細川大臣閣議後記者会見概要

H23.07.15(金)9:12 ~ 9:30 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今、閣議、閣僚懇が終わりました。今日は、第二次補正予算案の国会の提出、それが大きな決定であります。他には特に、厚生労働省関係のことはございません。 私の方からちょっとご報告をしたいと思いますが、17日には改正臓器移植法の施行から、ちょうど1年を迎えるということになります。そこで、改正されました臓器移植法のもとで、臓器移植の件数が増えてきているということ、それから15歳以下の方の臓器移植も1件ありました。徐々に法律の効果があらわれてきているということ、また国民のみなさまの理解も進んでいる、というふうに思っております。 一方で、先だってから報道がされていますように、医者であります方が違法に臓器移植をしていたと、この件が大変私としては遺憾に思っておりまして、医者でありながら違法に臓器の提供を受けるという、最もよくない事例も発生をしたと、そういう面では、臓器移植については慎重な運営をしっかりやっていかなければいけないと思っております。 もう1つ、高校生の就職の関係なんですが、これは調査をして、今日の午後、厚生労働省の方から発表があると思います。高校生が求職の件で、福島県、宮城県、これは先日申し上げましたとおり、求人の状況が厳しいということもございましたけれども、来年の就職で県外の方に就職を希望されている方が多くなっていると、そういう傾向が出てきているということでございまして、高校生の卒業生の方の来年の就職についてはいろいろな面で厳しい面があるようでありますから、厚生労働省としては今後、来年春の卒業生に対しての就職の支援をしっかりやってきたいというふうに思っています。

質疑

記者:
牛肉から放射性セシウムが出た件が全国的に広がりを見せていますが、厚生労働省としての受け止めと、今後についてお願いします。
大臣:
先だっては、南相馬の方から出されました牛肉につきまして、これが汚染されていたというのがわかりました。また改めて今度は浅川町の方で、事故の直後の15日から20日の間にわらを収集して、その肥料を畜産農家の方に販売していたと、そのわらが汚染をされていたと、それを食べた牛が東京とか横浜、仙台に流通をしているということがわかりました。こういうことが起こると、消費者のみなさまも心配だろうと思います。今後、どういう風に流通しているかを徹底的に調査をすることが重要かと思います。わらの件はこの業者だけだったかという点についてもしっかり調査しなきゃいけないということで、農水省の関係で、福島県の方で農家をすべて調査をされるということでございまして、私ども厚生労働省としては、肉の販売がどういう風に流通過程にのっているか、そこをしっかり調査をして、最終的には全頭的な調査をするということを今、農水省、厚労省、そして県の方と今相談をしているところであり、早急に決定していかなければいけないというふうに思っています。
記者:
大臣がおっしゃる全頭的検査とは、今回は浅川町という避難区域ではないところから出荷されてる牛だったのですが、この全頭検査とは福島全域と意味でおっしゃられているのでしょうか。
大臣:
福島の牛に関しては、牛そのものが原発事故によって、移動している牛なんかもいるわけで、あるいは県外に移動していることも考えられますし、そういういろいろな問題も抱えておりまして、今、農水省と私ども厚生労働省、そして県と検討をいたしているところでございます。区域も含めて検討しているところであります。
記者:
先日、総理が記者会見で脱原発というのを表明されたと思うのですが、そのことについて党内での議論を経ていないと言われてますが、大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
総理が3月11日の事故以来、総理が原発に対して考えや思いを持たれていることを、おまとめになったということだと、今日お話がございまして、私としては総理のことをそういうふうに受け取っているということです。
記者:
閣議の前にB型肝炎訴訟の関係閣僚会議が開かれたと思うのですが、どのようなお話し合いになったのか教えていただけますか。
大臣:
これは、6月の28日に原告団、弁護団の皆さんと国の方で、基本合意書が結ばれました、そして、同時に政府の基本方針を公表したところです。従って、それにを沿って、今後どういうような形で実現していくかということを、今日大まかに話をしたということです。単に今の、原告団の皆さんだけで和解をするというわけではなくて、今後、提訴される人達も含めた枠で解決というふうに合意書ではなっておりますから、その法案の提出をしていかなければならない、その法案を提出するのにはどのような問題があるかということ、患者さんに対しての給付、あるいはどういうスキームでやるかということを踏まえて今日ご説明をさせていただいたということです。
記者:
法案の提出時期についての話、見解の一致というのはありましたでしょうか。
大臣:
これは、なるべく早くというふうに考えておりまして、できるだけ早くということでございます。
記者:
法案の策定にあたってはいろんな課題があるとおっしゃいましたが、最大の課題は財源だと思うのですが、これについては、増税も含めてなにかお話はありましたでしょうか。
大臣:
今日は、そういう問題については突っ込んだ話はありませんでした。いずれ財源問題が大きな課題だとということで、提起をいたしまして、これは、皆そうだということで、認識の共有をしたということです。
記者:
今日の会議では出てないということですが、大臣としては、広く国民から負担してもらうということで、増税というものを選択肢の1つとして考えていくということでしょうか。
大臣:
集団予防接種でございますから、それによって利益を受けた方々がたくさんおられるわけで、一方で不幸にもB型肝炎にかかったということでございます。従って便益を受けたみんなが、そのB型肝炎にかかった方に対して負担を分かち合おうということでございますから、そういう意味では、増税ということも選択肢の1つにはなるということです。
記者:
先ほどの牛肉の全頭検査について、移動している牛もあると、県外に移動している牛もあることにも言及されましたが、そうなると、福島県産の牛で県外に出ているもの含めて全頭検査の対象になるということですか。
大臣:
私が申し上げたのは、そういう場合もあり得るということを申し上げたわけで、従来飼っていた場所から移動した牛もいるということも聞いておりますが、その中に例えば、そういうこともあったりすると、全頭数に入れることも難しい問題もあるのではないかという認識を申し上げただけでありまして、いずれにいたしましても、こういう藁が汚染をされていたということを考えると、他にもそういうことはないのかということ当然消費者の皆さんも心配されるわけでありますから、そこも含めて検査となりますと、相当広範囲に検討しなければいけないということで、そういう難しさがあるという認識を申し上げたわけです。
記者:
先ほどの脱原発関連で、総理が事故以来の思いをまとめたというのは、総理ご自身の発言ですか。
大臣:
そうです。総理がそうおっしゃっておりました。
記者:
閣僚懇でですか。
大臣:
はい、そうです。
記者:
確認ですが、全頭検査の件で、今は流通しているかは可能性がという話ということですが、全頭検査に関しては、県外も視野に検討するということですか。
大臣:
いや、全頭検査が県外もするかということは、まだ決まったわけではありません。もちろん県内の方が中心ですけれども、牛が移動していた場合にどうするかと。 このあいだの南相馬の場合は、農家の方が自ら藁を刈って与えていたということで、特定の農家の話でしたが、今回は飼料そのものを売買している業者がそれを販売しておりますから、そういう意味では検査の対象になることも広がってくる、そういう意味では、非常に不確定な要素が出てきたということで、検査をどうしていくかということは、いろいろな観点から検討しなければいけないということを申し上げたわけであります。
記者:
これまで、避難準備区域と計画的避難区域、要するに20~30キロ県内の牛の検査を、大臣は区域を区切って検査をするということを、全頭検査を検討するとおっしゃられていたのが、今度は全然その区域と違う区域から出ているので、福島県全域について検討するのかということですか。
大臣:
そういうことも含めて検討しなければいけないと思っております。前回よりも区域的にはもっと広げた形でです。
記者:
県外に移動している分についても、もしかしたら検討しなければいけないということですか。
大臣:
そうですね。もし、県外まで行っている牛があれば、そういう業者から飼料を買って与えたかどうかということについては、当然調べなければいけません、ということを申し上げたということです。

(了)