第5回社会福祉法人会計基準検討会 議事録

日時

令和8年8月25日(火)10:00~12:00

場所

AP虎ノ門 A ルーム
(東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル)

出席者

構成員(敬称略・五十音順)

 ・亀岡かめおか) 保夫(やすお)        大光監査法人会長
 ・菅田かんだ) 裕之ひろゆき (座長)   日本公認会計士協会非営利担当常務理事
 ・松前まつまえ 江え里子りこ             日本公認会計士協会研究員
 ・吉岡よしおか) 浩二こうじ            日本公認会計士協会非営利法人委員会副委員長
 ・渡部わたなべ) 博ひろし                  公認会計士渡部博事務所所長

議題

(1)課題と論点に対する構成員の意見を踏まえた対応の方向性等(案)について
(2)その他

議事

2026-8-25 第5回社会福祉法人会計基準等検討会

○菅田座長 定刻となりましたので、ただいまから、第5回「社会福祉法人会計基準等検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
本日は皆様、会場にお越しですので、対面にて実施させていただきます。
それでは、まず事務局より事務局の人事異動の御紹介をお願いします。
○近藤課長補佐 ありがとうございます。
前回の検討会以降、事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。
福祉基盤課の金住企画調整専門官でございます。
○金住企画調整専門官 よろしくお願いいたします。
○近藤課長補佐 以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございました。
ここで、報道関係の方に御連絡いたします。冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
続きまして、議事に入る前に、本日の資料の確認と会議の運営方法について、事務局より説明をお願いいたします。
○近藤課長補佐 本日は事務局からの提出資料といたしまして、資料「課題と論点に対する構成員の意見を踏まえた対応の方向性等(案)」、また参考資料といたしまして、前回「第4回検討会における主な御意見」の2点がございます。
併せまして、構成員からの提出資料といたしまして、松前構成員提出資料、吉岡構成員提出資料の2点がございます。
もし資料に不足等がございました際には、事務局にお申しつけください。
次に、発言方法等につきまして、本日は皆様、会場に出席いただいておりますので、前回同様、御発言をされる際には、挙手をしていただき、座長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。
なお、恐縮でございますが、時間が限られておりますので、発言は簡潔にお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
資料「課題と論点に対する構成員の意見を踏まえた対応の方向性等(案)」について、初めに事務局より説明をお願いいたします。
○横溝専門官 専門官の横溝でございます。
では、タイトルが「課題と論点に対する構成員の意見を踏まえた対応の方向性等(案)」とあります資料につきまして、私から御説明させていただきます。
なお、今回のこちらの資料につきましては、前回の第4回の検討会にて構成員の皆様からいただきました御意見等を踏まえ、各論点につき具体的な対応案を提示する内容となってございます。
では、早速説明に入らせていただきます。
まず、資料3ページ、論点1の社会福祉連携推進法人の資産の貸付業務の追加に関する論点整理をサマリーとして掲載してございます。各論点への対応を具体的に次の4ページから御説明させていただきます。
論点1-1は、社会福祉連携推進法人に対して作成が義務づけられている損益計算書内訳表につきまして、現行では社会福祉連携推進業務である6つの業務ごとに区分していることから、今回、資産の貸付業務について、新たに区分を追加してはどうかという内容でございました。
こちらの論点への対応案といたしまして、損益計算書内訳表の様式を定めております厚生労働省令である社会福祉連携推進法人会計基準を改正し、こちら資料記載のとおり「社会福祉連携推進業務会計」の中の、現行の「貸付業務」欄を「資金貸付業務」に改めるとともに、「資産貸付業務」欄を追加してはどうかとする内容にしております。
次に資料5ページ、論点1-2でございますが、勘定科目の設定について、まず前提として現行の社会福祉連携推進法人の会計基準においては、一般社団法人に適用される公益法人会計基準には勘定科目に関する詳細な規定はないため、社会福祉法人の勘定科目を基本に、会計基準として規定をしており、その上で必要のない中区分の勘定科目は省略できるものとするが、法人が追加や修正はできないものとされてございます。
その中で、今回の「資産の貸付業務」に伴い必要となる勘定科目を会計基準にて新たに設定するか、もしくは現状の会計基準を勘定科目の追加・修正が可能となるように変更した上で、特段固有の勘定科目を会計基準では設けずに、通知などで仕訳例を示すかといった内容でございました。
こちらの論点への対応案といたしまして、現行の社会福祉連携推進法人会計基準は、社会福祉法人会計基準に慣れ親しんだ方々が社会福祉連携推進法人の計算書類等を作成することを念頭に、実務上、過度な負担とならないよう配慮した経緯があることを踏まえ、使用する勘定科目を明らかにすることを目的に、厚生労働省令であります社会福祉連携推進法人会計基準などを改正し、資産の貸付業務に関連する勘定科目を追加してはどうかとする内容にしております。
なお、具体的には同じ社会福祉連携推進業務である資金の貸付業務で用いられている勘定科目名を参考に中区分として、こちら資料記載の勘定科目名の設定を案とさせていただいております。
続いて6ページから8ページ、論点1-3は、社会福祉連携推進法人会計基準における新リース会計基準の適用の要否と転リース取引の会計処理の明示の必要性を論点とさせていただいておりました。
1つ目の新リース会計基準の適用の要否につきましては、社会福祉連携推進法人においては、上場企業等とは取引の規模や複雑性、利害関係者の範囲などが異なることから、必ずしも企業会計と同水準の会計処理は求められていないと考えられます。また、新リース会計基準導入に伴う負担が大きいことが想定されることから、新リース会計基準は適用しないと整理してはどうかという内容にしてございます。
その上で、具体的な対応案といたしまして、会計基準の関係通知を改正し、リース会計基準に準じて会計処理を行うとする現行の記載を見直し、その上でリース取引にかかる従来の会計処理の中で関係通知において明示されていなかった取扱いを追加してはどうかという内容にしてございます。
なお、具体的な関係通知の改正案をこちら6ページの下の部分と次の7ページに記載してございます。改正内容のポイントといたしましては、既存のリース会計基準に準拠する旨の記載を削除し、加えて、公益法人会計基準や非営利組織モデル会計基準などを参考に、リース取引にかかる従来の会計処理の中で関係通知において明示されていなかった取扱いを追記してございます。
7ページに記載の追加案では、太文字にしている部分が今回追加した箇所となってございます。具体的な内容としては、ファイナンス・リース取引における所有権移転・所有権移転外の区分、所有権移転・所有権移転外それぞれの減価償却方法等、そしてリース債務の長短分類、最後にリース取引の定義という項目になります。
続きまして、資料8ページの2つ目の項目となります転リース取引の会計処理の明示の必要性につきましては、今回新設される資産の貸付制度においては、社会福祉連携推進法人が借手としてのファイナンス・リース取引は通常成立せず、それを前提とした転リースの会計処理は適用されないと考えられますので、会計処理の明示も不要と整理してはどうかとする内容にしてございます。
続いて9ページ、論点1-4は、社会福祉連携推進法人の資産の貸付業務実施に伴い、社会福祉法人側の勘定科目の追加についての論点でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、勘定科目や計算書類等の様式を規定しております社会福祉法人会計基準などを改正し、こちら資料記載の勘定科目名にて大区分として科目設定することを案とさせていただいております。
続きまして、資料10ページからは論点2としまして、社会福祉事業等の追加に関する論点整理をサマリーとして掲載してございます。具体的には12ページから内容を御説明させていただきます。
12ページ、論点2-1は、社会福祉連携推進法人が社会福祉事業等を行う場合、当該事業は現行制度上、法人の設立目的である社会福祉連携推進業務以外の業務として、その他の業務に含まれると整理していることから、損益計算書内訳表の様式について変更する必要があるかという内容でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、損益計算書内訳表の様式を定めております厚生労働省令である社会福祉連携推進法人会計基準を改正し、こちら資料記載のとおり、現行の「その他の業務会計」欄を「社会福祉事業等」と「その他」の2つに分ける形で様式を変更してはどうかとする内容にしてございます。
続きまして、13ページの論点2-2では、社会福祉事業等を実施することを踏まえて勘定科目の追加について論点とさせていただいておりました。先ほどの論点1-2の資産の貸付業務のところで御説明した内容と同様にはなりますけれども、社会福祉法人と同様、会計基準として勘定科目を設定するのか、もしくは現状の会計基準において勘定科目の追加・修正が可能となるように変更した上で、特段固有の勘定科目を会計基準では設けずに、通知などで仕訳例を示すといった取扱いも考えられると、勘定科目の提示の仕方が論点となってございました。
こちらの論点の対応案といたしまして、先ほどの論点1-2同様、現行の会計基準が、社会福祉法人会計基準に慣れ親しんだ方々が社会福祉連携推進法人の計算書類等を作成することを念頭に、実務担当者にとって過度な負担とならないよう配慮した経緯があることを踏まえまして、厚生労働省令である社会福祉連携推進法人会計基準などを改正し、社会福祉法人の勘定科目を基本として、新たに社会福祉事業等に関する勘定科目を追加してはどうかとする内容にしてございます。
次に14ページ、論点2-3は、その他の事業から生じた収益の取扱いについて、計算書類の様式を変更する必要があるかという内容でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、現行制度として「その他の業務」の収益の2分の1を社会福祉連携推進業務会計に振り替える規定が設けられているところでございます。今回追加される社会福祉事業等については、当該振替の対象とはなっていないものの、現行の損益計算書内訳表の様式が、そもそも振替を反映できる様式となっていないことを踏まえまして、損益計算書内訳表の様式を定めている厚生労働省令である社会福祉連携推進法人会計基準を改正し、こちら資料記載のとおり、他会計振替額の行を追加してはどうかとする内容にさせていただいております。
続きまして、15ページでございます。論点2-4は国庫補助金等に関する取扱いについての論点でございました。
現状では、社会福祉事業等を行うことができず、社会福祉法人のように施設整備は原則として想定されないことを踏まえ、社会福祉法人のような国庫補助金等特別積立金の会計処理は規定していないところでございます。
しかし、今回、社会福祉事業等を実施するのであれば、例えば施設整備関係の補助金等を受給する可能性が出てくるため、国庫補助金等特別積立金の会計処理を規定することについて検討する必要がございます。また、注記や附属明細書の追加の必要性についても検討する必要がございます。そのため、国庫補助金等の会計上の取扱いについての規定の要否を論点とさせていただいておりました。
こちらの論点の対応案といたしまして、現行の会計基準が、社会福祉法人会計基準に慣れ親しんだ方々が社会福祉連携推進法人の計算書類等を作成することを念頭に、実務担当者にとって過度な負担とならないよう配慮した経緯があることを踏まえ、厚生労働省令である社会福祉連携推進法人会計基準などを改正し、国庫補助金等特別積立金の会計処理を設定することとし、対応する勘定科目や注記、附属明細書などを設定してはどうかとする内容にしてございます。
なお、設定する勘定科目は、こちら資料記載のとおり、社会福祉法人会計基準で定められている勘定科目名と同じ名称を案とさせていただいております。また、16~18ページには、参考としまして、会計基準で求められる注記、附属明細書の社会福祉法人との比較や社会福祉法人会計基準での国庫補助金等特別積立金にかかる注記例をまとめてございます。社会福祉連携推進法人会計基準において注記、附属明細書を設定する場合には、社会福祉法人会計基準の内容を参考にすることを想定してございます。
また、赤文字にしています項目が、今回の会計基準改正において、追加もしくは修正を想定しています注記項目や附属明細書となってございます。附属明細書につきましては、国庫補助金等特別積立金明細書に限らず、社会福祉連携推進法人が社会福祉事業等の実施が可能になることに伴い、就労支援事業を行うことも想定されることから、就労支援事業にかかる明細書なども追加対象とさせていただいております。
ここまでが社会福祉連携推進法人の業務が追加されることに伴って事務局として整理させていただいた論点になります。
なお、資料を少し戻りまして11ページに論点3といたしまして、社会福祉連携推進法人会計基準について、当該資料にて提示させていただいた項目以外にその他改正が必要な論点がないかと書かせていただいております。こちらは前回の第4回の検討会におきましては構成員の方々から特段御意見はなかったと認識してございます。
続きまして、20ページから大きな議題の2点目といたしまして、社会福祉法人会計基準における他の法人形態に適用される会計基準等の適用について、御検討いただきたい論点を記載してございます。
21ページには、まず論点4-1といたしまして、先ほどの社会福祉連携推進法人の論点でも記載しました企業会計における新リース会計基準を、こちらは社会福祉法人会計基準に適用するか否かという論点設定でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、論点1-3の社会福祉連携推進法人会計基準と同様に上場企業等と比較して社会福祉法人の置かれた立場を考慮し、新リース会計基準は導入せず、それに伴って既存の関係通知を改正してはどうかとする内容にしてございます。
なお、具体的な改正案を資料に記載しておりますが、内容は先ほどの論点1-3の社会福祉連携推進法人会計基準のものと同様となってございますので、詳細な説明はこちらでは割愛させていただきます。
続いて23ページの論点4-2は、幾つか地方自治体より照会を受け付けているところであり、2026年4月1日よりこども誰でも通園制度が開始されていますが、現状、勘定科目の設定を行っていないことから、勘定科目の追加が必要ではないかというものでございました。
こちらの論点の対応案としましては、資料記載の勘定科目を追加してはどうかとする内容にしてございます。
続いて24ページの論点4-3は、満期保有目的の債券に関する取扱いについて、社会福祉法人の現場で誤解が生じている懸念があり、通知上では「一部」売却した場合の取扱いについて規定していることが、「全部」を売却した上で変更を行った年度及びその翌年度において債券を取得した場合にもかかわらず、満期保有目的の債券として処理している事例があるため、全部の売却を想定した規定が必要ではないかという内容でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、まずは現場での誤解を解消することを目的に、事務連絡、いわゆるQ&Aに資料記載の内容を追加いたしまして、局長通知での本取扱いを徹底することとしてはどうかとする内容にしてございます。
続きまして、25ページ、論点4-4は、偶発債務に関する注記についての論点でございました。具体的には、近年、「介護福祉士修学資金等貸付制度」において、主に外国籍の方が当該貸付制度を利用する場合に、就労先もしくは就労予定先の社会福祉法人が法人保証をする機会が増えているとの声があり、計算書類に偶発債務として注記をするほうが望ましいと考えられることから、注記項目について通知の改正や注記例の作成が必要ではないかという内容でございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、今後も外国人介護人材の増加が見込まれ、注記の重要性が増してくることから、事務連絡により、計算書類に重要な偶発債務として注記をする際の考え方を周知し、その趣旨を徹底することとしてはどうかとする内容にしてございます。
なお、次の26ページに具体的な事務連絡案を記載してございます。内容のポイントといたしましては、答の冒頭に偶発債務の定義を記載し、また、記載例について代表的な偶発債務を記載することによって、社会福祉法人の実務担当者などに対して偶発債務についての周知ができること、加えて、記載例の一つに今回の修学資金貸付制度による借入への債務保証を入れたことにより当該債務保証も偶発債務として注記対象になる可能性があることを周知できることにあると考えてございます。
最後の27ページは、前回の第4回検討会におきまして亀岡構成員より問題提起がございました拠点区分事業活動明細書の様式について新たに論点4-5として追加してございます。
内容といたしましては、局長通知において、サービス区分間取引により生じる内部取引高は、拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書において相殺消去すると規定されていますが、現状の拠点区分事業活動明細書の様式にはそもそも資金の繰入や資産の移管にかかるサービス区分間取引を相殺消去する箇所がないというものでございました。
こちらの論点の対応案といたしましては、拠点区分事業活動明細書が経常増減差額までの表示となっていることが原因であるため、局長通知を改正して、拠点区分事業活動計算書(第二号第四様式)の経常増減差額以降の部分を、拠点区分事業活動明細書にも追加し、加えまして、資金の繰入や資産の移管にかかるサービス区分間取引を相殺する際に用いる勘定科目を追加してはどうかとする内容にしてございます。なお、追加する具体的な勘定科目名の案をこちらに記載させていただいております。
以上で今回の資料の御説明となります。
○菅田座長 資料の御説明、ありがとうございました。
それでは、まず論点1-1から論点2-4までということで、社会福祉連携推進法人の業務の追加、貸付業務の追加についてと社会福祉事業等の追加に関する論点について、御意見をいただければと思います。大変恐縮ではございますが、時間の関係がございますので、お一人5分以内をめどに御発言をいただきますよう、御協力のほどよろしくお願いいたします。それでは、御意見のある方から挙手をお願いできればと思いますが、いかがでございますか。渡部構成員、どうぞ。
○渡部構成員 では、通しでよろしいですか。
○菅田座長 はい。
○渡部構成員 それでは、通し番号の24ページ、満期保有目的の債券の部分でございます。こちらにつきましては、金融商品会計基準を厳密に適用しようということで理解をしております。この点は必要であればこういう整理が必要だと思っておりますけれども、一方で、金融商品会計基準には例外規定が導入されておりまして、例えば監督官庁の指示によって、満期保有でなくて、その所有を認めないと。保有者に起因しない事象の発生による売却ですとか、こういったものはこういう処理をしなくていいという例外規定が幾つか設けられているかと思っております。24ページの内容で一旦止まってしまいますと、その例外規定を考慮せずに、全てこのような処理をするということも考えられますので、ここまで踏み込んで記載をするのであれば、金融商品会計基準の例外規定も設けるべきではないかと考えております。
26ページの社会福祉法人の偶発債務に関する注記については、これも異論はないところでございます。記載例の(3)手形の処理につきましては、社会福祉法人の利用者が個人ということを考えますと、社会福祉法人が手形を受け取る、こういったものが想定しづらいので、こういったものはなくてもいいのではないかと考えております。
27ページ、論点4でございますけれども、これは御指摘、御記載のとおりだと思っております。ただ、現行の拠点区分事業活動明細書、こういったものが経常増減差額、ここで終わっているというところにつきましては、何らかの趣旨があったと思うのです。なので、それをあえて今回下まで表示する、様式の改正をすることまで踏み込む必要があるのかどうかというところはちょっと疑問に思っております。
といいますのは、問題意識のところで、サービス区分間取引による内部取引は、拠点区分事業活動明細書、こういったものでも相殺消去すると。そのとおりになっておりまして、この明細書を見ますと、内部取引という相殺の列も設けられています。経常増減差額よりも上の部分、すなわち、サービス区分間での取引、経常増減差額。例えば委託費と違うサービス区分での収益とか、そういったものをそこで相殺消去しておりますので、この文言と矛盾するものではないなと考えております。
ただ、御指摘のとおり、ここの繰入金収益、固定資産移管収益については経常増減差額より下なので、そこは相殺消去されないと。ただ、以前経常増減差額で止めた理由も何かあるのではないか。その点を確認しつつ、慎重に扱ったほうがいいのではないかという意見でございます。
以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。
論点4のところが主な御意見でしたが、論点1と2は特に御意見はございませんでしょうか。どうぞ。
○渡部構成員 吉岡委員からの提出もあると思って、なるほどと思って読んだ次第でございます。というのは、それに伴う社会福祉法人会計基準の改正もそうですが、6ページの10において、例えばここでリース会計基準によって行うというふうに書いてしまいますと、旧リース会計基準は今で言うリース会計基準ではないので、例えばオペレーティング・リース取引に該当するものは、借手側としては資産・負債を計上しなければいけないと。にもかかわらず、例えば7ページ、旧リース会計基準の内容を書くというところを見ると、何となく矛盾しているような感じがしております。6ページ、リース会計基準によって行われるということを言い切っていいのかというところは1つ疑問に思っていることでございます。逆にこれがないことによって、例えば7ページのように旧リース会計基準の内容を詳細に書くと。今回の改定ですね。それはあり得る話かなと思っております。
以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。
その他の委員の方で御意見等ございますでしょうか。亀岡委員、お願いいたします。
○亀岡構成員 ありがとうございます。
今、渡部構成員の話がありましたので、重なるところは省かせてもらいます。
最後のほうの拠点区分事業活動明細書の件でございますが、これは当時、介護保険が導入されるというときに「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針」(以下、「指導指針」という。)が課長通知として発出されました。この指導指針は、介護サービスの提供者となる社会福祉法人に対応したものですが対象になるのは、社会福祉法人に限らず、介護サービス提供者となる公益(一般)社団・財団法人、株式会社等の民間事業者も対象となります。介護保険開始以前の社会福祉法人においては、経理規程準則に基づき会計処理をしていました。その計算書類体系は資金収支ベースの収支計算書及び貸借対照表の2表でした。その会計は主として措置費等公的資金の収支計算書と財務報告を正確に明瞭に実施できるためのものでした。その後、介護保険制度が始まり、それに対応した会計処理をするために指導指針が発出され、社会福祉法人は、収支計算書及び貸借対照表以外に損益状況を表す事業活動計算書の作成が必要となりました。そのうえで、指導指針ではすべての介護保険事業者に対して介護保険事業に係る会計記録は事業活動計算書(損益計算書及び正味財産増減計算書(フロー式)等を含む。)で整備しておかなければならないとされました。これは、実務上、社会福祉法人以外の介護保険事業者は介護保険事業に係る会計記録を抽出して損益計算書及び正味財産増減計算書(フロー式)等を作成することになります。一方、社会福祉法人においては、介護サービス事業を計算書類において表示する場合は、事業活動計算書の経常収支差額の内容について介護サービス事業別に区分表示した、「介護サービス事業別事業活動計算書」を作成するものとされ、その様式が示されました。「介護サービス事業別事業活動計算書」が経常収支差額までの表示とされたのは、他の介護保険事業者が作成する損益計算書や正味財産増減計算書(フロー式)等における表示を求める範囲に対応したものでした。社会福祉法人において介護サービス事業別の収益及び費用を算出するのであれば、経常収支差額の内容で十分であり、また、社会福祉法人に対する負荷を最小限にするには当期活動収支差額までの表示は不用と判断したのです。
このような状況の中で、平成23年に社会福祉法人会計基準(以下「平成23年基準」という。)の改正時に、拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書をどこまで表示しようかというときに、まず、拠点区分資金収支明細書については、経理規程準則の時から収支計算書は措置費の目的別に当期繰越金まで算出することとされ、貸借対照表に繋げていましたので、その要請は変わらないので、拠点区分資金収支明細書は当期資金収支差額、当期末支払資金残高まで表示することとなりました。これは、拠点区分資金収支計算書と全く同じ表示となり、拠点区分資金収支明細書の拠点区分合計が、拠点区分資金収支計算書の金額と全て一致します。一方、拠点区分事業活動明細書については、指導指針において、「介護サービス事業別事業活動計算書」は、経常収支差額までの表示でしたので、平成23年基準では社会福祉法人に従来以上の負荷をかけないという観点から、とりあえず、拠点区分事業活動明細書は経常増減差額までの表示としたものです。拠点区分事業活動計算書は経常収支差額まででなく、特別増減の部、繰越活動差額の部を表示し、次期繰越活動増減差額まで表示しています。拠点区分事業活動明細書の拠点区分合計は、拠点区分事業活動計算書の経常増減差額までの金額とは一致していますが、特別増減の部、繰越活動差額の部は拠点区分事業活動明細書に表示されていませんので、拠点区分事業活動計算書の特別増減の部、繰越活動差額の部のサービス区分別の金額は判りませんし、サービス区分間取引があっても事業活動計算書関連の計算書類等では表示されません。サービス区分間取引は拠点区分事業活動明細書に特別増減の部が表示されて初めて表示することができるのですから。
さて、本来なら、サービス区分間取引のうち、サービス区分間繰入金収入(支出)とサービス区分間繰入金収益(費用)は同額が資金収支計算書関連及び事業活動計算書関連の計算書類等に表示されますが、拠点区分資金収支明細書にはサービス区分間繰入金収入(支出)として表示されますが、現状の拠点区分事業活動明細書にはサービス区分間繰入金収益(費用)を表示する場所がありません。また、平成23年基準では、拠点区分資金収支明細書と拠点区分事業活動明細書については、拠点区分資金収支明細書と拠点区分事業活動明細書の両方を作成するのではなく、一方を作成したら、もう、一方の作成は省略することができることになりました。これは、平成23年基準以前の状況を考慮し、法人に負荷がかからないように従来と同様の範囲での計算書類等の作成で良いとしたものです。具体的には、従来は、措置費等の事業については、サービス区分別の明細は(資金)収支のものしか作成しておらず、一方、介護保険サービス等の事業については、サービス区分別の明細は(損益)事業活動計算のものしか作成を要請していませんでした。そこで、介護保険サービス及び障害福祉サービスを実施する拠点については拠点区分事業活動明細書を作成するものとし、拠点区分資金収支明細書の作成は省略できるものとされ、他方、子どものための教育・保育給付費、措置費による事業を実施する拠点については拠点区分資金収支明細書を作成するものとし、拠点区分事業活動明細書の作成は省略できるものとされました。
社会福祉法人には規模の小さい法人も多く、例えば、1法人1施設の小規模な法人も少なくありません。その法人が介護保険サービスを実施していたならば、拠点区分事業活動明細書の作成は必要ですが、サービス区分間取引を表示する場所がありません。介護保険サービスを実施する拠点は拠点区分資金収支明細書の作成は省略できますので、通常は作成していません。すると、サービス区分間取引があってもどこにも表示されず、法人内において、サービス区分間の資金の移動を意思決定して、実際に資金を移動しても、会計上、どこにも表示されないため、法人の資金繰り状況を把握できない状態となります。
また、規模の大きな法人は、介護保険サービス以外にも保育園や措置施設の運営を行っている法人もあります。そのような法人は、法人全体の経営状況を把握する必要から法人全体の資金繰り状況、法人全体の事業活動(損益)の状況を把握するために、法人の判断で、すべての事業拠点の拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書の両方を作成している法人もあります。
この場合に、平成23年基準では、サービス区分間取引について、拠点区分資金収支明細書には表示されますが、拠点区分事業活動明細書には表示されません。特に、サービス区分間固定資産移管収益(費用)は、非資金取引ですので、拠点区分資金収支明細書にはそもそも表示されません。そうすると、サービス区分間で非資金取引があったとしても、どこにも表示されない事態が生じます。法人全体の経営を見るためには、このサービス区分間の非資金取引の把握は有用です。そこで、ある法人は、法人自らの判断で拠点区分事業活動明細書に特別増減の部、繰越活動差額の部を追加して、サービス区分間取引を表示すると共に拠点区分事業活動明細書の次期繰越活動増減差額までの拠点区分合計を拠点区分事業活動計算書の次期繰越活動増減差額まで突合できるようにしています。
このように、実際に困っている法人も結構あり、自ら工夫をしている法人もありますので、拠点区分事業活動明細書に特別増減の部、繰越活動差額の部を追加することは有用ですし、そのことにより、局長通知の文面とも整合させることができます。平成23年基準改正からは15年が経ち、その間の法人の不都合さや実際の法人の対応を考えると、拠点区分事業活動明細書の表示範囲を拠点区分事業活動計算書の表示範囲に合わせることは、法人の経営判断にも使用でき、むしろ法人にとっても有意義なのではないでしょうか。
長くなってしまいましてすみません。
○菅田座長 それでは、論点4-5の御意見が2つ出ましたので、その他の構成員の方から何かこの点に御意見等ございますでしょうか。松前構成員。
○松前構成員 ありがとうございます。
資料の事務局で作成いただいた案については賛成でございます。ありがとうございます。
その上で1点、理解が違ったら申し訳ないのですが、6ページのリースの対応の方向性の記載のところでございますが、丸の2つ目で企業会計との違いを書いていただいていると思うのですけれども、2行目に「利害関係者の範囲などが異なる」とありまして、範囲は確かに違うということであるのですが、基本的には利害関係者の情報ニーズが違うというのが大変大きな違いではないかなと思いますので、できたらその点も記載いただいたほうがいいかなという点でございます。
以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。
では、拠点区分事業活動明細書の様式については事務局案に賛成ということで。
これは特によろしいでしょうか。
事務局側から先ほど御質問を受けたことで補足事項とかありますか。作成の経緯とかで何かあればというところがありますけれども、いかがでございましょうか。ここで止めたというところです。論点の4-5に飛んでいますけれども。
○横溝専門官 論点の4-5ですか。
○菅田座長 拠点区分事業活動明細書の様式変更で、先ほど亀岡構成員から御説明いただいたのではないかと思いますが、そのほかで事務局から追加することがあればと思いますが、いかがでしょうか。
○横溝専門官 論点4-5につきましては、経常増減差額以下がない状況でございますので、そこを単純に第二号第四様式から持ってきて付け加えるという内容を案とさせていただいております。
○菅田座長 分かりました。ありがとうございます。
吉岡構成員。
○吉岡構成員 4-5についてですけれども、今、お二人の先生が議論された内容はよく分かりました。ありがとうございます。必要であれば、確かに特別増減の部を追加しないといけないと思うのですが、もし仮に特別増減の部に計上する対象がないような法人があった場合というのは、省略できるなど選択性で該当区分を追加することができると、該当がないものを全部バーにするといった対応がなくなり良いかなとも思ったのですが、その辺の柔軟性というのはどれぐらい持てるものでしょうか。
○菅田座長 事務局、何か御意見とか。今までのところでコメントございますか。
○横溝専門官 それも1つの案だと思いますので、検討に値するかと思います。
○菅田座長 御意見のある方はどうぞ。
○亀岡構成員 ありがとうございます。
今おっしゃった考え方、つまり、拠点区分事業活動明細書上、特別増減の部に計上する事象がない場合は、特別増減の部そのものの記載を省略するというのは1つの方法としては考えられます。ただし、様式として示すのですから、計上する事象があるかないかでその様式を変えるのではなく、会計基準で定められた事業活動計算書の区分(サービス活動増減の部、サービス活動外増減の部、特別増減の部、繰越活動増減差額の部)は記載したほうがいいと思います。例えば、拠点区分資金収支明細書の区分は拠点区分資金収支計算書の区分(事業活動による収支、施設整備等による収支、その他の活動による収支)と同じ様式を示されており、計上する事象がなくても、様式を省略することは予定していません。これと同じように考えると、現状の拠点区分事業活動明細書の様式は、サービス活動増減の部とサービス活動外増減の部の区分までの記載となっていますので、これに、特別増減の部、繰越活動増減差額の部を追加して、拠点区分事業活動計算書と同じ様式にすることにより、事業活動計算書に表示すべき取引が全て拠点区分事業活動明細書に表示されることになります。もし、計上する事象がなくても、様式の省略はする必要はないと思います。拠点区分事業活動計算書が様式の省略を予定していないことに合わせるのが適当と考えます。また、事前に様式が提示されていれば、法人の負担にもならないと思います。
○菅田座長 ありがとうございます。
そうしますと、今、論点4-5についていろいろ御意見をいただけました。
少し戻らせていただいて、論点の1、資産の貸付業務の追加について論点1-1から1-4までありまして、会計基準を改正して、基本的には資産の貸付業務、内訳表に記載欄がないため様式を追加するなど、勘定科目を具体的に追加する事務局案を出させていただいておりますが、これについては特段御意見がないということで、御賛同いただけるということでよろしいでしょうか。
○渡部構成員 異議ありません。
○菅田座長 ありがとうございます。
では、こちらのほうは御意見がないというところで、先に進めさせていただければと思います。
リースについては、また後で少し皆様の御意見を聞かせていただければと思います。
論点2のほうですが、社会福祉連携推進法人に社会福祉事業等を追加することに併せた論点の整理ということでございます。先ほどにも近いものがあるかと思いますが、論点2-1、論点2-2、論点2-3、論点2-4ということで、こちらのほうも基本的には会計基準を変更して、追加の記載をする、今までどおり具体的に記載をすることで分かりやすく、使用者の方が負担なく使用できるよう事務局案をつくっていただいています。こちらのほうについても御意見があればお聞かせいただければと思いますが、皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。こちらのほうも基本的に賛同いただけたということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○菅田座長 ありがとうございます。
それでは、進めさせていただいて、論点3は特段ありませんので、論点4ということでございます。今、論点4-5について皆様方から御意見をいただいたところでございますが、論点4-1の新リース会計基準について、御意見、御質問等あればお願いしたいと思います。先ほど松前委員のほうから文言のところについて御意見をいただきましたが、そのほか、リースに関して御意見等ございましたらお聞かせいただければと思います。吉岡委員。
○吉岡構成員 私から提出させていただいています資料にも記載ございますが、論点4-1と先ほど「後ほど」と言われていた社会福祉連携推進法人のほうのリースのところも含めて、渡部委員からもお話しいただきましたけれども、矛盾する文言が今、残っている状況なので、提出資料のとおり、こちらはカットしていただいて、現行の企業会計のリース会計基準を詳しく記載するという事務局の案で、同意させていただきたいと思います。
以上です。
○菅田座長 具体的に事務局案に変更が必要でしょうか。
○吉岡構成員 必要ありません。今、こちらに記載していただいているとおりの趣旨になっていると思います。
○菅田座長 ありがとうございます。
この点、よろしいですか。他の構成員の方どうぞ。
○渡部構成員 先ほどの社会福祉連携推進法人とも同様ですけれども、私の理解が間違っていたら教えていただきたいのですが、21ページの20のように、このリース会計基準によるといったときに、オペレーティング・リース取引については、新リース会計基準でいくと、資産・負債を計上するという処理にもかかわらず、22ページの8。オペレーティング・リース取引について書いていなかったでしたか。賃貸借処理的な処理というのですか、これを踏襲するというのは、なかなか矛盾があるような気がするので、その点はいかがなものなのでしょうか。私の理解がおかしいのでしょうか。
○菅田座長 事務局、この点についてご説明をお願いいたします。
○横溝専門官 21ページの20番のリース会計の記載につきましては、先ほどの説明が不足していましたら申し訳ございませんが、こちらは現行規定からの削除案ということで記載させていただいております。
○渡部構成員 失礼いたしました。削除するということであればいいと思います。
○菅田座長 ありがとうございます。
そのほか、論点4-1、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○菅田座長 それでは、論点4-2、こども誰でも通園制度の勘定科目の追加ですが、これについて何か御意見ございますでしょうか。特段よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○菅田座長 ありがとうございます。
それでは、論点4-3に移らせていただきまして、満期保有目的の債券について一部の場合と全部の場合は一緒であることを事務連絡で追加して周知するという事務局案でございます。こちらのほうについて御意見等ございましたらお願いしたいと思います。松前構成員、よろしくお願いします。
○松前構成員 松前でございます。
論点4-3につきまして、事務局のこの修正案については賛成でございます。その上で、資料を提出させていただきましたので、意見として申し上げたいと思います。資料の1枚目でございます。非営利組織の中では、満期保有目的の債券の企業会計における取扱いについてということでございますが、これは前からあったわけではなくて、平成20頃にできたところでございまして、損益調整を抑止する趣旨というで、そういった規制ができてきたと理解してございます。
一方で、非営利組織につきましては、財務報告の目的から損益調整の要因というのも、分配しないという目的の下では働かないと考えております。また、一方で、非営利組織にとっては、そういった資産運用というのは、活動の財源を獲得するというのが主な目的でございますので、資産の保全・運用というのが大変重要になってくると考えております。
先ほど渡部構成員も申されたと思うのですが、こういったペナルティーにならない例外措置というところで考えますと、企業会計につきましては、発行体の信用状況が著しく悪化した場合とか、幾つか例示はされているのですけれども、非営利組織において、もし例外措置を追加できるのであれば、資産を安全に運用・保全するために必要な場合というのもその例外の中に入れていただいて、満期保有目的については扱いとして少し規制の緩和、条件を拡大するということも一法ではないかということで、提出資料にはそこまでは記載してございませんが、目的の違いという点ではそういったことも考えられるということでございます。
さらに、その次の資料の横表でございますが、財務報告の目的ということで、参考につけさせていただいております。非営利組織の会計と企業会計の違いというのは、それぞれの会計基準のところで何をもって財務報告とするかというのが組織の特性によって違いますので、非営利法人も様々ありますので、各非営利法人制度でどういった規定が考えられるかという視点で比較した表で御提案を申し上げているところでございます。
このような財務報告の目的を定めることによって、新たな会計基準ができたときに、各非営利法人がそれを適用するか否かを検討するに当たっても、こういったよりどころを設けていただくことによって、組織特性に応じた会計処理の方向性が判断できるのではないかということで、参考の意見として申し上げたいと思います。
以上でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。
構成員の皆様方から論点4-3ということで、御意見をいただきました。まず、規定をさらにここで「全部」と「一部」の説明に加え、事業年度を含む2事業年度の間は取得した債券を満期保有目的の債券に分類することはできないことを記載するのであれば、次に、この規定が、当てはまる場合と当てはまらない場合について企業会計でも書かれているので、それは記載が必要ではないか。さらに、企業会計と同じ条件なのか、むしろもう少し非営利としての条件を入れたほうがいいのではないかとの御意見をいただいております。構成員の皆様方、これらについて追加で御意見があればよろしくお願いします。亀岡構成員、お願いします。
○亀岡構成員 ありがとうございます。
今、お話のあったことに関しては、その通りだと思います。ただ、慎重に取り扱う必要があるのではないでしょうか。私は非営利法人の会計監査などをやっていますが、非営利法人であっても、少しでもいい運用益を得たいと考えていると思います。そこで、資産の保全のためにも運用の安全性を保つことは当然、必要なことです。もちろんそれと相反するものですが、リスクが高いほどより高い運用益が入るチャンスもあります。満期保有目的の債券の一部を売ったら全部が駄目だというのは、まさに営利を目的としている企業に対して規定されたものです。規定した趣旨において、その方法を非営利法人にも適用するのはいいと思いますが、その場合にも非営利法人特有のものがあるのかどうかの検討はされていいのかなと思います。つまり、基本的には一部を売ると全部が駄目だよとするのはいいけれども、先ほどあった例外規定を考えるときに以下のようなことを考慮していただければと思います。それは、社会福祉法人も含めた非営利法人でも少しでもいい運用をしたいというのは誰もがあると思うのです。今、債券を持っているけれども、同じようなリスクでよりいい運用先があったら、そちらをやっていくというのが自然な行動で、それを駄目だということでなくて、私が思っているのは、今、持っている債券と同じような債券でより安全で有利な債券がもしあったとしたら、当然そちらをやってもいいのではないかなと。
このように、誰もが納得できるような、非営利法人特有の、営利を目的としていない部分のところをうまく表現できて、かつ、中には、かなり高いリスクを取りながらもより多くの運用益を得ようとしている非営利法人もあるので、できればそのような非営利法人の取引自体を未然に防げるような。例外規定を設けることによってリスクは低いが少しでも良い運用益を得ることのできる非営利法人が増えて、本来の非営利法人の目的と違うハイリスク・ハイリターンの資金運用に走らないように留意をしていただくことが大事なのかなと思っております。
考え方は賛成でございます。
○菅田座長 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきました。
吉岡構成員、お願いします。
○吉岡構成員 4-3につきまして、私も内容については同意でございます。その上で、私の提出している資料がございますが、ここに記載したポイントの一つとしては、社会福祉法人会計基準の運用上の取扱いの言葉を変更するかどうかという点か、それとも通知等で対応するかという点につきましては、事務局の原案のように通知等で御対応いただけるということであれば、そのほうがより丁寧に記載いただけますので、良いかなと思います。1つだけ追加でお願いとしましては、社会福祉連携推進法人にもこの記載があると思いますので、そちらも併せて対応していただきたいなと思います。
以上です。
○菅田座長 ありがとうございます。
論点4-3については大分意見もまとまってきたかなと思いますが、もしも何かあればと思いますが。大丈夫でございましょうか。
続いて論点4-4で偶発債務の注記ということで、先ほど御意見もいただきまして、1つ、手形は基本的に受けないのではないかということで、この記載は、書くと混乱するという記載になると思いますので、除いたほうがいいのではないかということで御意見をいただきましたが、4-4について何か御意見がございましたらお願いしたいと思います。吉岡構成員、よろしくお願いいたします。
○吉岡構成員 4-4につきましては、前回も少し意見させていただいたところがあろうかと思いますが、この制度というか、偶発債務が発生するところは問題ないかという点について、少し心理的なハードルを感じているような社会福祉法人さんもいらっしゃるかと思いますので、こちらに記載したとおり、制度説明とか、実際に発生しても問題ない内容かの点については何らかのアナウンスは必要と思っていましたところ、今回いただきました事務局案ですと、アナウンスを別途していただけるということのように思いましたので、会計上の注記については、企業会計等でも記載されているようなシンプルな内容で良いのではないかと思います。制度説明や背景を通知等でつないでいただける点を重ねてお願いしたいと思っております。
以上です。
○菅田座長 ありがとうございます。
そのほかの構成員、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
特段ないようであれば、論点4-4のほうも事務局案に御同意いただけたと思っております。
続いて論点4-5については、先ほども御意見等いただきましたので、全体を通しまして全ての論点について検討が進んだ形になっておりますが、その他いかがでしょうか。
○亀岡構成員 ありがとうございます。
国庫補助金等特別積立金というところで、これは吉岡構成員のほうからも案が出ております。まずは、どの程度国庫補助金等特別積立金が社会福祉連携推進法人にとって重要なのかという懸念はありますが、社会福祉連携推進法人会計基準を見直すことになっていると思います。社会福祉連携推進法人会計基準の仕組みも社会福祉法人会計基準の仕組みと同様で会計基準(省令)があって、局長通知があって、課長通知があると思うのです。社会福祉法人では会計基準(省令)に国庫補助金等特別積立金が規定されていて、それを受けて局長通知で国庫補助金等特別積立金の積立てと取崩しの会計処理が示されており、さらに課長通知で国庫補助金等特別積立金の対象となる国庫補助金等の内容、積立の時期、取崩しの時期及びその金額の考え方を詳細に記載されているのですけれども、同じように全て記載する必要があるのかどうか。記載内容はかなりのボリュームであり、逆に社会福祉連携推進法人にとって国庫補助金等特別積立金が金額的に重要性があるのかどうか。もちろん、国庫補助金等特別積立金という社会福祉法人会計基準の方法を導入するということに関しては賛成で、その内容、会計処理の仕方について説明する必要はあると思いますが、社会福祉法人会計基準の会計基準(省令)、局長通知及び課長通知に記載されているところまでの説明を細かくする必要があるのかということについては、ちょっと多すぎるのではないでしょうか。というのは、社会福祉法人にとって施設・設備の整備事業は大変重要なものなのです。だからこそ丁寧に説明をしていますが、社会福祉連携推進法人にとって施設・設備整備が社会福祉法人と同様に重要なものであれば、詳細な説明も必要と思いますがその辺はいかがでしょうか。
それと、留意していただきたいのは、吉岡構成員のほうからも国庫補助金等の会計上の取扱いについて、「社会福祉連携推進法人会計基準の運用上の取扱いについて」の案が出てきていますけれども、いわゆる局長通知のところを事例として出されているのですが、この中で国庫補助金等特別積立金は減価償却に対応して取り崩すのですが、会計処理の方法の書き方はどう書いているかというと、減価償却費から控除する様式についてですが、「しなければならない」という表現になっているのです。「しなければならない」という表現は、ここ以外はあまり使われていないのです。
平成23年基準作成時に、なぜ「しなければならない」という表現にしたかというと、国庫補助金等特別積立金は以前から減価償却に対応して取り崩していたのですが、その取崩しは費用の控除項目ではなく、収益に計上していたのです。ところが、実際に分析等で使用している実質的な減価償却負担分は減価償却費から減価償却に対応して取崩した国庫補助金等特別積立金の額を控除していたので、控除する様式に変えたのです。なので、「しなければならない」という表現にしたのは、平成23年基準は今までの基準の表示の仕方とは違うのだよということを明確にするために使用したのです。普通はあまり「しなければならない」などという表現はしません。ですので、ここは「するものとする」ぐらいで十分な表現であると思います。
併せて、国庫補助金等特別積立金明細書を作成しようとの提案にも賛成します。ただし、国庫補助金等特別積立金明細書の作成と合わせて留意をしていただきたいことが2つあります。1つは、社会福祉法人会計基準の「基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書」には「うち国庫補助金等の額」の欄があって、いわゆる国庫補助金等の占める額を書く欄があるのです。ところが、社会福祉連携推進法人の「固定資産明細書」の様式にはそれを書く欄がないので、国庫補助金等を受領する場合には「固定資産明細書」に社会福祉法人と同じような「うち国庫補助金等の額」の欄が必要になると思います。
もう1つは、設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等については、国庫補助金等特別積立金の積立ては、実際の計上は借入金元金償還補助金をもらったときに計上するのですけれども、取崩しは、当該償還補助金総額を基礎として取崩すことになります。社会福祉法人会計基準の「基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書」には「うち国庫補助金等の額」の欄と「将来入金予定の償還補助金の額」の欄があり、国庫補助金等特別積立金の金額と整合できるようになっていますが、社会福祉連携推進法人の「固定資産明細書」の様式にはそれを書く欄がないので、設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等を受領する場合には「固定資産明細書」に社会福祉法人と同じような「うち国庫補助金等の額」の欄と「将来入金予定の償還補助金の額」の欄が必要になると思います。
話は変わりますが、これは今回の話題の中に入っていないので、必要なのかどうかという議論も併せてしていただいたら結構なのですけれども、社会福祉連携推進法人会計基準にも社会福祉法人会計基準にも積立金と積立資産について規定されています。社会福祉連携推進法人会計基準の局長通知、課長通知と社会福祉法人会計基準の局長通知、課長通知を見たら同じ文章の構成になっています。局長通知では「積立金を計上する際は、同額の積立資産を積み立てるものとする。」となっており、課長通知では「資金管理上の理由等から積立資産の積立てが必要とされる場合には、積立金を積み立てずに積立資産を計上することができるものとする。」となっており、まったく同様の文章の構成となっています。しかし、社会福祉法人会計基準では課長通知に参照として「積立金・積立資産明細書」が記載されていますが、社会福祉連携推進法人会計基準には記載がなく、付属明細書としても記載がありません。積立金と積立資産の附属明細書(「積立金・積立資産明細書」)が社会福祉法人会計基準にはあるのですが、社会福祉連携推進法人会計基準にはないのです。同じ仕組みになっているにもかかわらず、社会福祉連携推進法人会計基準に附属明細書は準備していないということについて、それでいいのでしょうか。今、国庫補助金等特別積立金明細書を作成するのであれば、あわせて積立金・積立資産明細書の作成についても御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
○菅田座長 国庫補助金の論点2-4の関係について御意見をいただきました。ありがとうございます。
そのほか、全体を通しまして構成員の方から御意見がございましたら。吉岡委員。
○吉岡構成員 まず、2-4のところについて、ありがとうございました。今、亀岡構成員から御意見、アドバイスをいただいたとおり、私も意見として提出するに当たって、社会福祉連携推進法人の事務処理を社会福祉法人の事務経験のある方がやりやすいようにということをベースにしているからとしても、国庫補助金の処理が非常に複雑で特徴的な処理のため、社会福祉連携推進法人でもあえて記載するかどうかといったところを確認したかった次第でした。その中で、私の迷いとしても、これは本当に使うのかという点、非常に過度な対応になってしまう心配はないかといった点で時期尚早なのかなと思っていた部分がありますので、慎重に検討していく必要があるのかなと思っています。
一方で、国庫補助金の会計処理をする場合には、社会福祉法人の会計基準を熟知していないと非常に難しいので、あまり想定されないかもしれないですけれども、社会福祉法人の会計事務の経験なく社会福祉連携推進法人の事務のみを担当される方に対して、あるいは、社会福祉法人連携推進法人であっても国庫補助金の処理がたくさん出てくるようなケースが想定されるとすると、やはり記載は丁寧に書いておかないと対応できないこともあるかなと思いますので、実務量と煩雑性とのバランスになるかなと私も考えております。貴重な意見をいただきまして本当にありがとうございました。
まったく別の件で1つ提案ですが、社会福祉法人の会計、実務の特徴として、社会福祉法人会計基準のみならず、いろんな通知や事務連絡というところが非常に煩雑になっておりまして、かつ、それらが現状生きているものなのか、廃止されているものなのかとか、そういったところを実務上見ていくときに、どこを見ればいいのかというのが少し分かりづらいケースがありまして、今回の議論につきましても、基準そのものを変えるというよりも事務連絡等を追加するなどの方法論が議論されていたかと思うので、例えば厚労省様のホームページで関連する会計基準、通知、事務連絡が一覧で見られるとか、具体的なアイデアはまだいろいろあるかと思いますが、一覧性の確保についてのご検討をお願いできると、社会福祉法人の会計実務が円滑になるかなと思いますので、その辺は私の単純な意見、気持ちではありますが、お願いしたいところでございます。
以上です。
○菅田座長 ありがとうございます。
最後の意見は、今回の検討する論点ではありませんが、この検討会を踏まえて、いろいろと基準が変更された場合に利用者の方にもう少し分かりやすいほうがより伝わっていくのではないかとの、伝え方への御意見ということでしょうか。
○吉岡構成員 そうですね。
○菅田座長 ありがとうございます。
そのほか、全体を通しまして何かございますか。渡部構成員、お願いいたします。
○渡部構成員 本質的な議論ではないのですが、例えば22ページのリースの新しい通知案ですけれども、22ページで言うと、20の一番下2行にリースの定義があります。課長通知のほうにリースの定義を置いて、局長通知のほうではファイナンス・リース取引、オペレーティング・リース取引の定義を置くということで、座りがどちらかというと、まず課長通知に書かれているリースの定義が局長通知の8の中にあって、その中で所有権移転・所有権移転外ファイナンス・リース取引、それからオペレーティング・リース取引という整理がいいかなとは思いました。
以上です。
○菅田座長 ありがとうございます。
そのほか御意見ございますでしょうか。全体を通して。
それでは、予定時間にはまだありますが、御意見もないようですので、事務局のほうから追加で御説明するようなことはございませんでしょうか。では、よろしくお願いいたします。
○近藤課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
種々多く御意見をいただきました。論点2-4の国庫補助金等の会計上の取扱いにつきましては、特殊な会計処理でございますので、社会福祉連携推進法人が実際に会計書類を作成する際に、この辺りの取扱いについてどの程度規定するべきかという点において、基本的には社会福祉法人会計基準を前提にした上で、どのような規定ぶりが妥当か具体的な御意見をいただいたかと思います。事務局案を作成した上で、また次回御相談をさせていただければと思ってございます。
論点4-1、今、渡部先生から御指摘いただきました、リース取引の定義がまず課長通知から出てくることへの違和感につきましては、おっしゃるとおりかと思いますので、この点も次回反映をした上で御相談をさせていただきたいと思います。
論点4-3、満期保有目的の債券につきまして、こちらの規定は、社会福祉法人会計基準におきましては令和3年度から設けられたものでございます。その当時も利益操作の防止という企業会計上の論理というよりは、満期まで保有する意思があったにもかかわらず途中で売却した場合に、どのような会計処理を行うべきかという点が明確化されていなかった。このため、当時の公益法人会計基準等を参考にして規定をされたものと認識してございます。その上で、この基準が現在の金融商品等における管理運用の場面において妥当かどうかという点について、御助言、アドバイスをいただいたものと受け止めております。また、具体的に金融商品会計基準を参考にすべきではないかとの御発言もいただきましたので、こちらについても、次回、例外規定等を含めた具体的な通知案を作成した上で、御相談をさせていただければと考えてございます。
また、松前構成員からは、会計処理における財務報告の目的という重要な論点を御提起いただきました。この点につきましては、現行の社会福祉法人会計基準は、社会福祉法人が作成するべき計算書類やその作成方法を規定する技術的な基準として機能しているところがございます。現時点で、財務報告の目的といった概念的なフレームワークを規定していくことは、会計基準省令の位置づけを大きく変更することにもなりますので、慎重な検討が必要であると考えております。
一方で、御提案の趣旨を踏まえますと、構成員から提出がございました資料の趣旨や、財務報告の目的について、社会福祉法人関係者にどのように周知していくべきかという点は、事務局としての課題であると認識してございます。今後の検討課題として、引き続き御相談をさせていただければと考えてございます。
吉岡先生からは、通知等へのアクセスのしやすさという観点から御指摘をいただいたものと承知してございます。この点につきましては、多くの通知等を発出しているところであり、そのことが分かりづらさに繋がっているのではないかと考えてございます。厚生労働省ホームページをはじめ、皆様方が必要なときにアクセスしやすい周知方法について工夫できないか、検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
事務局からは以上でございます。
○菅田座長 御説明ありがとうございます。
それでは、検討会のほうを終了させていただきたいと思います。
次回の開催について、事務局より御説明をお願いいただけますでしょうか。
○近藤課長補佐 ありがとうございます。
次回の具体的な日時、開催場所につきましては、追って調整の上、御連絡をさせていただきます。
○菅田座長 ありがとうございます。
それでは、本日の審議を終了させていただきます。本日はお忙しい中お集まりいただき、また貴重な意見をありがとうございました。

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