2022年6月23日  第62回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和4年6月23日(木)15:00~16:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 16階
東京都千代田区内幸町1-3-1

出席委員

会場出席委員:増田部会長
オンライン出席委員:松山部会長代理、小尾委員、齋藤委員、土屋委員、西村委員、野村委員、原委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和3年度業務実績について
  2. (2)その他

議事

議事内容

○清水年金事業運営推進室長 定刻になりましたので、ただいまより第62回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、委員の皆様の出欠状況について御報告させていただきます。片桐委員、山口委員から御欠席との御連絡をいただいております。
本日も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンライン併用での開催となっております。増田部会長は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
それでは、議事進行につきましては増田部会長にお願いさせていただきたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退出をお願いいたします。

(カメラ退室)

○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして「日本年金機構の令和3年度の業務実績について」を前回に引き続きまして審議いたしたいと思います。
本日は、前回この場で御審議をいただいた内容を踏まえて修正をされております資料の1-1から1-3までの3種類の資料が提出をされております。
資料の1-1は、概要版と報告書の案の修正や追記を行った箇所を抜粋したものであります。
資料の1-2ですが、この概要版は赤字で修正や追記を行ったもの。
資料の1-3は、報告書の案本体について修正を反映したものということになっております。
では、これから機構のほうから修正箇所を中心に説明をいただいて、その上で、いつもどおりの質疑ということにいたしたいと思います。
それでは、機構のほうから説明のほうをお願いします。

○田中日本年金機構企画調整監 日本年金機構経営企画部の田中です。よろしくお願いいたします。
それでは、今部会長から御案内いただいた資料のうち資料1-2の概要を用いまして、前回からの修正箇所につきまして御説明させていただきたいと思います。
資料1-2の1ページ目と2ページ目につきましては全体の概要になりまして、繰り返しになりますので、3ページ目から御覧いただければと思います。
資料1-2の3ページを御覧ください。主に今回修正を行っておりますのは、前回、部会で御指摘をいただいた点についての修正と、あと、前回お示しした案では各種事業の実績の数字について固められておらず●で表記していた部分について、数字を固めて記載をさせていただいているものになります。3ページを御覧いただきますと、まず、20歳の職権適用等の人数について固めたものを記載させていただいております。
中ほど、納付率等の目標の関係では、本日、別の議題で国民年金の納付状況についての議題がございますが、こちらでも国民年金の納付率につきまして、現年度納付率について前年度プラス2.4ポイントの73.9%、また、3行目ですけれども、最終納付率につきましてプラス8.7ポイントの78%ということで、いずれも目標を上回ったということを記載させていただいております。
その下は、口座振替及びクレジットカード納付の実施率について数字を入れさせていただいております。
4ページを御覧ください。上のところでは新型コロナに係ります臨時特例免除の令和4年3月末時点の承認件数等について数字を入れさせていただいております。
その下の地域の実情を踏まえた対策のところでは、沖縄プロジェクトの取組の結果として、沖縄の現年度納付率等について数字を入れさせていただいております。
また、こちらのページの一番下のところは、24か月未納者に対する取組の結果としての数字を入れさせていただいております。
5ページを御覧ください。厚生年金の適用促進の関係では、国税情報により把握をいたしました適用調査対象事業所への取組状況の中で、新規の適用被保険者数につきまして固めた数字を記載させていただいております。
6ページを御覧ください。下の四角のところでございますが、前回の部会で御指摘をいただきました資格取得届に関します電子申請の平均処理日数につきまして、平成31年4月のところから数字を記載したほうがよいという御指摘をいただいたことを踏まえて、修正をしております。
また、表の上の2行でございますが、被保険者証の発行までの期間が短縮されたことに伴いまして、資格証明書の交付申請件数が減少しているという状況につきまして、今回追記をさせていただいております。
7ページを御覧ください。厚生年金の保険料徴収対策でございます。こちらも令和3年度における厚生年金保険料の収納率が98.3%ということで、前年度実績を上回ったという数字を入れさせていただいております。また、法定猶予制度の適用を受けている保険料額を除いた収納率についても99.4%ということで、前年度実績を上回ったという数字を入れさせていただいております。
その次の四角、下のほうでございますが、こちらは困難性が高い事業所に対する取組の結果としての数字を入れさせていただいております。
一番下のところは口座振替の実施率について今回数字を入れさせていただいております。
少し飛びますが19ページまで行っていただけますでしょうか。社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発のところですが、フェーズ2への対応のところの記載で、前回の部会でも御指摘があったところでございますが、上のところでは令和3年度における取組としましてRFIを実施して、その結果を踏まえ、必要な見直しを加えた案をRFIにおける追加資料として事業者に提示しましたということで、誰にというところを追記いたしました。
また、四角の下のところでございますけれども、こちらも前回の御指摘を踏まえましてITガバナンスの確立に向けた体制強化としまして、どのようなスキルを持った人材をどのように配置しているか追記させていただいたところでございます。
20ページを御覧ください。上のところですがサービスのオンライン化の事業所に対する取組として、電子申請の利用促進のところで、それに伴いまして紙届書の件数がこのような形で減少したということで追記をさせていただいております。
21ページも前回御指摘をいただいたところでございますが、紙の確認リスト等の電子データ化の取組でございます。前回の案では令和2年度からの取組としてまとめて記載をしてしまっておりまして、令和2年度の取組の実績報告の記載と違いが分からないような形になっておりましたので、御指摘を踏まえまして、令和3年度としての取組が分かるような形で記載を修正いたしております。併せてさらなる取組として、約1,600万枚の配信帳票を電子データで利用保存するシステム開発に着手したということを追記させていただいております。
続きまして、少しページを飛びまして24ページを御覧ください。上の適正な監査の実施というところでございます。こちらの3つ目の○のところは、監査におけます業務検査の評価結果が年々向上してきているというところを追記させていただいております。
また、こちらの四角の中の一番下のところでございますが、前回の御指摘を踏まえまして、厚生労働省年金局による監査意見を機構の監査に適切に反映をしたということを追記させていただきました。
27ページを御覧ください。一番下のところでございますが、女性管理職の登用の促進のところで、管理職登用試験への女性の応募者数の増加の状況というのを追記させていただきました。
簡単ではございますが、修正について、主な箇所の御説明は以上になります。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございました。
今、資料の1-2を使いまして、概要版になりますけれども、修正の内容について御説明いただきました。各委員の皆様方から御確認いただきまして、御意見ですとか御質問ですとかございましたら、どうぞお願いしたいと思います。カメラのほうに向かって合図をしていただきますと、私のほうで指名をいたしますので、もしウェブカメラを切られている委員がおりましたら、御発言の際はカメラをオンにしていただいて挙手のほうをお願いしたいと思います。
それでは、土屋委員、どうぞ御発言ください。

○土屋委員 御説明ありがとうございます。
私のほうは、以前御指摘させていただきました6ページの健康保険証の交付の件で、3か年まとめて書いていただくことによって、とても効率化したのだなというところが見えるようになったかなと思います。
加えて、健康保険被保険者資格証明書交付申請書の申請件数のことについても書いていただきまして、こちらについては私のほうも、そういえば昔そんな申請をしていたなという感覚で、すっかり忘れていたのですが、交付に日数を要したために、そういう手続もやらざるを得なかったところが実際ありました。それが36万件から21万件に減ったということは、ものすごい効果だなと実感しています。健康保険証が早く届くだけではなくて、ほかの効果もあったのだということが示せて、記述としては最適なものだと思います。
以上です。

○増田部会長 御指摘いただいた点、どうもありがとうございました。
それでは、ほかに各委員の皆様方のほうでお気づきの点、あるいは御質問等があればどうぞお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
小尾委員、どうぞ御発言ください。

○小尾委員 御説明ありがとうございました。
前回も御質問させていただいた部分ですけれども、19ページについて、1点だけちょっと確認させていただきたい点と、あと、コメントをしたいと思います。
19ページのところで、必要な見直しを加えた案をRFIにおける追加資料として事業者に提示したというところなのですが、念のため確認なのですけれども、この提示というのは、対話を行っている全ての事業者に提示したということでよろしいでしょうか。公平性の観点からRFIの資料を取ってきた事業者全てに対して提示をしたということだと思うのですが、もしそうであれば、それが分かるほうが誤解がないかなと思いました。
もう一つ、人材育成のところです。ここについては前回よりも随分分かりやすくなったかなと思いますし、今回は3年度の実績ということですので、このような記載でいいのかなとは思いますが、来年度に向けてコメントをさせていただければと思います。この部分は、今後機構がどのように人材育成を行っていくかというところに関係するところだと思います。そういう意味では、客観的な形で表現していくことがより重要になるのかなと感じています。
6月に政府から重点計画が出ていると思いますが、その中では、組織の規模とか所管する情報システムの実績を踏まえて、デジタル人材確保・育成計画を策定するということが言われていたり、その一環で、研修とか出向とかスキル認定みたいな具体的な目標を設定した政府デジタル人材育成支援プログラムを策定して、実際の組織の中でどのようにデジタル人材を育成するかというようなことを明記してくださいということが求められてきています。
また、デジ庁が昨年の12月に情報システムの整備及び管理の基本的な方針というのを出しているのですが、その中では、部内の人材育成に関して、いわゆる役職とか段階とか、そういうものに応じた研修の受講とか、ITとかセキュリティー分野の国家資格の受験とか国家資格の取得、あと、デジタル庁とか、国内外の大学院、民間企業への派遣を行っていったらいいということが具体的に示されてきています。
今後、私たちもそうですが、第三者の目から見て、機構がどういう形で人材育成を行っていくかということをちゃんと確認いただいて判断いただくということが必要になってくると思いますので、こういったものを参考にして、さらにこれは実際にデジ庁がつくっているものですので、デジ庁とも相談して機構、もしくは年金局としてデジタル人材育成支援プログラムのようなものをつくっていくことを進めていただければと思っています。
また、第三者の目からということを考えると、例えばこの部会の下に情報セキュリティ・システム専門委員会があるわけですが、そういうところにこういうプログラムをつくりましたということを提示して見ていただくというようなことも必要かなと感じています。
今回、これはコメントということで、この報告そのものに関係するというか、この報告を修正してくださいということではないのですけれども、ここに関連して、こういうことを進めていただきたいというお願いになります。よろしくお願いします。

○増田部会長 どうもありがとうございました。
最初の点、RFIの関係です。どうぞお願いします。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画部門担当理事、鈴木でございます。
1点目のRFIの提示でございますけれども、事業者の皆様にRFIで追加資料がございますという情報提供を等しく行いまして、その資料を各事業者さんに取りに来ていただいているという状況でございますので、特定の事業者さんということではございません。それが1点目でございます。
それから、御意見のほうにつきましては、今いただきました御意見も踏まえまして、これから私どもとしてもITガバナンスを確立した上で、人材の育成・研修を進めてまいりますので、それをどのような形でより強化していけるかということを検討し、また、実行に移していきたいと思います。
以上でございます。

○増田部会長 小尾委員、いかがですか。よろしゅうございますか。後のほうはコメントということでございましたが。

○小尾委員 デジ庁とか政府としては、そういうものを策定してくださいということが出ていますので、ぜひそこについては機構としても取り組んでいただきたいと感じていますので、よろしくお願いします。

○増田部会長 それでは、機構のほうもどうぞよろしくお願いいたします。
西村委員、御発言ください。

○西村委員 資料の説明、ありがとうございます。
全体としては、概要版はすごくよくなっていたと思ったのですが、それで触れられなかった全体版の件について、1つだけ確認というか質問させていただいていいでしょうか。全体版の17ページのところで、前納の件数が過去2年に比べてすごい増えたという結果が今回初めて出てきたと思うのですが、ここについて、その原因とか対象者とかが分かりましたら教えていただきたいのと、これがもしきちんと機能して、こういう結果になったとするとすごい効果なので、概要版に入れてほしかったなというのがコメントではあります。
なので、前半は質問、後半はコメントということで、分かったら教えてください。

○増田部会長 それでは、今の点ですけれども、お願いします。

○岩井日本年金機構理事 事業管理部門担当理事の岩井でございます。
前納につきましては保険料納付を確保する、あるいは年金の受給につなげていただくという意味で非常に有効であると考えておりまして、機構におきましては従来から積極的に取り組んでおります。
具体的には、お客様に対して納付書をお送りするのですが、そこにチラシを入れまして前納制度についての説明を行っております。また、口座振替とかクレジットカードについてもお勧めしているのですけれども、その際も前納で割引などができるという仕組みもありますので、そういうことをチラシで説明いたしまして納入しております。また、年金事務所の窓口においても常にチラシを置いて周知しておりますし、あと、市区町村、自治体とも連携しておりまして、市区町村向けの情報誌「かけはし」というのがございますが、前納制度について広報依頼などをそこで行っているという状況でございます。
このような取組で、年々前納についても増加している状況でございまして、重点的に取り組んでいるということが原因であろうと考えております。
以上でございます。

○増田部会長 最初のほうの関係、西村委員、よろしいですか。

○西村委員 この6万件増えた例えば年齢層とかの分析が済んでいるか、もし分かったらお伺いしたいところがあります。今のお話ですと、全般的にということなのでしょうけれども、本文を見ると気になったのは、左側の目標のところにちょうど20歳の資格取得後とか学生向けというのがあったので、例えば若い人たちが増えたというと、非常に効果があるところかなというのもちょっと印象としてあったところなので、もし分かったら教えていただければと思います。

○岩井日本年金機構理事 今、お尋ねの件でございますが、大変恐縮でございますが、前納がどの年齢層で増えているというものについては現在持ち合わせておりません。ただ、御指摘のとおり、20歳到達者の方々に対しましては納付ということの重要性につきまして、従来からですけれども、特に近年取り組んでおります。その中では、この前納制度などについてもお知らせしておりまして、また、世帯主の方々、例えば20歳だと学生さんとかが多いので、世帯主の方々に対してもよく見ていただくように訴求するような工夫をいたしまして、全体的に納付についてお知らせしているという状況でございまして、その点については、効果があるものと考えております。
以上でございます。

○西村委員 ありがとうございます。分析をして傾向と対策がより分かるといいと思います。そこら辺は来年に向けてよろしくお願いします。
以上です。

○増田部会長 西村委員、どうもありがとうございました。
それでは、来年に向けての記載のところ、またよろしくお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。何かコメントなり、御質問等はございますでしょうか。
松山部会長代理、どうぞ御発言ください。

○松山部会長代理 どうもありがとうございます。
この報告書については特にないのですけれども、ちょっと質問ということで、概要版の20ページで、サービスのオンライン化についてというところがすごく進捗しているという御報告をいただいていて、既に基本計画の目標を前倒しで達成しましたということなのですけれども、この先、これは例えば届出書、電子申請、もっと目標を引き上げてやっていくとか、そういう御計画がおありになるのですか。すみません、これは業務実績報告書とは関係ないのですけれども、ちょっとお時間があれば、この先の予定とか計画とかがあるようであれば、教えていただければと思って御質問させていただきました。

○増田部会長 分かりました。
それでは、これは理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 非常に広範な計画を立てておりまして、事業所向け及び個人向けに関して御説明すると、かなり時間がかかりますが、基本的には今、届書に関しては電子申請、デジタル化が、取扱いベースで今93%ぐらいまで来ていると思いますが、それを引き上げていくということに関しては引き続き行っていくということでございます。現場に対しては目標を指示して行っているということでございます。
それから、届出の一方で、こちらから御通知を申し上げる内容をデジタル化するということがございます。それから、御照会いただくものについてウェブ化するということがございます。これらの開発を今進めておりまして、これから順次サービスが開始されるということになります。その中で、御利用いただけるように、これも現場に対して御利用いただける数字の目標を指示いたしまして、さらに広報の体制を確立して拡大していくということを進めていくということでございます。
個人に関しましては、基本的にはマイナンバーカードとねんきんネットの情報連携をベースにしてやっていきたいと思っているのですが、基本的に届書に関して、どのようにデジタル化していくかということについては、まだまだ進めなくてはいけない点があります。この点についてはサービスをまず開発するところから進めるということでございます。
それから、それぞれの記録、あるいは年金額等を御照会いただくウェブ化に関しては、ねんきんネットが今700万人ぐらい御利用いただいている数になっておりますので、この数をさらに拡大していくということを実際には目標化しているということでございますが、基本的には全ての国民の皆様方に御利用いただけるような環境をつくり上げるということが、当面の目標だということでございます。具体的な数値の目標に関しては、個々のサービス及び機に応じて、現場に対して指示をしているということでございます。
以上でございます。

○増田部会長 松山部会長代理、よろしゅうございますか。

○松山部会長代理 結構でございます。このページを見ると、とても進捗しているようだったので、さらなる御努力をどのようにされているのかと思って確認させていただきました。ありがとうございました。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、前回、それから、今回は御質問や確認、あるいは来年度に向けてのコメントということで意見を頂戴しましたけれども、ここでの議論を踏まえておりますので、厚生労働大臣のほうに、今日御提出いただいておりますような内容で業務実績報告書を提出いただきたいと思います。その上で、今後につきましては、機構のほうから提出をされた報告書に基づいて、厚生労働大臣が業務実績の評価を行うことになっておりますので、年金機構法で機構の業務実績の評価を厚生労働大臣が行う際には、社会保障審議会に諮問、すなわち社会保障審議会の中では当部会で審議ということになりますので、次回の当部会での審議は、厚生労働大臣のほうでおつけになった評価の案について、この場で議論したいと思いますので、委員の皆様方、御承知をいただければと思います。
それでは、議事次第(一)のほうは、ここまでとさせていただきまして、(二)で「その他」というものがございますが、この「その他」の報告事項ということで、今日は資料2と資料3が提出をされております。資料2、それから、資料3、それぞれ説明をしていただきまして、その説明の後に質疑を行いたいと思いますので、まず初めに、資料2のほうですが「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」の説明を年金局のほうからお願いいたしたいと思います。

○楠田年金局調査室長 事業企画課調査室長の楠田と申します。よろしくお願いいたします。
この資料につきましては、本日10時に公表されておりまして、既に一部報道されております。
この資料ですけれども、未納分を遡って納付できる過去2年分を集計した最終納付率等についてまとめております。最終納付率ですが、下の枠囲いの中の※を見ていただきますと、例えば令和3年度の最終納付率は平成31年4月分から令和2年3月分の保険料納付対象月数のうち、令和4年4月末までに納付された月数の割合として定義されております。このほか、納付状況の途中経過を示すものとして、現年度納付、過年度1年目納付がございますが、最終的な納付状況を示す手法は最終納付率が適当と考えております。
枠囲みの中でございますけれども、令和3年度の最終納付率は78.0%となっておりまして、前年度から0.8ポイントの増となっております。こちらは平成24年度の最終納付率から9年連続で上昇しております。また、統計を取り始めた平成16年度の最終納付率、こちらは平成14年度分納付率の保険料が対象になっておりますが、これ以降最高値となっております。なお、途中経過を示す指標として令和3年度の現年度納付率、令和3年度分保険料が対象となっておりますけれども、こちらは73.9%となっておりまして、前年度から2.4ポイントの増となっており、平成23年度から10年連続で上昇しております。
以下、詳細な資料に沿って概要を説明させていただきますので、まずは1ページを御覧いただけるでしょうか。
1ページは国民年金被保険者の動向について見たものでございます。表1を見ていただきますと、一番左側が第1号被保険者の数でございます。こちらは任意加入者を含んで令和3年度に1,431万人ということで、前年度の1,449万人から減少しております。右から3番目を御覧ください。厚生年金保険の第1号被保険者数でございます。令和3年度末は4,065万人で前年度の4,047万人から減少をしております。一番右側の第3号被保険者でございますが、令和3年度は763万人となっておりまして、前年度の793万人からこちらも減少しております。
近年の動向としましては、厚生年金被保険者数は増加する一方で、国民年金第1号被保険者数、第3号被保険者数は減少という状況が続いております。
次に、図1で公的年金全体を見てみますと、右側の令和3年度、全体としまして6,725万人となっております。こちらは括弧書きで書いておりますけれども、上の表の注2にありますように、第2号から第4号の厚生年金被保険者数を令和2年度末の実績とした場合の暫定値でお示しをしております。前年度の6,756万人から、こちらも減少しております。
続きまして、一番下の未納者数でございます。未納者とは国民年金第1号被保険者であって、24か月の保険料が未納となっている者のことでございますが、令和3年度で106万人ということで、前年度の115万人から減少しております。
続きまして、2ページを御覧ください。第1号被保険者の資格取得と喪失の動向を見たものとなっております。傾向としましては、資格喪失者数が資格取得者数を上回っておりますので、第1号被保険者の数は減少傾向にあります。
その下の図2でございますけれども、こちらは年齢構成の変化を見ております。令和3年度を見ていただきますと、20歳から24歳の割合が23.6%と最も大きく、次いで50歳から54歳の13.5%となっております。20歳から24歳の割合が大きいのは学生の方が多くいるためと考えております。
続きまして、3ページを御覧ください。こちらからは保険料納付状況となっております。破線の枠囲みの中にありますように、国民年金保険料の納付率は納付義務がどれだけ果たされているかという納付状況を見るための指標であり、納付対象月数に対する納付月数の割合として算出をしております。
表3を見ていただきますと、上段の最終納付率、令和3年度は先ほども申し上げましたように78.0%となっておりまして、前年度の77.2%から0.8ポイント伸びております。冒頭でも申し上げましたように、平成24年度から9年連続で上昇しているという結果になっております。
その下、納付対象月数でございますけれども、こちらは令和2年度から令和3年度につきまして減少しておりますけれども、これは第1号被保険者数自体の減少等によるものでございます。
一番下でございますが、現年度納付率で、令和3年度は73.9%で令和2年度分の保険料71.5%から2.4ポイントの増となっております。こちらにつきましては平成23年度から10年連続で上昇しております。
下の図3は納付率の推移でございますけれども、最終納付率の統計を取り始めた平成14年度分の最終納付率以降、最高値となっております。
続きまして、4ページを御覧ください。表4でございますけれども、こちらは最終納付率、過年度1年目納付率、現年度納付率の推移を表したものでございます。表の縦方向には対象保険料の年度、横方向には保険料の算出時点の年度を示しております。真ん中の令和元年度分の保険料を見ていただきますと、令和元年度で69.25%になっておりますけれども、そこから2年を経て令和3年度には77.95%と約8.7ポイントの増加となっております。
下の表5でございますけれども、こちらは先ほどの納付率の分母分子であります納付対象月数と納付月数の推移をお示ししたものでございます。
さらにその下、表6でございます。こちらは納付月数の推移について現年度分と過年度分に分けて推移をお示ししております。令和3年度、総納付月数は7,711万月でございますけれども、このうち現年度分の納付月数は7,128万月となっております。
納付率向上の取組として、20歳到達後や学生の卒業の時期に新たに未納となった御本人に納付督励を行うなど、年齢等の属性の分析に基づく納付督励を実施したこともあり、第1号被保険者数が減少しているにもかかわらず、令和3年度は令和2年度に比べて納付月数が増加しているという結果になってございます。
続きまして、5ページを御覧ください。こちらは最終納付率について年齢階級別でお示ししたものでございます。
図4でございますけれども、青い破線の折れ線グラフが令和元年度分の保険料の現年度納付率についてお示しをしておりまして、それが2年かけて赤い実線の最終納付率に持ち上がってくるということが見て取れるかと思います。この中で、若い年齢階級の上昇幅が特に大きく、結果的に最終納付率の折れ線の傾きがフラットに近づいていくということがお分かりになるかと思います。
なお、20歳から24歳の納付率と25歳から29歳の納付率を比べていただきますと、25歳から29歳で納付率が下がっておりますけれども、この要因としましては、20歳から24歳では相当数が学生であり、本人に代わって親御さんが納付しているケースが想定されること。また一方で、25歳から29歳では親元から自立したものの、所得水準が相対的に高くないということと、老後生活が遠い将来であるということから、納付意欲が比較的に低い可能性があるということが考えられます。
続きまして、1ページ飛ばしていただきまして7ページを御覧ください。こちらは都道府県別の最終納付率の変化を見たものでございます。
中ほどの令和3年度最終納付率を見ていただきますと、上位3県は、1位の島根県88.51%、次いで2位が新潟県の88.36%、富山県の87.13%となっております。下位3都府県ですけれども、一番低いのが沖縄県の69.56%、次いで大阪府71.85%、東京都73.94%という結果になっております。
その右隣の納付率の変化でございますけれども、令和2年度最終納付率から令和3年度最終納付率の変化を見たものでございますが、全都道府県で上昇していることが分かるかと思います。一番変化が大きかったのは、沖縄県の2.82ポイントとなっております。
続きまして、8ページを御覧ください。こちらにつきましては、先ほどの都道府県別で最終納付率、過年度1年目納付率、現年度納付率を並べてお示ししたものでございます。左側の最終納付率については先ほどの表と同じものがありますけれども、この中の前年度からの伸びについて見ていただきますと、こちらは1年前の過年度1年目納付率からの伸びを見たものでございまして、沖縄県が3.54ポイントのプラスということで、一番伸びが大きくなっていることが分かるかと思います。
以下、9ページ以降、市区町村別の規模別に見た納付状況や現年度納付率に関する参考資料などをつけておりますけれども、説明は省略させていただきます。
私からの説明は以上とさせていただきます。

○増田部会長 どうもありがとうございました。
納付状況について、これも既に今日の午前中に記者発表しておりますけれども、年金局のほうから御説明がございました。全般的には上昇しているということになっておりますが、この関係について何か御質問等がございましたら、どうぞお願いしたいと思います。
野村委員、お願いします。

○野村委員 ありがとうございました。大変興味深く拝聴いたしました。
その中で、25歳から29歳の納付率が下がっている原因というのは、御指摘のとおり、将来年金を受け取るまでが先の話であるとか、あるいは生活が独立して苦しい、それは確かだと思うのですけれども、他方で、つみたてNISAなどの契約件数などを見てみますと、意外にその世代の人たちはかなり意欲的に情報を集めて、そういったものに積み立てをしている人たちがいるのです。これは投資というよりは、自分の生活の防衛のために、将来の老後のことを考えて積み立てをするという若者は増えていることが傾向としてはあります。
そうだとすると、そちらのほうにお金が回っている可能性ももちろんあるわけですので、もう少し年金というものに対する情報提供とか、あるいは年金のほうが合理的だという部分などについて説明をすることが必要なのではないかなと思うのですが、そういった取組はなされているのでしょうか。

○増田部会長 それでは、理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 大変重要な御指摘だと思っておりまして、特に最近の納付の伸びの主要なところは20歳から25歳までのところの伸びが大きくなっています。これは強制適用でございますので、20歳になったときに全て納付書をお送りするようにいたしました。したがって、納付書をお送りしたという効果が極めて大きかったと思います。しかしながら、おっしゃるとおり、年金制度をどのように御理解いただくかということに関しては、20歳の方々に対してどのような機会を捉えて広報していくか、これは事務所で、その月の終わりの方々に対して御案内を申し上げてウェブで勉強会をするとか、そのようなことについてできるだけ広範にやるように今指示をいたしているところでございます。
25歳から30歳までの方々の納付率はここで一旦落ちるわけであります。今、年金局から御説明があったとおりだと思いますが、これらの方々に対する広報体制というのは、必ずしも十分ではないと思います。今、こういうような数字も出てきておりますので、特にこれらの方々に対する広報体制をさらに強化しなければならないと考えています。
ただ、これらの方々に対しては5年目、10年目、2年間は時効にかからないで納付ができるわけですが、この方々にちゃんと、もし所得が低いということであれば、免除をきちんと対応すれば、その後10年間は追納していただく機会を提供できるわけでございますので、私どもといたしましては、この方々の実態を把握して納付率を高めていくということが極めて重要だと思っております。御指摘に従って、さらに努力をしてまいりたいと思います。ありがとうございました。

○増田部会長 野村委員、よろしゅうございますか。

○野村委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
今、野村委員の御指摘がございましたけれども、確かにいわゆるワンショットの資産形成でのというよりは、若い人たちがつみたてNISAで非常に堅実に、今、将来不安もあるのでしょうけれども、いろいろやっているということもございますので、ぜひそういうときこそ年金のPR等々をきちんとやっていただくということは大変重要だと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○水島日本年金機構理事長 最近の状況で御報告申し上げておきたいのは、やはり納付率は極めて伸びが高くなっておりますが、その要因の5割以上が納付による効果が高くなっております。従来と比べますと、納付意欲といいますか、それは非常に高まってきていると感じております。この傾向をさらに強化をする必要があると思いますので、御指摘に従って、さらに努力する範囲を広げてまいりたいと思っております。

○増田部会長 ぜひよろしく、また、お取組をお願いしたいと思います。
それでは、この関係は以上といたしまして、続きまして、最後の資料ですが、資料3になります。「日本年金機構役員報酬規程の改正について(案)」ですが、これについての説明を機構のほうからお願いいたします。

○立田日本年金機構人事部長 日本年金機構人事部の立田と申します。私からは資料3の「日本年金機構役員報酬規程の改正について(案)」につきまして御説明をさせていただきます。
まず1つ目、改正の趣旨でございますが、令和3年の人事院勧告を踏まえまして、日本年金機構の役員の報酬につきまして、国の指定職の取扱いに準じた役員報酬規程の改正を行うものでございます。
2つ目で、改正の概要でございますが、具体的に役員の賞与につきまして、年間3.35月から年間3.25月に0.1月分の引き下げを行うものでございます。また、令和3年12月期の賞与の引下げ相当額であります0.1月分につきましては、国の指定職の取扱いに準じ、令和4年6月期賞与で調整を行う予定としてございます。
3点目の改正施行予定日でございますが、これは令和4年6月29日でございます。令和4年6月賞与より適用するものでございます。
現在、この規程改正につきまして改正の準備を進めておりますが、この場におきまして御報告をさせていただきます。
資料には、いわゆる国家公務員給与法の改正概要と給与勧告の骨子を添付してございますので、御参照いただければと思います。
御説明につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、この関係ですけれども、何か御質問がございましたらお願いしたいと思いますがよろしいでしょうか。人事院勧告での国の指定職の取扱いに準ずるということでの改正ということでございます。よろしゅうございますか。
それでは、ただいま御説明がございましたとおりの形で、規程の改正については進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、以上で本日の議題は全て終了いたしました。
次回の日程について、改めて事務局から御連絡をすることといたします。
特に事務局はよろしいですね。
それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。