長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.8.3(火) 8:40 ~ 8:53 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会を終えてこちらに参りました。本日の閣議では「平成22年版労働経済の分析」、いわゆる白書を報告しました。ポイントは、一番目は、バブル崩壊以降、人員削減の動きが強まり、技術、技能の継承に課題が生じているということ。二番目としては、人件費コストの抑制傾向の下、非正規労働者を活用する傾向が強まり、平均賃金の低下や格差の拡大に繋がっているということなど分析をしております。 そして、昨日、大阪市における虐待事件を受けた対策会議において、地方に文書を出させてもらいました。改正児童虐待防止法が2年程前に施行されましたが、その中では用語でいうと「臨検」、これは裁判所の許可を得て強制的に職員が部屋の中に立ち入るという措置が出来るようになっていますが、実際は3件しか措置がなされていないということで、適切にそういう措置も視野に入れて案件に臨んで欲しいというようなことを文書で出させていただきました。今後、実態も把握する必要があると思います。いずれにしても、法律が改正されて今申し上げたことが裁判所の許可の下に出来ることになっていますので、法の精神も良く見ていただいて対策に臨んでいただきたいと思います。今月、全ての児童相談所の所長さんを集めての会議がありますので、そこでも徹底をしていく、研修を強化していくなど対策を強化する必要があると考えております。

質疑

記者:
杉並区でも113歳の女性が行方不明ということですが、国として何か対策されることはありますか。
大臣:
一人暮らし、高齢の方々がどこにいらっしゃってどういう状態なのか、これは行政としても把握することは重要な課題だと思っております。実態がどうなっているのか、先程も担当部局と協議をしましたが、その実態を把握するような方法はどういう方法が考えられるのか、あるいは、確認する限界がどういうものなのかということも含めて省内で良く議論をして必要な対策を打ち出していきたいと思います。
記者:
相次いでいますがどれくらいで動きたいというのはありますか。
大臣:
例えば、一定の年齢以上と区切ると一定の数になりましょうから、そういう方々に対して個別にどうなっているのか実態把握をするとか、まだ確定的なことは決まっておりませんが、現状把握をして、問題があれば改善を地方自治体とも協議をしていく必要があると思います。
記者:
児童虐待対策ですが、臨検が厳密な手続が求められていますが、住居不可侵原則との兼ね合いというのがあります。究極には法務省と協議をしたり、裁判所の手続を緩和するというのは考えられているのでしょうか。
大臣:
まずは実態把握をしないといけないと思いまして、一般論として言うと、やはり臨検に行く前に、例えば近所の方にお話を聞くということが、その当該家族と児童相談所の関係が悪化するからそれを差し控えるとか、臨検に行く前にももう少し改善が出来れば命が助かったという例もあると思いますので、実際にどこがネックになっているのか、裁判所の手続があればかなり短期間で臨検が可能になるということも法律で規定されていますので、その部分の手続がネックになっていれば当然改善するわけですが、それ以前の色々な対応も問題であって、臨検に至るまでに行かないで判断がなされてしまうと、あるいは「そっと見守っていきましょう」といった判断になってしまうというような実態もあると思いますので、一つ一つ通知を出すと同時に把握をして、障害になっているものがあるとすれば、それが法的なものであれば法律を改正しますが、それ以前の問題もかなりあると思いますので、それを良く見極めていきたいと思います。
記者:
子ども手当についてですが、上積み分をどうするかということで、マニフェストでは現物給付か現金給付かはっきりと示されていないのですが、大臣としては現金給付についてはどのようにしたいとお考えでしょうか。
大臣:
参議院のマニフェストでもありますとおり、1万3千円を現物、現金含めて上乗せをしていくというようなことが書かれていて参議院選挙を戦ったわけですので、これについては23年度の予算編成の中で政府全体で議論をして、決定をすれば国民の皆さんに、去年の夏のマニフェストとの関係もあるわけですので、それを良く説明をしていくということになると思います。政府の中で議論をしていきたいと思います。
記者:
大臣としてはこれまでも他の先進諸国と比べて現金の部分もかなり少ないということをおっしゃっていましたが、この現金給付については大臣としてはどのようにしたいとお考えでしょうか。
大臣:
現金、現物ともGDPの比率で低いわけですので、それぞれ上乗せをしていくということは先進諸国に追いつくということにもなりますので、そういう想いはありますが、後は具体的に財源との関係で政府内で議論をしていくということです。1万3千円というのはスタートしましたので、これだけでも今まで非常に低かった子どもにかける予算が、まだまだ先進国に見劣りする部分はありますが、一定程度上がっておりますのでさらに上積みをしていきたいと私自身は考えています。
記者:
臓器移植法の関係ですが、18歳未満の子どもで脳死の疑いがあったケースがあったのですが、虐待の疑いが否定出来ないということで、今回は提供を見送ったというケースがあったということを西日本のコーディネーターが明らかにしたということなのですが、大臣としてそのケースを把握していらっしゃるかということと、そういったケースについてどのようにお考えかお聞かせください。
大臣:
報道では拝見いたしましたが、現実にどういう状況で、どういう医師の判断があったか、あるいは法律との関係など更に詳細に把握をして行きたいと思います。それで実際に法の趣旨どおりの話になっているのか、あるいは、いろいろ改善する点があるのかについては省内でも議論して行きたいと思います。
記者:
高齢者の一人暮らしの所在確認の件ですが、具体的な方法として例えば、医療保険、介護保険とか高齢者であれば必ず利用していそうなものが利用されていないですとか、そういう詳細について調べる検討をされていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
これについては先ほど申し上げましたが、まず、具体的に一定以上の年齢の方が今どういう状況にあるのか、地方自治体も御努力されてると思いますが、やはり、なかなか具体的確認が出来ない場合、どこまで踏み込むべきかどうかという御苦労もあると思います。まず、国として実態の把握をして、一人暮らしのお年寄りをどういうふうに地域社会に組み入れて行くのか、ということは前からの課題でもありますので、これは基本的には地域社会で声をかけていただくとか、高齢者が集まるクラブなどでいろいろ活動していただくとかありますが、それも限界があります。これだけ社会的に大きな反響、影響が出ている話でもありますので、実態把握をしてどういう手段が適切かこれから検討して行きたいと思います。
記者:
最低賃金の件ですが、昨日の小委員会でもまとまらず例年に比べるとかなりの回数になっていて、戦略対話の前提条件のところで相当捉え方を巡って対立点が残っているようなのですが、今ここまで来ている状態についてどうお考えでしょうか。
大臣:
昨日もかなり議論があったと報告を受けております。これは一定の結論を出す時期がありますので、その中で労使、公益委員が御苦労をされていると思います。一定の時期までには一定の結論を出していただくように、大変な議論をしていただいていると考えておりますし、戦略対話で一定の枠組について合意したということは、これまでにないことだと思いますので、大きな枠組の範囲の中で具体的な案件について今議論が進んでいると考えております。
記者:
昨日の予算委員会で自然増の容認を認める一方で、社会保障の削減努力を他省庁以上にやるという考え方で、大臣は給付費で2,500億円、国費で740億円という具体例を出されたのですが、これの内訳は分かるのでしょうか。
大臣:
削減を1.3兆円からするというか、これまでの適正化努力でそういうようなお金、例えば、不正、過剰医療とかでそれらの金額について適正にして来たということです。生の部分を削ったということではありませんので、また必要があれば原局からそういう資料を出させます。

(了)