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- 2025年2月6日 第77回社会保障審議会年金事業管理部会議事録
2025年2月6日 第77回社会保障審議会年金事業管理部会議事録
日時
令和7年2月6日(木)10:00~12:00
場所
全国都市会館 2階 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2
東京都千代田区平河町2-4-2
出席委員
会場出席委員:松山部会長、小野委員、大津委員
オンライン出席委員:小尾委員、片桐委員、黒田委員、辻委員、土屋委員
オンライン出席委員:小尾委員、片桐委員、黒田委員、辻委員、土屋委員
議題
(1)日本年金機構の令和7年度計画の策定について
(2)その他
(2)その他
議事
- 議事内容
○樋口事業企画課長 定刻になりましたので、ただいまより第77回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、本部会の臨時委員として1月24日付で新たに大津唯委員が任命されておりますので、御紹介させていただきます。
大津委員、一言御挨拶をお願いします。
○大津委員 ただいま御紹介にあずかりました埼玉大学の大津と申します。専門は社会保障論になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○樋口事業企画課長 次に、委員の皆様の出欠状況につきまして御報告させていただきます。
本日は、野村委員、松本委員から御欠席との御連絡をいただいております。
本日もオンライン併用での開催となっております。
松山部会長、大津委員、小野委員は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
それでは、ここからの進行につきましては松山部会長にお願いしたいと存じます。
○松山部会長 それでは、本日は、議事に入る前に、私から部会長代理を指名する手続を行いたいと思います。
1月28日付で山口部会長代理が任期満了となり、委員を退任されておりますので、後任の部会長代理を選出する必要がございます。
部会長代理につきましては、社会保障審議会令第6条第5項におきまして、部会長に事故があるときにその職務を代理する者として部会長があらかじめ指名することとされております。
部会長代理につきましては、辻󠄀委員にお願いしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○辻󠄀部会長代理 よろしくお願いします。
○松山部会長 それでは、カメラにつきましては、ここまでとさせていただきます。
(カメラ終了)
○松山部会長 それでは、議事次第に沿って、「日本年金機構の令和7年度計画の策定について」を議題といたします。
機構の年度計画は、日本年金機構法において、中期計画に基づき毎年度の業務運営について定め、各年度の開始前に厚生労働大臣の認可を受けることとされております。機構からは、資料1-1「日本年金機構令和7年度計画(案)の概要」と資料1-2「日本年金機構令和7年度計画(案)新旧対照表」の2点の資料が提出されておりますので、まず機構のほうから御説明をお願いし、その後に意見交換を行いたいと思います。
それでは、機構からの御説明をよろしくお願いいたします。
○岡日本年金機構企画調整監 日本年金機構経営企画部の岡でございます。
それでは、日本年金機構の令和7年度計画案について御説明を申し上げます。資料は今部会長から御説明があったとおりでございます。本日は資料1-1の概要で御説明を申し上げます。
令和7年度計画案の全体構成につきましては、令和6年度計画と同様でございます。
初めに、令和7年度計画案のコンセプトとなります前文の記載内容のエッセンスを1ページ目にまとめてございます。1ページをお願いいたします。上段の枠囲いでございますけれども、一番最初の○には、日本年金機構法に規定しております機構の使命を端的に記載してございます。2つ目の○です。令和7年度は引き続き、複雑な年金制度を実務とする機関として、無年金・低年金の発生を防止し、制度の公平性を維持し、正確に給付するための基幹業務の推進及びお客様サービスの一層の向上に取り組む。また、社会のデジタル化の動向を踏まえつつ、お客様の利便性向上、事務の効率化・正確性の確保の観点から、デジタル化をさらに推進するとともに、業務執行体制の見直しやお客様チャネルの再構築を進め、業務プロセスの改善等の各種改革にも着手するとしまして、3つ目の○でございます。令和7年の組織目標を「挑戦と改革-お客様サービスの一層の向上のためデジタル化を推進-」としまして、この達成に向けた重点取組施策を4つ、「業務処理のオンライン化の推進」、「お客様チャネルの再構築」、「基幹業務の更なる推進」、「柔軟で多様な働き方の実現」というふうにしてございます。
具体的には、下段の枠囲いに記載しております重点取組施策ごとの主な取組施策を中心に取り組んでいくこととしてございます。
続いて、項目ごとの内容については2ページ以降にまとめてございます。まずはⅠの提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項ということで、基幹業務関係からでございます。
資料の構成でございますが、一番左の欄に計画案の項目、その右隣の欄に前回12月の部会で令和6年度の取組状況の御報告を申し上げまして、その中で御説明申し上げたそれぞれの項目の課題のうちの主なもの、また、一番右側の欄に今回御覧いただきます令和7年度計画案の概要を記載してございます。
それでは、2ページの上段からでございます。Ⅰ-1、国民年金の適用促進対策です。課題として、制度周知、制度理解の促進を挙げてございまして、7年度計画として、確実な適用として、引き続き地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から提供される本人確認情報を基に、海外から転入された方を含めて確実な適用を実施するとともに、制度周知、制度理解の促進としまして、ハローワーク、市区町村、入管庁等と連携した取組を進めてまいります。
続いて、Ⅰ-2の国民年金の保険料収納対策です。課題として、未納者属性に応じた対策、特に大都市圏等未納者の多い地域での対策、外国人への対策を挙げてございます。7年度計画として、納付率等の目標について、現年度納付率は前年度実績からプラス1.0ポイント程度の伸び幅、過年度1年目納付率、最終納付率は80%台半ばを目指す。それから、口座振替、クレジットカード納付の実施率は前年度を上回る水準を確保する。
地域の実情を踏まえた対策について、地域属性による収納対策の効果検証を踏まえた年金事務所ごとの未納者属性に基づく納付者、免除者の割合を踏まえた取組や、大都市圏の未納者の多い年金事務所について、好調な拠点、低調な拠点の傾向の比較分析を踏まえた対策等を実施しまして、納付率向上を目指してまいります。
外国人関係につきましては、機構ホームページやパンフレットの充実により多言語対応等の環境を整備するほか、留学、技能実習、永住・定住、国籍などの属性に応じて、外部データなども活用し、地域の実情に応じた対策を講ずることとしてございます。
続いて、下段から3ページにかけてでございます。Ⅰ-3、厚生年金保険等の適用促進対策です。課題として、適用に当たって事業実態が把握できない事業所等への対策等を挙げてございます。7年度計画として、未適用事業所について、特に5人以上従業員を雇用している蓋然性が高い事業所に最優先で取り組み、7年度末までの適用を目指します。
また、3ページです。事業所調査について、昨年10月の適用拡大対象事業所に対する事業所調査等を実施することとしてございます。
続いて、Ⅰ-4の厚生年金保険等の保険料収納対策です。課題として、過去最高値でした令和元年度実績までの回復、向上等を挙げております。7年度計画として、収納率について、前年度と同等以上の水準を確保するとしてございます。徴収が困難な事業所について、地域代表年金事務所等に設置しております特別徴収対策課の役割を強化し、ほかの年金事務所への協力支援等を実施し、収納未済額の圧縮を図ってまいります。
続いて、3ページの中ほどです。Ⅰ-5、年金給付です。課題として、老齢年金の相談・請求件数が増加する令和8年度以降を見据えた組織体制・人員体制の整備等を挙げてございます。7年度計画として、年金事務所について、8年度に備えた専門人材の確保や相談ブース造設等の対応。また、中央年金センターについては、老齢年金請求書の電子申請の対象者拡大等を踏まえた安定的な処理体制の確立、また、センターの体制見直しに向けた作業への着手、それからサービススタンダードの達成率90%以上の維持、こういったものに取り組むこととしてございます。
続きまして、4ページの上段です。Ⅰ-6、年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止です。7年度計画として、これは引き続きの対応でございますが、ねんきん定期便及びねんきんネット等を活用した年金記録の確認の呼びかけ。新規の資格取得届提出時における確認や、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けの徹底に取り組んでまいります。
続いて、中段のⅠ-7、年金相談です。課題として、予約の取りづらい一部拠点について、各拠点の状況に応じた相談ブース数の適正化等を挙げてございます。7年度計画として、年金事務所について、予約の取りづらい拠点や令和8年度以降の年金相談の増加を踏まえた相談ブース数の確保等によりまして、予約率90%以上、また、予約がない場合の平均待ち時間30分未満を維持する。また、コールセンターについて、全ダイヤル合計、また各ダイヤルの応答率70%以上の確保、自動音声案内による通知書等の再交付自動受付サービスの導入等に取り組むこととしてございます。
続いて、4ページの下段、Ⅰ-8、分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進です。課題として、お客様目線でより分かりやすい情報提供等を挙げてございます。7年度計画として、分かりやすい情報提供について、モニターの活用によるお客様向け文書の改善、SNSを活用した情報発信や機構ホームページの機能改善等の検討をしてまいります。また、年金制度の理解の促進について、教育関係機関や企業等での年金セミナーや制度説明会の内容の充実、参加者の拡大、それからお客様サービスの向上については、点字等を活用した情報提供などに取り組むこととしてございます。
続いて、5ページの上段、Ⅰ-9の年金制度改正等への対応です。7年度計画として、次期年金制度改正の各改正項目について、施行時期を踏まえ、事務処理の整備、システム構築、体制の整備等の準備を着実に進めるほか、昨年10月の適用拡大を踏まえた届出の適正化のための事業所調査を実施してまいります。また、番号法改正等への対応について、本年5月以降に予定される戸籍への振り仮名追加に向けた年金受給者や被保険者の方々への周知等に取り組むこととしてございます。
続きまして、Ⅱの業務運営の効率化に関する事項です。5ページの中ほどです。Ⅱ-1の効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)でございます。課題として、チャネル戦略の目的・ビジョンの確定、取組事項の整理等を挙げてございます。7年度計画としまして、本部関係については、本日この後、チャネル戦略の検討状況についての御説明を申し上げますけれども、次期中期計画終了時点を見据え、各チャネルの到達すべき姿の実現に向けて、具体的な取組方針・取組事項を策定することとしております。また、年金事務所関係については、チャネル戦略等も踏まえて、年金事務所の機能・役割等の見直しについて検討をしてまいります。事務センター関係については、事務センター間の分散処理の拡大による業務量の平準化等に取り組むこととしてございます。
続いて、6ページの上段、Ⅱ-2、外部委託の活用と管理の適正化でございます。7年度計画として、これは引き続きの対応でございますけれども、年金個人情報を取り扱う外部委託につきましては、管理ルールを着実に実施し、各プロセスにおけるリスクの把握と組織的な管理を行い、年金個人情報の管理徹底と業務品質確保に取り組んでまいります。
6ページの中段です。Ⅱ-3、社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発です。課題として、フェーズ2開発につきましては、国民の年金記録の安全かつ確実な移行を最優先として進めていくといったことなどを挙げてございます。7年度計画としまして、フェーズ1につきましては、次期年金制度改正に係るシステム要件の検討・整理を行うほか、経過管理・電子決裁システム等の更改に向けた作業を進めてまいります。フェーズ2につきましては、令和5年度から着手をした本格開発につきまして、進捗や品質等を適切に管理しながら進めるとともに、着実に進めるため、体制整備や職員のスキル向上に取り組みます。現行のシステムにつきましては、機構ICT基盤の構築を着実に進め、令和8年1月から新たな環境での運用を開始することとしてございます。
続きまして、6ページ下段から7ページにかけてでございます。Ⅱ-4、ICT化の推進です。課題として、事業所向けについては、中小規模事業所の電子申請利用環境の整備、また、個人向けについてはオンラインサービスの利用促進や各種通知書のペーパーレス化などを挙げてございます。7年度計画として、事業所向けについては、中小規模事業所への利用勧奨の強化をしまして、主要7届書の電信申請割合は76%以上、全事業所における電子申請利用事業所割合は35%以上を目指すほか、オンライン事業所年金情報サービスの利用事業所数を12万事業所とすることを目指すというふうにしてございます。
7ページの上段でございますが、個人向けについては、サービスの利用率を向上させる取組を進めまして、電子申請割合について、国民年金被保険者関係届等は25%以上、国民年金保険料免除申請書は11%以上とすることを目指します。一番下のポツでございますが、年金個人情報を扱わない機構内部の業務、議事録作成や職員からの照会対応でございますが、生成AI活用の試行実施を行い、検証に着手することとしてございます。
続きまして、Ⅲの業務運営における公平性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項でございます。
7ページ下段から8ページにかけてですが、Ⅲ-1、内部統制システムの有効性確保です。7年度計画としまして、これは引き続きの取組でございますけれども、日報や事務処理誤り報告等の日々のモニタリングや月次公表、年次公表の点検・分析等を通じて、リスクの早期把握及び把握したリスクへの対応方針について関係部署と連携・情報共有を行い、事務処理誤りの発生防止に引き続きしっかりと取り組んでまいります。
続きまして、個人情報保護や文書管理の関係は割愛をさせていただきまして、最後のページでございます。9ページ、上段のⅢ-4、人事及び人材の育成です。課題として、65歳以降の高年齢層の知識・経験を生かした新たな仕組みの検討、また、所定労働時間短縮による時間外勤務の増加の防止、女性職員の一層の定着と活躍、システム分野の人材確保等を挙げてございます。7年度計画としまして、人事方針の関係では、専門人材の確保として、年金給付分野及びシステム分野について、外部人材の採用や専門職登用試験を通じ、安定的に確保してまいります。
また、60歳を超える職員の経験・能力を生かすため、シニア職員制度の新設・実施のほかに、70歳までの就業確保を視野に入れた新たな仕組みの導入を検討いたします。
働き方改革、女性活躍の推進の関係では、女性管理職比率につきまして、令和7年度末18%を確実に達成するよう取り組んでまいります。
優秀な人材の確保の関係では、新卒採用者の安定的な確保や経験者採用の必要人数の確保を図るほか、特にシステム分野の人材確保に取り組みます。
それから、Ⅳの予算、収支計画及び資金計画の関係については、資料1-2の別紙1から3でございますので、こちらは後ほど御確認いただければと思います。
また、Ⅴの不要財産または不要財産となることが見込まれる財産の処分に関する計画でございますが、廃止の方針を決定しております職員宿舎等の国庫納付に向けた手続を進める旨を記載してございます。
一番最後のⅥについては、対象となる計画はございませんので、記載はしていないという状況であります。
全体の説明については以上でございます。
○松山部会長 どうも御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明内容につきまして、御意見、御質問等ありましたら、挙手または挙手ボタンを押して合図をしていただきますようお願いいたします。
では、会場のほうから、小野委員、お願いいたします。
○小野委員 御説明ありがとうございました。三菱総研、小野でございます。
令和7年度の計画では、6年度の計画に比べて目標とする水準を具体化してくださり、とても分かりやすくなったと思います。事前の御説明で、どういうふうに水準を設定されたのですかと伺いましたら、現状の「できそうな水準」ではなくて、「少し難しそうと思われる水準」にまで踏み込んで目標設定をされていると伺いました。大変すばらしいと思います。一方で、一般の民間のサービスに比べると目標の水準がちょっと低いかなと思うところが幾つかありました。例えばコールセンターの応答率について、「70%」という目標を掲げられておられます。民間だと「9割」が応答率の目指す水準と言われますので、少しギャップがあると思います。
応答率の定義が違うのかもしれませんが、少しギャップがありますので、この辺、何等か検討されてはいかがでしょうか。すぐに上げられるものではないと思いますので、中期的な目標ということを御検討されるのも一案と思います。組織目標が「挑戦と改革-お客様サービスの一層の向上のためデジタル化を推進-」とありますので、民間の一般的な水準と大差ないような目標を掲げられるということも一つ検討すべきではないかと思いましたので、コメントさせていただきます。ありがとうございました。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
今の点に関して、何か機構のほうから御説明がありましたら、どうぞお願いいたします。
○草刈日本年金機構理事 どうも御意見ありがとうございます。事業推進部門担当理事の草刈でございます。
今ほど委員のほうからコールセンターの取組の目標ということで御意見いただきました。機構で応答率70%以上確保するということで設定した状況について一定御説明をさしあげたいと思います。
まず、コールセンターの応答率の目標設定についてでございますが、電話のつながりやすさによるお客様サービスの観点と、オペレーターを増加した場合の費用対効果の観点、こういったものを踏まえまして、70%以上というふうに設定をしてございます。また、令和6年度におきましては、全ダイヤル合計の応答率が70%以上に加えまして、いわゆる主となるダイヤルのねんきんダイヤルにつきまして、70%以上の応答率の確保を目標に掲げて、インターネットへの誘導等による入電量の削減、コールセンター間の連携による応答体制の強化、こういったことに取り組んでいるところでありまして、令和6年4月から9月の実績につきましては、全ダイヤル合計の応答率は80.6%という状況になってございます。また、ねんきんダイヤルの応答率は単独で76.7%といった状況になってございます。
令和7年度におきましては、この実績を踏まえまして、さらなるお客様サービス向上の観点におきまして、全ダイヤル合計及びねんきんダイヤルを含む各ダイヤル別でも原則70%以上の応答率を確保していきたいということで目標としたところでございます。
また、御意見を先ほどいただきましたので、そういった観点につきましても、検討を加えていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○松山部会長 ありがとうございます。
よろしかったでしょうか。
○小野委員 はい。ありがとうございました。
○松山部会長 そうしましたら、次に、大津委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○大津委員 ありがとうございます。私からは、Ⅰ-8の年金制度に対する理解の促進のところで1点お伺いしたいと思います。
私はこちらの取組は非常に重要であると思っておりますけれども、機構での取組に加えて、厚生労働省の年金局のほうでも、年金広報企画室が少し前に設置をされて、そちらでも年金の広報活動に取り組んでいらっしゃると思いますが、そちらとの連携とか、あるいは役割分担がどうなっているのかということを教えていただけますでしょうか。
○松山部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
○樋口事業企画課長 年金局事業企画課長です。
御質問いただいた広報の厚生労働省と年金機構の役割のようなところでございますけれども、特に若年層に対する広報は非常に重要だと認識していて、厚生労働省も年金機構もそれぞれ力を入れて取り組んできているという状況です。主に厚生労働省は年金制度を理解してもらって、制度についての意見をもらうことに主眼があるということでございますし、年金機構においては、制度の理解に加えまして、手続にどうやってつなげていくかというところに力を入れて取り組んでいるものと考えております。例えば、厚生労働省で行っております年金対話集会というのは、主に大学で行うことが多いのですけれども、年金制度の理解を促進し、対話を通じて御自身の年金について一緒に考えて、学生からの意見を聞きまして、今後の年金制度にどう生かすかということを主眼に置いてやっているということでございます。
一方で、年金機構で行っていただいている年金セミナー、これも若年層にということですけれども、高校でありますとか専門学校で行うケースが多いということでありまして、将来、被保険者、受給権者になる若年層に対して、理解を促進する、二十歳に到達するとか年金制度の対象になる時期に、正確な手続とか保険料納付方法につなげるための周知を行うといった形でやっているということでございます。
いずれにしましても、若年層に対する広報は非常に重要で、両方連携しながらやっていかなければいけないと思っていまして、広報の資材を共有しながらやるとか、連携しながら今後もやっていきたいと思っております。
以上です。
○大津委員 ありがとうございます。
私の大学の授業でも、年金機構さんに実施していただいている年金セミナーと、それから厚生労働省の方に実施していただいている年金対話集会と両方開催させていただいて、どちらもそれぞれよさがあると思っておりますので、ぜひ引き続き相互に連携を取って進めていただければと思っております。ありがとうございました。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、土屋委員、お願いいたします。
○土屋委員 御説明ありがとうございます。私からは4つあるのですけれども、簡単に教えていただけたらなと思います。
まずは2ページにあったⅠ-1の国民年金の適用促進対策のところなのですけれども、Ⅰ-1には書いていないのですが、Ⅰ-2のほうに若年者向けの年金セミナー等を実施すると、先ほど御回答の中にもその形の御説明があったかと思うのですけれども、その中で、若年者向けのセミナーが高校生とか大学生、専門学校生を対象としたとおっしゃっていましたが、それを先日の部会でも、小中学生とかもっと年齢層を下げて、年金という言葉を知らないながらも、年金ってこういう制度があるんだという、もっと小さい子たちにも知ってほしいなというところを御意見したかと思うのですけれども、そこら辺は7年の計画には盛り込まれないのでしょうかというところがまず1点です。
2点目ですけれども、Ⅰ-3の厚生年金の適用促進対策のところで、事業所調査が今入っているかと思います。私のところにも簡易調査というものの書式が、これってどうやって回答したらいいのですかという問合せが入ってきて、何度か見たことがあるのですけれども、簡易的な従業員さんの情報を郵送でお送りするだけのことなのですけれども、その中の下の詳細のページのところに、専門家、社会保険労務士と連携して事業主及び従業員の方に対する分かりやすい周知・広報の取組を行うというようなことがⅠ-2のほうに記載されているのです。これは昨年の令和6年計画にも全く同じものが載っていまして、結局具体的に社会保険労務士と連携したり、事業主さんとか従業員さんに分かりやすい周知をしていた取組というのは何だったのかというのがよく分からなかったので、簡単に分かればお聞きして、今年もそれを継続するというような認識でいきたいと思っています。なので、これもちょっと簡単に御説明いただきたいというのが2点目。
3点目は、Ⅰ-8の分かりやすい情報提供の取組についてのところで、ねんきん月間とか年金の日の取組みたいな形の記載があるのですけれども、これについてもあまり年金の日って有名ではない気がして、どういう取組をして令和6年度の計画を続行するのかなというのが3点目です。
最後がⅡ-4のICT化推進のところで、オンラインでGビズIDをお持ちの事業主に加えて、電子証明をお持ちの事業主さんとかにサービスが利用可能になったことを踏まえて、7年度中にサービス利用事業所を12万事業所とするという記載が6ページにあるかと思うのですけれども、その12万事業所というものの根拠を、どのぐらいの割合なのかというのがよく分からなかったので、そこを教えていただきたいです。
以上4点です。お願いします。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、御回答をよろしくお願いいたします。
○樋口事業企画課長 御指摘いろいろありがとうございます。年金局事業企画課長です。
広報の話が2点ほどございましたので、また年金機構のほうから補足があれば説明していただければと思いますが、まず、非常に若い子供たちに対する広報ということでございますけれども、厚生労働省のほうで取り組んでいる内容を少し御説明したいと思います。それそのものにつきましては、年金機構の計画には含まれていないものがもちろんあるということだと思います。
1つは、中学生や高校生につきましては、学習指導要領で公共などの科目が入っておりまして、その中で年金についても取り上げられることがあるということで、年金教育に携わる先生方に使っていただけるための教材の作成と提供を厚生労働省で行っているということであります。
また、子供たち向けということの1つの例なのですけれども、学研の漫画でいろいろな学ぶシリーズがあるのですが、「年金のひみつ」というのも民間事業者と連携してつくりまして、全国の小中学校でありましたり図書館に配付するといったこともやってきているところでございます。特に若いときから制度の理解を促進していくことは重要だということで、厚生労働省としても、まず制度を知ってもらうという意味で、そういった取組をしてきているということでございます。
もう一つは、ねんきん月間、年金の日の御質問をいただきました。年金の日と申しますのは、これも厚生労働省のほうで、年金制度について、自分の年金のことについていろいろな記録を確認いただいたり、将来の在り方につきまして考えていただく日ということで制定して、広報のきっかけにしているものでございます。11月30日ということでございますけれども、金融機関でありますとか関係機関と連携して広報をするといった取組でありますとか、年金機構とも連携いたしまして、出張相談をやっていただいたり、様々な場で広報に取り組む日としてやらせていただいているものでございます。これにつきましても、年金機構とも連携してやっていただいているということでありますけれども、厚生労働省のほうで主としてやっているようなところにつきまして御紹介させていただきました。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
それ以外に、御質問の2点目とかは、お願いいたします。
○草刈日本年金機構理事 事業推進部門の草刈です。
土屋委員の御意見に対しまして、先ほど厚労省のほうからも一定御説明がありましたけれども、機構のほうからも若干説明を加えたいと思います。
まず、年金セミナーの関係につきまして、前回、委員のほうから、大学や専門学校から目線を変えて、もう少し小さい子供を対象としたアプローチを課題として加えてはどうかといった御意見をいただきました。現在、日本年金機構では、主に高校や大学等教育機関を対象に年金セミナーを実施しています。一方で、小学生や中学生の方を対象にセミナーを実施していまして、地域の教育機関からの要望、教育関係者を通じて一部の年金事務所で実施をしております。
加えまして、ねんきん月間、年金の日における取組として、中学生から年金に関するポスターを募集して展示するといった取組も実施をしております。また、幼稚園、保育園児の方を対象に、将来の夢などをテーマに絵を描いてもらった作品を年金事務所に展示することと併せまして、園児の保護者向けに年金教室を行うといった取組も実施をしてございます。家族で年金を考えるきっかけになるのではないかということで、こういった取組を実施しておりまして、7年度におきましても、こういった様々な方を対象に年金セミナーを拡充していきたいと考えております。
説明は以上でございます。
○松山部会長 では、続きまして、よろしくお願いします。
○駒木日本年金機構理事 2点目の御質問いただきました厚年の適用の簡易調査の関係でございます。事業管理部門担当理事でございます。
御質問いただきました簡易調査につきましては、厚年の適用事業所に対する調査として、事業規模に応じた効率的効果的なものになるようにと考えて進めておりまして、具体的には10人未満の事業所に対しまして、これは200万ほど事業所がございますが、年間40~50万オーダーで行っておりますけれども、そこに順次簡易調査をさせていただいてございます。その周知等につきましては、記載例など、具体的にお答えいただく際のことについては周知等をしてございます。
御質問いただきましたのが、社労士さんと連携をして分かりやすい周知という記載に関してだと思うのですけれども、具体的には恐らく資料1-2の17ページの上のほうに書いている点かと思うのですが、これは主には適用拡大の対象になったような事業所であるとか、そういったところなどへの周知ということ、あるいは一般的な事業所様向けの制度の理解というところに関わる部分でございまして、簡易調査とかに着目したものとしてはあまり想定していないのですけれども、引き続き事業者の皆様によく分かりやすい形で私どもも周知し、適切に御回答等をいただけるように努力してまいりたいと思います。
以上でございます。
○松山部会長 ありがとうございます。
お願いいたします。
○中野日本年金機構審議役 審議役の中野でございます。
4点目の御質問のオンライン事業所年金情報サービス利用事業所数12万事業所という今の目標の考え方についてお答え申し上げます。オンライン事業所年金情報サービスの利用、令和6年度末おおむね10万社という状況でございます。令和6年度中の増加が大体5万事業所増加しているという状況でございますが、実はこれは令和6年度末にターンアラウンドCDが廃止をされるという特殊事情がございまして、こうした背景で5万事業所増えたという状況がございます。では、この令和6年度中の増加のうち、ターンアラウンドから電子送付に切り替えた事業所はどれぐらいかといいますと約3万5000事業所ございますが、その追い風というような影響を除去しまして、できるだけ最大限伸ばすというところで12万社を考えたところでございまして、12万社の目標の考え方については、こうした考え方によるものでございます。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
土屋委員、今の御回答でよろしかったでしょうか。
○土屋委員 どうもありがとうございます。
1つだけいいですか。今の御説明で理解いたしましたが、1点だけ、簡易調査のところに専門家と連携して従業員とかに分かりやすい周知拡大の取組を引き続き行うと書いてある、まさにおっしゃったとおり17ページのところを私は申し上げていたのですけれども、そこは場所がそこではないかなと思っていて、適用拡大だったら適用拡大のほうに移していただくほうが適切ではないかと思いましたが、いかがでしょうか。
○松山部会長 この記載箇所をということですね。
○土屋委員 はい。誤解を招くというか、簡易調査のところでそういう専門家を使って分かりやすく周知活動も一緒にしているみたいな感じに私は読み取れてしまったので。
○松山部会長 どうでしょう、これは機構のほうで御検討いただけますでしょうか。
○駒木日本年金機構理事 御指摘いただきました点を含めて、よく検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○土屋委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○松山部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、小尾委員、お願いいたします。
○小尾委員 御説明ありがとうございます。
私は、1点質問と1点コメントです。1つ目は、6ページⅡ-4のICTの推進のところで、事業所向けオンラインサービスの届出を35%以上まで目指すということなのですが、これについて現在の阻害要因は何かを分析されているのかをお聞きしたいと思います。申請に関しては、事業所からの申請を補助するプログラムの配付とか、結構いろいろなことをやられているようなのですが、そもそもGビズIDの取得率が、現状、デジ庁のホームページを見ると27%ぐらいしかないのですね。そうすると、ここで言う35%まで引き上げるというのは、GビズIDそのものの普及促進を行わないと難しいのではないかなと思います。そうすると年金局だけでできる話ではなくなってしまうので、今阻害している要因は何なのかということをお聞きしたいと思います。
もう一点はコメントです。人材の部分ですが、前からもお伝えしていますが、システム分野の人材については非常に大事だということで、人材確保に努めるということをお書きいただいていますので、ぜひこの部分については引き続きお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○松山部会長 ありがとうございます。
では、御回答をお願いいたします。
○中野日本年金機構審議役 審議役の中野でございます。
35%目標というところの目標設定した背景と阻害要因ということで御質問をいただきました。電子申請、電子送付ともに御案内のとおり、やはり中小の企業が大きなネックになっているところで、電子申請割合について大企業については8割を超えている一方で、50人未満の小規模の事業所が足を引っ張っている状況でございます。電子送付についての背景は、今、先生からも御指摘をいただいたところですが、GビズIDの取得がなかなか進んでいないことなどもあります。GビズIDだけを電子送付の利用条件にするとなかなか進まないという状況がありますので、この1月から、これは政府全体の見直しという形で、GビズIDを取得しなくても電子証明書等でも対応できるというような見直しが図られています。
そのほか中小企業の電子申請の阻害要因といたしましては、1つは届書作成支援プログラム、相当古いシステムということもあり、これが非常に使いにくい形となっているというところで、この辺りをしっかり使いやすいものに改善する。例えば、入力する際にエラーが出たりとか、あるいは返礼されてしまったりと、そういう利用者の声を分析した上で、可能なものから改善を図っていく。さらには、8年度以降になると思うのですが、抜本的なシステム改善をした上で、新しい届書作成支援プログラムを開発するという形で、できるだけ利用をしやすいような仕組みを構築する、特に中小企業中心に使いやすい仕組みを構築してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○小尾委員 ありがとうございます。
GビズID以外にも、代理人のマイナンバーカードで電子申請ができるというようなことも伺っています。入口の部分、いわゆる認証手段がしっかりしていないと電子申請は進まないので、そこの部分について、できるだけ中小企業の方がやりやすい方法をお知らせして誘導していくということを引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○松山部会長 では、そちらのほうもぜひ取り組んでいただければと思います。どうもありがとうございます。
そうしましたら、黒田委員、よろしくお願いいたします。
○黒田委員 ありがとうございます。
ちなみに、松山部会長の声がオンラインではものすごく小さくなってしまうのですけれども、音声を調整していただけたらと思います。
それで、ちょうど今、小尾委員からも御指摘があったシステム人材のところで質問があるのですけれども、システム、IT人材を確保するというのは本当に簡単ではないと思います。もう引っ張りだこだと思いますので。何か特別な措置を取っているのか。例えば、給与体系を別にするですとか、あるいは民間企業からの出向者を受け入れるとか、何か工夫されていることはあるのでしょうかという質問です。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、御回答をよろしくお願いいたします。
○立田日本年金機構理事 人事担当理事の立田でございます。
今御質問いただきましたシステム人材の関係でございますけれども、私どもの年金機構の正規職員の処遇につきましては、基本的に人事院勧告に基づきまして決めているということでございまして、設立当時からは特に、いわゆるシステム人材だとか通常の一般事務をやる職員に処遇差はなかったということでございますが、これまでの部会での委員の先生方の御意見も踏まえまして、少しではございますけれども、いわゆる民間企業からシステムのほうに採用する職員については、機構設立時からは、通常の民間企業の採用者につきましては経験年数を、ちょっと細かい話でございますけれども、1年を100分の90という換算を使ってございましたけれども、特にシステム人材につきましては、処遇の改善ということもございまして、その経験年数の換算を引き上げまして、それは令和6年4月から実施しているところでございます。そういったことで、年収ベースで見ますと40~50万ぐらいアップするようなところで推移をしているということでございますけれども、それ以上の処遇の改善は、今のところ行っていないということでございます。
ただ、採用後の処遇の仕組みとしまして、システム人材につきましては、一定の業務経験を踏まえて、後にさらに上位職にキャリアアップするというような仕組みも用意しているところでございまして、それ以外につきまして、さらにどのような改善ができるかというのは検討していかなければいけないということでございます。
また、委員の先生からいただきました民間企業等からの出向につきましては、現在は行っていないところでございますけれども、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○黒田委員 ありがとうございました。
○松山部会長 小尾委員からのコメントもありましたし、システムの刷新のところが今大変重要な局面になっておりますので、恐らくいろいろ報酬制度とかは制約があるのだと思いますけれども、その制約の中でも可能な限り工夫できるように、よろしくお願いしたいと思います。
○立田日本年金機構理事 承知しました。
○松山部会長 それでは、辻󠄀委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○辻󠄀部会長代理 辻󠄀です。
私はこの中では比較的経験が浅いということで、少しこの計画のやり方に慣れていないところもありまして、それも踏まえて、大きいことを3つお伺いしたいと思います。
1つは、この年度計画の中に、先ほど幾つか議論がありましたが、なるべく数値目標を盛ろうという意図は感じられておりますが、基本的に現状と、それからどのぐらい改善するかという数値は盛られているのですけれども、よほどこの業務に精通していない限り、その数値がどのぐらいの難易度のもので、どのぐらいの水準に相当するかというところがなかなか考察できないような仕組みになっているのですね。したがって、たまたま自分の知っているものについては民間企業と比べたりですとか、自治体や他の国の業務と比べてどのぐらいの水準かということが分かるのですが、それ以外のものは基本的に、機構が善意だという前提で文句はつけづらい計画になっているのですけれども、ひとたびどういう水準でこういうものを立てているのだろうかということを怪しみ出したら、結局これはどのぐらいの水準のものを、どのぐらい努力しているかという自分たちの努力もなかなかアピールしづらい。そういうような目標の立て方になっているのではないかと。もう少しこの数値目標を、現状や過去の自分たちの団体以外のものと比べながら、どのぐらいの努力に相当するのだということを物によってはアピールできるような仕組みがつくれないのかというのが1点です。
2点目は、これに付随して、基本的に計画を達成するということがこの目標になっているので、この中に効率化に資するような目標は非常に少ないのですね。質を向上させるだとか数値を上げるのはあるのですけれども、効率化に相当するものはせいぜい適正化と書いているものが多くて、全体の効率性を図っていくというようなものについて、この年度計画の中にどのぐらいの比重を占めているのかというのをお聞きしたいのが2番目になります。
最後に3番目なのですが、普通の行政でいったら財政計画に相当するものとか、それから、公務員に準じた運用をしているとすると人事計画、人員配置計画ですね。これに相当するような計画管理部分については、結局、国が予算管理するときに、国が管理するということになっていて、ここの部会の検討外のことになるのか、それとも10年計画ですとか、5年計画ですとか、もう少し大きい計画の中でトータルに効率性を管理することになっているのか、全体の行政人事管理、財政管理を担保する部分とこの部会の守備位置ないし計画の位置づけですね。そこのところを教えていただきたいというのが3番目になります。よろしくお願いします。
○松山部会長 どうもありがとうございます。非常に大局的な御質問をいただきました。
まずはどなたから御説明ということになりますでしょうか。
では、よろしくお願いいたします。
○樽見日本年金機構副理事長 すみません。もしあれだったら補足をしてください。
数値目標について、確かに現状と難易度をなかなか考察し難い。逆に言うと、それをまたアピールし難いような定め方になっているところについては、一応その考え方としては、こういう考え方で数値をつくりましたというところについてはあるのですけれども、あまりそれがシステマチックな形になっていないというのが御指摘の本筋ではないかなというふうにお聞きして思いました。そういう意味で言うと、現状、ほかのところとも関係するのですけれども、どこにどういうふうに資源をつぎ込んで、それをやっていくとどれだけになるというようなことを含めて、どう考えられるかという非常に大きな立てつけの話にもなってくるので、取りあえず御指摘として受け止めさせていただいて、これから書きぶりみたいなものを、この次につくるとき以降どういうふうに立てつけていくかということについて検討させていただきたいというのが率直なところでございます。ただ、そのような御指摘というふうに受け止めさせていただきたいと思います。
それから、最後の財政計画あるいは人員配置計画ということに関して、財政ということで言いますと、実はこの7年度計画の最後のところに、説明は省略してしまいましたけれども、予算というのがついているのですね。この予算が、厚いほうの資料で言うと最後のほうに表で入っておりますけれども、これが毎年度、政府の予算案と一緒ですけれども、前の年の夏に翌年度の要求をして、それを年末に政府の予算案として決めて、それを機構の分として切り出したものが予算案、収支計画案、資金計画案という形で、この計画の中に表として入っておるということでございますので、この部分がある意味、この計画の中の、そういう形で、いわば財政計画に当たるものというのは一部分をなしているという形になっています。
定員に関しては、したがって、この予算に反映する形での定員という形でこれに反映しているということであるのですけれども、別途、政府でいいますと、御存じのとおり定員削減計画というのがあって、5年間でどれだけということになっています。
機構に関しては、もう大分前になりますが、設立したときに基本計画というのがあって、その基本計画の中で、今取り組んでおりますシステム刷新をして、その後、2年後を目指して定員をどういうふうに変えていくということは基本計画の中に書き込まれています。ですので、全体の定員の計画に関して言うと、その基本計画に基づいてやっていますので、その基本計画の定員をいつどこでどういうふうに上書きするのかというのは課題であると思っています。これは厚労省の話になってくると思いますので、私が申し上げるのはのりを越えるのですけれども、それの中で対応するという形になっています。
それを受けて、全体の定員がどうかという基本計画で書いてある定員をブレイクダウンして、どこの部署にどれだけの定員をつけていくかということに関しては、私どもの中で、いわば理事会以下の中で、その張り付けについてはやらせていただいているという構造になっております。
ですので、先生の御質問に即して言うと、財政計画というのはこの各年度の計画の予算という形で一部をなしているということだと思いますし、政府と同じような人員計画というものについて言うと、定員全体が日本年金機構の基本計画の中で定まっていて、各年各年で見る形にはなっていないということだと思っています。
すみません。ちょっと抽象的な答えで恐縮ですけれども、構造としてはそういうふうになっているということで、最初の御指摘について、どういうふうに書いていくかということについては、ちょっと受け止めさせていただきたいと思った次第でございます。
○松山部会長 ありがとうございます。
今の点について、もし厚労省等から補足があるようであればお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○樋口事業企画課長 年金局事業企画課長です。
御質問いただいた予算等の立てつけのことでございます。先ほど副理事長から御説明がありましたけれども、補足させていただきますと、日本年金機構法上、予算等につきましては、まず中期計画に予算、これは人件費の見積もりも含むということでありますけれども、それと収支計画、資金計画というものも計画の中に含まれておりまして、今年度からそれはスタートしているというものでございます。5年のものがあるということでございます。また、年度計画につきましては、先ほど御紹介がありましたけれども、年度計画の中でも、予算収支計画というのも中に入れて提示させていただいているという立てつけになっているということでございます。
以上です。
○松山部会長 ありがとうございます。
あと、御質問が1点目と3点目の御回答をいただいて、2点目の御回答はいただいておりますでしょうか。辻󠄀委員の御質問で言うと、今回の計画の中に効率化に向けての目標が少ないような気がするので、どの辺りがそういうものなのかというざっくりとした御説明をいただければという御質問だったと私は理解しておるのですけれども。
○辻󠄀部会長代理 そのとおりです。
○松山部会長 では、よろしくお願いいたします。
○樽見日本年金機構副理事長 改めて、御指摘を踏まえて見てみますと、確かに何が効率化かというところで難しいのですけれども、あえて申しますれば、システム化をいろいろ進めていく。それから、より細かい、ちょっと性質が違うかもしれませんけれども、例えば国民年金保険料の納付率全体もそうですけれども、その中で口座振替とかクレジットカード納付を進めていくんだというようなことも、ある意味では効率化ということになってくると思いますし、あとは、まさに先ほどお話が出ていました電子申請割合をどういうふうにしていくかとか、いろいろなオンラインでの手続を進めていくところをどういうふうに増やしていくかとか、お客様との関係でも、例えば扶養親族申告書のようなものの電子申請をどういうふうにしていくかとか、そういったようなところがいわば効率化に資する目標になるかなと思います。
あとは全体として、先ほど御説明しました資料1-1の5ページの業務運営の効率化に関する事項の中で、最後のほうのⅡ-4、ICT化の推進というところが、今申し上げたようなシステム化という形での効率化になるわけでございますけれども、それより上のⅡ-1、Ⅱ-2、Ⅱ-3は、御指摘のとおり、率直に申し上げて数値目標という形にあまりなっておらないところがございます。この辺、先ほどの1番目の御指摘の数値目標と併せて、ここはどういうことができるのかということについて考えさせていただきたいと思います。
あと、効率化ということに関して言うと、これは先生に申し上げるのは釈迦に説法で大変恐縮でございますけれども、私どもは一応民間組織という形にはなっておりますが、同時に政府の一員としての特殊法人ということでございますので、例えば会計検査院の検査を受けるというような形で、政府の機関の一環としての様々な効率的な資源の活用に向けての取組の中に取り込まれておるという構造になっていますので、そういう仕組みとしての効率化が図られるという立てつけになっておることについては、改めて言うまでもないことかもしれませんけれども、申し上げておきたいと思います。
○松山部会長 では、どうぞ、理事長、よろしくお願いいたします。
○大竹日本年金機構理事長 機構理事長の大竹です。
辻󠄀委員、ありがとうございます。私も民間から来ましたので、委員がおっしゃったことと同じことを内部で言った記憶がございます。それで、計画にはないですけれども、例えば、納付率を上げるために事務所で山ほど郵便物を送っているところがあるのですね。郵便料金が上がって、どれだけの郵便コストをかけてこれを獲得したのだろうかというようなことがよく分からない。それはちょっと調査してみようかと。では、コスト対効果をどうやって計測したらいいのかなというのは課題でありますので、そういった観点を忘れないでやっていくということが、これからますます必要になってくるのではないかという観点で、委員の御指摘はもっともだと思いますし、そういった方向で改善を図っていきたいと思っております。
以上です。
○松山部会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○巽年金管理審議官 できるだけ定性的な目標から定量的な目標にということで、この一、二年ぐらいから定量的な目標を機構のほうにはつくっていただいているというのがあると思います。効率化という意味では、やはりオンラインサービスというのが一番効果的には出ると思います。今も例えば事業所向けのオンラインサービスとか、個人向けのオンラインサービスをかなり数値目標化していただいている。この目標は今、割合で示しているところもあるので、今理事長がおっしゃったような、どういうところで、例えば先ほどおっしゃったように、ねんきんネットでするようになったからもう通知は要らないとか、郵便物がなくなったのでどれぐらい削減されたとか、その辺りがあると思います。効率化だけではなくて、電子化というのは利便性も当然あって、電子化が進めば保険証の届出が早くなるとか、そういう標準処理期間とかの問題もあります。ですから、その辺りをどういうふうに分かりやすく説明するかというのは、機構と連携して目標化していきたいと思っております。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
辻󠄀委員、よろしかったでしょうか。
○辻󠄀部会長代理 十二分に御回答いただきまして、ぜひよろしくお願いします。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、ほかに御質問がおありになる方はいらっしゃらないという理解でよろしいですかね。どうもありがとうございます。
そうしましたら、「日本年金機構令和7年度計画(案)の概要」につきましては、各委員から本当に様々な御意見をいただきました。
1点、土屋委員からの御指摘事項については、適宜な記載場所を機構のほうに御検討いただけるということでございますけれども、その辺りの若干の修正については、最終的に機構のほうで御判断いただいたものを部会長のほうに御一任いただき、その上で本日、この計画については皆様の御了承を得たという形で進めさせていただきたいと思いますが、そのような進め方でよろしゅうございましょうか。
(首肯する委員あり)
○松山部会長 ありがとうございます。
そうしましたら、そのような形で、この令和7年度計画案については進めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、議事の2つ目、その他の事項に進みたいと思います。
資料2「オンラインビジネスモデルの進捗状況とチャネル戦略の検討状況」について、機構から御説明をお願いいたします。
○中野日本年金機構審議役 審議役の中野でございます。
資料2を御覧ください。これは中長期を見据えて、お客様との重要な接点であるチャネル、具体的には対面、電話、文書、ネット、この4つがあるわけでございますが、その将来像を明確にしまして、共通認識を持って具体的な取組を進める必要があるという考え方の下、今、機構では「チャネル戦略」を検討しているところでございます。その検討状況と併せまして、さきほども議論になりましたが、チャネル戦略を推進するに当たっての重要な手段であるオンラインビジネスモデルの進捗状況についても御説明を申し上げたいと思います。
2ページをお開きください。オンラインビジネスモデルの推進につきましては、さきほども議論がございましたが、政府全体のデジタル化の方針に沿いまして、事業所向け、それから個人向け、それぞれについて利用促進を図っているところでございます。
まず、事業所向けについてでございますが、政府共通のインフラであるGビズID、それから電子証明書、e-Gov、マイナポータル、いろいろございますが、これらを活用しまして、事業所から年金機構への申請をネット経由で提出する電子申請、それから逆に機構の側から事業所に向けたお知らせを電子送付するオンライン事業所年金情報サービス、この双方を推進しているところでございます。
3ページに進んでいただきまして、まず、電子申請のほうについてでございますが、これは被保険者数が多いということで、効果の高い大規模事業所を中心に個別勧奨に取り組んできました。その結果、主要な届書ベースで言いますと、電子申請率74%まで達成するなど順調に推移してございます。一方、事業所数ベースでは、先ほども議論がございましたが、全体対象事業所のうち33.9%という状況でございまして、大規模な事業所では活用されるものの、特にやはり中小企業、こちらを中心にさらなる活用促進が必要ということで、推進に取り組んでいるところでございます。
なお、電子送付サービスにつきましては、3ページ下段のグラフのとおり順調に増加をしているところでございますが、この1月からは、従前のGビズIDをお持ちの事業主に加えまして、電子証明書でも利用できるようにするなど、より利用しやすい環境整備が図られたところでございまして、さらに推進を図ってまいりたいと考えてございます。
続きまして、4ページに移っていただきまして、個人向けのオンラインサービスについてでございます。こちらの表に書いていますとおり、情報提供、相談、申請・手続、通知書のペーパーレスでの電子送付など、各プロセスでのオンラインサービスの拡充を図ってきておりまして、例えば朱書きで記載していますとおり、この1月からは対象者を限定して試行的にオンラインでの文書相談を開始したほか、ねんきん定期便の電子データ送付機能をマイナポータルに機能追加する等々のサービス機能拡充を順次図ってきているところでございます。
利用状況につきましては、5ページに記載のとおり、ねんきんネットユーザー、これはマイナポータルからの連携による簡単な加入手続を可能としたことの影響もございまして、1,200万人を超えるという形で順調に推移しているところでございます。
一方、個人向けの電子申請、電子送付の利用状況、これは5ページの右下の表のとおりでございますが、おおむね10%程度の利用状況のものが多いという状況でございまして、さらなる利用拡大に向けて、積極的な利用勧奨に向けた取組等に取り組んでまいりたいと思ってございます。
次に、6ページ以降がチャネル戦略の検討状況でございます。チャネル戦略につきましては、今まで御説明したとおり、オンラインビジネスモデルを積極的に活用・推進する中で、次の中期計画期間が終了する10年後に到達すべき姿、つまりそのビジョン、将来像を明確にしつつ、そこからバックキャストをした上で短期、中期、長期、これらの具体的な取組方針、これを今後具体化していきたいと考えてございます。
7ページにチャネル戦略推進の目的を記載してございますが、チャネル戦略の推進に当たりましては、1つはお客様の利便性と安全性の向上、それから、プッシュ型の情報提供など、「お客様の年金権を確実に確保」する。こうしたことに加えまして、デジタル化の推進を通じた「事務処理の正確性の向上」、それから、今も議論ございましたが、今後、機構へのニーズが増大する中、限られた経営資源で質の高いサービスを提供するという「業務運営の効率化」、こうしたことを両立させる形で目指していきたいと考えてございます。
8ページ、9ページ、こちらに10年後に目指すビジョンを記載してございます。基本的な考え方としましては、原則、ネットチャネルを御利用いただくことを前提とし、ネットを利用しやすい環境整備を図りまして、ネットチャネルに誘導する。各種手続がネットで完結する環境を構築する。一方で、電子サービスが利用できないお客様も一定数いらっしゃるということで、一定の対面チャネルを維持する一方、対面チャネルにつきましても、ネットとの融合という形で身近なアクセスポイント、これは例えば市町村役場等にネットのオンライン機器を置いた上で、ネットを通じてリアルの相談と同等のものを遠隔で実施する、そうした取組をするとか、あるいはリアルな相談、対面相談の窓口でもタブレット等を活用しまして、利便性、効率性、サービスの質の向上を両立させて推進していく必要があると考えてございます。
さらに、8ページの(3)の3つ目の矢印のところにありますとおり、こうしたチャネル戦略推進によって達成した効率化分については、これも先ほど議論がございましたが、今後増加する基幹業務に必要な経営資源として再配分するという形でしっかり活用していきたいと考えているところでございます。
9ページは、今御説明した内容を、現状、将来像という形で図示したものでございますので、御参照いただければと思います。
いずれにしましても、こうしたビジョンについては、先ほど6ページで御説明したとおり、今後、短期、中期、長期という具体的なアクションプランという形で具体化を図ってまいりたいと考えてございます。
私からの説明は以上でございます。
○松山部会長 どうも御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。
では、お願いいたします。
○小野委員 御説明ありがとうございました。10年後の姿からバックキャストするということで、非常に前向きな御提案と理解しております。
御案内のとおり、生成AIがかなりのスピードで進化しております。現状、オペレーター支援、チャットの支援といった形でしか使われておりませんけれども、5年以内には無人の音声応答というものが普及してくるだろうと言われております。そう考えると、10年後であれば、個人の状況に応じた無人の音声AIエージェントが対応してくるというのはかなり確度の高い話なのかなと思っております。
こうした前提でいろいろなものを御検討されていると思うのですけれども、ネットという言葉の中に、バーチャルAIなどと対話するといったものも含めて御検討いただけると幸いです。ぜひ先進技術を積極的に用いて検討を進めていただきたいと思います。
そのときに一番大事になりますのが、セキュリティーの対応と考えます。別のお客様の個人情報を話してしまうとか、お客様が他人になりすまして聞いてくるみたいなことは考えられる話です。年金という非常に大事な情報になりますので、リスクを洗い出して、技術的にどういうふうに対応していくかということと、それから、無人化していくということを同時並行で進められるような御検討をしていただければと思っております。
恐らく音声AIエージェントは割と一般的になってくると思うのですけれども、AIを嫌がるお客様、使えるのだけれども嫌がるお客様というのも一定程度いらっしゃるかと思います。御指摘のとおり、対面チャネルを一定残すとか、人で対応するところはどこなのかということをクリアにして進めていかれるとよいのかなと思いました。
技術の進歩が非常に早いので、予想していたことよりもどんどん先に進んでいってしまうので、見直しをしながら新しいものを取り入れるように進めていただければ、国民としても非常にありがたいと感じます。ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
ただいまの点について、機構側で何か御検討状況などがありましたら、御説明をお願いいたします。
○中野日本年金機構審議役 ありがとうございます。
最新技術、特にAIについては、まず身近なところからということで、機構の内部業務、議事録を起こしたりというところから、応用の利くところでいいますと業務手順書を取り込んでその活用方策を検討するなど、それを技術検証事業という形で着手しようとしているところでございます。ただ、一方、御指摘のとおり、機構の場合については個人情報を扱っているという難しさもありまして、最新技術を活用するに当たっては、しっかりその当たりも留意しながら、お客様に対してどういう形でよりよいサービスを提供できるかしっかり検討していきたいと思います。御指摘ありがとうございました。
○小野委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○松山部会長 どうもありがとうございました。
そうしましたら、続いて、黒田委員から挙手いただいております。よろしくお願いいたします。
○黒田委員 ありがとうございます。
事前の御説明のときに、KPIとかはこれからつくるのですかと言ったら、つくりますという話だったので、これからの話だと思うのですけれども、チャネル戦略というからには、チャネルミックスが、何割がこのチャネル、何割がこのチャネルというその現状が、10年後は何対何対何になる姿を目指すというものがあると分かりやすくなるかと思いました。さらに、チャネルミックスがそのように10年後にもし変わったとしたときに、先ほどから議論にある収益性の部分ですね。どのぐらいの工数削減につながるのかということも試算できたりすると、やるに値する取組なのかどうかというのが分かりやすいと思いますというコメントです。
もう一つ、特に個人のほうなのですけれども、オンライン申請等に仕向けるためのナッジといいますか、どんなふうにしてインセンティブを与えるかというところで、マイナンバーのときにアプリをダウンロードするとペイペイポイントが5,000ポイントもらえるみたいなキャンペーンがあって、私も普段はそんなポイントとかに反応しないのですけれども、なぜかあれはすごく反応してしまって、慌てて駆け込んでやったみたいなことがあって、ものすごい反響があったと思うのですけれども、工数削減が見えていれば、ちょっとそういったお金をかけてでも、こっちに促すようなナッジ戦略を取るというふうなこともできたりするのではないかなと思いましたので、コメントでございます。
以上です。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
では、機構のほうからよろしくお願いいたします。
○中野日本年金機構審議役 ありがとうございます。
6ページに記載しましたとおり、短期、中期、長期について具体的な取組方針を定めるというふうにしてございまして、こうした検討の中で、御指摘のKPIについても、どのようなことができるかしっかり考えていきたいと思います。
その上で、インセンティブについて、これは民間ベースで言いますと、例えば紙の請求書については加算料金を取るみたいな話もございます。どのようなインセンティブがありうるか、これは一般的な公共のサービスについて言いますと、料金を別に取る、あるいは割り引く、いろいろやり方はあると思います。一方で、年金等の社会保険の世界では、いろいろ制約がございますので、簡単ではございませんが、今先生がおっしゃったような視点について、ナッジといった金銭的なインセンティブ以外の誘導方策も含めて、どのような方策があるかというところはしっかり検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、いろいろと御意見、御質問がありました。ぜひこれを参考にまた検討を進めていただければと思っております。
それでは、この件については以上とさせていただきます。
続きまして、資料3「業務・システム刷新の実施状況について」ということです。こちらについては、情報セキュリティ・システム専門委員会での議論を踏まえて、年金局から御説明をいただきます。あわせて、昨年末に専門委員会の委員長に御就任いただきました小尾委員長からも御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○保坂システム室長 年金局システム室の保坂でございます。よろしくお願いします。
資料3の説明を私のほうからさせていただきたいと思います。
まず1ページ目でございます。年金記録管理に関するシステム刷新ということでございますが、現在の公的年金業務の基幹システムにつきましては、記録管理システム、基礎年金番号管理システム、年金給付システムという大きな3つのシステムに分割されているところでございますけれども、このうちの記録を管理するシステム、記録管理システムと基礎年金番号管理システムを刷新いたしまして、年金業務システムという新たなシステムを構築するプロジェクトに取り組んでいるところでございます。
政府最大級でございますこの刷新のプロジェクトの開発につきましては、段階的に進めることとしておりまして、平成29年より各種届出のデジタル化など内部処理の効率化といった対応をフェーズ1として先行稼働させておりまして、順次手続の拡大等の取組を進めているところでございます。今般進めようとしてございますフェーズ2につきましては、システムをオープン化しながら、政府最大級のデータや機能について、現行システムからの移行に着手するということで今進めているところでございます。
そこでの問題点とそれに対する取組といたしまして、真ん中の青い四角囲みの部分でございますけれども、問題点といたしましては、厚生労働省、年金機構において発注者主導が十分に発揮されていないということでございます。メインフレームといった特定の事業者の独自性の強いコンピューターが導入されていることや、著作権が開発事業者に帰属していることなど、発注者が特定のベンダーに依存しているといった状況でございます。これらの問題に対応して、複数の事業者の参入機会を確保する仕組みを整備することといたしまして、オープンな製品や開発言語とするほか、設計書やプログラムの著作権も国に帰属させるといったことを実行して、今、フェーズ2は令和5年10月より4社と契約して開発を進めているところでございます。
フェーズ2につきましては、何よりも国民の年金記録を安全かつ確実に移行させることを最優先として取り組んでおりますが、開発当初より実施してきておりました、この絵の下の右側にブルーで書いてございます検証作業の結果、オープンなシステムとした場合に、その性能向上策の追加が必要となるということが分かってございまして、より効果的な方策の特定を今、急いでいるところでございます。今後、その方策の取組ですとか、次期制度改正に係る開発の取組の追加といったものを想定しますと、令和12年1月のシステム稼働を目指していくということを考えているところでございます。このため、現在使用しております機器を稼働予定の2年後ぐらいまでバッファーとして予備的に利用可能とできるように、提供事業者との調整を今進めているところでございます。
2ページ目でございます。システムのオープン化ということで、どういったことかを図示してございます。見出しのところに書いてございますデジタル化に係る産業全体のモダン化ということで、デジタル社会形成基本法に基づき、閣議決定されております政府が取り組むこととされている重点計画の一部を抜粋して記載してございます。レガシーシステムが残存すると、安定供給や事業継続におけるリスクを抱えるため、脱却していくということが官民ともに求められているということでございまして、下に図示しているところ、現行の社会保険オンラインシステムは左側の列でございまして、フェーズ1、フェーズ2として作っている年金業務システムが右側の列になってございます。製品、OS、アプリケーションといったところが特定のベンダーの独自の技術を使っておりまして、さらにシステム構成のほうも今、一体型のシステムというところ。それから、そのシステムに係る設計書やプログラム等の知的財産権は受注者であるベンダー側に帰属しているというところで、特定のベンダーとの随意契約しかできない仕組みになってございますが、刷新では右側の方に切り替えてきてございまして、複数の事業者が提供可能な製品、OS、開発言語とするほかに、システムのほうも一体型のシステムから、年金記録管理ですとか保険料債権管理といった業務単位のサブシステムに分割して調達を進めてございまして、それらの開発の成果物である設計書、プログラムなどは発注者に帰属させる契約としてございます。これをもって複数のベンダーでの入札を目指せる仕組みに変更してございまして、先ほども少し申し上げたところですが、令和5年度のフェーズ2の調達におきましては、7つの区分に分割して調達したところで、現行ベンダー以外にも、例えば製品のエリアですとか、画面をつくるエリアですとか、入りやすいところからそれぞれ新たな3ベンダーとの契約が成立してございまして、全4社との契約ができているところでございます。
いずれにいたしましても、この年金事業管理部会にマルチベンダー体制による特定の事業者依存からの脱却ということは専門委員会からも報告いただいているのがフェーズ2の基本方針でございまして、オープン化自体は全ての府省が政府の計画に基づいて取り組んでいるという状況でもございますので、引き続き調達手続を始める前に、公開プロセスでしっかりと競争の成立性を確かめた上でできることを進めていければと考えてございます。
最後に3ページ目でございますけれども、令和12年1月稼働に向けてということで、開発期間中に行わなければならない制度改正対応等による既存システムと新システムの新旧2つのシステムの開発を効率的に行う方法でございます。こちらは2年前の年金事業管理部会において、専門委員会の前委員長からも検討すべきと、この年金事業管理部会の方にも御報告いただいているものでございます。フェーズ2は、超大規模な現行システムからのデータや機能の移行を進めていく、さらにそのオープン化を進めていくといった最中でございますので、今後、制度改正が具体化してシステム対応が必要となった場合には、まずは現行システム側のほうで開発いたしまして、そちらで出来上がった機能をフェーズ2における総合的なテストの前にはオープンな言語に機械変換して、総合的に行うテストの前、右側の茶色の一番下のテストのところですね、こちらの前までには安全かつ確実に全て取り込める状態にしておきたいと考えてございます。
今御説明した3ページの内容を受けまして、フェーズ2の稼働時期を見直したフェーズ2プロジェクト憲章の全文につきましては、参考資料として資料のほうに入れさせていただいておりますので、本日、説明のほうは割愛させていただきますが、お時間のあるときにお目通しいただければと思います。
私からの説明は以上でございます。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
それでは、小尾委員長のほうからも一言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○小尾委員 ありがとうございます。小尾です。
昨年12月に大山永昭前委員長が御逝去されまして、それを踏まえて、一旦私が情報セキュリティ・システム専門委員会のまとめ役をさせていただくことについて、松山部会長から御指名をいただいたということになります。
私からは、専門委員会からの年金記録システムの刷新に関しての意見を述べさせていただきたいと思います。
専門委員会は、大体数か月に一度のペースで開催しておりまして、近々だと1月30日に開催されております。そこでは機構とベンダーによる開発の様子を伺うなどして、現状の確認や開発の進め方に関しての助言を行っています。本日の意見は、昨年度からこれまでに開催された専門委員会において年金機構及び年金局からお聞かせいただいた本格開発の各種取組に関する説明、それに対する受注者へのヒアリングを行ったものに基づいているものになります。
先ほど年金局から御説明いただいたとおり、検証作業を行っていった結果、性能向上策が必要になるということが明らかになりまして、現在、機構がベンダーと密接に連携しながら具体的な性能向上策の策定及びその導入に向けて日々取り組んでいる状況ですが、最近、課題解決のめどがようやく見え始めた状況を確認しております。この点については、現在実現できる業務レベルが低下しないということが非常に大事ですので、そのための性能をしっかり確保いただくということは当然です。また、新たな対策を追加しても、年金局、機構が想定している令和12年1月の稼働時期までに完了できるということや、コストが過剰に増えないということも重要だと考えています。
また、開発期間中に行われる制度改正等に対する既存システムの改修または新システムへの要件追加ということについて、新旧2つのシステムの開発を効率的に行うという方向についても御説明いただきましたが、こちらも計画をスムーズに履行するためにはベンダーと連携した事前の準備や取り込み作業のシミュレーションが非常に重要になると考えています。機構からは、段階的に事前準備を進めていく旨を伺っておりまして、その状況は専門委員会として継続的に確認させていただくことを考えています。
今回のようなシステムは、技術的に極めて困難なシステム構築、いわゆるものづくりなわけですけれども、その阻害要因を一つ一つ排除していくことでゴールに近づくものということで、最も重要なことは受発注者と支援いただいているデジタル統括アドバイザーの皆さんの英知を結集して、技術課題の本質を見極めて、その対策を考案するということです。
専門委員会では、その進め方の根拠とか実情を皆さんからお聞かせいただいて、それをしっかり確認していくということを通して、客観的に見てその進め方が妥当であるかどうかがきちんと説明できるようにしてくださいということについての助言をさせていただくことにしています。
また、先ほど御説明にありましたが、現在、年金局と機構は、ベンダーとともに計画の一部変更の調整を進めています。オープン化の方針やシステム移行についてのプロジェクト憲章などの点で目指しているものは変わらないわけですが、昨年度の御報告から時期を少し後ろに変更することを選択せざるを得ない状況にあると見ています。このために、昨年11月に開催した専門委員会では、委員会の見解として、発注者が求める令和12年1月稼働に向けた計画変更の実現に向けて、発注者、受注者、それからアドバイザーの方々、皆様が英知を結集して取り組むようにということをお願いさせていただきました。
昨年度、管理部会で大山前委員長もおっしゃっていたのですけれども、開発を進めていき、技術的な課題が現実の問題となった場合に、発注者及び受注者にはそれぞれの都合が優先されるという場面が出てきます。専門委員会としては、このような場面において明確な根拠、エビデンスをもって説明する責任が受注者にあると考えていまして、しっかりとした解決策を検討するために、課題、問題の本質を明らかにして、きちんとした説明責任を果たしていただくことをお願いしているところです。その上で、客観的合理性が認められる根拠が示された場合には、その内容をさらに精緻化して、それが実際に許容できるような形になった場合には、計画等の見直しを行っていくことになるということをお伝えしています。
いずれにしても、このプロジェクトはこの先5年間にわたる長いプロジェクトということですので、できること、できないことをその時々で判断しながら進めていくことが必要になります。機構からは、今後も課題に対して円滑に対応するために、発注者と受注者でのパートナーシップが円滑に取り続けられるように、必要に応じて体制や進め方を見直していくような構えがあるということを伺っています。
情報セキュリティ・システム専門委員会では、今後もこのシステム刷新がスムーズに進むように、できる限りお手伝いをしてまいりたいと思っています。今後発現する課題またはリスクの本当の原因が何かというのを発注者側の皆さんと一緒に見極めて、適切な対応につながるような助言をしていきたいと考えています。
以上で私の発言を終わりにします。御静聴ありがとうございました。
○松山部会長 どうもありがとうございます。
そうしましたら、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。
特にないということで、本当に大変なシステム開発だと思いますので、機構の皆様、また専門委員の皆様、小尾委員長にも、今後ともぜひよろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
そうしましたら、この件については以上とさせていただきます。
続きまして、最後ですね。資料4「日本年金機構役員報酬規程の改正について(案)」でございます。機構から御説明をお願いいたします。
○絹田日本年金機構部長 日本年金機構人事部長の絹田でございます。
資料4、日本年金機構役員報酬規程の改正(案)について御説明申し上げます。
改正内容の詳細に入ります前に、まず、本日の説明の趣旨を簡単に触れさせていただきたいと思います。資料の2ページ目に日本年金機構法を引用してございますが、当機構では、役員報酬に関する支給基準を改定した場合、厚生労働大臣に届け出ることが義務づけられております。この届出を受け、厚生労働省より社会保障審議会に通知され、必要があれば意見を申し出ることができる仕組みとなってございます。従来は、役員報酬の改定内容につきましては、厚生労働大臣への届出後に当部会にて御報告しておりましたが、平成28年以降、改正案の段階で事前に御説明申し上げる運用へと変更しているものでございます。本日も、この運用に基づきまして、改正案を説明させていただきます。
それでは、資料の1ページを御覧いただきたいと思います。1点目、改正の趣旨でございます。今回の改定は、令和6年の人事院勧告を受けまして、給与法が改正されたことに伴い、当機構の役員報酬規定につきましても、国の指定職の取扱いに準じて改定を行うものでございます。
2点目、改正の概要でございます。(1)常勤役員の基本給に当たる本俸について、役職に応じて月額8,000円から1万2,000円を引き上げる内容となってございます。なお、資料中段の表の下に※で記載しておりますとおり、現在適用されている月額は、年金記録問題に一定のめどがつくまでの間、減額措置が取られております。具体的には、下の表に記載の本俸月額が適用されているところでございます。こちらにつきましても同様に、8,000円から1万2,000円を引き上げる改定を行いたいと考えております。
2ページを御覧ください。(2)常勤役員の賞与月数でございます。国の指定職に準じ、年間支給月数を3.40月から3.45月に0.05月分引き上げる改定を行いたいと考えております。
また、(3)非常勤役員手当でございますが、1日当たりの手当額につきまして、こちらも国の取扱いに準じて400円の引き上げを行うものでございます。
3点目、改正・施行予定日でございますが、令和7年3月1日を予定しております。常勤役員の本俸及び非常勤役員手当につきましては、令和6年4月に遡及適用し、差額を令和7年3月に支給する予定でございます。また、常勤役員の賞与につきましては、令和6年12月期の賞与に遡及適用し、支給済みの賞与との差額を令和7年3月に支給する予定でございます。
なお、次のページ以降に国家公務員給与法の改正概要や、令和6年人事院勧告・報告の概要を添付してございますので、詳細については後ほど御確認いただければと存じます。
また、今回の改定に関連し、役員以外の一般の正規職員についても、基本給及び賞与の支給月数を国の対応に準じて引き上げる予定であることを申し添えさせていただきます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○松山部会長 御説明ありがとうございました。
そうしましたら、この件につきまして、何か御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
片桐委員、お願いいたします。
○片桐委員 片桐です。
1ページ目の2番の(1)の※のところで役員報酬の減額について記載されています。この減額に関して、年金記録問題に一定の目途がつくまでの間の特例ということで記載されているのですが、これは本当に年金記録問題が原因で今このような減額が行われているのですか。ちょっとそこは、一般的にはやはりペナルティーと過失というのは因果関係がないといけないところだと思うのですが、今現在の役員の方というのは、当時、大昔の年金記録問題を起こした方々とは限らないのではないかなと思いまして、質問させていただきたいと思います。
○松山部会長 ありがとうございます。
御回答のほうをよろしくお願いいたします。
○樋口事業企画課長 年金局事業企画課長です。
御質問の点でありますけれども、この資料にも記載して、委員も言及いただきましたけれども、年金記録問題に一定の目途がつくまでの間、役員報酬を減額する特例ということでございます。まさにこれが今でも継続しているということでございます。年金記録問題につきましては、今までの実績報告、今日の年度計画でもこれからの内容について説明がありましたけれども、未統合記録の解明に向けまして、名寄せ特別便未回答者への再送付などの様々な取組を続けまして、現在、基礎年金番号に統合されていない約5,000万件の記録のうち3,400万件以上が解明されたという状況であります。こういった点も踏まえて、今後の在り方を考えていく必要がある課題だと考えております。
以上です。
○片桐委員 ありがとうございます。
そういうところなのでしょうけれども、基本的にはやはりペナルティーというのは過失と因果関係がないと意味がないので、そこが全く関係ないようなペナルティーが科されたままであるというのは非常に違和感を覚えますので、ちょっとこの取扱いについても今後検討していただければと思います。仮に今後、もし何か別の件で過失があるということがあれば、当然こういった形で報酬の減額というのは発生するのだと思いますけれども、過去の全然関係ないときの大昔の件がこのまま続いているというのは非常に違和感を覚えております。
○松山部会長 では、どうぞ、御回答をお願いします。
○樋口事業企画課長 年金局事業企画課長です。
御指摘ありがとうございます。役員報酬の減額措置の見直しにつきましては、引き続き年金記録問題への取組状況の進捗を見極めつつ、役員の体制も当時から新しくなっていることでもありますし、優秀な経営人材の確保という観点にも留意して、年金事業管理部会とも御相談しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○松山部会長 ありがとうございます。
○片桐委員 ありがとうございました。
○松山部会長 本件、昨年も同じ意見が複数の委員から出ているところでございますし、年金記録問題に一定の目途がつくまでといっても、これは件数で考えていくともう多分、永遠に減額措置を続けなければいけない可能性もゼロではないように思うので、どのようなタイミングで見直すのかはある程度いろいろ情勢もあると思いますのでお任せいたしますけれども、ぜひこの点は、今日の片桐委員の意見もそうですし、昨年も複数委員から出ているということを踏まえて、御検討いただければと思います。
本件については、以上ということでよろしゅうございましょうか。
それでは、この件についても終了とさせていただきます。
おかげさまをもちまして、本日の議題は全て終了いたしました。
次回の日程については、事務局から御連絡することといたします。
それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、どうもありがとうございました。