当局の保健衛生部の諸君とも話をしました。そこの中から何回もディスカッションしながら、では、ちょうどそのころ、千葉大学から鹿島がドクターを引き上げるということで問題が起こってきたものですから、こういう話が一気にまとまっていったのではないかなと、私は非常にその辺は、ある意味ではラッキーだったかなと。
もともと、あそこは医療資源が非常に乏しいところなのです。少なくて、しかも散在している。これをどういうふうに中核型の病院としてまとめていくか、機能分化していくかということが非常に喫緊の課題だったのです。ですから、ちょうどあのとき、調整会議云々、制度ができるはるか以前にそういう自然発生的に起こったという、いい事例ではないか。ですから、今、議論されていますけれども、アドバイザーとか、いろんな機能を、これが決めても、恐らくうまくはいかないのではないかなと思うのです。やはり地域特性もありますし、属性もありますから、その辺のところを加味しながら考えていく必要があるのではないかなと、今、そういうふうに思いました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、私、一委員としての意見ですが、9ページの3つの提案については基本的に賛成です。マル1の「都道府県単位の地域医療構想調整会議の設置を推奨」となっていますが、これは法令上の根拠がない、推奨という形にとどまるわけで、通知等で対応されることになると思うのですけれども、それに関して2点コメントしたいと思います。
1つは、この都道府県単位の調整会議で何を議論するのか。マンデートというものはどういうことなのかというあたりはきちんと明確化して示す必要があるだろうと思います。どの範囲のことを扱うのか明示する必要がありますのか。
2点目として、ぜひ留意していただきたいのは会議の構成メンバーです。構想区域ごとの調整会議、協議の場については医療法を改正して、医療保険の保険者の参画が明記をされているわけですけれども、ぜひこちらの都道府県単位の会議においても、そういう法令上の整理については十分踏まえていただきたいと思います。
これは要望です。
よろしいでしょうか。
どうぞ。
○中川構成員 今の都道府県単位の調整会議のイメージですが、構成員は各構想区域の調整会議の代表だと思うのですよ。その連絡協議会みたいな、それの取りまとめが都道府県単位の調整会議だと。そういうイメージだと私は思っているのです。
なぜかというと、構想区域の調整会議単独ですと、一体、何をやっていいかわからなくて、ほかの構想区域はどんな調整会議をしているのかといった不安とか、そういう情報交換が主体の議論を県全体の調整会議として仕切るといいますか、取り持つといいますか、そういうイメージだと思うのですが、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○織田構成員 佐賀県は県全体の調整会議があります。そこで、意見を言わせてもらいますと、先ほど言われましたように、各構想区域で座長を務める地区医師会長も参加しますので、県全体的なコンセンサスが得られるのです。
それと、高度急性期に関しては構想区域を超えますので、やはり県全体の調整会議というものは非常に重要な役割をしてくるのだろうと思います。
つまり、基本的に県としての方針や考え方がわからないと、各構想区域の地区医師会の座長になられる先生方もどうしていいかわからないのです。ですから、そういう意味では、これはやはり必要なことだろうと思います。
○尾形座長 いずれにしても、都道府県単位の調整会議がどういう機能を担うのか。それによって構成員も当然変わってくるわけですので、その辺は十分御検討いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局において、引き続き地域医療構想調整会議の議論の活性化に向けた方策の検討をお願いしたいと思います。
続いて、最後の議題でございます。議題の3つ目の「平成30年度病床機能報告の見直しについて(その2)」を議論したいと思います。資料3-1の説明を事務局から、資料3-2の説明を埼玉県の唐橋課長からお願いしたいと思います。
一括して御説明を伺った後に質疑としたいと思います。
それでは、説明をよろしくお願いします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料3-1について御説明させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、論点としては「1.定量的な基準も含めた基準の検討について」と「2.病床機能報告の項目の見直しについて」になります。
2ページ目で、これは前回のワーキンググループでお示しした論点になります。
その際に、矢印の下の部分ですけれども、1つ目の○として、都道府県の取り組みなどを参考にしながら、定量的な基準も含めた基準を具体的に検討してはどうかということですが、本日はこちらの内容について、埼玉県の取り組みについて皆様と共有できればと思っております。
2つ目の論点ですけれども、高度急性期機能または急性期機能と報告した病棟のうち、急性期医療を全く提供していない病棟について、調整会議での議論の状況を確認してはどうかということです。
3ページ目になりますが、対象となる病棟がどの程度あるのかというのを整理させていただきましたので、資料として提示させていただきます。
現在、高度急性期・急性期病棟と報告している病棟が2万1,265病棟ありますが、対象となる病棟数は3,014病棟で、全体の約14%になります。
1枚おめくりいただきまして「2.病床機能報告の項目の見直しについて」になります。
5ページ目が、現在の報告内容を一覧表でまとめたもの。
6ページ目が、前回のワーキンググループで提示した論点になります。
7ページ目が、これも前回のワーキンググループでお示ししておりますけれども、平成30年度の診療報酬改定に伴う報告項目の見直しということで、以下、8ページ目以降にどういった見直しを予定しているかというものを8~12ページとおつけしておりますので、また御確認いただければと思います。
13ページ目になりますけれども、介護医療院が今年度より新たに創設されておりますので、そちらの項目を追加するといった内容を提案させていただいております。
事務局からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き唐橋参考人、よろしくお願いします。
○唐橋参考人 では、引き続きまして、埼玉県から御報告いたします。ちょっと風邪が治りかけでして、お聞き苦しい点、御容赦願いたいと思います。
埼玉県の資料をごらんください。埼玉県では10構想区域で、調整会議を設置いたしまして、関係者による議論を進めているところです。昨年度、病床機能報告データを用いた分析を行いましたので、本日、その結果を御報告させていただきます。時間も限られておりますので、少し飛ばしながら説明をさせていただきます。
まず1ページで「目的」でございますが、分析の目的は、客観的な基準によりまして、医療機関がみずからの立ち位置を確認しまして、地域の中で関係者による議論を行う際の「目安」を提供するということを目的としております。先ほど来から議論が出ておりますが、一律の基準によりまして、それぞれの医療機関の機能を振り分けようとするものではございません。
分析を行うこととしましたきっかけは、圏域の調整会議で意見が出たことでございます。医療機能の捉え方がおのおのの医療機関でばらばらなので、議論が困難だといった御意見であるとか、国が客観的な基準を示すべきと考えるが、県単独でも検討すべきといった御意見がございました。
このために、4つの医療機能が指す具体的内容について、共通認識を持ちやすくするための基準の作成を目指した。そういう性格のものです。
次の2ページでございますが、この分析は、構想推進のために設置しました会議におきまして、県の医師会や医療機関、介護施設、行政等の関係者の助言を伺いながら検討を進めました。なお、作業はみずほ情報総研さんに委託して行っております。
4ページでございます。課題意識としましては、先ほど来から出ておりますが、病床機能報告と地域医療構想の4機能が異なる視点に立っていることから、単純な比較が困難ということで、本ワーキンググループと共通の課題認識であると思料しております。
次に「機能区分の枠組み」でございますが、2つの視点に立っております。1つは白枠のところですが、救命救急やリハビリなど、入院基本料による区分。もう一つは、高度急性期と急性期の間に区分線1、また、その下に区分線2とありますが、具体的な医療提供の内容による区分線を設けております。
なお、右側に周産期、小児、緩和ケアとありますが、特殊性の強いこれらについては切り分けて検討を行いました。
区分線等の説明に入る前に、先に適用結果なのですが、6ページでございます。下の4機能ごとの集計をご覧いただきたいと思います。一番右が地域医療構想における2025年の必要病床数で、その左が平成28年の病床機能報告による病床数でございます。ほかの多くの県と埼玉県が異なりますのは、将来の必要数が現状を上回る。これは全国のトレンドと違っております。全国のトレンドと似た傾向は、単純に比較しますと、急性期が過剰で、回復期が不足となっているというものでございます。
病床稼働率の左の欄が今回の適用結果で、平成28年度の病床機能報告と比べまして、急性期が約1万床減りまして、回復期が約9,000床増加しているといった結果になっております。
なお、下の欄外の注のとおり、病床機能報告の一部の未報告などの理由によりまして、分析対象に含められない病床が8,347床ございました。これによりまして、分析結果の病床の合計は4万2,025床と少なくなってございます。
7ページで、適用結果の区分ごとに病床利用率を見ますと、回復期のうち、リハビリ病棟以外の病棟「区分線2以下」と書いてあるところですが、ここは65%と低さが目立ってございます。
病床利用率については、本日は少し時間が押し迫っておりますので、説明は省かせていただきます。
次に、飛ばしまして10ページでございます。区分線1、区分線2の設定の観点について御説明をさせていただきます。
病床機能報告の具体的な医療提供内容のデータから、基準を作成する。
マル2で、区分線1の閾値は、救命救急やICUの大半が、高度急性期に区分されるよう設定する。
マル3で、区分線2の閾値は、7対1病棟の大半が、急性期以上に区分されるよう設定する。
こうした観点で設定をしてございます。
11ページは飛ばしまして、12ページなのですが、まず高度急性期と急性期を分ける区分線1については、救命救急やICU等において、多く提供されておりますA、全身麻酔下手術から、ずっと行きましてJ、全身管理の算定回数から閾値を設定いたしました。
具体的には13ページですが、算定回数といたしますと、Aの全身麻酔下手術でしたら、1床当たり月2回以上。また、Dの超急性期脳卒中加算でしたら、月1回以上ありなどと設定をいたしました。AからJのいずれかを満たす病棟は、救命救急・ICU等で92.5%と、大半が含まれる結果となっております。
次に14ページ、急性期と回復期を分ける区分線2の設定でございます。7対1病棟で多く行われるKの手術から、一般病棟や地域包括ケア病棟で共通して用いられるPの一定以上の重症度、医療・看護必要度を満たす患者の算定回数や割合から閾値を設定いたしました。
具体的には15ページでございますが、Kの手術が1床当たり月2回以上、あるいはPの一定以上の重症度、医療・看護必要度を満たす患者の割合が25%以上などと設定いたしました。K~Pのいずれかを満たす病棟は、7対1病棟で75.0%と、多くが含まれ、10対1病棟の場合は45.5%、その他の一般病棟は16.4%となってございます。
次の第2章では、回復期病床の類型化・具体化について記載をいたしました。
17ページですが、回復期には多様な形態を含むと考えられますので、いかなるバリエーションがあるか、分析をして、類型化、具体化を試みました。
一例を申し上げますと、18ページでございますが、まず患者がどこから来て、どこへ出ていくかという入棟・退棟の流れを入院料別に見てみますと、グラフの横軸は入棟患者のうち、他の医療機関や自院の他の病棟からの転院・転棟が占める割合。縦軸は退棟患者のうち、同じく転院・転棟が占める割合。いずれもゼロに近いほど、横軸は家庭からの入棟、縦軸は家庭への退棟ということでございます。
凡例のうち、緑の四角の回復期リハビリ病棟は、他から転院・転棟して家庭に帰るというポストアキュート的な流れ、右側の流れを行っております。対しまして、一般病棟や有床診は、家庭から入院し、家庭に帰るサブアキュート的な流れが大変多くなっております。
19ページはこれを診療科別に見ておりますが、時間もございますので、説明を省略させていただきます。
また、参考資料で10の構想区域ごとの結果やデータセットの作成について添付しておりますが、これも説明を省略させていただきます。
最後に、調整会議の構成員からの意見で、今回の分析に反映できなかった意見が幾つかございましたので、資料に記載してございませんが、主な点を2つほど御紹介させていただきたいと思います。
1つは、医療密度を見るのに医師数を指標に加えるべきとの意見でございました。
これにつきましては、平成28年度の病床機能報告までは医師数の報告がなかったため、当然、分析に加えることはできなかったのですが、平成29年の報告からは、病棟でなくて、病院全体ではございますが、報告内容に追加をされておりますので、指標として用いることができるか、今後の検討課題となっております。
また、2つ目の意見としまして、平成30年の診療報酬改定、大改定がございましたので、バージョンアップをすべきとの意見がございました。
入院基本料の改正などがありましたので、更新の必要性は認識してございますが、平成30年度、今年度については、委託の予算を取ってございませんので、県で自前で分析するのは現在では困難な情勢であります。本ワーキンググループで診療報酬改定も反映しました客観的な基準づくりが進むことを期待しております。
ちょっと飛ばしながらでしたが、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
済みません。あと5分となってしまったのですが、もしよろしければ10分ほど延長させていただいてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○尾形座長 それでは、10分延長ということで、ただいま御説明がありました資料3-1及び資料3-2について、御質問、御意見をお願いします。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今、お話をお聞きして、各県いろんなデータ、資料づくりに追われているように思います。それによって、反対に全体的なものが見えなくなっているのではないかと危惧するところもあります。
これまでの議論、資料3-1の2ページ目です。これは最初の○に病床機能報告について述べてありますけれども、1つの病棟にいろんな病期の患者さんがおられるのは皆さんよくわかっていることなのです。また、病床機能報告と病床の必要量を単純に比較してはいけないことも今まで何度も繰り返し話されてきたことです。
ところが、きょうの和歌山県の資料を見ても、徳島県の資料を見ても、単純に比較しているのです。結果的には、それが調整会議の中でいろんな問題になってきているということであろうと思います。
基本的に、この病床機能報告は病棟単位であって、病床の必要量は病床単位です。全く違うものを比較して、それで整合性をとろうとするがためにいろんなデータを出してきて、そして話を進めようとしているわけですけれども、基本的に違うものを1つにしようとしても、なかなか難しいのだろうと思います。
そこで案なのですが、この病床機能報告というものは、例えば50床の病床に、30床が急性期がいて、残りの20床は、急性期の治療は終わったけれど、どうしても病状が不安定な高齢者が多くて帰せない、この病棟は医療資源投入量的な見かたをすると、回復期にあたる患者さんが4割近くになりますが、当然、急性期を選びます。しかし、そういう場合、急性期出報告すると、50床すべてが急性期に上げられてしまうわけです。そういうことで、急性期病棟だけがふえて、回復期はふえないように見えるのです。これは明らかになっていることで、皆さんも御存じのことだろうと思うのです。
ですから、ここは病床機能報告を急性期と選んでもいいのだけれども、そのうち、例えば4割ぐらいが回復期に属する人たちがいるというものを出していただければ、回復期はこの地域でどれぐらい足りているのだというのが、いろんなデータを出したり、いろいろ考えなくても可能ではないかと思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですか。
では、事務局、どうぞ。
○鶴田課長補佐 基本的に今、病棟単位で報告するということになっておりまして、ただ、病棟の中には急性期、回復期、慢性期、さまざまな患者様が混在している。そういう中で、なかなか単純評価は難しい。ただ、傾向として見たりする、そういった使い方もあり得るのではないかということであろうかと思いますが、先生の御提案の急性期と報告したうち、本当にその一部は回復期ということを報告するかどうかというところに関しては、ぜひ皆様方でディスカッションしていただければと思います。
ただ、そうした場合、回復期というものが一体、どういう人を回復期といって報告するのかというところは多分同じように、現場レベルだと難しいという論点もあり得るのかなと思いますので、その辺につきましてはぜひ皆様方の御意見を踏まえながら、どのような対応ができるかというのは事務局としてしっかり整理していきたいと思います。
○尾形座長 どうぞ。
○織田構成員 といいますのは、急性期において、この間も私はお話ししたのですけれども、急性期のみで出している病院が全国で1,500病院ぐらいあるのです。その全部を合わせると13万床ぐらいになります。それらの病院の平均病床数は87床なのです。ですから、このような病院は病棟が1つとか2つですから、それを急性期とか回復期に分けられないのですよ。また、80歳、85歳の肺炎や心不全というのは、急性期は急性期なのです。これはサブアキュートではないのです。
そういう方たちにおいても、すぐ退院させる。例えば転院させる、転棟させる。それが果たしていいことかどうか。だから、基本的には、この病棟は急性期だけれども、何割かは回復期に属する患者さんがいるということを、各病院に出させれば、こんなものはすぐ解決する問題ではないかなと思います。
これをデータで納得させようとすると、データというものは目的によって幾らでも変えられますから、そこをもう少し考えていかなくてはいけないのではないかなと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の織田先生の御提案といいますか、御意見は、相変わらず病床機能報告制度の病床数と将来の病床数の必要量を比較しているからおっしゃったことなのです。医療のそもそもの実態といいますか、あるべき姿は、全ての病棟にいろんな病期の患者さんがいていいのだという大前提で行っているのですよ。だから、それは変えようがない、変えてはいけない。高度急性期病棟だって、よくなってきたら回復期になりますから、急性期も同じです。大学病院であろうが、どこだって同じなのです。それを無理に比較しようとすることの弊害なのです。そのことなのですよ。
ぜひ、それを、今、病床機能報告制度だって患者さんごとに病棟コードがついているではないですか。それを分析したら、そんなものは自動的にわかりますよ。だけれども、それがある病院のA病棟に、これだけデータ的には、急性期は3割しかいないのに、急性期と報告していることがけしからぬということでは絶対ないのです。その医療機関が急性期だと思えば急性期ということはずっと、それは一貫した方針なのです。病床機能報告制度はそういう仕組みなのです。これを変えることは絶対してはいけないのですよ。
皆さん、ぜひ落ちつきましょう。単純に比較して騒がないこと。その一言に尽きると思います。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 きょうのこの和歌山県の資料も、この徳島県の資料も、どうしても比較しているのですよ。調整会議等でこの資料を見る人は比較するのですよ。比較していけないものをこうやって比較した資料を出せば、構想区域の調整会議では混乱するのです。それをデータで何とかしようとしているから矛盾が起こっているのではないかと思います。基本的に報告制度の中で対応すればいいのではないかという感じます。
○尾形座長 佐々木課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 済みません。いつも、この問題で大変、事務局の説明とか資料等が十分でなくて、議論がうまく回らないなと悩んでおるところでございますけれども、いずれにしましても、病床機能報告の制度は制度でありまして、どんどん改善していきたいと思いますが、地域医療構想を進めていく意味では2025年に向けた4機能について、地域でどういう分担でやっていくのか。これはたゆまず進めていかなければいけないところでございます。ですから、今あるデータとか、そういうものがそういった議論に対して役立つようにどんどん改良していきたいということでございます。
例えば県のレベルでいろいろ使っているときに、こういうものがあったら、もっと議論しやすい、もしくは例えば、きょうもお話がありましたけれども、転換を進めるに当たっていろんな予算的な配慮があったら、非常に持っていきやすい。こういう議論をぜひしていただいて、なかなか現状のデータとか、あるものについて、うまく適合していないというところについては、これは日々改良していきたいと思っておりますので、そこら辺のところは事務局のほうでできるだけ向いていきたいと思いますし、各都道府県の議論が進んでいくように、いろいろとまた引き続きたゆまなくやってまいりたいと思います。
済みません。申しわけございません。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 埼玉県のいろんな取り組みを、医療提供体制の分析ということですよね。こういう区分をつくって、報告制度のときに、この区分をよく見て報告しなさいということではないですよね。そういうふうに理解したのですが、それでよろしいですか。
○尾形座長 唐橋参考人。
○唐橋参考人 そのとおりです。この分析を参考にしまして自分の立ち位置を考えるといいますか、特に一番特徴的だったのが、今、時間の関係で説明を省略したのですが、済みません、20ページをごらんいただきますと、回復期、いろんな多様な患者さんを含んでおりますが、回復期リハビリ病棟と小児科を除いた病棟の病床稼働率を見てみますと、ピンクの部分が7対1病棟で、稼働率は70%以上に多く分布しておりまして、対しまして、黄色が13対1や15対1、あるいは青が有床診。これは70%以下に多く区分されております。
こうした役割のはっきりしない一般病棟といいますか、一般病棟でリハビリ機能を強化するなど、役割を明確化しまして、稼働率は上げていく必要がある。そういった議論をしていただく。そういった参考になるかと思っております。
○中川構成員 それと、もう一つお願いなのですが、18ページのサブアキュート機能というものは、こういう言葉は使わないでいただきたいなとお願いしているのです。
軽症急性期という意味だと思うのですが、軽症か、重症かは結果ですので、結果的に軽症の急性期の患者さんが多かったという意味なので、例えば介護施設とか、高齢者がこういうふうに急性発症して入った場合はサブアキュートとして扱うべきだという、年齢的な差別感のあるような表現なので、ぜひ今後、何か別な言葉にしていただきたいなというお願いです。
○唐橋参考人 済みません。ちょっと認識が足りませんでしたので、踏まえさせていただきます。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 埼玉県の資料について、ちょっと教えていただきたいのですけれども、今回、閾値という言葉を使っておられるのですが、なかなかこういう病棟を閾で分けるのは難しいと思うのです。例えば高度急性期という表現の中には高度医療と急性期医療がまざっていると思うのですけれども、今回の閾値をつくるときに、ICUは高度急性期かもしれませんが、高度に特化した場合とより急性期に特化した場合というものがどんなふうに表現されてくるのかという面と、データとして今、専ら使われているのは6月のデータだと思うのですけれども、季節変動というものはかなりあって、季節変動の部分をどんなふうに受けとめて、これを考えていくのかということを、今のお考えを教えていただければと思うのです。
○尾形座長 唐橋参考人、お願いします。
○唐橋参考人 区分線1の考え方については、12ページでございますが、高度医療の先生、急性期医療の先生、それぞれ専門の先生方のアドバイスをいただきまして、広く高度や急性期に提供された医療というものはこういったものではないかという、A~J、かなり幅広に拾ってございます。これによりまして、一定程度、高度急性期という漠とした概念ですが、これをあらわしていると考えております。
季節変動につきましては、今回の分析では対応はできませんでしたので、今、病床機能報告というデータを使う限りは、なかなか対応は難しいのかなと考えております。
以上です。
○尾形座長 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 例えば高度医療といった場合には非常に幅が広いわけで、これで全部拾うのは難しいのかなと思いますし、実際に超急性期脳卒中加算とかは冬場に多いですから、なかなかそれでうまく表現できるのかなというのは疑問に思いますので、そういったことを考慮していく必要があるのではないかと思います。そういう意味で、閾値というふうに切っていくのは非常に難しいのではないかなと思います。
これは意見です。
○尾形座長 本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 これまでも奈良県、佐賀県からも御報告いただきましたが、埼玉県の場合、一定の区分線を引いてということですが、ある程度、そこの地域で、医療機関も納得の上でそういった基準を決められて、一つの目安を示していただいたということは、医療機関が自主的に病床機能を判断するには非常に有効であったのではないかと思います。
そういった意味では、定量的基準というものはこれだというものではないかもしれませんが、各県で取り組まれ成功している一定の目安になる定量基準を、データの正確性も含め示していただくことにより、調整会議の議論も活性化してくると思います。
特に、医療界でも4機能の判断は難しいと言われている以上、参加されている地域住民等は一定の目安がないと判断できないこともあるかと思います。ある程度、地域の中で合意が得られた定量的なものは今後とも出していただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかは如何でしょうか。
どうぞ。
○唐橋参考人 本多先生のおっしゃるとおりなのですが、埼玉県では県単位の調整会議を設けておりまして、今回のこの区分の考え方や具体的な算定回数なども県単位の調整会議で議論をして、一定の合意をいただいております。そうしたことで納得性が得られているのではないかと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局においては、引き続き病床機能報告の見直しについてお願いをしたいと思います。
申しわけありません。座長の不手際もありまして、若干、審議時間が延長となってしまいましたけれども、これをもちまして、本日の議論を終了したいと思います。
最後に、事務局から何かございますか。
○横山課長補佐 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきたいと思います。
長時間にわたります御審議、どうもありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
また、本日は地域医療構想調整会議における議論の進捗状況等を御報告していただくため、参考人として茨城県保健福祉部医療局医療政策課、須能浩信課長。徳島県保健福祉部、三好誠治副部長。埼玉県保健医療部保健医療政策課、唐橋竜一課長をお呼びしています。
オブザーバーとして、総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より、伊藤室長に御出席いただいております。
本日、私どもの医政局長の武田につきましては、別の公務のために、途中で退席させていただきます。
議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2、資料3-1、資料3-2、参考資料1、参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料3をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。
それでは、以降の進行を尾形座長にお願いします。
○尾形座長 おはようございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
まず、議題の1つ目でございますが「地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について(その5)」を議論したいと思います。まず、資料1-1の説明を事務局から、資料1-2の説明を茨城県の須能参考人から、資料1-3の説明を徳島県の三好参考人から、それぞれお願いをしたいと思います。
一括して説明を伺った後に、質疑をしたいと思います。
それでは、説明をよろしくお願いいたします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料1-1を使いまして御説明をさせていただきます。まず「1.地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について(その5)」になります。
1ページ目で、こちらは地域医療構想調整会議の位置づけと協議事項を整理した資料になります。
2ページ目が、調整会議の進め方のサイクルをお示しした資料になりますが、今回はこの緑の▼の3月末時点での状況を取りまとめましたので、この内容を御報告させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、調整会議における議論の状況の総括表になりますけれども、左下を見ていただきますと、公立病院につきましては、新改革プランを策定した病院が816病院、3月末時点で調整会議で議論を開始した病院が650病院となっております。
2025プラン対象医療機関につきましては、プランを策定した病院が813病院、調整会議で議論を開始した病院が617病院となっております。
その他の医療機関につきましては、担うべき役割や機能を大きく変更する病院等で、今後の事業計画を策定した病院が264病院、調整会議で議論を開始した病院が46病院となっております。
1枚おめくりいただきまして、こちらは都道府県ごとの昨年度の調整会議の実績を取りまとめた資料になります。通知等では年4回程度、調整会議を実施してくださいということを周知しているところでありますが、昨年度の実績としては全国平均で3.1回となっております。
5ページ目の資料ですけれども、こちらは平成29年度病床機能報告の報告状況を都道府県ごとに整理した資料になります。速報値段階の報告率ということになりますが、全体として約85%前後の報告率となっております。
未報告医療機関の施設数に関しては、下段の表のところで整理をさせていただいております。
6ページ目ですけれども、報告率の経年比較を都道府県ごとに整理した資料になります。こちらに関しては、28年度は最終的な報告率、平成29年度に関しては速報値の段階のものということで、見ている時点が異なることに御留意ください。
7ページ目ですが、これは見ている時点を合わせて、ともに速報値の段階で報告率がどうだったのかを都道府県ごとに整理した資料となります。
8ページ目です。これは非稼働病棟の病床数を都道府県ごとに整理した資料になります。非稼働病棟につきましては、調整会議で議論をしていただきたいということで周知しているところであります。調整会議での議論が実施できた割合が下段の表となります。
9ページ目になりますが、これが実際に非稼働病棟のうち、減床した事例について整理させていただいた資料になります。
10ページ目ですが、非稼働病棟の病床数の経年比較を整理させていただいております。先ほどの報告率と同様に、平成28年度は最終的な報告、平成29年度は速報段階のものですので、時点が異なることに御留意いただく必要があります。
11ページ目が、時点を合わせて、ともに速報段階でどのように変化をしているかといったものを整理した資料となります。29年度、新たに非稼働病棟となるものもありますので、経年比較をするとふえている都道府県も存在します。
12ページ目ですが、こちらは新公立病院改革プランの策定状況、また、調整会議で議論を開始した割合を整理したものになります。
1枚おめくりいただきまして、こちらは2025プランの策定状況、協議の状況を整理した資料になります。
こちら2つについて、あわせて整理した資料が14ページ目になります。これを見ていただきますと、実施している都道府県ではかなりの割合で調整会議の議論が進んでいる状況でありますが、全く調整会議での議論をしていない都道府県も一部見受けられます。
一度も実施していない都道府県に関しましては、実施していない理由について聞き取っておりますので、その聞き取った内容が15ページ目ということになります。議論を開始できていない理由としては、おおむね協議を開始するまでに準備期間を要したといった内容となっております。いずれの都道府県も、今年度中には協議を開始するということで御連絡をいただいております。
16ページ目ですけれども、2月に発出しております通知の中で、都道府県は毎年度、調整会議において合意した具体的対応方針を取りまとめるということになっておりまして、昨年度末時点での調整会議で合意した具体的対応方針を17ページ目でまとめさせていただいております。
先ほどは協議を開始したところまでお示ししたわけですが、合意まで至った病院数となりますと、公立病院につきましては38病院、2025プラン対象医療機関につきましては70病院、その他、今後の事業計画を策定し、合意に至った病院が9病院となっております。
18ページ目以降ですけれども、具体的対応方針について、合意した病院のある構想区域において、将来の病床数の必要量がどうなっていて、2016年の病床数がどうなっていて、単純比較した場合、どうなるのかを整理した上で、実際に具体的対応方針を合意した病院がどのように医療機能を見直すということで合意がなされているかというのを整理して一覧表としておりますので、以降、18~24ページがその内容となっております。
事務局からの報告は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き須能参考人、よろしくお願いいたします。
○須能参考人 地域医療構想の進捗状況ということで、本県の主に病院再編の事例を中心に御説明をしたいと思います。資料1-2をごらんいただければと思います。
茨城といえば、魅力度ランキングで最下位でございまして、それも5年連続最下位ということで、その調査が始まって以来、1回を除いて全部最下位ということで、圧倒的に知名度とか魅力度が低いところなのです。
1枚おめくりいただきまして1ページ、概況を触れさせていただきますと、面積は24位ですけれども、可住地面積が全国第4位ということで、福島と岩手の間ということで、非常に広い面積を有しています。
また、右側に、いろいろ写真とかを載せておりますけれども、空港、港、それから、高速道路のジャンクションなど、いわゆる陸・海・空の広域交通のネットワークが進んでいるところでして、東京都の所要時間につきましても、平成17年につくばエクスプレスが開業し、秋葉原からつくばまで45分。それから、県都である水戸までは65分、最北の北茨城までも110分ということで、非常に東京との距離は近いところでございます。
そういった中で、人口も全国11位ですし、製造品の出荷額、それから、農業産出額につきましても全国1桁ということで、インフラの状況につきましてはそれなりに整っているといった県でございます。
2ページ、医療の状況につきまして御説明しますと、医療機関の人口当たりの施設数と病床数はいずれも全国平均以下でして、中でも特に医師不足と医師の地域偏在といったことが非常に深刻な問題となっている県でございます。
人口10万人対の医師数は全国ワースト2位で、地域偏在のことについて言えば最大格差は4倍以上ということで、下の図の中央に二次医療圏別の医師数を記載してございますけれども、最も少ないところは95.7人ということで、これは鹿行(ろっこう)とお読みするのですが、全国344の医療機関の中でもワースト2位ということで、100人ちょっとのところまで含めて筑西・下妻、それから、常陸太田・ひたちなかという、この3カ所の医師不足といったことが非常に深刻な問題となってございます。
そういう状況で、9つの医療圏があるわけですけれども、水戸の医療圏と筑波の医療圏を除きまして流出過多が見られる状況です。
医科大学につきましては筑波大のみということで、昭和48年開学ということで、新しい大学でございます。
3ページ、その中で唯一の医育機関であります筑波大にどういうふうにいろいろやっていただいているかといいますと、県内に在籍する医師の約3分の1は筑波大の関係者となってございまして、地域への計画的な派遣ですとか、そういったことを取り組んでいただくために、養成・確保ということで、筑波大のほうに地域枠ですとか寄附講座を設けていただきました。
地域医療教育センターということで、右の地図がありますけれども、そういったところを大学のほうで指定していただきまして、教育・研修をやっていただいているという状況でございます。
地域枠の入学者につきましても21年に始まっておりまして、これまでに卒業した28名の医師が県内で勤務しているといった状況でございます。まだまだ医師不足という状況で、圧倒的に医療提供体制が充足していないという地域でございます。
4ページ、そういう中で本県の地域医療構想の状況で、医療圏でいいますと、区域ごとに人口は大体20万から50万でして、2025年の必要病床数を地域医療圏ごとに記載してございますけれども、現在の許可病床に比べると、いずれの地域におきましても病床過多という状況で、どうやって本県では限られた医療資源、限られた病床を活用して地域医療体制を整えていくかという大きな課題がございます。
5ページ、次が新公立病院改革プランと公的医療機関等2025プランの進捗状況で、全ての対象医療機関で策定は済んでございます。ただ、策定した時期が若干遅い関係で、まだ議論を開始していないところは3カ所ほどありますけれども、この3つにつきましても速やかに議論を開始するということで調整をしているところでございます。
そういった本件の状況の中で、今日は、先ほど医療圏のところで医師不足が深刻だと言っております筑西・下妻、鹿行、それから、場所としては水戸になるのですが、県の北側の広いエリアを支えております水戸の再編の状況につきまして、簡単に御説明したいと思います。
6ページ、「筑西・下妻保健医療圏について」というところでございますけれども、地域の状況でいいますと、10万人当たりの一般病床数は全国最下位で、栃木県の自治医科大学や筑波大学が近くにありますことから、非常に他の医療圏への依存度が高い。
そういうことで、下段の図の中央に「(参考2)受療動向」とありますが、これは各市町村別の入院患者のいわゆる自足率でございまして、今回対象になっていますのが筑西市、桜川市ということで、オレンジに塗ったところが医療圏で、この医療圏の中でも市町村合併で3つ、あるいは4つの市町村が合併して誕生した両市で、非常に面積的に広いところでございますけれども、自足率で申しますと、桜川市は51.3%、筑西市が40.9%ということで、特に筑西市では栃木県への流出が、両市ともつくば保健医療圏への流出が非常に多いところでございます。
この合併の背景となりましたところから説明しますと、7ページに移るわけですけれども、もともと平成21年に県の地域医療再生計画に公立2病院の再編ということを位置づけました。その後、先ほど申しましたように、面積が非常に広い関係で、建設場所の問題でまとまりがつきませんで、平成23年の東日本大震災もあり、やはり合併しなければならないということで合意はしたものの、その後、いろいろ紆余曲折ありまして、民間病院であります山王病院というところがありますけれども、そこを含む3病院で、3つを2つに再編するというスキームで合意をし、以降、順調に手続を進め、現在、間もなく、今年の10月に開院する予定となってございます。
新病院につきましては筑西市で整備します、茨城県西部メディカルセンターにつきましては一般病床250床で、地方独立行政法人が運営するという経営形態。それから、桜川市のほうで整備しますさくらがわ地域医療センターにつきましては一般病床80床、療養48床ということで、山王病院へ指定管理ということで、さくらがわ地域医療センターのほうでは、いわゆる初期の受け入れのところと、あとは療養期についての役割を担う。それで、地域の中核としてきちんと二次救急まで受け皿として整備するのが茨城県西部メディカルセンターという役割で再編するということで進めてまいりまして、間もなく完成するところなのです。
8ページ、新病院の特徴ですが、県内初めて2つの大学の教育研修センターという機能を位置づけてもらうことができました。こういったことから、この病院が中心になって、この地域を担っていくことになろうかと思っています。新聞で1月31日に調印したときの記事を参考として載せさせていただきました。
9ページ、鹿行保健医療圏でございます。
鹿行保健医療圏につきましては、医療資源でいうと10万人当たりの病床数もそうですし、医師数が最も少ないところでございまして「(参考2)受療動向」を見ますと、市内で診られる方が3割しかおりません。7割が県内の他の市町村ですとか、特に他県への流出が約4割ということで、非常に多くの患者が外に流れています。県境をまたぐものですから、千葉県側の病院のほうから受け入れの制限をしたいといういろんな要請などもありまして、圏域内で何とかしなくてはいけないということで議論を重ねているところです。
今回、この2つの対象になりますものが赤で囲みました神栖済生会病院と鹿島労災病院で、約10キロ離れているところです。この地域の拠点となる病院につきましては、なめがた地域医療センター、小山記念病院、白十字総合病院とあるのですが、それぞれ、この圏域の中の中心あるいはそれより北部でございまして、この南部地域、半島みたいになっているところなのですけれども、ここに医療機関が全然ありません。
神栖市は、近くに工業地帯を抱えているものですから、非常に人口も多く、今後の人口動態を見ましても、今の人口規模が維持されていく見込みという見通しもあります。10万人の人口を抱えているところですので、この地域の医療体制をどうにかしなくてはいけないということで、この2病院を対象として再編整備ということを進めることになりました。
10ページ、これまでの経過等を右側に記載しておりますけれども、平成25年に鹿島労災病院のドクターが、千葉大学からの派遣を受けたところなのですが、大量の引き上げがありまして、10人まで減ってしまいました。そういったことなどを背景にしまして、28年、29年と急ピッチで、同一の市町村内だからということかもしれませんけれども、非常にスピーディーにまとまってきたもので、一応、来年の4月1日に合併をするということで、現在、いろんな詰めの協議を行っているところでございます。
11ページ、新しい病院の姿ですけれども、もともとありました479床を2つに再編統合しまして、350床程度の本院と10床程度の分院ということで、一体として地域医療を支えていくという体制で医療資源を集約化するということで再編後の姿をイメージしております。
これが鹿行地域の状況でございます。
最後に12ページ、水戸保健医療圏ということで、水戸につきましては県都でもあるということもありまして、多くの二次医療機関が集積をしてございます。
ただ、ここに記載しています病院とも、築年数で見ますと30年を経過しているところがほとんどです。したがいまして、どの病院も建てかえの時期に来ておりまして、建てかえに合わせまして、将来の人口動態ですとか患者の受療動向を踏まえて、一度立ちどまって地域医療構想を進めるという観点で、関係者同士、会合の場を設けるということで、昨日、地域医療構想調整会議の下部組織としてワーキンググループを設けて第1回の会合を行いまして、各病院が抱える課題ですとか将来像などにつきまして、対外的に明らかにし、課題を共有したということでございまして、今後1年程度、来年の3月を目途に将来の方向性について一定の結論を出すことを目的に昨日、会議が設置されたところでございます。
最後に、13ページ、本県におけます地域医療構想の達成に向けた施設整備等の実績ということで、国の基金を活用させていただきまして、回復期病床へ転換することを支援させていただきまして、転換の実績としては300床、内訳としては、地域包括ケアが265床、回復期リハビリテーション病床が35床ということで、1億7,400万円の補助をさせていただきまして、300床の転換を図ったところでございます。
以上が、本県の主に再編統合の事例を中心とした説明になります。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き三好参考人、よろしくお願いします。
○三好参考人 改めまして、徳島県保健福祉部の三好でございます。資料は1-3で「徳島県における公的病院と民間病院の再編・統合事例について」という題でございます。
1ページでございます。御説明する内容についてで「1 徳島県及び各構想区域の概要」「2 地域医療構想調整会議の議論の状況」「3 公的病院と民間病院の再編・統合事例」ということでございます。
2ページで「1 徳島県及び各構想区域の概要」でございます。
徳島県は大きく3つの構想区域を持っております。東部圏域、西部圏域、南部圏域でございます。
特徴といたしましては、徳島市を含みます東部圏域、面積的には24.5%で、ここに人口の約7割が集中しているという状況でございます。
続いて、おめくりいただきまして、圏域ごとの人口及び入院患者数の状況についての説明でございます。
まず東部圏域で、グラフは左から年齢区分別の人口の将来推計、続いて同じものの変化率、その横が1日入院患者数の推移状況、その横が同じく変化率という表になっております。
まず東部圏域につきましては、人口につきましては2025年まで総人口で0.93ということで、減少が見込まれておりますが、65歳以上では2025年に向けまして1.07、75歳以上では1.26ということで、高齢者を中心に、また引き続き増加の傾向があるということでございます。
入院患者数の動向につきましても同様で、高齢者を中心に今後、2035年にかけて入院患者数がふえていくものと見通しております。
続きまして4ページで、南部圏域でございます。南部圏域につきましては県の南部で、山間部、過疎地域を多く含んでおります。
2025年までの人口の変化率で、総人口で0.88ということで、かなりの減少が見込まれておりますし、65歳以上人口につきましても0.99ということで、ほぼ同数、あるいは若干の減ということでございます。75歳以上人口につきましては1.13ということで、まだまだ増加が見込まれているということでございます。
入院患者数の状況につきましては、引き続き2025年まで、75歳以上人口がふえるということもございまして、増加が見込まれているところでございます。
次の5ページで、西部圏域の人口・入院患者数の変化でございます。西部圏域につきましても、県の西部で、山間部が多く、過疎地域を多く含んでおるところでございます。
2025年までの人口の変化率は、総人口では0.83ということで、かなりの減少が見込まれております。65歳以上人口、75歳以上人口につきましても、2025年にかけて減少がもう既に始まっているという状況でございます。
こうしたことを受けまして、入院患者数につきましても、現時点から今後減少していくという見通しになっているところでございます。
次の6ページで、今度は各圏域の医療構想についてで、まず東部圏域でございます。
東部圏域につきましては、人口が集中しておりますが、病床につきましても2016年の機能報告で8,500床ということでございます。2025年の必要病床数につきましては6,123ということで、2,400床ほど、急性期、高度急性期、あるいは慢性期といったところでかなりの数が超過ということでございます。逆に、回復期については800床ほど足らないという状況が見込まれております。
次の7ページで、南部圏域でございます。
南部圏域につきましても、2016年の病床機能報告では1,949床ということで、2025年が1,863床。ここでも若干の超過ということでございます。特に急性期、高度急性期につきましては、トータル300床ほどの超過、慢性期については164床ほどの超過、逆に回復期病床については400床弱不足するという見通しになっております。
次が西部圏域で、8ページでございます。
西部圏域につきましては、2016年については1,263床。それから、2025年については1,008床ということで、人口減少を見通して、病床数についても減少が見込まれるところでございます。病床の構成については、これまでの圏域と同様に、急性期、高度急性期、あるいは慢性期のほうが余剰であって、回復期が不足しているということでございます。
各圏域における議論の状況ということで、先ほど御説明するのを忘れたのですけれども、6ページで、東部圏域に戻っていただきますと、一番上の囲みに書いてございますように、東部圏域につきましては、今後、多くの患者、慢性期の患者を中心に、介護医療院あるいは在宅といったことで、在宅機能を今後、どのように提供機能を整備していくか。そのためのマンパワーの確保、看護師さんですとか、そういった方の確保をどうやっていくかということが現在議論されているところでございます。
次の7ページの南部圏域につきましては、8市町に公立・公的合わせて9つの病院があるということで、公立病院が中心に医療を支えている状況でございまして、特に人口は少ないのですが、圏域が山間部を中心に広いということで、2次の救急医療の提供体制を今後どのように整備していくか。こうした公立病院を中心に、どのように提供していくかということが現在議論されているところでございます。
次の8ページで、西部圏域はそもそも、各民間病院・診療所を中心に医師の高齢化あるいは後継ぎがいないということで廃業が出てきておりまして、調整会議の議論といたしましては、今後、地域の医療体制をどうやって維持していくのか。特に、その中で公立病院等がどのような役割を果たしていくかといったことが議論されている状況でございます。
続きまして、本県の医療施設従事医師数ということで若干御説明をさせていただきたいと思います。
このたび、28年度の人口10万人対の医療施設従事医師数ということで発表がございました。全国1位、315.9人ということで、隣に埼玉県の方がいらっしゃって、ちょっと申し上げにくいのですけれども、埼玉県が160.1人で、これと比べると大分多いではないかということで、全国平均の240人よりも大分多いということでございます。
そういったことで、かなりお医者さんが多いということで、過去からそうで、次の10ページをごらんいただきますと、人口当たりで見ると確かに1位ということでございますが、我々の実感としては、そのように医師が足りているということは全然なくて、ちなみにということで、面積当たりの医師数の割合ということで計算をしてみております。
右側の表でございますが、真ん中よりちょっと下の29位ということで、面積100平方キロメートル当たりが57.1人と、全国平均より低い数字で、こういった過疎地の現状。こういったことも今後、厚生労働省におかれては、医師の偏在の度合いを示す指標なんかも検討されていくということで、ぜひこうした地域的な状況をよく反映できるような指標の考え方を示していただければと考えております。
次の11ページで、本県の医師偏在ということでは、かなり県内の中でも偏在の状況がございます。
棒グラフはお医者さんの数の実数で、折れ線グラフは人口10万人対のものでございます。圏域ごとに折れ線グラフで示しておりますが、一番右側に315.9というものが、折れ線グラフは全県平均で、その上にございますベージュの折れ線グラフが東部圏域の人口10万人対で、やはり県内でも東部圏域にさらに集中しているということでございます。その下の青いグラフが南部圏域、一番下の緑のグラフが西部圏域で、こういった状況で県内的にも偏在があるということでございます。しかも、その差が拡大しているという状況でございます。
次の12ページをごらんいただければと思うのですが、医師の高齢化ということについて若干御説明をさせていただきたいと思います。
一番上の囲みに書いてございますように、医療施設従事医師の60歳以上の割合。これは本県の場合、全部で32.8%ということで、25.1%の全国平均と比べて高くなっておりますし、平均年齢も52歳で、2ポイント以上高くなっております。
下のグラフは、左側に病院の勤務医師、右側は診療所の医師ということで、それぞれ分布を棒グラフで、平均年齢を折れ線グラフで示しております。
病院医師の左側を見ていただきましても、全国平均の赤茶色といいますか、これが44.5歳でございますが、本県の場合は47.5歳ということで、しかも年々拡大しております。中でも、特に60歳以上の高齢の医師の方の活躍といいますか、稼働といいますか、そういったものがふえている。
右側の診療所につきましても同様に、平均年齢はそんなに変わらないのですが、現在では61.4歳で、全国平均よりもかなり上回っている状況でございます。特に高齢の医師の方が引き続きされているということが多い状況でございます。
続きまして13ページで、報告事項の2番目で、本県の地域医療構想調整会議における議論の状況でございます。
この表は、上側は国の昨年度のいろいろな動きというものを示しておりまして、下側の欄に本県の調整会議の動きを書いております。本県のほうで、昨年の秋に第1回、第2回ということで3圏域ごとに開きまして、第1回におきましては地域医療構想とか直近の病床機能報告、それから、公的医療機関等2025プランの御説明をいたしますとともに、今後の地域医療構想調整会議の運営の取り扱う内容とかを決めました運営要領を定めました。
それで、29年の冬から30年の1月にかけて第2回の調整会議を3圏域で行いまして、新公立病院改革プラン、公立病院の関係のプランと、公的医療機関等2025プラン。これも全ての公立病院で作成をいただきまして、第2回で圏域ごとに全て説明をいただいたところでございます。
それから、30年3月、西部圏域では三好地域でワーキンググループということで、特に三好地域では従来の調整会議のメンバーだけでなくて、全ての医療機関に御参加をいただきまして、地域の医療構想でありますとか病床機能報告といったことで、地域の医療の状況を見ていただき、意見交換をさせていただいたところでございます。
続きまして14ページで、地域医療構想調整会議における、厚生労働省から示されておりますいろんなポイントについての本県の現在までの状況ということで書かせていただいております。
「1.新公立病院改革プラン及び公的医療機関等2025プラン」についてでございますが、先ほど申し上げましたように、第2回の会議で全ての対象医療機関が作成をし、説明をいただいて、全ての構成員に情報の共有がされたということでございまして、今年度、具体的に議論を進めていこうと考えております。
「2.その他全ての医療機関の対応方針」で、こうした医療機関の対応方針をどのように進めていくかということで、今年の課題でございます。先ほど三好地域で、全ての医療機関でワーキンググループを行ったということを御説明申し上げましたが、こうしたワーキンググループあるいは意見交換会など、こういった場所から地域医療構想の考え方、あるいは地域の医療の状況の理解といったことから始めていきたいと考えております。
「3.過剰な病床機能に転換しようとする医療機関への対応」でございます。28年度報告におけますこの数字につきましては、昨年度の調整会議において、全ての圏域ごとに数字、それから、機関数を報告させていただいているところでございますが、まだまだ報告の中において、この意味なり、そこら辺を正しく理解いただけていないのではないかということもあるかということで、こうしたことを医療機関ごとにちょっと丁寧にヒアリングなどをしながら調整をしていきたいと思っております。
4.ですが、非稼働病床の件でございます。これについても、医療機関数と病床数。これを昨年度の調整会議で報告をさせていただいて、一応、現状について御認識をいただいたところで、今年度、議論を進めていきたいと考えております。
「5.個別の医療機関ごとの医療機能や診療実績、各種補助金や繰入金等の状況」でございます。これについては、今後、どのようなデータが各調整会議で必要になってくるかといったことについて検討し、まとめてまいりたいと思っております。
15ページで、特にその中でも「公立病院・公的病院の議論の状況」で、これも先ほど申し上げましたとおり、圏域ごとに申し上げますと、こういった分布になってございますけれども、全ての公立病院・公的病院でプランの説明をし、情報共有を図ったところでございまして、今後、議論を進めていきたいと考えております。
続きまして「3 公的病院と民間病院の再編・統合事例」で、本県の南部の医療圏域にございますJA阿南共栄病院、厚生連の病院。それと、阿南医師会中央病院。これは医師会立の病院で、これの統合の例について御説明を申し上げます。
申しおくれましたが、私は昨年、一昨年と、この事業主体であります厚生連のほうに出向しておりまして、そういったことで、中からもいろいろ見てきたわけで、言えること、言えないこともあるわけでございますが、そういったことも踏まえて御説明をさせていただきたいと思います。
この2病院で、左下にございますように、上側にJA阿南共栄病院。これは厚生連の運営する病院で、一般病床、回復期リハということで343床の病院でございます。一部耐震化ができておりません。非常に老朽化をしております。
それから、その下が阿南医師会中央病院で、これはトータル229床ということで、一般病床、包括ケア病床等ということで運営をしております。こちらの病院は医療施設の耐震化基金を使いまして、耐震化が完了しているという病院でございます。
この2病院を統合いたしまして、右側に書いていますJA厚生連阿南医療センターということで、この建物については医師会中央病院の耐震化された建物の横に、このヘリポートの絵が見えておりますベージュの新築の棟を建てまして、阿南医療センターということで、ここを厚生連が運営をするという形の統合でございます。トータル病床数は398床ということで、地域の医療構想を踏まえまして、一般病床、急性期病床を中心に174床の減床ということで進めております。
それから、4番目に書いておりますように、地域のまちづくりと一体型の医療機関ということで、県の病床機能分化・連携の取り組み、それから、地元自治体の支援と県あるいは国の地域医療介護総合確保基金の活用といったことで進めている例でございます。
次の17ページをごらんください。この検討に至った背景でございます。
まず、両病院の課題解決ということがございます。この両病院の位置関係で、左側の下の図面にございますように、双方とも現在は阿南市ということで、青い★が阿南共栄病院、赤い★が医師会中央病院。2つの間の距離は5キロで、車で行けば10~15分といった距離でございます。
こういった中にある2つの病院ですが、上の阿南共栄病院においては一部施設において耐震化できていない。大多数の施設においてと言ったほうが正解なのですけれども、この耐震化にどう対応していくか。南海トラフの巨大地震といったことも目前にということが懸念されておりますので、これを早急に対応しないといけない。それと、医師の高齢化等もございまして、だんだん医療の機能も厳しくなってきているということでございます。
共栄病院自体、耐震化を厚生連がしていけばいいわけでございますけれども、徳島の厚生連といたしましては、この東部圏域のほうに吉野川市というものが吉野川の中流域にあるのですが、こちらにも1つ病院がございまして、こちらの耐震化建てかえといったものを先に進めておったという状況もあり、この阿南共栄病院に対応するなかなか財政基盤がなかったというところもございます。
それから、阿南医師会中央病院については、勤務医が不足しているという状況が発生いたしました。平成10年代ごろには二十数名といったお医者さんがいたのですけれども、10名台、十数名といった形になり、救急の受け入れを一部休止せざるを得ない、あるいは分娩の扱いをやめざるを得ないということがございます。それから、医師の高齢化が非常に進みまして、現在の数字としては57歳という形で、かなり医師の高齢化が進んでいたという状況がございました。
2つ目の○に「阿南市のまちづくりとして地域包括ケアの中心となる基幹病院の必要性」ということでございます。阿南市は平成18年に合併いたしまして、今、この阿南共栄病院がある羽ノ浦町も含めた形で新阿南市というものが平成18年にできたわけでございます。この阿南市はLED、発光ダイオードの生産で世界的メーカーにもなっております日亜化学工業といったものが進出をしておりまして、そういった経済面ではあるのですけれども、今後は子育ての問題ですとか、定住の人口をふやしていくといったことで、どうしても基幹の病院、町の中心となる、あるいは包括ケアの中心となる病院が必要だといったこともございました。
それから、県の医療体制の全体の問題といたしましては、この阿南地域のちょうど南側、南部圏域の一番南のほうの牟岐町というところに県立の病院がございます。海部病院といいますが、これも津波に対応した建てかえを最近完了したところで、この南部圏域の一番北側、徳島市に近いところには赤十字病院がございます。これは県下の三次救急を担うような病院でございます。ちょうど、この中間に当たる、この阿南地域において、災害医療ですとか、あるいは救急の受け入れ。こういったことで中心となる医療機関が必要であった。そういった県全体の病院のあり方といったものを反映する必要があるということでございます。
次の18ページで、経緯を書いてございます。
平成21年12月、かなり前になりますけれども、こうした2つの病院の課題。こういったことを踏まえまして、これをどうやっていくかということで「阿南市の地域医療を考える会」といったものが設置されました。この中で、市が中心となって、この2つの医療機関をどうやって連携をして、役割分担をしていけばいいかということが検討されたところでございます。
それで、平成25年11月にようやく、この医療センターをつくるということで覚書が書かれたわけで、この間、2つの病院で連携、役割分担という議論がなかなか進まなかった。お互い経営も主体も違うということで、その中で阿南市、行政サイド、あるいは徳島大学といったことで、皆さんが検討する中で、今のこういった統合の形ができ上がったということでございます。
以下、25年12月には地域医療確立対策協議会。これも行政サイドですとか、経済団体、あるいは婦人団体といったことで、地元の方々がこれを支援していこうという形の団体ができております。
その後、26年4月に基本構想、26年12月に基本計画といったことで、27年10月には実際に病院の譲渡といったものの協定書ができました。それで、28年3月には譲渡がされ、28年4月からJA厚生連で医師会中央病院が運営されていて、29年5月には工事が始まったところでございます。
次の19ページで、課題についてでございます。
先ほど経緯の中でも申し上げましたように、2つの違う経営主体の中で、非常に今まで近くであったわけですけれども、お医者さんの交流、あるいはスタッフの交流というものもほとんど余り見られなかったということもあって、なかなかこういった中で一緒に役割分担というものが、議論が難しかった。その中で、特に阿南市が中心となって、こういった話がされ、最後は医師会のほうが病院の財産と経営権等を厚生連に無償譲渡するという決定をされまして、この事業がスタートできたということでございます。
それから、2つ目の○に事業費の問題がございます。特に厚生連サイドでは2つの病院、吉野川医療センターの改築も進めておりましたということで、かなり厳しかったわけでございますが、この中でも特に阿南市が41億円で補助をするといったことがございましたし、地域医療介護総合確保基金からも3分の1程度の支援をいただけるということでスタートできたということでございます。
次の20ページで、新しい病院の大まかな状況でございます。
上が階層図で、左側の既存の耐震化できている建物に、包括ケアですとか、回復リハの病棟、あるいは管理部門で、右側の免震構造でつくります新しい棟につきましては、救急部門、検査、手術。こういった急性期の部門を集約するといった形の計画になっております。
続きまして21ページで、新しい病院の狙い・特徴ということでございます。
両病院の機能の集約化をして「地域完結型医療提供体制」を実現するということで、今まで両病院が分け合っていた「地域医療支援病院」「救急告示病院」「災害拠点病院」「臨床研修指定病院」。こういったことを1つの病院に集約をしていくということでございます。それと、地元医師会との病診連携・病病連携の推進、それから、特に救急の受け入れの充実、災害拠点としての「屋上ヘリポート」の整備などを行っております。
病床については、下に書いてあるとおりでございまして、特にがんの診療については南部圏域で初めての「緩和ケア病棟」。こういったものを導入するといったことを考えております。
そういうことで、最後、22ページで、走り走りでございますけれども、こういったことで進めておりますし、今後とも徳島県の病床機能の分化・連携について、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
どうもよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました3つの資料、資料1-1、資料1-2、資料1-3につきまして、御質問、御意見をお願いしたいと思います。
どうぞ。
○須能参考人 茨城県の須能でございます。
1つ、説明漏れという、直接ではないのですけれども、資料1-1でありますように、非稼働病棟でいうと本県は非常に非稼働病床が多い状況です。資料1-1の8ページとか9ページとか、その辺に出ていますけれども、その中身を見ますと、非常に病院が多い。その病院の中でも今回、再編の対象になっている病院でも、やはり許可病床どおりの病床が開けないという医療資源が不足している状況がありまして、医療資源が不足しているがために再編して、2つを1つにしてということで幾つかの地域で始めているわけです。
その中で、合併を成就させるときに非常に苦労したのは、やはり職員の方々の処遇の問題でございまして、筑西のほうは公立病院同士ですので、格差があるといってもそんなに大きな格差はないのですけれども、神栖の鹿島労災病院と神栖済生会病院は格差が大きくて、その格差をどうするかということで、直接、2つが1つになるときには、余剰な人員があれば削減した上で必要な人員を確保するということなのですが、もともとが医療資源が不足するというところで始めていた関係で、2つを1つにしても十分な医療資源となり得ない中で、何とかまとめるためには現在もらっている給与の現給保証というものをどうしてもせざるを得ないという状況です。
それが受け入れ側で済生会が労災病院を引き取る形になったのですけれども、済生会より労災病院のほうの職員の給料が高くて、限度額は当然、満額ではありませんが、一定期間の現給保証というものをせざるを得ないような状況がありましたので、こういったところへも何らかの配慮が必要ではないかということを、この合併を通じて感じたところでございます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 今の御説明に関してですが、2つが1つになったときに余剰人員が出る。その余剰人員の主な職種はどういう職種ですか。
○須能参考人 検査技師が若干、将来を見据えた上でちょっと余剰かなというところです。それ以外は全部、不足でした。
○中川構成員 不足ですか。
○須能参考人 はい。
○中川構成員 合併しても不足。
○須能参考人 不足です。
○中川構成員 医師は。
○須能参考人 医師も不足です。
○中川構成員 合併しても不足。
○須能参考人 はい。350床程度を目指していますので、60人から70人は必要だということで試算をしまして、ただ、現時点では、両方足しても30人強にしかなりませんので、医師も看護師も不足という状況でございました。
○中川構成員 これは合わせて378床が350床になるのですね。10ページのところ。
○須能参考人 そうです。
○中川構成員 それで、350床という病床数は、適正だからそう決めたのでしょうけれども、イメージとしてちょっと多過ぎるのではないかと思いますが、そんなことはないですか。
○須能参考人 抱えている市町村圏域の人口ですとか、受療動向から推計した必要病床数、あと、筑波大にどうしてもここを支えていただかなければいけないので、筑波大が医師を教育する環境として、どのぐらいの病床規模が適切なのかということも議論した上で、350床というのを試算したところです。
○中川構成員 13ページでちょっとお聞きしたいのですが「地域医療構想の達成に向けた施設整備等の実績」というところがありますね。
○須能参考人 はい。
○中川構成員 これで転換前の急性期が、これは病床機能報告制度の数ですね。
○須能参考人 はい。あくまで報告制度です。
○中川構成員 それでこれを、回復期を意識的にふやしたということですか。
○須能参考人 そうです。
○中川構成員 その転換機能というものは、主に急性期を地域包括ケア病床と回復期リハビリテーション病床にした。その2つの転換した表現としては、報告制度では回復期というふうに報告し直したのですね。
○須能参考人 はい。そうです。
○中川構成員 わかりました。
○尾形座長 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 両県から御説明いただきまして、ありがとうございました。病院再編につきましては、かなり時間をかけて、丁寧に地域で議論を重ねてきたということが理解できたところでございます。
また、本日は徳島県さんのほうから御紹介がありましたけれども、医療施設従事医師数、人口当たりで全国で一番の徳島県でも地域偏在というものが大きな課題であるという御説明がございました。
さらに医師が少なく、面積も広い、多くの東日本の自治体では、この医師偏在については非常に深刻な課題でございます。地域医療構想会議で議論を進める中で、将来の必要な機能に転換をするという議論をするに当たりましても、それを担う人材をどう育成・確保していくのかというのが一番大きな点となっています。
したがいまして、調整会議で構想実現に向けましても、医師の偏在対策、この実効性ある取り組みが必要不可欠と考えております。別の会議でこの議論をされているのは承知してございますけれども、構想実現のためにも医師の偏在対策を進めていただければと考えております。
これは意見でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
邉見構成員、どうぞ。
○邉見構成員 三好副部長からは私の故郷の徳島県の実情を聞きまして、実は阿南市医師会の会長は中学・高校の同級生でして、この問題で苦労しているのはよくわかっております。
徳島県の西部というのは、祖谷のかずら橋とか平家の落人部落とかがあるような本当の過疎地でして、徳島県はみんな医師が多いでしょうとか、いっぱい医師がおって楽なのでしょうとかおっしゃいますけれども、徳島県西部というものは本当にお年寄りばかりで、私も帰ってこないかと言われたりするぐらいの、75歳にもなって約0.8人分にも働かないと思いますけれども、そんなようなところでございます。
私、実は兵庫県で病院の統合を3つほどかかわりまして、1つ目は県立病院同士、同じ尼崎市内にある県立尼崎病院と県立塚口病院という、もとは塚口病院は県立尼崎病院塚口分院と言っていたのですけれども、450床。それから、尼崎病院は500床。この950床を720床にするということで、もとの病院で230床余りまして、そこは愛仁会病院という医療法人が、どちらかというと回復期中心、慢性期の病院への改変で買い取りました。このときは、県立病院同士ですので、ほとんど給与差もないですし、人員もERを中心にたくさんの患者増がありましたので、臨床検査技師、放射線技師も含めて、余剰人員は出ませんでした。
2つ目にかかわった県立柏原病院と柏原赤十字病院。これも先ほどの徳島県の阿南と同じように、3キロぐらいしか離れていないところに2つの病院があって、両方とも医師不足。これが、診療科がないところがある。2つ合わせてちょうどといいますか、まだ足らないぐらいですが、これは給与差がありました。日本赤十字のほうが高くて、それから、臨床検査技師はやはり余りました。日赤は全員雇ってほしいということが合併の条件でしたけれども、それはちょっと無理なので少し、徐々に減らしていただきました。今、開院準備中で、来年開院して、今、建築中ですけれども、そのような方向。やはり給与のことと人員削減というものはできるだけ、その地域で働いてくれている人たちを減らすのは避けなくてはいけないので、何か新しい事業といいますか、職種をつくってあげなくてはいかぬということで、なかなか苦労しました。
3つ目は今、始まったところですが、製鉄記念広畑病院という姫路の、昔の新日鐵広畑病院ですけれども、それと、これは県立循環器病センター。片方は専門病院で、片方が総合病院という、ちょっと変わった、それから、民間と県立ということで、これは今、始まったところでございます。
ただ、これから、やはり人口減社会、あるいはいろんな状況、交通の便から言いますと、自治体病院も含めて、JA厚生連と自治体病院は田舎で人口減の一番激しいところにたくさんの病院を抱えておりますので、そういう設立母体を超えて、これからその地域で一番いいような医療を提供するということは考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 徳島の方にお聞きしますが、19ページの「検討過程での課題」というところで、阿南市医師会が中央病院の資産及び経営権等をJA徳島厚生連に譲渡とありますが、これは医師会中央病院の負債はどうなったのですか。
○三好参考人 無償譲渡でございますので、詳細が幾らということは、資産価値は今、把握していないのですけれども、負債というものはほとんど、余りなかったのではないかなと思います。
ただ、金融資産については、退職引き当てとか職員の、職員を全員引き取った形になりますので、そういった形の金融資産もあったのですけれども、それは全て退職引当金に充てるとか、そういったものでございます。
○中川構成員 借入金はなかったのですか。
○三好参考人 借入金はほとんどなかったのではないかなと思います。
○中川構成員 それで、10ページの「面積あたり医療施設従事医師数」という、面積当たりというものが右側にありますが、これは北海道が47位になっていますが、北海道は日本の国土の22%あるのですよ。ですから、面積当たりの医師数を出すのは意味があるのかなと率直に思います。
徳島では医療資源が、患者さんも東部に偏在していますね。
○三好参考人 はい。
○中川構成員 だから、余りそれは意味がないかなという気がします。
○三好参考人 必ずしも、この面積当たりが絶対だということではなくて、一つ人口ということだけではなくて、過疎地域を抱えている、人口密度の少ない地域を抱えているけれども、そこにも医療機関は必要だという地域の状況をいかにどうやって反映していくかということの一つの、例というわけではないですが、そういった形で示させていただいたものでございます。
○中川構成員 それで、6ページをお願いします。ここから本題なのですけれども、先ほどの説明で2016年の病床機能報告、トータルで8,541床。それで、回復期が1,255床で、右側の2025年の病床数の必要量で、回復期が2,080で、回復期が800不足であるとおっしゃいました。こういう比較を単純にしてはいけないよと。これで回復期が足りないのだということで頑張って、回復期の病床機能転換をするのは、単純にそう発想してはいけませんよと、慎重にやりましょうと言い続けているのです。
その次の7ページの南部もそうですし、400床不足とおっしゃいましたし、西部もそうなのですが、これはそもそも、病床機能報告制度というものは病棟単位で一番近い機能を報告するもので、右側の2025年の病床数の必要量は患者さん単位なのです。それを積み上げて、こういうふうに4つの機能に分けたので、全く違うものなのですよ。だから、左右を比較して不足ということは言えないのです。
実感として、例えば東部地域で回復期の患者さん、回復期に当たる患者さんの行き場がない、受け入れがないというふうに困ったという実感はございましたか。
○三好参考人 今、先生がおっしゃいましたように、ちょっと私の説明が過剰である、不足であるという一律的な言い方がよろしくなかったかと思います。おっしゃるとおり、左側は現状であって、右側は一人一人積み上げたものだという理解でございますけれども、病床機能報告の中身自体を、先生がおっしゃったような内容、理解でも今後、どんどん医療機関の中に広めて、ちゃんとやっていかないといけないなと思っております。
ですから、単純に病床機能報告の中で、今の段階で各医療機関として、まだまだ病棟ごとにしっかり把握して、これはこうだ、あれはこうだというところの仕分けがまだまだ十分進んでいないのではないのかなということについては、確かにそういった側面があるのかなと思っておりますので、これは今後、十分説明なり周知をしていかないといけないなと思っております。
○中川構成員 わかりました。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
伊藤構成員。
○伊藤構成員 茨城県の須能参考人にお尋ねを申し上げたいのですが、それと同じような内容でまた徳島県の三好参考人にもお尋ねをしますけれども、病院の再編統合に関して、特に鹿行地区の済生会と労災病院の統合事例でございますが、この件に関しての協議に民間病院はどういう形で関与したかということと、それから公立病院改革プランでは公立病院に関しては公立病院でなければできないことをやるのが原則とされていますがこの鹿行地区には9病院ほど民間の病院があるなかでそういう現状をどこまでデータとしてお示しいただいているかということとその地区で民間病院がどれぐらい、統合の議論に加わったかというところを教えていただきたいということでございます。
○尾形座長 須能参考人、お願いします。
○須能参考人 お答えします。
おっしゃるように、民間病院は9ありまして、特に急性期を担っているところが小山記念病院、なめがた地域医療センター、白十字総合病院という、これをプロットしたところなのですけれども、そのほかに県境を超えた、同じような機能を担ったところで、国保の旭中央病院さんですとか、銚子市立病院、あと、島田病院というものがこの地域にございます。その方々の院長先生をメンバーとするワーキング会議を設けまして、これまで3度ほど議論をし、再編後の役割分担も含めて議論をして、関与をしていただいたということでございます。
○伊藤構成員 そうすると、民間病院はその協議に参加をして、なおかつ統合した後の機能分担についても地域医療構想会議の中の協議で話し合われているということでございましょうか。
○須能参考人 構想会議の中かどうかというと、独自にそういう会議体をつくったので、はっきり申し上げられないところですけれども、周辺の医療機関との連携というものはどうしても不可欠なものですから、そこはこの再編を進めるに当たって、まずはやったところです。
あと、ワーキングチームとしてはそういう同じような機能を担う病院とのワーキングチームですとか、地域の診療所とのワーキングチームですとか、そういう複数のワーキングチームを設けて議論を進めてきたところです。
○伊藤構成員 そういうことを地域医療構想会議の中で議論いただくのが原則だと思うのですが、本事例についてはテーマとしては構想会議の議題として検討されていないと理解してよろしいですか。
○須能参考人 はい。策定が28年12月で、それ以降の会議、つくるための会議とそれ以降の会議だったので、それより先んじて設置したということで御理解いただければと思います。
○伊藤構成員 もう一つよろしいでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○伊藤構成員 同様に阿南地区の統合の件に関しましても、考える会が21年に発足をしているわけでありますけれども、その後、地域医療構想調整会議というものができた中で、どの様にそれが反映されているかということが一点と、それから、この地域の民間の病院との協議状況はどうだったか、教えていただけますでしょうか。
○三好参考人 21年に考える会が発足したときは、2つの病院、形態も異なりますので、特に今後、お医者さんの確保が新しい研修になってから確保できないということで、2つの病院に、今までのようにお医者さんが確保できない中で、今後どうやって役割分担をしようかという話でスタートしたわけでございます。
ですから、4年間かかっているわけですけれども、役割分担というものが、お互いの形態が違うものですから、なかなかそこの話がうまく進まなくて、最終的に市が間に入る形でこういった、一緒になりましょうという形になったということでございます。
当然、一つの、阿南医師会中央病院のほうはもともと医師会立の病院で、これは地元の医師会が運営している病院でございます。ですから、地域の民間病院も含めた地域医療のあり方というものが考える会の中の議論に一定反映されているのかなと思います。
それから、地域医療構想調整会議といいますか、地域医療構想の話が出るか、出ないかのころに、この構想ができ上がっているものですから、一つ、南部地域の構想会議としては、この阿南医療センターによって、この2つの病院が集約されるというところが一つの前提になっている状況でございます。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
どうぞ。
○須能参考人 先ほどの私の説明で、先に設置したとありましたけれども、もちろん、調整会議のほうにはその議論の、民間病院との役割分担の機能の議論の状況ですとか、診療所との役割分担の検討状況とかは報告をして、そこで一応、承認といいますか、議論といいますか、いただいたということになりますので、構想調整会議にのった形で進めをさせていただいています。
○尾形座長 ありがとうございました。
本日は、病院の再編統合の事例等、大変参考になるお話だったと思います。本日いただいた御意見も踏まえまして、事務局においては、引き続き調整会議の進捗状況の確認をお願いしたいと思います。
続いて、議題の2つ目に参ります。「地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策について」を議論したいと思います。
資料2の説明を事務局からお願いします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料2を使って御説明させていただきます。時間も押していますので、簡潔に御説明させていただきたいと思います。
1枚おめくりいただきまして「2.地域医療構想調整会議の活性化に向けた方策」ということになりますけれども、前回、前々回、あと、今回も進捗状況を御報告させていただいておりますが、このワーキンググループの中でも調整会議の議論がまだまだ低調であるという御指摘をいただいているところでありまして、我々、事務局としても同様の問題意識を持っておりますので、今回、調整会議の活性化に向けた方策ということで論点を整理させていただきましたので、その内容を提示させていただきます。
論点としては2つありまして、調整会議の体制の充実・強化という論点と、公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進という論点になります。
2ページ目は調整会議の概要資料になります。
3ページ目が今回、実態把握をした内容ですけれども、調整会議の体制ですが、各調整会議の参加者、さまざまな主体から御参加いただいているわけですけれども、学識経験者の立場として参加している大学関係者の割合は9%と少ないという状況となっております。
次の4ページ目ですけれども、調整会議の議長ですが、一番多いのは郡市医師会となっております。71%です。その次が行政ということになっております。
1枚おめくりいただきまして、調整会議の事務局ですけれども、74%は都道府県の本庁以外が事務局を担っています。都道府県の本庁が事務局を担っているのは全体の25%となっております。
6ページ目ですけれども、前回、佐賀県から御報告いただきましたが、佐賀県では構想区域ごとの調整会議とは別に、県単位の調整会議を設置し、県単位の調整会議には構想区域ごとの調整会議の座長も参加し、関係者の方々の意識合わせをする場として運用しているという御発表がありました。
7~8ページ目ですけれども、こちらは佐賀県、奈良県の報告の内容になりますが、いずれの自治体も事務局において関係者と意見交換し、その上でデータを整理し、論点提示をすることによって、地域の関係者による自主的かつ実効的な議論を喚起している。そういった実態が御報告されております。
9ページ目が論点ということになりますけれども、調整会議の参加者はさまざまな主体から構成されており、議長は郡市医師会が多くを占めていて、事務局は都道府県の本庁以外が担っている割合が最も多くなっていますので、都道府県が調整会議の関係者と連携しながら円滑に取り組むためには、調整会議の参加者や議長や事務局との間で構想の進め方について、正しく認識を共有する機会を定期的に設ける必要があります。
一部の都道府県では、構想区域ごとの調整会議に加えて、都道府県単位の調整会議を設置するとともに、事務局が医療関係者と十分に意見交換を行った上で、データ整理を行い、地域の実情に合った論点提示を行うことで、調整会議の活性化につながっています。このような取り組みが横展開するように、事務局機能を補完する仕組みが必要ではないかという現状課題のアセスメントになります。
それを踏まえて、体制の充実・強化に向けてということになりますが、都道府県単位の調整会議の設置を推奨してはどうかというもの。また、都道府県主催研修会の開催を支援してはどうかというもの。また、地元に密着した「地域医療構想アドバイザー」を育ててはどうか。この3つについて、事務局より提示させていただきます。
その具体の内容は10ページ目のところになりますけれども、都道府県主催研修会の開催支援につきましては、6月1日に国主催の研修会が行われますので、その内容を踏まえて、都道府県が主催する会議を開催していただくよう、案内してはどうかという内容になります。また、国が主催する研修会では、行政説明があって、事例紹介があって、グループワークという構成になっていますけれども、行政説明については、都道府県からの求めがあれば、厚生労働省の担当者を派遣する。そういった運用の仕方としてはどうかと考えております。
もう一つの「地域医療構想アドバイザー」につきましては、位置づけとしましては、厚生労働省に「地域医療構想アドバイザー組織」を設置し、アドバイザーの役割としては、都道府県の構想の進め方について助言するということと、実際、調整会議に出席し、議論が活性化するように助言する。そういったことを考えております。基本的には県が県医師会と協議しながら、地元有識者を推薦していただき、国がそれを選定するということを想定しております。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進の論点になります。
12ページ目が2月に発出している通知の抜粋になりますけれども、ここでは公立病院2025対象医療機関につきまして、その医療機関でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかを確認することとしているところです。
1枚おめくりいただきまして、和歌山県。こちらも11月に来ていただいて御発表していただいているところですけれども、和歌山県では足元の病床機能報告と、将来の病床数の必要量を比較する際に、足元については民間の医療機関と公立・公的の医療機関とに区分をして、そもそも公立・公的医療機関だけで急性期として過剰なのかどうか。そういったことも含めて分析ををしています。
その上で、次の14ページ目になりますけれども、構想区域ごとに公的病院を中心とした再編・ネットワークの方向性を取りまとめてお示ししています。
15ページ目になりますが、同様に和歌山県と同じようなやり方で比較をしてみますと、公立・公的病院だけで高度急性期が過剰である区域が全国で104区域、急性期が公立・公的病院だけで過剰な区域が156区域となっております。
個別の状況については、参考資料2-2でつけておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
1枚おめくりいただきまして、奈良県の事例ですけれども、奈良県では病院の規模、地理的状況などを踏まえて、それぞれの区域ごとの公立・公的病院の課題や方向性について整理をして提示しております。
1枚おめくりいただきまして、奈良県の事例として、南和地域の再編統合、3つの公立病院の再編統合事例の御発表があったわけです。
18ページ目になりますが、再編統合をすることによって、どのようなメリットがあったのかということを可視化しています。集約化による急性期機能の向上ですとか、スケールメリットによる産婦人科等の診療科の増加・強化。こういったものが具体的なメリットとして提示されています。
19ページ目になりますが、本日も再編統合の事例ということで茨城県、徳島県に御報告いただいているわけですが、全国を見渡しますと、再編統合の議論を行っている構想区域は341のうち24となっております。また、今後予定されている主な再編統合の事例として、国で把握しているものについて、以下、列記しておりますので、こちらも御確認いただければと思います。
その上で、22ページ目の論点のところになります。
1つ目の○として、各構想区域において、公立・公的病院等ごとにプランの協議が進行しており、各構想区域の医療需要や現状の病床稼働率などを踏まえて、公立・公的病院などでなければ担えない分野へ重点化された具体的対応方針が決定されることが重要です。
また、地域における救急医療などの政策医療を確保する観点から、公立・公的病院等を中心にした機能分化・連携の推進に関する議論を一層深化させる必要があります。
一部の都道府県では、急性期医療の確保の観点から、公立・公的病院等の再編統合の具体的な取り組みが進んでいますが、多くの構想区域では、再編統合の必要性について、議論ができていない状況となっております。また、公立・公的病院等の再編統合の具体的事例の分析が十分にできていないことから、その意義について認識の共有ができていないのではないかという問題提起をさせていただきます。
その上で、こういった公立・公的病院等を中心とした機能分化・連携の推進に向けて、このワーキンググループにおいて構想区域ごとの取り組み状況の分析を今後していってはどうか。もう一つは、再編統合の事例について、関係者で何のメリットがあるのか、もう少し見える化をしていってはどうかという、2つの提案になります。
それぞれの具体的な内容は、23ページにまとめているとおりとなります。
事務局からの説明は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料2につきまして、御質問、御意見をお願いします。
邉見構成員、どうぞ。
○邉見構成員 15ページなのですけれども、これはいつも中川先生と言っているように、この構想会議は足らない機能を補うということが目的であったのですが、この15ページの、特に左の公立・公的病院等の急性期報告を100床とすれば、2025年には60床ですから、40床減らしなさいみたいな図に私は見えるのです。
先ほどちょっとお話がありました、参考資料2-2の右の2つ、比較その1の公立・公的病院等の病床数と、比較その2の全体の病床数と将来の必要量というものを見ますと、左の公立・公的病院だけで急性期は真っ赤なところが多い。何か減らしなさいみたいな、それで右のほうは慢性期がみんな多い。これはどちらかというと、民間病院中心に減らしなさいと。みんな減らしなさいみたいな結論に誘導するような感じで、私は違和感を覚えます。
以上です。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 確認しますが、今の邉見先生の御懸念はそのとおりだと思いますが、資料2の15ページのA構想区域の公立・公的病院等の急性期報告数100床、それから、2025年の急性期の病床数の必要量60床。これは比較してはいけないものをあえて比較しているのですよね。傾向を見るということにすぎないわけですよね。この差の40床というものは、単純に急性期の患者の40床が多過ぎるとか余るということではないということなので、こういうパワーポイントを出しては誤解されますよね。
それと、さらに参考資料2-2。これも問題があるのを大々的にやった。構想区域ごとに比較しているので、病床機能報告制度の病床数と病床数の必要量、将来の病床数を構想区域ごとに比較しているので、まだ少し意義はあるかなとは思いますが、これも誤解されます。傾向にしかすぎないということを言い続けてください。
それと、違うところに戻りたいと思いますが、御提案の9ページ。地域医療構想調整会議の体制の充実・強化に関する論点のところの矢印の下の枠内ですが、佐賀県ともう一つ、埼玉県にもあるように、県単位の地域医療構想調整会議の設置というものは非常に大事なことだと大賛成します。これはまず、充実策の最初の柱として、ぜひやっていただきたいなと思います。
ただし、都道府県単位の地域医療構想調整会議の事務局機能を都道府県庁(本庁)に置くのではなくて、本庁が主体的にやるのではなくて、できれば都道府県医師会が事務局機能を担って、その都道府県医師会を本庁が全面的に支援する形にぜひしていただきたいなというのがお願いです。
それに加えて、地域医療構想を策定するときに、地域医療構想策定ガイドラインをつくりました。それの40ページに「(2)開催時期」という項目があります。「病床の機能分化及び連携等に関する協議が行われる場合には、地域の実情に応じて、随時開催することが基本となるが、病床機能報告制度による情報等の共有や基金に係る都道府県計画に関する協議が行われる場合には、通年のスケジュールがある程度定まっていることから、定期的に開催することが考えられる。なお、こうした通常の開催のほか、医療機関が開設・増床等の許可申請をした場合又は過剰な病床機能に転換しようとする場合にも、随時開催することとする」となっていて、いわゆる定例開催会議と臨時会議と、これが全国に余り浸透していないのですよ。例えばある県のある構想区域の構想会議は年に2回しかないから、何か相談したいのだけれども、そこまで待つのが大変だと。これが一つ、調整会議が機能していない一因だと思います。
ぜひ、その辺のところの周知を何らかの方法で繰り返しやっていただきたいなと思います。臨時会議の場合は緊急事態に近いと思いますので、全ての医療機関とか医療関係者を集めるのではなくて、コアメンバーで濃い議論をしてほしいなと思います。それが2点目です。
3点目としては、調整会議の充実・強化のためには研修会の開催とかアドバイザーの設置、今、御提案がありましたが、それだけではなくて、事務局機能自体を強化すること。これをぜひやっていただきたいと思います。
今、事務局機能は保健所などが一番多いとなっていましたが、どうしてもメーンの保健所だったら、メインの仕事の一部にすぎなくなるのではないかと思います。本気で調整会議の事務局機能を担うということに関して、どうしたらいいのか、これは地域の実情に応じてだとは思いますが、ぜひ知恵を絞って提案いただきたいなと思います。
ぜひよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
本多構成員。
○本多構成員 私も、この事務局の提案については支持いたしたいと思いますが、既に都道府県にはさまざまな負荷がかかっており、現行の調整会議の運営にも苦慮しているケースもあると聞いておりますので、都道府県の調整会議については、都道府県の負担の軽減の観点から、現在、例えば医療審議会等の既存の合議体をベースにした活用方法なども視野に入れていただき、期待される役割を担っていただくなどの工夫や配慮が必要ではないかと思っております。
また、厚労省ではこれまでも都道府県職員向けの研修会等の支援を行っておりますが、提案の充実・強化を実効あるものにしていくためには、10ページの具体策に示されているとおり、やはり厚労省のサポートが欠かせないではないかと思っております。
それから、今後、生産年齢人口が急速に減少して、高齢者が増えてくるということですが、高齢者数がピークに達する時期も見据えた、構想区域ごとの患者数の動向や、医療機関側の診療実績、機能の比較などから、課題と思われる論点を整理していただき、調整会議でわかりやすく、例えばグラフなどのデータを示していただいて、参加者の認識の共有化を図る工夫が常に必要ではないかと思っております。地域住民や患者の立場で参画している参加者が発言しやすくなるように工夫していただきたいと思います。
さらに、ここに書かれております都道府県主催の研修会の対象者について、調整会議の議長、事務局、それから、参加者と書かれておりますが、調整会議の全参加者に対して参加を呼びかけていただけるようにお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
邉見構成員。
○邉見構成員 私も、この提案1~3、全部賛成ですけれども、3番目の「地域医療構想アドバイザー」というものを具体的にはどのようなイメージを事務局は持たれておるのでしょうか。ちょっとお聞きしたいのです。
○尾形座長 これは質問ですので、事務局、お願いします。
○鶴田課長補佐 プロセスとしては、県が県医師会と協議をして、病院団体、また、関係者の方々の意見を聞いて、推薦していただくということになりますけれども、想定される対象としては、例えば大学の公衆衛生関係の方々。例えば福岡では、具体名を言ってあれですが、松田先生がいらっしゃいますし、また、静岡県の発表の中では、浜松医大の先生が都道府県医師会の理事の役割も担いながら同様のアドバイス的なことをされているという実例もありました。
もちろん、県によってはなかなかそういった対象の方が見つかりづらいところもあろうかと思いますけれども、やはり各県でそういった方などをみんなで育てていくという視点で選んでいく必要があるのではないかなと思っております。
以上です。
○邉見構成員 ありがとうございました。
奈良であったら今村先生のような方だと思うのですけれども、兵庫県は適任者がおりませんでして、柏原の合併のときは大変困りました。丹生裕子さんという、県立柏原病院の小児科を支える会という住民代表の方に頑張ってもらおうと思ったのですけれども、いろんなことで忙しいとか、それから、地元の医師会の人は病院の建てる場所とかになりますと利害関係が物すごく出てきますので、なかなか難しいところもありまして、柏原の場合は当時の舛添要一厚生労働大臣が見に来たり、あるいは野田首相も見に来られたりして、住民は医療に対して非常に危機感を持っていましたので、最終的には住民がオール賛成で、うまくいったのですけれども、こういうことをちゃんと地元でやれるような人がおられると一番いいのではないかなと思ってお聞きしました。
ありがとうございました。
○尾形座長 野原構成員。
○野原構成員 今の関連でございます。構想を推進する上で、第三者的な有識者によるアドバイスが有効だと考えています。
一方で、資料2の3ページにあるとおり、調整会議への大学関係者の参加が少ないというのが示されております。今、御説明があったとおり、アドバイザーとして想定される大学の公衆衛生学の関係者、大学によりましては衛生学や産業保健など、非常に多くの分野をカバーしておりまして、地域によっては社会保障や医療政策に関する分野を専門としている研究者は限られていると理解をしております。
社会医学系専門医の制度も始まりました。国として、この分野の研究者の育成・支援を進めていただければと考えております。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の御指摘、9ページの「地域医療構想アドバイザー」の育成とありますが、これは地元の有識者、大学の先生が想定されますが、この地域医療構想の推進に向けて、独特のお考えを持った方はだめなのですよね。そもそも、我々が議論を進めてきた地域医療構想の正しい理解を持った方という意味ですよね。それをぜひ確認ください。これは独特の、私の考えはこうだという個性的な方がアドバイザーになると問題も生じると思います。ぜひ、その辺のところを確認したいと思います。
それで、今村先生、先生は奈良県庁、奈良県医師会、地元の調整会議の仲間に入れてもらっていますか。
○今村構成員 入っています。
○中川構成員 どういう役割を果たしているのですか。失礼ですが、もし教えていただければ。
○今村構成員 一言で言うと、両方からたたかれるという仕事をしています。
○中川構成員 これだけメディアもいたらオフレコになりませんが、オフレコにしてあげましょうね。先生、どういうふうにたたかれるのですか。参考までに。
○今村構成員 明らかに利害が反対するので、ドクターや医療現場の立場と、そして実際、病院を運営する立場と、県庁として調整したい立場と、そして、あるべき姿というところで、全てが利害が対立しますので、誰か調整に入ると、全員にたたかれるという状態が発生するのです。
○中川構成員 では、先生がたたかれることでみんな、何となく落ちつくのですね。
○今村構成員 1年ぐらいたたかれていると、だんだん落ちついてきて、それぞれの話を聞こうかという状態になるという、それが現実的な状態ではないかと思います。
○中川構成員 それも一つのアドバイザーの役割かもしれませんね。そういうふうな幅広く考えないと、ぴしっと決まったような人材はいませんから、ぜひ、その辺のことも含めてお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今のお話の続きで、これは物すごく一つのテーマに時間がかかるので、人数がたくさんいるのです。今、たくさんの都道府県から、特に病院合併のときにお声をかけていただいていると、毎週のようにどこか断っている状態があって、私が知っている先生は全て御紹介して、全て皆さん手いっぱいという状態で、なかなか人材として広がらない状態があります。先ほどの3ページに、公衆衛生関係の人が9%しか入っていないというのはやはり非常に残念なことで、ぜひ多くの先生に参加してもらって、少しでもよくなるようにしてもらいたいと思っています。
それで、先ほど事務局機能の充実の話で、私は本当にここには公衆衛生の人が絶対に要ると思うのですけれども、計算間違いが多いのですよ。足してはいけない数字を足して、それを指標にして議論をしていて、こんなはずがないという部分だけでも3分の1ぐらい、議論の中を占めている状態で、最初に数字をちゃんと精査していれば、計算間違いの部分というものが、無駄な議論はなかったはずなのです。そういうところでは、ぜひ専門家の、ちょっと見てもらえば、出してはいけない平均値とか、入ってくるはずがない、月平均のはずなのに、なぜか1個だけ年の集計値が入っていて平均値が揺れるということがよくあるのです。だから、そういうことをミスとして拾えるような人がいないと事務局としてまずいと思いますので、ぜひそういう支援はお願いしたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。
本多構成員。
○本多構成員 22ページの論点に関して、急性期や回復期の示し方については別としまして、いずれにしろ、現状の病床数と将来の必要量をわかりやすく出していただき、もう少し詳細な分析をした形でやっていただくことが望ましいと思っております。
先ほど来、議論に出ていますが、統合再編というものは、日本の人口自体が減少していく中で、双方の病院が共倒れになってしまうと、住民側にとっても不利益になりますので、そういったデータをきっちり示していただいて協議をしていただくことは非常に大事だと思います。
それから、再編統合の事例につきまして、公民の役割分担に関して、どのようなデータをもとに、可視化をして、協議が行われたか、再編統合につながったのかということを、先ほどの表ですと、まだ詳細がわかりませんので、厚労省である程度具体的な事例を示していただければ、都道府県の関係者の中でも情報共有して参考になるのではないかと思いますので、進めていただければと思います。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 先ほど須能さんがおっしゃいました茨城の、済生会絡みですので、ちょうどあのとき、私は済生会の院長会の会長で、しょっちゅう神栖に行っていましたので、その辺の事情はわかっているのですが、調整会議を始めるはるか以前に話し合いは始めていたのです。自然発生的にまとまってきた。非常に最初は各病院の民間の先生方とお話し合いをしたり、千葉県当局の保健衛生部の諸君とも話をしました。そこの中から何回もディスカッションしながら、では、ちょうどそのころ、千葉大学から鹿島がドクターを引き上げるということで問題が起こってきたものですから、こういう話が一気にまとまっていったのではないかなと、私は非常にその辺は、ある意味ではラッキーだったかなと。
もともと、あそこは医療資源が非常に乏しいところなのです。少なくて、しかも散在している。これをどういうふうに中核型の病院としてまとめていくか、機能分化していくかということが非常に喫緊の課題だったのです。ですから、ちょうどあのとき、調整会議云々、制度ができるはるか以前にそういう自然発生的に起こったという、いい事例ではないか。ですから、今、議論されていますけれども、アドバイザーとか、いろんな機能を、これが決めても、恐らくうまくはいかないのではないかなと思うのです。やはり地域特性もありますし、属性もありますから、その辺のところを加味しながら考えていく必要があるのではないかなと、今、そういうふうに思いました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、私、一委員としての意見ですが、9ページの3つの提案については基本的に賛成です。マル1の「都道府県単位の地域医療構想調整会議の設置を推奨」となっていますが、これは法令上の根拠がない、推奨という形にとどまるわけで、通知等で対応されることになると思うのですけれども、それに関して2点コメントしたいと思います。
1つは、この都道府県単位の調整会議で何を議論するのか。マンデートというものはどういうことなのかというあたりはきちんと明確化して示す必要があるだろうと思います。どの範囲のことを扱うのか明示する必要がありますのか。
2点目として、ぜひ留意していただきたいのは会議の構成メンバーです。構想区域ごとの調整会議、協議の場については医療法を改正して、医療保険の保険者の参画が明記をされているわけですけれども、ぜひこちらの都道府県単位の会議においても、そういう法令上の整理については十分踏まえていただきたいと思います。
これは要望です。
よろしいでしょうか。
どうぞ。
○中川構成員 今の都道府県単位の調整会議のイメージですが、構成員は各構想区域の調整会議の代表だと思うのですよ。その連絡協議会みたいな、それの取りまとめが都道府県単位の調整会議だと。そういうイメージだと私は思っているのです。
なぜかというと、構想区域の調整会議単独ですと、一体、何をやっていいかわからなくて、ほかの構想区域はどんな調整会議をしているのかといった不安とか、そういう情報交換が主体の議論を県全体の調整会議として仕切るといいますか、取り持つといいますか、そういうイメージだと思うのですが、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○織田構成員 佐賀県は県全体の調整会議があります。そこで、意見を言わせてもらいますと、先ほど言われましたように、各構想区域で座長を務める地区医師会長も参加しますので、県全体的なコンセンサスが得られるのです。
それと、高度急性期に関しては構想区域を超えますので、やはり県全体の調整会議というものは非常に重要な役割をしてくるのだろうと思います。
つまり、基本的に県としての方針や考え方がわからないと、各構想区域の地区医師会の座長になられる先生方もどうしていいかわからないのです。ですから、そういう意味では、これはやはり必要なことだろうと思います。
○尾形座長 いずれにしても、都道府県単位の調整会議がどういう機能を担うのか。それによって構成員も当然変わってくるわけですので、その辺は十分御検討いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局において、引き続き地域医療構想調整会議の議論の活性化に向けた方策の検討をお願いしたいと思います。
続いて、最後の議題でございます。議題の3つ目の「平成30年度病床機能報告の見直しについて(その2)」を議論したいと思います。資料3-1の説明を事務局から、資料3-2の説明を埼玉県の唐橋課長からお願いしたいと思います。
一括して御説明を伺った後に質疑としたいと思います。
それでは、説明をよろしくお願いします。
○鶴田課長補佐 事務局です。資料3-1について御説明させていただきます。
1枚おめくりいただきまして、論点としては「1.定量的な基準も含めた基準の検討について」と「2.病床機能報告の項目の見直しについて」になります。
2ページ目で、これは前回のワーキンググループでお示しした論点になります。
その際に、矢印の下の部分ですけれども、1つ目の○として、都道府県の取り組みなどを参考にしながら、定量的な基準も含めた基準を具体的に検討してはどうかということですが、本日はこちらの内容について、埼玉県の取り組みについて皆様と共有できればと思っております。
2つ目の論点ですけれども、高度急性期機能または急性期機能と報告した病棟のうち、急性期医療を全く提供していない病棟について、調整会議での議論の状況を確認してはどうかということです。
3ページ目になりますが、対象となる病棟がどの程度あるのかというのを整理させていただきましたので、資料として提示させていただきます。
現在、高度急性期・急性期病棟と報告している病棟が2万1,265病棟ありますが、対象となる病棟数は3,014病棟で、全体の約14%になります。
1枚おめくりいただきまして「2.病床機能報告の項目の見直しについて」になります。
5ページ目が、現在の報告内容を一覧表でまとめたもの。
6ページ目が、前回のワーキンググループで提示した論点になります。
7ページ目が、これも前回のワーキンググループでお示ししておりますけれども、平成30年度の診療報酬改定に伴う報告項目の見直しということで、以下、8ページ目以降にどういった見直しを予定しているかというものを8~12ページとおつけしておりますので、また御確認いただければと思います。
13ページ目になりますけれども、介護医療院が今年度より新たに創設されておりますので、そちらの項目を追加するといった内容を提案させていただいております。
事務局からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き唐橋参考人、よろしくお願いします。
○唐橋参考人 では、引き続きまして、埼玉県から御報告いたします。ちょっと風邪が治りかけでして、お聞き苦しい点、御容赦願いたいと思います。
埼玉県の資料をごらんください。埼玉県では10構想区域で、調整会議を設置いたしまして、関係者による議論を進めているところです。昨年度、病床機能報告データを用いた分析を行いましたので、本日、その結果を御報告させていただきます。時間も限られておりますので、少し飛ばしながら説明をさせていただきます。
まず1ページで「目的」でございますが、分析の目的は、客観的な基準によりまして、医療機関がみずからの立ち位置を確認しまして、地域の中で関係者による議論を行う際の「目安」を提供するということを目的としております。先ほど来から議論が出ておりますが、一律の基準によりまして、それぞれの医療機関の機能を振り分けようとするものではございません。
分析を行うこととしましたきっかけは、圏域の調整会議で意見が出たことでございます。医療機能の捉え方がおのおのの医療機関でばらばらなので、議論が困難だといった御意見であるとか、国が客観的な基準を示すべきと考えるが、県単独でも検討すべきといった御意見がございました。
このために、4つの医療機能が指す具体的内容について、共通認識を持ちやすくするための基準の作成を目指した。そういう性格のものです。
次の2ページでございますが、この分析は、構想推進のために設置しました会議におきまして、県の医師会や医療機関、介護施設、行政等の関係者の助言を伺いながら検討を進めました。なお、作業はみずほ情報総研さんに委託して行っております。
4ページでございます。課題意識としましては、先ほど来から出ておりますが、病床機能報告と地域医療構想の4機能が異なる視点に立っていることから、単純な比較が困難ということで、本ワーキンググループと共通の課題認識であると思料しております。
次に「機能区分の枠組み」でございますが、2つの視点に立っております。1つは白枠のところですが、救命救急やリハビリなど、入院基本料による区分。もう一つは、高度急性期と急性期の間に区分線1、また、その下に区分線2とありますが、具体的な医療提供の内容による区分線を設けております。
なお、右側に周産期、小児、緩和ケアとありますが、特殊性の強いこれらについては切り分けて検討を行いました。
区分線等の説明に入る前に、先に適用結果なのですが、6ページでございます。下の4機能ごとの集計をご覧いただきたいと思います。一番右が地域医療構想における2025年の必要病床数で、その左が平成28年の病床機能報告による病床数でございます。ほかの多くの県と埼玉県が異なりますのは、将来の必要数が現状を上回る。これは全国のトレンドと違っております。全国のトレンドと似た傾向は、単純に比較しますと、急性期が過剰で、回復期が不足となっているというものでございます。
病床稼働率の左の欄が今回の適用結果で、平成28年度の病床機能報告と比べまして、急性期が約1万床減りまして、回復期が約9,000床増加しているといった結果になっております。
なお、下の欄外の注のとおり、病床機能報告の一部の未報告などの理由によりまして、分析対象に含められない病床が8,347床ございました。これによりまして、分析結果の病床の合計は4万2,025床と少なくなってございます。
7ページで、適用結果の区分ごとに病床利用率を見ますと、回復期のうち、リハビリ病棟以外の病棟「区分線2以下」と書いてあるところですが、ここは65%と低さが目立ってございます。
病床利用率については、本日は少し時間が押し迫っておりますので、説明は省かせていただきます。
次に、飛ばしまして10ページでございます。区分線1、区分線2の設定の観点について御説明をさせていただきます。
病床機能報告の具体的な医療提供内容のデータから、基準を作成する。
マル2で、区分線1の閾値は、救命救急やICUの大半が、高度急性期に区分されるよう設定する。
マル3で、区分線2の閾値は、7対1病棟の大半が、急性期以上に区分されるよう設定する。
こうした観点で設定をしてございます。
11ページは飛ばしまして、12ページなのですが、まず高度急性期と急性期を分ける区分線1については、救命救急やICU等において、多く提供されておりますA、全身麻酔下手術から、ずっと行きましてJ、全身管理の算定回数から閾値を設定いたしました。
具体的には13ページですが、算定回数といたしますと、Aの全身麻酔下手術でしたら、1床当たり月2回以上。また、Dの超急性期脳卒中加算でしたら、月1回以上ありなどと設定をいたしました。AからJのいずれかを満たす病棟は、救命救急・ICU等で92.5%と、大半が含まれる結果となっております。
次に14ページ、急性期と回復期を分ける区分線2の設定でございます。7対1病棟で多く行われるKの手術から、一般病棟や地域包括ケア病棟で共通して用いられるPの一定以上の重症度、医療・看護必要度を満たす患者の算定回数や割合から閾値を設定いたしました。
具体的には15ページでございますが、Kの手術が1床当たり月2回以上、あるいはPの一定以上の重症度、医療・看護必要度を満たす患者の割合が25%以上などと設定いたしました。K~Pのいずれかを満たす病棟は、7対1病棟で75.0%と、多くが含まれ、10対1病棟の場合は45.5%、その他の一般病棟は16.4%となってございます。
次の第2章では、回復期病床の類型化・具体化について記載をいたしました。
17ページですが、回復期には多様な形態を含むと考えられますので、いかなるバリエーションがあるか、分析をして、類型化、具体化を試みました。
一例を申し上げますと、18ページでございますが、まず患者がどこから来て、どこへ出ていくかという入棟・退棟の流れを入院料別に見てみますと、グラフの横軸は入棟患者のうち、他の医療機関や自院の他の病棟からの転院・転棟が占める割合。縦軸は退棟患者のうち、同じく転院・転棟が占める割合。いずれもゼロに近いほど、横軸は家庭からの入棟、縦軸は家庭への退棟ということでございます。
凡例のうち、緑の四角の回復期リハビリ病棟は、他から転院・転棟して家庭に帰るというポストアキュート的な流れ、右側の流れを行っております。対しまして、一般病棟や有床診は、家庭から入院し、家庭に帰るサブアキュート的な流れが大変多くなっております。
19ページはこれを診療科別に見ておりますが、時間もございますので、説明を省略させていただきます。
また、参考資料で10の構想区域ごとの結果やデータセットの作成について添付しておりますが、これも説明を省略させていただきます。
最後に、調整会議の構成員からの意見で、今回の分析に反映できなかった意見が幾つかございましたので、資料に記載してございませんが、主な点を2つほど御紹介させていただきたいと思います。
1つは、医療密度を見るのに医師数を指標に加えるべきとの意見でございました。
これにつきましては、平成28年度の病床機能報告までは医師数の報告がなかったため、当然、分析に加えることはできなかったのですが、平成29年の報告からは、病棟でなくて、病院全体ではございますが、報告内容に追加をされておりますので、指標として用いることができるか、今後の検討課題となっております。
また、2つ目の意見としまして、平成30年の診療報酬改定、大改定がございましたので、バージョンアップをすべきとの意見がございました。
入院基本料の改正などがありましたので、更新の必要性は認識してございますが、平成30年度、今年度については、委託の予算を取ってございませんので、県で自前で分析するのは現在では困難な情勢であります。本ワーキンググループで診療報酬改定も反映しました客観的な基準づくりが進むことを期待しております。
ちょっと飛ばしながらでしたが、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
済みません。あと5分となってしまったのですが、もしよろしければ10分ほど延長させていただいてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○尾形座長 それでは、10分延長ということで、ただいま御説明がありました資料3-1及び資料3-2について、御質問、御意見をお願いします。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今、お話をお聞きして、各県いろんなデータ、資料づくりに追われているように思います。それによって、反対に全体的なものが見えなくなっているのではないかと危惧するところもあります。
これまでの議論、資料3-1の2ページ目です。これは最初の○に病床機能報告について述べてありますけれども、1つの病棟にいろんな病期の患者さんがおられるのは皆さんよくわかっていることなのです。また、病床機能報告と病床の必要量を単純に比較してはいけないことも今まで何度も繰り返し話されてきたことです。
ところが、きょうの和歌山県の資料を見ても、徳島県の資料を見ても、単純に比較しているのです。結果的には、それが調整会議の中でいろんな問題になってきているということであろうと思います。
基本的に、この病床機能報告は病棟単位であって、病床の必要量は病床単位です。全く違うものを比較して、それで整合性をとろうとするがためにいろんなデータを出してきて、そして話を進めようとしているわけですけれども、基本的に違うものを1つにしようとしても、なかなか難しいのだろうと思います。
そこで案なのですが、この病床機能報告というものは、例えば50床の病床に、30床が急性期がいて、残りの20床は、急性期の治療は終わったけれど、どうしても病状が不安定な高齢者が多くて帰せない、この病棟は医療資源投入量的な見かたをすると、回復期にあたる患者さんが4割近くになりますが、当然、急性期を選びます。しかし、そういう場合、急性期出報告すると、50床すべてが急性期に上げられてしまうわけです。そういうことで、急性期病棟だけがふえて、回復期はふえないように見えるのです。これは明らかになっていることで、皆さんも御存じのことだろうと思うのです。
ですから、ここは病床機能報告を急性期と選んでもいいのだけれども、そのうち、例えば4割ぐらいが回復期に属する人たちがいるというものを出していただければ、回復期はこの地域でどれぐらい足りているのだというのが、いろんなデータを出したり、いろいろ考えなくても可能ではないかと思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですか。
では、事務局、どうぞ。
○鶴田課長補佐 基本的に今、病棟単位で報告するということになっておりまして、ただ、病棟の中には急性期、回復期、慢性期、さまざまな患者様が混在している。そういう中で、なかなか単純評価は難しい。ただ、傾向として見たりする、そういった使い方もあり得るのではないかということであろうかと思いますが、先生の御提案の急性期と報告したうち、本当にその一部は回復期ということを報告するかどうかというところに関しては、ぜひ皆様方でディスカッションしていただければと思います。
ただ、そうした場合、回復期というものが一体、どういう人を回復期といって報告するのかというところは多分同じように、現場レベルだと難しいという論点もあり得るのかなと思いますので、その辺につきましてはぜひ皆様方の御意見を踏まえながら、どのような対応ができるかというのは事務局としてしっかり整理していきたいと思います。
○尾形座長 どうぞ。
○織田構成員 といいますのは、急性期において、この間も私はお話ししたのですけれども、急性期のみで出している病院が全国で1,500病院ぐらいあるのです。その全部を合わせると13万床ぐらいになります。それらの病院の平均病床数は87床なのです。ですから、このような病院は病棟が1つとか2つですから、それを急性期とか回復期に分けられないのですよ。また、80歳、85歳の肺炎や心不全というのは、急性期は急性期なのです。これはサブアキュートではないのです。
そういう方たちにおいても、すぐ退院させる。例えば転院させる、転棟させる。それが果たしていいことかどうか。だから、基本的には、この病棟は急性期だけれども、何割かは回復期に属する患者さんがいるということを、各病院に出させれば、こんなものはすぐ解決する問題ではないかなと思います。
これをデータで納得させようとすると、データというものは目的によって幾らでも変えられますから、そこをもう少し考えていかなくてはいけないのではないかなと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 今の織田先生の御提案といいますか、御意見は、相変わらず病床機能報告制度の病床数と将来の病床数の必要量を比較しているからおっしゃったことなのです。医療のそもそもの実態といいますか、あるべき姿は、全ての病棟にいろんな病期の患者さんがいていいのだという大前提で行っているのですよ。だから、それは変えようがない、変えてはいけない。高度急性期病棟だって、よくなってきたら回復期になりますから、急性期も同じです。大学病院であろうが、どこだって同じなのです。それを無理に比較しようとすることの弊害なのです。そのことなのですよ。
ぜひ、それを、今、病床機能報告制度だって患者さんごとに病棟コードがついているではないですか。それを分析したら、そんなものは自動的にわかりますよ。だけれども、それがある病院のA病棟に、これだけデータ的には、急性期は3割しかいないのに、急性期と報告していることがけしからぬということでは絶対ないのです。その医療機関が急性期だと思えば急性期ということはずっと、それは一貫した方針なのです。病床機能報告制度はそういう仕組みなのです。これを変えることは絶対してはいけないのですよ。
皆さん、ぜひ落ちつきましょう。単純に比較して騒がないこと。その一言に尽きると思います。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 きょうのこの和歌山県の資料も、この徳島県の資料も、どうしても比較しているのですよ。調整会議等でこの資料を見る人は比較するのですよ。比較していけないものをこうやって比較した資料を出せば、構想区域の調整会議では混乱するのです。それをデータで何とかしようとしているから矛盾が起こっているのではないかと思います。基本的に報告制度の中で対応すればいいのではないかという感じます。
○尾形座長 佐々木課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 済みません。いつも、この問題で大変、事務局の説明とか資料等が十分でなくて、議論がうまく回らないなと悩んでおるところでございますけれども、いずれにしましても、病床機能報告の制度は制度でありまして、どんどん改善していきたいと思いますが、地域医療構想を進めていく意味では2025年に向けた4機能について、地域でどういう分担でやっていくのか。これはたゆまず進めていかなければいけないところでございます。ですから、今あるデータとか、そういうものがそういった議論に対して役立つようにどんどん改良していきたいということでございます。
例えば県のレベルでいろいろ使っているときに、こういうものがあったら、もっと議論しやすい、もしくは例えば、きょうもお話がありましたけれども、転換を進めるに当たっていろんな予算的な配慮があったら、非常に持っていきやすい。こういう議論をぜひしていただいて、なかなか現状のデータとか、あるものについて、うまく適合していないというところについては、これは日々改良していきたいと思っておりますので、そこら辺のところは事務局のほうでできるだけ向いていきたいと思いますし、各都道府県の議論が進んでいくように、いろいろとまた引き続きたゆまなくやってまいりたいと思います。
済みません。申しわけございません。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 埼玉県のいろんな取り組みを、医療提供体制の分析ということですよね。こういう区分をつくって、報告制度のときに、この区分をよく見て報告しなさいということではないですよね。そういうふうに理解したのですが、それでよろしいですか。
○尾形座長 唐橋参考人。
○唐橋参考人 そのとおりです。この分析を参考にしまして自分の立ち位置を考えるといいますか、特に一番特徴的だったのが、今、時間の関係で説明を省略したのですが、済みません、20ページをごらんいただきますと、回復期、いろんな多様な患者さんを含んでおりますが、回復期リハビリ病棟と小児科を除いた病棟の病床稼働率を見てみますと、ピンクの部分が7対1病棟で、稼働率は70%以上に多く分布しておりまして、対しまして、黄色が13対1や15対1、あるいは青が有床診。これは70%以下に多く区分されております。
こうした役割のはっきりしない一般病棟といいますか、一般病棟でリハビリ機能を強化するなど、役割を明確化しまして、稼働率は上げていく必要がある。そういった議論をしていただく。そういった参考になるかと思っております。
○中川構成員 それと、もう一つお願いなのですが、18ページのサブアキュート機能というものは、こういう言葉は使わないでいただきたいなとお願いしているのです。
軽症急性期という意味だと思うのですが、軽症か、重症かは結果ですので、結果的に軽症の急性期の患者さんが多かったという意味なので、例えば介護施設とか、高齢者がこういうふうに急性発症して入った場合はサブアキュートとして扱うべきだという、年齢的な差別感のあるような表現なので、ぜひ今後、何か別な言葉にしていただきたいなというお願いです。
○唐橋参考人 済みません。ちょっと認識が足りませんでしたので、踏まえさせていただきます。
○尾形座長 今村構成員。
○今村構成員 埼玉県の資料について、ちょっと教えていただきたいのですけれども、今回、閾値という言葉を使っておられるのですが、なかなかこういう病棟を閾で分けるのは難しいと思うのです。例えば高度急性期という表現の中には高度医療と急性期医療がまざっていると思うのですけれども、今回の閾値をつくるときに、ICUは高度急性期かもしれませんが、高度に特化した場合とより急性期に特化した場合というものがどんなふうに表現されてくるのかという面と、データとして今、専ら使われているのは6月のデータだと思うのですけれども、季節変動というものはかなりあって、季節変動の部分をどんなふうに受けとめて、これを考えていくのかということを、今のお考えを教えていただければと思うのです。
○尾形座長 唐橋参考人、お願いします。
○唐橋参考人 区分線1の考え方については、12ページでございますが、高度医療の先生、急性期医療の先生、それぞれ専門の先生方のアドバイスをいただきまして、広く高度や急性期に提供された医療というものはこういったものではないかという、A~J、かなり幅広に拾ってございます。これによりまして、一定程度、高度急性期という漠とした概念ですが、これをあらわしていると考えております。
季節変動につきましては、今回の分析では対応はできませんでしたので、今、病床機能報告というデータを使う限りは、なかなか対応は難しいのかなと考えております。
以上です。
○尾形座長 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 例えば高度医療といった場合には非常に幅が広いわけで、これで全部拾うのは難しいのかなと思いますし、実際に超急性期脳卒中加算とかは冬場に多いですから、なかなかそれでうまく表現できるのかなというのは疑問に思いますので、そういったことを考慮していく必要があるのではないかと思います。そういう意味で、閾値というふうに切っていくのは非常に難しいのではないかなと思います。
これは意見です。
○尾形座長 本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 これまでも奈良県、佐賀県からも御報告いただきましたが、埼玉県の場合、一定の区分線を引いてということですが、ある程度、そこの地域で、医療機関も納得の上でそういった基準を決められて、一つの目安を示していただいたということは、医療機関が自主的に病床機能を判断するには非常に有効であったのではないかと思います。
そういった意味では、定量的基準というものはこれだというものではないかもしれませんが、各県で取り組まれ成功している一定の目安になる定量基準を、データの正確性も含め示していただくことにより、調整会議の議論も活性化してくると思います。
特に、医療界でも4機能の判断は難しいと言われている以上、参加されている地域住民等は一定の目安がないと判断できないこともあるかと思います。ある程度、地域の中で合意が得られた定量的なものは今後とも出していただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかは如何でしょうか。
どうぞ。
○唐橋参考人 本多先生のおっしゃるとおりなのですが、埼玉県では県単位の調整会議を設けておりまして、今回のこの区分の考え方や具体的な算定回数なども県単位の調整会議で議論をして、一定の合意をいただいております。そうしたことで納得性が得られているのではないかと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局においては、引き続き病床機能報告の見直しについてお願いをしたいと思います。
申しわけありません。座長の不手際もありまして、若干、審議時間が延長となってしまいましたけれども、これをもちまして、本日の議論を終了したいと思います。
最後に、事務局から何かございますか。
○横山課長補佐 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきたいと思います。
長時間にわたります御審議、どうもありがとうございました。
照会先
医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室
直通電話:03-3595-2194