長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.11.13(金)9:10 ~ 9:26 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今閣議が終わりました。閣僚懇談会の中では、「会計検査院検査報告の活用について」ということで、会計検査院の検査報告が出ましたが、それについて閣僚は自らの担当分野について着実に改善するように取り組んでくれというお話がありましたので、すでに調査、改善策を検討させておりますが、改めて、厚生労働省分野について指摘された部分については関係各局にそのコピーと2枚目には改善策を付けたペーパーを暫定版で良いからということで今日中に私に提出するようにと指示をしたところであります。

質疑

記者:
来週から厚生労働委員会の本格的な議論が始まると思いますが、大臣にとってはある意味で攻守交代となるわけですが、それに対する意気込みをお願いします。
大臣:
来週から厚生労働委員会、衆議院と参議院で多分何時間コースという長い基本所信に対する質疑というのが始まると思います。私もこの前、所信表明をさせていただいて、議場の風景が様変わりであるということに非常に感慨深い思いを持ちまして、民主党の議員の方々が大変多いし、席も逆になっておりまして、感慨深いものがありました。その前段で予算委員会でかなり厚生労働分野も質問を受け、そこで誠心誠意答えたつもりでありますので、同じ感覚を持って、衆議院、参議院の厚生労働委員会に臨んでいきたいと思います。所信表明の冒頭にも申し上げましたが、これは与野党問わず、御指摘をいただくというのはありがたいことでありますので、その御指摘を真摯に聞いて、改善できるものは速やかに改善をしていくという非常にありがたい場であるという思いで臨んでいきたいと思います。
記者:
事業仕分けについてお伺いしたいのですが、厚生労働省の事業でも、廃止や基金の返納などが続いていますが、それについてどのように対応していくのかということと、「この事業を廃止するのは問題がある」などそういうものがあれば教えて下さい。
大臣:
厚生労働省でも閣議決定でかつてありました、内部留保金が30%以上の公益法人をピックアップしてリスト化をして改善策を指示して、そのペーパーも出てきておりますので、これは未来基金だけではなくて、他の公益法人も、私も野党時代も閣議決定の30%を超えるものについては色々な措置をしなければならないと申し上げておりましたので、そういう対応策を全般に渡って出していきたいと思います。後は、公益法人が内部に貯めている基金や内部留保金ですが、例えば、ほとんど補助金が出ていなくて民間の寄付が中心の公益法人については、その内部留保金を国に返還させるというのも、中々民間との問題というのもありますので、そこは仕分けをして、国の補助金が一定以上出ている等々の要件を加味して対応策をとっていきたいと思います。事業仕分け全体でありますが、今日も山井政務官を中心にそこに立ち会って、いくつかありますので、中間報告は受けておりますが全体の状況が確定をしてから細かく一つ一つ深掘りをして判断をしていこうと思っております。事業仕分けでいただく御指摘というのは、我々にとってはありがたい御指摘であると考えておりますので、その御指摘を踏まえて、我々としても判断をしていきます。あるいは御指摘をいただかない、つまり厚生労働省はさらにまだ多くの事業がありますが、同じ切り口で他の事業も考えることが出来るのではないかということも想定しておりますので、それについても事務次官をトップとする、コストやムダを見直すチーム、そこに業務改善という項目も付け加えましたので、そのチームでも検討するように指示をしているところであります。
記者:
新型インフルエンザワクチンの関連についてお伺いします。11日に大臣が接種対応の発表をされましたが、その中で19歳の取扱いについて事務方との意思疎通が取れないように見えましたが、会見後に大臣が事務方に注意をしたとも聞いているのですが、その中で事務方に何が不足していたとお考えでしょうか。
大臣:
基本的には、詳細は地方にも伝わっていたとも聞いておりますが、若干年齢のとり方というのが、法律のとり方もあって、一般の国民の皆様方にわかりにくかったと。つまり、「中高生」と言った時に、例えば中学卒業をして高校に行っておられない方がどうなるのか等々、一般の方が思う可能性があるのではないかということで、改めて「中高生」というのは「中高生に相当する年齢の方」ということで、高校3年で言えば、18歳の方もおられるし、17歳の方もおられるということで、生まれた月によって、3月、4月という区切りで「中高生に相当する年齢の方」ということを明確に国民の皆様方にお伝えをします。これまでもお伝えをしていましたが、それを明確にするという指示をしたところであります。
記者:
日本年金機構についてですが、過去に懲戒処分歴があって、再就職先が決まっていない職員を厚生労働省の非常勤職員として採用することを検討すると一部報道でありましたが、実際に検討はされているのでしょうか。
大臣:
日本年金機構に絡む分限処分の問題については、分限処分の回避努力をしなければならないということが私に課せられておりますので、かねてより厚生労働省に懲戒の方が行かれるということは、そういう流れも前政権からあります。ただ、この分限免職につきましては、先日も平野官房長官のところにお邪魔をして、官民人材交流センターを分限回避ということに限定をして活用するということで内閣でも合意をされておりますので、基本的にはそこで再就職のお世話をするということを今の時点では考えておりますので、それ以上の具体的な検討というのは今はまだしておりません。
記者:
厚生労働省の非常勤職員として採用されるとすると、大臣が以前おっしゃっていた、「曰く付きの年金の業務に、懲戒処分歴のある職員を使うのは考えられない」という方針と齟齬があるのではないかと思うのですが。
大臣:
いずれにしましても、仮にそういうことがあるかどうかは、今の時点では申し上げられませんが、そういうことがあったとしても、これまで申し上げていた方針である、年金記録の対応ではない業務になるのではないかと思います。それにつきましても今の段階では、交流センターで民間を含めたところへの紹介に全力で取り組んでいるところですので、その後の具体的な検討はまだしておりません。
記者:
事業仕分けについてですが、大臣はかねてからおっしゃっているように、存在意義があると思うのですが、鳩山政権が目指す政治にとって、必要なものか、必要なものじゃないのかという議論がなく、費用対効果のみで断じられて行っていることに対する批判も出ているのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これもかねてより、内閣として申し上げていることですが、「国家戦略局」、今は「室」ですが、それと「行政刷新会議」は車の両輪です。「行政刷新会議」は一定の基準に基づいてそういう結論を出します、それを「国家戦略局」、あるいは各閣僚が判断をして内閣としての意思決定をします。具体的に言えば、12月末の予算編成ということになると思いますが、それはもちろん閣議決定になりますので、そういう仕切り、プロセスで鳩山政権の意思を明確に打ち出していくことになろうかと思います。今冒頭おっしゃられたように、「行政刷新会議」があって、「刷新送り」というらしいのですが、官僚の方が「刷新送り」になってしまったと言われたのを聞きました。そういう事業について、逆に外からそういう御指摘をいただく、私は中から指摘するということで、これまで中々浮かび上がってこなかった問題点も、内と外が連動するような形で浮かび上がってくることもありました。特に雇用能力開発機構などについては。そういう意味では御指摘をいただくというのは、国会の御指摘も含めて大変ありがたいことだと思っております。
記者:
診療報酬の問題ですが、先日、支払い側の健保連とか連合の方が、診療報酬の全体の底上げは保険料の引き上げ、窓口負担の引き上げにも繋がるのではないかということで、全体の底上げについては慎重にして欲しいという要望書を持ってきたと思うのですが、これについての受け止めをお願いいたします。
大臣:
今日も中央社会保険医療協議会が開かれ、10時からも小委員会が開かれますが、やはり、理想的には保険者の負担や、患者さんの自己負担もありますので、そういう意味では薬価の御指摘も「行政刷新会議」でいただきましたので、全体的に引き下がる、つまり効用は維持した上でコストが引き下がる部分は出来る限り引き下げていただいて、その差額の上げるべき部分については上げるということで、「行政刷新会議」でも御指摘いただきましたが、診療科間での報酬の差、あるいは、勤務医、開業医との差など課題がありますので、出来る限りネットでの上昇幅は抑え、下がった部分の差について配分を大胆に見直していくということがあるべき姿だと思っております。ただ、どこまで効用を維持しながら価格を引き下げる、効用が下がって、価格が下がるのでは意味が薄くなる可能性もありますので、そこがどこまでの段階まで出来るのかというのは、これから詳細を見極めて診療報酬改定の全体の枠組にも臨んで行きたいと思います。
記者:
事業仕分けですが、昨日、障害者保健福祉推進事業費が見直しとなりました。予てから鳩山政権は弱者に手を差し伸べる政治ということでしたが、それと逆行して行くのかなという指摘があるのですがこれについて大臣はいかがお考えでしょうか。
大臣:
これも詳細を見て行かなければならないと思います。そういう行政も重要ですが、一方でそれとの関わりは別として起訴されるという事件もありました。その部分を含めて詳細に効果が上がっているのかどうか。当然、政策目的というのは必要なものだと思いますが、あとは手段として、そういう手段がいいのか、あるいは別の手法の方がより効果的なのか、政策目的、つまり障害者の皆様が福祉を向上するような環境に持っていくことに異論はありませんが、そこに到達するまでの手段、手法についてさらに効果的なものがあるかという観点で、これを見ていくということだと思います。

(了)