田村大臣閣議後記者会見概要

H25.5.14(火)8:29 ~ 8:39 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日冒頭私からは何もございませんので、何かございましたら御質問どうぞ。

質疑

記者:
生殖補助医療について伺います。昨日あるNPOが会見をしまして、卵子提供ボランティアから受けまして、体外受精を半年後にも行うということを発表しました。法律が特にない中で、そうして実態だけが進んでいくということになるんですけれど、それについていかがお考えでしょうか。
大臣:
これ以前もお話させていただきましたけれども、なかなか難しい問題で、生命倫理でありますとか、家族観でありますとか、なかなか国民の皆様方それぞれ、お持ちの感覚が違うところがございましてですね、なかなかこれ、統一したルールというものをですね、今現状で我々も作れていないということでございます。いずれにいたしましても、そういうことがあること自体は報道等で我々も知っておりますので、注視しながら、また海外の事例等々も研究しながらですね、今後どうしていくべきかということも、少し時間をある程度かけながら、我々見守っていきたいなというふうに思っております。
記者:
ただ何か目途というかですね、何もなくというのは。
大臣:
以前もね、検討会やったんですけど、まとまらないんですよね。それぞれ御議論いただく方々の中でも、そういうのが、いろんなお考えがあられると。多分、国会においても、政党間でも違うでしょうし、政党の中でもいろんな御議論があられるんだと思いますので、なかなか行政が一律的にこうだというようなことを決めるというのは、心の中の問題も含まれていますので、なかなか難しいというところがございます。ただ一方でですね、それによって生まれてこられる新しい命、お子さん方のですね、知る権利どうするのかとか、いろんな課題があるということも存じておりますので、そういうことも踏まえながらですね、ちょっと時間をかけながら、どうするかということは考えてまいりたいというふうに思いますけれど、今取り立ててすぐに検討会を立ち上げるという、そういう状況ではないということであります。
記者:
それから、水道管についてお伺いしたいんですけれども、水道管の老朽化が以前から指摘されていまして、ただ現状では自治体になかなかお金もないことから改修が進まないと。非常にその老朽化した水道管が非常に多くあって、ただ、予算面で水道事業は水道料金から成り立っているということで、国として何か方策を考えるということがあるんでしょうか。
大臣:
これ戦後ですね、急速に水道管の整備をしてまいりまして、法定耐用年数40年だったと思いますけれども、かなり、7.8%ぐらいという話ですから、5万キロ弱くらいですかね、4万数千キロだと思いますけれど、だいぶ法定耐用年数を超えてきていると。これ実は下水道も同じような状況で、下水道も各地域で陥没していろんな現象が起こってますけれども、我が省は上水道の管の方が一応所管でございますので、そういう問題意識は持っております。ただ一方で、これ独立採算方式でですね、それぞれ各自治体でですね、対応いただいておるというような、形は公営企業とかもありますけど、そういう状況でございますから、基本はですね、アセットマネジメントをしっかりとやっていただくということで我々も指導しているということで、資産管理していただきながらですね、計画的にどう整備していくか。ただ一方で補助金もありますので、ただ補助金の予算がですね、補正と今年度合わせて、だいたい650億弱くらいかなという状況で、これも予算がだんだん厳しい状況ではございますが、こういうものをうまく利用していただきながらですね、整備をしていただくということをお願いをさせていただいておるわけでありまして。やはりこれは大切なインフラですから、なんとかしっかりと資産管理をしていただく中において計画的に整備をしていただくということをお願いをさせていただきたいというふうに思います。
記者:
補助金を増やすとか、他の方法というのは。
大臣:
これはなかなか我が省だけで議論できる話ではございませんし、全体の予算の中でどうしていくかという話でございますから、元々、先ほども言いましたけれども、やはりある程度独立採算でやっていただいておるということが前提ではありますけれども、それをお手伝いするという意味での補助制度でございますので、そういうものを活用していただきながらという話になると思います。
記者:
生殖医療の関係なんですけれども、法制化の話、先ほどお話ありましたけれども、一方でですね、再生医療に関しては今回新法を作るということでやっていて、細胞治療、細胞を使った治療についてですね、規制をかけるということですね。同様に生殖医療に関しても生殖細胞を培養したりとかですね、そういうことがありまして、当然その培養の時の安全管理とかそういうことについて何らかの基準が必要だという考え方もあるかとは思うんですけれども、一方で作って一方で作らない、そこについてはどうですか。
大臣:
再生医療の場合は主にiPS細胞ですから、基本的な考え方がですね。そういう意味からすると、ちょっと生命倫理という考えからからすると若干違うというふうには思います。そもそも、今回の問題というのは子どもを出産をするための一つの医療ということですから、そういう意味でやっぱり生命が生まれるということに対してどう考えるか、それが夫婦間のものでないものから生まれてくるというものに対してどう考えるかという、ちょっと再生医療のですね、どうするかというような一連の法律改正とはですね、若干ちょっと考え方が基本的に、何ていいますかね、その生命倫理観みたいな問題とは違うので、向こうがもし、命が生まれてくるというものならば当然同じような話にはなると思うんですが、一方でおっしゃるとおり、じゃあ安全性どうするんだという御議論は確かにあるとは思いますけれども、それも含めて、もし、そこをですね、整備してしまうと、それ自体認めてしまうということになるので、なかなか難しい議論になるというふうには思っております。
記者:
生活保護法改正案についてお聞きしたいんですけれども、これまでですね、審議会などでも議論されていなかった申請要件を厳格化する項目が入っているとして市民団体などが反発を強めているんですが、具体的には24条なんですけれども、申請時に資産や収入の状況を記した書面を提出し、必要な書類を添付することを義務付けるというようなものなんですけれども、なぜこれが入ったかということと大臣の御所見をお願いいたします。
大臣:
今までも運用でやっていたことで、当たり前のことですよね、それは。それが前提の話だったと思うんですが、それを法律に書くというだけの話なので、それほど運用面では変わらないと思いますし、一方でやっぱり生活保護という制度に対しての信頼性ということを考えればですね、法制度の中でそういうことを明記した方がより信頼感といいますか、そういうものは高まるんであろうと。ただ運用の中においては各自治体でやってきていただいたことなので、収入認定もしなきゃいけませんし、いろんなことやらなきゃいけませんから、そういう意味からいたしますと、そんなにそれで運用が変わるという話ではないと思います。
記者:
関連して、生活保護について、大学進学の貯蓄を認めるという運用が始まると思うんですが、子どもの貧困対策法をですね、準備していることも兼ねて、子どもの貧困に対する所見をお聞かせいただけますか。
大臣:
子どもの貧困という問題はですね、私自身いろいろとこう考えるに、一つは貧困率っていう考え方がありますけれども、貧困率だけではなかなかですね、議論できないところがあると思います。それはなぜかというと、世帯収入としては貧困ラインを超えていてもですね、実際問題、親のお金の使い方によって子どもが実際貧困が起こるということもあるわけでして、かなり広い部分を見なきゃいけないというふうに思います。生活保護全体でいうと、たぶん生活保護世帯、特に母子世帯なんかは貧困ラインより上になっていると思うんですよね。だけれども実際問題、じゃあどういう状況かというと、なかなか大学に行くことが前提になっていないと。これはですね、やっぱり例えば児童養護施設に入られておられるお子さん方は大学に行くようなことを想定をしているんですけれども、生活保護世帯は大学に行くことを想定されていない。それはなぜかというと、全部使い切らなきゃいけないということですよね、生活保護費を。だからそこはやはり子ども達の未来ということを考えるとですね、将来より高等な、高等というか高度な学問、高等教育をですね、学んで、そして自立していこうというようなお子さん方にとって、やはりハンデになるんではないかということで、そういう意味では今まではだめだったんですけれども、そういう進学というものを一つ焦点に置きながら、貯蓄をするということに関しては、たぶん自治体に一応届け出てというような話になると思いますけれども、道を開いてもいいんではないかというようなことを今検討をいたしておるということであります。 ただそうはいっても大学に行かれたときにですね、なかなかその大学に行っている生活費まで生活保護でみるかというとなかなか難しいところでありますので、そこは御自身である程度御努力はいただかなきゃいけないんだと思いますが、ただ一方で、まず大学に行くための支度金といいますか、準備金いりますからね。それ何も無しでは行けないんで、そこはちゃんと準備できるようにした方がいいんではないかということでですね、そういうような形を取らさせていただきたいなということで今検討をいたしております。いずれにいたしましても、貧困の連鎖という意味ではですね、やっぱり子ども達がそれぞれ自分達で自立していこうというものをですね、阻害をするようないろいろな要因というものは取り除いていかなきゃいけないということでございますので、今与野党間でもいろいろな御議論をいただいておると思いますけれども、そちらはそちらでいい法律をお作りをいただきたいなという思いはあります。

(了)