上野大臣会見概要(令和8年熊本地震熊本県被災地視察後)

(令和8年8月17日(月)17:12~17:29 熊本県庁)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
まず、今回の地震によってお亡くなりになられた皆様に心からお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。今日は現場を視察させていただきました。発災から約3週間が経過したわけですが、これまでの救命救助というフェーズから生活支援、福祉支援といったものに重きを置くようなフェーズに変わりつつあるのではないかと考えています。とりわけ、避難所生活が長期化することにより、高齢者の皆様が不活発となることへの対応や感染症対策も含めた健康管理といったことに力を入れる必要があろうかと考えています。また、避難所から在宅、二次の避難施設に移られる方もいらっしゃいますが、そうした中での要配慮者の皆さんへのしっかりとした対応を継続していくことが大事だと改めて感じました。被災した医療機関や福祉施設、福祉避難所、保健所等を訪問し、被災者の皆様の生活を拝見してそのお声をお伺いしました。その際には、実際に対応に当たっていただいている専門職の皆様のお声もしっかりと承らせていただいたところです。今後とも、こうしたご意見を踏まえて対応を進めていきたいと思います。本日の視察においては、まず、氷川町の介護老人保健施設である八祥苑や特別養護老人ホームである早尾園において、福祉避難所の様子や、全国からお越しいただいている応援職員の皆様のご活躍を拝見することができました。また、同じく氷川町の宮原福祉センターにおいては、近隣の小規模多機能型居宅介護施設である桜ヶ丘別荘からの利用者を受け入れていただいています。その様子を拝見し、また氷川町長とも意見交換させていただくことができました。八代市では、熊本労災病院が災害拠点病院に指定されており、本年、災害棟が完成したところですが、そこでのご活動のご様子についても拝見し、また、建物等が被害を受けているので、そうした状況についても視察させていただきました。避難所となっている鏡コミュニティセンターでは、避難者の皆様のご様子や各支援チームのご活動の様子を拝見し、八代保健所では、各専門家チームの皆さんとしっかり意見交換させていただいたところです。中には自らも被災されながら、厳しい環境の中でも現場でご活躍いただいている皆様も大変多いとお伺いしています。そうした皆様をはじめ、全ての現地で活躍・活動していただいている皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。その中で先ほど木村知事とも面会させていただきましたが、明日も東京でお会いすることになっています。熊本県並びに関係の市町村からのご要請については、政府としても真摯に受け止め、対応を進めていきたいと考えています。また、先ほどから申し上げているとおり、全国から専門職の皆様に応援に入っていただいています。私どもが把握している限りでは、8月14日現在で、延べ13,000人を超える皆さんに現地に来ていただき、避難所での支援や医療機関での応援に従事していただいています。本当に頭の下がる思いであり、心から感謝を申し上げたいと思います。今後とも様々な課題がありますが、今日、私なりに感じた課題を4つ申し上げたいと思います。1つは、避難されている皆さんの健康管理の問題です。避難所を視察させていただき、専門職の皆さんと意見交換させていただいた上で、やはり、避難所生活が長期化するにつれて、ADL(日常生活動作)が衰えたり、認知症がやや進んだりしているのではないかという感想をお伺いしました。これは我々も真摯に受け止める必要があると考えています。これからは、避難されている方お一人お一人の健康状態をこれまで以上にしっかり把握し、チーム全体で共有しながら進めていくことが必要だということを改めて実感しました。また、今後は避難所のみならず、二次避難先や在宅での避難など、避難の態様が異なってくるわけですが、そうした中にあっても、お一人お一人のニーズをしっかりと把握して、必要な場合には医療機関や介護施設につなげるといった対応にしっかりと取り組んでいくことが重要ですし、そのための情報共有も必要なので、厚生労働省としても、そういった観点からしっかりと応援、サポートできるように努めていきたいと考えています。また、長期化するにつれて、心のケアの問題やリハビリの問題も顕在化します。これについても、専門家チームに入っていただいているので、今後とも専門家チームのご協力を得ていくことが必要だと思います。また、感染症についても、これからは避難所の集約化ということがあろうかと思います。そうなれば、なおさら感染症のリスクが高まる可能性があるので、今も専門家チームに入っていただいていますが、引き続き我々としてもサーベランスをしっかりやり、それぞれの現場で感染症対策が行き届くように取り組んでいきたいと思います。2つめには、マンパワーの問題があろうかと思っています。先ほど申し上げたように、今、介護施設で本当に頑張っていただいており、オーバーベッドといいますか、普段の入所者よりもたくさんの方を受け入れていただいているような施設もあります。そうした中においては、まさにマンパワーの問題が発生していますし、そうした施設で頑張っていただいている皆さん自身が被災されていて、思うように働けないという課題もあります。そうしたことを考えると、これからも介護施設等を中心として、とりわけ福祉分野において、全国からの応援を引き続き強く求めなければいけないだろうと思っています。あるいは、行政としても、現場が多く市町村の職員が疲弊しているというお話も今日お伺いしました。そうした問題について、これは厚生労働省だけの課題ではありませんが、総務省をはじめ関係省庁ともしっかり連携して取り組んでいきたいと思います。3つめには、知事からもお話がありましたが、被災地内での医療施設や介護施設等が、これからも従前の機能を発揮していくことが必要になります。そのためには、被災された施設等の災害復旧を応援していくということが必要になります。激甚災害に指定され、補助率のかさ上げ措置が実施される予定なので、そうしたものも上手に使いながらしっかりと応援していきたいと考えています。また、今回は断水という問題があります。断水については、国土交通省において、8月末までに断水を解消させるといった目標のもとで取り組んでいるところですが、断水解消になったとしても、例えば水道管が損傷していて、施設内で水がうまく供給できないというケースもあるので、事前に加圧調査といって、水が十分に通るかどうか調査していただくことも重要だと思っています。そうしたものについての支援にも取り組んでいきたいと思います。また、熊本県は井戸水を使用していらっしゃるケースが多いとお伺いしているので、井戸の復旧に対する支援についてもしっかり取り組んでいきたいと思います。また、水道復旧までの間に、現在でも代替シャワー施設が導入されている場合がありますが、そうしたものについても補助を実施してまいりたいと考えています。また、高齢者施設のみならず医療施設でも同様の問題が発生しています。これは補助の仕組みが少し異なっているので、それらの調整が一定程度必要ですが、高齢者施設と同等の対応ができるように取り組んでいければと思っているところです。4つめですが、復旧・復興に向けては、生活や生業の支援が非常に大切になってきます。現在、被災地を含む県内全てのハローワークで特別窓口を設置し、働いている皆さんからの相談や中小企業をはじめとする事業主の皆さんからの相談を全てのハローワークで受け付けています。そうしたことを十分活用していただき、労働者の皆さんや雇用主の皆さんをしっかりと応援していきたいと考えています。雇用調整助成金についても、被災状況を踏まえ、災害時の特例措置の実施に向け、急ぎ検討を進めているところです。これについては、厚生労働省の労働政策審議会でのご議論が必要になるので、できるだけ早期に審議会を開催し、結論を得られるよう取り組ませていただきたいと考えているところです。また、生活再建に向けて、当座の生活費を貸し付ける緊急小口資金についても、特例措置を実施する旨を既に通知していますが、近日中に、実際に受付を開始させていただきたいと考えているところです。以上のような事項について、総理からは、できることはすべてやるというような指示を受けているので、厚生労働省としてもそうした方針のもとで取り組ませていただきたいと思います。また、総理からご指示のあった、各省庁共通の支援パッケージをまとめることになっています。そうした際にも、厚生労働省の取組をしっかりと盛り込めるように、私が先頭に立って取り組ませていただきたいと考えています。引き続き、現地の政府対策本部や県や関係の市町村の本部ともしっかり連携して取り組んでいきたいと思っています。

質疑

記者:
先ほどのご発言と少し重なる部分もあるかもしれませんが、10年前の熊本地震では、災害関連死の方も多かったと思います。今回は、暑い中での避難生活の長期化ということもあると思いますし、特に要配慮者の方に対する避難環境の整備、健康状態の維持というところについて、今日の視察の中でどういった意見があったかということと、それを受けて、厚生労働省としてどのように対応していきたいかということを改めて教えてください。
大臣:
前回の熊本地震の際には、災害関連死が非常に多かったと承知しています。今し方、知事からも少しお話がありましたが、搬送でやや時間を要したことによってお亡くなりになった方もいらっしゃると伺っています。今回は、そういった意味では、病院間の搬送を1日、2日程度で終了することができ、搬送された皆さんも特に今は支障ないと聞いているので、一定程度安堵しているところです。今日は避難所を視察させていただきましたが、先ほど少し申し上げたとおり、中には少し体調を崩されているのではないかという懸念がある方もいらっしゃるのは事実だと思います。そうした方に対しても、今現場で、保健師さんのチームをはじめ、専門家の皆さんに非常に手厚く対応していただいていますが、こうしたことが更に長期化すれば、そうしたリスクを抱える方も増えてくる可能性があろうかと思っています。そういった意味では、これから避難所での健康管理を更に徹底していく必要があると思いますし、二次避難先や自宅に戻られた場合など、避難の態様が様々に異なってくるので、そうした場合でも、お一人お一人の健康状態をしっかりと把握できるように、とりわけ、健康に不安のある方、要配慮の方に対する、手厚くきめ細やかな支援が継続できるように取り組んでいくことが必要だと思います。そのためにはやはり、現場の皆さんにご負担をおかけすることになりますが、現場の皆さんにきちんと情報を把握していただき、場合によっては、必要な医療や介護施設につなげるといったきめ細やかな対応をとっていただくことが必要だと思うので、私どもとしては、現場の皆さんの活動を全力で応援していきたいと思います。やはり、情報の共有化が必要になってくるので、皆さんの情報をどのように共有するか、これは1つ課題だと思っていますが、現場の皆さんとよく相談して、厚生労働省としてもしっかりと応援できるように取り組んでいきたいと考えています。
記者:
先ほど社会福祉施設等での、水道復旧後の検査費用についての言及がありましたが、こちらは既存の社会福祉施設等の災害復旧の国庫補助の対象とされているのか、それとはまた別に新しく支援していくのか教えてください。
大臣:
水道が復旧する前に、施設内の水道管に破損がないかということを調査します。水道が復旧しても、施設内の水道管が破損していれば水漏れが起こってしまうので、効果を発揮しない、そういった意味で、事前の調査が必要だと申し上げました。これについては、現在の補助メニューでも災害復旧の対応が可能だと考えているので、その旨をしっかり周知していきたいと考えています。

(了)