小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.11.18(金) 10:01 ~ 10:12 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と、その後の、除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合が延びましたので、少し予定より遅くなりました。私からは今日は冒頭2件。 1件は、閣僚会合ですが、除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合の1回目の会議が開催されました。来年1月から施行される放射性物質汚染対処特別措置法に基づく除染と、放射性物質による汚染廃棄物の処理に関して、政府が一体となって取り組むことを目的として、この関係閣僚会合が新たに設置されました。労働者や住民の方々が除染作業を行うにあたって、安全を確保することが重要ですので、今日の会合で、私からそのために新しい、以前皆さまにもお話した、作業する人の第2電離則のような規則、それと、住民の方やボランティアの方々も活用できる分かりやすいガイドラインの策定を検討していることなどを、説明しました。今後、この会合を通じまして、施策の総合調整と進捗管理などを行っていくことになっています。 それから2件目、来年春の新規卒業者の就職内定状況、9月末時点のものについてお伝えします。今日、来年春の高校、大学などの卒業予定者の9月末時点での就職内定状況を発表しました。内定率は、高校、大学とも、前年同月の水準を若干上回ってはいますが、依然として厳しい就職環境です。最も心配されました、被災地の高校生については、岩手、宮城、福島とも前の年を上回っています。これは、首都圏などのハローワークによる被災地の高校生向けの受け皿となる求人の確保などの取り組みによるもの、県外でいろいろと就職の開拓をしたことがある程度成果が出ているものだと考えています。ただし、まだ9月末時点での数値ですので、今後も前年を上回る内定率が維持できるように、日本全体で、被災地をしっかりと支えていく取り組みが必要だと考えています。厚生労働省としましては、今後も、ジョブサポーターによる徹底した支援や、積極的な求人開拓などによって、被災地をはじめ全国の新規卒業者が一人でも多く就職できるように、全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。 私からは以上です。

質疑

記者:
福島県で、主食であるコメについて暫定規制値を超える放射性物質が検出されて、県に出荷制限の指示がなされましたが、これについて大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
昨日、福島市旧小国村から産出されている玄米について、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限が、福島県知事に対して指示されました。厚生労働省では、それに先だって、福島県から報告を受けた段階で、福島県に対して、福島市の旧小国村、そしてその周辺地域で生産される玄米について、モニタリング検査の強化を要請しました。引き続き、福島県が実施している原因調査の結果も踏まえながら、農林水産省や福島県と連携して、しっかり対応していきたいと考えています。
記者:
先日の、社会保障と税の一体改革調査会で、受診時定額負担についてかなり反対する意見が出ました。昨日の医療介護ワーキングチームでは、70から74歳の患者負担を本来の2割に戻すことについて、反対意見が多数を占めました。これらの改革の実現について、大臣はどのような見通しをお持ちでしょうか。
大臣:
度々ご説明しているように、社会保障と税の一体改革の成案に基づいて、今、厚生労働省は、審議会の部会などで検討を進めています。一方で、党の方でもそれぞれのテーマごとにワーキングチームができて、検討をしているところです。ですから、70歳から74歳までの負担の問題、それから、高額療養費を抑えるための受診時定額負担の問題、これが党の方でもいろいろ議論になっていることは承知していますので、これから年末に向けて調整していきたいと思っています。
記者:
労働者派遣法ですが、製造業派遣や登録型派遣の原則禁止を削除する修正案を、厚生労働部門会議が了承しました。これによって、法案が骨抜きになるという批判もありますが、大臣のお考えと今後の審議の見通しをお願いします。
大臣:
労働者派遣法につきましては、厚生労働省は法案を出して、今、継続審議になっているので、なんとか審議をしていただきたいという働きかけを、各党に対して省としても行ってきました。ただ、ご承知のように、国会で各党の意見が大きく対立していて、まったく審議が出来ない状況でしたので、今回、各党がいろいろと検討されて、とにかく合意をみる方向になっているということは、このまままったく動かないというよりは、半歩前進、一歩前進ということかと思っています。ただ、元々出していた法案よりは、だいぶ規制を緩めるというか、規制をしない方向になりますので、それに対する様々なご意見があることも承知していますが、今のねじれ国会の中で、法案をこれで絶対いきましょう、と言っても、動かなくては何もその現状は変わらないわけですので、そういう意味では、これは半歩か1歩前進ということかなと、受け止めています。
記者:
年金の運用3号法案の閣議決定の見通しはいかがですか。
大臣:
皆さんに大変お待たせしています。私も、会期の問題もありますので、早く出したいとは思っているのですが、実質上、これはまずは第三次補正を通すということなので、それが通った後ですね。厚生労働委員会の法案としては、それに関連する年金の2分の1、それからB型肝炎の法案というのがまず先ですので、その後になりますから、その審議をするまでに出せばいいというような考え方もあるように聞いています。必ず出すというお約束をしていますので、そんなに先になるとは思いませんが、今日はまだ出さなかったということです。これは必ずお約束通り出しますので、もう少しお待ちください。
記者:
労働者派遣法が修正されて審議の可能性が出てきた中で、労働安全衛生法の閣議決定は優先順位として難しいとお考えでしょうか。
大臣:
厚生労働省としては、この国会に提出する方向で引き続き努力をしております。
記者:
優先順位としては、3党合意されました労働者派遣法の方が先でしょうか。
大臣:
審議は労働者派遣法の方が先になるでしょう。
記者:
来週政策仕分けがあります。一方では大臣の諮問機関である審議会で色々な議論がされていて、あるいは党の部門会議・ワーキングチームでも色々な議論があります。この結論、出される方向が違ってきた場合はどういうふうに政策決定がなされるのでしょうか。
大臣:
どう違うかは、まだ仮定の問題なので。ですから厚労省でやっている審議会、それから党のワーキングチームをはじめとする党の側の意見、それから政策仕分けでは民間の方も入られて、社会保障については最終的には大臣も各項目出席ということで、私も23日にサンシャインの方に行くことになっています。そういうところで議論をした末に政策仕分けとしての意見が出てくると思いますので、合わせて調整して最終的には私のところで判断いたします。
記者:
負担増について先程も質問があったように、党は負担増は難しいと後ろ向きで、あるいは政策仕分けではそういうことをすべきだという結論になった場合はどうするのでしょうか。
大臣:
それは、個別に私のところで判断します。元々、社会保障と税の一体改革の成案のところで、色々と新しくやろうとしていることが3.8兆で、そして色々とご負担をいただく部分が1.2兆ということを出しているので、その1.2兆が確保できなければやろうとしている政策が出来なくなるわけですから、それは個々にしっかり判断を私のところでしていきます。
記者:
昨日の社会保障審議会医療部会で診療報酬の基本方針案が示されましたけれども、改めてお伺いしますが、12年度の診療報酬改定率については大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
大臣:
それは、就任以来申し上げているように、これまでの方針を踏襲するということなので、少しでもプラスになる方向でやりたいと思っています。それは変わっていません。

(了)