上野大臣会見概要
(令和8年7月31日(金)11:06~11:25 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私から3点あります。まず、令和8年熊本地震への厚生労働省の対応についてです。この度の熊本地震では、医療機関・高齢者施設等において、停電や断水、これに伴う透析実施困難等の被害が生じております。厚生労働省においても私を本部長とする厚生労働省災害対策本部を設置し、対策に取り組んでいます。具体的には、DMAT75チーム、DPAT10チーム活動いただいておりますが、転院搬送・診療の補助等を実施いただいているところです。熊本労働局に設置した震災関係の特別労働相談窓口での雇用・労働に係る相談対応を行っております。審議官など職員4名の派遣を通じて、現地ニーズに応じた支援を実施しているところでございます。このような取組を既に実施しておりますが、関係省庁に対しては医療機関の診療体制に影響を与える電力・水道の復旧のめどを明らかにしていただくようお願いしております。また、これまでの政府の非常災害対策本部における高市総理からの指示を踏まえ、現地に派遣している厚生労働省職員をはじめ、熊本県や関係省庁、関係団体等、あらゆるチャネルを活用し、現地の詳細な情報を可能な限りリアルタイムで収集するよう努めております。また、収集した情報を最大限活用し、孤立している地域や支援が十分に行き届いていない地域を特定し、医療機関や社会福祉施設等に対する支援を、電源や給水の確保を含め、被災自治体・関係機関・関係省庁等と連携し、しっかりと行うこと、把握した情報や対応状況等について、より密度を高めて情報発信していくことについて更に対応を強化していきたいと考えております。昨日の厚生労働省対策本部において私から指示をしております。また、既にSNSも活用しながら被災地の皆様に必要な情報を随時発信しております。厚生労働省のホームページに災害関係情報の特設ページを開設しました。被災者や事業者ごとに、ニーズに応じ、保健・医療・福祉、雇用・労働に関する情報をまとめていますので、是非ご覧ください。引き続き、被害状況の迅速な情報収集に努めるとともに、スピード感をもって必要な対策を実行していきたいと考えております。2つ目、幹部人事についてです。本日の閣議で、局長級以上の幹部職員の人事異動について、内閣の承認が得られました。今回の人事異動の内容については、お配りしている資料のとおりであり、これらの人事は、8月4日付で発令します。伊原和人事務次官が退官し、その後任に村山誠職業安定局長を、山田雅彦厚生労働審議官が退官し、その後任に間隆一郎保険局長を登用します。迫井正深医務技監は留任します。女性の登用については、新たに、河野恭子大臣官房総括審議官を登用します。また、DX・AXに関する施策の強化を図るため、情報政策専任の政策統括官を置くこととし、デジタル庁統括官の三浦明を登用します。令和8年熊本地震についてですが、現在、大臣官房危機管理・医務技術総括審議官として災害対応の要を担っている佐々木昌弘は、引き続き、医政局長として、省を代表して対応に当たらせることといたします。また、過去に危機管理対応の経験が豊富な、感染症危機管理統括庁審議官の眞鍋馨を、佐々木の後任の危機管理・医務技術総括審議官として、対応に当たらせることといたします。最後に3点目ですが、令和8年6月の有効求人倍率は1.18倍と、前月より0.01ポイント上昇となりました。また、完全失業率は2.5%と、前月と同水準となっております。求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は、有効求人倍率はおおむね横ばいで、求人が引き続き求職を上回って推移しており、緩やかに持ち直しています。物価上昇・中東情勢等が雇用に与える影響に留意する必要があると考えています。
質疑
- 記者:
- 現在の熊本地震の被災状況を踏まえて、医薬品の製造・流通、医療・社会福祉関連施設の被害対応等、厚生労働省所管分野における課題を教えてください。
- 大臣:
- 医薬品については、業界団体と連携の上、医薬品の製造販売業者や卸売販売業者における被災状況や供給への影響等について情報の収集に努めています。例えば、医薬品卸売販売業者については、八代市において、出荷が一時滞っていたものの、昨日より順次復旧していることを確認しています。その他、設備破損等の報告を行った事業者もありますが、詳細についてヒアリングを行う等、引き続き必要な対応を進めてまいります。医療施設については、53施設が被災しており、その中で、DMAT75チーム、DPAT10チームによる患者搬送支援等により、診療継続が不可となっている病院について転院搬送を実施し、順次、転院搬送が完了しています。避難が必要なのは4施設ですが、3施設については避難、転院が完了しています。また、高齢者施設・障害者施設についても、合わせて857施設が被災しています。サービス提供に支障があり、避難の必要性が生じている施設については、順次避難を行っています。高齢者施設については、13施設が確認されており、うち8施設では避難が完了しています。障害者施設については、22 施設で確認されておりますが、うち17 施設では避難が完了しています。こうした施設において診療体制等を確保するには、電気と水の確保が極めて重要です。このため、電源や給水の確保を関係省庁にお願いしているところであり、引き続き、被災自治体や関係省庁等と連携し、迅速な情報収集を行い、スピード感をもって対応していきたいと考えております。
- 記者:
- 人事について伺います。事務次官には村山誠氏が就任することとなりました。旧労働系からの次官就任は11年ぶりとなりますが、今回の人事の狙いをお聞かせください。
- 大臣:
- 人事については、政策を推進するという観点から適材適所の配置を行うこととしたものであり、個別の人事についてはお答えを差し控えたいと思います。
- 記者:
- 最低賃金の2026年度改定額の目安が、全国加重平均で55円引き上げる形で決着しました。まず、この結果をどのように受け止めていますか。今後は地方最低賃金審議会での議論に移ります。昨年度は目安を上回る改定や、適用時期を遅らせる事例も相次ぎました。今年度の地方審議会にはどのような議論を期待しますか。
- 大臣:
- 今年度の地域別最低賃金額改定については、先日7月28日、公労使三者構成の中央最低賃金審議会において、全国加重平均55円、引上げ率4.9%の目安を答申いただいたところです。最低賃金法に定める三要素を考慮して決定されたものであり、政府目標とも整合的で、まずは委員の皆様の真摯なご議論に感謝申し上げたい。今後、地方審議会の委員の皆様におかれても、法定三要素のデータに基づき、また、目安を参考に、地域の実態を踏まえた真摯なご議論をいただくようお願いしたい。また、改定額や発効日については、先月6月23日、中央最低賃金審議会の目安制度の在り方に関する全員協議会において、今後の地方最低賃金審議会での審議に当たっての対応方針を取りまとめられたところです。この取りまとめの内容を踏まえた審議が行われることを期待しています。
- 記者:
- 消費減税と社会保障国民会議について伺います。高市首相が昨日、食料品の消費税率を来年4月から2年間、1%に引き下げる意向を示しました。合わせて実施される現金給付と合わせ、年間5兆円規模になるとされていますが、今年度当初予算でも社会保障4経費と国分の消費税の隙間が13兆円あると思います。減税と給付が社会保障の給付に影響しないということ理解でよいのか大臣の見解を伺います。また、国民会議で29日、中間とりまとめを公表されました。この内容に対する大臣の評価と、ここに盛り込まれた検討課題に厚生労働省として今後どう関わっていくのか、改めて伺います。
- 大臣:
- 昨日、高市総理から、飲食料品の消費税率1%への引き下げ等に関して、ご発言や党に対する要請があったと承知しています。厚生労働省としては、必要な社会保障サービスが必要な方に提供されることが大事だと考えています。そのためには、社会保障制度を安定的に運営するために必要な予算を確保していくことが重要だと考えています。また、29日の中間とりまとめは、参加各党の皆様や有識者の皆様の精力的な議論の結果、とりまとめに至ったものと認識しています。この中間とりまとめにおいては、給付の対象外で支援が必要な方を丁寧に把握した上で、生活困窮者自立支援制度、障害者福祉など既存の制度での対応との関係を整理する等の検討課題が盛り込まれております。今後、全世代型社会保障改革担当大臣が中心となって、必要な整理・検討が行われるものと承知しておりますが、私としても、全世代型社会保障改革担当大臣等と連携していきたいと考えています。
- 記者:
- マイナ保険証について伺います。従来の健康保険証を暫定的に利用できる措置が今日で終了します。今後はマイナ保険証もしくは資格確認書の利用の原則がより強まりますが、これに対する大臣の受け止めと、保険診療での受診に必要な対応点や注意点、混乱を防ぐための取組などについて、また、熊本地震を受けた対応についても併せて教えてください。
- 大臣:
- まず、マイナ保険証の利用状況を最初に申し上げますが、マイナンバーカードの保有者数は6月末時点で約1億386万人、マイナ保険証の利用登録者数は6月末時点で約9,487万人となっております。また、マイナ保険証の利用率は5月時点ですが、68.52%となっています。暫定措置の終了後も医療機関等を円滑に受診いただくことが重要です。これまでも、暫定措置の期限を明記したリーフレットの保険者や医療機関・薬局を通じた周知、医療機関等の受診時に配慮が必要な方々に対する福祉関係団体を通じた周知、厚生労働省のSNS等を活用した積極的な呼びかけ、閣議後会見の場をお借りしての周知などについて取り組んできました。多くの方々に、既にご対応いただいていますが、8月以降は、マイナ保険証か資格確認書を持参しての受診になるため、国民の皆様におかれては、いずれかがお手元にあり、お使いいただける状況となっているか、いま一度ご確認いただきたいと考えています。また、熊本地震への対応ですが、熊本地震に伴う受診時の対応としては、被災された方がマイナ保険証や資格確認書を持参できない場合でも、保険診療を受診可能とすることとしています。また、本人の同意の下、医療機関等で薬剤情報等を確認できることとする取扱いについて、発災当日に事務連絡を発出して、医療機関等をはじめとした関係者に対して周知を行っています。引き続き、被災者の方々への医療提供等に万全を期してまいります。保険診療を受診可能とすることについても、事務連絡の中に含まれております。
- 記者:
- 高額療養費引上げに関する政令・省令案のパブコメに5,000件を超える意見が寄せられ大半が反対意見でした。厚生労働省は質問に対し具体的な回答を避け、「ご理解ください」を繰り返し、結論を押し付けるだけの回答ばかりでした。政令・省令は法令上、大臣裁量で凍結可能であり、予備費を活用すれば予算上も問題はありません。国民の意見を踏まえて引上げを凍結しないのでしょうか。厚生労働省作成のチラシには、「持続可能性確保のため上限額が変わります」と記載していますが、制度変更の妥当性を検証するに足る説明や記載は見当たりません。月額上限の引上げ対象人数と年間上限の対象人数、370万円から770万円の中低所得層の月額上限の引上げ額と年収370万円までの外来特例の引上げ額をそれぞれご回答ください。また、パブコメ意見に対して厚生労働省は「保険料軽減効果は月額数百円」と回答しましたが、加入者1人あたりの月額・年額の保険料軽減額効果をそれぞれご回答お願いいたします。
- 大臣:
- 政令改正にあたって実施したパブリックコメントにおいては、多くの御意見をいただきました。高額療養費制度を将来に引き継いでいくことの必要性は、専門委員会でも全ての委員の認識が一致しており、今回の見直しは、こうした多くの関係者と議論を積み重ねた上で行うものです。特に療養期間が短期の方にとっては、追加で御負担をいただくことは事実であり、様々な御意見があることは承知していますが、年間上限の創設など、長期療養者や低所得者のセーフティネット機能を強化するという今回の見直しの趣旨や内容について、引き続き、分かりやすく丁寧に説明を重ねていきたいと考えています。また、リーフレットは、このような見直しの趣旨や内容を分かりやすくお伝えする観点から、改正のポイントを簡潔にお示しすることを狙いとしている。その上で対象人数等ですが、たびたび申し上げてきたが、現在、多数回該当に当たる方の負担は増えないこと、年間上限の創設によって、非常に高額な医療にかかっており、年1~3回しか高額療養費に該当しなくとも負担が下がる方もおられることから、単純に負担が増加する患者と負担が減少する患者の人数をお答えすることは困難であります。また、年収約370万円から770万円の負担額の変化や外来特例の負担限度額の見直し、今回の制度見直しによって、結果的に生じる保険料軽減効果等をはじめ、高額療養費制度の概要や様々なデータ等は、厚労省のホームページに資料を掲載しております。ちなみに、年収約370万円から770万円の方におきましては、月額80,100円から85,800円となるところです。
(了)

