2021年9月10日 第57回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和3年9月10日(金)15:00~16:15

場所

全国都市会館 2階大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2

出席委員

会場出席委員:増田部会長、岩瀬委員
オンライン出席委員:大山部会長代理、石井委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、土屋委員、西村委員、原委員、松山委員、山口委員

議題

  1. (1)日本年金機構の令和2年度業務実績の評価について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○清水年金事業運営推進室長 定刻となりましたので、ただいまより第57回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきましてありがとうございます。
私は、上田の後任として7月1日付けで着任いたしました年金事業運営推進室長の清水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の皆様の出席状況につきましては、委員全員の出席を予定しておりますが、原委員、松山委員は遅れて御出席の予定と伺っております。
また、大山部会長代理、石井委員、喜田村委員、斎藤聖美委員、齋藤衛委員、土屋委員、西村委員、原委員、松山委員、山口委員におかれましては、オンラインにて御出席いただいております。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましてはここまでで退室をお願いいたします。

(カメラ退室)

○増田部会長 それでは、議事次第に沿いまして議事を進めてまいります。
議事の1番目は、「日本年金機構の令和2年度業務実績の評価について」でございます。日本年金機構の令和2年度業務実績の評価につきましては、9月7日付けで厚生労働大臣から社会保障審議会の田中会長宛てに諮問がなされております。厚生労働省から評価案の資料、こちらは資料1-1が概要版になっておりまして、資料1-2が全体版ということでございますが、この評価の案につきまして資料に沿って説明をいただいて、その後、委員の皆さん方から御意見や御質問をお伺いしたい、このように進めていきたいと思います。
それでは、資料の説明を厚生労働省のほうからお願いいたします。よろしくお願いします。

○清水年金事業運営推進室長 日本年金機構の令和2年度業務実績の評価案について御説明させていただきます。
評価案本体は資料1-2となっておりますが、説明につきましては資料1-1の評価案概要を使って行わせていただきます。
機構の評価につきましては、日本年金機構法に基づきまして、厚生労働大臣が行うものとなっております。その評価に当たりましては、社会保障審議会に諮問がなされ、年金事業管理部会にて御議論をいただくこととなっております。
諮問書につきましては、資料1-2の次に参考資料として添付させていただいております。
令和2年度の業務実績につきましては、本部会で前回、前々回と御議論いただいた内容となっております。その議論の内容を踏まえ、機構から提出されました業務実績報告書の内容について、令和2年度の年度計画に照らした達成状況を評価案として取りまとめております。
評価の基準につきましては、資料1-1の表紙をおめくりいただきまして、1ページの左下を御覧いただければと存じます。こちらに記載されていますように、年度計画をおおむね達成している場合はB、年度計画を上回っている場合はS、A、下回っている場合はC、Dという評価となります。
1ページ目の一覧表でございますが、一番右側の列が令和2年度の評価の案、その左側の列が昨年行われた令和元年度の評価となっております。
個別の評価案に入りたいと存じますが、時間に制約があることもございますので、例年同様、前年度と今年度の評価を比較いたしましたときに、計画をおおむね達成しているというB評価になっている項目以外について御説明をさせていただきたいと思います。
なお、令和元年度において評価Bであり、令和2年度の評価案も評価Bである項目につきましては、令和元年度に引き続き令和2年度も計画どおり実施されており、年度計画をおおむね達成しているという項目となっております。
最初に3ページを御覧ください。「国民年金の保険料収納対策」の項目となっております。資料全体を通しての形式でございますが、資料の中程右に太めの線が引いてあるかと存じますが、これより左側の部分が前回まで御議論いただきました業務実績、右側が今回御審議いただきます評価の部分となっております。
国民年金の保険料収納対策についてでございます。右側の「評価に当たっての主な視点」にございますとおり、1つ目の○にございますが、納付率の目標を達成したか、また、3つ目の○にございますが、地域の実情を踏まえた保険料収納対策や強制徴収の着実な実施を行ったかというところが主な視点となってございます。
こうした点につきまして実際の取組状況といたしましては、資料の左側の部分、3ページから4ページになりますが、納付率等の目標に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響から強制徴収の停止を余儀なくされましたが、所得が急減した方や失業した方に対して臨時特例免除や失業特例免除の迅速な勧奨を行うなど、社会の要請に的確に応えるとともに、新規未納者や20歳到達者に対する取組を強化しました。
また、4ページに記載がございますが、地域の実情を踏まえた対策としまして、他の都道府県に比べて納付率が低い状況にある沖縄県について、令和元年度に発足させた沖縄プロジェクトにおいて、県内で統一した収納対策や市町村との情報連携等諸施策を継続的に実施しています。
そうした取組を行いました結果、4ページの右側を御覧いただけますでしょうか。「主な評価の理由」といたしまして、1つ目の○、納付率等の目標につきましては、その下の小さいポツを御覧いただきますと、令和2年度分保険料の現年度納付率、目標では対前年度比でプラス1ポイントとなります。これにつきまして、実績では対前年度比プラス2.2ポイントとなり、71.5%となってございます。
小さいポツを1つ飛びまして、3つ目のポツでございますが、平成30年度分保険料の最終納付率につきましては、目標が現年度納付率からプラス8ポイントとなってございましたが、実績といたしまして、現年度の納付率からプラス9ポイントということで、77.2%という結果となっております。
また、3つ目の○、地域の実情を踏まえた対策及び強制徴収の着実な実施です。強制徴収については、先ほど御説明しましたように、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて停止いたしましたが、沖縄県について、対策の結果、納付率が大きく向上しています。具体的には、同じ4ページの左側の部分の上から3つ目の○のところに記載がございますが、令和2年度分保険料の現年度納付率が61.1%、対前年度比でプラス5.7ポイントと、大きく向上しています。
こうした実績を踏まえまして、この項目につきましては評価Aとさせていただいております。
5ページ目を御覧ください。「厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策」の項目でございます。右側の「評価に当たっての主な視点」を御覧いただきますと、1つ目の○にございますとおり、未適用事業所への適用促進対策といたしまして、適用調査対象事業所の効率的・効果的な把握に努め、加入指導を実施し、適用に結びつけた。また、2つ目の○になりますけれども、適用事業所への事業所調査について効果的・効率的な実施に努め、届出の適正化に努めたかといったところが評価に当たっての主な視点となってございます。
こうした点につきまして、実際の取組状況といたしましては、資料の左側の部分、5ページから6ページにかけてになりますが、未適用事業所の適用促進対策については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、年度当初から9月まで訪問・来所要請による加入指導を中止し、文書・電話を中心とした加入指導を行いましたが、国税源泉徴収義務者情報を活用した加入指導を行うとともに、法人登記簿情報等を活用した新設法人への早期の加入指導に取り組みました。
また、6ページ目に記載がございますが、事業所調査についても、新型コロナウイルス感染症の影響から、年度当初においては訪問・呼出調査を中止し、郵送調査を実施いたしました。11月以降は、感染防止を徹底しながら、情報提供のあった事業所等、優先度の高い事業所から訪問調査を実施しています。
そうした取組を進めました結果、5ページ目の右側の「主な評価の理由」のところを御覧ください。未適用事業所への適用促進対策につきましては、最後の3行にございますが、加入指導による適用事業所数が9万9682事業所となり、目標の8万2000事業所を上回る結果となっております。
また、ページをまたがり恐縮ですが、6ページ目を御覧いただけますでしょうか。右側の部分を御覧いただければと思いますが、1つ目の○の事業所調査については、最後の3行ほどにございますように、317万人超の被保険者に関する調査を実施しており、目標の240万人を上回る結果となっております。
こうした点を踏まえまして、この項目について評価Aとしております。
7ページ目を御覧ください。「厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策」の項目でございます。右側の「評価に当たっての主な視点」といたしましては、1つ目の○にございます収納率の目標について、納付猶予特例及び法定猶予制度に係るものを除いて、前年度と同等以上の水準を確保したかといったところが評価に当たっての視点となります。
こうした点につきまして実際の取組状況といたしましては、資料の左側の部分となりますが、機構では滞納の初期段階から納付指導を実施するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により保険料の納付が困難となった事業所に対して納付猶予特例の案内を行い、申請を促すなど、個々の事業所の置かれた状況や心情に十分配慮した迅速かつ柔軟な対応に最優先で取り組んでいます。
そうした取組を行いました結果、右側の真ん中より下の部分になりますが、「主な評価の理由」といたしまして、1つ目の○にございますように、納付猶予特例等に係るものを除いた場合、厚生年金保険料の収納率は前年度99.1%から令和2年度99.3%、また、全国健康保険協会管掌健康保険料の収納率につきましては、前年度98.4%から令和2年度98.8%となっており、いずれについても前年度以上の水準を確保しています。
こうした実績を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
少しページが飛んで恐縮でございますが、16ページを御覧ください。「年金制度改正等への対応」の項目となっております。右側の「評価に当たっての主な視点」のところを御覧いただきますと、1つ目の○にございますように、年金制度改正等の円滑な施行に向け、必要な事務処理方法の検討やシステム開発等を適切に対応したか。また、2つ目の○にございますように、健康保険の関係で、オンライン資格確認導入への対応として、全国健康保険協会へマイナンバーを含む情報を提供するための仕組みを構築したかといったところが評価に当たっての主な視点となります。
こうした点につきまして実際の取組状況といたしましては、資料の左側の部分になりますが、年金制度改正等への対応といたしまして、昨年成立しました年金制度改正法に基づきまして、令和3年4月に施行される改正事項について、業務処理要領等を整備するとともに、制度改正に対応したシステム開発を行っています。
また、業務として大きかったものとしまして、新型コロナウイルス感染症への制度的な対応といたしまして、国民年金保険料の臨時特例措置、厚生年金保険料等の納付猶予特例や、標準報酬月額の特例改定等に取り組んでいます。そのほか、オンライン資格確認導入への対応として、全国健康保険協会と実施方法を協議の上、被扶養者等のマイナンバーを含む情報を日次で提供するシステムを開発しています。
その結果、右側の「主な評価の理由」のところを御覧いただきますと、1つ目の○にございますように、年金制度改正等の円滑な施行に向け、令和3年4月の制度改正事項について、システム開発、業務処理要領等の整備など、必要な対応を実施しているということ。また、後段は、詳細が9ページに記載されておりますが、66歳以上の未請求の老齢年金のある方に対する繰下げ見込額のお知らせなど、今後の施行に係る改正事項に関する取組を着実に進めていること。
2つ目の○にございますように、新型コロナウイルス感染症への制度的な対応のための実施体制の構築を行い、適切かつ迅速に実行しています。
また、3つ目の○にございますように、オンライン資格確認導入への対応として、令和3年2月から全国健康保険協会に対し、被扶養者等のマイナンバーを含む情報提供を開始しています。
こうした実績を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
続きまして、また少しページが飛んで恐縮でございますが、22ページを御覧ください。「ICT化の推進」の項目となっております。右側の「評価に当たっての主な視点」を御覧ください。1つ目の○の電子申請の推進ですが、1つ目のポツにございますように、令和2年4月から開始されました資本金1億円を超える法人等に対する電子申請による届出の義務化等を踏まえまして、電子申請への移行促進の取組を推進したか。また、2つ目のポツにございますように、電子申請システムのレベルアップ等を行い、事務処理の効率化・迅速化を図ったかというところが主な視点となっております。また、それ以外にもインターネットを活用したサービス、マイナンバーの活用についても評価に当たっての視点となっております。
こうした点につきまして実際の取組状況といたしましては、資料の左側の部分、22ページから23ページにかけてになりますが、電子申請の推進については、電子申請の届出が義務化される大規模な事業所及び被保険者数が101人以上の事業所を重点取組対象としまして利用勧奨を実施しました。その結果としまして、22ページの左下のほうに表がございますが、主要7届書の電子申請割合は、令和元年度23.9%から令和2年度41.9%と、前年度比プラス18ポイントとなっております。
また、23ページに記載がございますが、インターネットを活用したサービスとしては、事業所調査時に事業主に提出を求めている賃金台帳・出勤簿等の調査資料について、オンラインで提出できる環境の構築を進めました。さらに、マイナンバーの活用として、情報提供ネットワークシステムを通じた所得情報等の情報照会につきまして、令和2年度は国民年金保険料免除申請勧奨等の業務においても、本格的な運用を開始するなどしています。
その結果ですが、23ページを御覧ください。右側の「主な評価の理由」のところを御覧いただけますでしょうか。1つ目の○の1つ目のポツにございますように、電子申請の推進については、主要7届書の電子申請割合が前年度比で大幅に増加しています。次のポツですが、電子申請処理の開始に加え、事務センター内の体制を確保するとともに、令和2年11月から電子証明書等のシステムチェックを開始することにより、資格取得届及び被扶養者異動届の処理日数について前年比で短縮が図られています。例えば、電子申請された資格取得届の平均処理日数は、平成31年4月に3.3日だったものが令和2年4月には1.4日と短縮しています。こちらの数字は6ページに記載がございますので、後ほど御覧いただければと思います。
また、2つ目の○の3つ目のポツにございますように、新型コロナウイルス感染症を契機として、事業所調査資料をオンラインで提出できる環境の構築に取り組むなど、年度計画を超える施策を講じています。
次の24ページを御覧いただけますでしょうか。右側の部分でございますが、1つ目の○の1つ目のポツには、マイナンバーの活用として、先ほど御説明した内容ですが、情報提供ネットワークシステムを通じた所得情報等の情報照会について、国民年金保険料免除申請勧奨等の業務において本格的な運用を開始しています。
こうした取組を踏まえまして、この項目について評価Aとさせていただいております。
評価案の説明につきましては以上になります。

○増田部会長 ありがとうございました。
この評価案の内容について、これから御意見、御質問を各委員の皆様方から頂戴をしたいと思います。例年そうでございますが、今回、この時期の会合では、冒頭に評価の一覧表がございましたけれども、そのような評価が適切であれば、部会として社保審の会長のほうにその旨報告をして、厚労大臣からの諮問に対して会長のほうから答申をする。こんな手続がこの後進められるということでございます。それを前提に様々な御意見等を頂戴できればと思っております。
挙手の上で御意見を頂戴したいのですが、ウェブカメラを切っていらっしゃる委員におかれましては、カメラをオンにしていただきまして、合図がありましたら私が指名しますし、電波状況等でそのような形にならない場合には、お名前を言っていただければ私のほうから指名させていただきたいと思います。
それでは、委員の皆さん方から御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
岩瀬委員からお願いします。

○岩瀬委員 今の概要版では話が出ませんでしたけれども、詳細版及び概要版の25ページ、コンプライアンスの問題について理事長に御質問したいと思います。
機構におけるコンプライアンスの遵守というのは非常に重要な問題だと思うのですけれども、この間、いろいろな不祥事もあり、特にSAY企画の問題があって、社会問題にもなった以上、ここはかなり重視して取り組んでもらわないといけないところだと思います。
コンプライアンスの確保のために、自己点検、意識調査を継続的に行うと書かれていますけれども、本当にそれがされているのかどうかというのを私は非常に疑問に思っています。
というのも、かいつまんで言いますけれども、この間、国会で6月、7月、SAY企画の問題が再度質問になって、いろいろ理事長に対する質問がありましたけれども、その議事録を全部チェックしましたら、私はどう考えてみてもこのコンプライアンスにのっとった答弁をされていないのではないかということを感じますので、そこでお尋ねします。
これは長妻代議士と上田清司代議士が共に同じ質問をしていましたけれども、扶養親族等申告書の見本を国会議員の先生が持ってきてほしいと言ったときに、機構はプレ印刷された部分を全部消して届けているわけですよね。何でそういうことをさせたのか。
一般に公開されているものには、全部プレ印刷したものが公開されているわけです。代議士に届けたものは全部消している。同じ30Aという整理番号が打たれていますね。なぜこういうことをやられるのか。これはやはり国会の最高機関に対して、そこで審議をするに当たって必要な資料として請求されているのだから、一般に公開されているものを提出すべきだったと思いますけれども、それをなぜやらなかったのかというのをまずお尋ねしたいのですけれども、教えていただけませんか。コンプライアンスの問題は非常に重要な問題なのです。

○増田部会長 それでは、どうぞお願いします。

○駒木事業企画課長 年金局事業企画課長でございます。
先ほど御質問いただきました国会議員への提出資料ということでございますけれども、これは前回もお答えさせていただきましたとおりでございまして、お尋ねの扶養親族等申告書の提出の部分については、プレ印刷の部分については、前年度の申告内容について各お客様に発送される段階で実際に印刷されるものでございまして、様式そのものではないということでございます。扶養親族等申告書の様式そのものを示すということで、プレ印刷部分に当たる架空の氏名などの記載といったものがないものを提出したということでございます。
また、提出の様式中には、これも前回お答えさせていただいていますけれども、前年度の申告内容をプレ印刷しているという旨の記述もされているところでございまして、そうした御指摘は当たらないと考えてございます。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 不毛な議論にしないために端的にお聞きしますけれども、平成29年4月に日本年金機構がつくった仕様詳細という文書がありますが、これは入札を希望する事業者に全部配布しているものです。そこの中に扶養親族等申告書の見本があって、その中に様式と書かれています。6つの様式が載っている。その6つの様式は、プレ印刷された架空の氏名とかそういうものが全部入っているのです。これが様式として一般の事業者に配布されていて、代議士が求めたときにこの様式をわざわざ消して提出するというのは、これは改ざんというものではないでしょうか。ちょっとお尋ねします。
ついでに、今、事業企画課長がお話しいただいたので、今回の評価とずれますが、部会の運営に関して非常に重要なことなのでお尋ねしたいのですが、前回と前々回の議事録に関して、私が議事録案をチェックしたら、機構のほうで発言している言葉が削除されていて、私が語っていない言葉が挿入されていた。私はいつもメモを取って、その後、全部文章にしていますから、それを突き合わせた結果なのですけれども、そういうことはよくないのではないかということで確認をしてほしいとメールを送りました。
そうすると、1か月以上たって事業企画課からメールが来たのですけれども、事業者に確認したらそういうことはないという回答が来たのですね。だけど、社会保障審議会令によって、部会の事務方、事務局を担当する、庶務を担当するのは事業企画課なわけですね。事業企画課が確認しないで、事業者が確認したからそれでよしというのは、確認したことになっていないのではないでしょうか。だから、改めて事業企画課で確認してほしい。
その際に、これは全部Zoomで録画を撮っていますから、Zoom録画で確認をしてほしい。その後、回答をいただいたら、私もZoom録画で確認をさせていただきたいと思います。これは非常に重要な問題なので、2つお尋ねしましたけれども、お答えいただけますか。

○増田部会長 それでは、今、2点ありましたので、どうぞお願いします。

○駒木事業企画課 事業企画課長でございます。
1点目の点につきましては、改ざんではないかという御指摘ですけれども、先ほどと繰り返しになりますが、プレ印刷については前年度の申告内容で各お客様に発送される段階で印刷されるということで、架空の氏名等の部分は様式そのものではないということでございますし、プレ印刷している旨の記述は提出させていただいた様式の中にもございます。改ざんとか、そういったことではないと考えております。
2点目でございますけれども、速記録につきましては外部の専門業者に速記録の作成を委託してございます。先ほどお話がございましたように、速記録案の中に、発言した部分の削除であったり、発言していない発言が入っているのではないかといった御指摘をいただきましたので、その点についてはテープも含めて作成の原本を持っている事業者に改めて確認をしていただき、そうしたことはないということを確認をいただいているということでございます。

○増田部会長 議事録のところは、その確認というのは業者さんが持っているものを事業企画課としてきちんと議事録ができたということを確認したということですか。最後、確認したとおっしゃったのは、そちらで確認したということですか。

○駒木事業企画課長 原本と速記録の部分は事業者に委託しておりますので、まずは事業者にしっかり確認をいただいたということで、その旨を御返事申し上げたということでございます。
事業者のほうで確認されているもので間違いがないということでいただいていますので、そのような御指摘のような事実はないと私どもは考えております。

○増田部会長 事業者は信頼できる事業者で、そこできちんと確認したということで、この庶務を扱っている厚労省としても議事録は適正に作成されていると判断した、それでお答えしたということですね。

○駒木事業企画課長 私どもとしてもそのように考えております。

○増田部会長 後のほうの議事録の関係は、事業者のほうで持っているので、それを見れば、事実は一つでしょうから分かる話なのだろうなと思いますけれども、初めのほうの関係はちょっと見解が違うみたいです。
岩瀬委員、お願いします。

○岩瀬委員 それでは、これは全部録画しているわけですから、Zoomの画像で私は確認させていただきたいのですけれども、部会長、御許可いただけませんか。

○増田部会長 今の点は可能ですか。

○駒木事業企画課長 画像については、撮っているのかはちょっと。多分撮っていないと思っています。速記録の業者がこちらのほうに来ていただいて、テープを取ってそれを起こすというふうに私は承知しているのですけれども、そのテープで発言の内容を確認されているわけでございますので、Zoomの画像があるのか、業者がお取りになっているのかというのは私どもは存じ上げておりません。恐縮でございます。

○増田部会長 とりあえずテープは必ずあって、それで確認はできるということですが、私もZoomの画像があるのかどうかは分かりません。

○岩瀬委員 普通は大体Zoomの画像は録画されているものだと思いますけれども、それはあるかないかを確認してください。
部会長、本当に申し訳ないのですけれども、私は自分の発言でございます。しかも、この問題に関しては非常に興味を持っていて、検証作業班としてずっと作業もしてきています。やり取りをしている中で、非常に重要な問題だと思って、記憶も鮮明だし、メモも取っている。それと合わないわけですから、一方的に、業者が確認したから知らないよと言われても困ってしまう。それはきちんと後で、Zoomがあるかどうか。その後、特別に許可するみたいな。音源も。おかしな話なのですね。委員は自分の発言に対して責任を持って議事録に残す義務があると思いますので、それは音源を借りて、私は音源を徹底的に分析したいので、それも提出をお願いしたいと思います。
2つ目のことで、簡単に質問しますけれども、これはさっきの繰り返しになりますけれども、扶養親族等申告書の見本として事業者に配っている。これは見本で、様式なのです。それを代議士に行くときにこれを出せばいいわけです。全部消している。1~2行ありましたけれども、それはただ消し忘れということではないのでしょうかね。
それと、これをまず印刷をして、発送の前に送付先氏名、住所を印刷するとおっしゃっていましたけれども、非常に二度手間になる。SAY企画が処理した分だけでも501万件あって、それを全部プレ印刷して、発送先の住所、氏名だけ残しておいて後で印刷する。これは効率的にも悪いし、事故が起こる可能性があるのですね。
こういう大量処理をする場合の印刷物の発送というのは、私、記録問題をやったときも多少関わったので分かるのですけれども、一斉発送しないのです。地域によって分散発送しないと処理ができなくなるから。500万件のプレ印刷したものを地域によって分散発送する。それを抜き出して、そこでもう一回氏名、住所を印刷するというのは普通は考えられないことなのです。それをやったということでよろしいのですか。

○増田部会長 今のやり取りの関係はこのくらいで最後にしていただきたいのですが、もし分かれば機構のほうから。一番後ろの方。

○田中日本年金機構企画調整監 事務局からお答えいたします。
ここのプレ印刷の部分につきましては、扶養親族等申告書の印刷を、発送準備までは委託する業者において一括してプレ印字の部分、それは送付先の住所と前年度にお届けをいただいた扶養親族の氏名等になりますけれども、それをプレ印刷をして、印刷できる形にして郵便局に持ち込むという形で業務を委託しております。

○岩瀬委員 答えになっていないんだけれども、プレ印刷をしたものと発送先住所、氏名の印刷を2度に分けてやったのかどうかということをお聞きしているのです。

○田中日本年金機構企画調整監 それは印刷業者において同時に。わざわざ分けてやることではございませんので。

○岩瀬委員 同時にやるわけですよね。当たり前。
その様式がこれなのです。これを事業者に全員配っているのですね。この様式をなぜ出さないで、わざわざ消して代議士に届けたのか。この様式を出せばいい話ではないですか。それを聞いているのです。そういうことをしないでやっているということは、コンプライアンスに基づいた業務ができていないのではないかということで、私はここのコンプライアンスの部分に関しては同意できないということをお伝えします。
あなたの話は別にいいです。

○増田部会長 それでは、今の関係ですけれども、国会に提出した資料について、代議士のほうに提出した資料について、いろいろ見解が違っているということでありますけれども、今のやり取りについては当然のことながらそれこそ議事録にきちんと残るわけですから、そういう形で、この辺りで。今日の一番本筋は昨年度についての評価ということで、もちろん今の御質問はその中でのコンプライアンスについての関連ということでお聞きになっていると思いますけれども、やり取りの全体像は今のような形で議事録に残りますので、そういうことでここまでとさせていただきたいと思います。

○岩瀬委員 分かりました。
一言。議事録の件に関しては、これははっきり言って、私は記録も取っていますし、こういう形でまさに健忘症のごとくそんなことはないよと言われても非常に困っちゃうんですよね。
重ねて、音声データだけではなくて、映像と、その映像に付随した発言、これの確認をぜひお願いしたいと思います。

○増田部会長 残っているかどうかも含めて、そちらのほうで確認していただくと。いずれにしても、今残っているもので確認せざるを得ないと思いますので、音声データは必ずあるということですから改めて。あと、画像についてあるかどうか、別途確認してもらって、何らかの方法で確認していただきたいと思います。
では、この点は以上とさせていただきます。

○岩瀬委員 もう言いません。ありがとうございました。

○増田部会長 それでは、ほかの委員の方から、評価の関係で何か御意見や御質問等があればぜひお願いしたいと思います。
それでは、斎藤聖美委員、齋藤衛委員、順番に御発言いただきたいと思います。
斎藤聖美委員、どうぞお願いします。

○斎藤(聖)委員 ありがとうございます。
納付率はもう天井に来ているかと思っていたのが、少しずつまた増えている。ということは大変な努力をしていただいているということで、高く評価をしたいと思います。
また、若年層に対してどういうメッセージを出すか、集中的に努力をしたということがコメントに書いてございます。そのフォーカスの仕方は正しいと思うのですが、方法はどうなのか疑問が残ります。この前、ワクチンの渋谷接種会場を、LINEを使って告知をしたらものすごい若者が集まってきたという画像をニュースで見ました。若者たちが情報を取る経路というのは、ほかの世代とは随分違っていることがあれで如実に表れていたと思います。
今回の年金を払うときに若者たちはどういう行動をするか。彼らはPayPayとかLINEPayであるとか、そういったものを気軽に使っているのだろうと思います。その辺りをもう少し充実していただくよう、来年度はさらに努力をしていただけたらと思います。
以上です。

○増田部会長 来年度に向けての要望ということでありますが、機構のほうで御意見なり、何かございますか。
理事長、お願いします。

○水島理事長 御意見、ありがとうございます。
おっしゃるとおりだと思っております。今、ツイッター等はやっておりますが、このような訴求の方法についてはさらに多様な方法を考えていかなければいけないと、検討を進めているところでございます。
それから、決済に関しましては、一度御説明申し上げたことがあるかと思いますが、やはり確実性、あるいは事業者の信頼性等々も踏まえて行わなければならないという面がございまして、その点が解決できれば、それを拡大していくという方向で検討しているということでございます。

○増田部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、齋藤衛委員、お願いします。

○齋藤(衛)委員 ありがとうございます。
評価結果に関しては全く異論はなくて、全般的にコメントをしたいだけですけれども、やはり昨年度という、本年度に続くことになるかもしれませんけれども、昨年度という意味ではコロナ禍への対策ということで、4月以降、従来とは違う特異な状況の中で業務を推進していただいたということが非常に大きく評価されるべきだろうなと思っております。
その中で、特に一般社会のお客様がICTを利用して、感染リスクを避けて、対面でいろいろやっていることをオンラインでやっていこうという動きに適切に追従していただいたというところが特にICT化の項目に出ているのかなということで、これはこれでAで全く問題ないのではないかということで、コメントだけさせていただきたいと思います。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
コメントということでございますので、機構のほうで聞いていただければと思います。
それでは、ほかの方、御発言をお願いします。
松山委員、お願いいたします。

○松山委員 御報告をどうもありがとうございました。
今、委員の先生からもコメントがあったとおりで、コロナという大変難しい社会環境の中で、納付率とかもさらに積み上げていただいているということで、本当に努力いただいていると思っております。評価結果については私も全然異存はございません。
今ちょうど齋藤委員のほうからコメントがあったインターネットを活用したサービスというところでございますけれども、コロナがこの先どうなるか分からないけれども、このコロナを通じて世の中一般の全てのサービスが、インターネットを通じたサービスが本当にいろいろな場面で拡充されてきていると思いますし、そういった中で機構もそれについていっているということですけれども、もしよろしければ、23ページ目の右側の「主な評価の理由」のところの下から2つ目のポツですけれども、新型コロナウイルス感染症を契機として年度計画を超える施策を講じているとか、今機構が取り組んでいらっしゃる施策というのが、こんなシステム開発手続を進めましたとところどころに書いてあるのですが、具体的なところがはっきり分からないので、よろしければ、その辺りの具体的な取組状況をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございます。
それでは、機構のほうからお答えできる範囲で、理事長、どうぞお願いいたします。

○水島理事長 まず、インターネットを通じたサービスについてでございます。何度か御説明申し上げておりますが、インターネット上に年金個人情報を載せることのリスクをどういうふうにミニマイズしていくかということがポイントでございます。
それで、今年度やりましたのは、事業者用に関しまして、GビズIDとかe-Govを通じて、そのセキュリティーを通して電子申請のルートでいろいろお届けいただくということの拡大をしてきたということでございます。
個々人に関しましては、相談予約に関してインターネットで予約ができるようなサービスを開始しております。これは今年度に入ってからでございますが、準備を進めたということでございまして、今年度スタートしたということでございます。
それから、一つは、マイナンバーカードを通じたサービスが本筋だと思っておりますが、問題は情報流出のとき以来、インターネットに個人情報を載せないという基本的な方針が非常に大きなネックになっていることは事実でございます。ねんきんネットは基本的に1件ずつ処理をしておりますので、大量のデータベースがインターネットにはさらされていないということでございます。そういうようなサービスを順次拡大をしている。あるいは、NISC等ともお話をしながら、安全を確保しつつ進めていくことが必要だと考えております。
そのサービスに関して、本年度はインターネットを通じた相談を可能にする等のサービスに関して実現をしていきたいと思っておりまして、昨年度に関しまして、今まである意味ではインターネットには閉じていた機構でございましたが、政府が用意するインフラを通じてインターネットの世界に出ていく、サービスを拡大していくことについてスタートした年だと御理解いただければと思います。

○増田部会長 松山委員、よろしゅうございますか。

○松山委員 どうもありがとうございます。機構として情報漏洩という問題もあったところから非常に難しい課題を抱えていらっしゃると思うのですけれども、やはり世の中的にインターネットを通じたサービスがどんどん進んでいく中で、ぜひ難しい課題を乗り越えながら、なるべくスピーディーに前に進めていただければと感じております。よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、西村委員、御発言をお願いします。

○西村委員 今のところに関係するので手を挙げさせていただいたのですが、一つ質問と、一つ来年度に向けてということでお願いがあります。
今の22ページに、適用事業所の電子申請の利用状況が非常によくなったという数字があって、昔、目の検査と言われた頃から関わっていた人間にとっては非常にうれしいことですけれども、ここに対して、評価の理由のところに単純に利用勧奨の取組を進めたこと等と書いてありますが、コロナ禍によるものなのか、端的に言うと、これは2倍近く伸びているわけですから、電子申請が伸びた原因というものをどのように分析されて、理由の根本はどういうものと考えていらっしゃるのかを御参考までに教えていただければいいなというのが質問です。
お願い事項としましては、情報・セキュリティーのところがBですので、Aになるためにはどうしたらいいかということを考えて、ぜひ来年に向けて活動していただければと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。Aになると、できることがいろいろあるのではないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っておりますということです。
では、質問のほうをよろしくお願いします。

○増田部会長 質問と、後半は要望ということです。
では、前半の質問のほうを理事長からお願いします。

○水島理事長 電子申請に関しましては、やはり経過管理、システムチェック、システム処理ができるようになったということが、まず機構側のサイドとしては極めて大きな問題です。紙にしなくて、システムチェックで、電子決裁でできるという仕組みになったというところが、これを拡大しても事務的に回るという素地が出来上がったということが機構側のサイドとして問題です。
もう一つ、お客様サイドとしては、簡易な認証のツールとしてGビズIDを政府で用意していただいたということが非常に大きな要因の2つ目だと思います。
3つ目は、厚生労働省の御指導で、資本金1億超の事業所に関しては義務化されました。その義務化という約5万事業所に関しまして、義務化をてこにして徹底的に推進をしたということがございます。
このような3点の要因が非常に大きかったと思います。非常に大きな目標を指示をいたしましたが、実際にそれを達成してきておりますので、現場の努力もあったということでございます。
それから、評価が高くなればよりいろいろなことができるのではないかということで、そういうことだと思いますので、高い評価をいただけるように引き続き努力してまいりたいと思います。

○増田部会長 よろしいですか。

○西村委員 ありがとうございました。頑張ってください。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、ほかに。
山口委員、どうぞ御発言ください。

○山口委員 ありがとうございます。山口です。
私も全般的なコメントで、昨年度はコロナの変則的な状況の中で計画を遂行し、前年度並みかそれ以上の水準で目標を達成しています。昨年度と今年度の評価は、同じ構成ですけれども、内容としてもこの状況の中で同様に達成できたことが評価できると考えています。
例えば、厚生年金の適用促進とか届出の適正化について、対面での事業遂行に制約がある中で、やり方を考えながら進めてこられたということがあります。先生方が意見をおっしゃっているような、ICTを取り入れるという方向性も重要と考えますし、同時に、対面でどういう手法が取れるか、そして計画の目標に近づけていくかということも今年度においても引き続き考えていくべき点があると思いますので、その辺りもしっかり取り組んでいっていただけたらと思いました。ありがとうございます。

○増田部会長 それでは、今後の向けての御要望ということで、機構のほうでもまたお取組等々についての御検討をよろしくお願いいたします。
続いて、大山部会長代理、どうぞ御発言をお願いいたします。

○大山部会長代理 ありがとうございます。
前回、セキュリティ・システム専門委員会のほうの活動もあるので報告すると申し上げましたので、意見を含めて話をさせていただきます。年金のセキュリティ・システム専門委員会のまとめ役として、年金システムの運用管理及び刷新に関する評価についての意見を述べます。
評価は昨年度までが対象ですが、システム刷新については、年度で切る前に、昨年度から現在までの状況を簡単に説明した上で意見表明をします。
年金システムの刷新作業は、既に完了しているフェーズ1に続いて、年金記録システムのオープン化等を主目的とするフェーズの開発に入る準備を行っています。この刷新は、1.総工数が10万人月を超える可能性が大きい超巨大システムになること、2.メインフレームの利用期限が特別保守を行っても令和7年度いっぱい、これがBCPの観点を勘案した期限であること。この2つの大きな制約があります。そのため、総工数の削減と生産性の向上が必要となり、技術的な可能性を確認するための開発準備の工程が昨年度の上半期で行われました。
その結果、並行開発や各種ツールの導入等により、一定程度の生産性の向上が可能になる。これは既に報告されたとおりです。さらに、業務の見直しを行って、開発すべきソフトウエア等のプロセスを単純化することで開発工数の削減を図ってきています。ところが、これらの結果をもってしても、全体の総工数を改めて試算したところ、10万人月を超える規模になることが予測されました。
そのため、昨年度はさらなる総工数の削減を図るため、保険料の計算と、改修の必要性の少ないソフトウエアについて、現有資産を活用したオープン化の可能性、COBOLをオープン化していくということですね。この効果を見積もる作業を行ってきております。その内容を専門委員会で確認させていただきました。
その後、RFIを実施し、現在もRFIに回答いただいた多数のベンダーさんへの質問等を介して、現有資産の活用を含めたシステム刷新の実現可能性を高めるための作業を行っていると思います。
以上が、専門委員会で明らかになった全体像です。
これを受け、昨年度の事業については提案にあるB評価は妥当と。残念ながらAまでまだ行きませんが、Bは妥当と私は判断しています。
ここからは完全に私見としてコメントします。
フェーズ2のシステム刷新は、他の民間事例とベンチマークを行うと10万人月を超える超巨大システム開発であること、2.このような大規模システムの完全オープン化はいまだ例がないこと、3.発注側の体制が民間分野に比べると、人員数、経験、知識等が残念ながら十分とは言えないことにも課題があります。さらに、並行開発、それから4年間で管理可能な工数及び総工数の関係、これらについては明確な結論が出ていないと思っています。前例がないということもあります。
そのため、システムの重要性を勘案すると失敗は許されないという本格開発のためには、これらの課題の対策に加えて、財源についても必要十分な措置を講じることを強く勧めたいと思います。
以上が私の最後のコメントです。以上です。ありがとうございました。

○増田部会長 大山部会長代理、どうもありがとうございました。
専門委員会での内容と、委員としての御発言、御要望等々がございましたので、大変巨大なシステムで間違いは許されないので、今お話があった点については十分踏まえて、厚労省のほうでもこの点については対応をよろしくお願いいたしたいと思います。大山部会長代理、どうもありがとうございました。
ほかに各委員の皆さん方から。
土屋委員、どうぞ御発言ください。

○土屋委員 ありがとうございます。
まずは御説明ありがとうございました。
私のほうからはコメントと質問が1点あります。
コメントとしましては、評価については特に異存はございません。特に未適用事業所への適用促進対策については、私自身の感覚だと7~8年ぐらい前までは法人が強制適用ですよという認識があまりなかったように思うのですけれども、新規法人への加入指導のおかげか、最近では新規適用法人に対して社会保険が強制適用であるということが社会的に大分認識が定着してきたのかなという印象があります。
一つ質問がありまして、先ほどのオンラインで事業所調査資料を提出できるという件に関してですけれども、23ページによりますと、令和3年5月のサービス開始に向けて進めましたというコメントがありますが、私のほうで調査が来たお知らせの紙みたいなものを幾つかの会社から見せていただいたときに、オンラインで提出できるという案内文がどこにも見当たらなかったのですけれども、そこら辺はどのように事業所さんに周知されているのか、ちょっと気になりました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
今の周知の関係ですけれども、理事長でよろしいですか。お願いします。

○水島理事長 まず、調査をお願いするときにお願いする紙をお送りするわけでありますけれども、そのときにオンライン提出が可能ですというチラシを一緒にお送りしております。
それで、利用状況でございますが、直近、約1,000事業所で1,700件ぐらいの御利用をいただいているという状況でございまして、まだまだ端緒についたばかりで、全体の1%から2%程度しかまだ御利用いただいていない。
実は、急いで開発いたしましたので若干制約がございまして、約100メガバイト以下でないと駄目だとか、そういう容量の制約がございます。それから、今、PDFかJPEGしかできないという制約がございまして、エクセルとかそういうものでは届出ができないという制約がございます。
これは、容量の制約はe-Govの制約でございますけれども、届出の内容、データの内容については私どもの問題でございますから、できるだけ早く対応を行いまして、御利用いただきやすいものにしたいと思います。できるだけいろいろなところで御利用いただけるように告知に努めてまいりたいと思います。

○増田部会長 土屋委員、よろしゅうございますか。

○土屋委員 ありがとうございます。
今まで、人数が20~30人であったとしても2年分ぐらいの資料は相当な量になっていましたので、オンライン提出できることは大変助かっているという印象があります。
もう一点、調査に対して、調査が終わった後に今までは問題があるときだけ連絡するという形で、何の連絡もなかったのですけれども、昨年ぐらいから調査の結果の通知をいただけるようになりまして、事業所さんのほうも大変喜んでいました。今後も、そちらの調査の結果のお知らせについては継続していただけたらなと思っております。ありがとうございました。

○増田部会長 結果の通知のほうについても、継続してよろしくお願いしたいと思います。
ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、様々御質問、御意見等もございましたが、あと来年への御要望がございましたが、やり取りはここまでといたしまして、諮問に対しての答申ということになりますので、お諮りをさせていただきたいと思います。
評価案については、お手元にございます案でおおむね皆さん方から異論はないという御意見が多かったわけですけれども、このような評価案について部会として了承ということでよろしゅうございますでしょうか。
岩瀬委員、どうぞお願いします。

○岩瀬委員 私は、先ほど言った内部システム、コンプライアンスの部分については了承できません。私はここの部分は了承しないということにしたいと思います。

○増田部会長 分かりました。
それでは、今、岩瀬委員のほうから、冒頭御発言があった部分については了承できないという御意見がございました。その点のやり取りについては議事録に残すということと、それ以外については了承されるということで理解をさせていただきます。
ほかの委員の皆様方は了承ということで先ほどうなずいておられましたが、よろしゅうございますね。

(委員首肯)

○増田部会長 それでは、評価案につきましては了承とさせていただきたいと思いますので、これを私、部会長のほうから社会保障審議会の田中会長に御報告をさせていただきます。
なお、その後の手続は、田中会長から厚生労働大臣宛ての答申が行われるということになりますので、その旨、御了知いただきたいと思います。
続きまして、議事の2番目、その他でございまして、報告事項ですが、「事務処理誤り等(令和2年4月分~令和3年3月分)の年次公表について」が提出されておりますので、こちらについて初めに説明と、それから意見交換を行いたいと思います。
初めに、機構のほうから説明をお願いします。

○原日本年金機構リスク統括部長 リスク統括部の原です。
事務処理誤り等の年次公表について御報告いたします。
日本年金機構では、前年度に公表した事務処理誤り等を集計・分析し、御報告してまいりましたが、今回の御報告は令和2年度に公表したもの1年間分を集計及び分析した結果の御報告となります。
資料の1ページを御確認ください。
機構では、事務処理誤り等を把握した場合、お客様への御説明、誤りの訂正処理等、お客様対応を行った上で、その都度、必要な再発防止策を実施しています。本年次公表は、令和2年度にお客様対応が完了したものを取りまとめたものです。
(1)ですが、前年度に公表した事務処理誤り等の総件数は1,601件となっています。表にはございませんが、令和元年度は1,742件、平成30年度は1,890件となっていますので、一定の減少が見られます。
なお、表の横軸は発生年度別の件数となっています。これは、事務処理誤りがいつ起こったか、その起こった年度別に集計したものです。
この1,601件の制度別・要因区分別の件数は(2)のとおりとなっており、制度別では、年金給付関係が691件、国民年金関係が666件、厚生年金関係が244件となっています。
また、要因区分別に見ますと、確認・決定誤りによるものが932件となっており、これは例年一番割合が高くなっていますが、これに対処するため審査体制の強化や研修強化等、発生防止対策を行っています。
2ページを御確認ください。
(3)は、お客様への受給額等の影響額を区分ごとに集計したものです。受給額等に影響があったものが797件、全体の半数を占めています。
また、この797件の内訳を示したものが(4)です。総額7.8億円であり、これも表にはございませんが、令和元年度は9.1億円、平成30年度は10.4億円でありましたので、こちらも一定の減少が見られます。
なお、影響額の内訳にあります未払い、過徴収、未徴収、誤還付の対応は既に終えており、過払いにつきましては順次返済いただいているところです。
(5)は、事務処理誤り等が起こったことを機構内部で確認している段階で判明したものか、お客様からお問合せをいただいて判明したものかの割合を出したものですが、機構内で確認している中で判明したものが57%となっております。
(6)は、システム事故ということで、要件を定義する際の漏れや誤りなどにより生じたものが7つの事象があり、その影響額の合計額が約1000万円となっていますが、これにつきましては既に対応を完了しています。
参考ですが、令和2年度末の時点でお客様への御説明や訂正処理等の対応がいまだ完了していないものが1,500件となっています。
3ページを御確認ください。
今回、令和2年度分の事務処理誤りを公表するに当たり、改めて点検・分析を行った結果です。
(1)の➀は、令和2年度に公表した年金給付関係の事務処理誤り691件のうち約6割の412件は、決定した年金給付額に影響額がありませんでした。また、事務処理誤りについては、一件一件個別に確認し、必要な再発防止策を実施していますが、それに加え、年金の種類や支給開始、支給停止の仕組みなどを基に、定型的な分類を行い、同様の種類の事務処理誤りが3件以上発生していないかの確認をしたところ、年金給付に関するものとして、表に記載しています旧三共済等組合員期間を有し他年金の受給・加入状況の確認を要する場合の遺族年金の寡婦加算の加算漏れの1事象がありました。
本件は、お客様に年金の未払いがある案件で、既にお客様に御説明し、未払いの年金をお支払いするとともに、システム改修を行っており、再発防止を図っています。
続いて、➁の「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検」等についてですが、平成29年度に公表して以降、順次これらの対応を進めてきており、本年8月末時点でお客様への対応等を完了したものを集計したものが4ページの表のとおりとなっております。
続きまして、5ページを御確認ください。
年金機構に寄せられた「お客様の声」1万795件については、主に機構のサービスに関するものが多く、これについてはサービス改善を図っていますが、一方で事務処理誤りの予防・早期発見につながるものはないかの観点から確認を行い、事務処理誤りの再発防止を図っているところです。そのうち主なものがここに示した2件です。
続きまして、cのリストですが、これは平成29年度に公表した振替加算の加算漏れの原因の一つが、大量に出力されていたリストの処理漏れであったことから、リストの削減、進捗管理の徹底を図っているものです。
令和2年10月にシステム的にチェックする仕組みを導入したことなどにより、前年度比で49%のリストを削減しました。また、出力されたリストの進捗管理等につきましては、本年4月より全てのリストの進捗管理を行い、リストの処理漏れ等の発生防止を図ったところです。
6ページを御確認ください。
年金決定時のチェックの実施です。これにつきましては、昨年4月に専任の部署を設置し、年金決定直後に決定内容をチェックし、支払い開始前、支払い開始直後に訂正を行うことにより事務処理誤りの予防・早期対応を図っています。
具体的には、令和2年度に年金事務所において決定した年金約144万件の中から、過去に発生した誤り事例を踏まえ、年金記録が複雑な方、加給年金や振替加算が支給される方、複数の年金の受給権を有し、選択関係の確認が必要な方など、年金事務所等で確認していますが、それでもなお事務処理誤りが生じやすいものの累計28万件について再度のチェックを行いました。このうち279件について事務処理誤りの予防・早期対応を図ったところです。
7ページを御確認ください。
令和2年度に発生した国民年金関係の事務処理誤り666件、及び厚生年金関係の事務処理誤り244件について、年金給付関係のものと同様、一件一件個別に確認するとともに、同様の種類の事務処理誤りが3件以上発生したものがないかの確認をしたところ、これに該当するものはありませんでした。
最後の別紙は、先ほど御説明しました年金給付関係で同種の事務処理誤りが3件以上発生したものの詳細を記載しています。
日本年金機構では、今後も引き続き事務処理誤り等の削減、また予防・早期発見に努め、お客様に適正に年金をお支払いできるよう努めてまいります。
説明は以上です。

○増田部会長 事務処理誤りの年次公表についての報告でございました。
委員の皆様方からこの公表結果について御質問があればお願いします。
それでは、特にないようでございますので、こちらは報告事項でございますので、また皆さん方のほうで御了知いただければと思います。
本日の議題は以上で全て終了いたしました。
次回の日程につきまして、事務局のほうからまた御連絡をすることといたします。
本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。