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- 202年2月25日 第82回社会保障審議会年金事業管理部会議事録
202年2月25日 第82回社会保障審議会年金事業管理部会議事録
日時
令和8年2月25日(水)14:00~16:00
場所
全国都市会館 2階 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2
東京都千代田区平河町2-4-2
出席委員
会場出席委員:松山部会長
オンライン出席委員:辻部会長代理、小尾委員、黒田委員、土屋委員、片桐委員、小野委員、松本委員
オンライン出席委員:辻部会長代理、小尾委員、黒田委員、土屋委員、片桐委員、小野委員、松本委員
議題
(1)日本年金機構の令和8年度計画の策定について
(2)その他
(2)その他
議事
- 議事内容
- ○田口年金事業運営推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第82回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、委員の皆様の出欠状況について御報告させていただきます。本日は、大津委員、野村委員から御欠席と御連絡をいただいております。
本日もオンライン併用での開催となっております。松山部会長は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
また、前回の部会以降、日本年金機構に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
高橋副理事長でございます。
○高橋日本年金機構副理事長 副理事長を本年1月から拝命しました高橋でございます。
私、2017年から2年間、厚生労働省の年金管理審議官を務めまして、その後、年金局長を3年務めまして、民間に転じてから3年間も年金関係の研究員として民間シンクタンクで働いておりましたので、久しぶりに年金実務の世界に戻ってくることができまして、しっかりと業務に邁進していきたいと思っております。
事業管理部会の委員の先生方には日頃より大変御指導いただいておりまして、引き続きよろしくお願い申し上げます。
○田口年金事業運営推進室長 事業推進部門担当、加藤理事でございます。
○加藤日本年金機構理事(事業推進部門担当) 事業推進担当理事の加藤でございます。よろしくお願いします。
○田口年金事業運営推進室長 システム部門担当、細谷理事でございます。
○細谷日本年金機構理事(システム部門担当) システム部門担当理事をしております細谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田口年金事業運営推進室長 特命担当、久保理事でございます。
○久保日本年金機構理事(特命担当) 特命担当の久保でございます。よろしくお願いいたします。
○田口年金事業運営推進室長 それでは、議事進行につきましては、松山部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。
(カメラ終了)
○松山部会長 それでは、議事次第に沿って「日本年金機構の令和8年度計画の策定について」を議題といたします。
今年度計画は、日本年金機構法において、中期計画に基づき、毎年度の業務運営を定め、各年度の開始前に厚生労働大臣の認可を受けることとされております。機構から資料1-1「日本年金機構令和8年度計画(案)の概要」と資料1-2「日本年金機構令和8年度計画(案)新旧対照表」の2点の資料が提出されておりますので、機構から御説明をお願いし、その後に意見交換を行いたいと思います。
それでは、御説明をよろしくお願いいたします。
○石塚日本年金機構企画調整監 日本年金機構経営企画部の石塚でございます。
それでは、資料1-1の概要に基づきまして、8年度計画について御説明させていただきます。
1ページ目、おめくりいただきたいと思います。まず、前文でございます。一番上の○のところでございます。こちらに日本年金機構の使命を記載しております。また、その下の○でございます。こちらは中期目標期間の折り返し地点、3年度目ということで、社会環境の変化の動向といたしまして、デジタル技術の進展、老齢年金の相談・請求件数の増加、年金制度改正の施行などを掲げております。そうした動向を踏まえつつ、重点的に取り組む事項として、主な施策を3つ掲げております。
下の段にございますけれども、1つ目が「オンラインサービスの進展を踏まえたチャネル戦略の着実な実行」、2つ目が「基幹業務の更なる高みへの挑戦」、3つ目が「職員一人ひとりが活躍できる職場環境の整備」ということで、3つを重点的な事項としております。
次の2ページ目以降、各項目について御説明させていただきます。資料の見方ですけれども、一番左のところが項目、その隣の真ん中のところが昨年7年度の報告をいたしました際に課題とさせていただいた事項でございます。右の大きなところが8年度計画の概要でございまして、こちらを主に説明させていただきます。
まず、このページのⅠ-1が国民年金の適用対策でございます。上の○、まず確実な適用の実施ということで、J-LISからの情報に基づきまして、海外から転入された方などを早期に適用する取組を進めてまいります。また、その下、制度周知といたしまして、ハローワークや市区町村、出入国管理庁等との連携による制度周知を図ってまいります。
その下のⅠ-2が国民年金の収納対策でございます。まず、納付率等の目標ということで、3つ目標を記載しております。まず、①令和8年度分保険料の現年度納付率につきましては、前年度実績以上の確保という目標を掲げております。また、②過年度1年目納付率、最終納付率につきましては、それぞれ80%台半ば(前年度実績以上)の確保を目指すとしております。③口座振替・クレジットカード、そしてインターネットバンキングなどの電子納付の実施率につきまして、前年度を上回る水準を確保するとしております。
一番下のところ、納めやすい環境の整備というところでございます。2つ目のポツにございますマイナポータル等を利用した口座振替につきまして、利用促進を図る観点から、利用しやすい環境整備、改善の検討を行うこととしております。また、口座振替に対応可能なインターネット銀行の拡大に向けた対応についても進めてまいります。
次の3ページでございます。引き続き、外国人に対する制度周知等ということで、多言語や分かりやすい日本語を用いた制度周知、そして翻訳機の導入によります窓口対応の円滑化などを図ってまいります。また、下のところでございます。関係機関との連携ということで、市区町村、外国人を雇用する企業等との連携によります理解の促進を図ってまいります。
下のⅠ-3が厚生年金の適用のところでございます。一番上の○、未適用事業所の適用促進ということで、特に5人以上の従業員を雇用している蓋然性が高い適用調査対象事業所を最優先で取り組むこととしております。また、その下の困難事案への対応というところでございます。2つ目のポツにございます事業実態が把握できない事業所に対する実態把握を行うため、金融機関、不動産管理会社等への調査手法を検討して、速やかに実施するとしております。
また、その下、事業所調査による適用の適正化ということで、8年度も引き続き年間10万事業所を目標として、効果的・効率的な事業所調査を実施するとしております。
一番下の段、Ⅰ-4の厚生年金の保険料の徴収でございます。上の段でございますが、保険料収納率につきましては、収納未済額の圧縮に努めまして、前年度と同等以上の水準を確保するとしております。
次の4ページ、Ⅰ-5の年金給付でございます。一番上の○、年金事務所の体制整備ということで、令和8年度につきましては、老齢年金の相談・請求件数が増加するということが想定されておりますので、窓口体制の強化を図ることにしております。
1つ飛ばして、3つ目の枠に障害年金の業務の適正かつ安定的な運営とございます。昨年度「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」が出されたところでございますので、これに基づく取組を進めてまいります。また、認定医の業務効率化のための電子機器の導入についても検討を進めるとしております。
その下、お客様サービスの向上でございます。2つ目のポツにございます、引き続きサービススタンダードの達成率については90%以上を維持するとしております。
一番下の枠、Ⅰ-6が年金記録の関係でございます。上の段が年金記録の確認の対応ということで、ねんきん定期便等によります呼びかけを通じた年金記録の確認を進めてまいります。
また、その下、正確な管理の実施ということで、新規の資格取得届提出時における確認の徹底、そして基礎年金番号とマイナンバーの紐づけの徹底を進めてまいります。
次の5ページのⅠ-7、年金相談でございます。年金相談窓口体制の整備ということで、老齢年金の請求件数の増加を踏まえた必要な相談ブース、人員の確保を図ってまいります。また、その下、予約の取りやすい環境整備ということで、年金相談の予約率90%を引き続き維持していくということ、予約のないお客様についても平均待ち時間30分未満を維持するとしております。
その下、コールセンターの関係でございます。全ダイヤル合計及び各ダイヤル別におきましても原則として応答率70%以上を確保してまいります。また、下のポツにございますが、通話内容のテキスト化機能を活用した相談事蹟作成による効率化なども図ってまいります。
下の段がⅠ-8、分かりやすい情報提供でございます。1つ目の○にございますお客様向け文書につきましては「お客様向け文書モニター会議」、あと「アンケートモニター」の活用、そして、その下にあります「やさしい日本語」や「ピクトグラム」を活用した改善を進めてまいります。
次の6ページ、Ⅰ-8でございます。公的年金制度に対する理解の促進ということで、年金セミナー、そして年金制度説明会につきまして、結果の検証などを図りまして内容の充実を図る、そして参加者の一層の拡大を図ってまいります。また、その下、年金委員につきましては、本部から必要な情報を発信することによりまして、年金委員への活動支援の強化、そして年金委員の委嘱の拡大を進めてまいります。
一番下の段がⅠ-9、年金制度改正等への対応というところでございます。まず、年金制度につきましては、4月から施行されます在職老齢年金制度の見直しにつきまして、制度周知を図っていくということ。また、真ん中のところ、10月施行の保険料調整制度の開始につきましては、対象となり得る事業所への確実な周知、そして職員向けの研修などを進めてまいります。また、一番下、令和9年10月施行でございますけれども、短時間労働者の適用拡大につきましては、今年の秋から訪問等による事前の周知などを図ってまいります。
次の7ページ、番号法改正への対応でございます。まず、戸籍等への氏名の振り仮名追加につきましては、今年の5月から職権で公証化されるということがございますので、これに伴う年金振込への影響が生じないよう周知等を図ってまいります。また、その下の公金受取口座につきましては、登録の意向確認事業を実施することとされておりますので、外部委託などを含めた体制整備などを進めてまいります。
下の段がⅡの「業務運営の効率化に関する事項」でございます。
まず、Ⅱ-1が効率的・効果的な業務運営ということで、本部の取組といたしましては、チャネル戦略につきましてビジョンの実現に向けた取組を8年度は中期取組期間ということで取組事項を着実に実行するということ、また長期の取組期間における取組方針・取組事項を検討してまいります。
また、下の事務センターにおきましては、引き続きセンター間での分散処理の拡大による業務の平準化を進めてまいります。
次の8ページの一番上、年金事務所でございます。こちら、チャネル戦略の進捗状況などを踏まえまして、年金事務所の機能・役割等の見直しについて検討を進めてまいります。
次の段、Ⅱ-2が外部委託でございます。外部委託の活用によります業務効率化を進めるということと、最近の技術革新の動向なども踏まえたリスク管理・対応の徹底を図ってまいります。
次のⅡ-3、社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発でございます。まず、フェーズ1等への対応ということで、10月施行の法改正に係るシステム開発を着実に進めていくということ、またその下、フェーズ2への対応ということで、国民の年金記録を安全かつ確実に移行させることを最優先として、引き続き開発の進捗や品質等の管理を進めてまいります。
次の9ページでございます。Ⅱ-4のICT化の推進というところでございます。上の段が事業所向けでございます。まず、電子申請につきましては、主要7届書の申請割合を80%以上、電子申請実施事業所の割合を40%程度ということで目標を掲げて取り組んでまいります。また、その下の通知の関係でございますが、オンライン事業所年金情報サービスの利用事業所割合につきまして10%程度まで引き上げるとしております。
下の段、個人向けオンラインサービスでございます。まず、国民年金関係届書の電子申請割合につきましては、今年度より数値目標を引き上げまして取り組むこととしております。また、2つ目にあります通知の関係でございます。通知書のペーパーレス化登録割合につきましても、目標数値を定めまして取組を強化してまいります。一番下の相談の関係でございます。現在、離島3島向けのウェブ会議サービスを利用したオンライン年金相談を部分的に実施しておりますけれども、他の市区町村での取組、さらには将来的には来訪せずにオンライン年金相談が可能となるような具体化に向けた検討を進めるということにしております。
次の10ページ、Ⅱ-4のICT化の推進でございます。1つ目のポツ、生成AIを活用できる環境の構築に向けた検討を進めるということ、2つ目のポツ、年金事務所窓口にタブレット端末等を設置しまして、窓口で電子申請が行われるような試行的な取組も進めてまいります。
その下でございます。Ⅲの「業務運営における公正性及び透明性の確保」ということでございます。
Ⅲ-1の一番上の段です。事務処理の正確性の確保ということで、事務処理誤りにつきましては、モニタリング、そして点検・分析などを徹底しまして、早期発見を図るということにしております。
また、その下のリスク管理とコンプライアンス確保の関係でございます。情報セキュリティリスクへの対応ということで、外部専門家による分析評価に基づく対応、そして近年のランサムウエア等サイバー攻撃のリスクが拡大していることを踏まえた対応策の検討を進めてまいります。
次のページは少し飛ばしまして、12ページ、Ⅲ-4、人事及び人材の育成というところでございます。真ん中の多様な雇用形態への対応というところでございます。今年の7月から法定雇用率が3.0%に引上げになることを踏まえまして、さらなる障害者雇用の取組を推進して、雇用率の達成を図るということにしております。また、その下、高年齢者層の活躍の推進ということで、定年後の65歳まで継続雇用するシニア職員制度につきまして、配置業務・配置拠点の拡大などを図ってまいります。
その下、働き方改革の推進でございます。時間外勤務の縮減につきましては、管理職、一般職について目標を掲げて取組を進めることにしております。また、その下、年次有給休暇の取得につきましても目標を設定して取り組むとしております。
最後の13ページでございます。女性の活躍推進ということで、こちらも女性管理職比率目標を掲げる、達成するということと、男性の育児休業取得率につきましても80%以上という目標に向けて取り組んでまいります。その下のハラスメントの防止というところでございます。2つ目のポツ、先般の法改正を踏まえまして、カスタマーハラスメント防止に向けた取組についても引き続き進めてまいりたいと考えております。
下のほうのⅣ、Ⅴ、Ⅵにつきましては、資料に記載されているとおりでございます。
駆け足でございましたけれども、説明については以上でございます。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、ただいまの御説明について御意見、御質問等がありましたら挙手ボタンを押していただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。土屋委員、お願いいたします。
○土屋委員 御説明ありがとうございました。
ちょっとしたことなのですけれども、お聞きしたいことが2点ほどあります。
まず、老齢年金の請求が増えてくるだろうという予測の下、相談室の体制強化などが示されているかと思うのですが、相談室に行って相談したいという方がほとんどかと思うのですが、一方で、ねんきんネットとか、ねんきんチャットボットとか、そういったものの存在もアピールされていることはよく理解はしているのですが、ねんきんネット系の使用率とか、あとは宣伝の仕方とか、そういったものをもう少し詳しく教えていただきたいと思ったのと、チャットボットは生成AIを導入してやり始めたということをネットなどで見たのですけれども、その後の効果はどのようになっているのかが、まず1点お聞きしたいことです。
もう一つは、ねんきん定期便のペーパーレス化を進めていらっしゃるということなのですけれども、ねんきん定期便は年に1回、お誕生日月に来るような形になっているかと思うのですが、ペーパーレス化した上で、ペーパーレス化した人たちは自分がねんきんネットなどにアクセスしない限りは年金の接点から外れてしまうような、そういった現象が起こったりしないかが少し気になったところなので、ペーパーレス化した方たちに対してアクションを起こされる予定があるのかとか、そういったところをお聞きしたかったのですが、以上の2点、いかがでしょうか。
○松山部会長 ありがとうございます。
それでは、機構からよろしくお願いいたします。
○和田日本年金機構理事(事業企画部門担当) 事業企画部門担当理事の和田でございます。
先にチャットボットについて私から御説明、御回答したいと思います。まず利用実績の話がございましたので、先に数字だけ申し上げておきますと、チャットボットの利用実績は令和6年度で58万件となっており、年々増加をしております。ただ、もうちょっと増やしていかなくてはいけないと思いますので、さらに令和8年4月から次期チャットボットに更改いたしますので、そこでまた見直しをしていきたいと考えております。より多くのお客様に御利用いただけるように、カテゴリーの構成の見直しを行い、年金制度の概要や各種届出の手続方法の拡充を行ってまいります。また、6か国語の多言語翻訳機能を追加して、英語、中国語、韓国語などの多言語の要請にも応えられるようにしていきたいと思っております。
それから、今のチャットボットは、お客様側に検索ワード欄に知りたい質問や単語を入れていただくと、AIを活用した言語解析で検索を行い、それによって質問、入力した内容に近いようなQ&Aを提示するようになっています。これについても、今後の検討にはなりますけれども、お客様により的確な回答を行えるように、生成AI等を活用したサービスについても検討していきたいと考えております。今後の検討課題にはなりますけれども、質問に応じてより最適な回答を作成するとか、あるいは機構ホームページのここにあるということを判断して回答するとか、いろいろな工夫もできるかとは思っていますので、そういったこともイメージしながら、今後さらによりよいものをつくっていきたいと考えております。
以上です。
○松山部会長 ありがとうございました。
続きまして、よろしくお願いします。
○中野日本年金機構審議役 審議役の中野でございます。
残りの部分について、完全にお答えできるかどうかわかりませんが、お答えしたいと思います。
老齢年金の請求増加への対応というところで、まず1つはブースの増でプラス60、令和8年度にブースをまず増やす。それから、年金相談職員についても前倒しで登用するような形で増強を図るなど、令和8年1月に150名を確保するという対応を行っています。
あわせて、バックヤードの体制も、これは特定業務契約職員を予算上も確保しながら、新任担当職員を育成プログラムとセットで体制強化を図っていくという取組を実施いたします。
一方、お尋ねは、ネットチャネル等にどのように役割分担をするのかについての御指摘だと受け止めておりますが、チャネル戦略を推進する中で、より適切なチャネルを御案内するというところが重要になるところで、QRコード等を活用しながら、利用する方が最もふさわしいような窓口・チャネルをうまく選択できるような環境整備を進めているところです。ホームページを起点としながら、いろいろな電子申請の窓口あるいはねんきんネット、より適切なところを御案内できるような環境整備を進めているところでありまして、お客様の声を聞きながら最もふさわしいチャネルに御案内できるような取組を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○松山部会長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○土屋委員 ねんきんネットについてもう少し知りたいのですけれども、ねんきんネットは私が知る範囲では、例えば年金が幾らもらえるかという試算もできるようになっているかと思うのですが、ねんきんネットでポチッとやって自分の試算ができるという早業があるかと思う反面、皆さんが年金事務所に相談に行って試算してもらったほうが安全と思ってしまうのは、試算の前提条件というか設定が素人には難しいとか、そういった懸念点などがあるからなのでしょうか。私も自分でやってみればいいのですけれども、やったことがなくて、教えていただければと思って、実際に今日も1人年金の相談に来られた方がいらして、ねんきんネットは御存じですかと聞いたら、知っていらっしゃるのですけれども、そこでやるには心もとないみたいな感じのことをおっしゃっていたので、何か原因があるのかと思って気になりました。
○松山部会長 よろしくお願いします。
○中野日本年金機構審議役 御指摘の点についてですが、年金の権利は様々なお客様の状況によって変わってくるということでございまして、例えばいろいろな年金を渡り歩いているとか、あるいは障害年金の可能性があるとか、遺族年金の可能性がある、お客様のいろいろな可能性を含めて、果たして相談される方ご自身がどこまで申請できるのかが分からないという不安を感じている方がいらっしゃるというところで、そうしたリアルに相談できるチャネルのニーズは引き続きあるだろうと思われます。
一方で、これからチャネル戦略でネットチャネルをどんどん進めていく中で、例えばオンライン越しで相談を受けることができる環境整備を整えているところでございます。今回の計画の中でも、今、離島3島で取り組んでいるようなネットを活用したオンライン相談、そうしたものを広げていきたいと考えておりまして、そうしたチャネルを広げることによって御指摘の不安にも応えられるように取組を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○土屋委員 ありがとうございます。
○松山部会長 よろしいでしょうか。
そうしましたら、黒田委員がお手を挙げていらっしゃるということなので、黒田委員、よろしくお願いいたします。
○黒田委員 ありがとうございます。通信状況が不安定で先ほど落ちてしまいましたので、ビデオオフのままで失礼いたします。
私もチャネル戦略に関わるところで関連すると思うのですけれども、2点ほど御質問申し上げます。
1点目は、先ほども話に出た相談窓口なのですけれども、私が見る限りだと窓口、電話、チャットボットの3種類なのですけれども、チャットで人が対応するというチャネルはやっていらっしゃらないようにお見受けするのですけれども、それはなぜでしょうかということです。チャットボットだと、私の個人的な体験で、年金ではなくてほかのいろいろなサイトでもチャットボットで何か事が解決したことはなくて、大抵は的外れな回答が来て、これは駄目だと思うことが多いのですけれども、一方、チャットで人とやり取りするということが、今、カスタマーサービスの中では一番効率的で生産性が高く、相談する人もオペレーターも精神的な負担も一番低いと言われていて、圧倒的に有利なチャネルだと思うのですけれども、それはやっているのか、これからやる予定はあるのかといったところをお伺いしたいと思います。
2点目は、いろいろなユーザー側にオンラインに移行していただくに当たって、個人もそうですし、一番は中小企業の事業所だと思うのですけれども、以前から御質問している中でも、中小の事業所はパソコンとか持っていないしというようなお話があったので、スマホなどでいかにやってもらうかということだと思うのですけれども、インセンティブがないとなかなか人は行動を変えようとしないということで、マイナカードにおいては健康保険証との紐づけですとか、公金受取口座を指定するとかでペイペイポイントがたくさんつくインセンティブがあって、一気にそれで加速したと思うのですが、こちらの年金事業では例えばペイペイポイントのようなインセンティブをつけるというのは、マイナカードにはできるけれどもこちらにはできないという、何か理由はあるのでしょうか。
この2点です。
○松山部会長 ありがとうございます。
よろしくお願いします。
○中野日本年金機構審議役 ありがとうございます。
1点目の相談の関係で、チャットボットはやっているのだけれども通常のチャット、つまり人が答えるような、自動ではないチャットができないのかという御質問についてでございます。現在の状況を申し上げますと、チャットボット、自動で答えるものはあるのですが、通常のチャットは実施していないというのは御指摘のとおりでございます。それに近いものは何があるかといいますと、コールセンターがありまして、要するに、質問に対して「即時性」のある対応、お答えをするチャネルとしてはコールセンターがあるということになると思います。一方で、民間の企業等では、チャットボットではなくて通常のチャットでお答えをするような窓口を設けているところもたくさんあるのも事実でございますので、現状では具体的な検討はしていないところでございますが、チャネル戦略の中で、その可能性については検討してまいりたいと考えてございます。
2点目、中小のICT化の推進のインセンティブについて、金銭的なインセンティブについてです。ポイント付与など、これはほかの行政分野で実施をしたことがあるという御指摘についてでございます。インセンティブの付加ということで、以前、この事業管理部会の中でも例えばサービスのスピードに差をつける等のインセンティブ、それから規制の在り方等、幅広い推進方策について検討するべきだという御指摘をいただいているところでございまして、金銭的インセンティブ、これは年金の性質上どこまでできるかというところはあるのですが、どのようなものが可能か、年金局とも相談しながら研究してまいりたいと思います。
以上です。
○黒田委員 ありがとうございます。
1点目のチャットにつきましては、電話オペレーターと比べてチャットを使うほうが生産性が何倍も高いという調査結果を見たこともありますし、繰り返しますが、問い合わせている側も実は電話よりもチャットのほうがはるかに気持ちよく相談できるということもありますので、技術的にはすごく簡単なことですから、ぜひ御検討いただくといいのではないかと思いました。ありがとうございます。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、それ以外の委員の皆様から御質問がありましたらお願いいたします。
辻󠄀委員、よろしくお願いいたします。
○辻󠄀部会長代理 辻󠄀です。よろしくお願いします。
私も幾つか質問させていただきます。
1点目は、ただいま黒田委員から質問があったのと私も全く基本的に同じ考えで、アメリカの行政サービスを見ても、もともとコールセンターでやっていたものをベースにチャットボットが発達してきているという経緯もあるので、ぜひ積極的にチャットボットへ向かうようなものを開発していってほしいと思います。ただ、もともと苦情相談その他で、通常のお客様センターなどに比べると自動で応答できる率は非常に少ないような感じもします。応答率、今は70%以上になっているのですけれども、今までのコールセンターの実績からすると、定型で答えられているのがどのぐらいで、高度な審査、裁量が必要なものがどのぐらいの割合で来ていて、それに基づくとコールセンターにおいてもチャットボットにおいてもどのぐらい自動的に回答できるようなものになってくるのか、その辺りの目安が現在ついているのかついていないのか、その辺を含めて取組状況を改めてお伺いできたらと思います。これが1点です。
2点目としましては、これに関係して、ページでいうとⅡ-1とかⅡ-2のところになりますが、間接的に前回お尋ねしたところと似てくるところもあるのですが、今回いろいろな効率的・効果的な業務運営ということを考えた場合に、デジタル化がどのような結論をもたらすかが非常に大きいと思います。デジタル化の特質として、その経過においてはアナログとデジタルを両方やらなければ駄目なので、意外に手数は減らないし、手間もかかる、しかし、ラストワンマイルまで行くと一気に楽になるという特質があるのではないかと思います。そうした中で、従来の人員削減の手法や実績では、今後、短期、中期では適切な人件費管理、人事管理はできないような感じもするのですけれども、今後今までの実績も踏まえながらデジタル化の中でどうやったら適正な運営経費による効率的・効果的な業務運営ができそうなのか、現在の検討状況を少し深掘りしてお聞かせいただけたらと思います。
続きまして、その下に、外部委託の活用という項目もあります。これもデジタルがないアナログ時代は比較的安い人件費で効果的にということで、民間を使ったほうが基本的には費用対効果はいいというケースが結構あったと思うのですが、これからデジタルで全部開通していった場合に、むしろ内製化して業務をしたほうが機動的に対応しやすいと。それから、労働力不足の中で委託費も非常に高止まりする傾向があると。こういうことを考えていきますと、外部委託の活用に関しましても、デジタル化の状況の中で新しい考え方に基づいてその適正化、活用を図っていく必要もあるのではないかと思うのですが、この辺りについて現時点でどのようにお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
続きまして恐縮ですが、Ⅱ-4に個人向けオンラインサービスのところがあります。この中で、特に相談の事項につきましては、離島3島に向けてはウェブ会議サービスを利用したオンライン年金相談について開始をし、今後は、他の市区町村の役場においてもオンライン年金相談ができるよう対象を拡大して進めていくという記述になっています。非常に人口が少なくなってきているところ、それぞれ行政機関や民間機関が別にオフィス、組織を設けてもなかなか効果が上がらないといったことを考えたときに、うまく一体化してサービスをしていくことは的確だと思うのですが、過去の今までの経緯も含めて、このサービスを始めた段階で現時点でどんな課題がありそうなのか、どんなことがこれを着実に進めていて効果を上げるのに重要な点になりそうなのか教えていただけたらと思います。
最後に、優秀な人材の確保や人材の育成なのですが、先ほど申し上げましたとおり、日本全国で労働力不足が顕著になってきています。こうした中で、公的な仕事をする事業団として、ここに書いてあるとおり優秀な人材を確保する、確保するだけではなくてさらに確保した職員の育成を適正に図っていくことが今まで以上に重い課題になると思うのですが、この中に、一通りのことは書いていますけれども、特に現時点で力を入れてやっていきたいこと、考えられること、どのようなことがあるのか教えていただけたらと思います。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
5点質問いただいたと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤日本年金機構理事(事業推進部門担当) 1点目でございます。コールセンターの御質問がございました。1か月の数字しか現在持ち合わせておりませんけれども、コールセンターに62万8000件ほど照会が入ってございます。その中で、オペレーターが答えられずにエスカレーションしまして、上のほうに受け渡すというものが、困難事案、ほぼ苦情でございますけれども、それが0.02%という数字がございます。いずれにしましても、少ない割合ではございますけれども、できるだけコールセンターで解決するよう、委託先にお願いしている状況でございます。
以上です。
○松山部会長 ありがとうございます。
続きまして、どうぞ。
○中野日本年金機構審議役 2点目、デジタルと人員削減の組合せの考え方についてでございます。これは、まだすぐにお答えできるわけではないのですが、従前からこちらで御説明しておりますチャネル戦略に関連して、将来的に、。一定割合、例えば事業所の約9割の手続等が電子を利用しているような姿を目指すという前提で、どの程度人員削減ができるか、これもしっかり御指摘を踏まえてこれから検討したいと思います。現段階でお示しできるものはないのですが、御指摘を踏まえてしっかりどのような方向性で対応が可能か検討していきたいと思います。
3点目、外部委託の関係の御指摘についてということでございます。デジタル化を踏まえて外部委託の在り方についても、変わってきているというところは事実でございます。また、これは前回も御指摘をいただきましたとおり、環境が変わっているという中で、逆に外注コスト、これは人件費高騰、さらに消費税についても10%に上がっているというところで、外注コスト自体が上昇しているという環境変化を踏まえまして、内製のほうがいいのか、あるいは、外部委託のほうがいいのか。日本年金機構については、機構発足時の基本計画の中で外部委託が原則という考え方が示されているわけでございますが、時代の変化を踏まえてどのような対応が可能か、こちらも併せて検討していきたいと思います。
4点目、離島の関係のオンライン相談がスタートしたという点に関連して、その課題についてのお尋ねでございます。離島のオンライン相談、これは既に実施していたものでございますが、専用回線についての契約が終了しましたので、一般回線に切り変えて、さらに離島3島に限らず対象を広げていきたいと考えてございます。これまで離島3島に限って試行実施をしていた中で、「受ける」側の体制整備についてですが、対象が少なかった、つまり、3自治体であったところから、受ける側の体制としては、新宿年金事務所にオペレーターを置いて対応していたわけでございますが、これから対象が広がっていく中で、そうした「受ける」側の体制をどのようにしていくのか、集約型でオペレーターを置くのか、あるいは、分散型で地方の相談員、都会は今後もどんどん相談需要が増えていくわけですが、地方は一定程度相談の需要増も収束が見えていくところもあるので、そうした需要が減った地方の拠点のオペレーターを活用するのか、いろいろな可能性が考えられるところでありまして、こういったオンライン相談の「受け側」の体制の確保等の課題、あるいは「個人情報の保護」のための環境整備をどのように図っていくかといった課題、そうした課題等について、これから、事業をスモールスタートで進めながら考えていきたいと思っております。
最後、人事の関係についてよろしいですか。
○松山部会長 よろしくお願いします。
○立田日本年金機構理事(人事・会計部門担当) 人事担当理事でございます。
5点目に人材の確保・育成につきまして御質問いただきました。今後、特に力を入れていることでございますけれども、まず必要数を毎年確保するということで、私どもとしましては学生、新卒採用と、それに加えまして社会人の中途採用、これらを確実に、必要数を確保するように力を入れているということが第1点目でございます。
その上で、職員の定着率、これをいかに外に逃げるという言い方は語弊がありますけれども、外に出ていかないか、それを抑えるという意味でございまして、働きがいあるいは、仕事と生活の充実も訴えまして、いかに職員の定着率を高めるかにも力を入れております。その関係で、私ども機構の離職率は、国家公務員と比較するのはあれですけれども、毎年1月に在籍している職員の方が翌年の年末に離職するのが3%ぐらいになっておりますけれども、国家公務員が公表しているベースでいきますと5%から7%ぐらいとなっておりますので、その点は現時点では抑えられているかと思います。
さらに、年金の実務のプロ集団でございますので、年金の知識をしっかり身につけていただくということで、多様なカリキュラムを御用意して職員の育成に力を入れているということでございまして、その点を特に8年度以降も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○辻󠄀部会長代理 ありがとうございました。
○松山部会長 ありがとうございます。
ほかに御質問はありますでしょうか。
そうしましたら、御質問はほかにないようでございますので、ただいまで各委員から様々な御意見、御要望などもありましたけれども、計画についてはおおむね御了解をいただけたかと思います。本日御提示のあった計画案で厚生労働大臣の認可手続を進めさせていただきたいと思います。
それでは、そのようにさせていただいて、続きまして、資料2-1「業務・システム刷新の実施状況」、資料2-2「年金業務システムの開発における生産性の確保等について」を審議したいと思います。
資料2-1については、年金局から御報告をお願いいたします。資料2-2につきましては、情報セキュリティ・システム専門委員会での議論を踏まえて、小尾委員長から御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○保坂システム室長 年金局システム室の保坂でございます。よろしくお願いいたします。
資料2-1、私から説明させていただきたいと思います。
1枚スクロールしていただきまして、年金記録管理に関するシステム刷新ということでございますけれども、現在の公的年金業務の基幹システムにつきましては、記録管理システム、基礎年金番号管理システム、それから年金の支払いをいたします年金給付システムという大きな3つのシステムに分割されているところでございますけれども、このうちの記録を管理するシステムとして、この記録管理システムと基礎年金番号管理システムを刷新するプロジェクトに取り組んでいる状況でございます。
政府最大級でございますこの刷新のプロジェクトの開発につきましては、段階的に進めることとしておりまして、平成29年1月から各種届出のデジタル化など、内部処理の効率化といった対応をフェーズ1として先行稼働させておりまして、順次手続の拡大等の取組を進めているところでございます。
今、進めてございますフェーズ2につきましては、システムをオープン化しながら、政府最大級のデータや機能について、現行システムからの移行を安全かつ確実に実施していくということでございます。この真ん中の青い四角囲みの部分でございますけれども、そこでの問題点といたしましては、厚生労働省、年金機構において発注者主導の開発等はできない状況ということでございます。メインフレームといった特定の事業者の独自性の強いコンピューターが導入されているところと、業務アプリケーションの著作権が開発事業者に帰属しており、ほかの事業者の参入が困難な状況になっているということでございます。
これらの問題に対応して、複数の事業者の参入機会を確保した仕組みを整備することといたしまして、オープンな製品や開発言語とするほか、設計やプログラムの著作権も国に帰属させるということを実施することとしてございます。
システムのオープン化につきましては、2ページ目に記載してございますけれども、見出しに令和6年度に閣議決定されました政府の重点計画の抜粋といたしまして、レガシーシステムの残存リスクからの脱却が求められているということと、その下のほうのイメージといたしまして、オープン化で製品やOSもしくは知的財産権、そういったものがどのように変化していくのかを図示させていただいてございます。
1ページ目に戻っていただきまして、上から3つ目の○でございますけれども、フェーズ2の開発につきましては、何よりも国民の年金記録を安全かつ確実に移行させていくということを最優先にして、性能対策や現行機器の予備的な利用の実現など必要な方策を重層的に用意しながら、5年4月から4社と契約して、コミュニケーションを深めながら開発を進めているところでございます。非常に大規模な開発でございますので、様々な課題に対応しながらではございますけれども、前回機構のシステム部門担当理事からもお話がございましたとおり、計画どおりの稼働を目指して着々と取り組んでいる状況でございます。
これらをさらに後押しする取組といたしまして、最後の○のところで、開発現場を継続的に振り返り、円滑かつ合理的に管理していけるよう改善を続けるということを加えさせていただいてございます。こちらは下の絵にも描いてございますが、外部有識者による意見・助言等を踏まえながら、事業者の皆さんとともに開発の生産性を向上させる開発方法や開発管理方法、こういったものの見直しに継続的に取り組んでいる現状を記載させていただいているものでございます。
この取組の考え方につきましては、この後、情報セキュリティ・システム専門委員会から御説明いただきます。
私からの説明は以上でございます。
○松山部会長 ありがとうございます。
続きまして、小尾委員長からの御報告をよろしくお願いいたします。
○小尾委員 引き続きまして、厚労省からの説明に関連して、当部会に設置されました情報セキュリティ・システム専門委員会のまとめ役として、私、小尾から委員会の活動をお伝えさせていただければと思います。
情報セキュリティ・システム専門委員会、これは情報セキュリティ対策の強化やシステム刷新の円滑な実施を確保するために、専門的観点から検討を進めるために当部会に設置され、およそ2~3か月に1度のペースで開催しています。最近ですと2月3日に開催をしております。
専門委員会では、機密性から非公開とせざるを得ない具体的な開発の様子を機構と受注者である事業者の皆さんから直接伺うなどして、開発の進め方に関しての助言を行っています。当部会には随時または節目節目で検討結果を報告するということにされておりますので、昨年度に引き続き今年も報告をさせていただきます。
まず、現在、進められているフェーズ2の開発は非常に大きなプロジェクトとなりますので、課題が何もないということは当然ありませんが、機構や事業者の皆さんの工夫によってリスクを顕在化させないように取り組まれており、前回の管理部会で年金機構のシステム部門担当理事からお話がありましたが、おおむね順調に進めていると認識しております。
フェーズ2の稼働予定は令和12年1月となりますので、おおよそ4年後となります。専門委員会では、機構及び年金局が事業者とともにいろいろな対策を重層に用意しながら進めている状況を伺っていますが、システム開発には期限がありますので、いろいろな手を打つにしても、ゴールが迫ってくると対応する時間の制約がどんどん厳しくなってくると考えています。
また、フェーズ2の本格稼働に当たっては、年金制度改正の対応も視野に入れつつ、刷新後のシステム改修の最初の頃から開発生産性を確保していくことが非常に重要で、今の段階からそれに備えておかなければならないとも考えています。このため、専門委員会では、機構、年金局、それから厚労省のデジタル統括アドバイザーのほか、デジ庁や各事業者の皆さんに御協力いただいて、これまで取り組んできたフェーズ2のシステム開発や、それに対する開発生産性の向上に係る取組を振り返ってきています。
資料2-2は、令和7年度に開催された専門委員会で機構、年金局からお聞かせいただいた本格開発の様子、それから事業者の皆様から伺った情報提供に基づいて、目前に迫る今後の開発に向けて速やかに導入可能となる開発プロセスへの改善の余地がないかという評価・分析を進め、配慮すべき点を取りまとめたものになります。
資料2-2を御覧いただければと思いますが、1つ目は「公的年金制度におけるシステム開発への配慮」とあります。公的年金制度のシステムに求められる品質、コスト、デリバリーの前提というのは、刷新の前と後で変わるものではありませんので、刷新後の開発に向けては、少なくとも現行システムと同等の生産性を継続して確保できるようにすることについて、今から備えておく必要があると考えています。
2つ目は「請負契約における発注者の役割」であります。公的年金システムは長い歴史を持っているわけですが、その開発においては専門的な経験や知識を持つ事業者の皆様が仕事の完成まで、それを約する請負契約になっていますが、事業者の皆様が持つ生産性を最大に発揮するためには、まずは発注者が実施すべきことをプロジェクトの終わりまでパーソナルリーダーシップを持って適切に取り組んでいただくことが必要になります。もちろん言うまでもありませんが、システムの世界ではベンダーさんとの協力関係を築くことが重要になるわけですけれども、一方で、過度な依存にならないような発注者の姿勢が不可欠になると考えています。
3つ目は「客観的に合理的な開発標準等の活用」になります。これまで年金業務システムの開発は、機構が独自に作成した開発標準等を事業者の皆さんに利用させるということとしてきました。しかし、ITの経験や知識を持った事業者の皆さんが長年培ってきたノウハウに基づいてつくられている開発の生産性が確保された開発ルールを活用することは、客観的な評価が得られるのであれば、現時点において生産性向上の有効な手段と考えられます。また、管理のための管理とならないように事実を見極めて、管理の効率化を図っていくのも非常に重要なことです。
4つ目です。これは「受注者との円滑なコミュニケーション」になります。次の調達に向けては、令和5年度から既に動いている開発の現場の意見を踏まえて、現場がより働きやすいコミュニケーション方法等へ見直すべきと考えているものです。フェーズ2は、膨大な数の関係者が開発に関わります。膨大な関係者との共通の理解に向けては、会議の開催の仕方や対話を重視し、必要以上に文書の作成を求めないこと、それから各社がなじみやすいツールの利用など当たり前のコミュニケーションを現場の実情に応じてコンパクトに実現できるように見直していくことが効果的と考えています。
5つ目、これは「機構における実施体制への反映」となります。これらの見直しを行うことによって、現在の機構職員や外部支援業者の業務及び役割も変わっていくことが考えられます。次の調達に向けて速やかに点検を進めていただく必要があり、機構の外部支援業者についても、プロジェクトにおける機構の課題や目的に応じて的確な業務仕様に見直していくことが必要と考えています。
最後は「開発プロセスの継続的な見直し」になります。専門委員会が機構や年金局に示した具体的な見直しの取組については、事業者の皆様とともに試行を実施して、具体的な実効性を確認した上で、可能な範囲から段階的に導入していくことを求めています。また、開発プロセスは今後も発注者、受注者の協力関係の中で継続的に見直していくことが必要と考えていますので、その中で開発領域へのAIの活用や設計とプログラムの間に介在する開発ツールについても、遅れずに議論を進めていくことが必要と考えています。
以上が、専門委員会からの提言の内容となりますが、2月3日までの専門委員会において年金機構及び年金局に対してこれらの考え方に基づいて見直すべき取組を具体的にお示ししており、既に機構、年金局に取組を急いでいただいている状況であるということを伺っています。
刷新のプロジェクト、これはすごく長い取組となりますので、歴代の関係者による一つ一つの事実の積み重ねが結果となってきているものです。今後も様々な工夫を取り入れることや振り返りの繰り返しで、PDCAを持続していくことが効果的と考えています。
情報セキュリティ・システム専門委員会としては、今後もこのシステム刷新がスムーズに進むようにできる限りお手伝いをしてまいりたいと考えておりまして、発注者の皆様が問題として発現しないように管理している課題などについても現状を一緒に見極めて、引き続き適切な対応につながるような助言をしていきたいと考えています。
専門委員会としては、そういった取組により、刷新のプロジェクトがエビデンスを持ってステークホルダーに評価され、機構や年金局における今後のプロジェクトの道しるべの一端となれば幸いと考えております。
以上、私からの報告になります。ありがとうございました。
○松山部会長 どうも御報告ありがとうございます。
そうしましたら、ただいまの御報告につきまして御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。
松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員 お願いします。
セキュリティの運用の話ですので回答しづらいと思うので、コメントのみとします。
今回、年金記録システムにおけるメインフレームからオープンシステム化の今は、開発の話がありましたが、保守上の課題も1つ挙げたいと思っています。昨今、病院のランサムの事案でもありましたが、保守業者がメンテナンスのためにVPN回線、恐らくその一部はSSL-VPNといういわゆるウェブに露出するタイプの攻撃の経路となるようなものが設置されたという報道がありました。報道によって、それが業者によって20個もあったという話がありました。
これは、契約の中で担当者の意識していないところで入ったりするケースがあると聞いています。そうすると、ペネトレーションテストなどは機構でやられていますけれども、これのスコープから抜ける可能性が、要は認識していない経路となって抜ける可能性があるということもあるので、オープンシステム化の際に保守の契約も含めて、システムにそういった攻撃の経路、脆弱性をつくらないような点について、この発注者側の責任として適切な保守を徹底いただきたいと。これは何か回答を求めるわけではなくて、コメントとして残しておきます。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、ただいまのコメントも踏まえて今後の開発に生かしていただければと思います。
ほかには特にはないという理解でよろしいでしょうか。
そうしましたら、非常に大変な開発と思いますけれども、ぜひ皆さん今後もよろしくお願いしたいと思います。
情報セキュリティ・システム専門委員会も大変心強いサポートをいただいておりまして、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、この件については以上とさせていただきます。
続きまして、資料3「日本年金機構役員報酬規程の改正について」でございます。
機構から御説明をお願いいたします。
○絹田日本年金機構部長 日本年金機構人事部長の絹田でございます。
資料3「日本年金機構役員報酬規程の改正について(案)」の御説明を申し上げたいと思います。
改正内容の詳細に入る前に、まず本日の説明の趣旨を簡単に触れさせていただきたいと思います。
資料の2ページ目の下のほうに日本年金機構法を引用してございますが、当機構では役員報酬に関する支給基準を改定した場合、厚生労働大臣に届け出ることが義務づけられております。この届出を受け、厚生労働省より社会保障審議会に通知され、必要があれば意見を申し出ることができる仕組みとなってございます。
従来は、役員報酬の改定内容につきましては、厚生労働大臣への届出後に当部会にて御報告しておりましたが、平成28年以降、改正案の段階で事前に御説明申し上げる運用へと変更してございます。本日も、この運用に基づきまして、改正案を説明させていただくものでございます。
それでは、資料1ページを御覧いただきたいと思います。1点目の「改正の趣旨」でございます。今回の改定は、令和7年の人事院勧告を受けて、給与法が改正されたことに伴い、当機構の役員報酬規程についても、国の指定職等の取扱いに準じて改定を行うものでございます。
2点目の「改正の概要」でございますが、まず(1)常勤役員の基本給に当たる本俸につきまして、役職に応じて、月額2万円から3万1,000円を引き上げる内容となってございます。
なお、資料中段の表の下に※で記載しておりますとおり、現在適用されている月額は、年金記録問題に一定のめどがつくまでの間、減額措置が取られてございます。具体的には下の表に記載をしております本俸月額が適用されているところでございます。こちらにつきましても、同様に2万円から3万1,000円を引き上げる改定を行いたいと考えてございます。
2ページを御覧ください。(2)常勤役員の賞与月数でございます。国の指定職に準じ、年間支給月数を3.45月から3.50月に0.05月分引き上げる改定を行いたいと考えてございます。
続いて、(3)企画調整手当でございます。国の指定職に対し新たな手当が支給されることから、常勤役員に企画調整手当の新設をいたします。金額につきましては、国の水準の6割程度にしたいと考えております。
また(4)非常勤役員手当でございますが、1日当たりの手当額につきまして、こちらも国の取扱いに準じて1,000円の引上げを行うものでございます。
続いて、3点目の「改正・施行予定日」ですけれども、令和8年3月1日を予定してございます。常勤役員の本俸、企画調整手当及び非常勤役員手当につきましては、令和7年4月に遡及適用し、差額を令和8年3月に支給する予定でございます。また、常勤役員の賞与につきましても、令和7年12月期の賞与に遡及適用し、支給済みの賞与との差額を令和8年3月に支給する予定でございます。
なお、次のページ以降に、国家公務員給与法の改正概要や、令和7年人事院勧告・報告の概要を添付してございますので、詳細については後ほど御確認いただければと存じます。
また、今回の改定に関連し、役員以外の一般の正規職員についても、基本給、企画調整手当及び賞与支給月数を、国の対応に準じて引き上げたことを申し添えさせていただきます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○松山部会長 御報告ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
片桐委員、よろしくお願いいたします。
○片桐委員 片桐でございます。
これの1ページ目の2の(1)の※のところですね。特例ということについてコメントさせていただきたいのですけれども、この特例なのですけれども、年金記録問題に一定のめどがつくまでの間、役員報酬を減額するというものなのですが、前回もたしか申し上げたと思うのですが、そもそも組織再編があったような事案で、組織再編前の事案を理由に再編後に引き継いだ執行者にペナルティーを科すことは合理性に欠けるのではないかと思うのです。こういった話はあまり聞いたことがないと。それから、当面という非常に曖昧な期限の設定ですね。これも非常に問題があるのではないかと思っています。そもそも、リカバリーする人に対してペナルティーを科すこと自体、非常に合理性がないので、期限も決めることもできないのではないかと思います。
こういった合理性のないルールが、まかり通ること自体が非常に問題なのではないかと思っておりまして、この規定に関しては検討いただきたいと思っているところです。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
ただいまの御意見については、昨年も同じ御意見が出ていたかと思われ、御意見にもあったとおり、年金記録問題に一定のめどがつくまでの間というこの定めは、現時点で、めどがついていないならば未来永劫めどがつかない状況なのではないかと思われ、私自身もこれはさすがにどこかのタイミングでやめないことには仕方がないのではないかと思っておりまして、理事長も新しく交代されましたし、これを続ける意味、本当に合理性があるのかどうかは、ぜひ御検討いただきたいと思っております。
よろしくお願いします。
○三好年金管理審議官 年金管理審議官でございます。
経緯のある話でもございますので、私からコメントさせていただきます。今、片桐委員からお話がありましたように、減額措置の見直しはこれまでもこの管理部会の中で複数の方から御指摘をいただいているところでございます。当初、年金機構設立時に、先ほど資料の中にも説明がありましたけれども、年金記録問題に一定の目処がつくまでの間ということで、これは当時、年金記録問題を取り巻く非常に厳しい状況がある中で、年金機構としてしっかり事業運営に取り組んでいくのだといった決意の下に導入されたものであると認識しております。
年金記録問題の対応ということでいいますと、約5,000万件の未統合記録のうち約3,400万件は解明がされており、さらに毎年20万件ずつぐらいは記録統合に結びついています。様々な取組を通じて、記録問題については一定の進捗をしているのではないかと認識しております。
また、委員からも御指摘がありましたけれども、機構発足当時の役員は既に全員交代されていることや、これからも年金機構は様々な困難な課題に取り組んでいかなければいけない中で、優秀な方にお越しいただきしっかりと意欲を持って取り組んでいただくといった観点から、減額措置の見直しの必要性があるという御指摘があると認識しております。
私どもとしても、これを真摯に受け止めまして、年金機構とも連携して、そして事業管理部会の委員の皆様方とも御相談しながら、どういう方策を取っていけるかを真摯に検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○松山部会長 よろしくお願いいたします。
ほかに本件について御意見はございますでしょうか。
それでしたら、この件については以上とさせていただきます。
それでは、本日の議題はこれにて全て終了いたしました。
皆様、どうもお忙しいところを御参加いただき、ありがとうございます。
次回の日程につきましては、事務局から御連絡することといたします。
委員の皆様におかれましては、本日はどうもありがとうございました。

