2022年9月9日   第63回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和4年9月9日(金)15:00~16:20

場所

全国都市会館 2階 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2

出席委員

会場出席委員:増田部会長
オンライン出席委員:松山部会長代理、小尾委員、片桐委員、齋藤委員、土屋委員、西村委員、原委員、山口委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和3年度業務実績の評価について
  2. (2)その他

議事

議事内容

○清水年金事業運営推進室長 定刻になりましたので、ただいまより第63回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、委員の皆様の出欠について御報告させていただきます。本日は、全委員に御出席いただいております。途中から参加される先生もおられますが、全員出席の予定でございます。
本日も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンライン併用での開催となっております。増田部会長は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
続きまして、前回の部会以降、厚生労働省及び日本年金機構に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
厚生労働省年金局事業企画課長の小野でございます。

○小野事業企画課長 事業企画課長の小野でございます。よろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 厚生労働省年金局給付事業室長の岡でございます。

○岡給付事業室長 給付事業室長の岡でございます。よろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 日本年金機構事業企画部門担当理事の平岩でございます。

○平岩日本年金機構理事 平岩でございます。よろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

(カメラ退室)

○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして、議事(1)「日本年金機構の令和3年度業務実績の評価について」を議題といたします。
年金機構の令和3年度業務実績の評価につきましては、9月5日付けで厚生労働大臣から社会保障審議会の田中会長宛てに諮問がなされております。厚生労働省から評価(案)の資料として、概要版の本日の資料1-1及び全体版の資料1-2が提出されておりますので、まずは厚生労働省のほうから説明していただきまして、その後に皆様の御意見や御質問をお伺いしていきたいと思います。
それでは、早速ですが、資料の説明をお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 日本年金機構の令和3年度業務実績評価(案)について御説明させていただきます。評価(案)本体は資料1-2となっておりますが、説明につきましては資料1-1の評価(案)概要を用いて行わせていただきます。
機構の評価につきましては、日本年金機構法に基づきまして厚生労働大臣が行うものとなっております。その評価に当たりましては、社会保障審議会に諮問がなされ、年金事業管理部会で御議論いただくこととなっております。諮問書を資料1-2の次に参考資料として添付させていただいております。
令和3年度の業務実績につきましては、本部会で前回、前々回と御議論いただいた内容となっております。その業務実績について、令和3年度の年度計画に照らした達成状況を評価案として取りまとめております。
評価の基準につきましては、資料1-1の表紙をおめくりいただきまして、その次に目次がございます。その次の1ページを御覧ください。そちらの左下に判定基準の記載がございます。こちらに記載されていますように、年度計画を概ね達成している場合はB、年度計画を上回っている場合はSまたはA、下回っている場合はCまたはDという評価となります。
一覧表の一番右側の列が令和3年度の評価(案)であり、項目ごとに評価がつけられております。令和3年度の評価(案)は、令和2年度と比較いたしますと、年金給付の項目がB評価からA評価となっていますが、そのほかは同様であり、右下の表のとおり、Aが1つ増えまして6項目、Bが12項目となっております。
個別の評価(案)に入りたいと存じますが、時間が限られておりますので、例年同様、前年度と今年度の評価につきまして、いずれもB評価となっている項目以外の項目につきまして御説明させていただきます。
最初に、3ページを御覧ください。初めに、資料の形式について御説明させていただきます。資料の中ほど、やや右に太めの線が引かれてございますが、これより左側の部分が前回まで御議論いただきました業務実績、右側が今回御審議いただきます評価の部分となっております。
それでは、評価の説明に入ります。
国民年金の保険料収納対策についてでございますが、初めに、右側の評価に当たっての主な視点を御覧ください。1つ目の○にございますとおり、納付率の目標を達成したかが評価に当たっての主な視点となっております。そのほか、2つ目の○にございます若年者対策、長期未納者対策への対応、3つ目の○にございます、地域の実情を踏まえた対策も評価の視点となってございます。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太い線の左側、資料のちょうど真ん中の部分が取組状況の記載になっておりますので、こちらを御覧いただきたいと思います。
若年者対策について、ページの下から2つ目の○になりますが、納付方法や学生納付特例制度の手続等を分かりやすく説明する動画を機構Twitterに掲載するなど、20歳到達者に対する対策を強化したことで、20歳到達者の納付率は66.1%と前年を上回っています。
また、長期未納者への対応といたしまして、ページの一番下の○になりますが、受給要件満了間近の24か月未納者2.6万人に対しまして、受給要件満了までの期間を明示したお知らせの送付や納付督励・免除勧奨を行いました結果、9000人が納付または免除申請につながっております。
4ページを御覧ください。地域の実情を踏まえた対策としましては、他の都道府県に比べて納付率が低い状況にある沖縄県において、電話や戸別訪問による納付勧奨等の取組を行っています。また、その下、上から4つ目の○でございますが、未納者の多い年金事務所について、機構の体制整備を行った上で対策に取り組んでいます。
そうした取組を行いました結果ですが、同じページの右側を御覧いただけますでしょうか。主な評価の理由でございますが、1つ目の○にございますように、納付率につきましては、目標を上回っております。具体的には、1つ目のポツのとおり、令和3年度分保険料の現年度納付率は、目標では前年度実績を上回るとともに、令和元年度実績から2.0ポイント程度の伸びを確保となってございましたが、実績といたしましては、対前年度比プラス2.4ポイントの73.9%となっております。また、被保険者数が減少する中、納付月数が増加に転じてございます。
ポツを1つ飛ばしまして、3つ目のポツでございますが、令和元年度分保険料の最終納付率につきましては、目標が現年度納付率からプラス8.0ポイント程度以上の伸びを確保となってございましたが、実績といたしましては、現年度の納付率からプラス8.7ポイントの78.0%という結果となっております。
また、3つ目の○にございますように、地域の実情を踏まえた対策につきましては、未納者の多い年金事務所及び沖縄県の納付率につきまして、対策の結果、それぞれ対前年度比プラス3.0ポイント、対前年度比プラス5.7ポイントと、大きく向上しています。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、5ページを御覧ください。厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策の項目でございます。
右側の評価に当たっての主な視点を御覧ください。
1つ目の○にございますとおり、未適用事業所への適用促進対策といたしまして、適用調査対象事業所を把握し、適用に結びつけることができたか。また、2つ目の○になりますが、適用事業所への事業所調査について、適用の適正化を図ることができたか。さらに、3つ目の○になりますが、届出に係る事務処理の迅速化として、健康保険被保険者証の交付に関する届出の処理期間短縮が図られたかといったところが、評価に当たっての主な視点となってございます。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太い線の左側の部分になりますが、適用促進対策につきましては、ページの一番上の○にございますように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、文書・電話を中心として、国税源泉徴収義務者情報等を活用した加入指導に取り組みました。
6ページを御覧ください。事業所調査について、ページの一番上の○にございますように、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、臨場・呼出・郵送等の事業所調査を実施しています。
また、届出処理の迅速化について、ページの一番下の○に記載がございますが、繁忙期である令和3年4月において、資格取得届等の処理に最優先で取り組み、昨年同期と比較して平均処理日数を減少させています。
そうした取組を進めました結果ですが、5ページに戻っていただきまして、右側の中ほど、主な評価の理由のところを御覧ください。
1つ目の○の未適用事業所への適用促進対策につきましては、最後の2行ほどになりますが、加入指導による適用事業所数が104,225事業所となり、目標の88,000事業所を上回る結果となっております。
また、2つ目の○の事業所調査については、最後の3行ほどになりますが、998万人を超える被保険者に関する調査を実施しており、目標の824万人を上回る結果となっております。
引き続き、6ページの右側を御覧ください。届出に係る事務処理の迅速化ですが、電子申請に係る健康保険被保険者証の交付に関係する届出の平均処理日数が0.5営業日と、目標である2営業日以内を大幅に上回っています。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、7ページを御覧ください。厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策の項目でございます。
右側の評価に当たっての主な視点を御覧ください。1つ目の○にございますように、収納率の目標について、法定猶予制度の許可を受けている保険料額を除いた収納率で前年度と同等以上の水準を確保したかといったところが評価に当たっての主な視点となります。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太い線の左側の部分になりますが、ページの一番上の○にございますように、納付猶予特例について、令和3年3月以降、猶予期間が順次満了したことを踏まえ、電話や文書による督励により保険料の納付を促すとともに、引き続き納付が困難な事業所に対しては、法定猶予制度への適用を積極的に案内し、適用しています。
そうした取組を行いました結果ですが、右側の中ほど、主な評価の理由を御覧ください。1つ目の○にございますように、納付率について、法定猶予制度の許可を受けている保険料額を除いて計算した場合、厚生年金保険料の収納率につきましては99.4%、また全国健康保険協会管掌健康保険料の収納率につきましては98.9%となっており、いずれも前年度から0.1ポイント増加し、目標である前年度以上の水準を確保しています。なお、法定猶予制度の許可を受けている保険料額を含めて計算した場合についても、前年度以上の水準を確保しています。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、8ページを御覧ください。年金給付の項目となっております。
右側の評価に当たっての主な視点のところを御覧ください。2つ目の○でございますが、正確な給付の実現に向けた対応として、事務処理誤りの未然防止等に努めたか。また、3つ目の○にございますように、障害年金の事務処理体制の強化について、体制の強化を図り、業務を適正かつ効率的に実施したか。また、4つ目の○のお客様サービスの向上について、1つ目のポツにございますように、年金の請求漏れを防止するための請求勧奨を計画どおり実施できたか。2つ目のポツにございますように、年金の請求から支給決定までの期間目標であるサービススタンダードの達成率が90%以上を維持するよう取組を推進したかといったところが評価に当たっての主な視点となります。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太い線の左側の部分になります。
正確な給付の実現に向けた対応については、ページの上から5つ目の○にございますように、令和3年度に決定した老齢・遺族・障害年金のうち、システムチェックが困難な事例23.4万件について、決定直後に確認し、387件の事務処理誤りの未然防止等を図っています。
また、障害年金の事務処理体制の強化につきましては、ページの一番下の○にありますように、障害認定の専門性を高めるため、障害年金センターの業務フロー等の見直しについて取り組んでいます。
9ページを御覧ください。お客様サービスの向上については、ページの上から4つ目の○にございますように、70歳を超える方で未請求の老齢年金のある方に対しまして、文書・電話・訪問等による個別の請求勧奨を実施しています。
また、その下の○にございますように、新型コロナウイルス感染症の影響がある中、老齢・遺族・障害年金のサービススタンダードについて、令和4年3月末時点で、いずれも表にございますように95%以上となっております。
そうした取組を行いました結果ですが、8ページに戻っていただきまして、右側の中ほど、主な評価の理由のところを御覧ください。
2つ目の○の1つ目のポツでございますが、先ほど申し上げましたとおり、年金決定直後のチェックにより、事務処理誤りの未然防止等を図ってございます。
また、9ページのほうを御覧いただけますでしょうか。右側の1つ目の○の障害年金の事務処理体制の強化についてでございますが、3つ目のポツにございますように、必要に応じて複数の認定医が認定に関与するよう仕組みを見直し、認定業務の適正性の向上を図っています。
その下の○、お客様サービスの向上については、2つ目のポツのように、70歳を超える方で未請求の老齢年金のある方、約5.2万人に請求勧奨し、90%以上の約4.8万人の方から請求いただいております。また、3つ目のポツにございますように、サービススタンダードの達成率は、老齢・遺族・障害年金、いずれも目標の90%を上回りました。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、14ページを御覧ください。年金制度改正等への対応の項目となっております。
右側の評価に当たっての主な視点を御覧ください。1つ目の事務処理及びシステム開発については、年金制度改正等の円滑な施行に向け、事務処理方法の検討やシステム開発等、適切に対応したか。また、2つ目の周知広報については、適切な手法により効果的な周知広報が行われたかといったところが評価に当たっての主な視点となっております。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太線の左側の部分になりますが、ページの一番上の○にございますように、令和4年4月以降に施行される老齢基礎年金等の繰下げの上限年齢の引上げや、被用者保険の適用拡大などの制度改正事項につきまして、事務処理方法の検討やシステム開発、周知広報等に取り組んでいます。
具体的には、ページの下から2つ目の○にございますように、老齢基礎年金等の繰下げの上限年齢の引上げについては、制度改正の対象者を判定し、繰下げにより増額される年金額計算等を行うためのシステム開発を行っています。
また、適用拡大については、その下の○にございますように、新たに適用拡大の対象となる可能性がある事業所に対しまして、制度周知を兼ねた事業所調査を実施しています。
適用拡大につきましては、15ページも御覧ください。上から3つ目の○でございますが、新たに適用拡大の対象となる可能性のある事業所に対しまして、従業員への周知等の社内準備用に、改正内容を周知するためのお知らせ(ダイレクト便)を約5万件送付するといった取組を行っています。
そうした取組を行いました結果ですが、14ページに戻っていただきまして、右側、中ほどの主な評価の理由のところを御覧ください。1つ目の事務処理及びシステム開発でございますが、1つ目のポツの最後の辺りにございますが、令和4年4月分の制度改正事項については、円滑な施行が図られております。特にということで、2つ目のポツにございますように、老齢基礎年金等の繰下げの上限年齢の引上げについては、制度改正に対応したシステム開発を行っておりまして、年金事務所における相談対応において繰下げ請求時の年金見込額を提示することを可能とし、お客様サービスの向上にもつなげています。
15ページを御覧ください。右側の周知広報についてでございますが、被用者保険の適用拡大については、3つ目のポツにございますとおり、制度周知を兼ねた事業所調査やダイレクト便の送付など、きめ細かな周知広報を行い、事業者の理解を促進する取組を行っています。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、少しページが飛びまして、21ページを御覧ください。ICT化の推進の項目となっております。
右側の評価に当たっての主な視点を御覧ください。➀サービスのオンライン化のすぐ下、事業所に対する取組ですが、1つ目のポツのとおり、電子申請への移行促進の取組を推進したか。また、少し下の個人に対するオンラインサービスの拡充については、マイナンバーカード、マイナポータル、「ねんきんネット」を活用してお客様個人の電子申請による届出を推進する取組を行ったかといったところが、評価に当たっての主な視点となっております。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、太い線の左側の部分になりますが、事業所に対する取組として、電子申請の推進については、ページの一番上の○にございますように、電子申請の更なる利用促進のため、電子申請による届出が義務化された事業所及び被保険者51人以上の事業所に対して利用勧奨等の取組を行っています。
また、個人に対するオンラインサービスの拡充として、ページの下から4つ目の○ですが、マイナポータルから「ねんきんネット」へログインできる連携機能について、スマートフォンで連携できるよう改善しております。
また、その下の○にございますように「ねんきんネット」からマイナポータルの申請に必要な基本情報を提供し、簡易に国民年金保険料免除申請等の届書作成・電子申請が可能となる仕組みについてシステム開発を行い、本年5月からサービスが開始されております。
そうした取組を行いました結果ですが、22ページを御覧ください。右側の主な評価の理由でございますが、➀の下、事業所に対する取組については、2つ目のポツにございますように、電子申請の推進に関して、資格取得届等の5届書の電子申請割合について、厚生労働省の基本計画において設定された、令和5年度末までに50%という目標に対して、令和3年度末で58.3%と、前倒しで達成しています。
また、その少し下、個人に対するオンラインサービスの拡充については、マイナポータルと「ねんきんネット」の連携機能の改善等により、マイナポータル経由の「ねんきんネット」の利用者数が、令和2年度の約7万人から10倍の約69.5万人に大幅に増加しています。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
評価(案)の説明につきましては以上でございます。

○増田部会長 どうもありがとうございました。
今、厚労省さんのほうから評価の考え方について、かいつまんで御説明いただきました。これ以降、ただいまの説明内容について御意見ないしは御質問等がありましたら、挙手の上、オンライン上で挙手するボタンがあると思いますので、そちらで合図をしていただきましたら、私のほうで指名いたしますし、それから画像で合図していただいても結構ですので、そちらのほうで合図していただければと思います。
今日のこの関係については、冒頭申し上げましたように、厚生労働大臣から当審議会のほうに諮問を受けておりますので、その手続にのっとって厚労大臣宛てに当審議会から答申する。今日、そこまで行っておきたいと思いますので、審議会で答申ということですが、当部会のほうでそこを判断するということですので、最終的には今日、そこまで行っておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、御質問等ございましたら、どうぞ合図していただければと思います。
まず、小尾委員、合図ございましたので、どうぞ御発言ください。

○小尾委員 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
私からのコメントは、説明されていない部分になってしまうのですけれども、資料1の概要版では19ページからの部分になると思いますし、本体だと73ページの部分に書かれている社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発という評価の部分について、ちょっと述べさせていただきたいと思います。
この社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発というところの評価が、今、B評価となっているわけですけれども、次のページになりますが、フェーズ2への取組というのが書かれています。これについては、令和3年度の重点取組施策というのが4つあったと思うのですけれども、この1つに記録管理システムの刷新への道筋の確立というのがありまして、これがそのフェーズ2への取組のアウトプットになると思います。これについては、今年5月の管理部会で機構の理事長から、事業者に対して対話などを通じて、機構としては一定の方向性を出してきていて、関係者の意見を聞きながら最終決定に持っていきたいと考えていますというお話があって、現在の主な取組状況になっていると思います。
一方で、このフェーズ2への取組というのは、平成30年12月ですかね。それで令和元年12月に改定されていますが、業務・システム刷新プロジェクト憲章【第2版】に全体の方針が書かれていまして、私はまだメンバーではなかったのですが、最新のものは2020年1月の47回管理部会に示されているという状況になっています。この中で、例えば全体稼働は遅くても令和8年1月までと書いてあったり、新たな刷新形式のデータベースの構築とか、システム全体を見直してオープン化することで運営コスト全体を最適化するとか、そういう方針がいろいろ書かれているという状況になっています。
今回のフェーズ2への対応の評価ということについては、着実に準備を進めたという評価が書かれているわけですけれども、この着実に準備を進めた、進むということが言えるためには、先ほどお話しした、現在、機構が考えている方向性というのと、管理部会とかでも出してきているプロジェクト憲章で示されている方向性というのが一致して、しかもそれがちゃんと前に進んでいることが評価できるということが必要かなと思っています。
特に、全体の稼働時期とかシステムの最適化とか、そういうものですね。そういうものについて、昨年度の取組が書かれているわけですが、それを行うことによってプロジェクト憲章で書かれていることの実現性も高まってきたと考えていいのでしょうかというのが御質問です。こうでないと、着実に準備を進めたという評価がなかなかできないのではないかと考えるわけです。
私自身、昨年12月からの委員ですので、そういう意味では、令和3年度の計画とかについてはその前の話になってしまいますので、もしよろしければ、以前の議論等については、システムに知見のある齋藤委員とか西村委員が御参加いただいていると思うので、もし何か補足いただけるようなことがあれば、補足いただいて御意見いただければなと思います。
私から以上です。

○増田部会長 小尾委員、どうもありがとうございました。
システムの関係でございまして、具体的にはフェーズ2の開発に関するもの。ただいまの評価の中で言うと、Ⅱの3番目の社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発に該当するところだと思うのですが、ほかの委員から特になければ、厚生労働省のほうに今の委員からの御趣旨について考えを述べていただこうと思っていますが、よろしゅうございますか。それでは、厚生労働省さんのほうで、どうぞお願いいたします。

○吉田企画官 年金局システム室の企画官をしております吉田と申します。御質問いただきまして、ありがとうございます。
まず、フェーズ2について御質問いただいたということで、現在の状況について伝えさせていただきますと、日本年金機構のほうで、年金局とともに令和3年4月よりフェーズ2の実施内容の企画案に係る情報提供依頼、いわゆるRFIを開始しまして、事業者との累次にわたる技術的な対話というのを重ねてきている状況です。この対話の中では、今回の開発の難易度に関する課題とか、現在のIT人材の逼迫状況といった様々な課題が見えてきておりまして、そういった中でフェーズ2の実現性や妥当性といった点について徹底した確認を行いながら、企画案の改善を進めている状況にあると承知しております。
これは参考まで、今年度のものになってしまいますけれども、本年8月、1つ段階が進みまして、調達仕様案に係るRFIというものを新たに開始しまして、事業者の皆さんに配付させていただきまして、これをさらに対話・検討を繰り返しまして、最終的な開発方針(案)の策定に取り組んでいるという状況であります。こういったことから、フェーズ2の実現に向けた道筋をつけるという方向に着実に向かっているものと考えておりまして、この令和3年度計画に記載された準備を着実に進めるという内容については、計画のとおり進められたと評価しているということでございます。
それから、御指摘のありましたプロジェクト憲章、令和元年12月改定になりますけれども、情報セキュリティ・システム専門委員会からの提言を踏まえまして、立ち上げ時の理念や基本的な考え方といったものを整理したものとして策定されております。これについて、RFIにおける技術的な対話を通じまして、フェーズ2の実現性、それから妥当性といったところの確認を行いながら、実施内容の企画案の改善を進めた結果、憲章に記載された個別の内容について差異が生ずるということは、技術的な観点も踏まえて、あり得るものと考えております。
こういった内容については、今はまだ技術的対話を続けている途中ですので、まだここで詳細にお知らせすることができる時期ではないと思っておりますけれども、このフェーズ2の実施内容につきましては、今後、情報セキュリティ・システム専門委員会のほうに御報告させていただいて御議論いただいた上で、この事業管理部会のほうでも御報告するような形で考えているということでございます。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
ということで、小尾委員、厚労省のほうでは、令和3年度は着実に準備を進めるというところについては、でき上がってきたのではないかという、一言で言うとそういうことのようですけれども、何か小尾委員のほうから、さらに今の答えについて。

○小尾委員 着実にというか、準備の道筋の確立みたいな話になるわけですけれども、それができたかというのは、後から見ると、あのタイミングでどうだったのかということが分かってしまうのですね。だから、今、令和3年度の評価ということで半年たっているわけですが、現段階では、例えば着実に準備ができたという評価をしたとしても、後から見ると、いや、そうじゃなかった。十分じゃなかった。または、あそこでそうは言ったけれども、違いますねみたいな話が出てきてしまう可能性もあるわけです。
そういう意味では、そういう点も十分考慮いただいて評価いただくことが本当は必要なのかなと思いますので、現状そのような評価ということではあるのかもしれないですが、そこの部分については、十分考えていただける部分があるのだったら考えていただくというのが必要かなと思います。
あと、今後の方向性がどうかということについては、専門委員会で議論いただくという話になっているわけですが、そういう意味では、適切な時期に管理部会で報告いただくというお話だったと思いますので、できればなるべく早くというか、どうなのかというのが、現状、まだ詳細な説明いただけないということだとすれば、何か差異が生じてくるということになってくると、ちゃんと議論して、承諾というか、皆さん、ちゃんと理解した上で先へ進む必要が出てくると思いますので、そこの部分については、できるだけ御配慮いただくというか。
まだ、いつということが言えるのか言えないのか、ちょっと分かりませんが、そこの部分については、できるだけ早い時期に管理部会で報告いただくということをお願いしたいと思います。

○増田部会長 今、これからのプロセスとして、できるだけ早く、こういう場で議論するような形で準備を進めていきたいというお話だったと思うので、その点はぜひ厚労省のほうでも、機構とともにそういう準備を進めていただきたいと思います。その点はよろしゅうございますか。はい。
今のシステムの関係ですけれども、西村委員から挙手のボタンがございます。西村委員、どうぞ御発言ください。

○西村委員 今のやり取りで確認したいというか、内容については特に異議はないですけれども、昨年は専門委員会のほうに出席されていたということで、当時の大山部会長代理から、私見も含めてお話をいただいて、経緯には異論がないということをおっしゃっていただいて、皆、納得したと思うのですけれども、今回、このやり取りですと、セキュリティ・システム委員会のほうでどういう議論をされて、誰がそれで妥当としたかということが全く見えない形ですので、そのうちというよりも、部会の中でどなたかにお話いただくということでないとよろしくないのではないかと思って聞いておりましたが、いかがでしょうか。

○増田部会長 この点、今、そういう課題提起がございましたが、厚労省のほうで。それでは、お願いします。

○吉田企画官 情報セキュリティ・システム専門委員会も、今、技術的対話を続けている中で、具体的に開催は令和3年度以降、行われていないという状況にあります。この先の部会への報告の仕方とか、そういったところについては、現段階で年金局として特に案を持ち合わせておりませんので、今、お答えするものは持ち合わせていないということになりますけれども、今いただいたようなことも踏まえながら、まず、専門委員会での御議論もいただかなければなりませんけれども、その上での部会での持ち方というのは検討していきたいと思っております。

○西村委員 昨年の事例もございますので、それを踏まえて、どういう形にするかは至急考えていただきたいところですけれども、今回、そのようなお話がないということで、このままBというのはどういうことになるのかなということは、若干疑義がありますので、そこは議事録に残していただければと思います。

○増田部会長 西村委員、ありがとうございました。
松山部会長代理、どうぞ御発言ください。

○松山部会長代理 御報告、どうもありがとうございました。
今の両委員からの御指摘等を踏まえて、私自身も気になった点として1点申し上げますと、システム開発というのはスケジュール的に非常に遅れてくる。後から見ると、いつの間にかずるずると遅れているみたいな形でトラブルになっている案件が、民間でも非常に多いので、今、両委員から御指摘があったとおり、進捗状況について定期的にどこかに報告して、一定の承認を得るなり、議論なり、確認するプロセスというのが必要だなと思って聞いておりました。
その観点からすると、私自身は、例えばシステムとかにそれほど知見が深くなくて、あまり分からないのですが、今、御指摘のあった専門委員会とか管理部会のようなところと定期的に報告、ミーティングしたというプロセスを、例えば今般の業務実績報告というものに、今年の分は結構なのですけれども、例えば来年からはきちんと記載するとか、そういった形で年間の実績という中に進捗状況の管理プロセスみたいなものも御報告いただいておくと、今日、両委員から御指摘があったような懸念点とかもより払拭されるように思いましたので、ジャストアイデアでございますけれども、そういったことも御検討いただければと思って聞いておりました。
以上でございます。

○増田部会長 松山部会長代理、どうもありがとうございました。
今のお三方の委員の御意見にもございましたが、評価をするときに、私も結論とすると、これまで事前に事務局からもいろいろお話聞かせていただきましたし、その事前の説明に対しての委員の皆様方からの御意見というか、反論状況も聞かせていただきましたけれども、松山部会長代理がおっしゃったように、システムの関係の開発について、部会のほうでどういう形で積み上げてきたかということが、本部会の他の委員の皆様方に分かるような形にしておくということが重要である。
なおかつ、そういうことでスケジュールをきちんと守りながら、かなり専門性の高い分野なので、それなりの知見をお持ちの皆様方の中でしっかり議論しないと進んでいかない部分もあると思うので、そういう折に触れて、きちんと本部会の中に返していただくというプロセスがすごく大事ではないかと思ったところでございます。
それで、そういう点も含めて、先ほど来、そういったことについて厚労省の年金局のほうで、今後についてできるだけ早急に、様々な御指摘の点についての対応を取るというお話だったのですが、この点、今、松山部会長代理からもお話がございましたが、よろしゅうございますか。何か少しお話しをしていただければと思います。

○吉田企画官 どのような形で報告させていただくかというのは、一度引き取らせていただきたいと考えております。
1点申し上げれば、スケジュールというところに関して言いますと、実際のところ、かなり技術的な難易度が高いということと、それから、年金の刷新だけではなくて、日本全体でいろいろな大型開発が進んでいこうとしているという中で、IT関係の人材の逼迫状況がかなり厳しいという感じでありまして、スケジュールを遵守するために実現性のないところをやっていくわけにいかないというところも、1点苦しいところではあります。
そういったところも含めて、ある意味で失敗できない開発になりますので、そういったところをきちんとやっていくということは、まず最優先にしながら、部会への報告ということについても、どういう形ができるか。今、私のほうで案を持ち合わせておりませんが、今、いただきました御指摘も踏まえて検討させていただければと考えております。

○増田部会長 私は、諸般の様々な困難性というのは理解しつつ、それから、各委員の皆さんは、そのことを踏まえながら、最善を尽くしてできるだけ早くやっていこうということで、同じ方向を向いて検討しておられると思うので、それが外部にもきちんと検討経緯が伝わるということがとても大事であって、その上で様々なシステムの開発に取り組んでいっていることが大事だと思うので、今日の本体の報告はこれとして、特に次回、来年度については、ずっとこれからついて回る話なので、この中にぜひそういった足跡というか、軌跡をきちんと中に記載したほうが、それを受けて、厚生労働省のほうでこういうふうに評価したということがきちんと国民にも伝わると思うので、その点はぜひ御検討いただきたい。
システムの具体的な記載の内容については、またいろいろとやり方が、あるいは記載の仕方があると思うのですが、評価の際にその点も踏まえて、トータルとして、こういうB評価ならB評価をしているということをきちんと分かるようにしていただく必要があると思います。これはぜひそういうことで、来年度していただければ。その辺り、また中でよく議論して、来年度の評価書の中に反映させていただければとお願いしておきたいと思います。この点、どうぞよろしくお願いいたします。
システムの関係でございますので、大変重要な御指摘をお三方の委員からいただきました。専門委員会のほうでも御検討がこれからあると思うので、今の関係について、ほかの委員の皆様方、特になければ、この関係については、取りあえず一旦ここまでとさせていただいて、そのほかの事項につきまして何かお気づきの点あるいは御質問等ございましたら、どうぞお願いしたいと思います。
それでは、土屋委員、挙手ございました。どうぞ御発言ください。

○土屋委員 土屋です。御説明ありがとうございました。
私のほうからは、今年度というわけではないのですが、来年度以降ということで、1つ言わせていただきます。
概要版のほうですと21ページ、ICT化の推進の1ページ目にサービスのオンライン化というところがありますが、電子申請を義務化された事業所が増えたことによって、今年の令和4年6月の話なのですけれども、労働保険の年度更新というイベントがあるのですが、そのときに6月に電子申請がほぼ使えなくなってしまったという事象がありまして、e-Govというシステムなのですけれども、そこに全くアクセスできない状況が、多分二、三週間続いていたのですね。
社会保険のほうでも、7月1日から10日まで集中して申請する時期がありますので、それをかなり心配していたのですが、今年度に関しては、社会保険のほうではそのような現象は聞いていないということは伺っているのですが、実際問題、23.9%から57%、約60%まで電子申請が増えたのはいいのですが、数字だけではなく、きちんとサービスが提供できているのかといった視点で、主な視点というところで、ちょっと考察を入れ込んでいただければなというのが、実際に現場で電子申請が増えるのはいいのですけれども、使えなくなって紙で持ち込むような逆効果になっている現象も目の当たりにしまして、そのような観点からも気をつけて、注意していただけたらなと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
ただいまの関係について、今年はどうだったかとか、この辺り、機構のほうのお話にもなるかと思うのですが、どなたか様子は分かりますか。どうぞ、お願いいたします。

○平岩日本年金機構理事 年金機構の事業企画部門担当理事の平岩でございます。
労働のほうであったような事象というのは、今年については、年金のほうにつきましては特に発生しておらないところでございます。委員のほうから御指摘ありましたように、件数が増えることによってシステムに圧がかかって、システム障害みたいなものが起きてこないとも限らないという御懸念ございます。こういったことにつきまして、どのように評価の視点に盛り込んでいくかといったところについては、厚労省のほうとも相談させていただきながら検討させていただければと思います。

○増田部会長 それでは、件数が増えるのは大変いいことだと思いますけれども、質がそれに伴うような形での対応をぜひよろしくお願いいたします。
土屋委員、今の関係についてはよろしゅうございますか。

○土屋委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

○増田部会長 それでは、ほかにお気づきの点、ありますでしょうか。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、ほかの方から特に御質問や御意見等、ないようでございます。冒頭申し上げましたように、今回は諮問・答申という手続にのっとったものでございますので、先ほど厚労省のほうから御説明ございましたが、こういった形で令和3年度の業務実績の評価(案)について、当部会としてよろしいかどうか。これについては、一度ここで皆さん方に確認いたしたいと思います。来年度に向けてのいくつかの御指摘ございましたが、それをしっかりと実行していただくことを前提に、各委員から様々な御意見ございましたけれども、年金機構の令和3年度の業務実績の評価(案)について、部会として了承させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(委員首肯)

○増田部会長 それでは、皆様方、ただいまの形で了承ということでございますので、後は手続にのっとりまして、社会保障審議会の田中会長から厚生労働大臣宛てに、その旨、答申させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、初めの評価(案)のほうについては、以上とさせていただきます。
続いて、議題の2つ目ですけれども、「その他」となっておりますが、事務処理誤り、毎月公表しておりますが、その年次公表について、今回、資料をまとめて提出がございますので、こちらについて、これは機構のほうから初めに御説明いただいて、その上で質疑を行っていきたいと思います。それでは、機構のほうからよろしくお願いいたします。

○萩日本年金機構リスク統括部長 リスク統括部の萩でございます。
私のほうから、事務処理誤り等の年次公表につきまして御報告させていただきます。
日本年金機構におきましては、前年度に公表いたしました事務処理誤り等を集計・分析いたしまして御報告してまいりましたが、今回の御報告は令和3年度に公表したもの、1年間分を集計及び分析した結果の御報告となります。
1ページを御確認ください。Ⅱの1の(1)でございます。こちら、前年度に公表いたしました事務処理誤り等の総件数につきまして、1,347件となっております。こちらは、記載にはございませんが、令和2年度は1,601件、令和元年度は1,742件となっておりますので、一定の減少が見られるところでございます。なお、中央の表の横軸につきましては、発生年度別の件数となっております。これは事務処理誤りがいつ起こったのか、その起こった年度別に集計したものでございます。
こちらの1,347件の制度別・区分別の件数につきましては、(2)のとおりとなっておりまして、制度別では、年金給付関係が582件、国民年金関係が539件、厚生年金関係が226件となっております。
また、要因区分別に見ますと、確認・決定誤りによるものが778件となっており、例年、一番割合が高くなっておりますが、審査体制の強化や研修強化等によりまして発生防止対策を行っているところでございます。
それでは、2ページ目を御覧ください。(3)につきましては、お客様への受給額等の影響額を区分ごとに集計したものでございます。受給額等に影響があったものが644件、全体の約50%弱となっております。
また、お客様に影響があったものの644件の内訳を示したものが(4)になりまして、総額約3.57億円となっておりまして、こちらにも記載はございませんが、令和2年度は7.8億円、令和元年度は9.1億円でありましたので、こちらも一定の減少が見受けられます。
なお、未払い、過徴収、未徴収、誤還付の対応は既に終えておりまして、過払いにつきましては順次返済いただいているところでございます。
(5)は事務処理誤りが起こったことを、機構内部で確認している段階で判明したものか、お客様から問合せをいただいて判明したものかの割合を出したものですが、機構内で確認している中で判明したものは56%となっております。
隣の(6)はシステム事故ということで、要件を定義する際の漏れや誤りなどにより生じたものは3件の事象がございまして、その影響額の合計が約320万円となっておりますが、こちらにつきましては対応を完了しているところでございます。
その下の参考ですが、令和3年度末の時点におきまして、お客様への説明や訂正処理等の対応が完了していないもの、対応中であったものは1,416件となっております。
続きまして、3ページを御覧ください。今回、令和3年度分の事務処理誤りを公表するに当たりまして、改めて点検・分析を行った結果でございます。
(1)の➀は令和3年度に公表いたしました年金給付関係の事務処理誤り582件のうち、給付額に影響があったものは278件でした。また、事務処理誤りにつきましては、一件一件、個別に確認いたしまして必要な再発防止策を実施しているところですが、それに加え、年金の種類や支給開始、支給停止の仕組みなどをもとに定型的な分類を行い、同様の種類の事務処理誤りが3件以上発生していないかという確認をいたしましたところ、年金給付に関するものとして、次の表に記載しております、共済年金の年金額を考慮した遺族厚生年金の支給調整誤りの1事象がございました。
本件は、お客様に年金の未払いと過払いがある案件でございまして、お客様に説明し、未払いの年金をお支払いするとともに、既にシステム改修を行っており、再発防止を図っているところでございます。
続きまして、➁「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検」等についてですが、こちらは平成29年度に公表した以降、順次対応を進めており、本年8月末時点でお客様への対応等を完了したものを集計したものが、こちらの4ページの表となっております。
続きまして、5ページを御覧ください。こちらは、年金決定時のチェックの実施でございます。これにつきましては、令和2年4月に専任の部署を設置いたしまして、年金決定直後に決定内容をチェックし、支払開始前または支払開始直後に訂正を行うことにより、事務処理誤りの予防・早期対応を図っております。
具体的には、令和3年度に年金事務所において決定した約144万件の中から、過去に発生した誤り事例を踏まえ、年金記録が複雑な方、加給年金や振替加算が支給された方、複数の年金の受給権を有し、選択関係の確認が必要な方など、年金事務所等で確認しておりますが、それでもなお事務処理誤りが生じやすいものを累計した23万件につきまして、再度のチェックを行ったところでございます。そして、このうち387件につきましては、事務処理誤りの予防・早期対応を図ったというものでございます。
続きまして、(2)と(3)でございますが、令和3年度に発生いたしました国民年金関係の事務処理誤り539件、及び厚生年金関係の事務処理誤り226件につきまして、年金給付関係のものと同様に一件一件、個別に確認するとともに、同様の種類の事務処理誤りが3件以上発生したものがないか、確認いたしましたが、これに該当するものはございませんでした。
続きまして、6ページを御覧ください。最後になりますが、「お客様の声」に関する対応状況でございます。年金機構に寄せられました「お客様の声」11,177件につきましては、主に機構のサービスに関するものが多く、これにつきましては、サービス改善を順次図っておりますが、一方で、事務処理誤りの予防・発見につながるものはないかの観点から確認を行いまして、事務処理誤りの発生防止を図っているところでございます。そのうちの主なものが、ここに示しました2件でございます。
日本年金機構では、今後も引き続き、事務処理誤り等の削減、また予防・早期発見に努め、お客様に適正に年金をお支払いできるよう努めてまいります。
私からの説明は以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。事務処理誤り等の年次公表の資料の関係で御説明いただきました。
この関係で、委員の皆様方から御意見や御質問等がありましたら、お願いいたしたいと思います。同じように合図をしていただければ指名いたします。どうぞ、いかがでしょうか。
松山部会長代理、どうぞお願いします。

○松山部会長代理 非常に瑣末な数字の確認だけなのですけれども、申し訳ございません。3ページ目以下のところで、年金給付関係と3つの分割のところで内訳が書いてあって、年金給付関係の事務処理誤りが582件中、年金給付額に影響のある事務処理誤りが278件で、影響がないものが304件と書いてあるのですけれども、その前の2ページ目のほうを見ると、一番上の一覧表の582件のところで、影響額ありの件数が391件で、影響額なしの件数が191件になっていて、これは数字が違うのはなぜなのでしょうか。すみません、リリースだけぱっと見たときに、何で数字が違うのかというのが一瞬よく分からなかったので、その点だけ御説明いただけると、と思ったのですが。

○増田部会長 機構のほうで今の関係、数字の関係ですけれども、御説明いただければと思いますが。後ろのほうで手を挙げている方、マイクを使って聞こえるように御発言お願いしたいと思います。

○樫本日本年金機構年金給付部長 年金給付部長の樫本でございます。今の御質問にお答えいたします。
まず、3ページの582件のうちの278件につきましては、年金額に影響がある方でございます。その下の304件につきましては、年金額には影響がないわけですが、下に書いてありますように、振込口座の入力誤りといった、支払いには影響があるものが含まれています。この304件はその分でございます。
2ページ目ですが、先ほど申しました391件は、この3ページの部分とちょっと違うのですが、影響額なしにつきましては、まさに支払額の部分でございまして、391件については年金のお支払いに影響がある方でございまして、191件については単純な説明誤りといった部分でございますので、非常に分かりにくい部分ですが、ちょっと観点が違うというところで御理解いただければと思います。

○松山部会長代理 分かりました。どうもありがとうございます。万が一、数字の誤りがあってはいけないと思って、ちょっと確認させていただきました。御趣旨が違うということであれば、やや分かりにくいような気もいたしますが、了解しました。ありがとうございます。

○増田部会長 ありがとうございました。これも来年度へ向けてですけれども、その辺り、誤解のないようにきちんと書いたほうがいいかもしれないですね。影響ありなしのところです。また、その点について工夫していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょうか。
土屋委員、どうぞお願いいたします。

○土屋委員 すみません、本当にちょっとした疑問で、分からないので教えていただきたいのですけれども、4ページ目の一覧があるかと思いますが、それの項番34番、二以上事業所勤務届が提出されていない場合の年金額の計算誤りとあるのですが、これは二以上勤務届がなくて、複数箇所で資格取得届ができてしまって、かつ、それぞれ納付があってという状況があり得るということなのですか。

○増田部会長 これも後ろの方、どうぞお答えをお願いします。

○樫本日本年金機構年金給付部長 年金給付部長、樫本でございます。
今、おっしゃった、二以上事業所勤務届が提出されない場合の計算誤りでございますが、委員御指摘のとおりでございまして、基本は、二以上に勤めた方は二以上勤務届を出して記録を1本にするわけでございますが、二以上勤務届が出されていないケースの記録につきましては、2つの記録がございまして、これを合算しつつ、年金額に反映しなければいけない部分がございますが、そこの計算を一部誤ったものということで対応しているところでございます。
以上でございます。

○増田部会長 土屋委員、今の御説明、よろしゅうございますか。もう一回、分かりやすく説明していただきますか。

○土屋委員 分かりましたけれども、1人、1つの基礎年金番号しかないと思うのですけれども、それに対して2つも3つも、複数、資格取得ができてしまうシステムになっているという理解でしょうか。

○増田部会長 どうぞ、機構のほうから。

○樫本日本年金機構年金給付部長 基本的には、おっしゃるように、1つの基礎年金番号で1本につながるわけでございますが、資格喪失届と新たな資格取得届が入ることになるわけでございますが、これは順番に入るかどうかといった部分につきまして、確実にその順番が、喪失が入って取得が入ればいいわけでございますが、そういった部分が入らないケースがございますので、1月かぶったりするケースもございます。1月かぶった部分について、どういった計算をするかといったところで計算の誤りがあったというものがございます。基本的には、1月重複部分というものがケースとしては考えられます。ちょっとお分かりにならない部分があるかと思うのですが、御理解いただければと思います。

○増田部会長 理事長さんのほうから、どうぞお願いいたします。

○水島日本年金機構理事長 御指摘のとおり、過去はそれが入ってしまったのです。それで間違いが発生したので、システムで対応して直したのですけれども、その前に入っているものについて、今、間違いを訂正して、過払い、未払いが発生しておりますので、それぞれのお客様に対して対応しているということでございます。よろしいですか。

○土屋委員 今は入らないということで、安心しました。

○水島日本年金機構理事長 今は入りません。大丈夫です。

○土屋委員 ちょっと心配してしまいました。ありがとうございます。

○増田部会長 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。特にほかにないようでございますので、それでは、事務処理誤りの年次公表の関係について、以上とさせていただきます。
今日、予定しております議題は以上でございますが、全体を通しまして何か委員のほうからございますでしょうか。よろしゅうございますか。
どうぞ、西村委員、御発言ください。

○西村委員 すみません。今回の件とは関係ないので、黙っていたのですが、1つ目の議題の土屋委員の御質問のサービスに関わるお話で、ちょっと御確認させていただければと思いました。
実は、この何日かでe-Govでまたシステム障害というニュースがあったかと思いますけれども、サイバー攻撃の関連です。確かにe-Govは、厚労省さん、年金機構さんのシステムではないので、関係ないと言えば関係ないのですけれども、サービスをきちんと提供するという意味では、例えば先ほど土屋委員の御発言があった、今回、この会議とは関係ないのですが、厚労省全体としては、労働保険の更新時期とか社保の申請時期とかにきちんとe-Govが動いているかというのは大きな課題だと思いますので、例えば民間では、この時期重要な手続があるので、その担当の人たちのところで監視を強化するとか、人を増員するとかというのを依頼したりしているのですけれどもね。
その辺の動きとかがどうなっているかとか、もし動きがちゃんとできていないようであれば、この御時世ですので、来年からかどうか分からないのですけれども、そういう重要な時期には相談していただけるのかというのはあり得るのかなと思いまして、ちょっと御確認させていただければと思いまして、質問さしあげました。

○増田部会長 それでは、機構の理事長さん、どうぞお願いします。

○水島日本年金機構理事長 直接のお答えになっているかどうかはあれですが、今、電子申請等はe-Govルートでやっているのです。機構直接のルートはございません。したがって、今回のようにe-Govがダウンしたときに、あるいはDDoSを受けて閉鎖したという状況のときに、どういう対応策を取るかということは極めて重要なテーマだと思っています。
基本的には、それに関しては、インターネット分野に関して政府共通インフラに依存するという選択をしておりますので、そこは政府共通インフラがちゃんとやってくれることを前提にしているわけです。ちゃんとやってくれない場合があるということについて、どういう対応をするかということについては極めて重要な課題でございまして、これに関してはこれからの極めて重要な検討課題だと思います。解決策はなかなか難しいと思いますが、期限があるもの等について、どのように対応していくかということについては非常に悩ましい問題だと思います。デジタル庁ともよく協議して進めたいと思います。

○西村委員 ぜひ御検討していただければと思います。よろしくお願いします。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
そのほか、委員の方からこの際ということで何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、今日は予定どおり、2つの議題、特に前半の評価のほうも終わりましたので、今日の会議のほうは以上とさせていただきます。
あと、年内にまた次回の会合を開催する予定でございますが、そちらにつきましては改めて事務局のほうから御連絡をさしあげたいと思います。
それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。お疲れさまでした。