上野大臣会見概要

(令和8年7月23日(木)16:31~16:42 中央合同庁舎5号館1階タリーズ前)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
「攻めの予防医療」に向けた取組について、5月の経済財政諮問会議で、概要について方向性をお示ししていましたが、この度、厚生労働省として「攻めの予防医療厚生労働省関係施策」、略称「U.E.N.O.Plan」を策定・公表しましたのでご報告したいと思います。攻めの予防医療の推進に効果的に取り組むには、国民の皆さん一人一人が自身の健康を自分ごととして捉え、主体的に健康づくりに取り組んでいただくことが重要だと考えています。健康リテラシーの向上を図ることが大切です。厚生労働省では、こうした観点から健康増進法に基づく「健康日本21」などの様々な施策に取り組んでまいりました。他方で、今後、更なる効果の発現を目指すためには、新たに行政や保険者等による能動的な介入を強化し、実効的な行動変容を促進していきたい、積極的な働きかけという、いわば「攻め」の取組を具体化することが大切と考えています。今回のプランでは、我が国の死亡理由の半分を占める生活習慣病を中心として、具体的には、「栄養・食生活」「がん・循環器病等」「歯科保健」「認知症」「リハビリテーション」「性差に由来するヘルスケア」という6つの領域を、まず第一弾として重点的に取り組んでいきたいと考えています。特に、歯科保健領域では、総理から指示をいただいた国民皆歯科健診の具体化に向け、希望する国民の皆さんが毎年歯科健診を受けられるよう、来年度から取り組んでいきたいと考えています。健康を自分ごとと捉え、国民の皆さん一人一人が、健康に関する知識を深め、自身の健康状態を理解し、身体を動かして、心と体を養い、自分に合った良い健康習慣を継続していただけるような取組を行いたいと考えています。「U.E.N.O」は、こうした意味を込めた単語です。これらの領域に関する取組を通じて、健康寿命の更なる延伸や社会保障を支える基盤の維持・強化が期待されるところです。今後は、令和9年度概算要求など、様々な局面において、このプランに基づく施策を積極的に推進していきたいと考えています。施策の詳細については、この後の事務方による記者ブリーフィングでお尋ねいただきたいと思います。

質疑

記者:
予防医療は、第二次安倍政権のときに相当力を入れてやったのですが、その後聞かなくなりました。今回の攻めの予防医療というのは、安倍政権のときの総括をどのように生かしているのか、どう違うのかについて教えていただけますか。
大臣:
これまでの政権も、先ほど申し上げた健康日本21などによって、健康づくり等を推進してきたと思っています。ただ、高市政権になり、最初の所信表明の際にも攻めの予防医療ということで、予防医療や健康づくりに特に力を入れているということで検討を進めてまいりました。攻めというのは、先ほど申し上げたように、これまで以上に積極的な働きかけによって行動変容を求めていきたいといった意味合いを込めたものです。これまでの延長線上ではありますが、例えば、がんの検診率の向上や国民皆歯科健診の具体化など、具体的に更に進められるような施策を取りまとめたところです。
記者:
がん・循環器病等の予防についてお伺いします。こうした取組には、AI等最新テクノロジーを通じた個人の診断の支援や、個人のヘルスケアデータなどを、もう少し解像度を上げて医療従事者の方々も取り組んでいく必要があるのかなと思いますが、政府としてはそういったところをどう検討していますか。
大臣:
がんについては、検診率と精密検査の受診率を引き上げることが肝心だと思っています。現在、目標は受診率6割、精密検査受診率は9割としていますが、そこにはまだ達していないので、特に企業検診への働きかけを強化し、検診率の向上につなげていきたいと考えています。精密検査の受診率もまだまだ伸びる余地があるので、それについては様々な広報活動や周知活動を徹底することによって、自分ごととしてその問題を捉えてもらえるようなきっかけをしっかり作っていきたいと考えています。
記者:
AIなどテクノロジーに関してはどうですか。
大臣:
AIについては、PMHを活用した自治体検診のDX化に取り組んでいきたいと思っており、職域検診の情報を市町村でも把握できるようにし、それを次なる受診勧奨などにつなげていきたいと考えています。そのためには、DXの技術をしっかり活用していきたいと考えています。
記者:
このU.E.N.Oですが、UnderstandやExerciseと書いてありますが、それぞれに込めた意味をもう少し詳しくお聞かせいただいてもよろしいですか。
大臣:
Understandは知る、理解するという意味で、Exerciseは身体を動かす、実践する、Nourishについては栄養を与える、養う、Optimizeについては最適化するということです。国民の皆さん一人一人が知る、健康に関する知識を深める、自身の健康状態への理解を深めるといった意味でUnderstandです。それから、身体を動かすという意味でExercise、いろいろなことを実践するという意味合いもあります。それから、養う、Nourishは心と体を養うということです。あとは、自分に合った良い健康習慣を最適化するという意味合いでOptimizeという言葉を使っており、それでU.E.N.Oです。
記者:
冒頭の発言でもあり重複する部分もあるかと思いますが、改めて予防医療に力を入れられるねらい、理由について伺いたいのと、医療費の効率化や削減というところは、ねらいとしては入っていないのかというところをお願いします。
大臣:
攻めの予防医療に力を入れる観点ですが、やはり先ほども少し申し上げましたが、がんをはじめとする生活習慣病で、5割の方が亡くなっていらっしゃる、また一般医療費の3割を占めているので、そうした分野を一つのターゲットとして考えているということがあります。またその他にも、全身の健康にもつながる歯と口腔の健康や、認知症やリハビリテーションなど、これからの高齢化の中で必要な対策についても当然視野に入れて取り組んでいきたいと考えています。攻めというのは、先ほども申し上げたように、積極的に働きかけることで、人々の健康に対する意識や行動を変えていければと思っています。そういった意味で、予防医療というのはしっかりと力を入れていきたい。その背景には、健康寿命の延伸というものがあるかと思っており、やはり今、平均余命と健康寿命の差が10歳程度あるわけです。我々は今人生100年時代といっていますが、できたらその100年を健康でいられるような日本社会を目指していきたいと考えているので、そういった健康寿命の延伸という観点からも、この予防医療というのは重要だと思います。医療費の削減効果については、様々な取組の中で具体的なエビデンス等に基づいて評価・検討しなければいけないと思っているので、今の段階でこの政策を行うことによってどれだけの医療費削減の効果があるかというのは分からないわけですが、いずれにせよ、健康寿命をしっかり伸ばして、社会保障の担い手を増やして、社会保障の持続可能性に貢献するといった意味で非常に重要な取組だと考えています。
記者:
必要な財源、予算については来年度の概算要求などでという言葉もありましたが、今年度と比べてどのくらい増やしていきたい、このくらいの規模感みたいなものがもしあればお願いします。
大臣:
今こうしたプランを概要として取りまとめさせていただきました。この中でさらに、概算要求に向けてこういった施策をすることによっていくら予算が必要かということは、もう少し詰めていきたいと考えているので、現段階で、どれくらいの予算規模かということは、なかなか申し上げることにはならないと思いますが、例えば、歯の検診であっても、希望する人全員ということになれば、それなりの規模の予算が必要になるので、そうしたことも十分踏まえて検討を深めていきたいと思います。

(了)