上野大臣会見概要

(令和8年9月25日(金)10:46~10:57 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私から冒頭ですが、医療用手袋の一般販売への移行についてです。中東情勢を踏まえ、医療用手袋については、一部の医療機関で確保が困難となっていた状況なども考慮し、本年5月より、計7,000万枚の国の備蓄分について、一定の条件の下で放出を行ってまいりました。放出を開始した当初は、3日間で3,000件を超える要請を頂いていましたが、需要の充足などが徐々に図られてきた結果、現在、要請件数は週100件程度にまで落ち着いてきています。医療用手袋の不足感は緩和傾向にあると考えています。こうした状況を踏まえて、平時の対応へと段階的に移行していく時期であると判断しました。10月より、購入可能枚数の上限や対象施設の限定を廃止するとともに、これまでのG-MISを通じた要請方式から、販売企業から直接購入できる方式に移行することとしました。なお、要請件数がゼロではないこともあるので、厚生労働省としては、引き続き要請窓口の設置は継続していきたいと考えています。詳細については、後ほど、事務方からご説明させていただければと思います。

質疑

記者:
副大臣・政務官について質問させていただきます。先日、副大臣、政務官が新たな体制となりました。それぞれについて、大臣の受け止めをお聞かせください。また、今回は特に、社会保障改革を進める立場の日本維新の会から、浦野靖人氏が副大臣に就任しました。どのように受け止めているかお聞かせください。
大臣:
先週9月18日の閣議で、副大臣・政務官の人事が決定されました。厚生労働省においては、ご案内のとおりですが、浦野靖人さんと藤原崇さんが副大臣、長谷川英晴さんと田中昌史さんが政務官に就任されたところです。総理も記者会見でおっしゃっていたかと思いますが、今回の人事は、実行力重視の人選であると承知しているので、それぞれのお力を発揮していただけるものだと考えています。今ご指摘のあった日本維新の会との関係ですが、閣僚の任命の際にも、総理から、新たな段階へ進む象徴だというお話がありました。そうしたことを踏まえると、やはりこれから、より強固な関係の中で一丸となった政策の実現・遂行に向けて取り組んでいきたいと考えています。日本維新の会と自由民主党の中で、社会保障改革など、今後多岐にわたる課題について、政党間での議論が深まると思います。私どももそうしたものも十分踏まえて、政府としての対応を検討していく必要があると思います。
記者:
冒頭ご発言のあった備蓄手袋の放出について伺います。中東情勢をめぐっては、ホルムズ海峡の開放などについて、アメリカとイランの間で引き続き協議が続いていますが、販売方式変更後も医療機関からの要請があれば放出を続けるのかも含めて、今後の厚生労働省としての対応方針をお願いします。
大臣:
先ほど申し上げたとおりですが、放出を開始した当初は3日間で3,000件を超える要請があったわけですが、直近では週100件程度にまで落ち着いてきていることを踏まえて、先ほど申し上げたような対応に変更させていただきたいと考えています。今般の見直しの後も、引き続き、国の備蓄する医療用手袋を購入いただくことは可能ですし、厚生労働省としては、今後の中東情勢を十分注視しながら、当面はこの対応を継続していきたいと考えていますが、しっかりご要請があれば応えられるように努めていきたいと考えています。
記者:
宗教団体「エホバの証人」が信者に対して、一部の血液製剤による輸血を容認する声明を出しました。これにより、診療時の輸血拒否が減ることが想定されます。これに対する大臣の受け止めに加えて、各自治体や医療機関に対する事務連絡の発出など、今後、何らかの新たな対応を取られるかどうかについて、お聞かせください。
大臣:
お尋ねの宗教団体の発表については、報道によって承知しています。ただ、現時点で自治体や医療機関へ事務連絡等を発出する予定はありませんが、今回の発表の影響は注視していきたいと考えています。
記者:
OTC類似薬の保険除外についてお伺いします。鎮痛消炎剤の外用薬は長期利用の場合でも配慮対象外となりました。建築労働者、介護・保育職、トラック運転手などの現業労働者は、関節や腰痛などの慢性的な痛みを抱えており、負担増により治療と就業が両立できなくなります。働く患者への影響をあらかじめ調査した上で配慮を検討されたのでしょうか。変形性関節症、慢性腰痛等に対する湿布薬又は鎮痛消炎剤は、使用継続の必要性が患者の主観に左右されやすいと取りまとめられましたが、痛みは主観的なものだから我慢しろ、治療そのものを否定されているのでしょうか。慢性疼痛診療ガイドラインを引用し、慢性腰痛に対してNSAIDsの効果はあるものの大きくはない、漫然とした長期投与は避けるべきとされていますが、ガイドラインの指摘は腎機能障害などの副作用リスクを考慮すべきというものであり、慢性疼痛に効果がないことを意味しているのではありません。慢性疾患は増悪や寛解などが繰り返される状態変化の反復性が高いことが特徴です。画像で明確な異常が確認できないからといって、原因がないと断定はできないのではないでしょうか。対象医薬品の継続的又は反復的な使用が確認され、配慮対象とされたアトピー性皮膚炎のステロイドや保湿剤の使用と鎮痛剤にはどのような差があるのでしょうか。
大臣:
4点ご質問いただきました。最初の2点ですが、OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に当たっては、医学、薬学の有識者や患者団体への意見聴取やパブリックコメントの実施などによって、幅広いご意見を伺いながら検討を進めてきたところです。その上で、本制度については、必要な受診を行い、その結果、対象となるOTC類似薬を使用する場合に、医療保険制度の持続可能性を確保する観点から、別途の負担をお願いするといったものです。これは、特定の治療等の医療上の必要性そのものを否定するものではありません。3点目と4点目ですが、長期使用によって別途の負担の対象外とする場合の基準設定については、OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会の中間とりまとめにおいて、診療ガイドライン等において、その有効性や必要性が示されていることなどを踏まえ、総合的に判断することが適当と整理されたところです。こうしたことを踏まえて、鎮痛消炎剤の外用薬については、通年での継続使用の有効性や必要性が明確に示されているものは一部に限られているので、原則として別途の負担の対象としているところです。なお、アトピー性皮膚炎への保湿剤の長期使用や、ステロイド外用薬によるプロアクティブ療法については、診療ガイドライン等においても継続的・計画的な使用の有効性や必要性が示されているので、別途の負担の対象外と整理したところです。
記者:
痛みが主観的なものだという表現や、配慮されないイコール治療の必要がないというように患者さんたちが受け取っている部分があります。ですから、治療の効果が、なかなか治りにくい疾患については、ガイドライン等では効果が明確に出ていない部分もあると思いますが、そのことをもって今回追加負担とされたことによる患者や国民の受け止めが、否定的な受け止めになっているので、治療の必要性そのものを否定するものではないということを明確にしていただきたいとは思います。その上で、制度の話を、今回総合的に判断されたということだと思うので、最後それを確認したいと思います。
大臣:
まさにおっしゃるとおり、治療の医療上の必要性を否定するものではないというのは、様々な治療の中でそういったケースも多々あるかと思います。ただ、そのことと、今回の制度としてこういった基準をもってそうさせていただいたこととは別の観点になるので、そのことは患者さんや医療機関に対しても分かりやすく周知し、お示ししていくことが大切だと考えています。

(了)