加藤大臣会見概要

H30.6.22(金)10:10 ~ 10:22 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず、冒頭、今週18日大阪府北部を震源とする地震が発生し、幼いお子さんやご高齢の方が現時点では5名の方が亡くなられる等、広範囲にわたる被害が発生しております。亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方にお見舞い申し上げたいと思います。そして、この日曜日、大阪を視察していきたいと考えております。吹田市の国立循環器病研究センターを視察し、また高槻市の避難所を視察をし、現場の状況を確認していきたいと思います。被災地では、水道や医療の状況はほぼ復旧しているということでありますが、避難所に避難されている方々がいらっしゃいます。そういった方々の支援が今後必要になってくると思っております。そうした状況をしっかりと把握し、今後の支援につなげていきたいと考えております。

質疑

記者:
技能実習制度についてお伺いします。先日、厚労省が発表した調査結果によりますと、技能実習生が働くおよそ7割の事業所で法令違反が確認されました。改めて制度の不備ですとか形骸化が指摘されていますが、こういった実態に対して厚労省としてどういった対応をされていくお考えかお聞かせください。
大臣:
ちょうど今、昨年11月に施行された新しい技能実習制度とそれ以前の実習制度が2つダブルトラックで走っている状況でありますけれども、この新技能実習制度では、監理団体について事前の許可制、技能実習計画を個々の実習生ごとの認定制、また外国人技能実習機構が監理団体や実習実施者に実地検査を行い、適正な事業運営が行われていることを確認する、こういう仕組みになっております。具体的には、この機構は、原則として監理団体に対し年1回、実習実施者に対しては3年に1回程度、また必要に応じて訪問し、適正な事業運営が行われているかを実地にて検査をする。また、同機構が法令違反等の不適正な事案を把握した場合には、是正を指導し、特に悪質な事案については主務大臣が技能実習計画の認定や監理団体の許可の取り消しを行うという仕組みになっているわけであります。まず、これに則ってしっかりと対応していくということが必要だろうと考えております。ここにきて、いくつか具体的にマスコミでも技能実習の不適正な実態が報道されているところでありますので、個々について一つひとつ申し上げるわけにはいきませんが、そうした様々な問題がある実習実施者や監理団体に対してしっかりと調査を行い、さらに問題点があれば、追加的な調査、適正等をしっかりと図っていきたいと思っております。また、21日付けで法務省、厚労省、外国人技能実習機構の連名で、今回新しい仕組みですが、監理団体に対し計画通りの実習が行われるよう適切な監理を行うことについて、注意喚起を行うとともに、それに関する迅速な行動も求めています。適正な運営がしっかり行われるよう対応していきたいと考えております。
記者:
技能実習生との関連で、確認と絡めてなのですけれども、厚労省としてはすぐに監理団体に対して技能実習生を扱っている企業に対して何か調査をしたりですとか、処分をしたりと言うことについては現時点ではお考えではないのでしょうか。
大臣:
先ほど申し上げた旧制度と新しい制度があるのですが、新しい制度の下で申し上げると、まずは外国人技能実習機構が対応すると言うことで、そこにおいて色々な問題があれば、今度は私どもの方で、先ほど申し上げた技能実習計画の認定、監理団体の許可の取り消し、こういうことにつながってまいります。したがって、まずは機構が一義的に対応していただくということであり、機構に一連の情報の把握をしていただく。我々はその情報を共有しながら、技能実習制度が適切に運営していけるように対応していきたいと考えています。
記者:
2問あります。1問は、今の技能実習生のところなんですけれど、その前の骨太方針のところに今後外国人の新たな雇用制度、新たに国内で働ける制度を作っているということで、そうした場合の現在の技能実習制度をどうしていくかということについての考えについて教えてください。実際に、この制度を新たな制度下でも、結局不正の温床みたいな言われ方をしていますし、国際的には非常に評判の悪い制度なので、これをどう維持していくつもりなのか、それとも新たな制度に切り換えていくのか、その辺の考えを教えてください。もう1問は、全然別の問題になってしまいますが、先月過労死弁護団の方から、過労死認定基準の見直しについて、要望書が出されているかと思いますけれども、これについての対応について現時点で考えていることを教えてください。
大臣:
まず、一点目の話ですが、外国人の技能実習制度は、基本的には技能をそれぞれの国に伝播をする、国に戻っていただいてその力を十二分に発揮して社会にその分野において貢献をしていただこうという制度です。今お話のあった新たな雇用制度ということになると、主眼は日本におけるそうした雇用の不足というものをどう補うかということですから、視点が違うということがまず挙げられます。したがって、それぞれに応じた制度というものが出ている、そしてそれに則った適正な運営が求められているということであります。技能実習制度について確かに色々と国際的にも海外からの指摘を受けたところで、今回新たな技能実習制度を作り上げたということでありますから、今回の技能実習制度の下において、そうしたこれまでの技能実習制度が持っていた問題が発生しないように適正な運営に努めていくという2つの対応が求められているということであります。認定基準の見直しでありますけれども、これは労災基準についてはそれぞれ脳疾患と精神、2つの分野にそれぞれ専門家によって議論してきた結果が今日の状況となっているという認識をしておりますので、今直ちに見直しをしなくてはいけないという状況にはないだろうと思いますけれども、引き続き色々な方々のお話を聞かせていただきたいと思います。
記者:
水道法改正についてお伺いします。本国会の会期が延長されて、与党内からは本国会で水道法改正案を成立させるべきだという声が高まってます。一方で一部の野党からは、今回水道基盤の強化が内容ですけれども、コンセッション方式を導入して、民間に運営権を設定するということについて、批判が出てますけれども、今回改正案で、官民の連携を推進するというものを盛り込んだ狙いについてお願いいたします。
大臣:
いずれにしても、現状、人口減少に伴って、水道に対するニーズが減少している、また一方で、経営基盤が安定化しにくいという状況があります。それからやはり日本の水道も敷設されてから随分長い期間が経って老朽化もしているわけでありますから、そういった状況に対して、将来にわたって、そうした施設をしっかり管理し、必要な修繕を行い、そして安定的に水道の供給をしていくといことは大変重要なことであります。水道のまず基盤強化を図っていこうということで、今回の水道法改正法案、様々な規定がありますが、その一つとして、民間事業者が持っている技術や経営ノウハウ、これらも活用することによって、より有効な対応が図っていければ、そういう選択肢を一つ作っていくということであります。ただ、この多様な官民連携、コンセッションも含めて、コンセッション方式となりますけれども、引き続き地方公共団体が水道事業者としての位置づけ、これは維持をして、そして水道事業の公共性を担保した上で、コンセッション方式をとっていくということでありますから、一部には、そこを切り離されたようなイメージを持っている、その様な方もいます。引き続き今回の仕組みを、これまでもコンセッションでやれたのですけれども、これまでは水道事業の認可を市町村に戻し返して、そして民間がそれを受けるというやり方しかとれなかったのですが、今回は引き続き水道事業法上の認可を市町村に受けながら、コンセッション方式を導入することを可能にするということであります。まさに一方で地方公共団体がその責任をしっかりと調査していただきながら、経営等においては民間のそうしたノウハウを取り込んでいく、そういったことにつながるということを期待し、今回の法案を、それ以外にも中身はありますけれども、作らせていただいて、提出させていただいた、こういうことであります。
記者:
大阪の視察に関してお伺いしたいのですけれども、視察の際は大阪知事とか、地元の自治体の方とか、どなたかお会いしてお話する予定があるのかどうか教えてください。
大臣:
高槻市長は日曜日でも対応いただけるということなので、高槻市長からはお話を聞かせていただく予定です。
記者:
視察ではどういった部分を重点的に見て、今後の施策にどう活かしていきたいと考えているのかお考えをお願いいたします。
大臣:
一つは国立循環器病研究センター、ここで当初の非常電源がうまくできなかった等の問題があり、そこに入院している方が他の病院施設に転院せざるをえなかったという状況であります。この施設そのものは移築するということで、別途新たな建物を造っているわけでありますけれども、当然医療サービスが提供されている下でありますから、そういった下によって、適正な運営がなされる、そういったことも含めて、あるいはさらにそういった事態においてどういう対応が今後必要なのかということも含めて、現地から話を聞かせていただきたいと思っております。それから避難所の関係については、水道は復旧しており、断水は終わり、濁った水はほとんど出ていないとは聞いておりますが、まだガス等が復旧していない、あるいは夜間になるとそうした地震に対する不安を抱えておられる、特に単身の方、あるいは高齢者の方のもいらっしゃるので、引き続き避難所の運営は続くだろうと、その中でこれからどういうサポートが必要なのか、そういったことも含めてお話を聞ければと思っております。

(了)