加藤大臣会見概要

H30.6.15(金)9:33 ~ 9:43 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、冒頭、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議を閣議の前に開催いたしました。目黒区で発生いたしました事案については、このような形で子どもさんが亡くなられたことは誠に残念であり、心からご冥福をお祈り申し上げます。児童相談所への児童虐待相談件数は、平成28年度は12万件超となっておりまして、5年前と比べるとほぼ倍増という大変深刻な状況が続いております。このため、何よりも政府・関係機関が一体となって、子どもの命を守る、そして今回のような痛ましい事件が二度と繰り返されないよう「やれることは全てやる」という強い決意の下で、徹底した対策を早急に講じていく。そのため、児童虐待の専門機関である児童相談所を中心に市町村、警察、保健所、学校等の関係機関、そして地域社会が連携し、しっかりと子どもたちの安全・安心を守っていくことが必要であります。本日、閣議に先立ち、総理の下、関係大臣にお集まりいただきまして、「児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議」を開催し、関係府省庁連携をしながら、児童虐待防止対策の強化に取り組む方向性を確認するとともに、安倍内閣総理大臣から子どもたちの命を守ることを何よりも第一に据え、全ての行政機関があらゆる手段を尽くすよう、緊急に対策を講じることについて指示をいただきました。今後、児童虐待防止対策について、総合調整の任に厚生労働省がありますので、私を中心に関係府省庁と連携をしながら、児童虐待防止対策の強化に取り組んでいきたいと考えております。具体的に申し上げますと、虐待相談に適切に対応できるよう児童相談所や市町村の職員体制を強化する。二つ目として、未就園児・未就学児の把握・フォローなど早期発見・早期対応。三つ目として、児童相談所間・自治体間の情報共有の徹底や児童相談所・警察・学校・病院等の関係機関の連携の強化。適切な司法関与の実施。保護された子どものための里親支援体制や児童養護施設等の機能の強化など、地方交付税措置を含めた必要な対応について、更なる対策を検討していきたいと考えております。また、今回の事案に関しては、厚生労働省としても自治体間をまたがる課題等もあることから、自治体から必要な事実関係等を把握の上、検証を行い、関係府省庁ともその結果を共有しながら、必要な対応に取り組んでいきたいと考えております。なお、この対策については、一ヶ月程度を目途にまとめられることをまず打ち出していきたいと思います。

質疑

記者:
先ほどの会議で総理からも緊急に対策を講じるようにと指示があったと思うのですが、厚生労働省としては、どういった観点から対策を講じていくお考えでしょうか。
大臣:
具体的なことについては、これから、今申し上げた点の中で私どもとして対応すべきもの、それから取りまとめていくというところであります。特に、今回の事案を踏まえますと、今回のような引っ越ししたケースについての児童相談所間や自治体間の情報共有、あるいは、子どもに会えずに安全確認ができない場合の対応のあり方について、問題意識をもって検証し、対策を講じていきたいと考えております。
記者:
目黒区の事案に関して、国としても検証を行うということですけれども、これは大体いつ頃までに終えたいとお考えでしょうか。
大臣:
東京都と香川県で検証をしていただくことにしておりますが、厚労省としても、そうした二都県の検証結果を踏まえて、必要な対応に取り組んでいきたいところでありますが、加えて二都県にまたがる事案でもあるということで、厚労省として両都県からの必要な情報収集を今図っております。それらを踏まえて具体的にこれから専門委員会でご検討いただくと思いますが、秋頃までに、一定の整理ができればと思っております。これからお諮りするということではあります。
記者:
課題の中で挙げられています警察との連携強化、これは具体的にどのようなことをイメージされているのでしょうか。
大臣:
これは色々と指摘をされていますが、児相と警察の間の情報共有のあり方、それから、先ほど申し上げましたが、会えない場合の対応と言うことで基本的には児相が対応していくわけでありますけれども、そういった場合の警察との連携を含めて議論させていただきたいと思います。
記者:
関連の話になりますけれども、今回の事件は児相が行って面会を拒否されて、児相が抱え込んでしまって、警察に連絡しなかったという事案です。本来、過去から非常に繰り返されていて、一般的な質問なのですけれども、児童相談所が警察と連携情報を共有できないのかというところを伺いたいのと、要望書でたぶん大臣のところに来ているかと思うのですけれども、そういった形での法改正に踏み込むというお考えはありますでしょうか。
大臣:
まず本件については、これから検証していくことになっているわけですから、断定的なことは申し上げる状況にはないということでございます。また、児相と警察の情報共有に関しては、情報共有の仕方が、都道府県ごとにそれぞれ必要な状況に応じて対応されているということでございます。中には一律でというご意見もありますけども、それに関しては、児相として対応していく、また信頼関係を作っていく、そういった上において、警察に相談内容を知られてしまうことに抵抗がある保護者、関係機関等が相談を控えてしまって、対応の遅れにつながっていたのではないか等の懸念の声も出ている。そういう中で必要な情報はもちろん共有されているわけでありますが、そういったこともありますので、一方で全件を共有している自治体もあります。したがって、例えば全件共有している自治体について、そういった懸念がどういったことで、それから実際どういうふうに運用されているのか、そういったこともお聞かせいただきながら検討させていただきたいと思っております。
記者:
国としての検証の話の中で、香川と都の検証結果を踏まえて情報収集した上で専門委員会で秋ぐらいに取りまとめたいというお話でしたが、この委員会というのは新たに何か立ち上げるのか、それともこれまである虐待児の検証委員会でそのまま検証されるのかお伺いできればと思います。
大臣:
既存の委員会を活用するということであります。
記者:
優生保護法をめぐる訴訟の中で、仙台地裁が先日、憲法適合性についての認否を出すよう国側に求めました。書面提出期限は7月末とまだ時間はある段階ではありますが、この件について、どのようなご見解を現時点でお持ちでしょうか。
大臣:
ご質問の裁判所からの要請、これは現在継続中の訴訟の対応に係ることでありますので、コメントは差し控えたいと思っております。いずれにしても、関係省庁と協議の上、適切に対応していきたいと思っております。本件については、現在、与党のワーキングチーム、また超党派の議連で精力的なご議論いただいております。厚労省としては、これらの要請に基づき、現在都道府県が保管している資料の調査、あるいは保存等のお願い等をさせていただいているところであります。引き続き、そうした与党ワーキングチームなどにおける議論を注視しながら対応させていただきたいと思います。またそうしたご要請を踏まえ、対応させていただきたい。これは裁判の事案に対してということであります。

(了)