上野大臣会見概要
(令和8年10月6日(火)10:43~10:54 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 冒頭私からはありません。
質疑
- 記者:
- 社会保障審議会の医療保険部会で今月、高齢者が支払う医療費の窓口負担の見直しに関する議論が始まりました。所得水準や年齢区分の見直しが焦点となっており、現役世代と同じ3割負担となる対象者の拡大に向けた議論も行われる見通しです。医療保険制度の維持の必要性が叫ばれる一方で、高齢者の負担増に対する懸念も高まっています。大臣は今後の窓口負担の在り方について、どうあるべきとお考えでしょうか。また、部会でどのような議論が行われることを期待されますか。
- 大臣:
- 高齢者の医療費の窓口負担割合については、自由民主党と日本維新の会の社会保障制度改革協議体で、本年7月に取りまとめられた社会保障改革項目に関する具体的な骨子において記述されていますが、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行い、そのための改革工程表を令和8年末までに策定するとされているところです。同月閣議決定された骨太の方針にも同趣旨の内容が盛り込まれたところですので、これから自由民主党と日本維新の会の間で様々な協議が進展するものだと承知しています。ご指摘のとおり、先週1日の社会保障審議会医療保険部会においては、高齢者医療制度等の議論を開始しました。今後、高齢者の就業率の上昇や健康寿命の延伸、医療費水準や受診状況の動向、高齢者に低所得の方が多いといった家計の状況なども踏まえて、必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、外来特例の在り方や負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引上げなど、窓口負担の抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担の在り方とともに総合的に検討していくということが重要であると考えています。高齢者にとって必要な保障が欠けることがないよう、丁寧に議論することが重要と考えていますが、本年末までに一定の結論を得られるよう、与党での議論も十分踏まえながら、政府としても検討を進めていきたいと考えています。
- 記者:
- 高額療養費の自己負担上限額の引上げについて質問します。9月25日に日本弁護士連合会が提出した意見書では、「今年8月の引上げの影響を十分に踏まえることなく、2027年8月の更なる見直しを実施することは許されない。2027年8月の引上げは、憲法第25条の生存権及び第13条の個人の尊厳を毀損することのないよう、特に慎重に検討されなければならない」とし、改正省令案に反対するとともに、2027年8月の引上げはゼロベースで慎重に再検討すべきとしています。同意見書に対する大臣の見解をお伺いします。また、年間収入が200万円から400万円の層では、自己負担月額上限が、月の手取り額から食費、居住費、水道・光熱費等の生活に必要不可欠な支出を差し引いた残額(支払余力)の約60%から95%に達し得るとされています。手取り額の大半を奪われる短期集中的な負担を強いられ、深刻な生活破綻に陥る患者が多数生じると指摘していますが、200万円から400万円の治療費の支払余力について、どのように認識されていますか。2027年8月の再値上げで、治療の中断が生じないという根拠をお示しください。
- 大臣:
- お尋ねの日本弁護士連合会の意見書は、9月27日まで実施したパブリック・コメントに対して寄せられたものと承知しています。この高額療養費制度の見直しについては、先般の国会でも様々なご議論をいただいたところですが、令和8年8月分と令和9年8月分の見直しをパッケージとしてご審議いただいた上で健康保険法改正案及び予算を可決いただいたものと承知しています。本年7月に公布した政令改正によって、一体的に措置したところです。いずれにせよ、令和9年8月の施行に向けて、必要な準備を進めていきたいと考えています。なお、今回パブリック・コメントは省令改正であり、中身は様式等の改正ですので、そのことについて付言させていただければと思います。また、2つ目のご質問ですが、年間収入200万円から400万円程度の方の生活費への影響に対するご指摘については、その出典や具体的な算出方法が明確ではないので、これについてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、今回の見直しに当たっては、厚生労働省においても、WHOの定義を前提に、いわゆる破滅的医療支出の議論を念頭に置いて、家計調査のデータを活用して、支払能力と医療費支出の関係を整理した資料を専門委員会にお示しして、議論いただいてきたところです。このような議論を踏まえて、今回の見直しでは、新たに年間上限を創設することとしました。マクロベースで見た場合には、年収200万円未満を除いた全ての階層で、年間の医療費が支払能力の40%を超えないことが確認されているところです。また、年収200万円未満の方については、多数回該当の金額を引き下げることとしているところです。今回の見直しについては、制度の持続可能性の確保の観点から、主に療養期間が短期の方に追加のご負担をお願いすることは確かですが、一方で、今申し上げたように、長期療養者の方や所得の低い方へのセーフティネット機能を強化するということも盛り込んでいるので、こうした見直しの意義や内容を、国民の皆様にこれからも十分ご理解いただけるように、引き続き丁寧に説明していきたいと考えています。
- 記者:
- 年収200万円から400万円の方で、例えばがんで治療中の方において、多数回該当は下がりますが、月額上限は引き上がります。影響はあります。とはいえ、大臣はかねがね、全ての所得階層において、受診抑制は想定されていないと繰り返し述べられていたと思います。今の答弁は、受診抑制や治療中断は引き続き想定されていないという理解でよいのかということと、令和9年8月の引上げを終了した後に事後検証するとおっしゃっていますが、現時点で、どのように検証していく考えがあるのか、もし具体的なことがあれば、値上げされた後に実際に薬を手控えたり治療を中断したり、様々な健康上の影響が想定されるので、それについて、もし言及いただけることがあれば、その2点についてお願いします。
- 大臣:
- 必要な受診の抑制は想定していないということですが、当然、必要な受診をしていただくのは大前提だと思っているので、そのようなことがないように、しっかり今回の制度の見直しの趣旨等について、周知・徹底していきたいと思います。2点目をもう1回お願いできますか。
- 記者:
- 受診していただくのは当然ですが、経済的に受診抑制せざるを得なくなるのではないかという指摘をさせていただいており、それに対して、想定はされていないと当初おっしゃっていたので、想定されていないのか受診勧奨していきたいのかが曖昧な答弁でしたので、1点目についてもう1回お答えいただきたいのと、2点目については、一連のパッケージで値上げし、事後的に受診抑制の動向把握や検証を行うというようなことをおっしゃっていたり、附帯決議をその後守っていきますというようなことをおっしゃっていたりしたのですが、具体的にどのように検証されていくのかという担保がないと、科学的に実際の影響はどうだったかという評価はできないと思うので、それは今この瞬間ではお答えづらいかもしれませんが、当事者からすると、日々苦しんでいるわけなので、受診抑制があったかどうかの検証をどのようにしていく考えがあるのでしょうか。
- 大臣:
- まず2点目ですが、これはパッケージで2年間の措置を取りまとめているので、この2年分の引上げというものを前提にして、その後検証していくことが基本だと考えています。その具体的な手法については、これから十分に検討していきたいと考えていますが、様々なデータが出てくると思うので、そうしたものをしっかり把握し、どういった影響があったのかということを精緻に検証していければと思います。1点目については、必要な受診をしていただくというのは当然のことだと思っているので、先ほども申し上げたように、長期的にはセーフティネット機能をより強化して、安心して医療を受けていただけるような環境づくりに取り組んでいることなどを含めて、しっかりと今回の制度の趣旨について周知、徹底していきたいと思っています。また、いろいろなご相談も、場合によっては自治体レベル等であろうかと思うので、そうした状況についてもできる限り把握していくことが必要かと思います。
- 記者:
- 受診抑制を想定していないのではなく、受診抑制を想定したくない、受診を是非していただきたいという理解でよろしいですか。そこがはっきりしないので。
- 大臣:
- 必要な受診ができないということを前提に制度設計をしているわけではありません。
- 記者:
- よく分かりました。ありがとうございます。
(了)

