長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.8.6(金) 18:31 ~ 18:57 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日は午前中に広島で式典に出席をして、朝8時15分に総理と黙祷をして参りました。そして、閣議と閣僚懇談会、その後に5大臣会合がありまして、これは高齢者の所在不明の件について今後の対応を話し合うための会議をしてこちらに参りました。私からは何点かありますが、まず一つは、5大臣会合でありますが、これについては各大臣が色々案を出して今後対応をしていくということであります。今現在、女性で日本最高齢の方は113歳でございまして、佐賀県にいらっしゃる長谷川チヨノさんという方でいらっしゃいます。この方については厚生労働省も確認を致しましてご存命であるということでございます。男性で最高齢の方は木村次郎右衛門さんという方でいらっしゃいまして、確認を致しますとご存命であるということであります。 それと、最低賃金改定でありますが、目安の答申がなされました。7月2日に出席をさせていただいて、雇用戦略対話における最低賃金引き上げに関する合意を踏まえてお願いをしますと申し上げて、かなり遅くまで激しい労使の議論がありましたが、ぎりぎりの交渉で目安がまとめられたということであります。これについては全国加重平均で15円の引き上げということで、現在の仕組みとなって以来、平成20年度と同じ最大の引き上げ額です。いわゆる最低賃金の低いDランクの16県に関しては初の二桁の引き上げと言うことになったわけでありまして、今後とも引き上げに努力をしていきたいと、当然中小企業の皆様方に対する対策、対応も経済産業省と連携をして取り組んでいくということであります。 そして、3点目と致しましては、平成21年度の国民年金保険料の納付率が60%となりまして、過去最低となりました。これについては大変厳しい状況であると認識をしておりまして、今後とも日本年金機構に対して中期計画、あるいは年度計画に従って収納対策に取り組むように改めて指示を徹底したところであります。

質疑

記者:
5大臣の会合ですが、結構長かったと思いますが、大臣からはどのような発言をされたのでしょうか。
大臣:
私からは、国会でも発言を申し上げましたが、昨日、厚生労働省の中で会議体を設置を致しまして、その中で「高齢者所在不明・孤立防止対策チーム」というものを設置をして、まず現状把握をきちんとしていこうということで報告を致しました。一つは、死亡しているにも関わらず現況届けを出して年金を受給している方がどの程度いらっしゃるのかということで、サンプル調査を、これは今回の件の前からしておりまして800件個別訪問、確認出来る方は終了しておりますので、8月のお盆明け中旬に前倒しをして結果のとりまとめを発表をするということを申し上げました。それと、地方自治体と話をして、満100歳を迎える記念品贈呈対象者につきましては、御本人に会って記念品を渡して下さい、安否確認をして下さいということをお話をして通知も出させていただきました。それと同時に、各県や政令市、中核市毎に最高年齢の方、男女各5人につきまして本人確認をして欲しいということも自治体に話しをして通知も致したところであります。これについては記念品贈呈のタイミングと同時に致しますので、9月の中旬頃に発表することと致しております。そして、満110歳以上の年金受給者の安否確認も出来次第公表するということを申し上げました。 今回、色々な視点があると思いますが、もちろん不正受給はあってはならないということと、あるいは居られると思った方がいらっしゃらないということは何らかの原因があるということで、きちんと追跡をして何処にいらっしゃるか確認しなくてはいけないということ。もう一つの視点としては、「孤立化」ということであります。「無縁社会」という言葉もありますが、今後、将来男性の生涯未婚率が3割を超えるというような時代に先駆けて孤立化というのが大きい問題の一つの視点でもあると思いますので、そういう観点から厚生労働省としても取り得る対策がどういうものなのか、チームで検討をして実施出来るものは速やかに実施をしていくと、こういうことも話を申し上げました。菅総理も、孤立化という新たな社会リスクに対する取り組みというのは就任時の所信表明演説でも申し上げているところでありますので、そういう話も致しました。
記者:
今日、広島市で被爆者援護法改正について「10月までに検討会を作りたい」と発言をされました。その理由と、被爆者団体はどういうメンバーになるのかを注目していると思いますが、今の大臣の考えとしてどのようなメンバーにしていくのかお考えがあればお願いします。
大臣:
今日申し上げましたのは、原爆症認定制度の法律改正の話で、今年の10月までに会議体を設置をして幅広い分野の有識者による検討の場を作っていこうということでありますが、まだ具体的なメンバー等は確定をしているわけではありませんので、出来る限り各方面の御理解をいただけるようなメンバー構成にしていきたいと思っています。
記者:
RFO法案に関連してですが、今日、法案が成立しましたが、その受け止めと、これはあくまでもしのぎに過ぎないというものだと思いますが、国としては新たな受け皿を作る法案は次の国会で提出する考えに変わりはないでしょうか。
大臣:
本日正式に成立をすることになりました。これは9月の末が期限でありまして、国会の状況を考えますと閣法というのは難しいというので、これは宙に浮いてはいけないということもあり、議員各位の御尽力によって議員立法が成立したと考えております。今後の対応でありますが、一つ一つ地元自治体等ともヒアリングをしていくことも申し上げていますので、どういう枠組みが適切なのかということについては検討課題としていくということであります。
記者:
概算要求についてですが、各省1割カットが充てられていまして、厚生労働省は約1,300億円ということですが、どの辺りにメスをいれていくかメドがあればお願いします。
大臣:
大変厳しいカットであると考えておりまして、もちろん全ての事業を一律にということではありませんで、メリハリを付けて削減をするということでありますので、色々事務方とも協議をしておりまして、来週は集中的に協議をして一つ一つ吟味をしていきたいと思います。過去の事業仕分けや省内事業仕分けにも取り組んでおりますので、そういうところでの議論や中身も参考にして取り組んでいきたいと思います。
記者:
今日の民主党の政調の調査会で、子ども手当に関連して、小宮山洋子さんが上積みをしていかなくてはいけないということで、具体的な目安として1万8千円もしくは2万円という額を上げたのですが、これについての受け止めをお願いします。
大臣:
そういうお話があったということは聞いておりますが、政府としては検討課題ということで、予算編成の過程で関係閣僚、財政当局とも議論をして決めていくということで、まだ決まっているというわけではありません。
記者:
不明高齢者の件ですが、先ほど5大臣会合について大臣からの発言を御紹介いただきましたが、他の大臣からどういった発言があったかということと、その場で今後こういうふうにして行こうということが申し合わせがありましたら御紹介いただけますか。
大臣:
特に次回のテーマというのが確定したわけではありませんが、次回も速やかに開いて行こうということです。基本的には各大臣からいろいろ話が出ましたのは、年金について不正というのはどうなのかという話も出まして、私も先ほどのサンプル調査の話などを説明いたしました。やはり、視点というのは不正の問題が一つ、もう一つは、いるはずの方がいるべき所にいらっしゃらないということと、その方々の安否を確認すべきであるというのが2つ目の視点です。そして3つ目としては、やはり、高齢者全体の孤立化をどう防いで対応して行くのかという筋の中でいろいろ議論が出て、今後厚生労働省のサンプル調査の結果も見て、方針を出して行こうという話がございました。
記者:
次回というのは開催の目処は立っているのでしょうか。
大臣:
いろいろ日にちの案も出ましたが、まだ確定はしておりませんのでいろいろ調整をして次回の日にちが決まると思います。
記者:
この5人の中で主体的に取り組むというか、5人の中のトップの位置付けにいるのはやはり官房長官なのでしょうか。
大臣:
そうです。官房長官が今日も進行役ですので、官房長官を中心に各省庁の動きも含め集約して行くということで対応を取って行くということになると思います。
記者:
結局年金の不正受給も住民登録が正確でないとなかなかチェックがしづらいと思いますが、その辺は原口大臣から住民基本台帳の見直し等について話はありましたでしょうか。
大臣:
そこは原口大臣に聞いていただければと思います。いろいろ全般的な話はありましたが、そこの話かどうかは私も確認出来ておりませんので、聞いてもらえればと思います。
記者:
受給者の中に死亡者がどのくらいいるのかということもそうですが、住民登録上の死亡者が不正確となると、日本の総人口が変わって来て社会保障の様々な試算も変わって来る可能性もあると思いますが、その辺についての大臣の御見解をお願いいたします。
大臣:
その話をいつにするか分かりませんが、社会保障の番号の制度というのも我々は議論しておりますので、その議論とも将来的には関連して来ると思います。ただ、住民基本台帳などについては原口大臣の見解も聞いていただければと思います。
記者:
今日の広島の原爆症の関係なのですが、この度会議体を設けて認定基準を見直すということですが、基準を緩和するという前提で検討して行くということになるのでしょうか。それと会議体の結論を得る時期を含めて御見解をお願いいたします。
大臣:
まず会議体の結論を得る時期を区切っているわけではありません。その会議体を設置するというところです。法律改正による原爆症認定制度の見直しを議論することにしておりますので、ここで様々な議論が出ると思います。当然、見直しというふうに申し上げて議論を始めるわけですので、一定程度の認定についてもっと厳しくするという議論にはならないわけで、一定程度の改善が見直しという意味であるわけです。
記者:
メンバーの中に被爆者の代表を入れるようなお考えはお持ちでしょうか。
大臣:
メンバーについてもまだ確定的に申し上げる段階ではありませんので、関係各方面の御理解をいただけるような構成にして行きたいと思います。
記者:
国民年金の納付率についてですが、下落に歯止めがかからないわけですが、今、年金記録問題の対策に力を入れていますが、もう少しバランスをとって収納対策にシフトするということはお考えにないのでしょうか。
大臣:
これも一定の分析をいたしまして、年金記録問題の対応というのが必ずしも最も大きい納付率低下の原因に結びついたというふうには分析をしておりません。概ね1.0ポイント程度がこれによって下がったと分析しておりますのは、市場化テストにおいて日本年金機構と受託業者との協力連携が不十分であったということで、日本年金機構の徴収に関する指示が十分でなかったということがあるのではないかということが1つです。その次に概ね0.3ポイント程度の影響があったのではないかというのは、納付率の高いいわゆる団塊の世代の内、昭和24年生まれの方が60歳に到達して、第1号被保険者から抜けたという理由もあるのではないかということです。それ以外の影響といたしまして、今おっしゃっていただいた年金記録問題への対応を最優先とする職員等による納付勧奨との取り組みが、年間を通じて十分に実施出来なかったのではないかということ。あるいは、保険料が高く経済的に支払うことが困難と考えている被保険者が増えたのではないかということ。あるいは、不安定な雇用状況におかれて、保険料の負担能力の低い国民年金の非正規労働者の割合が増えたのではないかという三つがあとに続く要因ではないかと考えております。今後、平成22年の10月から年金事務所の職員を約400名増員をして、その方々が20歳に到達する方など新規適用者に対して、個別訪問をするなど働きかけの強化をして、いくつかの重点取り組みも強化して行きたいと思います。
記者:
子宮頸がんのワクチン接種費用について、大臣もこの前の予算委員会で一部公費負担ということを言及されましたが、今日超党派の議連などで国の全額負担にする法案を速やかに提出して成立させようという会合も開かれているのですが、大臣としては全額負担ということを追求されて行くのかをお願いいたします。
大臣:
これに関しては、概算要求で予算要求をするということを予算委員会でも申し上げましております。詳細な中身については概算要求で確定するのか、年末の予算編成過程で確定するのか、予防接種部会の小委員会の議論もありますので、いずれにしても予算を獲得するべく努力をして行くということで、まだ全額なのかどうなのか決まっておりません。
記者:
広島市が指定の拡大を求めている「黒い雨」の地域のことですが、大臣は今日の広島市での会見で「会議体を設置して、秋から検証に入る」という方針を表明されましたが、具体的にはどういった内容をどういうメンバーで検討して行くのか、それといつ頃を目処に結論を得て行くのかということ。被爆者は相当高齢化しておりますので、あまり長い時間を掛けるとどんどん亡くなって行くという現状がありますので、その辺の御見解をお願いいたします。
大臣:
先ほども参議院の委員会で御質問がありまして、お答え申し上げましたが広島市中心に、かなり大規模な「黒い雨」の指定地域の拡大、あるいは指定地域の正確性の調査がなされ発表されたということで、その検証を国としても行い、国としての見解もやはり出す必要があると考えております。その意味で専門家による検証の場を設置をして、これも新たな会議体とするわけです。そこでまずは広島市が大規模調査をした中身を細かくお伺いして、国の見解を出すというところから議論を始めて行こうと考えております。メンバーについてはまだ確定しておりません。
記者:
時期はいかがでしょうか。
大臣:
時期は今年中、今年秋までにというようなことを申し上げております。
記者:
結論を得る時期が今年中ということでしょうか。
大臣:
結論というか場を設置するのが今申し上げたところです。その時期をまだ決めているわけではありません。

(了)