上野大臣会見概要
(令和8年10月9日(金)9:39~9:48 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- まず私からですが、厚生労働省関係法案の閣議決定についてです。本日、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。この法案は、集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染された方への給付金の請求期限について、現在の請求状況などを勘案して、令和14年3月31日まで延長する等の措置を講ずるものです。今後、本国会において速やかにご審議いただくようにお願いしたいと考えています。
- 2つ目ですが、本日の閣議で、令和8年版過労死等防止対策白書が決定されました。本白書は、過労死等防止対策推進法に基づき、毎年、国会に報告しています。今回の白書では、過労死等の現状、過労死等防止対策の取組状況に加え、近年の過労死等の労災請求件数に関する傾向の分析結果や、過労死等が多く発生している業種等に係る労災支給決定事案の分析結果などを報告しています。引き続き、過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命感をもって、過労死等の防止のための対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。
質疑
- 記者:
- 令和8年版の過労死等防止対策白書について伺います。今回の白書について、大臣が特に重要なポイントと考える内容や国民に呼びかけたいこと、また、必要な対策について、ご所感をお聞かせください。
- 大臣:
- 本日、閣議決定された過労死等防止対策白書ですが、過労死等の労災請求件数の増加の要因について分析を行っています。近年の精神障害に係る労災請求件数及び労災支給決定件数の増加については、主に上司とのトラブルなど対人関係に起因するものであると分析しているところです。また、過労死等が多く発生している業種等に係る労災支給決定事案の状況について分析を行いました。脳・心臓疾患については、自動車運転従事者が減少傾向ですが、依然として他に比べ件数が多いことがあろうかと思います。また、精神障害については、IT産業やメディア業界以外は増加傾向にあります。特に医療、建設業、自動車運転従事者は大幅に増加していること等の内容をお示ししているところです。厚生労働省としては、関係省庁と連携しながら、職場等におけるメンタルヘルス対策やハラスメント対策の徹底、長時間・過重労働の防止の取組の推進など、過労死等の防止のための対策に全力で取り組んでいきたいと考えています。働くことで命を落としたり、健康を損なったりすることは、あってはならないことですので、国民の皆様におかれましても、過労死等を防止することの重要性を認識していただき、これに対する関心と理解を深めていただきたいと考えています。
- 記者:
- B型肝炎特措法について伺います。今回の法案に関連し、直近の提訴件数とともに、法改正のねらいや意義をお願いします。併せて、救済制度の周知を含めて、今後の厚生労働省の対応方針もお願いします。
- 大臣:
- 直近の令和7年度の提訴者数は、約14,000人となっています。これは、平成23年の法施行以降、過去最多ということです。他方、今なお多くの未提訴の方がおられるので、今般の法案においては、給付金等の請求期限を令和14年3月31日まで5年間延長することとしています。これによって、一人でも多くの特定B型肝炎ウイルス感染者の方が給付金を受けられるようにすることで、集団予防接種等により生じた感染被害の迅速かつ全体的な解決に資するものと考えているところです。また、肝炎ウイルス検査の受検促進や給付金制度の周知・広報については、これまでも「知って、肝炎プロジェクト」を通じた普及啓発、利便性の高い検査体制の確保、検診機関等へのリーフレット配布などを行ってまいりましたが、引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 糖尿病の治療薬マンジャロについてお伺いします。韓国ではマンジャロの持ち込みが禁止されていますが、日本の方が安いという理由で、日本に来て処方を受けて持ち帰るケースが報告されていて、韓国当局も、日本からの持ち込みが多いとのデータを公表しています。厚生労働省として、この現状についてどのように捉えていますでしょうか。また、日本の医師もこうした現状を認識していながら外国人観光客に処方しているケースがあるとみられますが、厚生労働省として何らかの対応を検討する考えはありますでしょうか。
- 大臣:
- ご指摘のような報道があることは承知しています。マンジャロについては、適応外で使用された場合には思わぬ健康被害につながる可能性が否定できないことから、適正使用の確保ということは重要な課題であると認識しています。医薬品を外国人旅行者に対して処方する場合ですが、単回の診療では治療経過の情報が限られるので、日本に滞在中に必要とする量を処方して、帰国された際には、改めて、当該国のかかりつけ医等の診察を受けてもらうことが適切だと考えています。このため、帰国後に使用するなどの目的で、医師が外国人旅行者に過剰な期間分の医薬品を処方することは、患者の医療安全の観点からも適切ではないと考えています。マンジャロ等を適応外で使用する際のリスクについて、本年10月3日に日本肥満学会の見解がまとめられたことから、関係学会とも連携して、広く国民や医療関係者に周知するなど、必要な対応に引き続き取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 改めて通知を出すことなどは考えていますか。
- 大臣:
- 現在のところ考えていませんが、何らかの方法で国民の皆さんや医療関係者に十分お知らせしていくことは重要だと考えています。
- 記者:
- 過労死白書の関連でお尋ねします。精神障害に関する労災請求件数、認定件数ともに増加傾向にあり、白書では特に医療分野での労災認定が急増していることが盛り込まれました。こうした増加の原因をどのように分析されているか、また厚生労働省としての対応方針など、ご所見をお願いします。
- 大臣:
- 精神障害に係る労災請求件数及び労災支給決定件数については、医療分野での増加が顕著ではあります。ただ、ほぼ全ての業種で増加している状況です。その要因としては、主に上司とのトラブルなど対人関係に起因するものであると分析しているところです。今後の対策としては、先ほどもお答えしたものと重なりますが、職場におけるメンタルヘルス対策やハラスメント対策の徹底、長時間・過重労働の防止の取組の推進など、過労死等の防止のための対策に全力で取り組んでいきます。
(了)

