長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.12.22(火) 11:07 ~ 11:35 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会を終了し、閣議の前には原子力災害対策本部会議訓練を私も参加をさせていただいておりました。閣議の後は犯罪対策閣僚会議にも出席をして、そしてこちらに参りました。 私の方からは、皆様方に特別養護老人ホームの入所申込者の状況、これは待機者が非常に多いと、特養の定員と同じくらいの方が待機をされておられるという数字もございまして、その中身を詳細に調査をしているところであります。状況は深刻でありますので、厚生労働省としてもこの状況を打開すべく取り組んでいるところであります。また、待機者の方のサンプル調査、さらに具体的な情報収集、現状把握をしておりますので、それも結果が出次第公表をして、対応策もさらに強化していきたいと考えております。 そして、今日の午後になるかと思いますが、山井政務官の方から東京都における年末年始の生活総合相談についてということで、いわゆる「シェルター」について、我々も対応策、東京都も対応策があるわけでありますので、それについての概要をお話申し上げていきたいと考えております。

質疑

記者:
子ども手当についてですが、今後の課題は地方負担、あるいは事業者の負担といったことの議論になると思いますが、その辺の検討状況についてお願いします。
大臣:
子ども手当の財源をどこにどういう比率で御負担いただくかということは、基本的には今協議中であると聞いておりますので、まだ確定的な結論は出ていないと考えています。
記者:
日にちがかなり限られていると思いますが、今日中に閣僚でお集まりになる等の予定はございますか。
大臣:
具体的な予定はまだありませんが、いずれにしても予算の年内編成ということでありますので、時間はありませんが、診療報酬等も含め厚生労働省の課題もありますので、それが一緒に決まるのかどうかも含めて今後協議になってくるのではないかと考えております。
記者:
藤井大臣が今日長妻大臣にお会いになる可能性を今朝示唆されているのですが、大臣としては藤井大臣にお会いになるご予定はあるのでしょうか。
大臣:
まだ具体的な予定はありませんが、昨日藤井大臣と主に診療報酬について協議をさせていただいた時に「第1ラウンドですね」というお話がありましたので、第2ラウンドの協議というのは近々にあると思いますので、そういう協議があればもちろんお邪魔をして、我々の意見を申し上げて御理解をいただくべく努力をしていくということになると思います。
記者:
大臣はお子さんが3人いらして、3人分支給があると思いますが、寄付をする制度も作られるということですが、寄付される可能性についていかがでしょうか。
大臣:
まだ具体的に寄付制度がどういう制度設計なのか、あるいは地方自治体の御理解、詳細な手法なども詰める必要があろうかと思いますので、まだそこまでのことは考えておりませんし、決めているわけでもありません。全体の制度設計が確定した段階で色々と他の閣僚も含めて考えていくことではないかと思いますが、まだ結論は詳細な制度設計も出ておりませんので、確定的なことは申し上げる段階ではないと思います。
記者:
たばこ税についてですが、1箱100円程度の値上げという方向で調整ということですが、大臣がかねてよりおっしゃっている欧米並というよりは多少低めの値上げという方向になっていますが、それについて受け止めをお願いします。
大臣:
これは内閣全体で決定をすることであり、税調のメンバーである長浜副大臣が連日精力的に交渉をしていただいているわけでありますが、最終的には内閣全体で決定ということになるわけでありますので、本日決定ということなのかどうかはわかりませんが、私どもとしては、当初の主張通りこれまでのレベルではない大幅な価格を上乗せをして、健康ということに着目をした価格設定をするべきではないのかということを繰り返し説明をしているところでありますので、それが御理解いただくべく、まだ時間は若干あると思いますが、我々も説明を続けていくということであります。
記者:
暫定税率は廃止されますが、同じ税率は維持されるということで、マニフェストの修正ということを総理もお認めになりましたが、閣僚の一人としてマニフェストの修正、公約を守りきれなかったということについてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
非常に苦しい財源のなかで他のマニフェスト項目も含めた政策を実行する必要がある、あるいは税収の予想以上の落ち込みをどうしていくのか、一方では長期金利等も含めた国債発行の限度というのも考えなければならない。色々な制約の中で、この暫定税率については、その暫定税率という仕組みではないものの、基本的な維持の方向はあるということにつきましては、マニフェストに書いてあることと異なることであると考えておりまして、国民の皆様方、期待をされていた方には申し訳ないという思いを私も持っているところであります。今後、税制の問題をどういう形で活用をしていくのか、維持した部分を国民の皆様に納得いただけるような活用を提言をして、内閣全体で説明をしていく必要があると閣僚の一人として考えているところであります。
記者:
国民新党が財源の確保について、労働保険特別会計の積立金から3兆円程度の財源を捻出すべきであるという案を打ち出しています。これを取り崩す可能性について、あるいは別の厚生労働省関係の特別会計から財源を捻出するという可能性も検討しているのかお聞かせ下さい。
大臣:
厚生労働省としてはそういう検討はしておりません。そういう発言というのは具体的に直接お伺いはしておりませんので、どういう部分のお話なのかというのを詳細に承知をしておりませんし、そういう御要望も直接いただいておりませんので、今の段階では何とも言えないという状況です。ただ、基本的にはこの特別会計は失業保険の準備の部分もあるわけでありますので、そういう意味では、今大変厳しい状況の中でそういうことが直ちに実施をされるということは想定しにくいと考えています。
記者:
労働者派遣法についてですが、今日、部会が開かれてまとめがあったのですが、大臣の諮問では昨年の派遣村を受けて改正をということだったのですが、今日のまとめ案では3年の猶予期間にさらに2年の猶予期間、登録型派遣の禁止について計5年の猶予ということが提案されているのですが、これでは実質的に骨抜きではないかという批判もありますが、5年の猶予というのはどうお考えになりますか。
大臣:
これについても色々諮問をして審議をいただいている形で色々な御議論があったと聞いておりますが、まだ詳細な報告を受けておりませんので、その報告を受けて政務三役、あるいは関係各方面とも御相談をしながらどういう対応にするかというのは決めていきたいと思います。
記者:
5年という長さに関しては率直な感想としていかがですか。
大臣:
まだ直接報告を受けておりませんので、どういう議論の中でどういう位置付けでお話があるのかということも詳細にお話を聞いた上で私の感想なり判断なり、あるいは政務三役や関係者の皆さんと議論をしてそういうこともどう考えるか決めていきたいと思います。
記者:
診療報酬についてですが、今日、中医協で正式に薬価の引き下げが決まると思いますが、医療費ベースで5千億円くらい出てきますが、改めてどういったところに手当てしていきたいかということと、財務省の方は本体部分の引き上げということではなくて、勤務医と開業医の格差を是正したりということで医療崩壊を食い止められるのではないかという主張があるのですが、厚生労働省はそれでは足りないと思っている理由についてお聞かせ下さい。
大臣:
色々な数字の積み上げというのもシミュレーションという形でしておりまして、そういう意味では私どもとしても診療所と勤務医の格差、これは是正する措置をとっていこうと、あるいは診療科ごとの格差も是正する措置をとっていきます。ただ、それを是正する措置をとる、あるいはジェネリック医薬品を促進する、あるいは薬価をさらに1品目ずつ見てさらに下げられるのかどうかということも含めてある程度粗々の結果を財務省にも申し上げ、ただ、それを実行した上で積み上げていくとネットでプラスということが医療を再生するためには必要であると、こういう結論になっておりますので、決して過大な要求をしているつもりはありませんが、そういう意味では前から申し上げているように、地域医療を立て直す、救急、産婦人科、あるいは小児科、外科、救急を含む病院、勤務医、そういうキーワードの中で医療を再生していこうとすると、本当にぎりぎり必要な部分を積み上げていくとネット全体でプラスにしなければ立て直すことができないと考えておりますので、そういう説明も申し上げたところであります。いずれにしても、今回ネットでプラスになれば10年ぶりということになるわけでありまして、ある意味ではこれまでかなり限界を超えた切り下げというのが医療崩壊を招いたという反省の下、政権交代が成された。これも一つの原動力であったと思いますので、財務省とまだ交渉は続いておりますので、そういう主張を極力具体的に申し上げていきたいと考えています。
記者:
子ども手当についてですが、昨日、総理がおっしゃった不要な方は自治体に寄付する制度を創設という話があったのですが、元々国が財源を捻出して出した手当を国に返納するのではなくて、自治体に寄付するという行為自体についての考え方と、寄付を募るという行為自体が自治事務であるため、法律に規定するのは難しいのではないかという見方もあるのですが、大臣は制度についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
大臣:
私も先ほどの繰り返しになりますが、具体的にどういう制度設計なのか、どういう考え方なのかというのは詳細に聞いておりません。あるいは、制度設計について事務を司る自治体、関係各方面等の意見調整もあろうかと思いますので、そういうところがどこまで進んでいるのか、あるいは具体的な制度設計や、それに係る必要経費等々も今後関係者から聞いて、私なりの判断をして行きたいと思います。ただ、総理が申し上げたことですので基本的にはそれを実現するためにどうすればいいのかということも考える体制で臨んで行きたいと思います。
記者:
関連ですが、子ども手当について寄付を募ることが出来るようにすると総理がおっしゃったことに関して、寄付という話は大臣は事前にそういうふうに話をしたいという話はあったのでしょうか。
大臣:
私にはありませんでした。
記者:
そうすると、自治体への意見調整がどこまで進んでいるのかという話ですが、まさにこれからなさるということなのでしょうか。
大臣:
そうです。ただ、他の部局で厚生労働省以外のところでそういう実態把握がなされているのかどうか、私も分かりませんがヒアリング等がされているのかどうかも確認して、具体的にどういう制度設計の下での話なのかということは把握をして行きたいと考えております。その上でいろいろな準備なりを考える必要があるのではないかと思います。
記者:
今回の予算全体の関係でもあるのですが、今回の予算折衝が大詰めに来て、党の小沢幹事長から要望が来て、改めて大きな項目が再検討という形になったと思います。こういった経緯を経て今回の方針が出たことについて評価というか、大臣としてのとらえ方をお伺いしたいのと、党から要望が入った背景には、厳しい財政状況があると思いますが、厳しい財政を考えた場合こども手当の地方負担をどのようにお考えなのでしょうか。
大臣:
党からの要望ということですが、おそらく前の政権においては一本化どころか、あらゆる角度から党や、それに関連する議員や、議員のバックアップを受けた団体、各方面からの要望が直接役所にたくさん寄せられたということがあったと推察します。今回新しい政権では、一定の仕切りをして、とは言え、議員内閣制ですので与党の多数で総理大臣が選ばれて我々内閣が構成されておりますので、そういう意味では党の要望も非常に重要な御意見であるというのは閣僚、総理、私も認識しておりますので、そういう要望をお伺いするというのは当然のことだと思います。整理された上で要望伺いをしていくと。ただ、私も何度も申し上げておりますが、最終的に決断するのは内閣、政府が決定するということは、どなたも御理解いただけることだと思います。そして、厳しい財政という話がありましたが、子ども手当の財源につきましては、かねてより申し上げておりますが、概算要求で所得制限なしということで国費というような形で御要望しておりますので、そういう立場でありますがかなり厳しい財政だということで、地方の負担を現状より増やさない範囲で、事業主負担も増やさない範囲で御理解をいただくという考え方も浮上しているのも事実だと思います。いずれにしても、いろいろ今後、御議論した上で全体の枠の中で決定されて行くことだと思います。
記者:
臓器移植についてお伺いしたいのですが、臓器移植法の斡旋業務関係で報道されたのですが、臓器移植法を所管する厚生労働省の大臣として、事例の実態を把握しているのかということと、調査する考えがあるかということについてお聞かせください。
大臣:
今、報道された件の詳細についてまだ把握をしておりませんので、関係各方面と協力をしてまずは情報収集をして行きたいと考えております。言うまでもありませんが、臓器移植法では臓器の斡旋業については、厚生労働大臣の許可を受けなければならないと規定されておりますので、これに違反して無許可で臓器の斡旋業を行った人には刑事罰の規定がされております。刑事罰の対象となりうる事案である可能性もあり、慎重な対応が必要であると考えております。いずれにいたしましても、この問題についても情報の収集に努めて行きたいと考えております。
記者:
関連してですが、臓器の自給自足を推進するWHOの新指針が来年承認されるということで、臓器移植法の改正で国内で手術が出来るケースが増えると思いますが、新指針が承認されたあとでの渡航移植のあるべき形をお聞きしたいのですが。
大臣:
新指針というのが具体的にどういう中身で、どういう影響を及ぼすのか、あるいは臓器移植法の詳細な運用内容も今各先生方にお願いをして、詰めている状況です。それを総合的に判断しないと、今確定的なことを申し上げられる段階ではないと思います。
記者:
東京医科大学の八王子医療センターで行われた、生体肝移植で50人中20人が手術後に死亡した件ですが、センター側が手術中の技術面に問題があったという報告書を先ほど会見で公表しましたが、この件について大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
私としても具体的な情報収集、現状把握をして対応が出来るのか、あるいは他の病院と比較をして、どういう状況なのか、あるいはこれまで同じような事例で報告が上がっていない事例があるのかというのを詳細な現状把握に努めて参りたいと思います。その上で対応策が必要であれば、厚生労働省としてその対策を打ち出して行きたいと考えております。
記者:
今日から、子宮頸がんのワクチン接種が始まりますが、今のところ一本3万円以上と価格が非常に高く、これについて今後補助などを御検討する考えはありますでしょうか。
大臣:
マニフェストで子宮頸がんワクチンというのは掲げさせていただいておりまして、政権交代後ワクチンをお使いいただくということになったわけですが、おっしゃられるように自己負担が高いという意見もあります。これについて、我々としても検討はして参りますが、いろいろな他のワクチンとの自己負担の見合い、あるいは財政上の制約等々、調整する事項もありますので今直ちに結論が出るという案件ではありませんが、御要望はいろいろ承っているところですので調整や、御意見を聞きながら判断して行きたいと思います。
記者:
子ども手当についてですが、詳細な制度設計は承知されていない、子ども手当の制度設計は大臣の手を離れたということでしょうか。人ごとのように聞こえるのですが。
大臣:
これは誤解があるとはいけないのは、詳細な制度設計というのは子ども手当のことではなく、寄付をする云々についてどういう制度設計で、どういう考え方があるのか。あるいは、関係自治体を含めどういうコンセンサスがあるのか。あるいは、法律改正の項目というのは、具体的にどの法律に、どう関わって来るのか、その部分の制度設計について今後詰める必要があると申し上げたわけです。本体である子ども手当を支給するものについては、概算要求提出時点から省内に指示をいたしまして、所得制限なしで法案作成をしております。かつ、事務についても第二次補正でシステム経費などを計上させていただきまして、その部分については制度設計を含めて進んでいるところです。厚生労働省が制度設計をするということですが、その寄付の部分について具体的にどういう制度設計、どういう話なのかということを把握して、それを進めるということです。
記者:
財源の負担割合についても、厚生労働省が主体的に考えて行くということでしょうか。
大臣:
財源の負担割合については、調整項目になっていると考えておりますので、私としては財源の部分については今は国費という形で法案は作りつつあるということです。ただ、調整の結果どういう結論が出ても、対応出来るような形にはしているつもりです。
記者:
子ども手当についてですが、ここ数日間所得制限の額について、党の側からいろいろな意見が出ておりましたが、昨日までの段階で大臣との間で、具体的な額についての打診なり、協議の場というのはあったのでしょうか。
大臣:
昨日、菅大臣にお会いしましたが、その間所得制限に関して、具体的にそういう打診はありません。
記者:
民間の臍帯血バンクについてですが、先日茨城の方で民間バンクが破綻し1,500人分の臍帯血が、行き場を失ってしまったという報道があったのですが、こうした民間バンクについて参入の規制がないので、誰でも参入出来てしまうということで、ハードルが非常に低いということがあるようですが、そうした規制の要不要について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
民間バンクについて、今まできちんとした統計がなされていないと考えておりますので、全国の民間バンクについてまずは具体的にどういう件数で、どういうお仕事をされていてということをさらに詳細に把握をして、その件を含めて対応を考えて行きたいと本日指示して行きたいと思います。

(了)