2022年1月25日  第59回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和4年1月25日(火)13:00~14:30

場所

AP新橋 3階
東京都港区新橋1-12-9

出席委員

会場出席委員:増田部会長、伊藤委員、片桐委員
オンライン出席委員:小尾委員、喜田村委員、齋藤委員、土屋委員、西村委員、野村委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和4年度計画の策定について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○清水年金事業運営推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第59回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきましてありがとうございます。
最初に、昨年12月9日付けで新たに本部会の臨時委員として任命されました、片桐春美委員を御紹介させていただきたいと思います。
片桐委員におかれましては、一言御挨拶をお願いできればと思います。

○片桐委員 ただいま御紹介にあずかりました、公認会計士の片桐です。
座って失礼いたします。
私は、2010年から4年間、総務省の年金業務監視委員会の委員をさせていただきました。
当時と比べますと、大分いろいろなことが進歩されていらっしゃるようで、私も早く皆様にキャッチアップできるようにしたいと思っておりますので、何とぞ御指導御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 ありがとうございました。
続きまして、前回の部会以降、日本年金機構に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
副理事長の樽見でございます。

○樽見日本年金機構副理事長 樽見でございます。
この1月1日付けで副理事長に就任いたしました。
先生方には、かつて、先ほどの片桐先生を含めまして、私も大変お世話になりました。
それだけでなく、これまでもいろいろとお世話になってまいりましたが、私も年金の世界に戻ってくることになりましたので、心を新たに、力を尽くしたいと考えております。
御指導をどうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 人事・会計部門担当理事の草刈でございます。

○草刈日本年金機構理事 このたび、1月1日付けで人事・会計部門担当理事を拝命いたしました、草刈でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 事業推進部門担当理事の入澤でございます。

○入澤日本年金機構理事 同じく1月1日付けで事業推進部門を担当することになりました、入澤と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 年金給付事業部門担当理事の田浦でございます。

○田浦日本年金機構理事 同じく、年金給付事業部門を担当いたします、田浦でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 システム部門担当理事の中山でございます。

○中山日本年金機構理事 システム部門担当理事になりました、中山でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 特命担当理事の江藤でございます。

○江藤日本年金機構理事 特命担当理事を拝命いたしました、江藤でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

○清水年金事業運営推進室長 次に、本日の委員の皆様の出欠状況等について御報告させていただきます。
松山部会長代理、山口委員から御欠席との御連絡をいただいております。
本日も、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンライン併用での開催となっております。
増田部会長、伊藤委員、片桐委員は会場での御出席、ほかの委員の皆様はオンラインでの御出席となっております。
なお、原委員からは、遅れて御出席との御連絡をいただいております。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

○増田部会長 それでは、議事次第に従って議事を進めてまいります。
委員の皆さん方、私の声は届いていますか。

(首肯する委員あり)

○増田部会長 大丈夫ですね。
それでは、このまま続けます。
本日の議題ですが「日本年金機構の令和4年度計画の策定について」であります。
機構の年度計画ですが、こちらは日本年金機構法で中期計画に基づいて、毎年度の業務運営について定めるものとなっております。
したがいまして、年度計画は、毎年厚労大臣認可をいただくことになっているのですが、当部会での審議については、例年2回、この時期に審議をいただいております。
本日の御意見等を踏まえて、必要な修正を行いまして、機構のほうで修正を行って、もう一度この部会にかけて御議論いただく形になっておりまして、その後、機構から厚生労働大臣に認可申請を行って、年度内、3月いっぱいで大臣が認可をすることになっております。今日はその第1回目ということになります。
それでは、資料1は、年度計画案の概要ということです。
資料2は、その新旧対照表となっておりますが、この2点の資料が提出されておりますので、初めに、機構から説明をお願いして、その後に意見交換ということで進めていきたいと思いますが、今日は、機構からの説明の前に、御都合で途中退席される野村委員からあらかじめ御意見をいただいております。
委員の皆様にも「野村委員提出資料」として配付されているかと思いますので、初めに、この資料について、野村委員から御説明をお願いできればと思います。
それでは、野村委員、どうぞお願いいたします。

○野村委員 恐縮でございます。
私の都合で、このような形でイレギュラーなものを使わせていただきまして、恐縮でございます。
私は、意見といいますか、今日、これから御報告いただくものに関しまして、こんな観点もあるのではないかということをちょっとだけお話しさせていただければと思います。
2点でございます。
背景にありますのは、現在、民間部門において事業計画を立てるときに、最近では、この2つの観点が重視されているのに対して、今回頂きました資料の中には、必ずしもそういった方向感が見えなかったので、言及させていただいたものであります。
1つ目は、SDGsの観点でございます。
これは、本来の事業が社会課題の解決とどのように結びついているのか、また、それに基づいてどのように改善していけばいいのかということについて、一般的な光の当て方をしてみると、見えてくるものがあるということではないかと思っております。
例えばここに出てきておりますように、私も書きましたが、年金そのものは社会的課題の解決に大きく関係していることは言うまでもないのですが、例えばデジタル化の問題、あるいは女性の活躍の問題といったものは、光を当ててみることによって、年金業務の中にどう取り込まれていくべきなのかが少し見えてくるのではないかというのが1点目でございます。
もう一点目は、不祥事の多い企業においてよく行われていることでありますが、組織風土改革が重視されておりまして、昨今では、上意下達の観点から、上から官僚システム的に管理するものではなくて、上司が部下の意見をよく聞いて組織化を図っていくレベル、さらには、相互にフラットな形でお互いのことに関心を持ちながら業務を遂行していくタイプの水平型のものを目指す組織が多くなっておりますが、こういった目標がこの組織の中にあるのかどうかということであります。
さらには、心理的安全性というキーワードがございますが、会社の中で働いている、組織の中で働いている皆さんが、安心して業務に取り組んでいけるような環境がつくられているのかどうかといったことについても、ひとつ光の当て方ということで、事業計画の中でもう一度見直していただければという趣旨で、レポートを出させていただいたものでございます。
中身について、具体的なことというよりは、光の当て方で見えてくるものがあるのではないかということで、意見を述べさせていただいた次第でございます。
恐縮ですが、お時間をいただきまして、ありがとうございました。

○増田部会長 野村委員、ありがとうございました。
個別の計画案についての御指摘というよりは、今、委員がお話しになっていましたとおり、来年度事業計画をつくるに当たっての光の当て方ということで、全体的な考え方についてお話がございました。
野村委員の総括的な御意見については、機構において受け止めておいていただいて、また、次回もございますが、その中に反映させていただければとも思うのですが、機構のほうで、理事長をはじめ、よろしゅうございますか。
もし何かあれば、理事長のほうで。

○水島日本年金機構理事長 御意見を十分に踏まえさせていただきまして、計画の中にどのように取り込めるかについて検討して、また御報告申し上げたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
野村委員、そういうことで、機構のほうで受け止めるということでございます。
よろしゅうございますでしょうか。

○野村委員 はい。ありがとうございました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、初めに、機構から案について御説明いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○田中日本年金機構企画調整監 日本年金機構の経営企画部の田中と申します。よろしくお願いいたします。
日本年金機構の令和4年度計画案につきまして、資料1の概要を使って御説明させていただきたいと思います。
資料1を御覧ください。
目次の次のページ、1ページ目を御覧ください。
機構の令和4年度の組織目標及び重点取組施策について、1枚にまとめているものでございます。
まず、上の四角を御覧いただければと思います。
令和4年度の組織目標につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響を克服し、新たな明るい時代に向けて歩み出す社会に対し、年金制度を適切に運営することで、当機構も貢献していくという決意を込め「コロナ禍の克服 新しい時代への貢献」とするとさせていただいております。
この組織目標の達成に向けまして、4点「新しい時代に貢献する基幹業務の推進」「オンラインビジネスモデルの着実な実現」「リスク管理体制の強化」「女性活躍と働き方改革の推進」ということで、重点取組施策と位置付けたいと考えております。
その下の表で、それぞれ柱に沿って「主な施策内容」をまとめております。
個々の内容は、後ろでも重なりますが「新しい時代に貢献する基幹業務の推進」といたしましては「コロナ禍対応を今後に繋げるための施策」。
「新たに挑戦する施策」として「国民年金保険料の最終納付率80%への挑戦」や「短時間労働者の適用拡大等への対応」等を掲げてございます。
それから「オンラインビジネスモデルの着実な実現」でございます。
それから「リスク管理体制の強化」といたしまして、機構全体のリスク管理体制についての見直し、また、リスク管理体制が有効に機能しているかのチェックを掲げてございます。
4点目が「女性活躍と働き方改革の推進」でございます。
2ページを御覧ください。
こちらから、各事項につきましてそれぞれまとめておりますので、説明させていただきます。
上の四角で「第3期中期計画の主な方向性」を書いておりまして、左側に「令和3年度計画の概要」、右側に今回お諮りします「令和4年度計画(案)の概要」という形で作らせていただいております。
Ⅰ-1、国民年金の適用促進の関係でございます。
「確実な適用の実施」につきましては、1つ目の○の20歳到達者につきましての職権適用とともに、若年者に対する制度周知、納付督励に係る施策を強化してまいります。
2つ目の○ですが、住民基本台帳により把握いたしました34歳、44歳、54歳といった方に対します届出勧奨等を確実に実施するとともに、この年齢に限らない未加入者を早期に把握するための対策の実施に向けた検討を進めてまいります。
次の四角でございますが「無年金者及び低年金者への対応」につきましては、引き続き任意加入し、納付することで受給要件を満たす方への勧奨とか、追納勧奨につきまして、2年目、9年目の期間を有する方への勧奨を継続して実施してまいります。
「外国人の適用対策」でございますが、法務省から提供されます情報を活用いたしまして、届出がなされない場合の職権適用を確実に実施してまいります。
3ページ「国民年金の保険料収納対策」でございます。
まず「納付率等の目標」でございますが、中期計画の中では、現年度納付率、最終納付率について、それぞれ70%台前半、70%台後半を目指すとされているところでございます。
納付率の目標につきまして、令和4年度の計画案の中では、まず、現年度の納付率につきまして、前年度実績を上回るとともに、令和2年度実績から2.0ポイント程度の伸び幅を確保するとさせていただいております。
2つ目の○が、令和2年度分保険料の最終納付率についてでございます。
令和2年度の現年度納付率から8.0ポイント程度の伸び幅を確保し、80%を展望すると記載させていただきました。
1つ○を飛ばしていただきまして、収納対策でございます。
収納対策につきましては、20歳到達者につきまして、様々な機会を通じた周知などを行ってまいります。
2つ目の○でございますが、学生納付特例期間終了後の現金納付者を対象といたしました口座振替等の届出勧奨を実施するものでございます。
1つ○を飛ばして、下の四角を御覧ください。
「長期未納者への対応」といたしまして、24か月未納者に対する対策につきまして、引き続き徹底して取り組んでまいります。
4ページは、引き続き「国民年金の保険料収納対策」でございます。
「地域の実情を踏まえた対策」といたしましては、まず、沖縄県につきまして、更なる納付率の向上を目指して取組を進めてまいります。
2つ目の大都市圏の未納者数の多い年金事務所につきましては、今年度行いました体制強化を踏まえまして、更なる納付率向上のための取組を図ってまいります。
その次の四角「強制徴収の取組」に関しましては、四角の中の3つ目の○に書いてございますが、強制徴収の実施について、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、適切に実施してまいります。
その下の四角「納めやすい環境の整備」に向けまして、例えばこちらに掲げているようなクレジットカード納付や口座振替につきまして、任意の月から前納を利用できる仕組みの導入といったことにつきまして、検討を進めてまいります。
5ページ「厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策」でございます。
適用促進に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ実施していくことになりますが、国税情報で把握いたしました事業所につきまして、適用を進めてまいります。
1つ目のポツでございますが、令和4年度の行動計画策定時に、5人以上の従業員を雇用しております蓋然性が高い適用調査対象事業所につきまして、最優先で取り組み、令和4年度末までの適用を目指してまいります。
また、家族以外の従業員がいることを把握した事業所につきましても、適用に向けて優先的に取り組んでまいります。
次のポツでございますが、法改正によりまして、10月より強制適用事業所となります士業を営む個人事業所につきまして、制度周知を行い、適用を進めてまいります。
次の○でございますが、困難性の高い事案につきましては、本部の組織で対応し、対応を行ってまいります。
次の四角「事業所調査」でございます。
事業所調査につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、優先度を踏まえ、効果的・効率的に実施してまいります。
四角の中の2つ目の○を御覧ください。
令和4年10月の短時間労働者の適用拡大に係ります制度改正に円滑に対応するため、該当する事業所に対しまして制度説明、適正な届出の勧奨や事業所調査を実施してまいります。
また、効果的な事業所調査の実施のため、大規模事業所につきましては、本部の専門組織と年金事務所等の協働により実施してまいります。
小規模事業所に対する簡易的な手法による調査につきましては、今年度の試行結果を踏まえまして、今後の実施方法等について検討を行ってまいります。
6ページ「厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策」でございます。
まず「収納率の目標」につきましては、前年に引き続き、法定猶予制度の適用を受けております保険料額を除いた収納率の管理をするとともに、法定猶予制度の適用を受けております保険料額を含めた収納率が、前年度と同等以上の水準を確保することを目指すとしております。
「納付指導、猶予の適用及び滞納処分等」に関しましては、2つ目の○でございますが、電話による納付督励を実施するための集約コールセンターを設置し、実施してまいります。
3つ目の○でございますが、滞納事業所から納付が困難であるといった申出があった場合には、引き続き事業所の個々の実情に応じて対応を行ってまいります。
次の○でございますが、納付協議に応じない、かつ法定猶予制度の適用がないといった事業所に対しましては、滞納処分を行ってまいります。
その次の○でございますが、法定猶予の適用事業所に係る納付計画の履行状況を適切に管理するために必要な体制を確保するといたしてございます。
次の四角でございますが「困難事案への対応」につきまして、引き続き特別法人対策部が納付指導や滞納処分を実施することによりまして、滞納の解消を図ってまいります。
7ページ「年金給付」についてでございます。
正確な年金給付の実現に向けました体制強化といたしまして、給付業務の執行体制につきましては、年金事務所におきまして受付・決定を行い、中央年金センターにおいて年金事務所における事務執行の正確性をチェックし、入力・支払を行う体制を確立すべく、諸施策を順次、実施してまいります。
1つ目の○でございますが、事務センターで行っております再裁定の勧奨業務等につきまして、10月より順次、中央年金センター及び障害年金センターへの集約を進めてまいります。
2つ目の○は、業務端末等のシステム基盤が統一されたことを踏まえまして、中央年金センターと年金事務所の役割整理や事務処理フローの確立等の検討を進めてまいります。
その次の○ですが、こうした見直しなどに伴いまして、お客様相談室の業務・役割が拡大している状況を踏まえ、その実施体制や職種ごとの役割の見直し等を行うといたしております。
その次の○でございますが、令和4年度に施行されます制度改正に対応するため、中央年金センター、年金事務所の人員を強化するものでございます。
その次の四角に行っていただければと思います。
正確な年金給付の実現に向けました実務面の対応でございます。
引き続きでございますが、年金決定直後に中央年金センターで決定内容をチェックし、事務処理誤りの予防・早期対応を図ってまいります。
また、そのチェックの結果を分析いたしまして、業務処理マニュアルの整備を行うとともに、システムチェック機能の強化を図るとしてございます。
8ページを御覧ください。
「障害年金の事務処理体制の強化」といたしまして、2つ目の○に書いてございますが、障害年金センターにおける障害認定の専門性を高めるため、ここに掲げているような障害認定に係る業務フローの見直しといった改革を今年度、試行的に実施しておりますが、本格実施ということで行ってまいります。
その次の四角「お客様サービスの向上」につきまして、1つ目の○は、年金制度改正の内容について、ホームページ等を活用した周知広報を実施するものでございます。
その次の○でございますが、60歳、65歳、75歳到達時に、老齢年金の請求案内を行うとともに、令和4年4月施行の繰下げ上限年齢の引上げに伴いまして、3月から未請求の老齢年金のある66歳以降の方に対して繰下げ見込額を毎年お知らせするという内容でございます。
その次の○でございますが、引き続きですが、70歳を超える方で未請求の老齢年金のある方に対する文書、電話、訪問等による個別の請求案内を引き続き行ってまいります。
その次の四角の各サービススタンダードの達成率につきましては、90%以上を維持するよう取り組んでまいります。
9ページ「年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止」でございます。
こちらにつきましては、引き続き、ねんきん定期便、「ねんきんネット」を活用いたしまして、年金記録の確認の呼びかけ、また、お客様御自身による確認を促進してまいります。
4つ目の○に書いてございますのは、年金記録関係業務の体制につきまして、令和4年度からの体制の効果を検証し、定着を図るものでございます。
下の四角でございますが、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けの完全化を目指す取組を引き続き行ってまいります。
10ページ「年金相談」でございます。
まず「年金事務所での相談」では、3つ目の○を御覧いただければと思います。
インターネットから年金相談予約を受け付けるサービスにつきまして、対象届書を拡大し、利便性の向上を図ってまいります。
その次の○でございますが、遠隔地等の相談対応につきましては、引き続きテレビ電話相談の活用を図るとともに、海外居住等における相談ニーズに対応するため、オンラインによる年金相談手法の実現に向けた具体的な検討を行ってまいります。
1つ飛ばしまして「コールセンターでの相談」に関しましては、コールセンターの応答率につきまして、70%以上を引き続き目指して取り組んでまいります。
3つ目の○に書いてございますのは、チャットボットの拡充などといった取組によりまして、入電数の削減・平準化を図ってまいります。
11ページ「分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進」でございます。
1つ目の四角は「ホームページの活用」でございまして、お客様に正確な情報を提供し、より分かりやすく、利用しやすいホームページとするために、厚労省とも連携しつつ、改善・充実に取り組んでまいります。
次の四角でございますが、マイナポータルと「ねんきんネット」の認証連携を行った方につきまして、今後、国民年金の保険料免除申請等の簡易な電子申請といったサービスが利用可能となることから、マイナポータル経由の「ねんきんネット」利用につきまして、各種機会を活用した周知・広報を行ってまいります。
また、1つ○を飛ばしていただきますと、年金の繰下げ受給などの制度改正等に対応した見込額試算の機能改善等を行うということで記載いたしております。
一番下の四角は、ねんきん定期便による情報提供に関しまして、同様に年金の繰下げ制度に係る制度改正に対応した見込額等を分かりやすく情報提供する等の内容を記載いたしております。
12ページを御覧ください。
まず、上のところは「年金セミナー年金制度説明会等の充実」に関してでございます。
1つ目の○で、Web会議ツールの導入といった新たな環境を整備いたしましたことを踏まえまして、更なる実施の拡大を図るとしております。
2つ目の○でございますが、厚労省と連携しつつ、使用する教材等の整備を行ってまいります。
次の四角でございますが、年金委員に対する活動支援につきましても、1つ目の○で、Web会議ツールを活用した年金委員研修の更なる充実を図るなどとしているところでございます。
13ページに行っていただけますでしょうか。
「年金制度改正等への対応」でございます。
右側の下のところは、令和4年10月以降、また令和5年4月1日に施行される主な改正項目を記載いたしてございますが、こうした改正に対応するため、事務処理システムの構築、分かりやすい周知広報、職員研修等の実施や必要な人員の確保といった取組を行ってまいります。
14ページ「効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)」についてでございます。
「本部」「事務センター」「年金事務所等」という形で分けて記載しております。
まず「本部」につきましては、現場の統括機能を担う地域部につきまして、組織の合理化・効率化及び定員の再配分等を実施し、より現場のための組織として活動を活性化するよう、その機能強化を図ってまいります。
次の○でございますが、ネットチャネルの拡充等の中で、チャネル全体の一元的な企画・管理体制を確立するものでございます。
3つ目の○が、リスク管理体制について見直しを進め、体制を強化するということで記載いたしております。
その次の四角「事務センター」に関しましては、業務量の平準化等を図るため、届書の画像化・データ処理を最大限に活用いたしてまいります。
令和3年度に開始いたしました受付拠点と審査処理拠点を分離いたしました事務処理の範囲の拡大を行ってまいります。
次の四角「年金事務所等」に関しましては、先ほどと重なりますが、お客様相談室の業務・役割が拡大している状況を踏まえまして、その実施体制、職種ごとの役割の見直し等を行うことを記載いたしております。
15ページ「外部委託の活用と管理の適正化」でございます。
まず「外部委託の活用」では、1つ目の○の中で、近時に発生した事案ということで、前回御説明いたしました印刷誤り等の事案を踏まえまして、業務内容に応じたリスク把握・対応や外部委託管理のあり方の検討を引き続き行う。また、委託業務の最終責任者といたしまして、外部委託管理の強化を図るとしております。
次の○でございますが、こちらでも事案を踏まえまして見直しを行います外部委託管理ルールの着実な実施。
それから、次の○で、特に履行前検査、履行中検査、履行後検査につきまして、事業者ごとのリスクを把握し、的確に対処できるよう実施し、組織的な管理を行うとしております。
16ページ「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」でございます。
まず「フェーズ1への対応」につきましては、フェーズ1は、経過管理・電子決裁システム、電子申請システム、個人番号システムといったシステムの開発を進めることにより、所期の効果を実現してきているところでございます。
令和4年度におきましては、1つ目の○でございますが、更なるデジタルワークフローの推進を図るために、令和4年10月稼働に向けて、以下の事項についてということで、3つポツを並べてございますが、システム開発を着実に進めてまいります。
2つ目の○でございますが、令和5年度に予定しております、現行システムの受付進捗管理システムの経過管理システムへの統合等に向けまして、4つポツを並べてございますが、これらの事項について、システム開発に着手してまいります。
その次の○でございますが、マイナンバーによる他機関との情報連携に関しまして、戸籍情報を活用した年金請求時の添付書類省略等の実施に向けて、システム開発に着手してまいります。
一番下の○でございますが、公的給付支給等口座の利用につきまして、裁定請求における口座番号等の添付書類省略(令和4年10月予定)に向けたシステム対応を行ってまいります。
17ページの上が「フェーズ2への対応」でございます。
フェーズ2に関しましては、令和3年度までに実施いたしました開発準備工程やRFIの結果を踏まえて、次の事項を実施するということで、本格開発に向けて詳細設計工程以降の本格開発に着手するのが1つ目のポツでございます。
また、4つ目のポツでは、職員の確保やスキル向上の取組、支援業者の活用等による実施体制の確立を記載いたしております。
18ページ「ICT化の推進」でございます。
ICT化の推進に関しましては、社会全体のデジタル化の進展、新型コロナを契機といたしました業務の非対面化ニーズへの対応ということで、引き続きサービスのオンライン化、デジタルワークフローの確立、チャネルの多様化を柱としたオンラインビジネスモデルの各施策の具体化・実行を推進してまいります。
まず「サービスのオンライン化」に関しまして「事業所に対する取組」としましては、電子申請の利用促進について、利用勧奨を進めてまいります。
また、○の中の3つ目のポツに書いてございますように、従来、紙で送付しておりました各種帳票につきまして、電子的提供やオンライン上の確認を可能とするサービス(仮称)という形で構築してまいります。
次の○「個人に対する取組」といたしましては、国民年金の加入手続・保険料の免除申請等につきまして、マイナポータルで簡易な電子申請を可能とする機能の構築。
それから、扶養親族等申告書などの年金給付関係届書につきましても、同様の機能構築を検討してまいります。
19ページの一番上の○でございますが「非対面の相談環境等の整備」に関しましては、Web会議ツールを活用したセミナー等の実施の拡大、インターネットから年金相談予約を受ける相談範囲の拡大等を位置付けております。
次の「デジタルワークフローの拡大」につきましては、届書の電子データによる審査・電子決裁を前提といたしました「紙をなくす・紙を移動させない」事務処理の実現。
それから「ICT技術の活用等による内部処理の効率化」や事務処理の正確性の確保を一層推進してまいります。
下の「チャネルの多様化」につきましては、先ほどの繰り返しですが、お客様のニーズに応じましたサービスを提供することができるよう、チャネル全体の体系整理を進めてまいります。
20ページを御覧ください。
「内部統制システムの有効性確保」ということで「事務処理の正確性の確保」では、1つ目の○は、事務処理誤りの発見・発生時の対応、発生防止に向けた取組ということで、引き続き取り組んでまいります。
2つ目の○は、重点三事項の根絶ということで、引き続きしっかりと対応してまいります。
一番下の○を御覧ください。
「リスク管理体制の整備」といたしまして、後段の「また」以下の文章を御覧いただきますと、機構全体のリスク管理体制につきまして、リスク統括部や調達企画部、本部事業管理部の設置を行ってきておりますが、その実行性・効率性の観点から見直しを進めるとしております。
21ページを御覧ください。
3つ目の四角で「適正な監査の実施」という枠がございます。
こちらの枠の中の3つ目の○を御覧いただければと思います。
リスク管理体制が有効に機能しているかのチェックを行うため、拠点、本部関係部署に対します横断的な監査の実施や、必要に応じて監査項目及び監査手法の見直しの実施など、業務監査機能を強化することとしております。
22ページ「個人情報の保護」についてでございます。
まず「組織面の対策」につきましては、機構の情報管理対策本部、機構のCSIRTを十分に機能させることにより、必要な体制を引き続き確保してまいります。
また、次の四角「技術面の対策」につきましては、外部専門家が行うリスク分析評価、脆弱性診断等につきまして、業務の流れに基づいた評価分析を実施し、有効な対策を講じてまいります。
また、次の○は「ねんきんネット」の機構ホームページにおけるセキュリティレベルの高度化についてでございます。
23ページ「文書管理及び情報公開」でございます。
「文書の適正管理」につきましては、政府における検討状況も踏まえながら、電子データの原本としての管理に向けた対応といたしまして、引き続きの検討を行ってまいります。
その次の○でございますが「電子申請等への対応」といたしまして、電子申請や電子媒体で提供されました届書の電子データを原本といたしまして、適正に管理するための検討を行ってまいります。
24ページ「人事及び人材の育成」についてでございます。
一番下の○を御覧いただければと思います。
「女性の活躍推進」に関しまして、機構の新入構員の半数以上が女性となっている状況も踏まえ、今後の機構事業の安定的運営のために、一層の女性の活躍が不可欠ということで、以下の取組ということで3つ書いてございますが、女性管理職の育成・登用を進め、令和5年度末の女性管理職比率15.5%という目標の前倒し達成を目指すといたしております。
25ページを御覧ください。
一番上の四角は、人材の確保でございます。
こちらも、新卒用のホームページの更なる充実とかオンライン座談会等の実施について記載いたしております。
次の四角「適正な人事評価制度の運用」につきましては、引き続き職員の納得性がより高い評価のあり方の検討を行ってまいります。
飛ばしまして、一番下の「働きやすい職場環境の確立」では、記載ぶりは同様でございますが、両立支援とか働き方改革の更なる推進を進めてまいります。
最後に、26ページは「令和4年度予算(案)」、それから不要財産の処分計画について、概要をまとめてございますので、御覧いただければと思います。
説明は一旦、以上になります。
どうもありがとうございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
今年度の計画との対比のような形で、来年度の計画の内容について、今、御説明いただきました。
それでは、来年度の計画の案について、各委員の皆様方から御意見とか御質問をお受けしたいと思いますので、オンラインの方は、挙手いただきましたら分かりますので、私から指名させていただきます。そういう形で合図をしていただいて、指名して、御発言いただくことにしていきたいと思います。
それでは、どなたからでも結構ですが、お願いいたします。
それでは、齋藤委員、合図がございましたので、どうぞ御発言ください。

○齋藤委員 齋藤でございます。よろしくお願いします。
ICT化、デジタル化ないしはデジタルワークフローの適用拡大といったところで、18~19ページぐらいにいろいろと目標を書いていただいているのですが、黒字になっているところだけに注目しても、やることは書いてあるのですが、何を成果として見るのか、どうなったら完成なのかが読み取りにくい表現だなと。
例えば整理とか効率化であったりの表現で書いてあるのですが、それがどのぐらい効率化されれば成功だと最終的に評価されるのかがよく分からないというのがコメントでございます。
最終的には、18ページの頭にある大目標の国民の手続負担の軽減とか利便性の向上、正確・迅速かつ効率的な事務処理を実現することが大きな目標になるかと思いますので、それぞれのアイテムがどういうところに寄与しているのかが分かる形で記載していただいたほうがいいのかなというのが1点目のお願いでございます。
もう一つありまして、ICT化ないしはデジタル化が進んでいくと、ワークフローも変わっていくと、扱う情報やシステム、人であるとかの手続が変わってくるので、当然、リスクが変わってくることになると思うのです。
そのリスクが変わる要因は何かとか、マネージしなければいけない、新たな施策を打たなければいけないのかということをアセスメントして、この後に記載があるリスクマネジメントの中で扱っていただいているのは分かるのですが、今、特にこの中で注目されているように、デジタル化、ICT化を推進しているところであるので、ちゃんとそこの推進の様子に従って対応するように、リスクに関しても取り扱って、特出しでICT化、デジタル化に伴うリスクの変異に組織としてついていって、評価して、マネージしているのだということを目標として記載していただいたほうがいいのではないだろうか。これが2点目でございます。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
今、2点御指摘をいただきました。
もしこの場で回答があれば、おっしゃっていただきたいと思いますが、理事長、どうぞお願いします。

○水島日本年金機構理事長 包括的な御質問でございますので、私からお答えしたいと思います。
まず、オンラインビジネスモデルあるいはデジタル化に関する目標の設定でございますが、今、具体的に、例えば事業所に関しまして、電子申請を軸にスタートすると申し上げております。
電子申請の利用率は、当初、2年ほど前は20%程度でございましたが、今は55%程度まで上がっております。
このようなものに関しまして、具体的に指示を与えまして、目標として与えて成果を管理いたしておりますが、お客様にどのように御評価いただいて、より使いやすいものをつくっていくかについて、数値目標化することが非常に難しい面がございます。
どのような形でそのような点について数値目標化するかについては、検討してまいりたいと考えておりますが、そのほか、個人に関しまして、例えば「ねんきんネット」に関しましては、現在、700万人ぐらいのユーザーになっているのですが、これを毎年50万人程度増やしていくとか、そのような数値目標を掲げておりますが、全体として、どのような数値目標で対応していくかについては、もう少しサービスの内容が拡充されて、お客様に提供できるサービスの内容が多様化することを踏まえて、検討してまいりたいと考えております。
それから、デジタル化あるいはオンラインビジネスモデルに伴いますリスクの観点でございますが、リスクに関しましては、極めて慎重に対応しなければならないと考えております。
したがいまして、リスクに関しましては、私どもに情報管理対策室がございまして、情報管理対策室におきまして、それぞれの開発計画あるいは商品化計画について、リスクの面からチェックいたしております。
これに関しましては、リスクアドバイザーのような外部の専門家の知見も活用いたしておりまして、そこのスクリーニングを経ないと開発に入れない仕組みとしております。
かなり厳しいチェックをしておりますので、セキュリティ面でのチェックも一定の水準にはあると考えておりますが、さらに強化を図るべく、今、外部の知見の活用も検討を進めているところでございます。
御指摘の点に関しましては、まだまだ検討を進めなければいけない点も多々あると考えておりまして、逐次御報告しながら、また御意見を承ってまいりたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
齋藤委員、よろしゅうございますか。さらに検討を深めるということでございます。

○齋藤委員 よろしくお願いします。
ありがとうございます。

○増田部会長 それでは、ほかの委員から、どうぞお願いいたします。
それでは、伊藤委員から、どうぞ御発言ください。

○伊藤委員 お疲れさまでございます。
今のオンライン化に伴ういろいろな業務の目標の数値化は、今後検討していくということでおられましたが、数値的目標を持って追いかけていくといいますか、きちんと実施していく旨は入れてもいいのではないかと思いました。
あと、オンラインにする目的は、もちろん、最終的にはサービスの向上、正確な処理があると思うのですが、同時に、職員の皆様の仕事の内容が変わるはずであると。
要は、定型的なものがオンラインに行くことで、本来は著しく業務量が減るはずで、その減った分を情報提供あるいは非定型的な御相談に対するサービスレベルを向上したりと移るのが理想的なことだと思いますので、そこの機構としての志みたいなところをきちんと表現なさると、計画としては非常にいいですし、職員の皆様の変わっていくことに対する御理解が得られやすいのではないかと思いますというのが1点。
それから、リスクのところで、これはお尋ねなのですが、倫理とかコンプライアンス、ハラスメントの基準は、日々刻々と変化していると感じております。
つまり、今までのように、これはやっていいです、やってはいけませんというマル・バツだけでは、恐らく組織として成り立たない。そのときに相談できるような場所があるかどうか。
例えば組織の中で、これはハラスメントなのではないかと思ったり、これはデータの扱い方が正しくないのではないかと思ったときに、先ほどの野村委員の心理的安全性は、本当にそのとおりだと思うのですが、その一つの手段として、安心して相談できるようなものは、今あるのでしょうか。それとも、今後、御予定はあるのでしょうか。ぜひ御検討いただきたいと思っております。

○増田部会長 今、大きく2つコメントと、後半は質問と御意見ということです。
機構から何かございますか。
それでは、理事長。

○水島日本年金機構理事長 理事長の私から。
まず、数値目標にできるものについては、しているということでございます。
例えば今、御説明いたしましたが、電子申請の利用率あるいは「ねんきんネット」を御利用いただいている人の数、あるいは事務センターにおける処理件数の目標とかに関しましては、数値目標化できるものについては、基本的にしてきていると思います。
今申し上げましたのは、まだこれから開発するサービスでございますので、現時点で数値化することはなかなか難しい面がございます。
具体的に開発が完了して、どのようなものが提供できるかが決まりました段階で、どのように御利用いただくかについては、計画を立て、数値目標化できるものについては、数値目標化していくことをやってまいりたいと考えます。
それから、まず、このようなことによる職員に対する効果でございますが、これは今までも御説明してきているのですが、いわゆるフェーズ1で、計画案の電子決裁システムのスタートによりまして、かなり画像化あるいはデータ化、システムチェックが進んでおります。
その結果としまして、事務センターの改革がかなり進みつつありまして、今、事務センターから正規職員を800人程度現場にシフトできております。さらに200人程度シフトしたいと思っております。
さらに、記録関係に関しましても集約を進めまして、そこからシフトすることで、私どもは、基本計画で1万880人という正規職員の数は、10年前と変わっておりません。仕事は増えております。
その中で、どのように現場の負担を減らしつつ、増加する業務に対応していくかに関しましては、かなり具体的な効果がこの分野では出てきていると考えております。
もちろん、まだ進めるべき点はあると思いますが、そのような形で、職員に対しても、具体的にそのような効果について示してきておりますので、一定の理解を得て進めてきていると考えております。

○増田部会長 後半のほうに。
それでは、後ろの方、お願いします。

○草刈日本年金機構理事 人事・会計部門担当理事の草刈と申します。
委員から御質問のありましたハラスメントの関係でございますが、現在、拠点にも相談できる相談員を設置してございますが、昨年、令和2年度5月から、気軽に相談できる環境整備ということで、外部にもハラスメントに関する外部相談窓口を設置してございまして、職員からの何かしらの相談は、外部相談窓口で受付をして対応しているところでございます。

○増田部会長 それでは、どうぞ、もう一方。

○江藤日本年金機構理事 特命担当理事の江藤でございます。
御質問がありました倫理とコンプライアンスの関係でございます。
いろいろと刻々と状況が変わってきているという御意見でございましたが、私どもといたしまして、内部の研修のほかに、外部講師をお招きいたしまして、いろいろな世の中の動向みたいなことを踏まえて、職員への研修・啓発に努めているところでございます。
それから、倫理面・コンプライアンス面で、いろいろとおかしいと思うことについては、内部の通報窓口のほかに、外部の弁護士の先生にお願いいたしまして、通報を受け付ける仕組みもつくっておりまして、研修の中でそういった通報窓口についての周知を図っているところでございます。

○増田部会長 今のことで、何か追加はございますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでございましょうか。
西村委員、どうぞ御発言ください。

○西村委員 西村です。
御説明ありがとうございます。
2点ほど質問と、それに関わるお願いというか、意見ということでお願いします。
1点目は、リスクというところで先ほど齋藤委員からもありましたが、情報セキュリティの面で質問さしあげたいと思います。
令和3年度の実績に出るのかもしれませんが、世の中の動きからすると、例えば病院でランサムウェアによる被害が最近ありましたが、報道によりますと、外部インターネットに接続していない環境で被害が起きているなどの報道もありました。
報道ですので、真実のほどは分かりませんが、こういう辺りを踏まえて、セキュリティの点検は、部署をつくってきちんとやられているのは承知しておりますが、その内容について、どういう形で見直しをしているのか。その辺はセキュリティ・システム委員会のほうで諮られて、きちんと議論されているのかは分かりません。
その事象が起きたのは、今年度のことですので、そういう事例が起きたときに、どういう動きがされているのかを御質問させていただくのと、そういう改善につきまして、クリティカルな話ですので、単純なリスク管理というよりは、もう一言、二言見直しを図ることなどを含めた記述をしていただければありがたいのではないかと思いましたということが1点目です。
2点目としましては、前々回、前部会長代理の大山先生がフェーズ2の御報告をされていたと思いますが、それを踏まえてフェーズ2のところを読みますと、これからの実際の調達等に関わる動きを書けないことは重々承知しておりますが、ほかのページにも人材の育成・採用等についても書いてありますが、特にここにつきましては、専門的な職員がどのぐらい必要で、どういう体制づくりをしていかなければいけないかなどの機構側の動きは、きちんと整理して書かなければいけないのではないかと思いまして、御質問させていただきましたが、その辺の検討状況を教えていただければと思います。
以上の2点、お願いします。

○増田部会長 2つありました。
最初のサイバーアタックの関係については、どなたが。
よろしいですか。
では、そちらのマイクのあるところに移ってお願いします。
お願いします。

○嶌内日本年金機構情報管理対策室長 失礼いたします。
私は、情報管理対策室の嶌内と申します。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 よろしくお願いします。

○嶌内日本年金機構情報管理対策室長 1点目の世の中でランサムウェアとかそういったものでサイバー攻撃が相当巧妙化してきている件につきまして、お答えさせていただきます。
まず、日本年金機構では、年金個人情報を管理・運用する領域につきましては、基幹システムに限定しております。インターネット環境からの通信を遮断しまして、ウイルス等による攻撃が及ばないよう、システム構築を行っているところでございます。
その中核となる基幹システムへのアクセスにつきましては、先ほど委員の方からも、入手経路がいまいち不明なところもございますが、基幹システムのアクセスにつきましては、端末においては、ウイルス対策ソフトを導入しまして、その媒体のやり取りに関しましては、検疫PCを介した上で、データの授受を行うといった対策のほかに、基盤としましてはファイアウォール、監視カメラ等の基本的なところから、システム運用・管理についても、ワンタイムパスワードなどを導入しまして、外部だけではなく、内部面も含めて万全の対策を講じており、NISC、PPCといった外部機関による監査・検査でも一定の評価を得てございます。
また、インターネットに接する情報提供するシステムとしましては、私どもに「ねんきんネット」と機構ホームページがございます。
その対策につきましては、セキュリティ上、ここでは申し上げませんが、定期的に実施していますペネトレーションテスト、脆弱性診断、リスクの評価の結果を踏まえて、適切に対応しているところでございます。引き続き、最新の技術動向を踏まえ、巧妙化するサイバー攻撃に対しまして万全の対策を取るべく、緊張感を持って対応していきたいと考えております。
この辺は、年度計画のどこにあるかと申しますと、概要資料を見ていただきたいのですが、22ページを御覧ください。
「組織面の対策」「技術面の対策」「業務運用面の対策」ということで、それぞれの面で対策を施しているうちの「技術面の対策」を見ていただきたいのですが、○の1つ目では、リスク分析評価、脆弱性のところはうたってございます。
2つ目の○では、読み上げさせてもらいますが「ねんきんネット」及びホームページにおいて、セキュリティレベルをより高度化するため、攻撃手法の動向を踏まえた監視ルール及び管理者権限の体系について精緻化を行うということで、この監視ルールに関しましては、SIEMを中心にやってございます。
1つ○を飛ばしまして、今年、新たにランサムウェアとかそういったところを踏まえまして、○を追加しているところが、情報セキュリティ最新技術動向の調査・研究を通じまして、機構の実務の応用ということで、昨年度までは調査・研究で終わっていましたが、今後は応用を考えて導入していくところでございます。
最後に、こういった対策の状況につきましては、社内的に情報管理対策本部とかそういったところで報告さしあげてございますが、情報セキュリティ・システム専門委員会等の定期的な報告につきましては、厚労省とよく相談して決めさせていただきたいと思います。
以上でございます。

○増田部会長 それでは、2つ目のほうについて、後ろの方、お願いします。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画部門担当理事の鈴木でございます。
2点目のフェーズ2の体制の御指摘についてでございます。
今、フェーズ2につきましては、本格開発に向けまして、RFI(情報提供依頼)を通じまして、事業者との技術的対話といったものの中で、実際の開発のスコープ、期間などを改めて検討しているところでございます。
体制につきましては、御指摘のとおり、大変重要でございまして、令和3年4月から刷新プロジェクト推進室という我がほうの組織も充実を図っているところですが、現在、開発のスコープなどは、まだ技術的対話の中で検証作業をしているところでございまして、そういったものがしっかりと固まっていないということで、現在、具体的にどうするということまでに至っていないところでございます。
もちろん、スキル向上は現在も図っておりますが、御指摘を踏まえまして、今後、体制についても、しっかりと必要な体制の整備を図っていきたいと思っております。
以上です。

○増田部会長 西村委員、何か追加でコメントはございますか。

○西村委員 ありがとうございます。
2点目については、大山先生のほうでお話しした内容が議事録にも残っておりますので、それを踏まえて記載内容を御検討いただければと思いますという意見ですので、ぜひ御検討いただければと思います。
1点目については、これは齋藤委員のほうが詳しいかもしれませんが、外部から遮断されたネットワークに侵入がありましたという報告書がそちらのほうから出ております件もありますので、今までの対策でいいのですかということも含めて、令和3年度中にやっているべきことではないかということも含めて御質問させていただきましたので、もう少し前向きに活動していただければと思います。
内容につきましては理解いたしましたので、スピード感を持ってやっていただきたいということでお願いいたします。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
機構のほうで、今の後のほうの御意見、最初のサイバーアタックについては、またよろしく御検討ください。よろしくお願いします。
それでは、ほかの委員から、また御意見はございますか。
小尾委員ですね。どうぞ御発言ください。

○小尾委員 ありがとうございます。
私は、1点コメントというか、御質問も含めてですが、17ページのフェーズ2でのシステム開発の件になっています。
最初の○で、令和3年までに実施した開発準備工程及び情報提供依頼(RFI)の結果を踏まえて整理した本格開発の方針という記載があるのですが、RFIは、多分、期限が今年度末までになっていて、恐らくここでいう本格開発の方針の決定自体は来年度にずれ込む、または来年度も引き続き実施するということではないのでしょうか。
もしそうなのであれば、ここの文面は「整理した」ではなくて「整理する本格開発の方針」が正しい記載かなとも思います。
また、ここに関連して、この下の取組事項の中で「BPR(業務改革)の実現や開発方針の見直しに伴う基本設計の修正」という記載があるのですが、これだけを見ると、基本設計以前に、要件定義自体の修正が何か必要になってくる、開発方針を変えますみたいな話になってくると、そのようにも取れてしまって、いつ詳細設計以降の本格開発に着手できるのかという見通しにすごく不安があるような文面のように見えてしまう。
機構のいわゆる開発体制というか、体制も新しくなっているようですし、改めてここに記載されている取組事項の内容をどういう順番で、できれば、本当はどの時期に行おうとしているかを教えていただく、または少し順番とか文言を考えてこの内容を修正いただければと思います。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
今のフェーズ2の関係で。
では、後ろの方、どうぞお願いします。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画担当の鈴木でございます。
2点ございまして、まず、おっしゃるとおり、今、情報提供依頼に基づく技術的対話につきましては、期限を今年度中に延長して、引き続き意見交換などをさせていただいているところでございます。
したがいまして、確かに、私どもとしては、今年度にきちんと整理したいという意思を持っておりましたので、こう書いておりますが、冒頭の「整理した」は「整理する」でもいいかと思いますので、もう一度検討したいと思います。
それから、全体のプロセスでございますが、中身を技術的対話の中で決めていきますので、今の時点で具体的に工程をお示しすることができない状況は大変心苦しく思っておりますが、しっかりと整理して、御指摘の基本設計修正も、これまでの類似の改正を反映していない部分とかいろいろなものがございますが、今後、そういったものも含めてきちんと見通しを持って御説明できるようにしていきたいと思っております。
以上です。

○増田部会長 小尾委員、いかがでございましょうか。今の御回答でよろしゅうございますか。

○小尾委員 はい。
状況は分かりますので、取組事項の中身は、一見して順番で見ると、詳細設計をやりますと書いてあって、その次に基本設計を見直しますみたいな形にもなっていますので、できればどういう順番でやっていくのですとか、どのように考えて取り組んでいくのですというのが少し明確になるような記載に改めていただければとお願いしたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、今の関係で、理事長、何かございますか。よろしいですか。

○水島日本年金機構理事長 御指摘は確かにそのとおりだという面がございますので、御指摘を踏まえて、記載のあり方について少し検討して、分かりやすい、御理解いただきやすい内容に改めたいと思います。
ありがとうございました。

○増田部会長 それでは、次回、その点をまたよろしくお願いいたします。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、伊藤委員、どうぞお願いいたします。

○伊藤委員 24ページの「女性の活躍推進」なのですが、前倒しのゴールを決めていただいて、大変よろしいかと思います。
私自身もいろいろな組織で女性活躍推進を手がけており、お話も聞いておりますが、一番の阻害要件は、男性管理職の意識、あるいは今までの男性しかいない組織のカルチャーに基づいた評価指標であったりということを非常に多く見聞きしております。
ですので、施策として、ぜひ公正な評価の仕組みであったり、男性管理職の意識の変化・変革といったことにも取り組んでいただきたいと思っております。

○増田部会長 この点はいかがですか。
理事長、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 ありがとうございます。
御指摘といいますか、御意見を踏まえて見直してみます。
ただ、1点だけ御理解いただきたいと思いますのは、私どもの組織のあり方として、もちろん女性が多いこともございますが、評価上の差別は、基本的にほとんどないと申し上げてよろしいかと思います。
ただ、より改善すべき点があるのだろうと思います。そのような視点から見直してみるようにいたします。
ありがとうございました。

○伊藤委員 ありがとうございます。

○増田部会長 それでは、また御検討をどうぞよろしくお願いいたします。
ほかの委員の方、ほかの御意見はございますか。
それでは、齋藤委員、どうぞお願いします。

○齋藤委員 ありがとうございます。
僕は、ここは専門ではないので、後でこっそりやろうかと思っていたのですが、そういった意味では、資料の24ページの「女性の活躍推進」の1ポツ目の文章表現なのですが「出産・育児といった女性のライフイベントを考慮し」は、本編にも全く同じ文言があるのですが、昨今、これを女性だけのものとして表現すると、あまりよろしくないのではないかということがあるかと思いますので「女性の」を取って「出産・育児といったライフイベントを考慮し」という表現にしてみてはいかがでしょうかという提案でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
今の点も、また。

○水島日本年金機構理事長 おっしゃるとおりです。
かしこまりました。

○増田部会長 御検討をお願いします。
ほかの委員の方、いかがでしょうか。
それでは、土屋委員、どうぞ御発言ください。

○土屋委員 これは意見ではなくて、質問なのですが、8ページ目の一番上の四角です。
年金給付の障害年金センターにおける障害認定の専門性を高めるために、障害認定に係る業務フローの見直しと改革を本格的に実施するという2つ目の○なのですが、専門性を高めるために「職責に応じた役割及び決裁権限の明確化」、「障害状態の程度を職員が事前判定する仕組みの導入」の2つについて、もう少し詳しく説明していただけたらと思うのですが。

○増田部会長 それでは、今の点について。
それでは、後ろの方、どうぞお願いします。

○田浦日本年金機構理事 年金給付事業部門担当の田浦でございます。
ただいまの御意見につきまして、御説明いたします。
障害年金センターにおける業務フローの見直しということで、こちらに5点記載させていただいております。そのうちの1つ目、2つ目についての御質問だったと思います。
1点目につきましては、障害年金センターでは、現在、障害年金自体が年金給付の中でも困難性がある給付の一つだと思っております。そういう意味では、障害年金の給付の審査をする場合、どうしてもベテランの職員とかそういう方々に頼りがちというところもございますので、そこは組織として職責に応じた対応をしていくということで、ここで役割の見直しをするということでございます。
さらに、決裁権限の明確化は、例えば慎重な判断を要するものや、問題のあるような不利益処分のようなことにつきましては、例えば障害年金センター長や私、担当理事にもしっかりと相談があるような業務フローを改めて整理するということで、体制の強化を図りたいのが1つ目の目的でございます。
2点目についてでございます。
「障害状態の程度を職員が事前判定する」と記載させていただいております。
もともと障害年金につきましては、請求者から御提出いただいた診断書等を、障害認定基準に基づきまして、障害認定医が医学的に総合判断して、等級を決定するのが大前提でございます。
今般、障害年金センターの業務フローの見直しということで、職員が事前に診断書に記載されている中の検査数値とか障害状態の区分などを障害認定基準に照らし合わせて、チェックして確認票に記載することで、それを参考に障害認定医の方に判定していただく。事前にそういう確認をしていくということで、記載させていただいております。
したがいまして、この仕組みを導入することによって、職員が障害等級の判定をするということではございません。書きぶりは「判定」と書いておりますが、あくまで事前の確認をさせていただくという趣旨でございます。
以上でございます。

○増田部会長 土屋委員、以上でございますが、いかがでしょう。

○土屋委員 私も、おっしゃるとおり「判定」にすごく違和感がありまして「専門性を高めるため」と書いてあるにもかかわらず、職員が判定するのかと思っていたのですが、御説明がありましたように、記録票みたいな形で、それを認定医の先生が判断されるということでしたら、この書き方を見直していただければ十分かと思います。
ありがとうございました。

○増田部会長 それでは、表現ぶりはまた御検討ください。お願いいたします。
委員の方、ほかにいかがですか。よろしゅうございますか。
西村委員ですね。
西村委員、どうぞ。

○西村委員 時間もあるようなので、1個だけ質問をさせてください。

○増田部会長 どうぞ。

○西村委員 11ページのねんきん定期便の件なのですが、これの開封率みたいな数字は、どこかにあるのですか。
というのは、開封されないものにいくら工夫をしても意味がないので、もしそこに根拠があるのであれば、教えていただきたいと思った次第ですが、いかがでしょうか。

○増田部会長 機構のほうで、後ろの方、よろしいですか。
どうぞお願いします。

○鈴木日本年金機構理事 事業企画部門担当の鈴木です。
開封は、圧着を剝がしたり、封書を開いたという意味でおっしゃっているということですか。

○西村委員 そうですね。

○鈴木日本年金機構理事 そうですか。
すみません。今、そのデータを持っておりませんので、記憶では、開封率を調べたことは恐らくないと思いますが、確認させていただきたいと思います。

○西村委員 分かりました。
効果を裏付けるためには、なかなか難しいとは思いますが、そういうことが分かればと思いましたので、ある機会でお願いします。

○増田部会長 分かりました。

○鈴木理事 補足でございますが、ほかの封書でいきますと、封筒を工夫したり、封筒の入り口の文言を工夫したりということで、開封していただく率が上がるという検証結果もございますので、そういったことも含めて、こういう封筒作りも努力しているところでございます。

○西村委員 分かりました。
ありがとうございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、特にほかの委員の方から御意見や御質問等がないようでしたら、今日は、表現ぶりも含めて各委員から御指摘がございました。それについては、また機構のほうで、内部で検討していただいて、次回の当部会に御提出していただきたい。
次回は、この部会でもう一度審議して、その上で機構のほうで厚生労働大臣認可の手続を取ることになりますので、各委員の皆様方にも御承知おきいただきたいということでございます。
本日の議事は以上でございます。
少し予定した時間より早うございますが、議案についてはこの程度とさせていただきます。
最後に、前回の部会において、私のほうで預からせていただきました第56回部会の議事録の取扱いについて御報告させていただきます。
第56回部会は、昨年6月28日に開催したものでございます。
前回の部会で、事務局から説明がございましたとおり、当部会の岩瀬元委員の御指摘について、事務局で必要な確認を行ったものの、御指摘の事実は確認できなかったこと、それから、そのほかに議事録案の改ざんを疑うような事情もないと、私も理解いたしました。
もう半年議事録が公開されない状況が続いておりますので、議事録を公表する必要があると判断して、そのような手続を取らせていただきました。
1月11日に厚生労働省のホームページに掲載されておりますので、このことを御報告させていただきます。
報告は以上とさせていただきます。
それでは、本日の部会は以上となります。
次回の日程につきましては、改めて事務局から御連絡することといたします。
以上でございます。
どうもありがとうございました。