田村大臣閣議後記者会見概要

H25.2.22(金)10:52 ~ 10:16 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、冒頭私から。まず、認知症高齢者グループホームの件でありますが、消防庁や国土交通省と連携して調整してまいりましたけれども、本日から、総務省の消防庁が全国の消防本部を通じて、小規模の社会福祉施設のスプリンクラー設備の設置状況等について、調査を行うこととなりましたので、厚生労働省としましても本日付けで、各自治体の介護保険主管部局長に宛てて、認知症高齢者グループホームにおけるスプリンクラー設置等の実態調査を実施していただくように通知しました。実質的には調査なのですが、介護保険主管部局職員と消防本部、消防署、の職員が一緒になって、グループホームの方に行っていただきまして、まず未設置理由の確認等を行うのみならず、設置に向けて専門的な見地から助言をすると。場合によっては具体的にそこで色々な話をしていくということです。そこの部分で何でできないのかという部分も含めてですね、あった場合にまた持ち帰って、そういう理由、検討した上でですね、対応を指示していくというような形になってこようと思います。調査結果、4月19日までに厚生労働省までに御報告いただくということになっています。障害者のケアホーム、グループホームに関しても、大体同じような段取りで、各自治体に調査を依頼していくというようなことであります。これが1点であります。 それからもう1点でありますけれども、昨日の日本経済新聞の夕刊でですね、病院も含めた高台移転、この支援についての報道があったわけでありますけれども、移転費用の最大4分の3、これを公費負担するという制度の対象、医療機関という話もあったんですが、これは社会福祉施設でありまして、病院は同じではありません。この部分は記載が間違っているということでございます。ただし、災害拠点病院等の高台移転の整備に係る設置者の自己負担、これに関しましては無利子融資を行う、この部分は正しいということでございます。医療機関でありますけれども、今回の補正予算による地域医療再生基金、500億円ほど積んでおるわけでありますが、これを活用していただく他ですね、災害拠点病院等の耐震化については、医療施設耐震化臨時特例交付金、これも利用ができるということでございまして、移転の新築に関する場合は御活用いただけるということでございます。 以上2点、私からの御報告でございます。それではどうぞ。

質疑

記者:
前回の自公政権まで実施されてきた労組の連合の幹部と、首相や厚労大臣らとの政労会見について、ちょっとお伺いしたいのですが、現安倍政権では実施はまだされていませんが、民主党最大の支持団体の連合との政労会見の適否、実施の見通しについてのお考えがありましたら、頂ければと思います。
大臣:
民主党政権以前も、ずっとやってきた話です。そういう意味からしますと、今のところまだ申入れがないのですね、連合の方から政府の方に対して。ですから、連合の方から申入れがありましたら、政府の方で検討して対応するということになると思います。
記者:
それは、要望があったら前向きにされるという。
大臣:
まあ前向きといいますか、政府で相談をした上でという話だと思いますので、まだ来ていないものですから。検討するというわけにもなかなかいかないものでありますので、そちらをお待ちしてからということになろうと思います。
記者:
待機児童の問題でお伺いしたいのですが、2月に入って、4月に認可園に入れるかどうかという通知が、今届き始めているのですね、保護者のところにですね。それで例えば杉並区ですと、もう3倍の倍率で、大量の方がもう認可園に入れないというふうな状況になっているのですが、政府は幼児教育の無償化を今検討されていて、幼児教育というと、どうしても対象が3歳、4歳、5歳になりますが、今喫緊の課題としては、0、1、2の待機児童対策だと思うのですね。幼児教育の無償化に、8,000億円を超える巨額の財源をつぎ込むというのは、そこに落ちたお母さん方から言わせると、大変ピントがずれているのではないか、その政策についてですね。そういう声がありますが、大臣がどのように、この無償化についてお受け止めになられておりますでしょうか。
大臣:
待機児童対策は今もずっとやってきている話でありまして、これに対しては例の子育て三法、これに関しましても、そこをターゲットにですね、制度改革をしてきたわけであります。そういう意味では、これからもこれは随時進めていかなければならない話で、毎年計画に合わせて、待機児童解消の枠を増やしていくという話になります。一方で、幼児教育の無償化は、今言われましたとおり、3、4、5歳でありまして、対象が違うではないかと言われますが、当然のごとく、それぞれ色々な年齢層に対しての政策があるわけでありまして、幼児教育の無償化といいますか、幼児教育も重要であることは間違いない。子育て三法は、そこにも1点ターゲットがあるわけですね。ですから、そこも予算をしっかりと確保することが前提でありますが、進めていくと。ただし、すぐに8,200、8,300億円用意できるというような話ではありません。ですからそういう意味からしますと、財源確保しながら、それを進めていくということでありますし、これは文科省の考え方ですが、今回3人目以降は、幼稚園無償化になっていますよね、幼稚園に関しては。そういうのは、文科省サイドではそういうことを一つターゲットにしてやられた、来年度に向かっての政策なのかというふうな気はいたしておりますけれども、いずれにしましても、両方大事な話であります。我が省といたしましては、待機児童の問題もしっかりと対応してまいりたいと思っています。
記者:
待機児童の対策として、都心では土地が無いわけですよ。それで例えば、補助金ですとか、認可基準の見直しというといつも話題になるのですが、そういうことは改めて検討する可能性はありますか。
大臣:
そういうことも含めて、色々な小規模保育の形を新しい制度の中に入れていったりだとかして、対応してきているわけですよね。まだ完全に施行してませんから、これからなのですが、法律施行後の話になると思いますが、色々な意味での緩和、例えば園庭ですよね。園庭なんかを公園なんかと併用できると、近くのと。いうようなことをやったりだとか、色々な緩和はしてきています。確かこれは、東京都なんかは条例でお決めになられたのですかね、途中入られる定員枠を増やした場合には、2.5m2、3.3というのを2.5m2以上というような形で、条例で規制緩和をされたりだとかしているみたいです。使われているところがあるかどうかは、ちょっと私も把握していません。なぜかというと、それは一方でやはり保育の質の確保ということも、重要な各自治体での課題なのですよね。ですから、言われるとおり、土地が無いという部分がある反面、やはり質を落としたくないというお気持ちが、保護者の皆様方にも、また自治体にも表れているわけでして、ここはなかなかですね、その間に苦しんでおられるというところはあると思います。ですから、我々厚生労働省といたしましても、質を落とさずにどうやって保育所を作っていけるかということを、これからも検討してまいりたいと思っています。
記者:
グループホームの火災の調査の件なのですが、消防庁の方の調査では、グループホームに限らず、全般的な小規模の社会福祉施設について調査をして、ただ厚労省の方はグループホームに限られていて、それ以外のところについての今後の対応はどうなるのか教えてください。
大臣:
まずは、グループホームを、これはもう喫緊の課題ですし、この間も火事があったわけですから、グループホームをやらせていただきます。その後、一定程度をめどに、小規模多機能、色々なものがありますから、小規模施設に対しても対応してまいりたいなというふうには思っています。
記者:
対応というと、これからだと思うのですが、グループホームと同じようになぜ付けられないのかの理由を調査されたりというか。
大臣:
それも含めてですね、指導も含めてという話になると思いますが、指導というか何というのでしょう。助言といいますか。いや、多いものですからね。グループホームだけなら2,000位だと思いますけど、小規模の。他の施設というと、これ莫大な数になってきますので、なかなか一遍に全てに対応するというわけにはいかないものでありますから、まずはグループホーム、全部で2,000位だと思いますけど、小規模な。こういうものに対して対応していくということです。
記者:
グループホームへの対応なのですが、今後、何で付けられないかという結果が来てから本格的な検討だとは思うのですが、例えばうちで取材すると、なかなかこう水圧が低くてですね、1m29,000円の補助では付けられないという声があったりだとか、あと大家さんが駄目だと言うだとか、色々な声があります。あと、今回夜間の人員体制についても聞き取りをされていると思いますが、大臣として、今想定される範囲でどういった対応策が。
大臣:
夜間の問題は、火事に関して言えば、逃げるときの補助的な役割をされる人数が足りないという話になると思いますが、まずはスプリンクラーですよね。やはりスプリンクラーが正確に作動すれば、かなりの部分は抑えられると思うのですね、火事を。ですから、まずはスプリンクラーということで、あと、夜間の配置等々に関しては、これまたなかなか人を確保するのが大変であったりだとか、当然そうなってくれば、それぞれの運営費に関わってくる問題なので、なかなか解決するには色々な方面の検討が必要になってくると思います。しかし、スプリンクラーの場合は、補助が一応あります。もちろん、水圧が足らないとか、色々な部分で、その今の補助では十分ではないという部分に関しては、聞き取りをした上で、じゃあどういう対応をするのかという話になるのだと思います。しかしながら、今の補助で十分にできるところもあると聞いていますので、そういうところを中心にですね、助言、指導していくというような話になると思います。
記者:
新しい出生前診断についてお伺いします。学会の方では指針の作る作業を続けていたのですが、それより早い形である民間企業が独自に斡旋といいますか、仲介を実際に始めるということなのですが、もちろん国としては規制のしようがないのですが、逆にそういった実態がどんどん進んでいって法律がないということについては、改めてどういうふうに考えられますでしょうか。
大臣:
お聞きするところによると、グアムで採血をしてアメリカの機関で検査をしてみたいな、そういうビジネスモデルというか、形態のようでありますけれども、学会の方では、やはり施設の要件でありますとか、遺伝的なカウンセリングであるとか、そういうものをしっかりやろうという指針を去年の12月でしたか、指針案を作られたということでありまして、そういう意味では一定のルールに則ってやっていただくというような話で学会の方ではお進めをいただいておったようでありますが、今般の仕組みを作ったところは、当然学会が関与しているところではないということでございますので、こういう新たな形態というものが与える社会的な影響というのは結構あると思います。色々と検討といいますか調査をしていってどういうようなこれからの進め方をその企業がなされるかどうかも含めて調査をしっかりした上で対応せざるを得ないなと思っております。
記者:
対応と言っても、なかなか国はどういう形で対応しうるというふうに思っていますか。
大臣:
今のところ、これを法で制約するというところまで検討しているわけではございませんので、学会といろんな議論もしながら、そこから漏れるようなところに対してはどういうような対応をしていくのか、当然のごとく安全性の問題ですとかいろんな問題も出てこようと思いますし、そこも含めて、とりあえず今この仕組みに取り組んでおられるところが、今の実態、どういうような形態でやられているのかということも含めて調査をした上でないとなかなか検討、対応ができないなということでございますので、まずは調査をさせていただきたいなと思います。
記者:
改めて、法制化はなかなか難しいのは分かるんですけれど、このままでずっとまた更に何年もいくというのは、どうなのかなと思うのですが。
大臣:
もちろんそうだと思います。ですから、調査をした上で早急に何らかの対応なのか、メッセージなのかとりあえず何らかの対応をせざるを得ないとは思っておりますが、おっしゃるとおり、具体的に今すぐに何ができるかというと、我が方としても強制的なものは思い浮かばないわけでありまして、そういうところも含めて専門家の皆さんと議論させていただいて、その後対応するということになろうと思います。もちろん法制化をしろというような声が段々強くなってくれば、全く検討しないということではないんでしょうけれども、なかなかこの手のものを法制化で規制するというのは、今まであまり前例もないものでありますから、非常に難しいという認識は持っております。
記者:
今の件で関連なのですが、社会的な影響があるということをおっしゃられましたけれども、具体的に今回のケースが、好ましいと思っているのかそうでないと思っているのか、あと、どういった影響が考えられるのかその辺りのお考えを教えてください。
大臣:
私個人のコメントいうよりかは、各関係からいろんな御意見があられると。もちろん出生前の診断をすることによって、より胎児の健康性が分かるという部分もあるのですが、一方で生命の選別みたいなことが起こるのは非常に怖いという御意見もあられるわけでありますし、各般からのいろんな御意見があられる中で、まだこういうものに対して、十分な社会的な認知・認識がされていない中において、一定の専門家の助言やアドバイスや、いろんな情報の開示等々がなされない中で、進んでいくということに対して、将来にわたって社会的混乱が更に助長されていくのではないかという怖れが懸念されるということでございます。
記者:
足下の株高で、厚生年金基金の代行割れが結構縮小しているという話がありますけれども、今一部存続か全面廃止か別として、今の改革の流れというのが足下の株高で影響を受ける可能性はあるのでしょうか。
大臣:
改革の流れですか。
記者:
改革の流れといいますか、代行返上を促していく方向というのは基本的には変わらないですか。
大臣:
それで立ち直っていただいている基金があればいいんじゃないでしょうか。もう代行割れを解消して、3階部分まで確保できるという基金が出てくれば、それはうれしいことであって、基金が健全化するということは我々から見れば、憂えるどころかうれしい話でございますので、良いと思いますが、ただ、株が上がったと言っても、かなり財政的に厳しい基金というものは、今回の株高だけでは、なかなか代行割れ等々解消できていない状況にあろうと思いますから、それは粛々とそれぞれの基金が危機感を持っておられるんだろうと思います。少なくとも、これに関しては早く法律を作っていただきたいというお声があるのは今の事実でございますから、法律改正に向かってしっかりと我々は対応してまいりたいというふうに思っております。
記者:
今日、官房長官の下に健康・医療戦略室というものが立ち上がったと思うのですが、これに対応する関係で、厚労省の方ではどういった組織を予定しているのでしょうか。
大臣:
官房長官の方から発表されたようでございまして、安倍政権の成長戦略の大きな柱の一つといたしまして、今おっしゃられたとおり健康・医療戦略室が官邸の内閣官房の中で立ち上がったということでございます。これを受けて厚生労働省といたしましても、健康・医療戦略厚生労働省推進本部というのを作るということでございまして、医薬品でありますとか医療機器、それから再生医療、あとは国際的ないろんな取組等々を展開する部署を四つのタスクフォースを作って対応していくということでございます。言うなれば、内閣官房に作ります健康・医療戦略室の実働部隊を厚生労働省に設置をいたします。その上で、一定の期間をめどに一つの案といいますか、我が方の考え方みたいなものを吸い上げていただいて、全体として官邸の方では成長戦略の中の一つのパッケージとしてお示しになられるというふうな形になってくると思います。
記者:
これは、6月にまとめる成長戦略の医療部門についての具体策みたいなものをまとめるような位置付けですか。
大臣:
まさに今おっしゃられたとおりでございます。我が方としては実働部隊として、しっかりと頑張るという形になると思います。
記者:
大臣から見まして、民主党政権の下に設置されました、医療イノベーション推進室から、今度健康・医療戦略室に変わるわけですが、その違いみたいなものについては、何かお考えはありますか。
大臣:
医療イノベーション推進本部自体を我々は否定しているわけではないんです。もちろん医療の分野で、先進的ないろんなものを経済成長にも資していき日本の皆さん、日本の国民のみならず世界の方々の健康にも資していくというのは、我々も全く否定するものではないわけで、それを改組するというような形で、改組と言いますか、全体として制度の中で、パッケージとして成長戦略を作るわけでございますから、その中の実働部隊という形になりますので、改めて官邸の方針に合わせてこれを改組するという形になろうと思います。

(了)