小宮山大臣閣議後記者会見概要

H23.10.14(金)9:08 ~ 9:25 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
お待たせしました。今日は冒頭私から3点あります。 一つは、閣議の前に高齢社会対策会議が開かれました。今日の会議では、政府が推進すべき基本的かつ総合的な高齢社会対策の指針である、高齢社会対策大綱、この見直しに向けた検討を開始することを決定しました。つくられてから10年以上改定されていませんでした。だから、せっかくつくるからにはいろいろ役立つようにつくりましょう、という閣僚からの意見がありました。今後、内閣府に、蓮舫大臣の下ですけれども、有識者検討会が設置されて、大綱の見直しの方向性について議論をされるということです。厚労省としましても、内閣府をはじめとする関係省庁と連携して、つくるからには役に立つ大綱の見直しに向けて、議論に協力していきたいと思います。 それから2点目ですけれども、お手元に先日お配りしてあると思いますけれども、「がんばろう!東北新規高卒者就職面接会」について、今日ですので、お知らせしておきたいと思います。今日、仙台で、被災地の高校生を対象とした就職面接会、「がんばろう!東北新規高卒者就職面接会」を12時半から16時まで開催します。これは、岩手県、宮城県、福島県の生徒のために、この地域の生徒が就職を希望することが多い関東圏から、およそ130社の企業が仙台まで出向きまして、就職面接会を行います。これは関東圏のハローワークが参加企業を募って、企業に被災地まで出向いてもらう就職面接会、こうした取り組みは今回が初めてです。参加予定の生徒数はおよそ600人、参加予定のおよそ130社から、求人はおよそ1500人分ということです。現地には、牧副大臣が行きます。これからも全国のハローワークが一丸となりまして就職支援を進めて、卒業までに何とか就職が決まるように全力を挙げて行きたいと思います。 3点目は、資産公開についてですが、政務三役、これは就任、退任の時に資産を公開することになっています。今回の資産公開はお手元の資料の通りです。 以上です。

質疑

記者:
資産公開の件ですが、小宮山大臣ご自身の資産の内容について、どのように評価して、どのような感想をお持ちですか。
大臣:
評価、難しいですね。これは就任時、退任時に、本人や配偶者それから扶養する子の資産公開をするということが定められているので、国民の信頼を確保していく上で必要な制度だと思っています。私自身のものについて特に感想はありませんが、私もごく普通に60数年、仕事をしながら生きてきた結果がこういうことだと思っています。
記者:
資産公開制度について、改善すべきような点ですとか、制度そのものについて考えているところは何かありますか。
大臣:
今最初に申し上げた通り、やはり国民の皆さまから信頼を得るために今までつくられてきた制度がこういう仕組みなので、それに則って公開をしていますけれども、ここが足りないという点があれば、それは改善されていっていいものだと思っていますが、特に私が問題だと思っている点は、具体的にはありません。
記者:
それから話変わりまして、高額療養費の自己負担を軽減するのに、必要な財源を外来患者の診療費に100円を上乗せする受診時定額負担を検討されていると思うのですが、医師会などからは強い反発が出ています。どのように理解を得るお考えか教えてください。
大臣:
高額な療養費、これは皆さまにも報道していただいているように、特に中間のところの負担が重いであろうところを段階的に分けるといったような形で軽減したいという案を、今議論していただいています。財源を他から持って来られればいいのですが、なかなかそういう財源がない中で、どういう風に財源を編み出すかということで、受診時定額負担、これは社会保障改革の成案にも書かれているように、今、例えばということで、100円ということが出されているということです。ただ、これについては医師会とかあるいは党内からもいろいろなご意見があることは承知していますので、これから低所得者に配慮していく方法などと併せて、審議会でこれから詰めて行く話だと思っています。この間から私が再三申し上げているように、フルオープンでやらせていただいているので、社会保障審議会の年金部会とか医療の方の会議とかで、別に厚労省がこう決めたということで案を出している訳ではなくて、税と社会保障の一体改革の成案に盛り込んだ、たたき台として出しているのですけれども、紙面の一面などに、厚労省の案がこうでこうなる方向だ、というようなことが報道されますと、これはまだ今検討を始めたところなので、報道いただくのはいいのですが、そこのスタンスをぜひお願いしたいと。これは他の関係する閣僚からも党からも、いろいろなものがばらばらに出てしまうと、議論の進行の状況がなかなか分からないということと、案なので、検討していく中で変わっていく訳ですよね。ところが、それが決め打ち的に出ていると、却ってまた不審を招くようなことにもなりますので、再三申し上げているように、なるべく全体をまとめる厚生労働省社会保障改革推進本部をしっかり開いて、そこで皆さまに話ができるところはできるような方向で、この省内でも、どういう風にしたら皆さまが国民の関心もあるこのテーマで正確に報道していただけるかを、私どもも検討しますので、皆さまからも何かアイディアがあれば教えていただいて、なるべく正確な情報をしっかりと国民の皆さまにお伝えしながら、これは本当に大きなテーマですので、一生懸命取り組みたいと思いますので、ご協力をお願いしたいと思います。
記者:
主婦年金の3号から2号に切り替えをする件なのですけれども、民主党の厚生労働部門会議で厚生労働省の骨子が示されましたけれども、党内からは低所得者への減額、あるいは対象から外すようにとの意見も出たようですが、低所得者の取り扱い方について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今こちらから、政府の提出法案として用意をしているものはいろいろ考えた末つくった訳ですけれども、ただ、党内からも各方面からも低所得者への配慮がもっと必要だというご意見があることは承っています。そういう意味で引き続き、長妻座長が引き取られたということですので、座長に調整のご努力をお願い出来ればと思っています。いろいろと、どういう風にしたら出来るかということは、検討は私もそこのところはしていますけれども、ちょっとまだ、どういう形がいいということは党との調整などがあるので、ここで申し上げる段階には至っていません。
記者:
資産公開の件ですが、例えば、タンス預金であるとか、普通預金や当座預金などが公開の対象になっていないということが、不十分だという指摘がありますが、それについて大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
大臣:
普通の国民感情から言えば、普通預金にしておいたら全く公開されないというのはおかしいということはあると思いますので、資産公開の方法についていろいろな皆さんからのご意見を受けて検討されることは良いのではないかと思います。
記者:
TPPの議論の中で医師会が中心と思いますが、医療の分野でも今後非常に変化が見られるのではないかということで、強い反対意見が出ているのですけれども、改めて厚労省としてどういうふうにTPPを捉えているのかということと、医師会が批判している将来的にこういう可能性があるということをどうお考えでしょうか。
大臣:
TPPの交渉の中で、厚労省が所管しているものでは、医療ですとか医療保険、食品安全、外国人労働者などいろいろ影響が出る分野があると思います。ただ、プラスになる部分もあると私は思っています。今は、野田内閣がいろいろと調整しておりますが、議論に参加しないと材料が手に入らないわけです。想像の範囲内で今は、こういうことが起こるんじゃないかということを議論しているので、あまり生産的な議論ではないと私は思っています。出来れば実際にどういうことが検討されるのかの材料を手に入れて、今はどういう仕組みでやるかを検討している段階ですので、そこに参加をして日本にとって有利になるようにしていくという考え方もあるのでないかと、これは私の個人的な考えですが、そう思っています。また、厚生労働省としては十分に医療の関係者、食品安全、労働の問題の関係者とも意見調整をしながら対応していきたいと思います。
記者:
大臣は必ずしも最初から反対ということではないと。
大臣:
今は、全体的にこういうことがもし起こると、マイナスではないかという議論の方が先行していると思います。例えば、うちの所管ではありませんが、昨日もアメリカと韓国の間で結ばれて、そうすると韓国の例えば、自動車がアメリカに行くときに関税がゼロになると、日本からのときにはかかっているといったら競争にならないわけです。そういう意味で、日本が新成長戦略の中でも例えば、医薬品・医療機器についても打って出たいと思っているところもあるわけです。あと、水のビジネスとかもありますし。そういうプラスの面と、それから国内的に配慮しなければいけない点はしっかり検討しなければいけませんが、あまり一方的にマイナスだと言うのは偏っているのではないかなと思っています。
記者:
閣僚の資産公開ですが、大臣は東京電力の株を1,500株保有していますが、それの経緯と、今は東電などの電力会社が政治家を接待することが問題になっていますが、こういうことについてどうお考えですか。
大臣:
東京電力の株のことは再三聞かれますが、これは、3年前に父が亡くなりまして、その遺産相続です。ですから、私の意思として取得したものではなく、その後副大臣になり大臣になり、その間株の売買は出来ませんので持っているということです。一切そのことで東京電力と関係があるということではございません。
記者:
事業仕分けの話なのですが、その項目として、原発と社会保障ということが報道されているのですが、それについて何か指示があったりとか、社会保障が事業仕分けにかかることについてどうお考えですか。
大臣:
社会保障といっても漠然としていますよね。それはBSの放送での発言を取り上げてということだと思いますが、それは、全体のイメージとしてこういう分野もあるのではないかと言われたのではないかと思っています。直接私の方に何かあったわけではありません。
記者:
受診時の定額負担のことですが、今のところ政府・厚生労働省としては受診時定額負担を提案していると思うのですが、なぜ財源として保険料ではなく患者から取ることについての妥当性はどうお考えですか。
大臣:
それは、今検討中ですので私自身としてここをこうした方がいいという考えは持っていません。
記者:
今のところ受診時定額負担の方がより適当だというお考えだからこそ提案されたと思うのですが。
大臣:
考えられる選択肢の中では、こういうことでやるしかないのではないかということで、出していると思いますから、私自身も低所得者への配慮は必要だと思っています。そのやり方をどういうふうにするのか、いくらでどういう形でやるのかということは詰めていかなければならないと思っています。
記者:
保険料の引き上げは現状では難しいというご判断なのでしょうか。
大臣:
全体的に難しい状況の中で、こういう案を出していると思っております。
記者:
定額負担の議論の中で1回100円を入れた場合に財源が足りなくなってくれば、値上げがあるのではないかという意見があって、担当の官僚の方からはそれはありませんということですが。
大臣:
そのへんの仕組みについて再三申し上げているように、必要な人が受診を控えることがないように、特に低所得者への配慮が必要だと思っています。全体の仕組みについて社会保障の改革は超少子高齢社会の中で、いろいろなところに社会保障のニーズが毎年ふくらんでいく中で、それに対応して生活の安心をつくりたいと思っていますが、やはり財源はどこかで用意しなければいけないので、どうやってその財源をあみだすかという努力もしながらやらないといけないと。その中のひとつがこれだと思っていますので、財源が必要になる元になる高額療養費をどのように負担を軽減していくかということとセットですので、そこと合わせて全体として国民の皆様にそいうことなら納得だと言っていただけるようになるように努力していきたいと思っています。

(了)