田村大臣閣議後記者会見概要

H25.1.29(火)10:50 ~ 11:17 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、私の方から冒頭、退職強要の有無等の調査について御説明させていただきます。大手企業で、追い出し部屋と呼ぶべき部署に社員を集めて、十分な仕事を与えずに退職に追い込むというような動きが見られるというような報道がありました。こういう年末の報道を受けまして、記載された企業の方から、厚生労働省にお招きをして、聞き取り調査、事情を御説明を頂きましたが、その結果を取りまとめました。お手元の方に届いていると思います。概要ですが、厳しい企業の経営環境の下で、中高年の方々の社員を中心に、元の部署から配置転換というような形で、新たな業務に従事させる部署を設けていた企業があったのは事実であるということです。ただ、退職を勧奨するための部署ではないということでして、合わせて、早期退職の募集に際して、個別面談などの場で、明らかに違法な退職強要を行ったというふうにも認められないということです。これまでの聞き取りによりますと、やはり企業として今、経済状況が悪くて、仕事自体が無くなってきている中で、何とか国内で雇用を維持したいという思いから、新しい部署を設けて、そこで仕事、例えば、新しい仕事でありますとか、更には、それぞれ今までお持ちになられている技能、技術等々が色々な技術の高度化やデジタル化等々で、合わなくなってきた方々に対しての、再研修みたいな形でですね、その職場でそういうことをやっておられたということでしたが、労働者の方々からしてみれば、自らの技能、能力というものと合わせて、それが合っていないような職場であるから、非常に自分自身に対して不快というか、言うなれば、自分の能力を十分に活かされていないというような、不本意なお気持ちがあられたというふうに、そういう方もおられたというふうに、我々も思いますが、ただ、明らかに違法であったとは言えないわけであります。一方で、裁判所の判例では、被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況の下で、退職勧奨行為を行うのは違法というような、違法な権利侵害となるという判断が示されていますので、そういう意味からしましても、そのようなことがないようにということで、それぞれの企業に対して、啓発、指示をしてきたということでして、企業の方も、その点はよく理解していただいているし、そのようなことがないように努めてまいるという回答があった次第です。なお、その後、報道されている企業も含めて、そのような状況というものが改めて確認された場合には、また調査をしっかりしてまいりたいなと思っています。合わせて、必要な啓発指導も進めていくということです。詳細は、お手元の資料で御確認いただければありがたいと思います。 今、私の方からは冒頭は以上ですが、何か御質問ありましたら。

質疑

記者:
大臣、週末にテレビに御出演されましたが、介護保険の保険料の上昇を抑えるために、公費を投入するという、公費の投入を拡充するという考え方もあるというお話をされたかと思いますが、これについての考え方を、改めてお聞かせいただけますか。
大臣:
色々な考え方はあると思いますが、一つの考え方としてお示しをした、そういうふうに言ったと思います。一つの考え方として、そういう例もありますねというようなお話の中で、させていただきました。もちろん、国民会議等々で議論を頂く中で、最終的には、我々も色々な考え方をお示しさせていただきたいと思いますので、それだというふうに確定したわけではありません。
記者:
退職強要の有無に関する調査ですが、大臣、裁判例などに照らして、明らかな違法行為はないという御判断ですが、ではこういう状態を放置していて問題はないという認識なのかどうかというのが1点と、それからもう1点、国民の関心事としては、こういった追い出し部屋と呼ばれるような部署、ないしは退職の勧奨行為というようなことが大手企業で、人員削減を発表した企業の何割くらいで行われているのかというような広がりのようなことに関しても関心が高いと思いますが、そういった広がりに関する調査みたいなのは考えていらっしゃるのか、この2点を教えてください。
大臣:
例えば、御説明しましたとおり、そのような裁判の判例が大体定着しているということで、企業には、啓発指導をした次第でありますし、もちろんそれに対して、企業の方も御理解を頂いたというふうに思っています。ですから、今回の事例の中で、明らかにこれは違法だと言えるものがあったかというと、なかなかそこは難しいわけでありまして、御承知のとおり、労働基準法ですとか、労働安全衛生法でありますとか、最低賃金法、こういうものに関わるものでありますれば、これは行政法規でありますから、我々、違反行為に対して、行政処分というものもしていくわけですが、この場合はやはり、どちらかと言うと、民事法規ですので、そういう意味では、我々としては、裁判例に照らして、啓発指導をしていくと。色々あると思います。企業だけではなくて、労働者側の色々な御意見等々もありますから、それは、個別労働紛争解決制度の中で、それぞれ、労働相談をしていただく中で、そいういうものに対して対応していくという話になると思います。全体として、どれくらいあるかというのを調査するかという話ですが、今のところまだ、全体調査をするというようなことは考えていません。もし、大きな社会的問題になってくれば、そのときにはまた、色々と検討はさせていただきたいとは思いますが。
記者:
確認ですが、啓発指導をしたことに対して、企業側の反応というのは例えば。
大臣:
報告書に書いてあると思いますが、十分に理解をして、そのような対応を取っていくというようなお話です。
記者:
今日、経団連と連合の会談があって、春闘が事実上スタートしましたが、自民党政権としては、賃上げをして経済の活性化を進めたいというお考えであると思うのですが、非常に、経営側は賃上げに対して渋い感じですが、この辺について大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それぞれの労使の交渉の中でお決めを頂くことですので、我が省として、取り立ててコメントをする類のものではないと思いますが、なかなか難しいですね。企業にしてみれば、将来に向かって、業績が向上するという見込みが立ってこないことには、なかなか賃金を上げづらいという部分もありますし、一方で、労働側からしてみれば、やはり賃金を上げることによって景気が良くなっていくのだというような御主張もありますので、我々、内閣の一員として、とにかく、労働賃金が上がるということ自体は悪いことではないので、そういうふうな経済環境になるように、努力して努めてまいって、企業に利益を出していただくような環境を整備していくと。その上で、賃金が上がっていけばありがたいなというような、そういうような認識です。もちろん労使交渉を基にですね。
記者:
昨日、ファイナンシャルプランニングの件で試験で、問題が事前に出てしまったという話がありましたが、大臣はどのような報告を受けて、今後この試験の取扱いをどうするか、お考えをお聞かせください。
大臣:
試験実施団体の一般社団法人金融財政事情研究会から、一昨日の1月27日に実施した試験の問題が事前に漏えいしていたとの報告がありました。一昨日の試験は、金融財政事情研究会と、特定非営利活動法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会の2団体で実施していて、延べ26万人の方が受験申請されたとお聞きしています。試験問題の漏えい事実については、事実関係やその影響については、速やかに調査するように担当局に指示をしたところですが、多くの方が受験をされていますので、受験者の方に不利益が生じないように、十分に配慮しながら、調査結果を踏まえた上で、対応していかなければならないと思っています。
記者:
再試験、やり直すということは。
大臣:
まず、調査してみないと、どういう状況であったのかということを調査してみないと、何とも今のところは申し上げられない。
記者:
以前御発言されていた、年金再確認キャンペーンが、明後日から始まりますが、これについてお伺いします。キャンペーンの狙いを改めてお願いしたいのですが。お年寄りにネットが馴染まないのではないかという指摘もあります。狙いを改めてお願いします。
大臣:
前回も申し上げましたが、まだ2,200万件の未統合記録があるということは、大変大きな問題だと認識しています。この中で、9百数十万件は、この方ではないかということで、定期便等々をお送りしたのですが、違っていたり、返事が返ってこなかったりという問題もありますし、そもそも、9百数十万件はまだどこに統合していいのかということも事実確認ができていないことでして、こういうものを、まず御本人が、自分の記録、何か足らないのではないかというふうに御認識を頂けるかどうかということが、この記録の統合に一番近道であるのではないかということで、このようなキャンペーンで啓発させていただいて、御理解を頂ければと思っています。ねんきんネット、これは24時間いつでもどこでもつなげるということで、そういう意味では、一番今ネット社会になってきていますから、一番効率的に、これによって自分の記録にお気付きいただけるのではないのかなということで、ねんきんネットの活用ということをお願いしています。もちろん、ネットが高齢者の方々にはそぐわないという御意見もありますが、今高齢者の方々もかなりネットをお使いになってこられていますので、そういう意味では、ネットを活用するというのは、一つ大きなツールではないのかなと思っています。もちろん、それだけではなくて、テレビ等々での報道もさせていただきながら、積極的に取り上げていただくことによって、皆様方にそういう意識を持っていただいて、問合せも含めて、またそういうような、記録回復に向かっての一つの大きな流れができるのではないかということで、だいぶこれも年数経ってきていますので、もう一度幅広く、マスメディアの方々にもお取り上げをいただく中で、このキャンペーンがうまく広がっていけばありがたいと思っています。
記者:
もう一つですが、キャンペーン終了後にこの年金問題をどう進めていくのかと言いますか、回復委員会を組織変更されるということで、自民党政権になって、この問題にどう取り組んでいくのか、お願いします。
大臣:
回復委員会を改組するというか、法的根拠にある組織にさせていただくというのは、やはり責任として、法的根拠があるかないかというのは、それなりに国民の皆様方の受け止め方も違うのではないかという認識の下で、こういう改組といいますか、法的根拠のある中での組織にしようということです。そういう意味では、今まで同様、民主党政権から自民党政権に移っても、真剣にこの年金記録問題の解決に向かって取り組んでいきたい。元々、これは第一次安倍内閣のときから始まった話ですから、それに向かって取り組んでいきたいと思っています。26年の3月で、キャンペーンは一応終わる予定ですが、とりあえず、ここまでの間にどれだけ年金記録が新しく見つかるか、統合できるかというところを、まずは我々としては見ていきたいと思っていますので、もう、その後のことを考えるよりかは、まずはそこに向かって、我々としては全力で記録統合に向かっての活動をしていきたいということです。
記者:
2月1日より、BSEの国外対策の規制緩和が始まりますが、これについて各地で行われた説明会ですとか、昨日消費者団体からの抗議声明なども出ていますが、そういった方々への説明は、どのように果たしていくお考えですか。
大臣:
昨年の10月に、食品安全委員会の評価に従って行っている見直しですので、そういう意味では、やはり独立した第三者的な食品安全委員会というところの一つの方向性に沿った決定だということで、一つ御理解を頂きたいと思います。なお、アメリカで本当に月齢制度など輸入条件を遵守できるのかどうかというような御心配の懸念もお聞きしていますが、正直言いまして、輸入条件の協議でありますが、現地調査をする中で、新たな輸入条件をしっかりと対応していただけるものだというふうに我々も考えていますし、併せて、引き続き輸出国における遵守状況の確認のため、輸入時の検査は継続していきたいと思っていますし、定期的に現地調査等々もしまして、本当にこの輸入条件というものが守られているかということも、引き続き、我々としては確認をしていきたいと、そういうような活動をする中で御理解を頂ければなと思っています。
記者:
先ほどの年金記録問題のことなのですが、前の民主党が自民党から政権を奪った一つの大きな要因になったと見られていますけれども、これからの自民党の新政権としての取組に関して、安倍総理から何か指示、あるいはコメントみたいなことは頂いているのでしょうか。
大臣:
しっかりやってくださいということは言われております。確かに前政権、前政権になる前からでありますけれども、いろんな提案を頂いておりまして、サンプル調査ですとか、提案を頂いておりまして、そういうものをやる中においていろんな問題点が見つかってきたことも事実でございますが、大体やろうとしておったことは、第一次安倍政権のときに立てた計画ございましたよね。あれに大体沿ってやってきているわけでございますので、そういう意味では、その中での色々な気付きという意味でのアイデアというのは、確かに民主党の皆さんからもたくさん出していただいて、大変役に立った部分もありますけれども、方向性としては同じことを続けてきておりますので、それを完結すべく努力してまいりたいということであります。
記者:
昨日も会見されていたと思っておりますが、改めて生活保護費について、今後どのように理解を求めていくかということについて。
大臣:
今回の引下げと言いますか、適正化なのですが、この適正化というものは、基準部会等々から頂いた御意見を基に、あとは物価を反映させて、最終的にこのような決定をさせていただいたわけでございます。その点は、理由としてはちゃんと合理的に説明できる部分はございます。もちろん、それでも下げるということ自体は、下がる方々にしてみれば、忍びないではないかというようなお気持ちもあられることは重々承知いたしておりますが、一方で同じ水準で御生活をされておられる生活保護世帯でない方々との公平性みたいなこともございますので、そういうところを合わせながら御理解をなんとかいただきたいなというふうに思います。あと、住民税の非課税の限度額でありますね、こういうもの等にはねるというようなお話がございます。また、就学援助等々も色々と影響が出てくるのではないかというお話がございますが、就学援助に関してましては、文科大臣と色々と話をさせていただきまして、影響が出ないような方向で調整をしようじゃないかというような話を今日もさせていただいております。それから、そういうような方向で調整をしようということを話し合いをさせていただいております。それから、税の問題、地方税の問題、これは来年の話になってくるわけでありますが、これに関しましても党の税調の幹部の先生方と、やはりこれは決して生活保護の基準と、一体というわけではないねというようなお話の中で、影響が出ないような方向で検討・調整をしていこうじゃないかというようなお話をもう既にさせていただいておりますので、直接。そういう意味では、御懸念の問題は色々あろうと思いますけれども、そういう問題がなるべく出ないように早々に閣内、それから与党の中で、色々と理解を頂きながら、調整を進めさせていただいておるというような状況だけは御報告をさせていただきたいと思います。
記者:
関連です。就学援助に影響が出ない方策ということなのですが、今まさに調整を始めたところかとは思うのですが、例えばどんなアイデアがあるのかなとイメージとしては。
大臣:
要するに、基準を生活保護の基準額でやっているという問題でありましょうから、それを変えないという方法はあるかもわかりませんね、一つとして。それは、これからの調整ですからどういうふうな方策になるか分かりませんけれども。
記者:
あと、もう一つ、自治体が独自に決める準世帯というかですね、それに準ずるということで、自治体が独自に決めている、そちらの方にも影響も懸念されているようなのですが。
大臣:
それも含めて、それぞれ文科省等々の方からいろんな助言でありますとか、そういうことをしていくというようなお話になるんじゃないですかね。そういうことも含めて調整をさせていただきたいと。
記者:
いつ頃までに。
大臣:
それは、なるべく影響のないまでに、つまり生活保護が引き下がって影響が出てくるまでに、なんとか調整はしたいなと思いますが、まだ調整を始めたばかりでございますから、いつになるかはまだ確定はいたしておりません、もちろん。
記者:
関連で、今の就学援助ですけれども、文科大臣と今日お話しをされたということですか。
大臣:
ええ、お話ししました。
記者:
それは、閣僚懇の後ですか。
大臣:
ええ、ちょっとお話しさせていただきました。
記者:
それは、影響が出ない方向でということで合意されたということですか。
大臣:
影響の出ないような方向で調整をしてみましょうという話です。同じ問題意識をお持ちです。文科大臣も。つまりこれによって影響が出てくることは、あまりよろしくないねというような問題意識はお持ちです。
記者:
関連ですが、例えば保育料ですとか、国保だとか介護保険料の減免制度も同じような問題があると思うのですが、これは、厚労省内の所管だと思うのですが、これについてはどのように。
大臣:
これも、なるべく影響が出ないように調整をしてまいりたいというふうに思っています。どんな方策があるのか、ちょっとこれから検討でありますけれども。少なくともそれによって生活保護から脱却をされて、保険料を払ってまた生活保護に陥るという意味ならば同じ話ですからね。何ら問題のない話なので、生活保護のままであったという話でありますから、そこら辺のところはそこら辺のところで、それほど影響がないのでありましょうか、他にはねる部分があるかどうかも含めて、色々と検討をさせていただきながら、影響の出ないような方向で調整ができればというふうに思っております。
記者:
退職強要の調査について確認なのですが、この調査方法を見ていると、企業側に聞き取り調査をしたというふうに書いてあって、でも恐らく企業側と労働者側だと受け止め方とか認識が違うと思うので、調査をされていても一定の制約というか限界がある調査なのかなと思うのですが、そこら辺について受け止めいかがでしょうか。
大臣:
たしかに、そう言われるかも分かりませんが、一方で労働者の方の立場からされますと、やはり個別労働紛争解決制度というものがございますので、各労働局の相談窓口の方に行っていただいて、直接おっしゃっていただければ、これは個別案件として、調整に入るという話になりますので、決して労働者側の方々が、その自分が不合理だと思われているそういう問題に対して、相談ができるところがないというわけではございません。まさに個別案件として、やっていただく話になると思います。
記者:
生活保護の影響の関係で、最低賃金との整合性の関係も心配する声もございますが、その点についての御説明をお願いいたします。
大臣:
最低賃金の一つの目安といいますか参考として、生活保護基準というものがあるとは思うのですが、ただ、我々が決める話じゃないんで何とも私からいう話ではありませんが、最低賃金というものが、じゃあ生活保護が下がったから、それに合わせて下がるかというと、そもそも最低賃金を決める制度自体がそういうものではないと。生活保護を上回るようにというようなお話があるの事実でありますけれども、生活保護が下がったから、それを基準に下げるというような方向で、今そういうような議論は私としては認識はさせていただいていないと。どちらかといえば最低賃金はなるべく上げようということでいろんな議論がされているわけでありますから、それに合わせて下がるというようなことは、まずないのではないのかというのが私の私的な意見でございます。
記者:
昨日、通常国会が始まりまして、厚労省提出の法案、閣法は自民党の国対はかなり絞り込みを要請しているようなのですが、厚労省としての優先順位というか、ちょっと絞ると思うのですが、どういう判断基準で閣法を考えていらっしゃるかなと、特に必ず出すというような法案はありますでしょうか。
大臣:
今の時点でまだそこまで我が省として、固めて発表する段階にはなっていないわけでございますが、おっしゃっるとおりかなり厳しい日程的な制約があります。その中で予算、日切れ等々は何としても通していかなきゃならんと一定の時期以内にというふうになりますし、他の法案もいろんな制度との絡みの中で、これは何としてもというように思っている法案がいくつかあるのは事実です。ただ、そこの優先順位をどうこれから付けて最終的に決めていくかは、与党国対と相談をさせていただいて、進めてまいるということになりますので、まずはそちらの方とのいろんな詰めをさせていただきたいというふうに思っています。

(了)