上野大臣会見概要

(令和8年7月21日(火)9:40~9:51 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは冒頭の発言はありません。

質疑

記者:
最近の気温の上昇に伴って熱中症で救急搬送される人が増えていますが、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う労働者への対応、または事業者への注意喚起など何かあればお願いします。
大臣:
職場における熱中症の防止対策は重要ですので、昨年6月、熱中症による死亡者数が高止まりしている状況を踏まえ、労働安全衛生規則を改正しました。事業者に対して熱中症のおそれのある労働者の早期発見と重篤化防止の措置を義務付けたところです。本年3月には、事業者が業種・業態に応じて熱中症リスクを把握・評価した上で、その結果に基づき講ずべき措置を「職場における熱中症防止のためのガイドライン」で示したところです。暑さが厳しくなるこれからの季節、職場における熱中症を防止するために、事業者の皆様には、ガイドラインを参照していただき予防対策、熱中症のおそれのある労働者の早期発見、発見した際の速やかな対応をお願いしたいと思います。また、労働者の皆様には、無理をせずに体調に変調を感じたらすぐに周りの方や管理者に申し出ることをお願いしたいと考えています。
記者:
電子カルテ導入の義務化について3点お伺いします。1点目、昨年12月に改正医療法が成立しましたが、こちらでは2030年までに診療録を電子化した電子カルテの導入が医療機関に義務付けられたということなのでしょうか。2点目、政府が開発中の標準型電子カルテ・導入版というものがありますが、こちらは診療録を電子化した電子カルテではなく、電子カルテ情報共有サービスの利用をスムーズに行うためのアプリであり、医療機関への導入は義務付けられていないという理解でよろしいでしょうか。3点目、医科診療所や中小病院向けに、標準仕様に準拠した電子カルテの認証制度が準備されていますが、こちらは標準仕様に対応するために既存の電子カルテを改修しないといけないのでしょうか。標準仕様に対応しないことによる不利益はあるのでしょうか。
大臣:
先の臨時国会で成立した医療法等改正法により、地域医療介護総合確保法に、電子カルテの普及目標に関する規定が盛り込まれました。この規定の目標達成の義務は政府に課されたものであるので、医療機関に電子カルテの導入を義務付けるものではありません。また、現在、開発中の標準型電子カルテ・導入版は、紙カルテを使用している診療所であっても利用できるよう、シンプルな画面設計としつつ、電子カルテ情報共有サービスによる情報連携が行えるようにする予定です。これについても導入を義務付けているものではありません。また、本年3月に公表した電子カルテの標準仕様は、電子カルテベンダー向けにお示ししたものであり、既に電子カルテを導入している医療機関に対して、システム改修や更新を求めるものではありません。医療機関が、現在利用している電子カルテを継続して利用いただくことは可能です。ただ、こうした電子カルテは全国的な情報連携ができる、あるいは、セキュリティのレベルがチェックできるなど、メリットも大きいと考えているので、そうした標準仕様に準拠した電子カルテを利用していただくということは期待しているところです。
記者:
生活保護の追加給付について伺います。厚生労働省は、生活保護基準の改定に関する最高裁判決を踏まえ、現在生活保護を受給していない方についても、自治体への申出により追加給付を行うとのことでした。現在生活保護を受給していない方の中には、なかなかこの制度自体を知らない方も少なくないと思われる中で、対象者を取りこぼさないために、どのように周知を徹底していくか教えてください。
大臣:
現在生活保護を受給していない世帯への追加給付については、各自治体において対象世帯から申出を受け付けた上で支給することとしています。申出を受け付ける期間は、全国統一で、本年8月1日から令和9年7月末までの1年間に設定することとしています。国としても対象者の皆様への周知・広報が重要であると考えています。申出期間内において、集中的・効率的に、新聞やインターネットなどの各種媒体による全国規模の周知・広報に取り組んでいくとともに、本年3月から設置している相談センターや自治体と緊密に連携しながら、対象となる方々への追加給付が円滑に進むようにしっかり取り組んでいきたいと考えています。
記者:
先週、高市総理が、GPIFなど年金基金による日本の金融資産への更なる投資を後押しする方策を追求する、そして、成長と国民の資産形成の好循環を促すことは重要だと述べました。また、GPIFがリバランスと呼ばれる資産の売買を機動的に実施していると指摘しました。首相の発言に関して、大臣はどのような指示だと受け止めて、新たに検討を始めることがあるのかお伺いします。また、前回の会見でご発言のあった、現在の運用環境は基本ポートフォリオが想定しているものから大きく乖離しているとは考えていないとの見方にお変わりないのか。また、前回の会見でも上野大臣は、先週の高市総理のオルタナティブ投資について触れていましたが、国内投資への強化というのは、株や債券ではなくオルタナティブ投資のことを意味しているのでしょうか。
大臣:
GPIFの運用については、法律に基づいて専ら被保険者の利益のため、長期的な観点から、市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ行う必要があります。GPIFは定められた運用方針の下、オルタナティブ投資を実施し、国内案件についても着実に投資を積み上げて、国内経済の成長にも寄与していくものです。その上で、現在の運用環境ですが、基本ポートフォリオが想定しているものから大きく乖離しているとは考えていません。一方で、基本ポートフォリオについては、専門的見地から毎年度適時適切に検証しているので、今後必要があれば見直しの検討を進めることになります。
記者:
重複診療による向精神薬の不正取得についてお伺いします。テレビ朝日の取材で、1日1錠の服用を前提とする向精神薬について、1人の患者が都内の複数の病院・薬局を利用し、年間1万錠近くの向精神薬を処方されるという事例を確認しています。オーバードーズや転売などの悪用が疑われ、医療関係者からは、都内のみならず全国にも波及しているとの指摘もあります。この問題の大臣の受け止めと厚生労働省としての対応を教えてください。
大臣:
適正な処方量を超えて向精神薬が処方されている事例や転売の疑われる事例に関しては、健康被害につながる可能性もありますので、適正使用は重要な課題であると認識しています。厚生労働省においては、9割の薬局に既に導入していただいていますが、電子処方箋システムに向精神薬の重複投薬チェック・アラート機能を設けているところです。この機能によって、薬局において客観的に疑わしいと判断される場合には、薬剤師法により調剤を拒否できることを薬剤師に対して明確に示すなどの対策を講じています。また、処方された向精神薬を他者に譲渡することは、麻薬及び向精神薬取締法に違反するものですので、麻薬取締部などが必要な取締りを行っているところです。引き続き、医療機関を過剰に受診している方による向精神薬の不正転売等の問題について、調剤段階での対応や取締りの強化などを含め、実効性のある対応を検討していきたいと考えています。
記者:
社会福祉協議会の体制についてお伺いします。今国会で改正社会福祉法が成立しました。身寄りのない高齢者支援を強化する内容となっていて、担い手の一つとして社会福祉協議会が想定されています。しかし、一部の社会福祉協議会から、現場では既に人手不足が続いているとの声が出ています。今後どういった対策を検討されていますでしょうか。
大臣:
今般の社会福祉法等の改正を受けて、頼れる身寄りのいない高齢者等への支援を行う新たな第二種社会福祉事業については、全国どの地域でも支援を受けることができるように、都道府県社会福祉協議会に必要な事業の実施を義務付けています。社会福祉協議会の存在は大変重要であると考えています。一方で、現在、社会福祉協議会が実施している日常生活自立支援事業については、待機者が生じていることや担い手となる専門員等の状況に課題があることが指摘されています。社会保障審議会の報告書でも、今後新たに創設する支援の詳細の検討に当たっては、現在の事業の実施状況や社会福祉協議会の実践の経験を踏まえること、事業実施に向けて十分な準備期間を設けて、関係者との丁寧な説明・調整を行うことなどが指摘されているので、この事業は、改正法の公布から2年以内に政令で定める日から施行することとなっています。現在の事業の課題を踏まえ、施行に向けて関係者ともしっかり相談しながら必要な対応をとっていきたいと考えています。

(了)