2024年6月27日  第74回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和6年6月27日(木)10:00~11:30

場所

全国都市会館 2階 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2

出席委員

会場出席委員:西村委員
オンライン出席委員:山口部会長代理、小尾委員、齋藤委員、辻󠄀委員、土屋委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和5年度業務実績及び第3期中期目標期間の業務実績について 
  2. (2)その他

議事

議事内容

○石川年金事業運営推進室長 それでは、定刻を少し過ぎておりますけれども、ただいまより、第74回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 初めに、本日の委員の皆様の出欠状況について御報告させていただきます。
 松山部会長から本日急遽御欠席との連絡をいただいております。
 本日は、松山部会長、片桐委員、黒田委員、野村委員、原委員から御欠席との御連絡をいただいている状況でございます。
 本日もオンライン併用での開催となっております。
 西村委員は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
 それでは、議事進行につきましては、松山部会長が御欠席のため、山口部会長代理にお願いしたいと思います。
 また、恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまででお願いいたします。
 
(カメラ終了)
 
○山口部会長代理 それでは、議事次第に従いまして、日本年金機構の令和5年度業務実績及び第3期中期目標期間の業務実績について、前回に引き続き審議いたします。
 本日は、前回部会での議論を踏まえて資料1-1から資料1-4までの資料が提出されています。
 資料1-1は、概要版及び報告書(案)から修正を行った箇所を抜粋したもの、資料1-2の概要版、資料1-3及び資料1-4の報告書(案)については、修正を反映したものが提出されています。機構から修正箇所を中心に説明いただきたいと思います。
 また、あわせて参考資料として「令和5年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」が提出されていますので、こちらは厚生労働省から説明をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
 
○岡日本年金機構企画調整監 経営企画部の岡でございます。
 令和5年度業務実績及び第3期中期目標期間の業務実績について、御説明申し上げます。
 それでは、資料1-1をお願いいたします。
 まず、2ページをお願いします。項番3でございます。
 国民年金保険料の納付率につきまして、令和5年度の現年度納付率が前年度プラス1.6ポイントの77.6%で12年連続の向上となりました。
 また、最終納付率は令和3年度末の現年度納付率からプラス9.2ポイントの83.1%で11年連続の向上となってございます。
 続きまして、3ページの項番4でございます。
 1つ目の○ですが、20歳到達者の国民年金保険料の納付率につきまして、令和5年度は対前年度比でプラス2.1ポイントの71.7%まで向上いたしました。
 また、2つ目の○でございますが、沖縄県の現年度納付率は令和5年度末で71.1%まで向上、また大都市圏の未納者の多い年金事務所については、76.3%まで向上いたしました。
 少し飛びまして、6ページの項番の8及び7ページの項番の9でございます。
 前回の部会で部会長を含め、複数の委員からいただいた御意見を受けまして、納めやすい環境の整備の項目の文章の修正や数値の追記をしてございます。
 内容は、保険料収納の安定的確保の観点から、口座振替、クレジットカード納付の利用促進を図っていること。そのほかに、お客様の利便性の向上の観点からインターネットバンキング等の仕組みを設けてきていること。これらの納付方法により納付した月数の割合が増加したこと。
 また、口座振替、クレジットカード納付については、保険料が割引になる前納をより柔軟に御利用いただけるように仕組みを見直すなど、さらに御利用いただけるような取組を行っていること等につきまして明確に記載いたしました。
 また、納付方法別の納付月数の状況について、表の形で数値を記載してございます。
 続きまして、8ページの項番の11でございます。
 この部分につきましても、前回部会で委員からいただいた御意見を受けたものでございます。
 厚生年金等の適用促進対策に関しまして、適用拡大事業所に対し、制度説明を行うとともに、従業員用リーフレットを全従業員に配付することで、社会保険の加入メリットを説明するよう依頼した旨を追記いたしました。
 続きまして、8ページの項番の12、すぐ下のところでございますが、厚生年金保険料収納率につきまして、令和5年度が98.7%となり、前年度から伸びている状況でございます。
 少し飛びまして、11ページの項番の17でございます。
 適正な監査の実施につきまして、テーマを決めて実施した各監査の終了後の対応につきまして、適切にPDCAサイクルを回していることを表現する観点から、月次で当該監査結果を役員等に報告、指摘事項を関係部署に伝え改善を求めるとともに、監査部内で改善対応状況や再発防止策の確認を行い、必要に応じてフォローアップ監査を実施した旨を追記いたしました。
 このほか12ページ以降では、機構における調達、契約に関する実績、また令和5年度決算額等について、数値を追記したところでございます。
 説明は以上でございます。
 
○水野事業管理課長 続きまして、厚生労働省年金局事業管理課長の水野でございます。
 参考資料ということで、今し方も説明がありました、国民年金の保険料の納付状況について、簡単に御説明をさせていただければと思います。
 資料を参考資料としてお配りしているものを御覧いただければと思ってございます。
 1ページ目、副題で書いてございます「~昨年度に引き続き、国民年金第1号被保険者の最終納付率80%超を継続~」という形でございます。これがポイントになってございます。
 下のほうにポイントを書いてございますけれども、今し方の機構からの説明と重複いたしますので、私のほうからは、もう少しデータに沿ったような御説明をさせていただければと思います。
 2ページ目、棒グラフ、折れ線グラフでございます。これまでの保険料の納付率の推移ということになってございます。実線のほうが最終納付率、点線のほうが、現年度納付率でございますけれども、いずれも基本的には右肩上がりで上がってきているものでございます。
 以降、次の3ページは、公的年金加入者の全体状況になってございます。
 4、5、6ページにつきましては、今し方の事業報告書の中に書いてある事項をまとめさせていただいたものになってございます。
 飛びまして、9ページ目を御覧いただければと思います。
 これは、全体が被保険者の状況となってございます。真ん中やや上にあります表1を御覧いただければと思います。「国民年金被保険者数の動向」というものでございます。
 上から下に年度が新しくなってございますけれども、一番左の列は第1号被保険者となってございます。一番上、平成30年度は1,471万人でございました。それが少しずつ減ってくる形で、今回の令和5年度末では1,387万人という数字でございます。 同様に、右端の列、第3号被保険者の人数でございますけれども、30年度の847万人が、令和5年度末は686万人と約200万人減ということでございます。
 それに代わるように、右から4列目でございます。厚生年金被保険者の人数が増えてございます。一番上、平成30年度の4,428万人から数十万人単位で増え続けてございます。 令和5年度末、括弧をつけておりますが、共済の数字が最新ではございませんけれども、昨年度と比べましても60万人ほど増えている状況になってございます。
 一方といいますか、別の観点で免除の方の人数もこちらに記載してございます。
 左から3列目のところ、30年度の574万人というところの列が、全額免除・猶予者の人数でございます。そこから、令和3年度、上から4段目の612万人が一番多かったタイミングでございますけれども、そこから、4年度、5年度と減少傾向になってきておりまして、令和5年度は596万人という状況でございます。
 下の図1につきましては、今の数字を棒グラフの形でお示しをさせていただいているものになってございます。
 一番下の細い部分が未納者の数でございます。先ほども説明がありましたけれども、令和5年度の未納者数、一番右下の数字でございますけれども、79万人ということで、4年度は、その横の89万人でございましたので、また、10万人減になっているということでございます。
 1ページ飛ばしまして、11ページを御覧いただければと思います。このページは、保険料納付状況のページでございます。真ん中表3を御覧いただければと思います。
 一番上は最終納付率ということで、先ほど申し上げた83.1%でございます。注目すべきは、次の納付対象月数と、その次の納付月数でございます。納付対象月数、左から右に新しくなるほど減ってきていると、先ほどの人数減少と同じ傾向でございますけれども、4年度から5年度にかけて納付対象月数、母数が減っている一方で、納付月数、3段目のほうは、今年度については、増えているということでございます。この40万月の増、母数が減っているけれども、実際に納付されている月数は増えているということですので、質も高まった納付状況にあるという状況でございます。
 また、1ページ飛ばしていただいて13ページのところ、上のほうの図4を御覧いただければと思います。年齢階級別の最終納付率というものでございます。折れ線グラフになってございます。最終納付率と同じ方たちを対象にした現年度納付率の比較でございますけれども、赤のほうの最終納付率を御覧いただければと思います。20歳から24歳、学生であったら親御さんと同居していて、そこから保険料を納めていただく方というのが一定いるということも踏まえまして、ある程度の高さを保っているわけでございますけれども、そこから20代後半から30代前半にかけてが、まだ低いという状況になってございます。 現年度も同じような傾向にございますけれども一方で、そこからの2年間の上昇幅も大きいという状況でございます。
 1ページ飛ばさせていただいて、15ページ目、これで最後にしたいと思いますけれども、都道府県別の最終納付率の変化でございます。都道府県ごとの納付状況でございます。 左側のブロックが令和4年度、昨年度の数字で、右側というか真ん中のブロックが5年度、今回の数字でございます。これまでずっと沖縄県、一番下の列が最下位というところで47位でございました。昨年46位になったということで御報告させていただきましたけれども、今年は44位ということでさらに上がってございまして、沖縄プロジェクトという形で、機構でやってございますところの成果が十分に上がってきている状況でございます。一方で、昨年、入れ替わりで47位になりました大阪については、引き続き47位でございます。ただ、納付率の上昇幅については2.99ということで、これは全国2番目という数字でございますので、大阪は大阪でしっかり取組を進めさせていただいている状況でございます。5年度を御覧いただくと、色がついている47、46、45が大阪、東京、埼玉でございますので、やはり、こういった大都市部の対策が必要になってきているところが、この数字からも分かると思います。一方で、上位3県、島根、新潟、富山には頭が下がりますけれども、ずっと高率の納付率を維持し続けていらっしゃるという状況になっています。
 私からの説明は以上でございます。
 
○山口部会長代理 御説明ありがとうございます。
 ただいまの説明内容について、御意見、御質問等がありましたら、挙手または挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、私はオンラインで失礼しますが、会場にいらっしゃる西村委員、御発言をお願いできますでしょうか。
 
○西村委員 ありがとうございます。
 まず、最初の資料のほうなのですけれども、私は前回出られませんでしたが、事前に申し上げたことも含めて、非常に充実した御説明になったと思って、大変ありがたいというか、分かりやすくなったということで、非常によかったと思っております。ありがとうございます。
 その上で、少し質問というか、確認というかがあるのですけれども、まず、この資料の内容については、何ら問題ありませんので、ということなのですが、例年のことなのですけれども、計画をつくってから、こういう評価をするという形にならざるを得ないのですけれども、確認としましては、今回、評価の作業の段階で、前々回に確定しました計画の方に何か影響があるような項目は、確認をされたでしょうかという話と、もし、影響というか、少し響くような項目というのはありましたでしょうかということを、少し確認させていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、今の御質問に対する御発言がありましたら、お願いいたします。
 
○樽見日本年金機構副理事長 すみません、副理事長です。よろしいですか。
 
○山口部会長代理 はい、お願いします。
 
○樽見日本年金機構副理事長 そういうことでいいますと、計画をつくってから何かが変わって、そこで何か表現を変えたということは、特に今は思い当たらないのですけれども。
 
○西村委員 逆です。計画をつくりましたねと、それで今回評価をまとめたではないですか、その評価の結果として、計画のほうを見直すということはないでしょうけれども、少しやり方を考えなくてはいけないなとか、そういう項目は、何か検証をしましたかという話と、何かあったかなという、ただの確認なので。
 
○樽見日本年金機構副理事長 そういう意味で言いますと、むしろ前回から今回にかけての議論をいろいろ私どもも、前回の御議論を踏まえてやらせていただく中で、今回、表現も若干直しましたけれども、例えば、口座振替、クレジットカード、インターネットバンキング、こうしたところをどう進めていくかということで、直ちに計画の表現を直すというところにはいかないと思いますけれども、考え方を、改めて私どもの中でも議論した結果、今回、割と明確に文章で書きましたが、口振、クレカということについては、安定的な納付率の向上のために役立てる。それから、お客様の利便性の向上という観点から役立てる。
 一方で、納付書によらない納付みたいなものについても、お客様の利便性という観点からは、しっかりとやっていくと。
 ただ、同時にそういうお客様の利便性だけでなくて、保険料収納を安定的に確保するという観点からの口振、クレカ、それについて改めて考えてみると、やはり前納による利便性というものを、御利用者様の利益につながるところをよりしっかりと打ち出していくと、そういったことについて、もともとやることは計画のほうでも書いてあるわけですけれども、そうしたところをしっかり取り組もうということを議論したということが1つあると思っています。
 
○西村委員 すみません、ありがとうございます。
 今は、たまたまクレカの辺りが議論になって、改めてということかと思いますけれども、そのような話が幾つかあって、計画を直すほどではないけれども、このように取り組みますということが明らかになればいいなと思っておりますので、機会があれば、ぜひ、こういう方向にしましたというのをおっしゃっていただければありがたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
 西村からは以上です。
 
○山口部会長代理 西村委員、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、ほかにはいかがでしょうか、今度はオンラインのほうになりますけれども、小尾委員、お願いいたします。
 
○小尾委員 御説明ありがとうございます。
 私も全体的な内容については、特に異論はないので、よろしいと思います。
 1点気になっているのが、資料1-1の6ページ、先ほど西村委員からも、少しクレカと口座振替の話が出ていましたが、口座振替が年度ごとにだんだん減ってきていて、クレジットカードが増えていくという状況についてです。
 これは、以前口座振替の手数料とクレジットカードの手数料を比較すると、クレジットカードの手数料のほうがはるかに高いと伺ったことがあり、口座振替で払っていただいた方が減って、クレジットカードが増えていくと、必要経費の部分が上昇していく可能性があると思っています。
 口座振替もクレジットカードも前納することによって、割引があるということなのですが、巷の情報サイト等では、クレジットカードの場合にポイントがつくとあり、ポイントがつくと、従来、口座振替のほうが割引率は高いのですが、ポイントをプラスするとクレジットカードのほうが、還元率が高くなるという状況です。今後口コミサイトのようなものが増えていくと、口座振替をクレジットカードに切り替えてしまうようなことが起きてくるのではないかと考えています。
 そうなると、手数料がかさんでいくことも考えられますので、クレジットカードで払うことによって、払いやすくすることは非常に重要なのですが、それによって経費が莫大になるというのは、あまり好ましくないと思います。例えばクレジットカードに関して手数料を下げ、その代わりにポイントをつけないでください等の交渉や工夫を今後検討いただけないかというコメントです。よろしくお願いします。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 機構のほうから、何か特にございますでしょうか。
 
○岩井日本年金機構理事 事業管理部門担当理事の岩井でございます。
 ただいま、小尾先生から御指摘いただきました点につきまして、お答え申し上げます。
 確かに口座振替とクレジットカードの手数料を比較いたしますと、クレジットカードがかなり高いという状況でございます。
 ただ、クレカのメリットといたしまして、先ほど先生からも御指摘がありましたように、お客様の利便性が高い、それから、納期内に納付をいただけるということで、非常に安定した収入になるということもあるのですが、もう一つ考えておかなければならないものといたしまして、要するに納付書で納付される場合、紙で窓口とかで納付される場合は、結局納付書作成経費とか郵送料、それから納め忘れがないように機構がフォローアップするなど、様々な経費がかかります。これは、クレジットカードの納付の手数料よりもトータルではかなり高くなるのではないかと考えております。
 クレジットカードというものをどう評価するかなのですが、クレジットカードを、例えば、それがやめられる場合は、納付書のほうに移行される方が一定数いらっしゃると考えておりまして、そういうことをトータルで考えますと、運用面で考えると、やはり経費的にも、あるいは安定的な納付のためにもクレジットカードの継続というものは、必要ではないかと考えております。
 ただ、先ほど先生から御指摘がありましたように、口座振替との関係ということもございますので、トータルで機構といたしましては、先ほど副理事長からありましたように、納付書レスの取組なども進めて、経費全体を低めていくこととともに、こうしたクレジットカードも含めました納付の在り方については、今後、年金局と御相談いたしまして、どのような方向に持っていくかというのを考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
 
○水野事業管理課長 あと、年金局から追加でよろしいでしょうか。事業管理課長の水野でございます。
 今し方、副理事長、理事と御説明をいただいたとおりで、基本的には同じ考えを持ってございます。
 一方で、御指摘いただいたとおり、世の中の状況が常に変化しております。そういった中で、どうやっていくのかということでございます。
 クレジットカード納付をやめるとかということには、恐らく選択肢としては、なかなか上がってこないと思いますけれども、どういう形で我々として望ましい納付方法に誘導していく、そういった御指摘かなと思ってございます。もちろん、口座振替に全員を誘導できれば、それに越したことはないわけでございますけれども、いろいろな御希望の方がいらっしゃいます。そういった中で、今し方申し上げたとおり、どのように誘導していくのか、あるいは、おっしゃったとおり、手数料負担というものをどのように考えていくのか、この辺については、また、年金事務所の状況を聞きながら検討していきたいと思ってございます。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 小尾委員、さらに何かございますでしょうか。
 
○小尾委員 ありがとうございます。
 先ほども言いましたが、クレジットカードはポイントがつくことによって、こちらから見えない還元が起きてしまうということについては、やはり、好ましくないかなとも思いますので、その点については、クレジットカード会社との交渉を進めていただければなと思いますので、よろしくお願いします。
 
○大竹日本年金機構理事長 よろしいでしょうか、理事長の大竹です。
 
○山口部会長代理 はい、お願いいたします。
 
○大竹日本年金機構理事長 お答えとしては、今まで数名の方のお答えのとおりですけれども、口座振替とクレジットカードの一番違うのは、クレジットカードは信用なのですね。信用が発生している、その分が手数料として乗っているということで、同じにしてくれと言っても、私も金融機関にいましたので、口振とクレジットカードの手数料は、同じには、多分経営上ならないと思います。そういう御要望というか、交渉の余地はあると思いますけれども。
 もう一つ、口振で残高が落ちなかったときは、督促をしたりする必要がありますけれども、クレジットカードは与信がもう発生しておりますので、振込みは既に終了していて、あとはカード会社と本人との間のいろいろな手続が残るという意味では、その分手続が、受け取る側としては減少するという、そういう面もプラスとしてはあります。
 ただ、どちらも、先ほど岩井理事がお答えしたように、紙でやるよりよほど手数料が、例えば郵便物を1回送るのに郵便料金は値上げしていますので、100円とかかかってしまいますけれども、それと比べると、やはりいいということは間違いありませんので、引き続きどちらも進めたいと。
 ただ、経営努力として、できるだけ手数料を下げていただくような交渉は、やる余地はあると思っております。
 すみません、前の経験から思ったことを少し発言させていただきました。
 以上でございます。
 
○山口部会長代理 理事長、どうもありがとうございます。それでは、引き続きの検討をよろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますでしょうか。
 土屋委員、お願いいたします。
 
○土屋委員 御説明ありがとうございました。
 今のお話で、すごく腑に落ちたというか、今まで私も認識していなかった、例えば納付書を1つ出すにしても、紙を使うことは分かるのですけれども、やはり年金事務所の方の人件費というか、労力とか、あとは郵便代も今後10月にまた上がるということなので、そういった経費とか、あと、私が年金事務所で目にしていたのが、納付書をなくしてしまったから再発行するとか、または納付の期限が切れてしまったからという形で、また同じような二重のお手間を年金事務所の方にかけているような光景を何度か見たことがあるので、そういった意味でも、やはりクレジットカードとか口座振替というのは、すごく有効な手段なのかというところを実感しました。
 あとは、クレジットカードが信用というところがすごく腑に落ちて、今後進めていくに当たって、クレジットカードは重要なキーになるのかなと思いました。
 一方で、今回資料を直していただいた件につきましては、納めやすい環境の整備のところ、皆さんが先ほどおっしゃっていた6ページのところは、非常に分かりやすくなったと思っています。どうもありがとうございます。
 今回の資料については、特に私は、意見はありませんが、1点コメントとして言わせていただくと、今回の参考資料の国民年金の納付状況等についてなのですが、沖縄県が、今だと80%を超えるような納付率になったことにすごく驚いていて、というのが、私が初めてこの委員会に出席したときが6年ぐらい前で、ちょうど初めて参加したときに、この納付状況の発表があったのですけれども、その当時、確か沖縄県というのが50%そこそこの納付率でしかなかった記憶があるのです。それが今だと、最下位も脱して、東京も抜かして80%越えというのは、やはり沖縄プロジェクトというものの成功が根底にあるのかなと思いました。
 それに加えて、先ほどもおっしゃられていましたけれども、大都市圏の納付率が結構低迷しているということなので、今後、沖縄プロジェクトに代わって、何か大都市プロジェクトみたいなものを進めていただく必要があるのかなと私も思いました。
 コメントとしては以上です。ありがとうございます。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 今の納付状況について、大都市プロジェクトは、やらないのかということなのですけれども、機構のほうで何かコメントはございますでしょうか。
 
○草刈日本年金機構理事 事業推進部門担当の草刈でございます。
 大規模マーケット拠点の実績向上に向けた取組についてでございますが、国民年金保険料の未納者を多く抱えます東京、大阪、埼玉などの20拠点、こちらのほうの現年度納付率の平均は、令和2年度末時点で約68.7%と全国水準から約2.8%下回ってございました。
 納付率向上に向けまして、大規模マーケットを抱える年金事務所の対策が課題となっていましたので、これらの拠点に対する対策といたしまして、令和3年10月より、1課制の年金事務所を2課制に改編いたしまして、具体的には、国民年金第1課を事務処理、国民年金第2課は収納対策に特化した体制に見直しをいたしまして、体制強化として正規職員の増員を図ってまいりました。
 また、令和5年10月からは、さらなる納付率向上を図るために、2つの課が連携いたしまして、事務処理に特化していた国民年金第1課に、国民年金第2課が受け持っていた収納対策事務の一部を移管いたしまして、体制強化を図ってまいりました。
 これらの取組によりまして、現年度納付率の平均は、令和6年度4月末時点で約76.3%になりまして、全国水準との差は約1.3%まで縮小しております。
 こういった取組を引き続き強化をして進めてまいりたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 以上であります。
 
○山口部会長代理 ご説明ありがとうございます。
 土屋委員、よろしいでしょうか。
 
○土屋委員 はい、ありがとうございます。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、ほかには、いかがでしょうか。
 齋藤委員、何かございますでしょうか。
 
○齋藤委員 いいえ、非常によい内容になっていると思います。私のほうからは、特にありません。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 それから、辻委員、何かございますでしょうか。
 
○辻委員 私のほうも前回質問した点につきましては、事務局のほうから丁寧に御説明をいただきまして、それから、前回話題の点につきましては、今、意見交換もあって、私も参考に聞かせていただきました。
 さらに蒸し返すわけではないのですが、私も口座振替、クレジットカード問題は、税金収納の関係でも少し気になるところがありまして、これは前回も発言しましたが、クレジットカードもさることながら、QRコードに基づいてスマホで決済するというのが台頭してきていますので、それも含めて今後どういった方向に持っていくのが一番機構にとってハッピーなのかというのを、やはり検討していただきたいと思います。
 あと、もう一つ先ほどから話題になっている保険料納付の都道府県別の状況ですが、この多寡を見ると、地方税の収納率の多寡と大分ダブるようなところもあって、似たような問題があるのかなというところ、県別のそれぞれの事情が反映されているところもあるかなということもありましたが、同時に、いわゆる自治体による納付率の動向と違って、機構として全体で考えたときの固有の収納、納付率問題としては、何か沖縄以外に、どうしても低いところが課題になっているところがあったりするのか、それとも結構いい水準に上がってきているので、あまりこの多寡を一々問題にするほどの有意な差がもう出なくなるようになってきているのか、そこら辺のところを少しお聞かせいただけたらと思います。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 では、これについては、まず、機構からいかがでしょうか。
 
○岩井日本年金機構理事 お答えいたします。
 ただいま、先生から御指摘いただいた、多分、地域差的な保険料納付率の水準等について問題のある要因があるかという御質問かとお聞きいたしました。
 それにつきましては、基本的には、先ほど申し上げましたとおり、大都市というところが、やはりどこを見ましても平均より低いということがございます。これは、いろいろな要因があると考えております。
 単に地域差というよりは、その裏には、例えば、年齢層とか、そういうものがあろうかと考えています。当然大都市は若年者が多うございまして、国民年金の納付率も、やはり若年層がまだまだ低い状況で、それがこの近年非常に上がってきているのですが、それは様々な収納対策などの効果が上がっているわけですが、そういうも要因があろうかと思います。
 したがいまして、地域差というよりは、やはりターゲットといいますか、どういう方々がいらっしゃって、それにどういう収納対策が重要かということがより重要になってくるかと考えて、現在、収納対策についても検討している状況でございます。引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 辻委員、さらに何かございますでしょうか。
 
○辻委員 いいえ、十分分かりました。引き続き、よろしくお願いします。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 ほかに特によろしいでしょうか、これで全員に御発言いただいたと思うのですが、特によろしいでしょうか。
 西村委員、お願いします。
 
○西村委員 どなたからもないようなので、内容ではなくて、お願い事項として、今の話をお伺いしていて2つほど思いましたので、少し申し上げさせていただければと思ったのですけれども、ごめんなさい、言葉を選ばずに言うと、もう少し科学的に説明していただければありがたいケースがあるかなと思って聞いておりました。
 先ほどのクレジットカード、口座振替、納付書という辺りについては、総論としては非常によく分かりますし、肌感としても、私もその辺りの仕事をしております関係上分かるのですけれども、具体的に幾らかかっているのというのが議論としてないので、例えば、令和5年度で納付書の印刷に幾らかかりましたとか、クレカの手数料は、この件数だと幾ら払いましたみたいな話がないままに議論が出ているので、肌感としては分かるのですけれども、具体的に何が起こっているのかというのが、少し分かりにくいなと思って聞いておりましたので、内部ではいろいろ積み重ねた議論をされているのだと思いますけれども、そういうものが御説明できるような形になると分かりやすいなと思います。
 今の事例でいうと、もう一つ、先ほどの首都圏プロジェクトとあったのですけれども、納めていないのはどのぐらいの方ですかというのが分からないので、単に頑張りますとしか聞こえないので、例えば、これは想像ですけれども、首都圏は地方から進学している若い人たちが多いので、どうしてもそこは少なくなってしまうのです、みたいな、例えばですけれども、みたいな話がよく分かると、すごくよく腹に落ちて、では、どうすればいいのでしょうねという辺りというのは、委員の皆さんも何かアイデアというか、助言というか、そういう話にも結びつきやすくなると思いますので、その辺りの御説明を併せてしていただければいいなと思って聞いておりましたということが、1点目です。
 2点目ですけれども、これは、事前説明のときにも申し上げたのですけれども、私、事前説明のときに御質問を差し上げたら、初めて若年者とは20歳以上の人ですというお話を聞いて、いやいや、もう今はあまりターゲティングされていないのかもしれないのですけれども、中卒もしくは高卒で就職されて、その後、20歳到達した方という人たちの挙動はどうなっているのかなというのが、最近話題にならないのでどうなっているのかなと思って気になっておりますということがあります。
 最近では、そういうことはないと思うのですけれども、私の年代だと、まだ集団就職的なことがあって、そこで辞めて実家に帰ると、国民年金の空白期間があって、20歳になったら手帳が来て、2冊あるのだけれども、1冊目は行方不明みたいな話も、同年代の人間からはよく聞きましたが、それに当たる事例というのはそんなにないかもしれないのですが、現状ではどうなっているかというのが、今、納付率とか、消えた何でしたか、あちらの話とかに、どう響いているかというのが話題として見当たらないので、決して高校進学率の丸々100%というわけではありませんし、中退される方とかもいますので、そういう辺りというのはどうなっているかというのを、丁寧に追っていただければなと思って聞いておりましたので、これもぜひよろしくお願いできればと思います。
 すみません、少し長くなってしまいましたが、以上2点、よろしくお願いします。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 今、西村委員から2点コメントをいただいたのですけれども、これにつきまして、機構のほうから何かありますでしょうか。
 
○樽見日本年金機構副理事長 副理事長ですが、よろしいですか。
 
○山口部会長代理 はい、お願いします。
 
○樽見日本年金機構副理事長 まず、1点目については、すみません、今は非常に抽象的な御説明を終始してしまいましたけれども、それぞれ何で幾らぐらいかかっているということについてのデータはありますので、これは少し整理をして、また御説明ができるようにさせていただきたいと思いますし、先生のほうには御説明を申し上げたいと思います。
 実際、どういうコストがかかって、どうなっているかということ。あと、まさに首都圏、大都市圏が多いというのは、先ほどまさに先生がおっしゃったように、住人の年齢構成が大都市圏は、先ほどお話がありましたように、20歳代と30代前半の納付率がどうしても低く出ているところがあって、それがこれを反映しているのは事実だと思っています。
 それから、納付行動みたいなことで言いますと、先ほどの都道府県別最終納付率のデータを御覧いただきますと、順位の1桁というところでいうと、例えば、上から行くと岩手県がありますけれども、あとは、実は秋田県があって、それから新潟、富山、石川、福井とあって、それから鳥取、島根と、何か日本海側がずっと高いと、これは伝統的にそうなのですね。
 ですので、若干そういう地域性みたいなものもあるかなと思っていますが、ただ全体でいうと、先ほど理事から御説明申し上げたとおり、その差というのは、おかげさまでだんだん小さくなってきているということですので、この辺はどういう層にターゲットを当て、具体的に言いますと、最初にまさに20歳で入ってこられて、若いときに、きちんと納めていただくというところを集中的に働きかける。
 それから、未納という事態が生じたときに、それが長くならないように、短期未納のうちに働きかけというものをきっちりやって納付に結びつける。
 それから、特に免除の対象層についてきめ細かく、いろいろな情報を使って洗い出しをして、そういうところについても働きかけるということをやってきておりますので、そうしたことについて、引き続いて意識的に取り組みたいと思いますし、先ほどの首都圏とか大都市圏の国年課を2つにして体制を強化したということを、理事から御説明申し上げましたけれども、この評価というのは、なかなか難しいところがありますけれども、そこについても、引き続き分析をしまして、取組を進めたいと思っているところでございます。
 それから、20歳前の、先生もおっしゃるとおり、私などの年代でも集団就職はありましたし、中卒で就職というのはありました。
 昔は、そういう形で就職をして一遍抜けて、20歳で国民年金の適用ということになりますと、これは、もう御存じの方は多いと思いますけれども、昔でいうと、国民年金で届が出てくると、氏名、性別、生年月日が同一の人で、過去、台帳にある記録と突き合わせをしまして、それを疑重複と言いまして、重複を疑うという字を書くのですが、疑重複ケースということで、その場合には、その方に過去の実績の確認をきっちりしながら、丁寧にやりながら適用事務を行うということをやっておりましたが、おかげさまでマイナンバーができてからは、実はそのマイナンバーとの突合ということをやっています。
 したがいまして、20歳未満で厚生年金の資格取得時に、まず、最初に基礎年金番号がないという形で適用して基礎年金番号をつけるわけですけれども、その資格取得の届書に、事業所から、個人番号の記載をしていただきますので、20歳前でも、そこで厚生年金の資格を取得するときに、基礎年金番号と個人番号の紐付けをするということになります。
 その後一遍抜けて、20歳に到達するときにも、今度は市町村のほうで20歳になったということで、データを私どもはいただきまして、職権適用をするわけですけれども、そのときに、J-LISから提供される対象者の個人番号が確認できますので、その個人番号をキーとしまして、基礎年金番号が既に機構のデータにある、その人間、その方でいらっしゃるかどうかということについて確認をさせていただきます。
 それに基づいて、そこがないという場合に、御本人に照会をして、その上で、新規に基礎年金番号を付番するということをやっておりますので、これは個人番号の仕組みができたおかげというところがありますけれども、重複した基礎年金番号の付番は行わないということが、以前は、そういう確認をするというルールでやっておりましたけれども、今は個人番号でチェックする仕組みによって、重複が生じないようにということをやっているところでございます。こうした仕組みについては、引き続き、しっかりと運用していきたいと思っております。
 以上でございます。
 
○山口部会長代理 ありがとうございます。
 西村委員、よろしいでしょうか。
 
○西村委員 はい、ありがとうございました。
 
○山口部会長代理 それでは、質疑については、ここまでにしたいと思います。
 当部会での議論を十分に踏まえて、特に本日は、修正事項はなかったと思いますので、機構から厚生労働大臣に業務実績報告書を提出していただきたいと思います。
 また、今後については、提出された報告書に基づいて、厚生労働大臣が業務実績の評価を行うこととなりますが、日本年金機構法では、機構の業務実績の評価を行う際は、社会保障審議会に諮問、すなわち当部会で審議することとされておりますので、次回は、この評価の案について議論したいと思います。
 本日の議題は全て終了いたしました。次回の日程につきましては、事務局から改めて御連絡することといたします。
 委員の皆様におかれましては、どうもありがとうございました。