小宮山大臣閣議後記者会見概要

H24.3.02(金) 8:55 ~ 9:08 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は私の方から冒頭3点申し上げます。 1点目は、今日公表しました雇用情勢についてです。1月の完全失業率は0.1ポイント悪化し4.6%、有効求人倍率は0.02ポイント改善し0.73倍。現在の雇用情勢は一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にあると認識をしています。今後とも東日本大震災に加え円高の継続による雇用への影響について注視していく必要があると認識をしています。東日本大震災についての雇用対策としては、いつも申し上げているように『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』フェーズ3で、産業支援と一体になった雇用の創造を一人一人に結びつけること、またNPOや企業とも連携をして就職しにくい人達についても基金事業で対応したいというふうに思っています。これも再三申し上げているように、割と早くに政策は打ち出して予算も付けているんですけれども、一人一人に結びついていないというミスマッチの問題がありますので、これはやはりきめ細かく、ハローワークでマンツーマンで1人が10人の担当者制みたいな形でやっているところもありますけれども、一層しっかりとやっていきたいと思っています。特に、被災地の強みである農林漁業とか水産加工業、医療・福祉などでの産業支援策と一体になった雇用面での支援、これを行う復興型雇用創出事業、また生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業、これを最初の企画どおりしっかりと働くように一層努めていきたいと考えています。 2点目ですけれども、閣議で独立行政法人の長の人事について了解が得られました。厚生労働省所管の法人としては、独立行政法人国立がん研究センター理事長の堀田知光さん、独立行政法人国立循環器病研究センター理事長の橋本信夫さん、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター理事長の樋口輝彦さん、独立行政法人国立国際医療研究センター理事長の春日雅人さん、独立行政法人国立成育医療研究センター理事長の五十嵐隆さん、独立行政法人国立長寿医療研究センター理事長の大島伸一さん、この皆さんにつきましては、公募による選考を経て4月1日付けで任命することにし、閣議で了解を得ました。 そして3点目ですけれども、今日は閣議前の少子化社会対策会議で「子ども・子育て新システムに関する基本制度」と「法案骨子」を決定いたしました。子ども・子育て支援は日本全体で取り組まなければいけない最重要課題で、現金給付・現物給付を車の両輪として、幼保一体化による総合的な総合子ども園を作るなど、総合的に子ども・子育て支援を行うという新たな制度、これは抜本改革も含む大きな変更だと思いますが、これが実現することに向けて全力を挙げていきたいと思っています。御承知のように、今回の社会保障と税の一体改革の社会保障の方のトップランナーというか大きな柱で、高齢者3経費に加えて、子育て支援もというところの柱でございますので、これは関係する6省の閣僚からもそれぞれの立場から全力を挙げたいという発言がございましたし、これは国会情勢からすると法案をきちんと通すことにまず全力を挙げていかなければいけないという心合わせもしたところです。 私の方からは以上です。

質疑

記者:
昨日がん対策で、具体的な数値目標が決められましたが、それについての受け止めをお願いします。
大臣:
そうですね、昨日のがん対策推進協議会で、がん対策推進基本計画が了承されました。それを私に手渡してもらったわけですが、ここでは小児がんとか働く人たちのがん、こうしたところにしっかり注力をしていくというところと、今御指摘のあった喫煙に関する数値目標、これは何度も入れようとして入らなかったものですが、今回は禁煙をしようと思っている人について、どのくらいのパーセンテージをかけるかという、比較的御理解を頂ける範囲で設定したと思っています。やはり、健康を預かる厚生労働省としては、その喫煙によって引き起こされるがんというのがあるわけですので、数値目標を盛り込めたということは、非常に大きいと思っています。こうしたことがしっかりと皆さんに周知されるように、広報活動などにも努めていきたいと思っています。
記者:
今の幹事さんの質問の関連で、今後基本計画にあってはですね、閣議決定が必要になると思うのですが、他省庁との話し合いの状況ですとか、原案には入りましたが、今後最後まで残りそうか、そこら辺の感触、今のところいかがでしょうか。
大臣:
原案に入れたのですから、閣議決定に向けてしっかりとやっていきます。「残りそうか」というのはどういう御発言かちょっと真意が分かりませんが、これは当然各省庁とも連携しながら、政府としてしっかりと決定したいと思っています。
記者:
新システムについて、非常に元に戻ったところでは、幼稚園は全面的に移行ということではなく、インセンティブを付けるにしても、存続が認められる形になっていると。改めて、幼保一体化を民主党としては訴えられてきましたが、それについては、少し後退した印象が結局拭えなかったかなと思うのですが。
大臣:
よく後退したとか一元化でなくて三元化ですとか報道されるのですが、そんなことは決してないと私は思っています。当初から、全部を一緒にするというのは、案はもちろん6案出しましたけれども、現実的に考えると全部やっていくというのは元々難しいと思っていました。これは消費税による税源が確保されないとですが、総合こども園にかなり多くのところがなれるように、配置基準の問題ですとか、職員の処遇ですとか、手上げ方式ですので、色々と手を上げていただけるようなインセンティブをしっかりかけていきたいと思っています。保育所は0、1、2歳のごく少数のものを除いては、先日申し上げたように、消費税が10%になった段階で、インセンティブをかけて総合こども園に集めていくということを本格的にスタートをし、3年くらいでほとんどの保育所は総合こども園になると考えています。幼稚園については、やはり宗教法人などで、信者さんなどに優先権を与えるところは、受け入れなければいけないという義務がかけられないということもあって、そういうところとか、後はブランド幼稚園でお受験があるような幼稚園とかですね、そういう特殊な事情のあるところは残るであろうと。それは当初から実はそういうことは想定をしていたことなので、それ以外のところについては、インセンティブをかけることによって、元々都市部で保育所は足りないですが、少子化の影響を受けて、平均すると幼稚園は3割空きがあるので、今までのようにやっていくよりも、この総合子ども園でやった方が、8割くらいの幼稚園が預かり保育をしているわけですから、そこの財源などもしっかりと安定的なものが出てくるということで、わたしは多くのところが手を上げてもらえると思っています。全部移行するのに幼稚園の方はおそらく10年くらいはかかるのではないかと思っていますが、最終的には多くの総合こども園が作れると思っています。それから、所管するところを一元化するというのがもう一つの目的でした。これは当初からマニフェストでもお約束している、子ども家庭省を作っていきたいと思っていますが、今すぐ作れる状況にはないので、内閣府にそこを総合的に統括する部署を作り、総合こども園はもちろんそこで統括をします。それから残る保育所と残る幼稚園についても併任をかけるなどして、そこでしっかりと一元的にやりますので、三元化するということではありません。それは一体的に総合こども園に収れんをさせていって、そこも一つのところがしっかり所管をするということで、当初の目標どおり、狙っていたとおり進んでいるとわたしは思っています。
記者:
厚生労働委員会の方が再開されますが、法案の審議を含めて、改めて大臣の意見をお願いします。
大臣:
そうですね。厚生労働委員会は御承知のように、臨時国会の最後にちょっと不正常な形になってしまったものが、ようやく今日所信を読めるということになりました。厚労委員会は多くの法案を抱えていますから、与野党しっかり協議をして、1本でも多く、全部の法案が上がるように全力を挙げていきたいと思っています。
記者:
投資顧問会社のAIJですが、問題が大きくなっていって、厚生労働省として、今後どういうふうに考えていらっしゃるかというのをお願いします。
大臣:
これは先日の閣議後会見で申し上げたとおり、厚労省はやはりその指導監督をするということで、1年に1回その報告書を上げてもらっている、それの中身を皆さんに公表させていただいているところです。これは、15年ほど前に法規制からガイドラインという形に規制が緩和されていますので、その中で今のガイドラインで指導してきていますが、それではこういう事態が発生してしまったわけですから、そういう意味で有識者の方々にも、今こちらも厚労省でできる調査をしていますので、その調査結果も受けて、後はまた金融庁とか、証券取引等の監視委員会も調査をされますので、色々な動きも見ながら、厚生労働省としてできることということで、有識者の皆様にも集まっていただいて、6月くらいをめどにガイドラインの強化をどのようにするかということを、しっかり対応を検討していきたいと思っています。
記者:
有識者の検討会ですが、いつ頃具体的に招集されるのですか。
大臣:
それは今の調査の結果を見ながらと思いますので、議論をする材料が整い次第なるべく早くというふうに思います。

(了)