田村大臣閣議後記者会見概要

H25.5.7(火)10:04 ~ 10:20 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭、私から本日はございませんので御質問がございましたらよろしくお願いします。

質疑

記者:
連休明けまして、また国会審議の方が本格化すると思いますが、厚労省としてまだ積み残しの法案がいくつかあると思います。年金関係とかですね。残り会期が50日程度ですけれども、どういった法案の審議が促進していくことを期待していますでしょうか。
大臣:
まず、まだ1本しか法律が成立しておりませんので、引き続き衆議院で可決した法案を参議院の方で可決していただくように努力をしていかなければならないというふうに思っております。この国会、なかなかスムーズに動いていないという、厚生労働委員会の現状もございますので、野党の皆様方にも御協力いただきながら、なんとかしてですね、現在停止している法律案に対しまして御理解をいただくように努力してまいりたいというふうに思っております。それからあとですね、これからの予定で、薬事法、それから、再生医療の新法ですね。さらにはですね、生活保護法、生活困窮者の新法、こういう法律に関しましても、法律の提出をさせていただくように、努力をしてまいりたいと思っております。
記者:
一部報道で、例の70から74歳の医療費の負担について、やはり今年度は見送るのではないかという報道が出ているんですが、結局どうなるんですか。
大臣:
私もびっくりしまして、連休最中に報道が出たものでありますから、まだ何も決めてないわけでありまして、これからもですね、何とかできる限り早く本則に戻していきたいと。一方で、以前から申し上げておりますとおり、低所得者の方々に対するですね、対策を打たなきゃならんという部分がございます。これは与党の中でも調整をつけなきゃいけない話でございますし、財源がかかる話でございますから、その調整を引き続き図っていかなければいけないと。ちょうど来年度予算に関しましてですね、これからいろんな審議をしていかなければならないと。今年度中という話であれば、これは予算の方は一応補正でつけておりますので、今年度の話に関しましてはですね、予算を執行しないという話、補正を執行しないという話になると思いますので、それで事足りるわけでありますけれども、1年の話ではございませんから。本則に戻すという話になりますので、来年度予算も含めて議論をしないといけない話になってまいりますから、それを踏まえながら議論を詰めてまいりたいというふうに思っております。
記者:
これはもう参院選の前には出ないとは思うんですけど、その後になると来年度予算の段階では目処をつけたいという感じなのでしょうか。
大臣:
今年度、たとえば、途中でですね、2割負担に戻すということは、これは要するに執行しないという話になりますから、そういう制約が大きくないといったらあれですけれども、やれないことはないと思いますんで。今年度だけという話にはならないわけでありまして、それは来年度との絡み、予算との絡みも出てきますから。もちろん、2割の負担に戻すことでありますから、予算がかかるという話ではないんですけれども、しかし、予算全体の中ではかかってくる話でございますから、それも含めて議論をしていくという話になってこようというふうに思います。
記者:
社会保障制度改革国民会議の方で、介護保険の軽度者について、市町村事業として委託した方がいいという提案が出ていますけれども、厚労省としては今後どのように。
大臣:
そういう御議論があることも承知をいたしておりますし、以前からそういう御議論というのは何度も出てきている話でございます。一方で、今まで介護保険の中で介護給付という形でやっておった部分もあるわけでございまして、それをですね、いきなり地域という話になりますと、なかなかそういうような受け皿ができるのかどうか。基本的に業者だけではなくてNPOでありますとか、いろいろなところが介在をしていただくことが一応基本的な考え方の中にありますから、受け皿がないのにですね、いきなり事業をそちらの方に移していくということになればですね、これはかなり地域によって差が出てくるわけでありますから、そこのところも勘案しなければいけないというふうに思いますので、これから御議論をしっかりいただく中においてですね、どうするか検討の上、最終的に方向性を決めていきたい、このように思っております。
記者:
それは審議会で審議をした上で検討していくということでいいですか。一部報道で「方針を決めた」っていう。
大臣:
決めていません。審議会の中でそういう御議論があるということを承知した上でですね、いつからやるかというよりも、まずやれるような受け皿が整うのか、それから当然サービスを受けられる高齢者の方々の御意見もやっぱりお聞きをしていかなきゃならんという話だというふうに思います。いずれにしましてもこれ、介護報酬の改定に絡んでくる話にもなりますから、少なくともそれを見ながらの話になってくると思いますから、決定したわけでもございませんし、今まだ検討、御議論をいただいた上で検討していく、またさらに関係者の方々の御意見もお伺いするというような段階でございます。
記者:
風しんに関してなんですけど、増加傾向がずっと続いている中でですね、傾向の今後の見通しと、改めてなんですけど対策を再度お願いします。
大臣:
見通しといいますかね、なかなか見通せない部分もあるんですが、やはり例年に比べてかなり高いペースでですね、風しんが拡がってきておるということは大変我々も憂慮しておるわけでありましてですね、心配なところだと思います。とにかく20代から40代にかけての男性の方々が特にですね、予防接種していないということでございますので、これから結婚されたり、また妊娠をされる、そういう機会の多い、そういう方々が情報を取得する機会の多いところでですね、情報発信をしていって皆様方にですね、御理解をいただきながら注意を促していくという形になろうというふうに思います。もちろん出産を控えられた御家庭等々は大変注意をしていただかなきゃいけない話でありますが、それのみならず、やはりこの年代に当たる方々がうつれば当然、間接的に出産の近い方々にも感染していく可能性が高いわけでありますから、やはり20代から40代の男性の方々にしっかりと啓発していくといいますか、注意をいただくよう促していくということが重要であろうというふうに思っております。
記者:
日本式医療の国際展開ということで、厚労省が新しい室を検討されておりますけれども、これの検討状況とですね、具体的にどのようなイメージでその仕組みの中で行っていくのかということを、規模等を含めてお願いします。
大臣:
これは官邸中心にですね、日本の医療サービスや技術を国際展開していきたい、それに合わせて医療機器でありますとか医薬品なんかもどんどん海外の方に広がっていけばいいという元において、成長戦略の一環としてですね、総理もこの間ロシアに行かれた時にそういったお話をされたわけでありますが、MEJ(Medical Excellence JAPAN)ですよね、これに関していろいろな動きがある中で、我々もですね、厚労省にしっかり対応できる体制を整えなければいけないということでございまして、例えばどういう活動をするかといいますと、一つはですね、当然のごとくそういうような医師というか医療技術者ですよね、そういう方々も海外に出れるような形で要請もしなきゃいけないでありましょうから、それに対する対応でありますとか、そもそも向こうの、海外の医療機関の方々が日本に来ていただいて、日本の素晴らしい医療技術だとか、医療機器だとか、医療サービスに触れていただくということもしていかなきゃならんわけでありまして、そういう方々を受け入れていくということも必要であろうと思いますし、それから医療のそれぞれの保険といいますかね、制度があるわけですね、海外において。それからまた、いろいろな医薬品でありますとか、医療機器の認証の基準というものもありますし、そもそも産業的な観光というものもありますから、その国のそういうものをしっかりとこちらでもですね、情報を取得した上で、外務省でありますとか、経済産業省と連携しながらですね、やはり作戦、戦略を組んでいかないと、行こうと思ったけれどもそもそもその機械がそちらの方で出せなかった、使えなかったという話じゃどうしようもない話でありますから、そういうことを総合的にやはり検討するような組織を厚生労働省の中にも作らなきゃならないと。場合によっては向こうから来られる方、今もやっておりますけれども、来られる患者さんを、日本のその医療を提供する3か所くらいがありますかね、そういうところに来ていただいてですね、日本の素晴らしい医療技術というものを体験していただいて、海外でまたそれを宣伝していただくということも必要かも分かりません。 いずれにいたしましても、総合的にそういうことを考えながら進めなきゃいけませんが、一方でですね、国内からですね、仮にそういう形で医療技術者や医者が海外に行くということになれば、国内の方も医師不足の状況でございますから、そこのバランスも考えなきゃいけないわけでありまして、そういうことも含めてトータルでいろんなことを戦略的に考える、そういう組織が必要であろうと。これは全体のパッケージ的なものを海外に出していくための準備と並行してその室をですね、作っていかなきゃならんということになると思いますから、そう遠くない将来、この室を作って後押しをしっかりしてまいりたい、このように思っております。
記者:
その室は来年度設置という理解でよろしいんでしょうか。
大臣:
来年度なのか、今年度中に作るのか、いうなれば準備ができた時点で組織が動いていくという話になりますから、いつまでにというよりかは、今この医療の国際展開といいますかね、医療サービス、技術の国際展開、パッケージ展開っていうようなものと並行して、必要に応じて、準備ができれば作っていくという話になろうと思います。
記者:
薬事法の関係なんですけれども、今みたいな成長戦略の文脈で語られることが多いわけですけれども、一方でその副作用の対策の強化とかですね、そういうところもあるわけで、そのあたりの兼ね合いというかですね、それについてどのようにお考えなのかということが1点とですね、それから当然薬事法の話になるとですね、これまでの議論で第三者機関を作るという議論があるわけですけれども、当然法案提出する場合はそういう話は出てくると思うんですが、それについて現状・検討状況はどのようになっていますか。
大臣:
安全性というものは大前提でございますから、これをないがしろにしてですね、薬事法を改正したり、再生医療新法を作るということはないというふうに申し上げたいと思います。例えば、再生医療新法に関しては確かに条件付き期限付きでという話ではございますが、一方でこれは安全性を担保した上で、その有効性に関してですね、後々また検証をしながらやっていこうという話でございますし、安全性を担保したうえで再生医療に関して、例えば医療製品でありますとか、承認した形になると思いますが、これに関しても全く新しいものでありますから、承認した後の安全性に関しては定期的に検討していかなければならないと思っておりますので、そのような意味からしますと安全性というものはしっかりと担保するということは大前提であると御理解をいただいていいというふうに思います。 それから第三者機関といいますか、例の薬害に関しての部分でございますが、これに関してもですね、薬事法改正に間に合わせてなるべく合わせていくような形で、これは努力してまいらなければならないと思っておりますが、閣法をですね、政府提出法案として出してもらいたいという薬害被害者の団体側の御意見は十分我々も踏まえさせていただいておりますが、一方で、そういうものができるとかできないとか、閣議決定を乗り越えられるとか乗り越えられないとかということは検討いたしておりますけれども、なかなかまだ結論まで至っていないという状況であります。一方で、与野党の中で、議員立法も視野に入れながらの活動をいただいているということもお聞きしておりますが、お聞きしているというか、なにぶん私も以前から入っておったわけでありまして、そういう意味では私もよくわかっておるという話でありまして、被害者団体の皆様方が政府提出法案ということでかなり思い入れがあられるというふうにもお聞きをいたしておりますので、議員立法という形になるのかどうなのかということも踏まえて、状況を見ながらですね、我々も閣法ということを、自民党政権以前の、前政権の3大臣がお約束をされておられたということもお聞きをいたしておりますので、それは役所として、行政は継続しておりますから、先ほどいいました閣議決定という大きなハードルはありますけれども、これを乗り越えられるか乗り越えられないのかということも含めて、検討をさせていただきながら、薬事法等々の改正とですね、バランスといいますか、方向性を見ながらですね、今議論をさせていただいているという状況でございます。

(了)