細川大臣閣議後記者会見概要

H22.11.30(火) 9:33 ~  9:55 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議が終わりまして、閣議後に二つ会議がございまして、それを終えてこちらにまいりました。今日は閣議では有効求人倍率の報告を私の方からいたしました。10月の有効求人倍率は、季節調整値で0.56倍となりまして、0.01ポイント上回ったところでございます。有効求人は前月に比べて2.5%の増加となりまして、有効求職者は0.7%の増加となりました。同時に、総務大臣からは失業率の報告もありまして、これは0.1ポイント上昇して5.1%という報告がございました。有効求人倍率は上がりましたが、失業率の方も上がりまして、雇用失業情勢は持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況だということで、私の方からご報告を致しておきました。 こういう状況でありますから、補正予算も先週の金曜日に成立をしましたので「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に盛り込まれました雇用対策、予備費でも雇用対策をいろいろと打っておりますので、それらを総動員して、雇用失業情勢をよくするために全力で頑張っていきたいと思っております。 それから、鳥インフルエンザの対策本部が設置されまして、第1回の対策本部が開催されました。昨日、島根県の方で鶏が死亡したという通知を受けまして、インフルエンザの簡易検査をいたしましたら、5羽中3羽が陽性だということで、これが拡大をしていったらいけないということで、政府をあげて対策を講じていくということで、対策本部が設置をされたところでございます。 それから、先週の会見で質問があったのですが、「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」を設置いたしましたのでご報告を致しておきます。今年の8月に総理から原爆症認定制度の見直しの検討を進めると、こういうことが表明されておりまして、これを踏まえまして、厚生労働大臣の主催による検討会を開催して、検討を開始するというものでございます。第1回は12月9日10時からを予定しております。座長には東京大学名誉教授の森亘先生にお願いを致しておるところでありまして、学識経験者、関係団体の有識者の皆さんにお入りをいただくことになっております。その中には被害者の団体の方も入っていると思います。 それから、「黒い雨」に関する実態調査について科学的な検証を行うための検討会を設置しなくてはということで、設置に向けて委員の選任などについて検討をいたしておりまして、概ね調整がついたということを事務方から報告を受けておりますので、できるだけ早い時期に検討会も開始ができるようにしたいと思っております。

質疑

記者:
年金の国庫負担の問題で財務省との折衝が始まっています。改めて、今日、厚労省側から回答をしていくと思いますが、厚生労働省の主張はどういったものか教えて下さい。
大臣:
私どもの方としては、従来から申し上げておりますが、基礎年金の国庫負担は2分の1、これは堅持をしていくということが国民の皆さんの年金に対する信頼ということもありますので、これは堅持をしていくということで財務省としっかりと交渉をしていきたいと思っております。
記者:
財源が非常に厳しいわけでして、例えば、積立金の取り崩しということも取りざたされています。将来の給付に使うための積立金をここで取り崩していくと、仮に単年度ではなくて数年に渡るという可能性も出てきますと国民の信頼はそれこそ損なうことになると思いますが。
大臣:
それについても委員会でしたか答えたと思いますが、積立金の取り崩しというのは、積立金というのは将来の年金の支払いについて積立をしているわけですから、それを取り崩すということについても国民の皆さんの信頼ということを考えるとすべきではないと私の方は考えております。いずれにしても、これから財務省との交渉になっていくと思います。
記者:
厚生労働省としては財源はどこから出てくると考えていらっしゃいますか。
大臣:
それはなかなか難しいと思いますが、財務省との交渉ですから、本来これは財務省が手を出さなくてはいけない、厚生労働省が独自で厚生労働省の予算の範囲の中でというような問題ではないと思っています。
記者:
先日、介護保険部会の結論が出ましたし、後期高齢者の後の医療制度についても財源が苦しいために制度設計に苦労をしたり、あるいは保険料や国民の自己負担が増えるといったような制度改正に伴う財源不足というのが各所に見られるのですが、社会保障を所管される大臣としては、今後の将来に渡る安定をした給付と負担、あるいは消費税の問題についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
高齢社会に入っておりまして、年金、医療、介護などの費用が大きくなってきております。そうしますと、給付と負担をどのようにしていくかということが大きな課題でございます。そういう時に社会保障に関しては、政府の方で与党と一緒になって社会保障改革検討本部でしょうか、そういうものを設置いたしまして、社会保障全体について議論を致しているところでございます。その中に、当然、社会保障をどのように将来作り上げていくかということになりますと、その財源をどうするのかということも、これも一体的に考えなくてはならないところでありますから、そこは財源をどうするかということで、そこには当然消費税の問題も入ってくると思います。社会保障全体の改革とともに財源をどう確保するのか、そこは税制全体の改革にも繋がりますし、そこには消費税の問題は入ってくると考えています。
記者:
その会議の中では、大臣としては「消費税は引き上げることもやむなし」という風に主張されるということでしょうか。
大臣:
そこで即消費税という形には、来年度の予算編成に向けてのところで消費税ということは、まだ国民的議論もされていませんから、そこまではとてもいかないと思います。
記者:
その会議は将来的な方針を描いて、野党にも呼びかけるという今後のご予定でしょうか。
大臣:
政府と野党と一緒になっている社会保障の検討本部の方のところは、当然呼びかけることと思います。
記者:
そのお金は大臣としては、例えば消費税についてはどういうお考えですか。
大臣:
それは当然消費税は俎上に上がってくると思います。
記者:
引き上げる可能性もやむなしということでしょうか。
大臣:
そうですね。将来的には。
記者:
子ども手当についてですが、11月中に大臣会合で方針を出すという当初予定だったと思いますが、地方負担分については調整が結局どうなったのかお聞かせください。
大臣:
一度地方6団体の皆様とお話をしまして、引き続き話し合いをするということで、6団体の皆様にはそういう申し入れもしておりますが、なかなか日程もということで個別に話合いをするということになるかも分かりません。当然地方の団体の皆様の意見は十分聞くということで進めていきたいと思います。
記者:
大臣会合の日程は。
大臣:
日程がまだ定かではありませんが、近々あると思います。
記者:
11月目処ということでしたが、多少ずれ込んでいるということでしょうか。
大臣:
少しずれるのではないかと思っております。
記者:
年金の国庫負担の関連で、財務省側が今の2分の1から、36.5%に引き下げて、その差額が生じる部分については先ほど大臣がおっしゃった税制の抜本改革で見込まれる新たな税収分を充てるということですが、財務省案については大臣はどのようにお考えでしょうか。あと、今政務官で協議を行っておりますが、厚生労働省と財務省で主張が違えば大臣折衝ということになると思いますが、そこら辺についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
大臣折衝はまだ先になると思います。今は事務方あるいは政務官同士で議論をしていただいております。昨日だったと思いますが、まだ私は報告を受けていないものですからその報告を受けてから考えたいと思います。今はまだ事務方、政務官の折衝ということです。
記者:
財務省が36.5%に引き下げて、それは当然新たな税制抜本で補填するということですがそれについてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
基本的にはそういう引き下げということについては、国庫負担をどうするかについては2分の1にするということで、法律的にもそういう規定をされたわけで、引き続き2年間はそういうことでやってきているわけです。したがって、それを36.5%に下げるということは、年金に対する信頼感が落ちるということで私としてはそうすべきではないと考えております。
記者:
大臣が支部長をつとめている民主党の支部が、県内の建築業者から150万円の献金を受けていたという件ですが、県内の業者から受け取ることになった経緯と、返還されるということになったが今後の対応についてお聞かせください。
大臣:
私自身は直接その会社の人にお会いしたこともないですし、住民運動ということにも関わったり、指示をしたりということは全くいたしておりません。したがって、そういう意味では献金を受けたことについて法的には問題ないと思います。しかし、「李下に冠を正す」と言いますか、「瓜田に履を納れず」ということからすれば当然お返しした方がいいということで、事務の者に「お返ししろ」という指示をいたしました。
記者:
これは近く全額返還されるということでよろしいでしょうか。
大臣:
そうです。
記者:
雇用保険の国庫負担の割合を25%に引き上げるという議論もしていると思いますが、見送る検討に入っているということですが、今どのように議論をされているかということと、雇用情勢を考えると大臣としてはどのようにしていきたいとお考えでしょうか。
大臣:
雇用保険はご承知のように雇用が厳しく、雇用保険の財政そのものも非常に支出が多いということで、そういう意味ではしっかり雇用保険の財政を確保しなければいけないということです。それは私どもとしては4分の1でしっかりやっていきたいと思います。要求をしていくということです。
記者:
今大臣折衝で要求しているということでしょうか。
大臣:
まだまだそんなところまではきておりません。
記者:
訴訟案件について2件ですが、薬害イレッサ訴訟で原告側が和解勧告を求める上申書を大阪と東京地裁に出しました。まだ裁判所がどういう判断をするかを待つしかないとは思いますが、これに関して現段階でお考えがあればお聞かせください。それから薬害C型肝炎訴訟ですが、昨日カルテのない患者さんや、ご遺族の方が集団訴訟を新たに提起されました。これについては患者の方からカルテがないことがハードルとなって、結局法律が出来ても切り捨てられているという主張をされていますがこれに関してのご所見をお願いいたします。
大臣:
薬害イレッサの訴訟については、確か大阪地裁だったですね。二つどこか裁判所が上がっていると思いますが、訴訟が結審して判決期日も決まっているのではなかったかと思いますが、結審をして判決を待っている時に和解の上申書が出されたということですが、裁判所が結審をしてあとは判決という時期に和解という話があったとしても、国としては結審をして裁判所の判断を待つということでしたから、裁判所の判断を待つという考えでいきたいと思います。それからC型肝炎の訴訟は私は具体的にどういう理由で起こされたか詳細には存じておりませんので、また訴状を拝見してそこから対応を考えていきたいと思っております。

(了)