細川大臣閣議後記者会見概要

H22.9.28(火) 10:17 ~ 10:44 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議が終了しましたので御報告を申し上げたいと思います。閣議の前に「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」という会合がございまして、そちらにまずは参加をしてまいりました。厚生労働省の関係は、水事業の海外展開ということになります。 それから、閣議では厚生労働省の関係で私が発言を致しましたのは、共同募金に対する協力を要請を致しました。10月1日から赤い羽根共同募金運動が始まります。この共同募金は戦後まもなく福祉施設の運営を支援するということを目的に始められましたが、その後、赤い羽根共同募金として全国的に国民の皆さんの協力によって、善意の助け合い運動、助け合いの精神ということで、その後大きく展開をされてこられまして、その貴重な財産は民間の社会福祉事業の発展に大きく貢献をしているということでありまして、今回も共同募金運動が始まるので、各閣僚にも御協力をお願いしたいという趣旨で発言を致しました。 その他には、官房長官からは「元気な日本復活特別枠要望」、これは皆さん御承知の通りですが、このパブリックコメントを実施すると、今日から来月の19日まで3週間に渡って実施をすることになったという御報告がありました。予算編成については公開手法を導入するという観点から、広く国民の目線で自由な意見を求めていくと、初めての経験ですが多くの意見が寄せられることを期待を致しているところでございます。 それから、総務大臣からは10月1日から国勢調査を実施をするということでの報告がございました。国勢調査というのは国政の基礎として不可欠な統計調査であり、その結果は国政の判断に重要な指針になるということで、大変重要なことだから協力をよろしくお願いしたいということであります。 それから、昨日、総理から経済対策に関する指示がございまして、その紹介がございました。これは既にお分かりの通りで、具体的な経済対策の柱は5つありまして、1つは雇用・人材育成。2つ目は新成長戦略の推進。3つ目は子育て・医療・介護・福祉。4つ目は地域活性化・社会資本整備・中小企業対策。5つ目は制度・規制改革。この5つでございます。 それから、官房長官からは尖閣列島付近で発生をした中国漁船に対する公務執行妨害事件について発言がございまして、これは度々官房長官が記者会見などで説明をしている内容どおりであります。官房長官からの発言の要旨を申し上げます。本月7日に発生をした中国漁船による公務執行妨害事件について御報告をしたいと。まず尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島をめぐり、解決すべき領有権の問題は存在していない。この事件に関し本月24日、那覇地検は、中国漁船船長を処分保留で釈放したが、この判断は、那覇地検が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき、粛々と判断を行った結果と承知している。また、中国側が謝罪や賠償を要求しているが、中国側の要求は何ら根拠がなく、全く受け入れることはできない。日中関係を安定的に発展させていくことは、日中両国のみならず、地域及び国際社会にとってもっとも極めて重要であり、日中双方は大局的な立場に立って引き続き戦略的互恵関係の充実を図るべく冷静に努力していくことが重要であると、こういう御発言がございました。これが閣議前、閣議あるいは閣僚懇での内容でございます。 それから、私の方からは今回の厚生労働省の職員が収賄容疑で逮捕されました件について御報告を申し上げたいと思います。厚生労働省の保険医療機関に対する調査・監督の立場にある者が収賄事件を起こしたということで逮捕され、そして厚生労働省に捜索が入ったということについては誠に遺憾なことでございます。私としては何故こんなことが起こったか、これからしっかり検証をして再発防止を徹底しなければいけないと思っております。事件の内容についてはまだ報道ベースでしか分かっておりませんので、今の段階では私の方としては警察の捜査に全面的に協力をして、この事件が明らかになることを期待をしたいと思います。そこで、厚生労働省としても監督・監査の立場にある者が何故このような収賄を起こしたのか、事実であるならば厚生労働行政、保険医療行政に対して国民の皆さんの信頼を大きく損なうことでもありますから、徹底的に省としてもこれを検証して、再発防止をしっかりと作り上げていくことが大事だと考えております。そこで省内に検討チームを設置致しました。検討チームは主査を藤村副大臣、副主査を岡本政務官、メンバーは二川総括審議官、蒲原人事課長を始めペーパーに記載している方達で構成されます。また、外部の方からも有識者をお招きして、この検討チームに入っていただくか別の組織にするかは決まっていませんが、第三者的なところからのしっかりとした検証、再発防止策の検討をしていただこうということで、そういうこともやっていきたいと思っております。この検証チームを作った趣旨は、保険医療機関等に対する指導・監査の公正な実施を担保するため、捜査の進展を見極めながら、今回の事件の検証と再発防止策の検討を行う。具体的な検討事項は、本省と地方厚生局との役割分担及び情報共有のあり方、指導・監査の対象とする保険医療機関等の選定方法、指導・監査の内部監察体制等でございます。こういうことで検討チームを作りましたので、早速、明日か明後日に第1回会合を開いて検討をしていただくと、こういうことにしております。

質疑

記者:
検討チームなのですが、検証結果と、再発防止策のとりまとめを大体どれくらいの時期に大臣は行いたいとお考えでしょうか。
大臣:
捜査の拡がりがあるかないかにも関係がありますが、私としては少なくとも年内には中間取りまとめで、ある程度のまとまった方向性が出せるようにしたいと思っております。
記者:
質問は変わりますが先ほど言及がございました、尖閣諸島の事件ですがその受け止めと、大臣は法務行政にもお詳しいと思いますが検察当局が独自の判断で政治的な要素を考慮して処分を決めるということについて、大臣御自身の御見解はいかがでしょうか。
大臣:
この事件で逮捕、そして先だって処分保留で釈放と決められたのは、那覇地検が日本の刑事訴訟などの国内法に則って判断をしたということです。検察当局がこの事件のいろいろな性格等を判断して、国内法で粛々で捜査を進め判断されたということだと思います。
記者:
刑事訴訟法に基づいて判断したことは確かだと思いますが、最終的な判断に政治的な要素が検察当局独自の判断として説明されているのですが、検察当局独自の判断として政治的な要素が入り込むことの当否についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
事件そのものについては、政治的な問題というよりも事件そのものの大きさとか、小さいとか被害だとか、いろいろな国民的な感情等があると思いますが、それを検察当局が独自で判断したということだと考えております。
記者:
今の関連ですが、今回の事件に対する中国側の一連の対応について大臣はどのように思っていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
釈放した後も賠償、謝罪を求めているようですが、私はそういうことを一切する理由、根拠はないものだと思っております。
記者:
関連してですが、一連の事件を巡りまして中国との交友はかなり冷え切っているのですが、成長戦略に入れました中国との医療ツーリズムの件があると思いますが、これにも結構影響してくると思いますが大臣はこの点についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
先ほども官房長官が話されたように、日中関係は非常に我が国にとっても、地域とか、国際的にも重要な問題です。日中関係が安定的に発展していくということは、我が国にとっても国際的に重要だという認識と、日中の戦略的互恵関係を更に充実させていくという観点から、日中双方がそういう立場でこういう問題の後遺症がないようにお互いに努めていくことが大事ではないかと思います。そういう中から医療ツーリズムの問題もうまく展開していくのではないかと思います。
記者:
収賄の事件についてですが、外部の有識者はどういうメンバーを想定されていらっしゃるのかということと、この事件の3年前に旧社会保険庁の医療指導にあたっていた職員が逮捕されて、この3年後に同じような事件があったということで、まじめにやっている職員にも迷惑なことだと思いますが、この検証は個別の事件として検証するのか、もう少し拡げて監査の状況や実態まで拡げて検証するのかそのあたりはいかがでしょうか。
大臣:
一個人の収賄事件ということで処理をすることであってはならないと思っております。監査をするいわばGメンが、しかも別の職場に行った後も収賄的なことをやっていたということですから、Gメンそのものに対してもどのように規制をするというか、監督する仕組みを作っていかなければならいけないのではないかと思います。厚生労働省というところは権限がたくさんあって、事業も多いわけですのでそういう意味で不祥事が大変多いと思われます。例えば労働関係でも労働基準監督官も同じくGメン的な仕事をしているわけです。そういうGメンに対する監督を、きちんとどのような仕組みで出来るかということもこれから検討をしていきたいと思います。そういう意味では外部の有識者をまだ具体的には考えておりませんが、そういうことにいろいろな経験や知識を有する方に外部から入っていただいて、そういう仕組みを作り上げていくようなこともお願いしたいと思っております。
記者:
そうしますと、この再発防止が麻薬取締官、労働基準監督官、それから監査・指導を行う保険局など監査・指導を行う全員に及ぶようなものを結論として出したいということでしょうか。
大臣:
私の気持ちはそういうことです。
記者:
総理から指示のあった経済対策についてですが、これから補正の検討になると思いますが厚生労働省として「補正でこんなものが必要だ」とか、大臣はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
大臣:
これから雇用・人材養成が中心になると思いますが、これについて私の方でもこれから検討するように事務方に要請いたしました。
記者:
中心分野は雇用をお考えでしょうか。
大臣:
雇用です。指示がありましたのは、雇用・人材養成と、子育て、医療、介護、福祉分野もあります。もちろんこれまでもやっておりますが、大体この分野についてしっかり要求していきたいと思っております。

(了)