2020年6月29日 第49回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

日時

令和2年6月29日(月)13:30~15:30

場所

全国都市会館 2階 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2

出席委員

増田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、土屋委員、原委員、西村委員、山口委員

議題

(1)日本年金機構の令和元年度業務実績について
(2)その他
 

議事

○上田年金事業運営推進室長 それでは、定刻より少し早くなっておりますが、御出席予定の委員の皆様方がおそろいでございますので、ただいまから第49回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の年金事業管理部会の開催に当たりましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、座席の間隔の確保や参加者の皆様へのマスク着用のお願い、また、消毒用アルコールの設置等の対応をさせていただいておりますので、御理解、御協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、はじめに、委員の皆様の出欠につきまして御報告させていただきます。
本日は、石井委員、松山委員より御欠席との御連絡をいただいております。また、原委員、喜田村委員より、遅れて御出席される御予定とお伺いしております。
議事進行につきましては、増田部会長にお願いさせていただきたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。
 
○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして、日本年金機構の令和元年度業務実績、昨年度の業務実績について審議をいたします。
日本年金機構法では、機構の各事業年度の業務実績について評価を行おうとするときは、社会保障審議会に諮問することとされております。そこで、本日はまず令和元年度における機構の取組状況について記載をしております業務実績報告書の案が機構のほうから提出をされておりますので、これらについて説明を聴取したいと思います。そして、その上で質疑ということになります。それでは、日本年金機構から説明のほうをお願いいたします。
 
○田中日本年金機構企画調整監 日本年金機構経営企画部の田中と申します。座って御説明をさせていただきます。
私のほうから、議題となりました機構の令和元年度実績報告書(案)につきまして、資料1-2が報告書(案)の本体になるわけでございますが、分厚うございますので、本日は時間の都合上、資料1-1の概要資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。
それでは、資料1-1「令和元年度業務実績報告書(案)の概要等」の御説明に入らせていただきます。
表紙の次に目次がございます。令和元年度業務実績関係と書いてございますが、この目次の一番下にございますとおり、本日議題となっております元年度実績に加えまして、その他としまして、機構における新型コロナウイルス感染症に関する対応につきましても御説明をいたします。
では、目次の次の右下のページ番号1から御説明します。「令和元年度における重点取組施策の実施状況」についてでございます。
上の囲み、令和元年度は、「未来づくり元年 -制度を実務に-」を組織目標といたしまして、太字で記載しておりますが、重点取組課題として「再生プロジェクトの発展的継承」、「制度改正への責任ある対応」、「国民年金及び厚生年金保険の適用・徴収対策事業の再構築」を位置づけて、取組を進めました。
「1.再生プロジェクトの発展的継承」についてでございますが、機構は成立以来10年、お客様へのお約束10か条の実践をはじめとしましたお客様サービス向上に継続して努めるとともに、様々な問題への解決と再発防止に取り組んでまいったところでございますが、平成27年に発生しました情報流出事案に対する業務改善命令を受けて策定をいたしました再生プロジェクトにつきましては、平成28年度から平成30年度の3年間を集中取組期間と設定いたしまして、71項目にわたる改革を実行、推進してまいりました。
右下に青色で記載しております①から⑤がこの再生プロジェクトの拡充・発展施策でございまして、オレンジ色の⑥無年金者・低年金者の発生防止、⑦正確な給付の実現、⑧ICT化の推進というのが現下の急速に進む高齢化、デジタル化社会等を見据えた施策として、この1年間実施をしてまいった項目でございます。
スクロールいただきまして、2ページでございます。「2.制度改正への責任ある対応」についてでございますが、令和元年10月に施行されました年金生活者支援給付金制度につきまして、人員の確保等体制の整備や必要なシステム開発、また、対象となる方への請求勧奨等を行いました結果、遅滞なく事務処理を実施しまして、700万人を超える方々に給付金を支給することができました。このほか、出入国管理法改正や改元等に係る対応についても適切に対応いたしました。
「3.国民年金及び厚生年金保険の適用・徴収対策事業の再構築」でございますが、国民年金分野におきましては、1つ目のポツですが、住基ネットを通じまして、機構が第1号被保険者となることを把握できました20歳到達者につきまして、元年10月から届出勧奨を行うことなく資格取得の処理を行う業務を開始いたしました。
2ポツ目につきましては、未納者を年齢、所得、未納月数の属性別に分類いたしまして、特別催告状等の発送や強制徴収を効果的、効率的に実施いたしました。
3ポツでございますが、他の都道府県に比べ納付率が低い沖縄県では「沖縄プロジェクト」を発足いたしまして、市役所との情報連携等の実施や体制の強化を行うことで、沖縄県における現年度納付率は55.4%と、前年度に比べましてプラス4.2%と大きく向上いたしました。
続きまして、厚生年金保険の関係でございます。1つ目のポツですけれども、未適用事業所への加入指導、立入検査の取組を強化するため、手順の見直しや困難性の高い事案を取り扱う専門組織の設置に向けた検討を進めました。
次のポツですが、既に適用した事業所に対する調査につきましては、従業員規模に応じた臨場調査等の分類をいたしまして、効率的、効果的に実施いたしました。特に大規模事業所につきましては、元年7月に事業所調査専門チームを設置し、調査を実施したところでございます。
これを受けまして、下の太字でございますけれども、国民年金保険料の現年度納付率は69.3%、最終納付率76.3%とともに目標を上回る実績を達成しております。また、厚生年金保険の収納実績につきましては、99.1%となりまして、前年に引き続き、高い収納率を達成しております。
次の3ページ「Ⅰ-1.国民年金の適用促進対策」からそれぞれ御説明したいと思いますが、項目の右側に本体資料のページを記しております。また、最初に元年度計画の概要を記しておりまして、その次に、その計画に対する主な取組状況を記載しております。
この国民年金の適用の関係では、元年度計画では、確実な適用の実施、また、無年金者及び低年金者への対応を掲げております。1点目の確実な適用の実施につきましては、下のほうの取組状況、中ほどのところからでございます。1つ目のポツは、先ほど申しました住基ネットにより把握した二十歳到達者の加入手続でございますけれども、全員の加入手続を行っております。
2つ目のポツにつきましては、住基ネットにより把握いたしました34歳、44歳、54歳到達者のうち、海外から転入された方などで基礎年金番号を付番されていない方、また、資格喪失後一定期間資格取得がなされていない方につきましては、届出勧奨を行いまして、届出がない場合は職権による資格取得手続を行っております。
次の○が無年金者及び低年金者への対応でございます。1つ目のポツですが、24月未納かつ50歳代の方に対する特別催告状に、これまでの納付状況に応じた年金の見込み額、未納分と60歳までの保険料を納付した場合の見込み額を記載したお知らせを同封できるよう、令和2年度の実施に向けた検討を行いました。
次のポツですが、追納勧奨につきましては、これまでの取組に加えまして、新たな取組として、大学卒業からおおむね5年経過した方に対する勧奨等を実施しております。
4ページでございます。「Ⅰ-2.国民年金の保険料収納対策」でございます。
元年度計画におきましては、○ですけれども、納付率等の目標、強制徴収の着実な実施、産前産後期間の保険料免除と3点掲げております。
それぞれの取組状況でございますが、1点目の納付率等の目標につきまして、最初のポツに書いてございます納付率につきましては、先ほど申し上げましたけれども、納付率の目標との関係で言いますと、現年度は前年度プラス1.1ポイント、2年目の平成30年度末からのものとしては6.8ポイント、最終納付率につきましてはプラス10.0ポイントということで、それぞれ目標を上回っております。
3つ目のポツでございますけれども、口座振替とクレジットの実施率の合計につきましては、ほぼ前年度と同水準になっております。
5ページ目、強制徴収の着実な実施でございます。1つ目のポツですけれども、控除後所得300万円以上かつ未納月数7月以上の未納者を対象に最終催告状を送付した上で、それでも納付いただけない方については、着実に滞納処分を実施いたしました。
2点目、いわゆる国税への滞納処分の権限の委任でございます。前年度を上回る79件を実施しております。
3点目、効率的かつ統一的に滞納処分を実施するための徴収ルールの明確化というものに向けた検討を進めております。
4点目でございますが、年金事務所で行っております強制徴収の定型業務につきまして、事務センターに集約するモデル実施を行いました。
5点目、令和2年3月以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、失業、事業廃止等の相談があった場合には、免除制度の利用について適切に御案内をしております。
納付率の状況、強制徴収の取組状況等につきましては、その下の表に詳細を記載させていただいております。
一番下の○でございますけれども、産前産後の期間の保険料免除についてでございます。平成31年4月から施行されました。市区町村と連携を図り円滑に事務を実施するとともに、納付書同封のリーフレット等を活用いたしまして、周知を実施した結果、この2年3月末時点の免除者数は6万3000件あまりとなっております。
6ページ「Ⅰ-3.厚生年金保険・健康保険等の適用促進対策」でございます。
上の計画の概要につきましては3項目挙げております。未適用事業所の適用促進、事業所調査による届出の適正化対策、届出に係る事務処理の迅速化でございますが、主な取組状況の1点目、未適用事業所の適用関係でございますけれども、1つ目のポツに、右のほうに9万1000という数字がございます。こちらは元年度末における加入指導による適用事業所数でございまして、目標としておりました8万事業所を上回ったということでございます。
2ポツ目が従来の取組におきまして適用すべき事業所として把握された適用すべき被保険者が5人以上の法人事業所及び5人未満の法人事業所のうち事業主と家族以外の従業員を雇用している事業所につきましては、それぞれ1,006事業所、3,943事業所を適用いたしました。
3ポツ目が国税庁の国税源泉徴収義務者情報の活用により把握いたしました適用調査対象事業所数の関係でございます。前年度の36万1000事業所あまりから27万7000事業ほどへと減少いたしております。その結果、適用事業所数及び適用被保険者数はそれぞれ前年度から増えまして、事業所数で243万事業所あまり、適用被保険者数で4000万人を超えたというところまで増加をしております。
7ページ、事業所調査による届出の適正化対策でございます。事業所調査につきましては、事業所の従業員規模に応じまして臨場調査と呼び出し・郵送調査に分類いたしまして、それぞれ目標を超える調査被保険者数に相当する事業所を調査いたしました。
また、臨場調査における指摘事業所率は、目標40%のところ、57.6%となり、目標を上回ったということでございます。
中ほどから届出に係る事務処理の迅速化でございます。これは健康保険の被保険者証の交付に関する届出の事務処理を繁忙期であります4月で比べた数字を書いてございますけれども、平成31年4月の平均処理日数は前年同月比でおおむね減少させましたということで、下の表におきましても「▲」ですね。おおむね減少したということでお示しさせていただいております。
8ページ「Ⅰ-4.厚生年金保険・健康保険等の保険料徴収対策」でございます。
計画の概要では2点、収納率の目標と滞納事業所に対する納付指導等を掲げております。
まず、取組状況ですけれども、収納率の目標につきましては、冒頭申し上げましたとおり、99.1%ということで、引き続き高い収納率を維持したということでございます。
2点目、滞納事業所に対する納付指導等でございますけれども、1つ目のポツですが、災害等の影響を受けた事業所につきましては、猶予制度を適切に活用するなどの丁寧な対応を行いました。
2ポツ目ですが、平成30年10月より全国レベルで対応困難となっている徴収事案に対応するため、徴収専門の特別徴収対策部を本部に設置いたしまして、滞納処分を確実に行いました。
下の表に特別徴収対策部の実績を載せております。令和元年度の所管分が合計で事業所数で183、滞納額で62億円あまりとなっていたところが、令和2年3月末にはそれぞれ95事業所、50億円あまりまで減少したという結果が出ているところでございます。
その表のすぐ上の3ポツ目ですけれども、厚生年金の関係でも新型コロナウイルス感染症の影響により経営状況等に影響を受けた事業所に対しましては、個々の状況を十分に聴取いたしまして、納付制度の適切な活用などの対応を行ったところであります。
9ページ「Ⅰ-5.年金給付」でございます。
元年度計画におきましては4点掲げております。年金事務所における審査体制の確立、2点目が正確な給付の実現、3点目が障害年金の事務処理の改善、4点目がお客様サービスの向上でございます。
主な取組状況でございますが、1点目の年金事務所における審査体制の確立につきましては、年金給付の審査業務を事務センターから年金事務所に移管したことに伴いまして、年金事務所の状況や体制を個々に把握した上で、31年4月までに事務センターから年金事務所へ約700人の職員をシフトいたしました。また、大規模年金事務所の運営体制を確立するための課題の洗い出し及び標準的な体制の検討を進めました。
次の○ですが、正確な給付の実現でございます。安定的な相談体制を維持するため、令和2年4月現在で年金相談職員を575名配置いたしまして、全国の年金相談ブースにおける正規雇用職員等の配置割合は95.6%となっております。
最後のポツですけれども、年金事務所で実施した年金の審査・決定内容の正確性を組織全体で担保する体制を構築するという目的で、令和2年4月に中央年金センターに給付審査検証グループを設置しております。
10ページ、最初の○が障害年金の事務処理の改善でございます。1つ目のポツですが、市区町村から取得情報データをいただきまして、二十歳前の障害基礎年金受給者の所得状況届の提出を原則廃止いたしました。また、再認定の診断書の提出期限を、従来の7月末から誕生月に変更しまして、診断書作成の時期を分散いたしました。
2ポツ目ですけれども、お客様の診断書作成にかかる期間を確保するため、診断書の作成期間を、これまで1か月としていたものを3か月に拡大しております。
3点目につきましては、障害認定の医学的な総合判断を特に要する事例につきましては、複数の認定医が認定に関与する仕組みを7月末から導入いたしました。
次の○はお客様サービスの向上でございます。1つ目のポツ、年金繰下げ請求など多様な年金受給の方法について周知を図るため、65歳到達時に送付する年金請求書に繰下げ制度のチラシを同封するとともに、リーフレットを分かりやすい内容に見直しいたしました。
次のポツですが、70歳を超える未請求者への効果的な請求勧奨を実施するために、70歳以上の未請求者の方、約3,000名に対しまして、令和2年1月から文書や電話による請求勧奨を試行的に実施しております。
次のポツですが、年金給付部及び地域部による拠点への指導・助言等によりまして、各請求書に係るサービススタンダードでございます目標の90%以上、下の表にございますとおり達成をしております。
次のスライド「Ⅰ-6.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止」でございます。
計画の概要では、年金記録の確認等の対応及び年金記録の正確な管理等の実施を掲げております。
それぞれ主な取組状況でございますが、年金記録の確認等の対応につきましては、未統合記録の解明を図るため、「ねんきん特別便」等の未回答者で年金受給者の方に再度お知らせを送付する。また、ねんきん定期便等を利用し、漏れや誤りがないかどうか記録確認の呼びかけ等の取組を引き続き行いました。これらの取組の結果、下線部でございますけれども、令和元年度における未統合記録は1823万件となりまして、30年度比で39万件減少いたしております。
次の○は年金記録の正確な管理等の実施ということでございまして、マイナンバーと基礎年金番号の紐付けでございます。紐付け率は、被保険者及び受給者につきまして、合計99.6%となっております。また、受給待機者に関しましても、年金請求時に紐付けを徹底しております。
12ページ「Ⅰ-7.年金相談」でございます。
計画の概要では、年金事務所での相談と、コールセンターでの相談というものを掲げております。
取組状況でございますが、年金事務所での相談につきましては、下線部にございますが、令和元年度末の全国平均予約率は93.9%と、前年度同期比でプラス6.9%となりました。また、この予約制の拡充によりまして、13時台の平均待ち時間が30分以上あるという拠点数はゼロとなっております。
次のポツですけれども、予約の対象としない相談の相談状況を把握するためのシステムの機能改善を行っております。
次のポツですが、テレビ電話相談につきましては、試行実施地域でございます佐渡市内への周知を進めまして、実施手順の見直し等、お客様が利用しやすい環境の整備を進めることで、相談件数は導入前の175件から379件へと増加をいたしております。
次のコールセンターでの相談でございますが、下の表にございますとおり、コールセンター全体の応答率は67.2%とおおむね70%近い水準となっております。また、マルチランゲージサービスにつきましても、通訳の対象言語を5か国語追加しております。
次の13ページ「Ⅰ-8.分かりやすい情報提供及びサービス改善の促進」についてでございます。
令和元年度計画の概要では、分かりやすい情報提供の推進、公的年金制度に対する理解の促進の2点を掲げております。
取組状況でございますが、1点目の分かりやすい情報提供の推進につきましては、1点目は機構ホームページについてございます。年金生活者支援給付金制度等、積極的に周知する事項について大型バナーを設置するなどの工夫を図りました。また、チャットボットの開設、動画の活用等によりまして、総アクセス数は平成30年度に比べて8.5%増えております。
2点目は「ねんきんネット」につきまして、画面デザインを新しくいたしまして、アクセシビリティの向上を図っております。
3点目は、ねんきんネットのユーザーIDでございます。令和元年度にユーザーIDを新規に取得した件数は前年度実績から11.4万件増加しまして、過去最高水準の約107.1万件と目標を上回っております。
次のポツですけれども、国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除制度の施行に対応したねんきんネットの年金見込額試算機能の改善を行っております。
5点目、ねんきん定期便につきましては、受給開始年齢を60歳から70歳まで選択できること、年金の繰下げ支給のメリットなどを新たにお示しするとともに、50歳未満のねんきん定期便につきましては、前年度の加入実績に応じた年金額と今年の加入実績に応じた年金額を比較できるように表示することで、保険料を納付することが年金額の増加につながることを新たにお示ししております。また、もう少し見やすい表記の工夫もしたというところでございます。
14ページ、公的年金制度に対する理解の促進でございますけれども、表にございますとおり、年金セミナー、年金制度説明会につきましては、それぞれ3,000回を超える実施回数を行いまして、また、地域年金推進員の活用、職域型・地域型の年金委員の活用も図っているということでございます。また、年金委員の研修会も1,159回開催をしたところでございます。
お進みいただきまして、15ページ「Ⅰ-9.年金制度改正等への対応」でございます。
元年度計画の概要では3点、年金制度改正への対応、出入国管理法改正への対応、被扶養者要件改正への対応を掲げております。
1点目の年金制度改正への対応につきまして、取組状況ですが、これは年金生活者支援給付金の関係でございます。冒頭でも申し上げたことでございますので、2点目のところだけ、簡易な給付金請求書というのを、はがき型のものをお送りしております。768万件送付いたしました。返送率につきましては、下線部でございますけれども、令和2年3月末で約98%になったということでございます。
2つ目の○ですが、出入国管理法改正への対応につきまして、出入国在留管理庁から提供を受ける特定技能外国人等につきましては、厚生年金保険、国民年金の確実な適用を図る仕組みを構築いたしまして、事務センター、年金事務所で適切な事務処理を行いまして、漏れなく適用を図りました。
次の○が被扶養者要件改正への対応でございます。健康保険の被扶養者及び国民年金第3号被保険者の審査及び審査結果に基づく事務処理方法につきまして、必要なシステム開発を行うなど、この制度は令和2年4月以降でございますけれども、着実な実施に向けた準備を進めたところでございます。
お進みいただきまして、16ページからが「Ⅱ-1.効率的効果的な業務運営」の関係でございます。
計画の概要は、1点目が組織・ビジネスプロセス改革で①から③、2点目が業務の合理化・標準化・効率化、3点目が適正な運営経費による効率的効果的な業務運営を掲げております。
主な取組状況でございますが、1点目の組織・ビジネスプロセス改革につきましては、①本部でございますけれども、現場の事業推進・支援機能を強化するため、従来の事業推進部門と事業企画部門を3部門体制に再編成いたしまして、国民年金及び厚生年金保険に関する本部の企画機能と推進機能を明確化することを行っております。
2点目は地域部の人事・管財・業務の権限の強化を行いまして、本部による現場支援の強化を図ったということでございます。
3点目は、本部現業を統合管理する部署としまして、統括管理部門内に「本部事業管理部」を設置いたしまして、本部現業の進捗管理・品質管理及び事務リスク管理を実施する体制をこの4月に構築いたしました。
4点目、年金給付事業部門内に「特定事業部」を設置いたしまして、新規案件等で多くのお客様に影響のある事業など、機構における重要な事業につきまして、企画から執行まで一貫して実施する体制をこちらもこの4月から構築しております。
次のスライドでございます。②事務センターにつきましては、令和元年10月に新潟の事務センターを埼玉に集約いたしまして、15拠点に集約しております。
次のポツですけれども、職種ごとの役割を整理しまして、事務センター専任職員という無期転換職員を新たに795名配置しております。
また、年金事務所等への正規雇用職員の119名の人員シフトもこの4月に実施しております。
次のポツですが、厚生年金保険・健康保険の二以上勤務者に係る業務につきまして、年金事務所から事務センターへの集約を実施しております。
③年金事務所等でございますけれども、2つ目のポツですが、平成30年10月から設置いたしました特別徴収対策部が徴収分野における全国の大口困難事案の解消に寄与していること等を踏まえまして、適用分野においても検討を進めまして、労務管理情報等のシステム化が進んでいるという特性等を踏まえました効率的な調査手法の確立を目的といたしまして、大規模事業所に対する調査を専任で行う「法人調査グループ」をこの4月に設置いたしました。
次のポツにつきましては、年金事務所での対応が困難な未適用事業所に対する適用促進対策の検討を進めるためのチームを厚生年金保険部に設置しております。
次の○が業務の合理化・標準化・効率化でございます。1つ目のポツは、マニュアル明確化チームというものを設置いたしまして、「適切」とか「適当」等の曖昧な表現の削除・置き換えを行うとともに、書式・形式の統一化等の作業を行いまして、業務処理マニュアルをより分かりやすいものとなるよう改善をいたしております。
2点目は、業務処理マニュアルと、業務・システム刷新で進めておりますBPMN手法を活用した業務プロセス図を紐付ける作業を開始しております。
3点目、サービス・業務改善委員会におけます共有・審議を経まして、現場からの45件の提案のうち21件を採用いたしまして、業務運営の改善を行っております。
次の○、適正な運営経費による効率的効果的な業務運営に関しましては、基本計画に基づきまして、事務センター広域集約や情報連携開始に伴う障害年金所得情報に係る業務見直しに伴いまして、約30名の合理化・効率化を実施いたしました。
次のポツですが、一般管理費につきましては、平成30年度比で5.5%、5.2億円、業務経費につきましては、30年度比で1.7%、15.6億円、それぞれ経費を削減しております。
18ページ「Ⅱ-2.外部委託の活用と管理の適正化」でございます。
計画の概要でございますけれども、「日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書」の提言に基づきまして、新しい調達・外部委託管理ルールの徹底を図るというふうに掲げております。
主な取組状況でございますが、1つ目の○、調査委員会報告書の提言及び業務改善命令の内容を踏まえまして、年金個人情報を取り扱う業務委託に対して、以下の取組を実施しましたということで、4点です。全省庁統一資格の本来等級の適用の原則化は、255契約全件に適用。インハウス型委託の推進につきましては、扶養親族等申告書の届書処理・データ入力業務に加えまして、年金生活者支援給付金関連の届書処理等の業務につきまして、実施をしております。総合評価落札方式の適用の原則化につきましては、調達委員会におきまして、業者の履行能力を見極める必要があると判断された32契約で実施をしております。次の情報提供依頼(RFI)の的確な実施につきましては、対象となる全ての案件で実施をしております。
次の○ですが、サービスの質の向上や情報セキュリティ強化の観点から、引き続き年金個人情報を取り扱う調達・外部委託全案件に対しまして、事業企画段階から十分な検討を行うとともに、委託内容の複雑さや重要度に応じましてプロジェクトチームを組成しまして、組織横断的に事業を推進いたしました。
次の○ですが、履行開始前・履行中・履行後検査及び納品時検査につきましては、下にそれぞれ件数を書いているとおり実施いたしております。括弧内には、検査で見つかった不適事項を記載しておりますけれども、これらにつきましては、即時に指示を行いまして、全件改善をさせております。
一番下の○ですけれども、情報提供依頼におきまして収集した情報につきまして、組織横断的に有効活用するためのデータベース化を実施しております。
19ページ「Ⅱ-3.社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」でございます。
計画の概要には4点、フェーズ1、フェーズ2、現行の社会保険オンラインシステム、年金給付システムの最適化ということで載せております。
主な取組状況でございます。フェーズ1への対応につきましては、1点目ですけれども、算定基礎届・賞与支払届等の主要7届の電子申請を経過管理・電子決裁サブシステムの対象として追加をこの3月からいたしております。
2ポツのマイナンバーによる情報連携につきましては、その下の表の5点実施しまして、添付書類情報の取得、また所得審査への活用などを行っております。
次の○、フェーズ2への対応でございますが、1つ目のポツ、デジタルファースト等の推進、お客様の利便性の向上、業務の効率化を推進する観点から、全260プロセスを見直すという作業を実施いたしまして、昨年10月に完了しております。
2点目ですが、この見直し作業の結果や直近までの制度改正等を基本設計に反映するために必要な要件定義を進めまして、基本設計の修正をこの2月から開始しております。
3点目、令和元年10月から、開発方法・プロジェクト管理方法の検証や性能・アーキテクチャの妥当性の検証等を行うための開発準備工程を開始しております。
20ページ、現行の社会保険オンラインシステムの開発・運用についてでございます。最初のポツが制度改正に伴うということで、表に年金生活者支援給付金に係るシステム開発、20歳到達時の国民年金加入手続の省略に係るシステム開発を掲げております。
次のポツが業務改善に伴うシステム開発でございます。2点掲げておりますが、1点が年金給付の正確性の確保に係るシステム開発ということで、請求書審査に係る不備・誤りの発生防止のため、既に保有している情報を活用したシステムチェック機能の強化等を行っております。
2点目は障害年金業務支援システムの開発でございまして、これまで各種ツールを介在
させて多数の手作業があったというものの効率化を図るためのシステムを開発しております。
次のポツですが、徴収業務に使用しております19本の支援ツールにつきまして、重複及び類似する機能を有するツールを集約しまして、最終的に5本程度に集約する方針を決定しまして、この方針に基づくシステム改修作業を実施しております。
次の○が年金給付システムの最適化への取組でございます。1つ目のポツ、端末設備等の再構築におきまして、端末統合の実現に向け年金給付システムへのアクセスのWEB化を実施しております。
また、年金給付業務・システム最適化に向けまして、現行業務の更なる正確性の向上や事務処理の効率化の観点から、届書を契機とした事務処理の可視化、分析等を実施しております。
次の21ページ「Ⅱ-4.ICT化の推進」でございます。
令和元年度計画の概要では3点、電子申請の推進、インターネットを活用したサービスの充実、ICTを活用した業務改善の実施を掲げております。
真ん中から下、主な取組状況でございます。1点目、電子申請の推進につきましては、令和2年4月に開始されます「特定の法人(資本金1億円超の法人等)に対する電子申請による届出の義務化」、また「法人認証基盤を活用したマイナポータルとの連携」を踏まえまして、令和2年度以降に徹底した利用勧奨を実施するためということで、①から⑤に書いてございますが、文書による利用勧奨、システムの改修、職員の年金事務所の配置による体制の整備等を実施しております。
2つ目のポツは、登記後の法人設立手続のオンライン・ワンストップ化の実現に向けたシステム開発を実施しております。
3点目、従来のe-Gov経由の電子申請方法に加えまして、主要7届出についてGビズIDによる申請を可能とするシステム開発を実施いたしました。
最後のポツですが、社会保険労務士が、GビズIDを用いた電子申請により届書の提出代行をする際の資格確認方法の検討を実施いたしました。
次の22ページでございます。最初の○がインターネットを活用したサービスの充実ということでございますけれども、1つ目のポツは、利便性向上としまして、ねんきんネットのスマートフォン版でも電子版のねんきん定期便などの閲覧ができる機能改善を実施したものであります。
2つ目のポツが、ねんきんネットの領域を活用してインターネットから年金相談予約を受け付けるサービスの開始に向けたシステム開発に着手をしております。
3つ目でございますけれども、政府において検討されております各種ポストサービスの仕様が確定され次第、事業所版ねんきんネットを速やかに実現するための検討に着手しております。
次の○がICTを活用した業務改善の実施でございます。最初、RPA技術につきましては、予約相談の事前準備業務の効率化を図るため、手作業で行われていた年金相談に必要な記録の準備につきまして、全国の年金事務所でRPA技術を活用した自動印字化を進め、手作業の省力化を実現しております。また、郵送届書の審査準備業務、事業所調査準備業務にもRPA技術の活用について、試行実施を開始いたしました。
2点目のチャットボットにつきましては、コールセンターの負担軽減を図るため、扶養親族等申告書の記載方法、また、国民年金保険料控除証明書の見方に関する照会対応につきまして、チャットボットの導入を試行的に実施いたしました。
AI-OCR技術につきましては、扶養親族等申告書及び厚生年金保険の適用関係届書における入力業務につきまして、検証を引き続き実施いたしました。
23ページ「Ⅲ-1.内部統制システムの有効性確保」でございます。
元年度計画の概要では4点、事務処理の正確性の確保のための取組、2点目がリスク管理とコンプライアンス確保の取組、情報共有の促進、3点目が適正な監査の実施、4点目が契約の競争性・透明性の確保及びコスト削減のための取組というものを掲げております。
次の24ページがその主な取組状況でございます。
1点目が事務処理の正確性の確保のための取組でございまして、①が事務処理誤りの早期発見及び対応ということでございます。事務処理誤り報告・日報等のモニタリングを通じまして、事務処理誤りを早期に発見して、昨年度は現金収納事務等の現行ルールの見直しを実施いたしました。
次のポツは、前年度1年間に月次公表を行った事務処理誤りにつきましては、昨年9月に年次の公表を行っております。
②が重点三事案の根絶に向けた取組でございます。その下の表に事務処理遅延、書類紛失、誤送付・誤交付・誤送信の発生状況を掲げております。右側の合計を見ていただきますと、平成30年度より令和元年度で合計30件ほど減少しているという状況でございます。
③が本部現業部門のリスク把握及び対応でございます。本部現業の実態調査を行いまして、業務工程を体系的に整理いたしまして、業務工程単位でのリスク分析評価を実施しました。そのリスク分析評価結果に基づきまして、共通的な事務処理のマニュアル「本部現業共通編」というものを整備しております。
④は外部委託における事務処理誤りの防止でございまして、リスク統括部で拠点からの報告等のモニタリングにより分析・評価を行い、調達企画部に外部委託に関する事象の情報提供を行いました。
⑤が事務処理誤り発生時の対応でございます。事務処理誤り発生時には、発生部署からの報告を基に、今後の必要な対応を指示する等、組織としてお客様対応等を進めました。また、再発防止策の策定等を行っております。
⑥ルールの徹底でございます。「指示」、「事務連絡」の発出件数については前年度と同水準を確保するとともに、現場が分かりやすい指示等の内容となるよう研修等を実施しております。
25ページ、リスク管理とコンプライアンス確保の取組、情報共有の促進についてでございますが、①がリスク管理の関係でございます。リスクの種別ごとに、情報セキュリティリスクにつきましては、外部の専門家による情報セキュリティリスク分析・評価及び脆弱性診断を実施いたしました。
システムリスクにつきましては、各システムの障害発生状況を確認しまして、発生した障害について必要な対応等を実施しております。
事務リスクにつきましては、拠点長からの日報等のモニタリングにより、リスク把握、早期対応を加えまして、また、本部現業に関する事務リスク情報を把握するため、本部現業部署のグループ長が本部事業管理部に日次で業務の実施状況等を報告する仕組みを構築いたしました。
災害その他リスクのところですけれども、首都直下型地震等により機構本部が被災した場合に備えて年金支払システムの問題点を整理しまして、改修に着手しております。また、新型コロナウイルス感染拡大の状況下におきまして、お客様対応時のマスク着用、風邪の症状等のある者の出勤停止、各種会議・セミナーの中止や延期、時差通勤、お客様への戸別訪問、来所要請の原則中止、交代制による勤務等の対策を実施の上、業務を継続いたしました。
②がコンプライアンスの確保でございます。リスク・コンプライアンス研修を実施するとともに、職員の意識調査・自己点検を実施しています。また、制裁処分につきましては、制裁規程に基づきまして、適切に実施・公表等を行っております。
③情報共有の促進の取組でございますが、拠点長による日報の徹底や、事業推進役が現場実態を幹部役職員に報告する等によりまして、現場情報の把握、現場管理の徹底を図りました。また、常勤役員会を引き続き週次で開催するとともに、委託業者の検査の実施状況につきましては、リスク管理委員会や常勤役員会へ報告しております。
次の○、適正な監査の実施、①監査体制の確立でございますけれども、監査業務経験者や公認会計士等の専門資格を有する者を採用しまして、専門家の知見を取り入れた監査手続の策定などを行っております。
②監査手法の確立でございますが、重点検査項目を設定いたしまして検査を実施しまして、低評価の拠点に対してはフォローアップ監査を実施いたしました。
次のポツですが、月次で監査報告会を開催いたしまして、問題点や好取組事例の共有を行っております。
次の○、契約の競争性・透明性の確保でございますけれども、①調達手続の適正化につきましては、事業担当部署への定期的な研修の実施や外部機関主催の専門研修を受講することで、人材の育成を図っております。
②は適切な調達方法の選択ということで、契約予定価格が少額な契約等を除いた契約につきましては、一般競争入札を実施しております。
③調達委員会による事前審査等につきましてですが、一定額以上の調達案件につきましては、入札方式、参加資格、調達単位、コンティンジェンシープラン等について審査を実施しております。
また、次のポツですが、年間の調達計画額を定めまして、下線部になりますけれども、総合評価落札方式を適用するものを除く競争性のある契約につきましては、年間調達計画額からの削減額の目標を定めておりまして、削減率は22.9%ということで目標を達しております。
次の26ページが「Ⅲ-2.個人情報の保護に関する事項」でございます。
計画の概要では3点、組織面の対策、技術面の対策、業務運営面の対策を掲げております。
それぞれ主な取組状況でございますが、組織面の対策におきましては、1点目は情報管理対策本部におきまして、方針決定、進捗管理等を行ったということ。
2点目は最高情報セキュリティアドバイザー及び情報セキュリティ対策支援業者の体制を維持しまして、専門家の知見に基づく助言をいただきました。
3点目は情報セキュリティインシデントへの対処手順につきまして、機構CSIRTへの報告手順の明確化等、対処フローの見直しを行っております。
2つ目の○、技術面の対策でございますが、機構LANシステムにつきましては保守期限到来に伴いまして、共通基盤システム及び共通事務システムとしてシステム構成の見直しを行いまして、更改を実施しました。
次のポツですが、インターネット環境につきましては、一部の利用者権限の管理作業をシステム化するなど、運用の効率化を図るとともに、定期的に利用状況のモニタリングを実施しまして、意図しない利用がされていないということの確認を実施しております。
次の○、業務運営面の対策でございますけれども、日本年金機構情報セキュリティポリシー等につきましては、政府統一基準群に準拠いたしておりまして、令和元年6月と令和2年1月に改正を実施しております。
また、標的型メール攻撃対処訓練も実施しております。
次の27ページ「Ⅲ-3.文書管理及び情報公開」でございます。
計画の概要では、文書の適正管理と情報公開の推進を掲げております。
取組状況の1点目、文書の管理につきましては、1点目はこの3月から経過管理・電子決裁サブシステムで電子申請処理が始まることに合わせまして、文書管理規程等の改正を行ったということであります。
2点目は年金記録や年金額に直接関係する文書につきまして、長期保存による実務上の課題やコスト等を整理しつつ、処理済みの紙届書や電子媒体の適正かつ効率的な保存に係る方策の調査・検討を進めました。
3点目、年金記録や年金額に直接関係しない文書につきましては、保存期間満了後の廃棄可能な文書の整理・廃棄を促進するための計画的な廃棄に向けた体制の整備、スケジュールの策定等を開始いたしました。
次の○、情報公開の推進につきましては、業務運営に関する情報の公表につきまして、日本年金機構法に基づきまして事業計画等の情報、及びお客様の声の主な内容等の情報につきまして、適時適切に公表を行いました。
また、年次報告書(アニュアルレポート)を作成いたしまして、令和元年12月に公表しております。
次の28ページが「Ⅲ-4.人事及び人材の育成」でございます。
計画の概要では4点、人事方針、人材登用、優秀な人材の確保等を掲げております。
主な取組状況の1点目、人事方針、人材登用でございますけれども、1つ目のポツの後段からですが、左下の表にございますけれども、拠点相互間の全国異動を行うとともに、組織一体化と制度と実務に強い人材を育成するという観点から本部・拠点間の人事異動を促進しております。
29ページでございますけれども、最初のポツは、60歳以上のエルダー職員の配置につきまして、その左にありますとおり、それぞれ専門を生かした形での配置を進めております。
2ポツ目ですが、女性管理職の育成、登用を推進するということで様々な施策を実施した結果、右側にございますけれども、女性管理職の比率は昨年度より上昇しているということでございます。
次の○、優秀な人材の確保のところでは、2ポツ目でございますけれども、有期雇用職員に係る服喪休暇の取得対象者の範囲の拡大等を行っております。
次の○、適正な人事評価制度の運用のところでは、評価スキルの向上を図るための評価者、被評価者の研修を実施しております。
次の○、人材の育成のところでは、階層別の研修、業務別の研修を行ったというのが1ポツ目。2ポツ目は、システムや情報セキュリティ等については、外部の研修機関を活用した研修を実施しております。
次の○、働きやすい職場環境の確立につきましては、3ポツ書いておりますけれども、一番下に時間外勤務の状況を載せております。管理職、一般職、また本部、拠点とも昨年度よりも減少しているという状況でございます。
30ページが、残るⅣ、Ⅴ、Ⅵというものでございます。
「Ⅳ.予算、収支計画及び資金計画」でございますが、中ほどから下に表がございます。令和元年度の予算、収支計画に対しての予算執行等の業績は、この表でお示ししたとおりでございます。
その下の「Ⅴ.不要財産または不要財産となることが見込まれる財産の処分に関する計画」でございますけれども、日本年金機構の資産管理の在り方に関する会議におきまして、速やかに廃止することが適当とされました22宿舎のうち、調査等の対応を完了しました7宿舎を元年度におきましては国庫納付いたしました。30年度までに完了している6宿舎と合わせ、13宿舎の国庫納付が完了したということでございます。
最後の31ページ、参考としておりますけれども、「日本年金機構における新型コロナウイルス感染症に伴う対応について」でございます。上の囲みが「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に関する対応といたしまして、政府のほうで策定されました緊急経済対策としまして、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が急減している事業者や一定程度収入が下がった方々に対する厚生年金、国民年金の特例が示されております。
(1)が厚生年金保険料等の納付猶予の特例施行でございます。この4月30日施行でございますが、制度の概要といたしまして、①ですが、令和2年2月以降の任意の1か月以上の期間に相当な収入の減少が生じた場合におきまして、②ですが、本年2月から来年2月までに期限が到来する厚生年金保険料等の納付を申請によりまして、1年間猶予するということでございます。担保の提供は不要、延滞金は全額免除となっております。
機構における対応としましては3点書いておりますけれども、臨時コールセンターを設置したり、ホームページで案内したということがございますけれども、3点目ですが、この特例対象期間の保険料が未納になった事業所に対しましては、特例措置の内容周知、利用勧奨のための文書を送付しております。
(2)が国民年金保険料免除等に係る臨時措置でございまして、5月1日に受付を開始しております。制度の概要につきましては、今般、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、失業、事業の休止に至らない場合でも、収入が急減するなどし、当年中の見込み所得が免除基準相当に該当する方につきまして、簡易かつ迅速的な手続で免除等を可能にする特例措置が講じられております。これにつきましても、ホームページによる案内のほか、保険料納付を勧奨するための文書に臨時措置の内容を掲載して送付しております。
2つ目の囲みが、障害年金受給権者等に係る障害状態確認届(診断書)の提出期限延長でございます。新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のため、この診断書の提出期限が令和2年2月末から3年2月末までの間にある障害年金の受給権者等につきまして、提出期限を1年間延長されたということで、これにつきましてもホームページで案内するほか、受給権者等に対する個別の案内を実施しております。
一番下の囲みが新型コロナウイルス感染症の影響により休業に伴う標準報酬月額の保険者算定の特例ということで、6月26日から受付を開始しております。
新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、4月から7月の間に休業により報酬が著しく下がった方につきまして、以下の条件に該当する場合に、標準報酬月額を、通常の随時改定は4か月目に改定になるのですけれども、特例により翌月から改定することとされております。
①は、事業主が新型コロナウイルス感染症の影響により休業させたことにより急減月が生じた。②は、1か月分の標準報酬総額が既に設定されている標準報酬に比べて2等級以上低下した。③は、本特例による改定について、本人の書面による同意を要件としているというものでございまして、これらにつきまして、適切に運用してまいりたいと考えております。
以上が実績報告書(案)の概要等についての御説明になりますけれども、資料1-2の報告書(案)の本体のほうには、各施策の取組状況の詳細と、後ろのほうには別表としまして参考資料をおつけしてあります。
長時間の説明になりまして、また、かいつまんだ説明となりまして大変恐縮でございますが、私からの説明は以上でございます。
 
○増田部会長 どうもありがとうございました。
昨年度の機構の業務実績について、ただいま概要版のほうを基にして御説明をいただきました。最後のところに機構としてのコロナへの対応について、参考で1枚まとめてありまして、こちらは昨年度というよりは今年度にまたがって、あるいは今年度に入ってこういう措置などが講じられるということで、最新のコロナ対応ということで、これもついております。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問があれば、お願いしたいと思うのですが、この実績報告書の案ですけれども、機構のほうから今日初めて御説明をいただいたわけでございます。次回の部会は恐らく8月に入ると思いますが、次回の部会でも議題とする予定であります。ということを踏まえて、今日また御質問いただければと思います。
それでは、委員の皆さん方から合図していただければ指名いたしますので、お願いいたします。
岩瀬委員、どうぞ。お願いいたします。
 
○岩瀬委員 まず、資料を頂きたいという資料請求のお願いと、あと、マニュアルについてお尋ねをしたいという2つあります。
1つはテレビ電話相談ですけれども、これは年間でいくらコストがかかっているのか。その内訳の詳細なものを頂きたい。これはダブりますけれども、予算書、資金計画書等ですね。それは過去にも頂いているので、これの詳細なものを頂けますか。ずっと歴年で見てみたいので、この2つ、取りあえず資料を頂きたいということです。
もう一つ、マニュアルに関してですけれども、今日の説明の中にマニュアルに関して何か所か説明がありましたが、業務マニュアルというのは既に全面的に改正をされていたと理解していたのですけれども、今行われているこのマニュアルのいろいろな改正というのはどういうことなのか、ちょっとそれを説明いただけませんか。
 
○増田部会長 それでは、資料のほうはまた後日お願いします。ただいまの御質問について、これは理事長さんでよろしいですか。お願いいたします。
 
○水島日本年金機構理事長 資料は別途お渡しいたします。
マニュアルでございますが、再生プロジェクトの一環としまして、届書ベースでのマニュアルは2年前ぐらいに完成をいたしました。現在行っておりますのは、これは終了いたしましたが、その中で語句の中にまだ不明瞭な点、曖昧な点がございましたので、その点について明瞭化するという作業を昨年1年間かけて行っております。数字は忘れましたが、何千あるいは何万という言葉について定義をし直したということでございます。
もう一点は、刷新に伴いまして、BPMN手法を用いまして、現在の事業について、現状分析及びアズイズ・トゥービーの形で行っております。
すみません。マニュアル明確化の件数は、1万8393件でありました。
その中で、大山先生にも御指導頂いて、BPMN手法で現在の事業を分析いたしましたが、現状のアズイズに関してマニュアルと紐付けの作業を開始いたしました。加えて、今のマニュアルが届書単位で基本的にできておりますので、これを制度と紐付けるといいますか、制度編と届書編を作成するという作業をいたしております。
 
○増田部会長 それでは、岩瀬委員、引き続きお願いします。
 
○岩瀬委員 今、聞き取れなかったので、もう一回お尋ねしたいのですけれども、冒頭に理事長がおっしゃったのは、聞き取れなかったから間違っていたら教えてもらいたいのですが、事務所ベースでのマニュアルというのは2年前に終わっているとおっしゃったのですか。その最初の言葉がちょっと聞き取れなかった。
 
○水島日本年金機構理事長 届書ベースでございます。
 
○岩瀬委員 なるほど。では、追加でお尋ねしたいのですけれども、今現在、マニュアルが間違っている。マニュアルはあるのですけれども、これは修正などはされていないのですか。あるいはこの間ずっとマニュアルをいろいろ改訂したり、分かりやすくすると、いろいろ修正してきましたけれども、その中に間違ったマニュアルがあるわけですね。具体的に言うと、厚生年金法39条の内払調整に関する取扱い規程に関して、マニュアルにはちゃんと書くべきことが書かれていない。それによって困っている方がおられる。これは6月23日の大阪朝日放送が詳しく報道していましたけれども、こういうマニュアルで、これは豊中年金事務所で行われていることですが、豊中年金事務所の担当者が本部に疑義照会しても一切回答がないというようなこともテレビでは報道されていたのですが、こういう間違ったマニュアルに対してどうされるのか。あるいは現場から照会があったことに迅速に対応できない。そういう本部の体質について、理事長はどういうふうにお考えですか。
 
○増田部会長 それでは、理事長さん、お願いします。
 
○水島日本年金機構理事長 豊中で確かに案件が発生しておりますが、細かい案件の内容を今は把握しておりませんので、きちんとまた次回に御説明をいたします。
 
○増田部会長 それでは、またその点は次回にお願いをいたします。
 
○岩瀬委員 この豊中の問題は、次回ぜひ御説明いただきたいのですけれども、マニュアルを随分整備してきて、実際に現場で運用しているマニュアルに不備があったとなると、やはり全件マニュアルを点検する必要があると思いますけれども、それについては理事長どういうふうにお考えですか。
 
○水島日本年金機構理事長 まず、豊中の案件がどのようにマニュアルと齟齬があったかというのを確認させていただいて、その内容を踏まえて検討いたしたいと思います。
 
○増田部会長 それでは、今の点は、まず豊中の件の確認ということが前提にありますので、まとめて次回またよろしくお願いします。そういうことでよろしいですかね。
岩瀬委員、ほかは取りあえずよろしいですか。
 
○岩瀬委員 とりあえず。
 
○増田部会長 分かりました。
ほかに委員の皆さん方から何かございますか。
それでは、土屋委員、どうぞ、お願いします。
 
○土屋委員 3点ほどあります。
まず1つ目が概要の17ページになりますが、②の事務センターですけれども、業務の効率化や回送時間の削減などを目的として集約したという記憶がありますが、平成25年に47拠点から、令和元年度が15拠点になっております。こちらを集約した件数は書いてあるのですが、この集約した結果、どのような効果が出ているのかという具体的な何か数字のようなものはあるのでしょうかというのが、まず1つ目の御質問です。
2つ目ですけれども、11ページの年金記録の正確な管理等の実施というところで、マイナンバーとの紐付け率が99.6%になっているということだったのですけれども、こちらは、ただ基礎年金番号とマイナンバーを紐付けたのが99.6%なのか、それとも内容の精査まで行っているのかというところが知りたいところです。
3つ目ですけれども、コロナの特例、最後の参考のページです。いろいろ設けていただいているようですけれども、こちらのほうは予定されていたものではないのですが、機構の体制というのは十分なものなのかどうか、ちょっと心配になったので、お尋ねしたいと思います。
 
○増田部会長 それでは、今、3点ありました。はじめの事務センターの数で、その結果どういう効果があったかのところからお願いします。
理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 事務センターの集約に関する効果は、いろいろありますけれども、御説明を申し上げてきていますのは、事務センターの仕事のやり方を変えて、当初、正規職員と非正規職員で約5,000人いたわけです。その中で正規職員と非正規職員の関係が約半分半分だったのです。それを正規職員の仕事と、非正規職員の中を有期雇用職員と無期雇用職員に分けて、そして、1次審査、2次審査、決裁という役割を明確にして、正規職員を最終的に1,000人を割る水準まで減らして、現場にシフトするということをほぼ実現できると思います。
加えて、これはシステム刷新あるいは電子申請が増加したことの効果でもありますけれども、先ほど御説明いたしましたが、例えば健康保険証の交付に関しましても、かなり早くなっております。紙は若干まだ改善の余地といいますか、紙をどうするかという問題はありますけれども、電子申請あるいは媒体でやっていただく限り、かなり早くなっています。
加えて、給付に関しましても、裁定業務を事務所に下ろしましたので、先程御説明しました700人くらいを事務所に正規職員をシフトしました。そのような意味で、1万1000名の正規職員の中でどんどん増加していく業務に対処するために、正規職員の役割を効率化するということのためには非常に効果があったと考えています。
2点目は、基礎年金番号とマイナンバーを結びつけるのはということでございまして、特にその後は何でございましたか。
 
○増田部会長 それでは、土屋委員、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 よろしいですか、2番目は。
 
○土屋委員 マイナンバーとの紐付け率が99.6%ということに対して御質問したのは、実は資格取得届を提出した際に、マイナンバーを添付したにもかかわらず、紐付けもできていたのにもかかわらず、お名前の漢字を間違えて健康保険証が発行されたという事例がありまして、それはこちらとしては、マイナンバーを提出したのだから正しい漢字のお名前が出てくるのは当たり前だと思っていたのですが、そうではなかったもので、紐付けの際に何か誤りがあったのか。その辺をお聞きしたかったのです。
 
○水島日本年金機構理事長 具体的な内容についてお教えいただけますでしょうか。
 
○増田部会長 それでは、どうぞ。
 
○大西日本年金機構理事(事業企画部門担当) 事業企画部門担当理事の大西と申します。よろしくお願いします。
ただいまのマイナンバーと基礎年金番号の紐付けの話ですが、99.6%という数字は、基礎年金番号をお持ちの方でマイナンバーがついていない方を、お届けなどいただいて、どんどんマイナンバーと紐付けをしてきて、今ここまでの率になっているということをお示ししております。
一方、今、委員からお尋ねのあった、その際、紐付けられた方のお名前が少し、例えば漢字が旧字と新字でずれているケースなどがあったのではないかという御質問だと理解いたしましたけれども、紐付けた際には、読み仮名の一致はシステム的なチェックが働くのですが、漢字の細かいところは実は必ずしもシステムチェックが働かない部分がございまして、それでそのようなずれが発生することがあったのではないかなと。あと、個別の事案で、例えば届出があったのがマイナンバーとの連携より前の時点、平成30年より前の時点に届けられたお名前ですと、その後、住所変更等がない限り、突き合わせがされていないので、それでずれるというようなこともあろうかと思いまして、個別の事例については様々な実態を踏まえて適切に正しい氏名にしていくという作業をしていかなければいけないと考えております。
 
○増田部会長 それでは、理事長さん。
 
○水島日本年金機構理事長 3番目のコロナでございますけれども、いわゆるコロナの特例措置への対応に関しましては、基本的に万全の体制をつくってやっておるつもりであります。まず、厚生年金保険料の猶予でございますが、これは既に3万件ぐらいの受付をいたしておりまして、事務所は一時シフト体制だったこともあり、かなり繁忙を極めてはおりますが、きちんと対応しておると思っております。
それから、国民年金の免除に関しましても、今、かなりお届けいただいておりまして、事務センターで実際に審査を行っておりますが、これに関しても特に大きな混乱は発生していないと思っております。
それから、特例の月変でございますが、これに関しましてはこれからでございますので、これからどういう状態になるかということを把握しないといけないと思いますが、基本的には、特例でございますので、事務所で全部審査をいたしまして、事務センターがかなり繁忙期になりますので、他にセンターをつくりまして、これに関しては対処するという方針で臨んでおります。今のところ現場は一生懸命やってくれておりまして、お客様に対して大きな御迷惑をおかけしているという状態は発生していないと思っています。
 
○増田部会長 土屋委員、いかがでしょうか。
 
○土屋委員 繁忙期に入るということで少し心配していたのですが、安心いたしました。ありがとうございます。
 
○増田部会長 それでは、ほかの委員から。
斎藤委員、どうぞ、お願いいたします。
 
○斎藤(聖)委員 分かりやすいということでお伺いしたいのですが、13ページに分かりやすい情報提供の推進というのがございます。ビジュアルを工夫して分かりやすくしましたという御報告でしたが、私個人の経験からすると、日本語が非常に難解で意味が分かりませんでした。企業で年金を担当していた人に見せて、これは年金が上がるのだろうか、下がるのだろうかといって2人で議論してもよく分かりませんでした。結局大した金額じゃないから、まあいいやといってやめてしまったのですけれども、そのくらい分かりづらい。それは文章が分かりづらかったのと、掲載されていた表が理解しづらいものだったためと思います。私の理解能力が低いと言われてしまうと返す言葉がないのですけれども、一般の人はなかなか読めないだろうなと思っています。
以前、一般の方に来ていただいて分かりづらい表現をチェックして、分かりやすくするという努力をしていただいたときがありました。そのような努力はもうやっていらっしゃらないのでしょうか。普通の人、年金についてほとんど知らない人が読んですぐに分かるような、そういう日本語の文章にするという努力をどのくらいしていらっしゃるのか伺いたいと思います。
 
 
○増田部会長 それでは、お願いします。
 
○町田日本年金機構理事(事業推進部門担当) 事業推進部門担当理事の町田でございます。
今、御紹介をいただきましたけれども、今でもお客様文書モニター会議というのをやっておりまして、民間の専門家の方ですとか、受給者の方ですとか、そういう方を入れて一つ一つ直しはしておりますけれども、今、御指摘いただいたように、まだまだ不十分なところはあると思いますので、引き続きしっかりやっていきたいと思っております。
 
○増田部会長 理事長さん、追加でどうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 御指摘はごもっともだと思っていまして、私どもはいつも悩んでいるのですが、基本的に非常に小さいスペースの中に正確な情報を盛り込まないといけない状態にございまして、できるだけ分かりやすくする努力をいたしておりますが、やや限界があるというふうに思います。そのためにホームページ等で、我々は今も努力しておりますし、これからさらに努力しなければいけないのは、例えば動画を使うとか、そのような形でホームページにおいて分かりやすい御説明ができるような努力を一層しなければいけないと思っております。一部やっておりますが、まだまだ不十分だと認識しています。努力をしなければいけないと思っています。
 
○増田部会長 それでは、今の点については引き続きよろしくお願いいたします。
大山部会長代理、お願いします。
 
○大山部会長代理 すみません。今、斎藤さんのお話があったので、私もそう思っているところについてで、概要で言うと、例えば7ページのところにあるのですが、ここに事業所調査による届出の適正化対策と書いてあって、表があって2つ目の左から3つ目を見ると、指摘事業所数と書いてあるのですね。これは日本語の意味で普通に取ると、指摘事業所数ってどういうことかというのが分かる人はまずいないのではないか。これが斎藤さんが言われているお話に当たっていて、指摘事業所率というのはさらに分からなくて、いいと言っているのか、悪いと言っているのかも、これは普通の日本語では通じない。こういうのが多々見えるのですよ、いろいろなところを見ていると。この辺は確かに政府のいろいろな今までの公式な紙では仕方がないのかもしれないけれども、少し分かりやすく書いていただくと、読む人にとって理解しやすいのではないかなと。これは一例ですけれども、さっき気づいたので、斎藤さんのお話をお聞きして、やっぱり言ったほうがいいなと思ったので申し上げました。
 
○増田部会長 今の具体的な部会長代理の御指摘はごくごく一例ということなので、以前、確かに斎藤委員がおっしゃったとおり、そこの表示を分かりやすくしようという御指摘があって、それでやったはずなのですが、ちょっと時間が経つと、それにまたいろいろなことを書き加え出すと、だんだん元に戻るというか、だから、常に毎年毎年きちんとチェックする必要があると思うので、その点はよろしくお願いいたします。
それでは、ほかに何かございますか。
山口委員、どうぞ、お願いします。
 
○山口委員 2点あります。
概要の12ページで、先ほど岩瀬委員から御指摘のありましたテレビ電話相談のことと、29ページのハラスメントの防止研修等についてということで、本体の業務実績報告書で言いますと、46ページと136ページになるのですが、テレビ電話相談については、コロナの対応に関連して、出張相談からテレビ電話相談への移行の要望を寄せる市町村があるということ、そして従来遠隔地における相談ニーズへの対応として佐渡で進められてきて、件数が増えているという御報告でした。
テレビ電話は非対面ということになりますが、話は違うのですけれども、今、大学でもオンライン授業などをやっておりまして、対面と非対面で、それぞれ特性があるようだということが何となく分かってきました。
今まで限定的にテレビ電話相談を位置付けて対応してこられたと思うのですけれども、今後一般化して、より拡充していくことを考えると、相談の中の位置付け方としては質的に変わる部分もあるのかと思います。今後の方向性については検討されるということなのですけれども、これから仮により広げていくとして、その課題として、これまでやってきたところで把握されていることがありましたら、教えてくださいというのが1点です。
もう一点、ハラスメントなのですけれども、各種研修を実施されているという御報告です。法改正が行われて、まだ日も浅いのですけれども、組織全体としての取組を通じて、各職員の方の認知度ですとか浸透の度合いということについて、どのように感じていらっしゃるかということをお伺いできればと思います。お願いします。
 
 
○増田部会長 それでは、今、2点ございましたので、理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 テレビ電話相談に関してでありますが、事前の御説明のときにも何人かの先生方から御指摘いただいておりますが、コロナ後について基本的に考えなければいけないと思っております。おっしゃるとおり、非対面型のビジネスモデルに変わるべきだという社会的要請もありますし、我が国のライフスタイルそのものも変わっていくだろうと思っております。
今、私どもの相談件数は年間に大体100万件を超えておりますが、裁定請求書はターンアラウンドでお送りしているのが今年で130万件ぐらい送りすると思います。そのうち7割から8割が事務所においでになるというふうに、現状はなっております。このような対面型といいますか、あるいは訪問型、おいでいただく形での基本的なビジネスモデルになっていますので、これを何とか非対面型のモデルに変えていかなければいけないと思っています。
そもそも年度当初にも御説明いたしましたけれども、デジタルワークフローを進めなければいけないと考えていたわけでありますが、電子申請について資本金1億円超の事業所が義務化されて4月からスタートいたしておりますけれども、去年20%ぐらいだった電子申請の利用率が今は4割弱、38%ぐらいまで上がってきております。
先ほど申し上げましたが、電話相談に代わってチャットボットのような実験もしており、これもかなり効果的な施策と思っております。基本的にインターネットを使ったオンラインでのビジネスモデルというものをつくらなければいけないと思っていますが、やはり基本的には、その前提としては安全性をどう確保するか。なかんずく主体認証の問題と、それからデータが途中で改ざんされないかというような完全性の問題ですね。そういう問題をどう解決するかということだと思います。
それに加えて、届書をどういうふうに、あるいは申請書をどう表示させていただくかという問題でありますけれども、今、御指摘の御相談に関してでありますが、これはやはり事業所でありますと事業所版のねんきんネットをつくって、そこで共有する空間をつくり上げて、そこで行っていくということではないかと思っております。
一方で、個々人の場合は、なかなかセキュリティの観点から詰めなければいけない点がたくさん残っていると思いますが、基本的にはやはりねんきんネットの環境を利用しながら、オンラインで御相談に応じ得るようなテーマについて課題を整理して、実現に向けて努力をしていかなければならないと考えています。
また、今、年金セミナーのようなものについても中断をしておりますが、これもやはりオンラインでの実施等も検討しなければいけないと考えていまして、まさに御指摘のとおり、今、私どものビジネスモデルは訪問型あるいは御来所いただく形になっていますので、これを早急に、可能な範囲で非接触型にすべく、現在、具体的な検討を開始したという状態にあります。
おっしゃるようなことに関しましても、御相談に関して、どのような環境をつくれば年金個人情報が安全に保護されてできるかということについては、やはり極めて難しい課題ではありますけれども、何とか実現に向けて努力してまいりたいと考えています。
 
○増田部会長 それでは、ハラスメントのほうをお願いします。
 
○安部日本年金機構理事(人事・会計部門担当) 人事部門担当の安部でございます。
ハラスメントに関する御指摘の部分でございますが、これまで各種の研修等を行っている中で、職員にどの程度ハラスメント防止に関する認識があるかというような御指摘だったと思います。これまでも全職員に対しますハラスメントの関係、防止研修というのは種々実施をしてまいったところでございます。先ほど委員の御指摘がございました今回の改正の労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法の関係の施行もございまして、そういった中で、併せて厚生労働省からも、パワーハラスメント防止のための指針というのも新たに示されてございます。そういった部分を踏まえて、機構内のまず諸規程等の改正を行っているところでございますし、また、その改正内容につきましては、本部の管理職、また、全拠点長を対象といたしまして、本年2月に複数回で研修を実施したところでございます。
そういった部分はやはり継続的に実施をしていく必要もありますので、そういった中で、いわゆる管理職に自己点検という形で、ハラスメントに関する自己点検を定期的に実施するというような取組を進めるようにしてございます。
また、今回、私どもの規程の中にも具体的にどういったものがパワハラに該当するかといったような事例等も、併せて職員が分かりやすい形で規程に盛り込むような形で改正をしたところでございまして、こういった部分を引き続き職員に周知する形で、ハラスメント防止に関する職員の関心や理解をさらに深めまして、組織としてハラスメントを根絶するといった部分について、引き続き対応してまいりたいと思ってございます。
以上でございます。
 
○増田部会長 山口委員、何かございますか。どうぞ、お願いします。
 
○山口委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
やはり個人情報を扱っているので、普通の業務のようにリモートワークに移そうとしたときに、個人情報を扱うものはどこまでできるかというのは確かに実感としてありまして、そのあたりをぜひ御検討いただいて、進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。
 
○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。
齋藤委員、どうぞ。
 
○齋藤(衛)委員 1、2点というか、1.5点ぐらいなのですけれども、今、山口委員からお話があった窓口の話は、やはり最大のリスクは年金の相談で事務所に行ったら感染してしまったというお客様が出るという、それが多分最悪のケースだと思いますので、感染症対策はお客様の健康を守るという視点と、当然、情報セキュリティをしっかりしなければいけないのですけれども、それをはかりにかけつつ新しいやり方を模索するということで、割合大きな急務な話だと思いますので、私のほうからも御検討をよろしくお願いしたいと思います。
併せて関連ですけれども、この報告書に参考として添付するのであれば、年金機構としてコロナウイルスというものに対してどういう活動を行ったかというのを入れておいたほうがいいのではないかというのが一つコメントでございます。というのは、2月、3月頃からもう流行の兆しが見えたときにどういう対策をしたのか。それから、今機構さんのホームページを見ると、事務所内での感染みたいな話もあったと思うのです。それなりの人とお金がかかって対策に苦労されたと思いますけれども、そういったところが全く共有されないでというか、報告されないで、逆に言うと、そういうところも活動報告として入れたほうがいいのではないかなというのがコメントでございます。
 
○増田部会長 それでは、理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 ちょうどこの報告書をつくりましたときは、やっております最中でございましたので、まだまとめる段階まで至っておりませんでしたが、次回までにまとめて、ここでお話しすると長くなりますので、紙にして御提出申し上げたいと思います。
 
○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。
大山部会長代理、お願いします。
 
○大山部会長代理 いくつかコメントとお願いを。
まず、概要編の21ページ、下から2つ目の黒ポツで、前にも申し上げたことがありますが、e-Gov経由での電子申請に加え、主要7届についてGビズIDの申請を可能とするシステム開発を実施しましたと。これは令和元年度の実績報告書で見ると、ここまではいいのですけれども、令和2年4月稼働と書いてあるのは、これは元年度ではなくて2年度になっているので、ここにあることがいいかどうかというのはあるのでしょうけれども、それよりも本当に稼働しているのですかという質問と、本文を見ると稼働とは書いていないのですね。本文は92ページにあるようですけれども、現在、先ほど電子申請で送られてくるドキュメントの真正性の話が出ていましたが、繰り返し言っていますが、GビズIDだけでは、人の確認はできるけれども、ドキュメントの確認はできないので、このまま書くと、もうやっているように見えてしまって、ちょっと気になります。正しくどういう実態なのか分からないので、そこは修文が必要なのか、あるいはどういうお考えなのかというのをはっきりさせていただきたいと思います。
今のは指摘ですが、22ページのところに各種ポストサービスというのが書いてあって、最初のインターネットを活用したサービスの黒ポツの3つ目です。政府において検討されている各種ポストサービスと書いてあって、ここで書くときの政府というのは、どこを示しているのかがちょっと分かりづらくて、年金局がやっているのか、厚生労働省がやっているのか、それとも日本政府全体の話、どこかがやっていると言っているのか、これについて。
ポストサービスと言っているのですけれども、それと事業所版ねんきんネットの関係がこのままだと分からないので、もう少し分かるようにしていただければと思います。
それから、最後が一番心配事項なのですが、19ページに戻って恐縮なのですけれども、事前準備工程の話が書かれているのですが、今回の様々なコロナの状況があって、致し方ない面はありますが、我々システム・セキュリティの専門のほうにもほとんど説明がここのところなくて、実態がどうなっているのか非常に心配をしています。準備工程が昨年10月からスタートしたという話ですけれども、それが今どこまで進めているのかというのも含めて、予定だと1年のはずだから9月に終わってしまうのかなと思いますので、ここのところについては少し実態として、こういう場なのでやはり言っておかなければいけないと思いますので、ぜひ説明をちゃんといただきたいということを申し上げたいと思います。
以上です。
 
○増田部会長 それでは、3点ありますが、理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 お答えをどのように行うべきかというのがありますが、まずGビズIDの完全性の問題についてはたびたび御指摘いただいているところでございまして、おっしゃるとおり、完全性の問題は解決されていないと考えております。
ただ、これをどのように解決していくかということについて、私どもとしても検討している部分がございますので、ぜひ御意見も承りながら、より活用ができる方向で御意見を賜れればと思います。
これに関しましては、電子署名の問題等々ということだと思いますが、改めて整理をして、先生方に御説明をした上で、どのように取り扱っていくかということについても御相談申し上げたいと思います。
 
○増田部会長 それでは、年金管理審議官、お願いします。
 
○日原年金管理審議官 私のほうからは2点ほどお答えをさせていただきたいと思いますけれども、1点目のポストサービス関連の表現でございますけれども、これは政府全体の動きのことを指して書かれているのだろうと思いますが、そこら辺がもう少し分かりやすくなるように表現を機構と十分相談をさせていただきたいと思っています。
それから、開発準備工程に係る状況のほうでございますけれども、こちらは間が空いておりまして、誠に恐縮でございますけれども、これもきちんと報告をさせていただけるように、機構と十分連携を取って準備させていただきたいと思っております。
以上でございます。
 
○増田部会長 そちらは何か付け加えてありますか。よろしいですか。
それでは、大山部会長代理。
 
○大山部会長代理 ありがとうございます。
簡単にだけ申し上げますが、GビズIDによる申請を可能とする云々と、この言葉のとおり、開発を実施しましたというのは結構なのですが、本格的にGビズIDで今、受け付けようとするのであれば、危険性がある、あるいはそれは不十分だということ、出す側に対しても分かるようにすべきだと思います。
年金機構も認識があるということを示さないと、こういうのはやはり途中から、不十分でしたというのは予測されている話ですので、そこについてはしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 
○増田部会長 理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 まず、今いただいた御意見を私どもなりに整理いたしまして、これに関して御回答申し上げたいと思います。
 
○増田部会長 ほかに何かございますか。
それでは、西村委員、それから原委員ということで。
 
○西村委員 土屋委員や大山先生の御指摘にもかぶるのですけれども、全般的にお願いしたいことということで、私からもいくつかお願いしたいことを言わせていただきます。
今回、概要にしていただいて非常に読みやすくなって、ありがとうございますということなのですけれども、本文のほうを読みますと、まだ、だから何と、表現はよろしくないのですけれども、そういうところが幾つもあると思っております。
例えばということで、列挙するとあれなので、いくつか申し上げますと、リスト処理を25%減らしましたと。25%減らしたはいいのですけれども、これは事務にどう対応して、事務が減っているのですよねということが書いていないので、減らしてどういう効果があったのかよく分かりませんと。別にリストが増えても事務がきちんと減って、事務効率が上がるほうがいいので、このリストを減らすこと自体、もちろん使っていないものを減らすことは目的なのでしょうけれども、リスト処理の減少のみが目的ではないということかなと思って読んでおりますので、その辺の結びつきがきちんと分かるといいなと思って読んでおりました。
それから、別の話ですけれども、今回たまたま特定技能者の件が概要に書いてありましたけれども、それがあるために目立ったのかもしれませんが、コールセンターで5か国を10か国にしましたと。この10か国にした意味合いというのがきちんと特定技能者の入国した国と紐付いているのだというのが分かると、よりいいなと思っております。
それから、これは日本語のお話なのですが、ここの話題に出たのは、例えばこのペーパーの話ですとかマニュアルの話なのですが、私が気にしているのはホームページです。先日、知り合いのお子さんの大学生から、何か送られてきたけれども何ですかといって、日本語を読んでも分かりません、ホームページを見たけれども分かりませんというお話があったのですが、しようがないので解説してあげました。厚生年金という言葉が既に分からないみたいなのです。そこから始まるのですけれども、その中身の話はさておきとして、機構もしくは厚生労働省、国全体なのかもしれないですけれども、どういう順番で人の目に触れて直していかなければいけないというのがきちんと優先順位をやっていただくといいなと、ありがたいのではないかなということで、御指摘をさせていただいたということです。
最後に、これは1点、後で教えていただければいいのですけれども、今日はマニュアルの話がございました。マニュアルはたくさんつくって分かりやすくということで、御努力をされていると認識はしていますけれども、恐らくこれは改訂を前提としていろいろなことをやらなければいけないと考えております。毎年制度改正もあるし、システムの新しいサービスインもあるし、事務の見直しもある。そうすると、必ず直さなければいけないですね。そこをどう要領よくやって、かつ読みやすくやるにはどのような工夫をされているのかというのは、やられている方々にはすごく御苦労があるのでしょうけれども、私は見当がつきませんので、その辺のやり方とか効率性、短期間にやるためにはこんな工夫をしていますとかいうことをきちんと教えていただくと、有効性というのはより分かるようになるかと思いますので、直接でも結構ですし、どこかの場でもいいので、御教示いただければと思って聞いておりましたので、よろしくお願いいたします。
以上です。長くなりましてすみません。
 
○増田部会長 それでは、理事長さん、もし何かあれば。
 
○水島日本年金機構理事長 リスト処理がどのような効果を生んでいるかということについては、もちろん西村先生も御存じでおっしゃっていらっしゃると思いますけれども、不要なリストを削減するということをかなり行ったということであります。その限りにおいては確認をする必要がありませんから、事務処理は減っているはずであります。どういう効果があったかについても検証をしてみますが、またまとまった場があれば御報告申し上げたいと思います。
コールセンターは、やはり外国人材がいろいろな国からおいでになる。その中で適用をきちんとすることが求められているという状況の中で、外国語の対応をする言葉の数を増やしていくことが必要になったということでございまして、この利用状況については、別途御報告申し上げます。
それから、ホームページのところはよく分からなかったのですが。
 
○西村委員 すみません。事例とやってほしいことをぐちゃぐちゃに言ってしまったのかもしれないですが、いろいろなドキュメントがあるので、一遍に全部できるということではないと思いますので、誰が読むかということと、どのぐらい見られているということをベースにして見直しを進めていっていただけるといいなということで、外に出ているものというとホームページが多分一番出ていると思いますので、ぜひそこもターゲットにしてくださいということで申し上げました。
 
○水島日本年金機構理事長 十分御意見踏まえて対応してまいりたいと思います。
それから、マニュアルの改正でございますが、これは指示あるいは事務連絡が出た都度、品質管理部がチェックをして、その改正を指示いたして、その期限管理もいたしておりますので、きちんとできていると思っております。
 
○西村委員 きちんとできているということについて疑いを持っているわけではなくて、そこを効率よく、かつ生産的にやるにはどのようなプロセスを経ているか教えてくださいと言うことですので、ぜひお願いします。
 
○水島日本年金機構理事長 プロセスを紙にしてお渡しするようにいたします。
 
○増田部会長 よろしくお願いします。
それでは、原委員、どうぞ、お願いします。
 
○原委員 大幅に遅れて失礼いたしました。話が重なってしまって恐縮なので、短くいたします。
山口委員や皆様おっしゃっていたのですが、オンライン対応の部分は私も大変気になっておりました。ほかの様々な分野で、これまではおよそあり得なかったようなリモート対応とかオンライン対応をなされるようになってきています。また、政府全体でもこれまでとは別次元でデジタルガバメントを推進していくということになっていると認識しております。なので、ぜひ機構におかれましても、これまでの延長ということではなく、この機会にビジネスモデルを抜本的に革新していくということを御検討いただければと思います。
先ほど水島理事長、次回まとめてお話しいただけるということでございましたが、これまでのコロナ対応の中で見えてきている課題もあるかと思いますので、そういったことを教えていただいた上で、またさ更に引き続き議論できるといいかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○増田部会長 それでは、また次回ということでよろしくお願いいたします。
以上でよろしゅうございますか。何かありますか。
そうしたら、岩瀬委員、先に挙げたようですので、それから斎藤委員ということで、それで最後にしたいと思います。
 
○岩瀬委員 これは斎藤さんがおっしゃっていたことの尻馬に乗るのですけれども、文書モニター会議についてお聞きしたいのですが、僕も部会の委員として、過去、文書モニター会議に何回も出たことがあるのです。これは会議を開くのはすごく簡単なのだけれども、そこでの議論をどう集約して、分かりやすい文章に変えていくか。これはなかなか難しいのです。
先ほどから努力していかないといけないという言葉が出ていますけれども、抽象的過ぎてよく分からない。一体どういう努力を考えているのかということを、次回でもいいですけれども、教えていただきたいのと、文書モニター会議のメンバー表と1年間に何回開いたのか、そして、その議論の結果どういう文書をまとめているのか。これを3点セットで見せていただけませんか。一応、私もそれをベースにまた意見を言いたいと思います。
以上です。
 
○増田部会長 それはまた資料としてお出しいただくようにお願いいたします。
それでは、斎藤委員、どうぞ。
 
○斎藤(聖)委員 国民年金納付率のことでコメントを申し上げたいと思います。今回、伸びたということはすばらしいこと、本当にこれ以上は無理なのかと思っていた限界に挑むような細かい作業をやっていただいて伸びているわけですね。今日の新聞、日経にはグラフが描いてあって、おお、すごい!伸びたと言いたくなるようなとてもインパクトのあるグラフになっていました。そのくらい、やはり世間で注目されていて、しかもそれを達成している。わずかであったとしても、これだけ毎年着実に上げているということをもっと誇りに思っていただいて、書いていただいてよろしいのではないかと思いました。
これは4ページのところに何ポイント上がりましたと書いてあるのですけれども、それで何%になったという結論が書いていないのですね。そのあたりは自慢できるポイントなので、ぜひ細かく書いていただけたらと思います。
以上です。
 
 
○増田部会長 納付率は今日これから議題にしようかと思いまして、今の御要望をまたよろしくお願いいたします。
それでは、実績報告書のほうについての御意見等がございましたので、これは次回も引き続き議題といたしますので、各委員からの御意見ですとか御質問がございましたが、それについては以上にいたします。
機構のほうで、今回、各委員からいただいた御意見を踏まえて、今日提出がございました業務実績報告書(案)に必要な修正を行っていただいた上でまた改めて次回、提出いただきたいと。当然、修正をするものとそうでないものと振り分けられるかもしれませんが、中で御検討いただいた上で、直すべきは直した上で、改めて提出いただきたいとお願いします。資料についてもよろしくお願いします。
それでは、議題の(2)その他のところですけれども、報告事項として資料2及び資料3の2つの資料の提出があります。それぞれの資料について年金局から説明をいただいて質疑を行いたいと思いますが、まず資料2は「令和元年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」でございます。今日、ちょうど昼のニュースなどでも、これは午前中に公表したことが出ていたかと思いますが、既に取り上げられておりました。こちらについてお願いをして、あと、多少時間が押しているので、資料3の「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」も提出いただいておりますが、先般閉じられました通常国会のほうで法律が通りましたので、こちらのほうについても続けて御説明をしていただいて、まとめて質疑にしたいと思います。
それでは、説明のほうをよろしくお願いいたします。
 
○村田調査室長 年金局事業企画課調査室長の村田でございます。
私からは、資料2に沿いまして、「令和元年度の国民年金の加入・保険料納付状況」につきまして、御説明させていただきます。
最初の表紙のところに書いてございますけれども、この資料では、未納分をさかのぼって納付できる過去2年分を集計した、いわゆる「最終納付率」等についてまとめてございます。
令和元年度の最終納付率は、下の枠囲みの※のところに記載しておりますが、平成29年4月分から平成30年3月分までの保険料納付対象月数のうち、令和2年4月末までに納付された月数の割合として定義しております。
納付状況の途中経過を示すものとして、現年度納付率、過年度1年目納付率がございますけれども、最終的な納付状況を見るための指標としましては、最終納付率が適当というふうに考えてございます。
枠囲みの中でございますけれども、令和元年度の最終納付率、対象となる保険料は平成29年度分保険料になりますけれども、こちらにつきましては、先ほどから御紹介がありましたけれども、76.3%ということでございまして、前年度から1.7ポイントの増加となっています。7年連続で上昇ということになりました。
また、最終納付率の統計を取り始めたのが平成16年度、対象となる保険料は平成14年度分保険料になりますけれども、それ以来での最高値ということでございます。
なお、納付状況の途中経過を示しております令和元年度の現年度納付率でございますが、こちらにつきましては69.3%となっておりまして、平成23年度から8年連続の上昇ということでございます。
続きまして、詳細な資料に沿って御説明したいのですけれども、下のほうについておりますページ番号で1ページのところを御覧ください。
まず、「被保険者の状況」ですけれども、表1の一番左の欄にありますように、国民年金第1号被保険者数は、任意加入被保険者数も含めまして、令和元年度末で1453万人となっていまして、前年度末の1471万人と比べて減少しております。
次に、右から3つ目の列を見ていただきますと、令和元年度末の厚生年金保険(第1号)被保険者数は4037万人となっておりまして、こちらは前年度末の3981万人からさらに増加しております。
また、国民年金第3号被保険者数は、一番右の列ですけれども、令和元年度末で820万人となっておりまして、こちらは前年度末の847万人と比べて減少しております。
近年の動向を見ますと、厚生年金の被保険者が増加していて、一方で国民年金の第1号被保険者と第3号被保険者が減少するといった状況が依然として続いているということでございます。
なお、平成31年4月に産前産後期間の保険料免除制度が施行されておりますが、それに伴いまして、令和元年度から産前産後免除者の欄に数値が計上されるようになっております。
次に、公的年金全体を見てみますと、下のほうの図1の棒グラフの推移にありますけれども、公的年金加入者数は平成元年度末で6759万人となっております。こちらは括弧書きでお示ししておりまして、厚生年金の第2号~第4号被保険者数、いわゆる共済の分でございますが、こちらにつきまして、平成30年度末の実績で据え置いた場合の暫定値でございます。こちらを見ていただきますと、前年度末の6746万人とほぼ同水準、若干微増といった状況でございます。
なお、このうちで国民年金の保険料が24か月未納となっております「未納者」の数を見ていただきますと、令和元年度末で125万人ということで、前年度末138万人に比べて減少しているといったような状況でございます。
続きまして、2ページの一番下の段の図2を御覧ください。こちらは第1号被保険者の年齢構成の推移を示してございますけれども、令和元年度末、一番右で見ていただきますと、20~24歳の割合が23.2%、次いで55~59歳のところが13.1%となっています。20~24歳のところは学生の方が多くいらっしゃるということで割合が大きくなっているものと考えております。
続きまして、3ページからが「国民年金の保険料納付状況」となっています。枠囲みで書かせていただいておりますように、国民年金保険料の納付率は、納付義務がどれだけ果たされているか、という納付状況を見るための指標となってございますので、保険料の納付対象月数を分母にしまして、それに対する納付月数の割合という形で算出しております。
令和元年度の最終納付率についてですが、先ほども御説明したように76.3%となっていて、7年連続の上昇という結果でございます。また、下のほうの図3を見ていただきますと、これは横軸が保険料対象年度となっているのですが、令和元年度の最終納付率は、統計を取り始めた平成14年度分以降で最高値となっていることが見てとれるかと思います。
次に、4ページを御覧いただきたいのですが、こちらは表が3つございますけれども、上段の表4が、最終納付率、過年度1年目納付率、現年度納付率の推移を示しています。
表4を御覧いただきますと、表の見方として、縦方向が対象保険料の年度、横方向が納付率の算定時点の年度となってございます。
例えば、平成29年度分保険料の行を横に見ていただきますと、平成29年度末時点で66.34%であったものがだんだん上がっていって、最終的に令和元年度末時点のところで76.31%となっているということで、29年度分保険料が2年かけて納付率が10ポイント増加したということが見てとれるかと思います。
中段の表5には、納付率の分母と分子であります納付対象月数と納付月数の推移を示してございます。
続きまして、5ページを御覧いただきたいのですけれども、こちらは最終納付率を年齢階級別に見たグラフになっています。対象保険料は平成29年度分でございまして、実線で示した折れ線が最終納付率、点線で示した折れ線が現年度納付率になります。
29年度分保険料について見てみますと、2年間かけてこの点線の折れ線から実線の折れ線に持ち上がるという動きになっていまして、特に若い年齢階級での上昇幅が大きくなっています。
最終的に見た最終納付率の折れ線の傾きは、よりフラットなものに近づいているということが分かるかと思います。
続きまして、7ページでございます。こちらは地域別の保険料の納付状況になります。令和元年度の最終納付率について書かせていただいておりますけれども、最終納付率が高かった上位3県は、1位が島根県、2位が新潟県、3位が富山県となっております。一方で、最終納付率が低かった下位3都府県は低い方から順に、沖縄県、大阪府、東京都ということで、この状況については昨年度と変わっていないということでございます。
以降、市区町村の規模別に見た保険料納付状況ですとか、現年度納付率に関する参考資料等をつけさせていただいておりますけれども、説明のほうは省略させていただきたいと思います。
以上です。
 
○増田部会長 それでは、資料3も続けてお願いします。
 
○巽事業企画課長 先般、通常国会で成立しました年金法改正法につきまして御説明します。6月5日に公布いたしております。
改正の趣旨につきましては、より多くの人がより長く多様な形で働く社会へと変化する中で、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るということになっております。
まず、改正の概要としましては、1つ目、被用者保険の適用拡大ということで、短時間労働者の適用対象とすべき事業所の企業規模要件につきまして、現行500人超となっておりますけれども、2022年10月から100人超、2024年10月から50人超ということで、段階的に引き上げることになっております。
5人以上の個人事業所に係る適用業種につきまして、いわゆる士業でございますけれども、弁護士、税理士等の資格を有する者が行う事業についても追加するということになっております。
2つ目、在職中の年金受給の在り方の見直しということで、在職中の老齢厚生年金受給者、65歳以上の年金額を現在退職時に改定していたものを、退職を待たずに毎年定時に改定することとしております。60歳から64歳に支給されるところの在職老齢年金制度につきまして、いわゆる低在老ですけれども、支給停止とならない範囲を賃金と年金の合計額を28万から47万まで引き上げるということで拡大することになっています。
3つ目、受給開始時期の選択肢の拡大ということで、高齢期の就業状況等を踏まえまして、現在、60歳から70歳の間になっている年金の受給開始時期の選択肢を60歳から75歳に拡大するということになっております。
4つ目は、確定拠出年金の加入可能要件の見直しということで、ここは省略させていただきます。
5つ目、その他といたしまして、国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切り替え、それと、税制改正に伴いまして非課税となりました未婚の独り親等を寡婦と同様に、国民年金保険料の申請全額免除基準に追加する。あるいは短期滞在の外国人に対する脱退一時期の支給上限年数を3年から5年に引き上げる。年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直しを行うことになっております。施行基日につきましては、原則2022年4月となっておりますが、各事項により、以下のような施行時期になっているところでございます。
以上でございます。
 
○増田部会長 それでは、その他ということで2つございました。納付率の関係と先般の国会で通過をいたしました法律の改正ですね。被用者保険の適用拡大の関係と、特に後者については2段階である最初のほうの法律改正が今回行われたということになります。
内容について御意見ですとか御質問等があれば、お願いいたしたいと思います。
土屋委員、どうぞ。
 
○土屋委員 資料のほう、ありがとうございます。
沖縄の納付率が最下位にもかかわらず、前年度からの伸び率が1位になっているというところに着目しまして、沖縄プロジェクトが成功したというような印象を持ちました。そう考えると、納付率の低い地域にまず焦点を当てて、沖縄プロジェクトになぞらえてプロジェクト化するというメリットが十分にあるのではないかと思いました。引き続き、このようなプロジェクトの立ち上げと継続を希望します。よろしくお願いします。
 
○増田部会長 それでは、御要望ということですので、また内部でよく、特に納付率が低いところについては対応策を検討していただきたいと思います。
ほかにはよろしゅうございますか。
理事長さん、どうぞ。
 
○水島日本年金機構理事長 すみません。一言だけよろしいでしょうか。沖縄は極めて低いということで、特に対応したわけでありますが、低いところの納付率を引き上げることで全体の納付率をもちろん引き上げるわけですが、マーケットが大きいところと小さいところがある中でどのように一定の資源を配分していくかということでありますので、その点について、低いところに限定せずに、効果が上がるところに資源を集中的に投入していくということだと御理解いただきたいと思います。
 
○増田部会長 ありがとうございました。
ほかはよろしゅうございますかかね。
それでは、ちょうど時間も参りましたので、本日の議題はこれで全て終了いたしました。
次回の日程につきましては、事務局から改めて御連絡をすることといたしたいと思いますが、今日前半で議論いたしました実績報告書について、次回改めてまた議論したいと思っております。その他、何かございましたら、また事務局のほうから改めて御連絡をさせていただきます。
それでは、本日の会議はこれで終了いたしました。委員の皆様、どうもありがとうございました。