長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.7.13(火) 10:50 ~ 11:14 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会を終えてこちらに参りました。今日は総務省から監査についての報告が閣議でございました。

質疑

記者:
参議院選挙で民主党が大敗をしましたが、その受け止めと大負けした理由について大臣はどのようにお考えになられているでしょうか。
大臣:
大変厳しい結果が出たと考えております。理由についてはマスコミ等でも分析がなされておりますが、具体的にどういう理由だったのかというのはもう少々時間をかけて分析をしていく必要があると考えております。消費税のことについても御指摘がありますが、それ以外にどういう国民の皆様の声があるのか、私も様々な声を全国回った時に拝聴をしていますので、その中でどこに重みがあって皆様方からこういう結果をいただいたのかということは十分良く分析をして、今後の政権運営の大きな一つの指針としていきたいと考えています。
記者:
民主党の執行部についての責任論がくすぶっているのですが、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
大臣:
菅内閣は発足して1ヶ月少しでもありますので、これは責任を持ってこの体制で続けていくと、さらに国民の皆さんに参議院選挙で指摘をいただいたことについてもきちんと分析をして、今後改善をすべきところは改善をしていくと、特に国会運営におきましては、より丁寧な説明や事前の根回しなどが十分に必要になってくると思いますので、そういうことも含めてきちんと取り組んでいくということだと思います。
記者:
大臣が「地方で様々な声を拝聴している」ということをおっしゃられたのですが、具体的にはどういう声があったのでしょうか。
大臣:
「改革のスピードをもう少し速めて欲しい」ということや、色々な政策を説明をすると、「そういうことをやっていたのか」と、もっと新しい政権が具体的に実績として上げたことをわかりやすく伝えてほしいというようなお話もいただいております。あるいは天下りについてもさらに厳しくというお話もいただきましたが、今取り組んでいる中身を説明すると具体的に進んでいるのだなと御理解をいただく場面もありましたので、そういう実績、方針をきちんと説明をする必要があるということは痛感致しました。
記者:
今回の参院選挙では消費税の問題が焦点になったわけですが、一部で、総理が不用意な増税発言で増税に向けた議論の芽を摘んでしまったのではないかという指摘もありますが、改めて増税の必要性を踏まえて総理の発言について総括をお願いします。
大臣:
総理もおっしゃっておられますが、「強い社会保障」「強い経済」「強い財政」ということで、その3つの中でイメージとして「強い財政」が先に出たというようなイメージを持たれてしまったということはあると思います。総理も申し上げているように、3つは一体でやらなければならない。特に私は社会保障の担当でありますので、厚生労働省はムダを厳しく他の省庁よりも自らを律し、天下りの問題についても自らを律する必要があります。なぜならば、将来国民の皆さんに御負担をお願いする時に一番お金を使う厚生労働省がムダや天下りがたくさんあるということでは容認いただけないということと、後は社会保障を持続可能にするためには、この御負担というのがいずれ必要になってくると、その為に我々はこの3つのことを言っているわけであります。「強い財政」が先にクローズアップされたということは本意ではないと思いますので、いずれにしましても、きちんとした裏付けのある社会保障を確立をしていくということについても私の担当分野について国民の皆さんにわかりやすくそのビジョンを説明する必要があると思います。
記者:
国会がねじれる形になったと思いますが、ますます野党への配慮が必要になってくると思いますがその辺がどうなのかということと、具体的に子ども手当、派遣法が国会の状況によってどう変わっていくのか、大臣の考えをお聞かせ下さい。
大臣:
冒頭も申し上げましたが、いわゆる「ねじれ国会」というようなことになりましたので、今以上に野党にも丁寧に説明をして、ある程度前もった丁寧な説明ということについて十分我々も考えていかなくてはならないということだと思います。その中で子ども手当でありますが、23年度の予算編成の中で議論をして決定をすると、参議院のマニフェストにも上乗せということを書かせていただきましたが、こういう議論についても今後調整をしなくてはなりませんが、政調が出来ましたので政調とも連動をして、財政当局の話もありますので、まずは我々の中できちんと議論をするということが先決だと思います。そして派遣法につきましては、両方のサイドから、一方では「厳しすぎるのではないか」という御批判もあるし、一方では「生ぬるいのではないか」と、国会でも御指摘をいただいているところでありますので、前国会でも若干審議は入りましたので、これも国対とも相談をして野党の皆さんのご意見を聞いて、これは閣議決定をして、国会で重要広範議案ということにもしていただきましたので成立をさせるということで全力を取り組むということであります。
記者:
野党の理解を得るためにはマニフェストのさらなる修正もやむを得ないというお考えでしょうか。
大臣:
議論をするにも与党の中で議論をして、一定の姿を作った上で国民の皆さん、野党の皆さんにお示しをしていくことが必要だと思います。まだ与党の中で議論をしていないことについて色々対外的に案を示すといってもまず案を作らなければならないと考えております。今の御質問でいうと、参院選で提示をしたマニフェストを変えるということについては、私の所掌分野に関しては今の所は考えていません。
記者:
差し迫った問題が社会保険病院の存続のための法案だと思いますが、それについての対応をどのように考えているか教えて下さい。
大臣:
9月末にRFOがなくなるということでありまして、宙ぶらりんになるということは何としても避けたいということで、政務三役、役所一体となって色々根回しもさせていただいているところであります。臨時国会の時期、長さがどいういう状況になるのかというのも色々議論がありますが、その中で最優先でお願いをしたいということで関係各方面と交渉をしている段階です。
記者:
修正が入ったりすることも視野に入れているのでしょうか。
大臣:
まだそこまでの話にはなっておりませんが、既に前の国会でも一部修正が入りまして、他党とも協力を一部させていただいておりますので、今の所は考えておりません。いずれにしても、厚生労働省の中でも最優先課題の一つとして取り組んでいきたいと思います。
記者:
介護保険法の改正案を考えていく中で、要介護認定制度ですが、民間団体から廃止や簡素化についての意見が強く出ています。これは検討対象になり得るのでしょうか。
大臣:
今の所それを直ちに変えるということは考えておりません。ただ、介護ビジョン、あるいは事務手続の簡素化という問題について、我々としては一つ一つ取り組んでいくということでありますが、非常に根幹に関わる話ですので、それを直ちに見直すということについては今のところは考えていません。
記者:
段階的な簡素化は多少は検討の対象とはなるのでしょうか。
大臣:
一回制度を作ったら作りっぱなしということではいけないわけでありまして、それは必要性に応じて議論はしていきますが、直ちに根幹をどうこうするという姿勢で議論に入っていくということではないということです。
記者:
シーリングについてですが、去年マニフェストに基づいてシーリング撤廃ということを提言されていたと思いますが、政策調査会でシーリングを念頭においた仕組みを作る方針という報道があるのですが、シーリングについて大臣、厚生労働省のお考えをお伺いしたいのですが。
大臣:
これもまだ何か一つの案が出来たということではありません。一定の概算要求、あるいは予算編成のルールを作っていきましょうと、こういう議論があるということだと思っております。当然そういうルールは一定のものは必要だと考えております。厚生労働省は自然増だけで年間1兆円ずつ増えるというような役所でもありますので、そこをどういうルールを作っていくかというのは、財政当局と真剣に話しあっていくということになると思います。
記者:
シーリングの撤廃という方針は変更ということでしょうか。
大臣:
シーリングというのがどういう言葉の定義かというのは難しいところがありますが、いずれにしても概算要求、本予算編成の中で一定のルールを作っていくということで、それが自民党時代と全く同じルールのシーリングという意味だとしたら、全く同じ形ではないと思いますので、今後、財政当局や官邸とも意見交換をして決められるべきものだと思います。
記者:
「少子高齢社会の日本モデル」についてですが、当初6月にまとめるという話がありましたが、それはどうなっているのでしょうか。
大臣:
選挙期間にも掛かるような状況になりましたので、これは選挙後に議論を進めていくということになりまして、それは調整をしている段階です。
記者:
いつごろ発表する予定ですか。
大臣:
まだ目途が具体的には立っておりません。これは官邸サイドとも調整をして、日時、具体的な在り方も確定をしていきたいと思います。「強い社会保障」「強い経済」「強い財政」と言ったときに、そういう絵姿を示すというのは3つがセットでありますので重要だと思います。最も一体となる、議論が効果が出るような方法で考えていきたいと思います。
記者:
参議院で与党が過半数割れということになって、今回躍進したみんなの党や公明党と連携を模索するような動きもありますが、大臣は政権の枠組みや在り方について今後どうあるべきだとお考えでしょうか。
大臣:
まずは緊急を要する法案がいくつかあるわけであります。そういうことについて一つ一つ国対と協力をして、野党の皆さんとも意見交換をして、まずは法案について御理解を一つ一ついただいて成立を期していくということがまず取られるべきだと考えておりまして、それから信頼関係というか色々な考え方を醸成していって、その次の段階が必要であればそういう段階に進むのではないかと思いますが、私の立場としては法案を一つ一つ説明をして協力を求めていくということだと思います。
記者:
今日の閣僚懇談会では参院選の結果について話題になったのでしょうか。
大臣:
参院選を戦った閣僚からはその報告とお礼がありました。選挙そのものについての深い議論は特にありませんでした。
記者:
民主党の代表任期が9月で切れますが、次の代表選挙は今回の選挙結果を受けて、菅さんが出るかどうかというのもありますが、対抗馬は出た方が良いか、どちらが良いというのはありますでしょうか。
大臣:
代表選ということでありますが、1ヶ月少しの菅内閣でありますので、やはり総理大臣は一定期間務め上げなければ、官僚主導政治を政治主導に変えるということは難しくなるわけですので、ただ、対抗馬と言ってもその方が考えられることであると思いますので、それは選挙ということでありますので、そういう意思がある方が出てくればもちろん戦うということで、その後は一致結束するということになると思いますが、それは相手のあることですので、対抗される方がいなければ選挙という形にはならないわけですので、党内の色々な方々のご意見によって変わっていくと思います。
記者:
官僚主導から政治主導に変えるということですが、そろそろ幹部人事の時期だと思いますが、幹部人事について厚生労働省内ではどういう方針で進めていくのか、あるいはもう決めているものがあればどういったことで考えてらっしゃるのかお願いします。
大臣:
今日も一部報道があったようですが、まだ何も決まっておりません。方針と言いますのは、人事評価基準を去年変えまして、今年の4月から新しい半期が始まるということでもあります。その意味でこれまでの役所文化を変えるということで、いわゆる優先順位の低い事業や、いわゆる税金のムダということについてきちんと適正に削減をしていくという人達は評価をされます。あるいは情報公開、不祥事や非常に悪い情報だけれども政務三役に上げなければならないものは速やかに上げて、調査をして、皆様に公表をして、是正すべきところは迅速にしていくと、こういうようなことも今までは逆の人が評価をされるような人事だったと思いますが、それを変えていく。業務改善に致しましても一回作った制度を見直さないということではなくて、不断に見直していく、そういう観点がございますので、そういう観点に沿った方々が適正に評価をされると、そういうようなことがあって然るべきではないかと考えて検討をしておりますが、まだ決まったものはありません。
記者:
時期はいつぐらいなのでしょうか。
大臣:
官邸の人事検討委員会というところの議を経るということでありますので、まだ日程を直接相談をしておりませんが、7月中か8月上旬か、そう遠くない時期だと認識しています。

(了)